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カテゴリー「映画」の記事

2018年10月 9日 (火)

出張中に見た映画:18年9~10月編

Movie_201809_10

毎度毎度海外出張していると,移動中の楽しみは機内エンタテインメントだけみたいなものである。先日の2泊4日のNY弾丸出張では8本見て,イマイチ感があったなぁと思っていた(記事はこちら)今回は月替わりのタイミングで,見られる映画には若干変化があったのはよかったが,どうも最近のJALの映画の選定には疑問もある。話題性のある映画はいいが,もう少し「いい映画」を選んで欲しい。そして,日本語字幕で見られる映画が少なくなっているのは,吹き替え版が嫌いな私のような人間には困ったものである。もちろん,英語版であれば字幕なしで見るっていう選択肢もあるが,現在の私の英語力では厳しくなっている。せめて英語字幕のオプションがあればなんとかなるが...。ってことで,結局見られる映画は限定的となり,今回見たのは次の7本(往路4本,復路3本)であった。

  1. オーシャンズ8("Oceans 8")
  2. ジュラシック・ワールド/炎の王国("Jurassic World: Fallen Kingdom")
  3. LBJ ケネディの意志を継いだ男("LBJ")
  4. 7年の夜(韓)
  5. スカイライン 奪還("Beyond Skyline")
  6. ラプラスの魔女
  7. ブレードランナー 2049("Blade Runner 2049")

正直言って,再見の「ブレードランナー2049」を除いて,今回のチョイスで感銘を受けた映画は一本もない。まぁ許せるレベルなのは1,3ってところか。ってことで,各々について感じたことを書いてみよう。

「オーシャンズ8」は人気シリーズを女性版で作ってみましたって感じだが,そこそこ笑える要素もあるが,世の中そんなにうまくいかないだろうって皮肉な見方もしたくなってしまう。Helena Bonham Carterの相変わらずの怪演ぶりとAnne Hathawayのコメディエンヌぶりが楽しいが,Cate Blanchettはちょっともったいないって気もした。

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」もシリーズものであるが,映画のラスト・シーンを見ていて,「猿の惑星」(リメイク版の方)のストーリーみたいだと思ってしまった。続編を作る気満々だろうが,ここまで来ると,次は無茶苦茶な展開になること必定だろう。確かにVFXの進化は凄いが,それは「ジュラシック・パーク」の時からそんなに変わっていないような気もしてしまった。

「LBJ ケネディの意志を継いだ男」は今回見た映画の中では一番地味だが,監督がRob Reinerだけにしっかり,そして真面目に作られた映画であった。それにしても主役のWoody Harrelsonって何でもやるねぇって感じの演じっぷりである。ケネディ暗殺後,大統領職を引き継いだLindon Johnsonを演じているが,議会での演説シーンには結構涙腺が緩んでしまった。ただ,RFKとの対立はもう少し突っ込んで描いてもよかったかなぁって気がする。しかし,これが日本で公開されるってのはある意味信じがたいぐらい地味。

「7年の夜」は韓国のミステリーを原作として製作された映画であるが,韓国映画らしい暗さに満ちた映画であり,ストーリーに救いが全く感じられなく,徹底して暗いのが,この手の韓国映画らしい。チャン・ドンゴンはもの凄い美男だが,今回の役回りははっきり言って見ていている方が胸糞悪くなるようなものである。役者としてのイメージを顧みず演じる姿勢は見上げたものだが,正直言ってこのストーリーはねぇ...。

 「スカイライン 奪還」は,それこそなんじゃこれはという噴飯ものの大駄作。機内エンタテインメントでなければ絶対見ない。映画を見ていても,全然時間が経過しないというスピード感のない演出,無茶苦茶なストーリーは金を出して見るものではない(きっぱり)。これから日本公開らしいが,私は絶対人にはお勧めしない。映画館で見るのは時間と金の無駄である。

「ラプラスの魔女」も噴飯ものの映画である。その最大の要因は櫻井翔の最悪の演技である。いや,あんなものは演技とも呼べない。学芸会以下のレベルであり,観客をバカにしているとしか思えない。監督の三池崇史もいい加減にしないと,「職業監督」とすら呼ばれなくなるだろう。原作者,東野圭吾はこれを見て何を思うのやら...。

