カテゴリー「映画」の記事

2008年11月25日 (火)

出張中に見た映画:08/11編(4)_最終回

Photo_2 「6年目も恋愛中(Love of 6 Years)」(’08,韓国)

監督:パク・ヒョンジン

出演:キム・ハヌル,ユン・ゲサン,シン・ソンロク,イ・ジンソン,チャ・ヒョンジョン

出張中に見た映画の最終回である。帰りの便は結構疲労困憊ということもあり,映画は一本しか見られなかったが,それで見るのが韓国のラブコメというのも,私の疲労困憊度を示している。

こういう映画をたわいない映画というのだが,こういうまぁくっついては離れ,離れてはくっつきみたいなありきたりの展開で,2時間近くというのも馬鹿馬鹿しいと言えばその通りであるが,この何も考えないで見られる映画というのも,時として必要ではある。

主役のキム・ハヌルはラブコメの女王という話もあるようだが,確かにそういう感じの顔だよなぁと思いつつ,相手役のユン・ゲサンの普通さ加減にはある意味驚かされる。どうも韓国で人気のある俳優には美男もいるが,こういう普通な感じの役者が人気があるのかなぁとも思わされる。

いずれにしても,上述のとおり,たわいない映画なので,私としては韓国の女優たちの顔ばかりに気が行ってしまった。最近はめっきり韓国出張の機会もなくなってしまってしまったが,やはり韓国の女優というのは日本人好みの美女が多くて,それだけで私は2時間満足してしまった。映画としては星★★★程度であるが,ユン・ゲサンを誘惑するバイト役の女の子は可愛かったなぁ(何を考えているのやら...)。

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2008年11月21日 (金)

出張中に見た映画:08/11編(3)

Xfile 「X-ファイル 真実を求めて("X-Files: I Want to Believe")」('08,米,Fox)

監督:Chris Carter

出演:David Duchovny, Gillian Anderson, Amanda Peet

私はTVシリーズのX-ファイルを見たこともないのだが,その劇場版の第2弾を飛行機の中で見た。全く思い入れもないので,冷静に見ることができたが,これが何とも色調の暗い映画である。

これは背景となっているヴァージニア州の冬景色のせいもあるだろうし,夜のシーンが多いせいもあるのだが,とにかく暗いのである。もちろん,飛行機の中の小型スクリーンということもあるが,あんまり高揚感がないなぁというのが第一印象である。

こう言ってはなんだが,所詮はTVシリーズの拡大版であるから,多くを期待していたわけではないのだが,この映画の決定的な弱点は説明不足の脚本ということになろうかと思う。TVシリーズを見ている人間ならば,説明不要の部分もあるというのはわかるが,とにかく脚本の書き込みが中途半端で,尻切れトンボ感が強いのである。だいたいなんでサイキックが血の涙を流すのか,それでサイキックが信頼に値すると考えるという理屈が私には到底理解できないし,その他もろもろケチをつけようと思えば,ケチはつけられる。

まぁそれでもちゃんと人手で作っているところは評価するとしても,特に何の感慨もおぼえない映画だった。基本的にはTVシリーズのファンだった人々向けということになるのだろう。星★★☆。

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2008年11月20日 (木)

出張中に見た映画:08/11編(2)

Hancock 「ハンコック("Hancock")」 ('08,米,Columbia)

監督:Peter Berg

出演:Will Smith,Charlize Theron,Jason Bateman

出張中に飛行機で見た映画の2本目だが,1本目の「ウォンテッド」同様にくだらない映画を見てしまった。

これまた荒唐無稽甚だしい映画である。ここまで来ると批評する気にもなれない。オスカー女優,Charlize Theronが出なくたっていいだろうというような映画である。最近は役者も出演作を選ぶのにポリシーがなくなったということであろうか。

まぁ話は「くずれた」スーパーマンものであるが,これもバックグラウンドの設定が無茶苦茶なので,全くと言って感情移入も何もできないのである。Will Smithは"I am Legend"も相当にくだらなかったが,それと同様,あるいはそれを上回るくだらなさである。前回の「ウォンテッド」に続いて完全に時間の無駄。飛行機だからしょうがないが,もう少し真っ当な映画をエンタテインメントとしてちょいすできないものか。星★。

ちなみに監督のPeter Bergは役者出身らしいが,金だけ掛けた大作を撮る以前の監督としての修行が足りんだろう。CG頼みの映画はもう飽きた。

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2008年11月19日 (水)

出張中に見た映画:08/11編(1)

Wanted 「ウォンテッド(Wanted)」 ('08,米,Universal)

監督:Timur Bekmambetov

出演:James McAvoy, Morgan Freeman, Angelina Jolie, Terence Stamp

毎度おなじみ出張中に見た映画シリーズである。実は今回の出張においては,JALのエンタテインメント・リストを見ていて,どうも食指が動かないなぁということで期待していなかったのだが,結果は追々明らかにしていくとして,今日はその一本目である。

この「ウォンテッド」,日本ではここに掲示したポスターの如く,Angelina Jolieが主役のような扱いだが,この映画の主役はあくまでもJames McAvoyである。まぁそれだけでは集客が難しいかもしれないが,いずれにしても,それなりの役者は揃っている。何てたって,私が結構ひいきにしているTerence Stampまで出ているのだ。

しかし,映画としてははっきり言って,これはくずのような映画である。話は無茶苦茶,映像はまるでルパン3世のアニメの世界を実写にしたような荒唐無稽具合である。あれはアニメだからいいのであって,実写でやられてもさめるだけである。そもそもの話が漫画的というか,こういうありえない世界ばかり描いているようでは,米国の映画がどんどん駄目になっていっていることを明らかにするだけのように思えてならない。

この映画を見て,面白いという人間がどれぐらいいるのかまったくわからないし,Angelina Jolieも全然魅力的に見えないし,いつものセクシーさにも欠ける。大体Morgan FreemanやTerence Stampまで揃えてこれかいっ!と悪態の一つもつきたくなるような大愚作。大体何を好んでこの役者たちはこんな愚作に出るのを承知したのだろうか。こんな作品は星★で十分である。それにしてもくだらない。ロシア人と思しき監督も今後無視してよかろう。完全な時間の無駄。

