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カテゴリー「新譜」の記事

2017年3月22日 (水)

NYCに乗り込んだJulian & Roman Wasserfuhr兄弟

"Landed in Brooklyn" Julian & Roman Wasserfuhr (ACT)

_20170320前々作"Gravity",前作"Running"と非常にいいところを聞かせたJulian & Roman Wasserfuhr兄弟が約3年半ぶりにリリースする新作はNYCに乗り込んでのレコーディングである。

私は彼らの音楽をロマンティシズム溢れると表現しているが,そんな彼らが今回共演者に選んだのがDonny McCaslin,Tim Lefebvre,そしてジャズ界のプーチン(笑)ことNate Woodというどちらかというと,ハイブラウなファンクもこなす面々というのがまず意外であった。一体どういう演奏になるのかというのが,まずこのアルバムの情報を知った時の私の感覚であった。

だが,誰が共演だろうが,彼らの演奏はそんなに変わったって感じはしないが,ロマンティシズムは抑制気味に思えるが,むしろジャズ的な感覚は強くなっているように感じるのは,メンツゆえって感じがしないでもない。だが,ロマンティシズムというより,メロディアスという感覚を横溢させており,私としては1曲目の"Bernie's Tune"からして,おぉ,今回もいいねぇと思わせるに十分なものであった。"Bernie's Tune"と言っても,Gerry Mulliganがやったのとは同名異曲であり,これは兄弟によるオリジナルであるが,なかなかの佳曲である。

アルバム全体を通してもメロディアスな曲が並んでいるが,その中でこの人たちらしいのが,ロックに対するシンパシーを感じさせる選曲があるところである。今回はドイツのロック・バンド,Tokio Hotelの"Durch den Monsun"とStingの"Seven Days"が入っている。後者の途中に出てくるソロは,まるでPat Methenyのギター・シンセのような感じなのが面白いが,マリンバの使用も含めて,そこはかとなくPat Methenyの影響を感じさせるところがあるのはある意味微笑ましいが,そういう世代なんだろうなぁと思う。

どうやったら,こんな音が出るのかと思って,クレジットを眺めるとRoman WasserfuhrがSeaboardを弾いているとある。Seaboardってなんだと思って調べてみると,「革命的であり、タッチセンシティブ・インターフェースとパワー、そしてカスタムビルドのシンセサイザーをシームレスに統合し、MIDIコントローラー上前例のない表現力の可能性を開きます。」,あるいは「フィーリングとレスポンス。センサーが搭載されたSeaboard RISEKeywaveサーフェスによって、タッチでサウンドを形成することができます。シリコン製サーフェスを継続的にプレスして左右に指をスライド、Keywaveまたはリボンに沿って上へスライドすれば、それぞれの動きに合わせてサウンドがモジュレート。全てのシーボード・インターフェース上でアコースティック楽器や電子楽器を表現豊かに奏でることが可能です。」なんて書いてある。わかったようでわからん説明だが,映像があったので貼り付けておこう。これを見ると世の中進化してるねぇ(笑)。

閑話休題。そうした新しいテクノロジーも導入しながら,彼らのよさというのは不変であり,今回も大いに楽しませてもらった。何度聞いてもドイツっぽくないサウンドだが,私は彼らの音楽は大いに支持したいと思う。ということで,今回も星★★★★☆としてしまおう。共演者も,彼ららしいイケイケ感を抑制した好演で応えていると思う。

Recorded on August 13 & 14,2016

Personnel:Julian Wasserfuhr(tp,fl-h),Roman Wasserfuhr(p, marimba, seaboard), Donny McCaslin(ts), Tim Lefebvre(b), Nate Wood(ds)

2017年3月19日 (日)

アイスランドのピアニストが生み出す素晴らしく美しいピアノの響き

"Philip Glass Piano Works" Víkingur Ólafsson (Deutsche Grammophon)

_20170318先日,出掛けるついでにショップのクラシック売り場に行って,現代音楽のコーナーを漁っていたら(笑),ドイツ・グラモフォンからの名前も聞いたことのないピアニストのアルバムが目に入った。しかもPhilip Glassのピアノ曲集である。試聴はできないものかと,試聴機を探していたら,あった,あったということで,冒頭の1曲聞いただけで「買い」を決めたアルバムである。