「ブレードランナー 2049」は劇場で見た時も相応に評価していた私だが,再見に当たっては,ディテールを確かめようと思っていた。飛行機の画面だけではちょいと無理があるかなぁと思っていたが,この映画は美術がすべてだったよなぁって気がする。LAの風景なんかは,オリジナルとそんなに変わらないって気もするが,その他のシークエンスでの美術(セット)には圧倒される。でもやっぱりこの映画,Ana de Armasが可愛過ぎってのは映画見た時の感想と同じやんけ!(爆)

ってことで,どうも最近のJALの機内エンタテインメントはやっぱりイマイチだよなぁってのが正直な感想。11月の出張時にはもう少しまともな映画にしてくれい(笑)。

2018年9月20日 (木)

NY弾丸出張中に見た映画。

Jennifer_lawrence

先日の2泊4日のNY弾丸出張は体力的にも非常に厳しかったが,往復の機内でも実はあまり寝ていないというのが実態であった。寝てないんだったら,何してんのよ?って聞かれれば,当然機内エンタテインメントで映画を見ていた。その全てについて書いていると大変なので,忘れないうちにまとめて書いておこう。今回見た映画は以下の8本であった。我ながらよくやるわ。

  1. 15時17分,パリ行き("The 15:17 to Paris")
  2. デッドプール2("Deadpool 2")
  3. デス・ウイッシュ("Death Wish")
  4. トレイン・ミッション("The Commuter")
  5. 名探偵コナン ゼロの執行人
  6. レッド・スパロー("Red Sparrow")
  7. のみとり侍
  8. 空飛ぶタイヤ

日本映画が3本も入っているのが珍しいが,ちょっと今回はどれもイマイチだなぁって気がする。一番期待したのはClint Eastwood監督による「15時17分,パリ行き」であったが,実際の面々に演技をさせることはさておき,これはドラマとして,背景を描くことに多くを割いたことにより,本来の題材である列車テロのシーンが,それだけ?みたいになってしまうのが何だかなぁって感じである。昨今,Eastwoodは実話をテーマにした映画を結構撮っているが,これは一番の失敗作に思える。これは正直言って,シナリオの問題が大きかった。

「デッドプール2」は,X-MenをパロディにするのはMarvelとしてありだと思うが,正直言って何が面白いのかよくわからない展開で,コメディとアクションを両立させるのは,実は難しいのではないかとずっと思っていた。「デス・ウイッシュ」は懐かしや「狼よさらば」のリメイク作である。オリジナルでCharles Bronsonが演じた役は,今度はBruce Willisが演じる。いつもバリバリのアクションをこなすBruce Willisが銃も撃ったことのない外科医を演じるってのは,どうなのかねぇ。また,悪役側の粘着質さが嫌らしくて感じが悪いが,まぁ,こんなもんかって感じである。

「トレイン・ミッション」はこの手の映画に盛んに出ているLiam Neesonの映画であるが,映画の内容はさておき,知っている場所でのロケーションが出てきて,そちらに反応していたと言うのが実態。これもストーリーはかなり無茶苦茶な映画であるが,まぁいいや。「名探偵コナン」シリーズは,興行収入もよく,人気であるが,今回の一作もなかなか面白いと思わせたが,アニメらしいありえなさもあって,昔の「ルパン3世」とかを思い出して笑いながら見ていた私である。まぁ,それでも,大人が見ても結構楽しめてしまうのが,このシリーズのいいところである。

「レッド・スパロー」はこれって今の時代の話なのかと思わせる部分もあったが,何はなくともJennifer Lawrenceってこんなに別嬪だったかと,ずっと思っていた私である。私がそう思ったのはこういう感じというのを上下に1枚ずつ画像をアップしておくが,今までの彼女のイメージと全然違ったと言っておこう。また,この映画には,懐かしやCharlotte Ramplingが出ていたのには驚いたが,まだまだ現役で頑張っているのねぇ。素晴らしいことであるが,今回の鬼教官みたいな役はやっぱりはまるねぇ。