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2008年10月 5日 (日)

゛I am Sam":Beatlesトリビュートとしても素晴らしいサントラ

Iam_sam ゛I Am Sam: Music from and Inspired by the Motion Picture" Various Artists (V2)

私の音楽リスナー人生においてThe Beatlesが果たした役割は大きい。ステレオ装置がまだ買えなかった頃,FMのエア・チェックで全曲録音を目指したことも今となっては懐かしい。それでも゛Revolution No.9゛とかが放送されることはなかったので,それは果たせなかったが,結構いい線まではカバーできていたはずである。彼らの曲が全て名曲だとは思わないし,今となっては私は゛Rubber Soul゛以降のアルバムしか聞かないが,それでもやはり彼らの音楽はエバー・グリーンであることは間違いない。ある意味思い入れが強過ぎるために,彼らの音楽をこのブログで彼らの音楽を取り上げることはなかった。

そこでこのアルバムの登場であるが,これもThe Beatkes自身のアルバムではない。しかし,本作は映画のサントラという体裁を持ちながら,非常に優れたBeatlesトリビュート盤となっている。そもそも本作に参加しているメンツを見ると,決してビッグ・ネームばかりではないものの,アメリカン・ロックやSSW好きは反応すること間違いなしである。また,彼らがかなり原曲アレンジに忠実にBeatlesナンバーを歌うのはかなり好感度が高い。どの曲がいいかはリスナーの嗜好に任せればいいと思うが,冒頭のAimee MannとMichael Pennの゛Two of Us"からしてかなりいいし,全編を通じていい演奏が続くので,最後まで安心して聞けるのである。これはやはりよく出来たトリビュート盤,サントラ盤である。

確かに原曲アレンジを重んじ過ぎという指摘もあるかもしれないし,参加するミュージシャンならではの解釈で聞きたいという考え方もあるだろう。しかし,The Beatlesの原バージョンがそれを越えた位置にあると思えば腹も立たないし,私はこのやり方で正解だったと思う。星★★★★☆。

私は残念ながら映画は未見なのだが,かなり泣かせてもらえるそうだから,DVDでも買ってみることにするか。泣ける映画にこんなサントラが付いたら更に泣いてしまうではないか。

Participating Artists:Aimee Mann, Michael Penn,SarahMcLachlan,Rufus Wainwright,The Wallflowers,Eddie Vedder,Ben Harper,Sheryl Crow,Ben Folds,The Vines,Stereophonics,The Black Crowes,Chocolate Genius,Heather Nova,Howie Day,Paul Westerberg,Grandaddy,Nick Cave,Neil Finn, Liam Finn

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2008年9月30日 (火)

美少女アヤカ・ウィルソンが可愛い「パコと魔法の絵本」

4 「パコと魔法の絵本」('08,東宝)

監督:中島哲也

出演:役所広司、アヤカ・ウィルソン、妻夫木聡、土屋アンナ、阿部サダヲ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、山内圭哉、國村隼、上川隆也

なんとも不思議な映画である。極彩色のセット,出てくる異様なキャラの集団,涙と笑いを交錯させるおかしなシナリオ,CGと実写のミックス等々。こうした不思議なセッティングの中で,役者たちは各々が「意図的に」怪演を楽しんでいるようにも思える。

しかし,普段一緒に映画を見に行っても大概は寝てしまう我が娘が,最後までちゃんと起きて見ていたのだから,子供にもそれなりに楽しめる映画ではあったということであろう。また,エンディング・ロールを見ていると,どこに出てるんじゃという役者の人たちの名前があって,またまた不思議な気分に。貫地谷しほりなんてどこに出ていたのやら...。

Photo こうした頭が混乱させられそうなわけのわからない映画の中で,一服の清涼剤と言うべきなのが美少女アヤカ・ウィルソンの存在である。私にはロリータ趣味はないが,この子は本当に可愛い。素直に成長を遂げて,正統派の美人女優になって欲しいものである。最近,Bingbing Liといい,このアヤカ・ウィルソンといい,画像ばかりアップしているようだが,可愛いものは可愛いと認めざるをえないから仕方がないのだ。

そんなこんなでいろんなことを言っているが,この映画,そこそこは楽しませてもらったし,娘も満足したようなので,ちょいと甘目かもしれないが,星★★★☆ぐらいにしておこう。興業収入も善戦しているようだし,大いに結構。でもやっぱりこれは怪作という評価が妥当だろうなぁ。

最後に一点だけ。この映画の後半部のシナリオは掟破りである。涙腺のゆるい中年オヤジは泣かされてしまったではないか。いつも言っていることだが,映画館の暗闇で涙するのはカタルシスではあるが,娘の手前これにはまいった。

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2008年9月28日 (日)

追悼,Paul Newman

Hustler Paul Newmanが9/26に亡くなったそうである。享年83歳。芸能活動からの引退後,ガンとの闘病が報じられていたが,ついに世を去ってしまったのは誠に残念である。

私はPaul Newmanの映画を全て見ているわけではないが,見た映画は全て好ましいものであるとともに,思い出深い作品ばかりである。「ハスラー」然り,「明日に向かって撃て」然り,「スティング」然り,「タワーリング・インフェルノ」然りである。

Paul Newmanという人はシリアスな演技だけでなく,ユーモアやウィットにも富んだ演技ができるオールラウンドな役者であったというのが私の評価である。その中でも「ハスラー」で見せたカッコよさというのは今でも懐かしい。正直言って決して出来がよいとは思えない「ハスラー2」でNewmanがオスカーを取ったのにはずっこけたが,「ハスラー」での彼の演技こそが本来オスカーには相応しいものだったと今でも私は思っている。

そうしたNewmanの自宅はコネチカット州ウエストポートという町にある(Newmanはその自宅で亡くなったそうである)のだが,私の友人が同地に居住していることもあり,何度かNewmanの家の前を通ったことがある。それは立派な邸宅であったことが思い出されるが,Newmanという人は地元の演劇人をサポートを続けるためのイベントも開催していたりして,地元の住民からも愛されていたようであるから,篤志家としての側面も持ち合せていたのだと思う。これは彼が当初役者として苦労したという経験とも無関係ではないとは思うが,役者としてだけでなく,人間としても愛されていたと言えるだろう。今にして思えば,私のアメリカ在住中はPaul Newmanブランドの即席パスタ・ソースにはよく世話になったのも懐かしい。

そうした彼を偲ぶべく,久し振りに「ハスラー」のDVDを見ることにしよう。それとも「評決」にするか,「スラップ・ショット」にしようか。いずれにしても,生前のPaul Newmanの輝かしい業績を偲んで,謹んで合掌したい。R.I.P.