Philip Glassと言えば,ミニマル・ミュージックと呼ばれることが多いが,ここではミニマル的ではありながら,美しいピアノ作品となっていて,私はMichael Nymanの作品,"The Piano(「ピアノ・レッスン」と言った方が通りがよいかもしれない)"を思い起こしていた。いずれにしても,疲弊した精神や肉体を癒す効果が非常に感じられる作品。

ここでピアノを弾くVíkingur Ólafssonはアイスランド出身の33歳のピアニストであるが,アイスランドという環境がこうした美しさに貢献しているように思えるのは,オスロのレインボー・スタジオで録音されたECMの作品の美しさみたいなものと同質のようにも感じられる。もちろん,Philip Glassが書いた曲がもともと美しいのだってのは事実だが,この清冽な響きはたまらないねぇ。

2曲にストリング・クァルテットが加わるが,これがまた素晴らしいアクセントになっていて,しばらく私はこのアルバムから離れられそうにない。そんな一作である。非常に気持ちいいので,星★★★★★としてしまおう。まじでたまらん。

Recorded on October 24 & 25, 2016

Personnel: Víkingur Ólafsson(p),Siggi String Quartet(on 7&13)

2017年3月 5日 (日)

多国籍トリオ,Benedikt Jahnel TrioのECM第2作:これは私の好みだなぁ。

"The Invariant" Benedikt Jahnel Trio (ECM)

_20170304この人たちの前作"Equilibrium"が非常によかったので,今回の作品も期待できると思っていたが,予想通りの作品に仕上がっている。

ドイツ~スペイン~カナダのミュージシャンからなるこのトリオの音楽は,基本的には欧州的なテイストを持つものであり,美的で静謐で内省的な演奏を基本としながら,ビートも感じさせる瞬間もあり,非常にバランスの取れた演奏だと感じさせる。

そもそも私はこの手のECMにおけるピアノ・トリオの演奏が好物である。Marcin Wasileuski然り,Tord Gustavsen然りである。最近はGiovannnii Guidi等も加わって,ECMのピアノは更にラインアップが強化されているが,このBenedikt JahnelのトリオもManfred Eicherのお眼鏡にかなうだけのことはあると思わせる演奏ぶりである。

とにかく,リーダー,Benedikt Jahnelの書く曲の美しさも見事なものであり,この手のサウンド好きには無条件にOKと言わせるに違いない作品である。もちろん,私もこの作品はもろ手を挙げて推薦したい。こういう音楽を聞くタイミングとしてはいつがいいのかなぁなんて思うが,週末の昼下がりに本でも読みながら聞いていたら,読書も心地よく進むこと間違いなしだろう。甘いの承知で星★★★★★としてしまおう。いいですわ~。

Recorded in March, 2016

Personnel: Benedikt Jahnel(p), Antonio Miguel(b), Owen Howard(ds)

2017年2月26日 (日)

Ondřej Štveráčekの新作がチェコより到着

"Sketches" Ondřej Štveráček Quartet Featuring Gene Jackson(Stvery Records)

_20170225ジャズ界のおんどれ君こと,Ondřej Štveráček(Ondrej Stveracek)の"Calm"については先日,このブログに取り上げた(記事はこちら)が,日本国内での流通が非常に悪いため,おんどれ君の本国,チェコから飛ばしたのであった。その"Calm"に続く新作"Sketches"が,早くもリリースされていることはわかっていたのだが,これまた日本での購入が難しい状態が続いていたので,おんどれ君に直接コンタクトして,送ってもらったものがようやく到着である。

そのデリバリーを待つ間に,何のことはない,DU新宿店での独占販売でもっと簡単に手に入る状態になっていて,チェコから飛ばしている私としては「おい,おい」みたいな感じだったが,まぁよかろう。だが,DUにおいてもウィークリー・チャートのトップになるぐらいの人気ぶりだったようであるから,それはそれでめでたい。しかし,本作を聞けば,これが店頭でプレイバックされていたら,手に取ってしまう人が多くても当然だと思いたくなるようなサウンドなのである。

ここで聞かれるのは"Calm"同様のColtrane色の濃厚な演奏であり,演奏は極めてハイブラウなものとなっていて,この手のサウンドが好きなリスナーでなくても,一般的にジャズ好きな人であれば,これは結構気に入るタイプの演奏ではないだろうか。やっているメンバーも一緒なので,サウンド的には"Calm"同様になっても当然だが,前作に勝るとも劣らないスリルに溢れた演奏と評価することができると思う。今回の作品にもJerry Bergonziが次のようなコメントを寄せている。"'Sketches' is a tenor player's delight. The Coltrane influence is something I love hearing. The passion and spirituality in the music is moving. Also Ondrej's soprano sound is other worldly and adds a great musical ingredient."