「のみとり侍」は裸もぼんぼん出てくる艶笑映画であるが,こういうのを誰が見るのかわからない機内エンタテインメントでやってしまうことには,批判もあるだろうなぁと思いつつ,気楽に見られるという点ではいいが,やっぱりこういうのを機内で見ていると人の目は気になるねぇ(爆)。そして「空飛ぶタイヤ」だが,池井戸潤らしいストーリーだなぁと思いつつ,あの自動車会社があそこで,あの銀行があれでと思って見ていると,露骨だなぁと思ってしまう。まぁ,でも実態もこの映画に近い部分もあったのかと思うと,困ったもんだなぁと思ってしまう。ただねぇ,このキャストはどうなのよって気はするが...。

ってことで,機内での時間を過ごすのに機内エンタテインメントは欠かせないものの,今回の目玉は「ハン・ソロ」だったように思う。でも劇場で見てしまっていたし,再見するほどの魅力も感じなかったので,上記のようなチョイスになったが,一本ぐらいこれはよかったってのが欲しいよねぇ。そんな中では,まぁ「レッド・スパロー」はJennifer Lawrenceに免じて許すって感じか。ただ,ちょいと長い(140分)のは気に入らないが。

でもまたすぐにNY便に乗ることになっているので,次はもう少し渋い映画をチョイスするかな(爆)。

Jenniferlawrenceinredsparrowmoviedh

2018年8月19日 (日)

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」:まさにノンストップ・アクション

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト("Mission: Imppssible/Fallout")」(’18,米,Paramount)

Fallout監督:Christopher McQuarrie

出演:Tom Cruise, Henry Cavill, Ving Rhames, Simon Pegg, Rebecca Ferguson, Sean Harris, Alec Baldwin

夏休みももう終わりってことで,映画も見ておかねばと思い見たのがこの映画。この手のアクション映画で,上映時間2時間半近くってのはさすがに長いって気がするが,これも007の長時間化の影響かなぁなんて思ってしまう。

しかしまぁ,これが実にハラハラドキドキ(死語?)の連続みたいな,ノンストップ・アクションであった。Tom Cruiseってもはやほぼ私と同年代のアラカンなのだが,それにしてはキレッキレのアクションを展開するのは立派としか言いようがないねぇ。

予想通りかなぁって感じの展開と,予想を裏切る展開があって,ちょっとわかりにくい部分がないとは言わないが,いずれにしてもかなり面白く見られることは間違いない。私は前作もm見ているが,展開の激しさは前作以上に思える。ってことで,この血沸き肉躍る感じにはついつい評価も甘くなり,星★★★★☆。次作の頃はそれこそTom Cruise,還暦じゃないの?と思ってしまうが,まだまだやるんだろうねぇ。

ってことで,Amazon Primeで旧作も見てみるかなんて思ってしまう私である。

2018年8月13日 (月)

出張中に見た映画:今回は往復1本だけとなったが,よく出来ていた「ウインド・リバー」

「ウインド・リバー("Wind River")」('17,英/米/加)

 Wind_river監督:Taylor Sheridan

出演:Jeremy Renner,Elizabeth Olsen,Graham Greene,Apesanahkwat

今回のバングラデシュ出張は往復ともに夜行便ということもあり,とても映画を見続ける状態ではなかった。そうは言いながら,帰路はこの1本を見た後,「クワイエット・プレイス」を見始めたのだが,睡魔には勝てず,途中で断念となった。

それでもって,この映画であるが,現在のネイティブ・アメリカンの生活ぶりというものが描かれているところも興味深いが,ユタの極寒の冬を描いていて,それを見る限りは涼しくなれる。しかし,映画のテーマは深刻な部分もあるので,エンタテインメントと言うよりも,しっかりとした映画として見るべきものと思えた。

出演しているのが「アベンジャーズ」シリーズにも出ているJeremy RennerとElizabeth Olsenだだからと言って,ちゃらちゃらした部分は皆無。しっかり作られたミステリー映画である。比較的低予算で作られていながら,こういう映画がちゃんと作られているってところが嬉しいところ。やや解決に向けての筋書きに性急さを感じないわけではないが,それでもこれは一見のお価値のある映画と言っていいと思う。

こういう映画が機内エンタテインメントに選ばれているってのも,ある意味凄いことだが,この映画に関しては,ちょっと劇場にも足を運んでもいいかなと思っていたので,得した気分の私である。星★★★★☆。今回は途中で断念した「クワイエット・プレイス」もその後の展開が気になっている私である。まぁ,9月にまたNY出張があるから,その折にでも見られるだろう。

2018年8月 5日 (日)