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2008年9月27日 (土)

出張中に見た映画(4):08/09編 最終回

Forbidden_kingdom_2  「ドラゴン・キングダム(The Forbidden Kingdom)」('08,米・中)

監督:Rob Minkoff

出演:Jet Li,Jackie Chen,Michael Angarano,Yifei Liu,Collin Chou,Bingbing Li

今回の出張中に見た映画は4本だけだったが,帰路は1本しか見ていない。この映画も食事をしながら見たもので,とにかく気楽に見られる映画ということでこの映画をチョイスした。他愛のないカンフー映画と言えばそのとおり。西遊記に「ベスト・キッド(Karate Kid)」の焼き直し的要素をからめたということもできる映画である。

話の筋としてははっきり言ってどうでもいいし,アクションもワイヤーの使い過ぎではこれまた今イチ感が強いが,太ってしまったJackie Chenよりは,Jet Liの切れのいいアクションを楽しみたいところである。映画としては星★★★としておこう。監督のRob Minkoffは元々アニメーターだったらしいのだが,アニメーターから実写の監督にあるというのは面白いと思った。そう言えば,確かにアニメ的なシーンもあったような気がしてきたなぁ。

Bingbing_li_4 ところで,私がこの映画を見ていて最も印象に残ったのが不老不死の薬をめぐって現れる長白髪の悪役Ni Changに扮するBingbing Li(李冰冰)の美貌である。この映画のメイクではよくわからないかもしれないが,この人は間違いなく日本人好みの美女である。女性の年をバラすのはマナー違反だが,1976年生まれの32歳だそうであるが,さすが中国,13億人もいれば,美女は多数いるものである(それは北京五輪でも証明されていたが...)。それにしてもこの人,綺麗である。

Bingbing_li_3_4 あまりにまいってしまったので,彼女のポートレートもアップしてしまおう。はっきり言って私にとっては一目惚れに近い感覚であるが,これからは彼女のファン・サイトにせっせとアクセスせねば。善玉Golden Sparrowに扮したもう一人の女優,Yifei Liuも可愛いが,Bingbingの比ではない。

ということで,つくづく私は美人に弱いのである(誰でもそうか...)。こんな美人にあんな役とはどういうキャスティングのセンスだろうかと思ってしまうが,彼女を知る機会を与えてくれたのだから文句は言うまい。たまらん。

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2008年9月25日 (木)

出張中に見た映画(3):08/09編

Photo 「僕の彼女はサイボーグ」('08,ギャガ)

監督 :クァク・ジェヨン

出演 :綾瀬はるか,小出恵介,桐谷健太,田口浩正,吉高由里子

飛行機の中で見ていても,あまりに馬鹿馬鹿しくて何もいう気がしないという映画もある。この映画などはその最たるものである。綾瀬はるかは可愛いが,それ以外見るべきところはない。

理由その1:そもそもタイム・パラドックスの問題が全く無視されている。こういう時空超越ものでは,ちゃんとそこの落とし前をつけないといかんが,脚本も書いた監督のクァク・ジェヨンはそんなことはお構いなし。ここまで何でもありではついて行けない。

理由その2:綾瀬はるかが時空を超えて現代に現れるシーンはまるで「ターミネーター」だが,彼女の衣服(サイボーグ・スーツ?)は一切の乱れがない。清純派綾瀬にシュワちゃんやMichael Biehnのようにすっぱんぽんで現れろとは言わないが,「ターミネーター」同様に電磁波の嵐のような中で,悠然と現れられてもねぇ。パクるなら徹底的にやってもらいたい。

理由その3:地震のシーンはあきらかなCG予算の無駄使いである。ありふれたシナリオ,ありふれた映像を見ているだけで,あぁしょうもな~という嘆息ももれるというものである。そのほかにも冗長なシーンの連続には辟易とさせられる。

その他いろいろ突込みどころはあるが,韓国のTVドラマにありがちなありえない展開(それは昔の大映テレビの乗りと言ってもよい。)が映画になっているようなこの作品を見ていて,私はこの映画をチョイスした私の失敗を恥じたのである。綾瀬はるかだけにつられてはいけないということを痛感させられた次第だが,それでもやはり彼女は可愛かったとだけ擁護はしておこう。映画としては星★で十分である。なんだか以前酷評した「隠し砦の三悪人」のリメイク版と同じような感じになってしまった。「隠し砦」では長澤まさみにつられたが,今回は綾瀬はるかである。オヤジが同じ過ちを繰り返しただけでした。学習効果なし。反省。

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2008年9月24日 (水)

出張中に見た映画(2):08/09編

Shine_a_light ゛Shine a Light゛('08,米,Paramount)

監督:Maritin Scorsese

出演:The Rolling Stones

出張中の飛行機で映画を見る場合,日本ではまだ公開されていない映画を見ることができるというのが嬉しい要因の一つである。この映画も日本の公開は2008年末に予定されているはずだから,それを随分早く見ることができたのはありがたい。そうは言っても,米国では既にDVD化されているから,リージョン・フリーのDVDプレイヤーを保有している私は見ようと思えば見られたのだが,まずは飛行機の中は試写会モードである。

私はこの映画のサウンドトラック盤が出たときにもすかさずゲットしていたのだが,どうもピンとこなくて,このブログにも結局記事を上げなかった。結局この映画を見て,これは映像が伴わなければ,その魅力が十分には理解できないということがよくわかった。即ち,もはやStonesの音楽は聴覚だけではおそらく刺激が足らず,それを補う視覚的要素を必要としているということなのではないかと思ってしまった。あるいは音楽CDは所詮は「サウンドトラック盤」に過ぎなかったのである。