オリジナルを中心とした前作から,本作ではメンバーのオリジナルに加え,"I Want to Talk About You",”It Could Happen to You",更には"Three Card Molly"のようなスタンダード,カヴァー曲が含まれているのが特徴的だが,それは決して悪いことではないと思える。フェードアウトする曲があるのはもったいないと思わせるが,それでもこれは"Calm"同様に,リスナーを興奮させるに十分な出来である。星★★★★☆。

レーベル名から推測すると,これはおんどれ君の個人レーベルと思われるが,もう少し流通度を上げればいいのに,と思わせる。こうしたアルバムはもっと聞かれて然るべきなのである。ダウンロードは簡単にできるが,CDとして保有したいと感じる現物派の人だって多いはずだから,もったいないと思うのはきっと私だけではないだろう.

ところで,最後に収録された"Lullaby - Dedicated to My Daughter Anna"はおんどれ君のオリジナルとなっているが,誰がどう聞いても"It's a Small World"だろう(笑)。もしかして確信犯ですか?(爆)

Recorded on March 27, 2016

Personnel: Ondřej Štveráček(ts, ss),Klaudius Kováč(p), Tomáš Baroš(b), Gene Jackson(ds)

2017年2月25日 (土)

出た!久々のRalph Townerのソロ・アルバム

"My Foolish Heart" Ralph Towner(ECM)

_20170221私が贔屓にしているミュージシャンは結構いるが,その中でもRalph Tonwerはトップ5に入れられるミュージシャンだと思っている。自分が多少ギターを弾くということもあるが,この人のギターの響きは私の琴線にいつも触れてくるのである。

そんなRalph Townerが久々に放つソロ・アルバムである。ソロ・アルバムは2006年リリースの"Time Line"以来であるから10年以上が経過している。まぁ,その間にもPaolo FresuとのデュオやWolfgang Muthspiel,Slava Grigoryanとのギター三重奏のようなアルバムがあったから,そんなに久しぶりって感じはしないのだが,それでも"Diary"やら"Solo Concert"のようなソロ作品を長年愛してきたRalph Townerのファンとしては,ソロ・アルバムと聞いただけで反応してしまうようなところがあるわけだ。しかもアルバム・タイトルは"My Foolish Heart"である。

Ralph TownerはこれまでもBill Evansゆかりの曲を演奏してきた。それはRalph TownerによるBill Evansへのシンパシーの表れということだろうが,楽器は違えども同質のリリシズムを発揮するところに私は魅かれているのだと思う。ライナーにもRalph Townerも書いているが,Bill Evans~Scott LaFaro~Paul Motianのトリオは,Ralph Tonwerにとってもインスピレーションの源泉なのである。

このアルバムはタイトル・トラックを除いて,Ralph Tonwerのオリジナルであるが,これがまた粒ぞろいの佳曲群である。今回の新作に合わせて,久しぶりにソロによる前作"Time Line"を聞いてみたのだが,ややアブストラクトな感覚の曲もあった"Time Line"に比べて,本作収録曲はメロディ・ラインが明確なものが多いように感じさせる。そのため,リリカルでありながらも,より明るい印象を与えるが,やはりこのアルバムを聞いていて,私はRalph Townerというミュージシャンが好きなのだということを再認識させられた。我ながら単純だと思いつつ,今回も見事にしびれさせられてしまったのである。まさにOne & Onlyだと言ってもよい世界だが,クラシック・ギターが主力ながら,やはりこの人の12弦ギターの響きは独特であり,もっと12弦を弾いてくれとさえ思ってしまう。