あまりの暑さに出掛ける気にもなれず,家で見ていた「2001年宇宙の旅」

「2001年宇宙の旅("2001: A Space Odyssey")」('68,米/英,MGM)

2001監督:Stanley Kubrick

出演:Keir Dullea, Gary Lockwood, William Sylvester, Douglas Rain

ブログの更新が滞ってしまった。こう暑い日が続くと,日常生活にも支障を来すが,その一方,飲み会続きでは,身体がもたない。ってことで,昨日はAmazon Primeでこの映画を見ていた。

この映画を見るのは何年ぶりかなぁと思いつつ,懐かしい思いもしながら見ていたのだが,1968年という時代を考えれば,これはかなりぶっ飛んだ映画だったなぁと思ってしまう。こういう映画をほめるとスノッブだ思われるかもしれないが,優れているものは優れているのだから仕方ない(きっぱり)。

今にして思えば,この映画はモノリスの存在についての考え方がはっきりすれば,それほど難しい映画ではないと思える。ただ,スターチャイルド登場に至る”Jupiter and beyond the Inifinite"のシークエンスは今見ても,相当ハードルが高い。まぁ,どう考えても子供には向かないよねぇと思うし,大人が見ても,このゆったりした感覚に睡魔に襲われる人間がいてもそれは仕方がない。

だが,この映像美と,「神の領域」を描いたとも思える深遠なテーマにはやっぱりまいってしまうよねぇ。もともとの脚本はKubrickがアイディア出しをしたようだが,そこにArthur C. Clarkeという別の知性が加わることで出来上がった,まさに壮大な叙事詩と言ってよい傑作であった。星★★★★★しかあるまい。エアコンの効いた部屋での有意義な2時間半であった(笑)。

尚,キャストを調べていてわかったのだが,「謎の円盤UFO」で冷静沈着なストレイカー司令官を演じたEd Bishopがパイロット役で出てたのねぇ。

そして,この映画の中で異常化するコンピューター(人工知能)の名前はHAL9000。HALの各々の文字の次のアルファベットを組み合わせると...。笑っちゃうよねぇ。

2018年7月 1日 (日)

「ハン・ソロ」は製作の必然性が問われる部分が大きいと思えた。

「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー("Solo: Star Wars Story")」('18,米,Lucasfilm/Disney)

Photo監督:Ron Howard

出演:Alden Ehrenreich,Joonas Suotamo, Woody Harrelson, Emilia Clarke, Donald Glover

米国内での興行の不振が伝えられる「スター・ウォーズ」の派生作品である。この映画の興行が盛り上がらない理由としては,このフランチャイズのファンたちが受け入れるか,受け入れないかという観点で,オリジナル・シリーズとの連続性が十分,あるいは必然的でないがゆえに,反発を食らったことが大きいのではないかと思われる。それがおそらく好意的に迎えられた「ローグ・ワン」との大きな違いだろう。「ローグ・ワン」はフランチャイズの間を埋めるストーリーとしてあってもよいもの,そして納得感のある作品であるのに対し,本作は別になくてもいいというのが決定的な違いである。

私のようにこのフランチャイズは結構好きでも,決して熱烈なファンではない人間にとっては,スター・ウォーズ・フリークの反応はよく理解できないところがある。それぞれの価値観があることはよいとしても,価値観の押しつけはあまり好ましいことではないと思える。それが悪い方向に出たのが,「最後のジェダイ」でのRoseを演じたKelly Marie Tranに対する誹謗中傷であろう。ファン心理は否定しないが,何をやってもいいってものではない。だが,そうした心理が「興行」に反映したのがこの映画と言ってもよいだろう。

ただ,この映画,見てもらえばわかるが,「スター・ウォーズ」から独立したかたちで見れば,そこそこ面白い映画に仕上がっているのは事実である。だが,「スター・ウォーズ」に引っかけたかたちで捉えなければならない観衆の立場からすれば,そもそもフランチャイズと切り離して考えることなど不可能なのである。ただ,シナリオをLawrence Kasdanが担当し,監督をRon Hawardが務めた割には,納得感がある出来とは言えないのが辛い。無理にエピソードを詰め込み過ぎたシナリオの問題が大きいと言ってもよいだろう。