もちろん,演奏はそれなりによくできているのだが,私としては音楽そのものよりもMick Jaggerの鍛えぬかれた体(いったい体脂肪率は何パーセントなのか?)やKeith Richardsの永久不良ぶりばかりに目が行ってしまったのである。なんともはやカッコよすぎのオヤジなのだが,いくらなんでも音楽的には手慣れすぎてやしないか。これがライブの場にいれば,絶対そんなことは言えないだろうが,映画で見ている限りは冷静な私である。

この映像が収録されたNYCのBeacon Theaterは,東京で言えば新宿厚生年金会館ぐらいのキャパシティのホールであるが,そんな場所でStonesが見られるということはファンにとってはまさに一大イベントのはずである。しかし,映像を見ていると,どうもこれはHillary Clintonのためのチャリティだったと思わせる節もある。彼らのコネで,Stonesの「ス」の字も知らないような各国要人が,Bill Clintonとともにバルコニーの最前列に鎮座しているのを見ると,いくら共和党嫌い,(米国の)民主党シンパの私でもちょっと冷めてしまったのも事実である。

まぁMartin Scorseseの演出は手堅いし,演奏も楽しめるのだが,飛行機の個人用TVで見ていて,この映画の魅力が本当にわかるとは言えまい。やはりこれは超大画面を売りにするIMAXシアターで,できるだけの大音量で見るべき映画だろう。但し,Stonesの名誉のために繰り返し言っておくが,CDよりは映像版の方がはるかに楽しめることは保証するので,ファンは劇場公開されたら足を運ぶ価値はある。でも映画としても星★★★ぐらいだが...。

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2008年9月21日 (日)

出張中に見た映画(1):08/09編

Indiana_jones  「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(゛Indiana Jones and the Kindgom of the Crystal Skull゛)」('08,米,Paramount)

監督:Steven Spielberg

出演:Harrison Ford, Cate Blanchett, Karen Allen, Shia LaBeouf, Ray Winstone

海外出張時の楽しみの一つに飛行機の中で見る映画があるというのはいつも書いていることであるが,今回は帰りの便では仕事のレポーティングを行っていたこともあり,行きが3本,帰りが1本に留まった。帰りの便では体調も今イチであったし,いつもに比べると少ないのもまぁ仕方あるまい。

まずは行きの便で見た映画である。1本目は久々のインディ・ジョーンズ・シリーズ第4弾だったわけだが,旅の途中のブログでもチラッと書いたとおり,この映画のHarrison Fordには非常に無理があるように感じた。Harrison Fordは1942年生まれということであるから,今年66歳である。その彼に切れのいいアクションを期待することには無理があるのは当然であるが,どうにも鈍重な感覚を与えてしまっていて,こうしたアドベンチャー映画にはもはや適していないということだけが露になっていて,ある意味痛々しかった。

話は毎度のインディ・ジョーンズ・シリーズだが,古代文明を宇宙と結びつけたがるのはSpielbergの趣味なのか,それとも共同脚本のLucasの趣味か。所詮は他愛のない話であるから,別に大したことではないとしても,なんだかなぁという脚本である。

ロシアの女性将校を演じるCate Blanchettは゛Elizabeth: the Golden Age゛に続いてのまたまたの怪演ぶりであるが,本当にどんな役でもこなしてしまうものだと感心してしまったが,それ以外はどうもねぇ...。なぜ19年の時間を経て,このシリーズを復活させなければならなかったのかというところに,米国映画の退潮を感じてしまうと言っては言い過ぎだろうか。実は私はこの映画を劇場に見に行こうかとも思っていたのだが,今回飛行機の中で見て,行かなくて正解だったと感じてしまった。

娯楽映画としてはそこそこ楽しめるが,結局はそれだけである。よって,私としては星★★☆が精一杯である。いずれにしてもこのシリーズは本作で打ち止めとすべきである。

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2008年9月 4日 (木)

イカす70年代黒人アクション映画主題歌集

Pimps "Pimps, Players & Private Eyes" Various Artists (Warner Brothers)

先日,このブログでのIsaac Hayesの追悼記事で,彼を追悼するにはオリジナル「シャフトのテーマ」をおいてほかにないと書いたが,そのために同曲を収めた70年代黒人映画音楽のコンピレーション盤を久々に聞いてみたらやっぱりよかったので,今回ちゃんと紹介をすることにした。

このアルバムはラッパーのIce Tがプロデュースの一翼を担っているのだが,もともと彼がテレビで放映していた゛Trouble Man゛のMarvine Gayeによるテーマ曲が最高だっ!とかいう話をもう一人のプロデューサーに電話したことからこのコンピの製作につながったらしいから,まさしくミュージシャンらしい乗りと言える。まぁIce Tと言えば,役者としても活躍しているから,70年代の黒人映画にはそれなりの思い入れもあったのだろう。

それにしてもよく揃えたものである。何本か日本未公開の映画も含まれているが,日本でも結構こうした映画が公開されていたことがわかって面白かった。公開されたものでは゛Across 110th Street":「110番街交差点」という比較的まともな邦題や,「黒いジャガー」シリーズである"Shaft's Big Score゛:「黒いジャガー シャフト旋風」や゛Shaft in Africa":「黒いジャガー アフリカ作戦」はさておき,゛Toruble Man゛:「野獣戦争」や"Cleppatra Jones゛:「クレオパトラ危機突破 ダイナマイト諜報機関」,なんて一体どうやったらこういう邦題が思いつくのかと考えるだけで笑えてしまう。

