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カテゴリー「映画」の記事

2018年4月27日 (金)

米国出張中に見た映画:3本目は「ジャスティス・リーグ」

「ジャスティス・リーグ(“Justice League”)」(‘17,米/英/加,Warner Brothers)

Fc404669216243b0a1fde28aad48ed06監督:Zac Snyder

出演:Ben Affleck, Henry Cavill, Gal Gadot, Amy Adams, Jeremy Irons

米国出張の往路で見た3本目がこれである。正直言って,バカバカしいことは見る前からわかってはいたが,こういうのも見ておかないと息が詰まるってことで,お気楽モードで見たものだが,まぁ,ここまで超人ばかりが登場すると,敵も普通ではなくなるってことで,いやはやここまでやるって感じである。

いずれにしても,キャラクターが増え過ぎて,ストーリーとしては各々のキャラを立てる必要もあり,細かいエピソードのつなぎになってしまうのは仕方がないことである。そうした中で,独自路線の映画にできるのはバットマン,スーパーマン,ワンダーウーマンになってしまうのは,まぁ仕方がないだろう。フラッシュ,アクアマン,サイボーグ単体での映画化は難しそうだと思ってしまった。その意味では「ブラック・パンサー」もひっとさせるライバル「アベンジャーズ」にキャラでは負けているという印象が強い。

こうなると,ストーリーとしてはなんでもありになってしまって,シナリオの出来とか関係ないじゃんと思わざるをえなくなるのが,こういう映画の限界だと思ってしまう。まぁ,機内エンタテインメントで見る分には文句もないのだが,お金を出してまで劇場で観たいとは思えないというのが正直なところである。結局は私にとっては暇つぶしにしかならないのである。

エンド・ロールにおいて,Jesse Eisenberg演じるLex Luthorが簡単に脱獄に成功してしまい,次作の悪役は再度Lex Luthorってことになるだろうから,荒唐無稽は荒唐無稽でも,もう少し真っ当な悪役を演じてもらいたいものだと思ってしまう。私としては「ダーク・ナイト」のHeath Ledgerが懐かしいと言わざるを得ないのである。星★★☆。

それはさておき,いつも言っていることだが,エンド・ロール途中で席を立つ人はJesse Eisenberg扮するLex Luthorの脱獄も,デスストロークの登場も見逃すってことになるのだ。映画の作り手はエンド・ロールまで見て欲しいということが,こういうところにも表れるよなぁとつくづく思う私である。私は映画館では必ず客電がつくまで座って見ているので,見逃すことは絶対ないが(笑)。

2018年4月26日 (木)

米国出張中に見た映画:2本目は「ウィンストン・チャーチル:ヒトラーから世界を救った男」

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(“Darkest Hour”)」(‘17,米/英)

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監督:Joe Wright

出演:Gary Oldman, Lily James, Ben Mendelssohn, Kristin Scott Thomas

Gary Oldmanが今年のオスカーで主演男優賞を取った映画である。同じくオスカーを受賞した辻一弘らのメイクアップ&ヘアスタイリング賞との合わせ技という気もするが,いずれにしてもこれがGary Oldman?と思わせるほど,チャーチルに成りきっているのが凄い。これで私が実際のチャーチルの話しっぷりとかを知っていれば,更に凄いと思ったのかもしれないが,そんな知識なくしても立派な演技であったことに異論はない。

この映画は「ダンケルク」と同じ時期の英国内の様子を描いているわけだが,名宰相と言われたチャーチルがこの映画に描かれたような評価で,更にここで描かれたような事情で首相の座についていたということは非常に面白かった。英国人にとっては当たり前の歴史も,日本人にとっては決してよく知られたことではないということである。いずれにしても,この映画は「ダンケルク」と併せて見ることで更に面白さが増すと思える作品である。

正直言って,映画としては地味なものではあると思えるが、派手派手しさがなくても,映画としては十分楽しめるだけの魅力がある。私は飛行機の中で,この映画を見ながら大いに感心させられていたと言っておこう。事実は小説よりも奇なりを地で行く映画であった。星★★★★☆。

2018年4月24日 (火)

米国出張中に見た映画:1本目は「シェイプ・オブ・ウォーター」

「シェイプ・オブ・ウォーター(“The Shape of Water“)」(‘17、米,Fox Searchlight)