ということで,私は「ローグ・ワン」は非常によく出来ていたと思ったが,本作はそれなりのアクション映画としての評価が精いっぱいってところだろう。私としては,無理やりこうした派生作品を作る必然性がないというのが本作への偽らざる評価である。結局のところ,批判されるべきは,映画そのものと言うよりも強欲なディズニーだろう。星★★★。

2018年6月13日 (水)

大画面で「七人の侍」を見る至福。

「七人の侍」('54,東宝)

Photo監督:黒澤明

出演:三船敏郎,志村喬,木村功,稲葉義男,宮口精二,千秋実,加藤大介,津島恵子

先日,会社を休んでゴルフをする予定だったのだが,天候に恵まれず,ゴルフをキャンセルして,映画を見に行くことにした。前々から「午前10時の映画祭」と題して,新旧の名画を再上映しているのは知っていたのだが,なかなか行く機会に恵まれていなかった。しかし,もう今年で9回目ということで,そこそこ人気がなければ,これだけ続くことはないだろう。もちろん,世の中,映像ソフトはリリースされていて,家庭で見られないこともないのだが,やはり映画館で見る魅力は何ものにも代えがたい。

そして,今回選んだのが「七人の侍」である。私はDVDも保有しているし,いつでも見られるのだが,TVやPCでしか見たことがないので,一度劇場で見たいと思っていたものである。ようやく今回見られたわけだが,1,100円で見られるのであれば,全然文句はない。いずれにしても207分の巨大編である。

映画に関しては何も言うことはないぐらいの傑作であるが,今にして思えば,もう少し尺を短くすることはできたかもしれない。しかし,侍集めがひょいひょい進めば,それはリアリティを失うことになるから,前半については仕方ない部分もあろう。だが,この映画を大画面で見る意義は,後半の戦いのシーンにこそ表れる。特に最後の戦いとなる雨中の激しい戦い,アクション・シーンはまさに歴史に残る名演出と言ってもよいのではないか。今回,大画面で見て,大いに興奮させられた私であった。これは撮影の中井朝一の功績でもある。こんなシーンを撮るのに一体どれぐらいのテイクが必要だったのかは極めて興味深い。

そして,この映画を見ていて,宮口精二のカッコよさを再認識させられた私である。まさにハード・ボイルドなのだが,人間的な優しさとの二面性を見事に示されて,男の中の男と思ってしまった。何度見ても,ここでの宮口精二にはしびれる。

いずれにしても,こんなアクション映画が戦後10年も経っていない日本で撮られていたことは,今にして思えばまさに驚異的。アクション・シーンのスピード感も素晴らしく,文句のつけようがない。星★★★★★。

2018年6月11日 (月)

「万引き家族」は実によく出来た映画であった。

「万引き家族」('18,ギャガ)

Photo監督:是枝裕和

出演:リリー・フランキー,安藤サクラ,松岡茉優,城桧吏,佐々木みゆ,樹木希林,池松壮亮,高良健吾,池脇千鶴

カンヌ映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した話題作である。珍しくも家人のリクエストがあり,週末に見てきたのだが,これはタイトルからは想像もできないような映画であった。詳しく書くとネタバレになってしまうが,是枝裕和のこれまでの映画とも通じる「家族」がテーマであるが,その内容はかなりほろ苦い。かつ,昨今報じられる児童虐待の問題とも通じるところがあって,身につまされる感覚を覚える部分もある。

映画のポスターには6人の幸せそうな姿が写っているが,映画の中にこのようなシーンは出てこない。これがまさに反語のようにさえ思えてしまった私である。いずれにしても,家族とは何なのとかいうのを改めて考え直したくなるところに,この映画の本質があるわけだが,疑似的な体裁で成り立っている家族が,あまりにももろく崩壊することが描かれるが,それだけでは救いようのない映画となってしまうところに,ちゃんと救いを感じさせるシナリオになっているのがよかった。これは脚本も兼ねた是枝裕和の仕事ぶりを認めなければならない。

演技陣は子役も含めてすべて見事なものであるが,中でも映画後半になってからの安藤サクラの演技が突出している。極論すれば,この映画は安藤サクラの演技を見るだけで価値があると言ってもよいだろう。特に「泣き」のシーンは誰も否定できない力を持っている。これには私も見ていて,本当に感心してしまった。