しかし,そんなことは関係なく,ここに収められた音楽の数々は無条件にイカしている。Curtis Mayfieldが音楽を担当した゛Superfly゛からは゛Pusherman゛が入っているものの,何でタイトル・トラックが入っていないのだという声もあろうが,それは本家のアルバムで聞けばよいのであって,こうした曲が集められたコンピレーションだからこその魅力もあるのである。これをいちいちサントラ全部を集めていたらそれこそ大変なのだ。そういう意味で70年代(それも前半)を彩った黒人アクション映画の代表的な音楽が楽しめるアルバムは,ジャケットのセンスはさておき,より多くの人に知ってもらいたい。Marvin Gayeも素晴らしいが,やはり「シャフトのテーマ」は最高にカッコよかった。星★★★★★。1991年に発売されたこのアルバムがまだ廃盤になっていないということは,やはりそれなりのニーズがあるということであるし,こうした音楽に魅力を感じるリスナーは多いということだと思う。

余談だがこのアルバムのタイトルにあるPimpsとはポン引き,Playersとは(おそらく)プレイボーイ的な遊び人,Private Eyesとは私立探偵のことである。映画の内容を何ともストレートに表しているのがまたまた笑える。映画も見たくなってしまったなぁ。相当くだらないものもありだろうが...。

Personnel(Compiled Artists): Bobby Womack & Peace, The Impressions,  The Four Tops, Marvin Gaye, Isaac Hayes, Millie Jackson, Willie Hutch, D.C. Smith, Curtis Mayfield

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2008年8月23日 (土)

「偉大な生涯の物語」:真面目な宗教映画である

Greatest_story 「偉大な生涯の物語(The Greatest Story Ever Told)」('65,米,United Artists)

監督:George Stevens

出演:Max von Sydow, Dorothy McGuire, Charlton Heston, Claude Rains, Telly Savalas, David McCallum, Gary Raymond, Michael Anderson, Jr., Jose Ferrer

長い休みでもない限り,なかなか見られない映画がある。特に1本3時間を越えるようないわゆる超大作は特にそうである。この映画も3時間20分,更にはイエス・キリストの生誕から復活までを描くものであるから,襟を正して見なければならず,これはおいそれとは見られぬ作品である。

私にとってはやはり゛Shane゛のと呼びたい名匠George Stevensが巨費を投じて撮ったこの作品は,かなりストレートに新約聖書そのままにイエスの生涯を描いたものであり,決してギミックに溢れたスペクタクル巨編ではない。よって,かなり真面目に対峙しなければならないものであって,キリスト教の宗教感を持たない人にとっては,何が面白いのかは理解できない部分が多かろう。

主役のMax von Sydowは,この世で最も難しい役と言っても過言ではないイエスの姿を真摯に演じていて好感が持てるが,やはり映画そのものが真面目過ぎるので,エンターテインメント性を求めると裏切られることは間違いない。そうした面を埋めるため,多数のカメオ出演者を登場させているのであろう。John Wayneなんてセリフ1行で,何のこっちゃという感じだが,それに比べれば,Sidney Poitierなんて目立ったものである。全編を通じて,あそこにもあんな人が,そこにもこんな人がという感じであるが,そこはキリスト教が強い影響力を持つ米国である。彼らのほとんどはノー・ギャラなのではないかと,ついうがった見方もしてみたくなる。

繰り返すが,これは真面目な宗教映画であって,キリスト教を信仰しない人間が見ても,「ふ~ん」という反応しか示せまい。意外や意外,ロザリオを鞄に忍ばせる私は結構敬虔な気持ちになってしまったが...。

ということで,映画の性格上,私はこの映画に星を付けることにはためらいがあるが,興行的には惨敗を喫したというのが,この映画の性格を示しているものと思う。同じイエスの時代を描いていても,それを背景として使った゛Ben Hur゛のようには行かないのである。

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2008年8月19日 (火)

「崖の上のポニョ」:泣けないジブリ...

Photo 「崖の上のポニョ」('08,スタジオ・ジブリ)

監督:宮崎駿

声の出演:山口智子,長嶋一茂,天海祐希,所ジョージ,土井洋輝,奈良柚莉愛,矢野顕子,奈良岡朋子,吉行和子

世の中ではやれ子供向きだとか何かと賛否両論喧しい宮崎駿の新作である。今回この作品を見て,確かに子供向けのファンタジーと言ってよいとは思うが,別に映画そのものにはそれほど違和感はなかった。

確かにこれまでの宮崎作品に比べると,取ってつけたような無理なストーリー展開が目立つ。残念ながらストーリーとしてよく書き込まれていない部分が散見され,前作から4年もあった割には出来があまりよくないところから,批判的な評価が出てくることもうなずけないことはない。

私のような中年オヤジにとっては,やはりこの話はファンタジー度が高過ぎて,没入できないというのは確かである。そして,私にとってこの映画がやや期待はずれだったのは,「泣けなかった」ことである。私はこれまで見たジブリの作品ではほぼ例外なく,泣かされてきた。「風の谷のナウシカ」などは今見ても泣いてしまう(恥ずかしながら,我が人生で最も大泣きさせられたのは「ナウシカ」である)ので,家人の前では決して見るわけにはいかないし,「カリオストロの城」でも必ずラスト・シーン近くの銭形のセリフで例外なく泣いてしまうのである。もはやこうなると条件反射と言ってもよいが,それでも映画を見て泣く瞬間にカタルシスをおぼえる私のような人間にとっては,泣かしてもらえないことは残念だということになるのである。ということで,私にとっては星★★☆程度というところ。

この映画を見ていて,私は「コクーン」という映画をちょっと思い出したのだが,老人たちが元気になってしまうプロットは確実に「コクーン」と同じ乗りである。あの映画も楽しい映画だったなぁ。

いずれにしても,この映画,私の周りの大人の皆さんも見に行っているようだから,子供向きだからと言って,ヒットしないということではないように思う。しかし,「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」級の興行収入は難しいだろう。だって,子連れじゃないと結構違和感あったもんなぁ。特にオヤジ一人で見ていた私は変な奴って感じであった。

余談だが,映画を見ている間,矢野顕子って何の声をやっているんだろうと思っていたのだが,実は最後まで気がついていなかった私であった。よくよく考えてみるとこのキャスティングは結構笑える。

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2008年8月18日 (月)

ダークナイト:故Heath Ledgerが凄い

Dark_knight 「ダークナイト(The Dark Knight)」('08,米,Warner Brothers)

監督:Christopher Nolan

出演:Christian Bale, Michael Caine, Heath Ledger, Aaron Eckhart, Maggie Gyllenhaal, Morgan Freeman