02f532c862f6444b94a620acb6d8f6a0 監督: Guillermo del Toro

出演: Sally Hawkins, Michael Shannon, Richard Jenkins, Octavia Spencer, Doug Jones

暇なので,ロンドン行きの機内でこの記事を書いている(爆)。先日の米国出張の往路で最初に見たのがこの映画である。今年のオスカーで作品賞,監督賞を受賞して,劇場で観たかった映画だが,日本では大してヒットすることなく公開が終わってしまったので見逃していたものである。

結論から言えば,確かによくできた映画ではあるのだが,年間ナンバーワンの作品かと言えば,私にはそう思えなかったというのが正直なところである。私にとっ ては,「ダンケルク」や「スリー・ビルボード」の方がはるかに優れた作品だと思えたからである。こういうファンタジーが日本人の琴線に触れないというところもあるだろうが、私が「半魚人と人間の恋」ってものに感情移入できなかったというのが最大の要因と言ってよいだろう。

脚本としても,文句を言いたくなる部分もあるし,やはり私にとっては,この映画は2017年度最高作として捉えることはできない。星★★★☆。

2018年4月21日 (土)

更新が滞る中で,出張中に見た映画のご紹介。

米国出張から帰国したのはいいものの,時差ボケと戦いながら,飲み会への参戦も続き,ついつい睡魔に勝てず,「落ちる」という生活をしていては,記事の更新が滞るのは当然だ。ということで,音楽についても落ち着いて聞いている暇もなく,実は来週火曜日からは今度はロンドン出張が控えていて,正直老体には厳しい生活が続くのだ。

ってことで,今日は米国出張中に見た映画の一覧だけのご報告。今回はNYへの往路で3本,NY~SFへの移動で2本,そしてSFから東京への復路で5本の計10本である。私もよくやるわと思いつつ,SF~東京ではほぼ一睡もせず映画を見続けて,時差の解消を図っていた私である。見たのは下記の順番の通りだが,最後の「オリエント急行殺人事件」はスリランカ出張の折にも見ているが,あの時は日本語吹き替え版だったので,オリジナル言語で見直したもの。

  1. シェイプ・オブ・ウォーター("The Shape of Water")
  2. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男("Darkest Hour")
  3. ジャスティス・リーグ("Justice League")
  4. デトロイト("Detroit")
  5. スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望("Star Wars Episode IV/ A New Hope")
  6. ゲティ家の身代金("All the Money in the World")
  7. アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル("I, Tonya")
  8. ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル(”Jumanji: Welcome to the Jungle")
  9. マンハント
  10. オリエント急行殺人事件("Murder on the Orient Express")

今回,見た映画はそれぞれに見どころありだったと思う(桜庭ななみが可愛いだけの「マンハント」はクズだったが...)が,やはりCGばかりで辟易させられる映画よりも,ちゃんとドラマ性のある映画がいいねぇと思った。見ていて辛くなるような「デトロイト」,事実は小説より奇なりの「アイ,トーニャ」,「ダンケルク」と時代設定がかぶって,2本一緒に見ると更に面白いと思わせる「ウィンストン・チャーチル」,そしてChristopher Plummerの怪演が凄い「ゲティ家の身代金」等々である。各々については,そのうちに記事にしたいが,「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」でトーニャ・ハーディングの母親を演じたAllison Janneyはオスカー取って当然と言うべき演技だったと付け加えておく。

2018年4月 8日 (日)

「ペンタゴン・ペーパーズ」を見たら,「大統領の陰謀」も見たくなり。

「大統領の陰謀("All the Presdent's Men")」('75,米,Warner)

B監督:Alan J. Pakula

出演:Dustin Hoffman, Robert Redford, Jack Warden, Martin Balsam, Hal Holbrook, Jason Robards

先日,「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」を見に行った話は既にこのブログにも書いたが,あの映画のラストはウォーターゲート・ビルへの侵入事件のシーンで終わる。それを見たら,どうしてもウォーターゲート事件の顛末を描いた「大統領の陰謀」が猛烈に見たくなった私である。DVDを持っていたような気がしながら,私は場所を節約するため,ケースは捨てて,ディスクだけをフォルダーに収納しているので,なかなか見つからないのだが,今回はあっさり見つかった(爆)。そして,余談ではあるが,私って結構映画のDVDを多数保有しているなぁと自分で感心してしまった。まぁ,老後の楽しみに取ってあるようなものだが。