いずれにしても,今回もこの人のギターの響きを堪能させてもらった私である。久々感のおまけ感覚もあり,星★★★★★としてしまおう。やっぱりええですわ~。

Recorded in February 2016

Personnel: Ralph Towner(g)

2017年2月22日 (水)

Joey Calderazzo@Cotton Club。もう少し集客がよくてもよさそうなものだが...。

Joey_calderazzo_trioJoey CalderazzoのトリオがCotton Club東京に出演するということで,出掛けた私である。今回はチャージ半額のクーポンが出回っており,それを利用して」の参戦となったが,現地に到着した段階で,客入りの悪さは保証されていたようなものである。

私が到着したのは2ndセットの開場時間を数分過ぎたころであったが,それでも受付番号は#6である。その後,ロビーで待っていたのだが,聴衆の数が大幅に増えることはなかった。前回私が行ったCotton ClubでのライブはKevin Haysのものだったが,その時よりも更に集客は悪かっただろう。月曜日の2ndってこともあるかもしれないが,客席は4割も埋まっていないって感じである。はるばる米国から来て,この客入りではJoey Calderazzoとしても「う~む」となってしまうだろう。だから,終演後のサイン会もなくても仕方ないが,長年のファンとして,結構な枚数のCDを持ち込んでいた私としては残念だった。

それはさておきである。演奏については最近のJoey Calderazzoのアルバムの演奏に近い感じであるが,やはりこの人,アップ・テンポの方がはるかによい。これはドラムスのDonald Edwardsがバラッドよりもアップ・テンポ向きの奏者であるように思えるところに起因している部分もあるが,テンポの遅い曲でのフレージングは生硬さが感じられたのも事実である。Joey Calderazzoにはハード・ドライヴィングな演奏が似合うのである。だが,アンコールで演じられたソロによるバラッドはよかったので,全然スローが駄目なわけではないのだが,私が魅力を感じたのはミディアム・ファスト以上のテンポであったことは間違いない。

集客は全然ダメでも,演奏の手抜きは感じさせないのがプロとしての矜持であろうが,ややミスタッチが目立ったのも事実。しかし,Orkando Le Flemingは適切なPAレベルのベースを聞かせ,Donald Edwardsはアップ・テンポでは素晴らしい煽りを聞かせ,トリオとしてのバランスは悪くなかったと思う。だが,同じフォーマットのピアノ・トリオでも,Kevin HaysとJoey Calderazzoとどちらがよかったかと聞かれれば,私はKevin Haysと答えるだろう。Kevin Haysは歌で私を驚かせてくれたが,今回のJoey Calderazzoの演奏は,ややコンベンショナルに過ぎた。もう少し暴れてくれてもよかったなぁと感じていた私である。

結局のところ,私がJoey Calderazzoに求めているものが,よりハードなスウィング感であるということに,今回の感覚の要因があることは間違いない。私がJoey Calderazzoに求めるレベルが高過ぎるのかもしれないが,枯れるにはまだ早過ぎるというのが正直なところである。ちょっとアンビバレントな感覚の残るライブであった。

それにしても,こんな集客が悪くて,Cotton Clubは大丈夫なのか?箱としては利便性も高く,雰囲気もいいし,キャパも適切なので,ちゃんと経営は続けて欲しい。まぁ,私が行くときに限って集客が悪いだけと思いたい(もちろん,フルハウス状態のCotton Clubも知っているが...)。余計なお世話かもしれないが,ちょっと心配になってしまった。いずれにしても,私が行ったセット同様の入りで,4日間の出演ではさすがに厳しいよなぁ。

Live at Cotton Club東京 on February 20, 2017

Personnel: Joey Calderazzo(p), Orlando Le Fleming(b), Donald Edwards(ds)

2017年2月21日 (火)

Tinariwenの新譜が出た。どれを聞いても同じって話もあるが,このグルーブには抗えない。

"Elwan" Tinariwen(Wedge/Anti)

_20170219_2早いもので,私がこのブログでTinariwenの記事を初めて書いてから,7年半近くの時間が過ぎてしまった。その間にアルバムが出るたびに,「砂漠のブルーズ」と称される彼らが生み出すグルーブが聞きたくて,必ず購入しているのだから,私の音楽的な嗜好とフィットしているってことになるだろう。