お盆休みを使って映画を見たので,その報告である。前作"Batman Begins"も何とも言えないダークな感覚が楽しめたのだが,ほぼ同一のキャストでの第2作はもっと楽しめる。その理由はHeath Ledger演じるジョーカーの怪演によるところが大きい。あれだけファナティックな雰囲気を作り出すLedgerゆえに,この作品はより評価されるべきものとなった。

どちらにしてもバットマンというのは「根が暗い」キャラクターである。前作でもそういう雰囲気をプンプン醸し出していたが,今回はLedger演じるジョーカーに弄ばれるバットマンは更に暗い。だからこそ原題のように「闇の騎士」となるわけだが,相変わらず夜のシーンが多いのはバットマンゆえに当然である。

それにしてもHeath Ledgerである。こんな演技をしていたら,どこかに無理がくるのではないかというほどの鬼気迫る悪役ぶりにはほとほと参った。それが彼の薬物過剰摂取(不眠症だったらしい)による死につながってしまったと思わざるをえない。それでも,この演技ならばこの手のアクション映画ではあまり例はないが,オスカーを取る可能性も否定できない。

まぁそうは言ってもシナリオに無理がある部分もあるし,ケチをつけようと思えばつけられるのだが,それでもこのLedgerに免じて全て許すということにしよう。星★★★★。Ledger亡き今,次作では誰がジョーカーを演じられるというのだろうか。もしやJack Nicholson再登板か?いや,Jackの年を考えれば,やっぱりそれはありえないかなぁ。

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2008年6月23日 (月)

ナルニア国物語の第2部である

Narnia 「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛(The Chronicles of Narnia: Prince Caspian)」('08,英/米,Walt Disney)

監督:Andrew Adamson

出演:Ben Barnes, William Moseley, Anna Popplewell, Skandar Keynes, Georgie Henley, Sergio Castellitto, Liam Neeson(声の出演)

私はこの映画の第1作を友人から借りたDVDで見たのだが,それなりに楽しめたということもあり,今回第2作は劇場で見ることにした。私のような人間がこういう映画を見に行ったと言うと,「らしくない」とか「似合わない」とかいう声も聞こえてきそうだが,まぁそれはさておきである。

こういうシリーズ物の第2作はあらゆる意味で非常に難しいというのが定説である。前作に対する期待を背負う,あるいはストーリーとしては次へのつなぎに過ぎないなどと言われかねないからである。そういう意味では,この作品は比較的健闘している方ではないかと思うのだが,話の筋書きもあるが,ファンタジックな要素は前作より控え目になっており,それがそれなりにはヒットしても,第1作に遠く及ばないという米国での集客に影響を及ぼしているのではないだろうか。レーティングがいくら゛PG゛でも小さな子供には理解しがたい部分があるというのも事実であろう。

いずれにしても他愛のない話と言ってしまえばそれまでであるが,本作は終盤に至ってようやくファンタジーらしさを表出してくるまでの間,ストーリーとしての「ありがちさ」が目立つのが難点であろう。プリンス・カスピアンの心理の動きなんてそれこそありきたりの設定である。それでもCGはよくできているし,映像的には相応には楽しめるから難しいことは言うまい。

本作のシナリオからすると次作ではピーターとスーザンの出番はなくなるようにも思える(あるいは思わせるだけで,きっちり登場するのか?)が,次はいかなる展開を示すのだろうか。この展開は私には唐突感が強かった(なんでいきなりそうなるのかの説明が足りないのである)のだが,それが原作に忠実なのか,翻案なのかは知る由もない。だからと言って原作を読むほどの関心は私にはないが,まぁこれなら次作も時間があれば見に行ってもいいかなと思わせるぐらいの出来にはなっていると言っておこう。

尚,本作も例外ではないが,最近は野外ロケというとやたらにニュージーランドばかりで,映像的既視感に襲われるのはきっと私だけではあるまい。星★★★。

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2008年6月 1日 (日)

出張中に見た映画(7):08/05編(最終回)

Photo 「母べえ」('08,松竹)

監督:山田洋次

出演:吉永小百合,浅野忠信,志田未来,佐藤未来,壇れい,中村梅之介,坂東三津五郎

山田洋次監督の「武士の一分」も同じように飛行機で見て,大いに泣かせてもらった。かつ私は長年のサユリストなので,吉永小百合主演とあれば,これは見たくもなる作品である。

お話は戦時中のさまざまな束縛を強いられる時代のものであり,この話が現代にどういうメッセージをもたらすのかは私には今一つ理解できない部分があった。また,既に還暦を迎えたはずの吉永小百合に,おそらくは30代後半の母親役を演じさせることには無理があり過ぎるように思える。挙句の果てに得意のスイミングまで披露させてしまうのだから,何をかいわんやである。いずれにしても,この役は吉永小百合でなければならないのかという疑問が私にはあるのだが,それは逆に日本の女優界のコマ不足ということにもなるかもしれない。

私がこの映画を見ていて好意的な見解を述べるとすれば,子役2人の可愛さではなかろうかと思う。やはり昔も今も子役は映画をかっさらっていくものである。彼女たちがこの後どういう人生を送るかはわからないが,是非今後女優として大成して欲しいと思わせる。特に志田未来は有望と見た。

尚,この映画に笑福亭鶴瓶が出演しているとあるのだが,私には彼の出演シーンの記憶がない。ということはこの映画を見ている間に居眠りをしていた可能性が大きいのだが,大筋のストーリーには何の影響もなかったようであるから,鶴瓶はコミック・リリーフ的役割だったのだろう。しかし,途中で寝てしまっている可能性もあるので,この映画については採点しないことにしておこう。

それにしても吉永小百合は相変わらずお年を感じさせない美しさであるが,サユリストを自認する私でも,今は壇れいの方がいいなぁ。彼女は実によい。サユリストのポジションは維持しつつも,これからはメインは壇れいでいきたいと思う(それがどうしたっ!)