それはさておき,この映画,事実は小説より奇なりを地で行くような映画である。そして派手さはないが,静かにサスペンスを盛り上げていくのは,脚色を担当したWilliam Goldmanの手腕と,Alan J. Pakulaの手堅い演出にあることは間違いない。Robert RedfordとDustin Hoffmanは役者然としているが,それを支える助演陣が渋いので,リアルな感覚を与えたのも勝因。「ペンタゴン・ぺーパーズ」ではTom Hanksが演じたBen Bradleeをここで演じるJason Robardsが更に渋く,オスカー取って当たり前って感じの演技であった。

つくづくこの映画を見ていると,2本の映画で容赦なく皮肉られているRichard Nixonが,本質的にはDonald Trumpと同じような人物であったことがわかって面白いし,当時のホワイトハウス側の論調は,現在のそれにあまりに似通っていて,うすら寒ささえ感じてしまった私であった。そして,こうした事件が明らかになりつつある中で,Nixonが楽勝で再選を果たしながら,その約1年半後には辞任に追い込まれるのは,因果応報と言わざるをえない。

いずれにしても,私がこの映画を見るのは多分高校生の時以来で,その時は正直,バックグラウンドに対する理解が不十分で,何かよくわからないなぁと思っていた記憶もある。なので,DVDで見直して,もう一度理解を進めればいいやってことで買ってあったものだが,結果的には丁度いいタイミングで再見できたのだから,結果的にはよかったってことにしておこう。いやいや,それにしても実によく出来た映画であった。星★★★★☆。

2018年4月 2日 (月)

Spielbergらしいリベラルなトーンに満ちた「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」

「ペンタゴン・ペーパーズ:最高機密文書("The Post")」('17, 米,Fox/Universal)

The_post_2監督: Steven Spielberg

出演: Meryl Streep, Tom Hanks, Sarah Paulson, Bob Odenkirk

 この週末に見に行ったのが,日本では公開されたばかりのこの映画である。いかにもSpielbergらしいリベラルな気風に溢れた映画である。一言で言えば報道の自由を追求する新聞社側と不都合を隠そうとする政権のバトルを描いているが、徹底的に揶揄されるRichard Nixon像は,不都合な報道を「フェイク・ニュース」とするDonald Trumpと完全にオーバーラップしている。そして,ラストにウォーターゲート事件を持ってくることにSpeielbergのTrumpへの猛烈な皮肉を感じて笑っていた私である。

 結論からすれば,実話ゆえに結末はわかっているにもかかわらず,テンポよく面白く見られる映画に仕立てたSpielbergの手腕は見事と思えた。そして,強調したいのはこの映画の主役はMeryl Streepであり,本質的にこの映画は彼女のための映画だということである。ストーリー上はTom Hanksも立派な主役だが,Meryl Streepの存在感が圧倒的であった。まぁ、Tom Hanksにとってちょっと可哀想だったのは,彼が演じた編集主幹,Ben Bradleeは「大統領の陰謀」でJason Robardsが渋く演じて,オスカーの助演男優賞を取っているだけに,我々の年代にはその印象が強く残っていたことか。

 いずれにしても,私のようなリベラルな人間にとってはこういう映画を見ていると実に嬉しくなってしまった。ということで,甘いの承知で星★★★★☆。面白く見られることは保証できる。メディアの批判に熱心などこかの国の政治家や彼らの取り巻きにも見せたいものだ。

2018年3月23日 (金)

Norma Winstone:これぞ選曲の妙。素晴らしい映画音楽集。

"Descansado: Songs for Films" Norma Winstone (ECM)

_20180319_3Norma Winstoneによる映画音楽集である。ここはまず,その選曲のセンスが絶妙。よくぞこれだけばらけた映画の曲を集めながら,一貫性を保ったことが凄い。ここで選ばれている映画は次のような作品群である。

  • 「華麗なる賭け」(1968)
  • 「ロミオとジュリエット」(1968)
  • 「昨日・今日・明日」(1963)
  • 「女と男のいる舗道」(1962)
  • 「リスボン物語」(1994)
  • 「マレーナ」(2000)
  • 「イル・ポスティーノ」(1994)
  • 「アマルコルド」(1973)
  • 「プライドと偏見」(2005)
  • 「ヘンリー五世」(1944)
  • 「タクシー・ドライバー」(1976)

このように比較的よく知られたものもあれば,そうでもないものも交えつつ,制作された年代も,国も違う映画の音楽を揃えながら,終わってみれば,完全にNorma Winstoneの世界に染め上げているのは,まさに驚異的である。極めて限定的なバックのサウンドの上に静謐に展開されているが,オリジナルの映画音楽の持つ美しさとNorma Winstoneの表現を見事なまでに融合し,表現したアルバムに私は文句をつける余地がない。