昨年リリースされたライブ盤から約1年という短いインターバルでリリースされた新作は,相変わらずのTinariwenである。主題にも書いた通り,どのアルバムを聞いても,同じに聞こえるって気がしないでもないが,このグルーブには抗いがたい魅力がある。もちろん,アルバムの収録曲には結構メリハリがついているので,全然退屈するような音楽ではないし,歌詞を読んでいると,結構プロテスト・ソングだなぁなんて思わせるものもある。しかし,言葉は別にして,私を惹きつけるのはやはり彼らの生み出すゆったりしたグルーブなのである。

彼らのサウンドは相変わらず呪術的とも思えるが,こういう音楽に魅力を感じる欧米のミュージシャンが多いことは,Tinariwenのアルバムにゲスト参加するミュージシャンが結構多いということからも明らかだが,ある意味では普遍的な魅力を有していることの裏返しと捉えることもできると思う。彼らが参加した曲はやや異なる雰囲気を作り出す瞬間もあるが,それがTinarwenの音楽ときっちりブレンドしている。例えば,"Talyat"に聞かれるアコースティック・ギターは,ゲストの影響もあってかむしろ欧米的な響きを持っている。また,"Nannuflay"にはMark Laneganがヴォーカルで加わるが,彼の歌は完全にアメリカンだが,Tinariwenのグルーブに乗った英語詞の響きも面白かった。そうしたヴァリエーションも含めて,何度聞いてもやはり魅力的な響きである。ということで,星★★★★☆。

尚,アルバムには11曲しかクレジットされていないが,隠しトラックが2曲あるので,最後までちゃんと聞きましょう(笑)。

Personnel: Ibrahim Ag Alhabib (g, vo), Abdallah Ag Alhousseyni (g, vo), Alhassane Ag Touhami (vo, g, clap), Iyad Moussa Ben Abderahmane(g), Elaga Ag Hamid (g, vo, clap), Eyadou Ag Leche (b, g, vo, clap), Said Ag Ayad(perc, vo, clap), Iyad Moussa Ben Abderahmane(g), Mina Wallet Oumar(you-you), Amar Chawoui(perc), Kurt Vile(g), Matt Sweeney(g), Alain Johannes(g), Mark Lanegan(vo) and Others

2017年2月19日 (日)

ようやく到着:Chris ThileとBrad MehldauデュオのLP。

既にこのブログにも書いた通り,Chris ThileとBrad Mehldauの新作デュオ・アルバムのLPには,Fiona Appleの"Fast as You Can"がボーナス・トラックとして収録されているため,Brad Mehldauのコンプリートを目指す私としては,どうしてもそれを手に入れなければならない。

ということで,Nonesuchのサイトで発注して,現地から発送の通知が来たのが,1/20であった。なかなか現物が届かなくてイライラさせられたが,それがようやく約3週間を要してデリバリーされた。その曲については,まだ聞いていないが,そのうちゆっくり聞かせてもらうようにしよう。

海外からの発送についてはこういうこともあるのは承知しているが,前回,Mehldauのソロ・ライブのLPボックスを仕入れた時は,確か正式発売日よりも前に着いたことを考えると,何だか違いが大き過ぎである(笑)。まぁ,でもちゃんとゲットできたんだからそれはそれでいいのだが。

ということで,次は国内盤CDにしか収録されない"Dark Turn of Mind"のために,国内盤CDのデリバリーを待つ私である。バカにつける薬はないって感じだが,せっかくほぼコンプリートなのだから,頑張るしかないのである。

ついでに行ってしまうと,ジャズ界のおんどれ君ことOndřej Štveráčekの"Sketches"を本人に頼んで,郵送してもらっているところだが,現物が到着する前に,新宿のDUで買えるなんて告知が。まぁ,いいんだけど。

2017年2月13日 (月)

ユニークな作りの児玉桃によるECM第2作

"Point and Line" 児玉桃(ECM New Series)

_20170212_3_2日本のピアニスト,児玉桃がECMからアルバム"La Vallée Des Cloches"をリリースした時には,その年のベスト盤の1枚に選出するほど,優れたアルバムだと思った(記事はこちら)。そのレパートリーが非常に私の好みだと思ったが,ピアノの響きに身を委ねたいと思ったことは今でも記憶に新しい。