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2008年5月29日 (木)

追悼,Sydney Pollack

Pollack Sydney Pollackが亡くなったそうである。享年73歳。Pollackは巨匠と言うよりも職人肌の映画監督と言うべき人だったように思う。私はPollackの映画を数多く見ているわけではないが,"Tootsie"では大いに笑わせてもらったし,国連本部でのロケも話題となった"The Interpreter゛もなかなか楽しめる作品だった。いずれにしても,いろいろなタイプの映画を撮れる人であったと思う。

また,役者としても渋い脇役で自作を中心に登場していたのも懐かしい。近年は監督業よりもプロデューサー業での活躍が目立っていたように思うが,その中でも゛Cold Mountain"が白眉と言ってよいだろうか。まだまだ現役で活躍をして欲しい人であった。

ご冥福をお祈りしたい。

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2008年5月28日 (水)

出張中に見た映画(6):08/05編

Hero 「Hero」 ('07 東宝)

監督:鈴木雅之

出演:木村拓哉,松たか子,松本幸四郎,大塚寧々,阿部 寛,勝村政信,小日向文世,八嶋智人,角野卓造,児玉 清,森田一義,中井貴一,イ・ビョンホン,国仲涼子,綾瀬はるか,香川照之,岸部一徳

しばらく書いていなかったが,2008年5月の米国出張の往復で私は計7本の映画を見たので,その続きである。

私はTVドラマに全く関心がなく,ここ数年(あるいは十数年か)TVドラマを見たことがない。よって,この映画の元ネタであるドラマがどの程度の人気を誇ったかも知らないし,キャラクター設定も全く知らないので,予備知識ゼロで見たことになる。結論から言えば,これは映画の体裁を取っているが,所詮はTVドラマの拡張版に過ぎず,「映画」としての存在意義があるのかどうかは甚だ疑問である。

まぁこれはかなりストーリー展開にも無理はあるし,劇画を読んでいるような感覚にとらわれてしまうが,いずれにしてもあまりにシナリオがつまらなくて(ありきたりなのである)文句を言う気も起こらない。この程度の作品に金を出して劇場に足を運ぶことは私の選択肢には一生ないだろうが,まぁ機内エンタテインメントであるから,まぁいいか。それにしてもタモリのしょうもない演技には思わず失笑をもらしてしまった。あんなことをやっていて恥ずかしくないのかねぇ。彼は「タモリ倶楽部」だけやっていればいいのだ。

この作品で唯一の収穫は松たか子の眼鏡姿ぐらいのものか。眼鏡は顔の一部というキャッチコピーがあったように思うが,まさにそういう感じである。

しかしながら,松たか子の眼鏡姿がいくらよくても,この作品も「映画」としては星で評価するに値しない。あくまでもTVドラマの拡張版なのだから,TVでやればいいのであって劇場でやる必要はない。

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2008年5月26日 (月)

黒澤を愚弄する「隠し砦の三悪人」リメイク作

Photo_2 「隠し砦の三悪人 The Last Prinecess」('08,東宝)

監督:樋口真嗣

出演:松本潤,長澤まさみ,阿部寛,椎名桔平,宮川大輔

これはいかん。駄目だとは予想していたが,案の定駄目だった。オリジナルを脚色したのは松本潤を立てるためだが,そもそも全く松本潤に魅力を感じない私のような人間にとっては,こんなものは改悪でしかない。大体,話や演技に芸がないから,CGに頼ったり,えせ「インディ・ジョーンズ」のようなシーンを挿入しなければならないのである。椎名桔平の甲冑はまるでダース・ベイダーのようだし,なんじゃこれはと言わざるをえない。

長澤まさみは相変わらずかわいいが,男勝りの育てられ方をしたという雪姫のキャラにはほど遠く,凛々しさを感じさせないし,ストーリー展開上仕方がないとは言え,どんどん映画の後半にはフェミニンな感覚が強くなってくるのも,なんだかなぁという感じである。戦国時代というのはそういう時代ではないはずであるという考え方をもってすれば,やはりこの脚色は受け入れ難いものがある。オリジナルの上原美佐のように太ももも見せてくれないし,おじさんとしてはガックリである。

結局,この映画の見所は何なのか全くよくわからないまま,時間だけが経過していき,私としては全く楽しめない映画であった。こんな映画を作っておいて「映画界の大先輩と何かしらの繋がりが持てたような気がする」等と外国特派員協会で語る監督の樋口には「片腹痛いわ」とだけ言っておこう。星をつける気にもならない駄作。

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2008年5月23日 (金)

隠し砦の三悪人(オリジナル)は痛快無比

Photo 「隠し砦の三悪人」('58,東宝)

監督:黒澤明

出演:三船敏郎,上原美佐,千秋実,藤原釜足,藤田進,志村喬

やたらに「スター・ウォーズ」の元ネタ話ばかりが話題になるが,この映画はもちろん,そんなことなど関係なしに文句なしに楽しめる痛快娯楽作品である。

馬上で刀をふりかざす三船敏郎を見てかっこいいと思わない人間はいないだろうし,階段の群集シーンを見て唸らない人間もいないだろうと思わせる何とも素晴らしい演出ぶりである。また,それを支える千秋実,藤原釜足がユーモラスに笑わせてくれて,アクションばかりの映画になっていない。また,当時の新人,上原美佐は台詞回しは素人っぽいのだが,下に掲げる写真に見るような姿を見れば,なんでも許すと言いたくなるようなクール・ビューティぶりである。しかし,わずか2年で引退したらしいのは,やはり本質的に女優ではなかったということであろう。

この映画では藤田進がかなりのもうけ役である。この映画の決定的なセリフも彼の口から発せられているし,三船と藤田のやりでの対決シーンは,本当に緊迫感に満ちていて大いに楽しめる。よく言われるように,やや前半が冗長に過ぎるようにも思えない訳ではないが,それでもこれは黒澤が残した傑作の一本と評価していいだろう。星★★★★☆。

Photo_3

この映画もリメイク版が現在公開されているが,長澤まさみ(実は私は彼女が好きなのだ...)や阿部寛はさておき,松本潤や宮川大輔というキャストでどうやってこの映画をリメイクするのかと疑問を感じざるをえない。長澤まさみちゃんが,ここでの上原美佐のように太ももむちむち姿を披露するならば,それはそれで(個人的にも)注目に値しようが,はっきり言って映画そのものに期待することは無理だろう。