正直なところ,映画そのものがどんな感じなのかわからず,あまり期待しないで見に行ったのだが,これは見て正解であった。そういう意味では家人に感謝せねば。星★★★★☆。実にいい映画である。かつ松岡茉優は可愛いと声を大にして言っておこう(爆)。

2018年5月27日 (日)

英国出張中に見た映画:最後は「ガール・オン・ザ・トレイン」

「ガール・オン・ザ・トレイン(The Girl on the Train")」('16,米,Dreamworks)

The_girl_on_the_train_2監督:Tate Taylor

出演:Emily Blunt,Haley Bennett,Rebecca Ferguson,Justin Theroux, Luke Evans

随分間が空いてしまったが,GW前の英国出張の復路で見た映画は2本だけで,1本は劇場で見た時に記事をアップした「スター・ウォーズ:最後のジェダイ」なので,そちらはスキップして,最後に見たこの映画について書きたい。

この映画,製作はSteven Spielbergも絡むDreamworksなのだが,通常のDreamworksが作る映画に比べると陰鬱な映画であり,私が抱くDreamworksの映画とは何ともイメージが違う。もちろん,これまでもこうしたタイプの映画がなかった訳ではないだろうが,私の感覚では「ゴーン・ガール」並みの陰鬱さって感じである。

ストーリーについてはネタバレになってしまうので書かないが,舞台となっているのがHastings on Hudsonということで,ここでいう「トレイン」とはMetro-Northのハドソン線である。グランド・セントラルとかも出てきて懐かしい感じも与えるが,このストーリーにおいては,そんな懐古的な気分も吹っ飛ぶわと言いたくなるような映画であった。正直言って,飛行機の中で見るにはちょいとねぇって感覚にならざるをえないえぐ~い映画である。原作は小説らしいが,ミステリーとしては底が浅い感じもあり,映画にしてもプロットの甘さがあるため,星★★★。Emily Bluntは結構怖いし,Haley Bennettはセクシーだが,そうだとしてもその程度。

尚,刑事役で"I, Tonya"でオスカーを取ったAllison Jannyが出ているが,雰囲気は全然違うのに,声でAllison Jannyってわかってしまった。この人の芸風も多彩だなぁと感心。

2018年5月18日 (金)

英国出張中に見た映画:3本目はこの夏公開の"Battle of the Sexes"

"Battle of the Sexes" ('17,米/英,Fox Searchlight)

Battle_of_the_sexes監督:Jonathan Dayton, Valerie Faris

出演:Emma Stone, Steve Carell, Andrea Riseborough, Bill Pullman,Natalie Morares

英国出張の往路で見た映画の3本目は,日本では7月に公開が予定されているこの映画である。これも実話をベースにした話で,昨今の映画には結構実話に基づく話が多いなぁと思う。逆に言えば,オリジナル脚本の持つ価値はどんどん高まっているのではないかとさえ思ってしまう。

ここに描かれている部分のうち,LGBTの部分についてはどの程度実話ベースなのかはわからないが,いずれにしても,性差に対するBillie Jean King(あの当時はキング夫人と称されていたのも懐かしい。ライバルのMargaret Courtはコート夫人だったなぁ。その辺も時代を感じる)の挑戦を描いたものであり,Steve Carell演じるBobby Riggsとの対戦が実際あったというのは私の記憶の片隅にもあったような,ないような...。

”I, Tonya"でもそうだったが,実際のキャラクターをエンド・ロールで紹介するパターンも最近多くなってきたが,役者たちがそれっぽく演じていたことがわかるのも面白い。いずれにしても,この映画においては,女性を小馬鹿にする男性や保守主義者の古臭さをコケにするところが描かれるが,まさにこれが「ウーマン・リブ」の時代だったということであろうし,それは現代においても通じる部分があるということだろう。

LGBTサイドは深刻になりそうな展開であるが,それをSteve Carellがコミック・リリーフ的に和らげる役割を担っており,なかなかバランスの取れた展開だと思える作品であった。正直なところ,これが日本で公開されたとしても,ヒットする可能性は低いかもしれないが,なかなか面白い作品なので,見ても損はしない。星★★★★。

甚だ余談であるが,こういう映画を見ていると,ジェンダー間の平等を訴える活動をするEmma Watsonと,ここでの主役Emma Stoneがごちゃごちゃになってしまう私である。

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