その児玉桃がECMから第2作となるアルバムをリリースすると知った以上,これは買わないわけにはいかないし,聞かないわけにもいかない(きっぱり)。ということで,デリバリーされたものを早速聞いたのだが,これが非常にユニークな作りではあるが,前作同様に優れたピアノ作品になっていて,嬉しくなってしまった。

今回の作品の特徴はドビュッシーと日本の現代音楽作曲家,細川俊夫の"Etude"が交互に出てくるというのが,まずユニークなところである。まぁ,これがバッハと細川俊夫が交互に出てくれば,私も頭を抱えたかもしれないが,近代作曲家と言ってよいドビュッシーと,細川俊夫ならば,それほど違和感はない。むしろ,ここで想定されているのは,二人の作曲家の作品を並列させながら,それを一つの組曲のように成立させようという試みのように思える。

ライナーに児玉桃も書いているように,ドビュッシーの「エチュード」はその番号にかかわらず,単体でも,組み合わせで弾いてもいいという自由度の高いものであり,このアルバムでもそうした考え方に基づいて配置されている。それらに挟み込まれるのが細川俊夫の「エチュード」ということになる。作曲されたタイミングにはほぼ100年近い違いがある二人の作曲家の作品を相互に連動させて,一枚のアルバムを構成させるというのが本作の狙いとすることは,児玉桃とECMの総帥,Manfred Eicherの合意のもとに行われており,それがいかにもECMらしいと思わせるところであり,そして見事な成果になっていると思う。

私が現代音楽のピアノ作品が好きだということもあるが,今回のこの作品もドビュッシーのエチュードという,ドビュッシー最晩年の作品と,児玉桃自身が初演者となっている曲を含む,細川俊夫作品の意表を突いた組み合わせによって生み出される美しい響きに改めて身を委ねたくなった私である。これはもはや私のツボにはまった音楽である。星★★★★★。

Recorded in January 2016

Personnel:児玉桃(p)

2017年2月12日 (日)

Enrico Pieranunziの新作はクラシックをモチーフにしたトリオ・アルバム。

"Ménage à Trois" Enrico Pieranunzi(Bonsai)

_20170205_2Enrico Pieranunziはここ暫くCam Jazzレーベルから作品をリリースしていたが,最近は専属契約をやめたらしく,色々なレーベルからタイプの異なる作品をリリースしている。多作の人なので,なかなか全部追いかけるということはできないが,今回はドラムスがAndre Ceccarelli(チェカ爺)ということもあり購入となったが, 購入してからクラシック作品,それもフランス近現代の作曲家の作品を中心とした作品と知って,ちょっと不安が高まった私である。因みに,取り上げているのはサティ,プーランク,ミヨーの曲に加え,必ずしもフランスではないところも含んでいるが,ドビュッシー,バッハ,シューマン,フォーレ,そしてリスト等の曲に因んだPieranunziのオリジナルとなっている。

だからと言って,Pieranunziのことなので,ストレートにクラシカルな演奏をするというわけではなく,それらの曲を素材,もしくはモチーフとしてジャズに仕立てているので,ジャズ・ファンとしてもそんなに抵抗がなく聞けるはずである。そもそも冒頭のPieranuziオリジナルである"Mr. Gollywogg"からして,快調な4ビートで飛ばすので,へぇ~となってしまったが,それよりびっくりしてしまったのが,サティの「ジムノペディ」をボッサっぽくやっていることである。収録曲においては,確かにテーマを弾くとクラシック的に響くこともあるが,それは意図的にやっていると思われる。例えば,最終盤の3曲に顕著であるが,Pieranunziのオリジナルにもかかわらず,テーマは極めてクラシカルな響きなのである。それとアドリブ・ラインがいい塩梅のバランスで聞けるので,これはなかなか面白い取り組みだと思えた。

しかし,これはこれでかなり満足できる作品だとしても,これを以てEnrico Pieranunziの本質と言うつもりはない。Pieraninziにはもっといい作品があるし,これが最高だと言うつもりもないが,これもPieranunziの芸風の一つとして捉えればいいのではないかと思う。ということで,星★★★★。

Recorded on November 12-15, 2015

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Diego Imbert (b), André Ceccarelli(ds)

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