先日,「椿三十郎」のリメイクは徹底的に批判したばかりだが,アメリカのリメイク・ブームに乗って,こうした風潮が日本に伝播しているのは何とも情けない。

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2008年5月20日 (火)

ナイスなサントラ/出張中に見た映画(5):08/05編

My_blueberry_2 ゛マイ ブルーベリーナイツ(My Blueberry Nights)゛ ('07,香港/中国/仏,Block 2 Pictures)

監督:Wong Kar Wai

出演:Norah Jones,Jude Law,David Strathairn,Rachel Weisz,Natalie Portman

随分とスタイリッシュな映像が印象に残る映画である。Norah Jones初主演作と言ってこの映画を見に行く人がどれぐらいいるのかはよくわからないが,Norah Jonesでなくてもこの映画は作れるはずである。しかし,Norah Jonesの素人っぽさがこの映画の雰囲気に貢献しているのは事実であろう。

ストーリーとしては大したことはない。Norah Jonesの行く先で起こる出来事をエピソードとして挿入したある意味オムニバス映画のような印象を与える。そのエピソードに登場するRachel WeiszもNatalie Portmanもいいのだが(特にPortmanのミニスカ姿がよい!),何ともシナリオはありがちというか,陳腐というかストーリーに面白みを感じさせないのは痛い。

しかし,冒頭にも書いたが,映像そのものはかなりスタイリッシュである。かなりのシーンが夜,あるいは暗いシチュエーションで占められるが,そこに現れる原色の光(特にJude Lawの店のシーンではそれが顕著である)が何とも言えないムードを醸し出している。更にコマ落としで撮影されたショットがそうした雰囲気を増幅させている。結局のところ,この映画,ストーリーよりもその映像が頭に残ってしまうという感じの映画である。それなりに楽しめるが,やはりシナリオのありきたり度が評価を一段下げたと言わざるをえない。映画としてはムードにおまけして星★★★。

Blueberry この映画を救っているのはRy Cooderが担当した音楽である。Cooderのオリジナルは少ないが,この映画のサントラを聞けば,これを「選曲の妙」と言わずして何と言おうか。見事なまでに映画の雰囲気とシンクロしている。私はこの映画を何度も見たいとは決して思わないが,このサントラ盤は私の新たなナイトキャップ盤となりうるものとして大いに推薦したい。このサントラに限って言えば星★★★★☆。とにかく雰囲気満点である。さすがRy Cooder,いいところをついてくる。映画を見てサントラを買いたくなった久々の一枚。

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2008年5月17日 (土)

出張中に見た映画(4):08/05編

Charlie_wilson 「チャーリー・ウイルソンズ・ウォー(Charlie Wilson's War)」('07,米,Universal)

監督:Mike Nichols

出演:Tom Hanks,Julia Roberts,Phillip Seymour Hoffman,Amy Adams

海外出張で飛行機に乗っていて得した気分になるのは,日本でまだ公開されていない映画を見られるときである。こうした飛行機での先行上映が最近は増えてきて,大変結構である。

それでもって本日取り上げる映画は,米国では既にDVDも出ていて,私のアメリカ人の友人からは「買え,買え」と薦められたものである。でも飛行機で見られるからいいもんねぇということで,結局DVDは買わなかったが,これは結構楽しめる映画であった。若干,アメリカ的ヒューマニズム表現が鼻についたり,ストーリーに甘い部分があるかなと感じさせる部分がないわけではないが,それでも全編を通して飽きることはほとんどない。このあたりに監督のMike Nicholsの手腕を感じる。

話はソ連のアフガン侵攻に対して,密かに対抗手段を講じるアメリカ下院議員の姿を描いたものだが,これが実話に基づくというのだから面白い。もしこの映画でTom Hanksが演じるような姿が本当のWilson下院議員の姿だったとすれば,これは相当笑えるし,型破りで個性的な人物だと言わざるをえない。思わずほんまかいなと言いたくなる。Julia RobertsやPhillip Seymore Hoffmanが演じた人物も実在なのかはわかりかねるが,この3者の会話は大いに楽しめる。中でもHoffmanの怪演が楽しい。星★★★★。

往路でみた3本はどれも駄作だったが,帰路の1本目にこの映画を選んだのは正解だった。

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2008年5月16日 (金)

出張中に見た映画(3):08/05編

Jumper 「ジャンパー(Jumper)」('08,米,Fox)

監督:Doug Liman

出演:Hayden Christensen,Samuel L. Jackson,Jamie Bell,Diane Lane,Rachel Bilson

出張中に見た映画として「ブラックサイト」を取り上げたばかりだが,この映画にもDiane Laneが出ている。しかし,これはゲスト出演のようなものだから,この映画に関してDiane Laneがどうこう言うのは適切ではない。いずれにしてもさまざまな場所を瞬間移動できる能力を身につけた「ジャンパー」とそれをハントするパラディンのバトルを描いたものだが,はっきり言ってこれは駄作である。

何がつまらないかって,結局はCG頼みの映像でしかないということである。最近は何でもCGに頼って,映画本来のよさがどんどんなくなっているように思えることには,このブログでも異論を唱えてきたが,この映画も同じである。荒唐無稽もここまでいけばある意味文句もないという人もいるだろうが,視覚的な効果でしか訴求できないのは,映画としての自殺行為ではないかと思う。この映画にそんなものを求めること自体間違っているかもしれないが,味わいもへったくれもないこと甚だしい。

世界のいろいろな場所でロケーションが行われており,東京も結構な時間で出てくるのは日本人として興味深いところではあるが,これまた無茶な映像ばかりである。同じ東京を描いても「ロスト・イン・トランスレーション」とえらい違いである。まぁ機内エンターテインメントとしてでなければ,私はこんな映画は見ていないだろうが,繰り返しになるが荒唐無稽過ぎて,私にはついていけないレベルであった。スターウォーズといい,この映画といい,Hayden Christensenってどうなってしまうのだろうかねぇ。星★☆。