映画音楽のインタープリテーションとして,これほど優れたアルバムに出会うことはほとんどありえないと断言してしまおう。とにかく,この選曲,見事というしかない。興奮とは無縁な世界ではあるが,じっくりこの音楽に耳を傾けるべき最高の作品である。映画好きも唸ること必定の傑作。喜んで星★★★★★としよう。それにしても,1曲目に「華麗なる賭け」を置き,「タクシー・ドライバー」をほぼエンディングに持ってきて,欧州映画を間に挟むとは...。凄いセンスとしか言いようがない。

Recorded in March 2017

Personnel: Norma Winstone(vo), Glauco Venier(p), Klaus Gesing(ss, b-cl), Helge Andreas Norbakken(perc), Mario Brunello(cello)

2018年3月 5日 (月)

スリランカ出張中に見た映画:残る2本は「キングスマン」シリーズ。

「キングスマン("Kingsman: The Secret Service")」('14,英,Fox)

Kingsman_2監督:Mattew Vaughn

出演:Colin Firth,Taron Egerton, Michael Caine,Samuel L. Jackson,Mark Strong,Edward Holcroft,Sophie Cookson

「キングスマン:ゴールデン・サークル("Kingsman: The Golden Circle")」('17, 英/米,Fox)

監督:Matthew Vaughn

出演:Colin Firth,Taron Egerton,Julian Moore, Jeff Bridges,Channing Tatum,Pedro Pascal, Elton John, Hanna Alström, Halle Berry

Kingsman_the_golden_circle出張中の往路で,最新作の「ゴールデン・サークル」の方を見て,復路で1本目を見るという遡及型の見方をしたのだが,これが結構笑えた。特に2本目は米国のキャストやElton Johnも加わって賑々しいのだが,逆にそれがとっ散らかった印象を与えるのも事実である。また,今回のように,2本目を見てからオリジナルを見ると,「そんなことある?」と思わせる展開があって,それはさすがに行き過ぎだろうと思わせるところもあった。

まぁ,機内エンタテインメントなので,こういう気楽に見られる映画は重要なのだが,いずれにしても監督のMatthew Vaughnも言っている通り,昨今のスパイ映画というのは結構シリアスな展開が多かった中で,この映画は笑いの要素が大きいのが特徴的である。興行収入もいいようなので,第3作の製作も行われるのではないかと思うが,もう少しストーリーを整理する必要は強く感じた。

いずれにしても,私にとってはこういう映画は映画館で見るってよりも,機内エンタテインメントで見ればいいやって感じの映画である。第1作が星★★★☆,第2作が星★★☆ってところだろう。結構面白く見せてもらったが,少なくとも第2作は悪ノリが過ぎたってところだろう。尚,第1作にはMark Hammilまで出ていて,笑ってしまったが,全然Luke Skywalker的ではないので念のため(笑)。

2018年3月 4日 (日)

スリランカ出張中に見た映画:1本目は「オリエント急行殺人事件」

「オリエント急行殺人事件("Murder on the Orient Express")」('17,米/英/仏/加/NZ/マルタ,Fox)

Murder_on_the_orient_express監督:Kenneth Branaugh

出演:Kenneth Branaugh,Johnny Depp,Michelle Pfeiffer, Penélope Cruz,Daisy Ridley

先日のスリランカへの出張は成田~コロンボの直行便で,往路は10時間近くかかるという長いフライトであった。その割に見た映画が少ないのは復路が夜行便だっただけに仕方ないところである。ということで,今回はちゃんと見たのは3本に留まった。その1本目がこの映画である。

「オリエント急行殺人事件」と言えば,誰もが知るアガサ・クリスティによるエルキュール・ポワロものであり,ストーリーも大方の人が知っているだろうが,ネタバレは避けたい。私にとってはIngrid Bergmanがオスカーで助演女優賞を取った1974年のSidney Lumet作が非常に懐かしいが,ストーリーがストーリーだけに,オールスター・キャストに仕立てたくなる映画である。今回のリメイクも相応に役者は揃っているのだが,74年作に比べると,小粒と言うか,華がないって感じである。

ポワロを演じるKenneth Branaughの演出はそれなりに手堅く,主役たるKenneth Branaughもちゃんと目立ってはいるのだが,74年作ではAlbert Finneyがメイクを施して,嬉々として演じていたポアロに比べると,Kenneth Branaughのポアロはちょっと地味かなぁって気がする。どうせならもっと豪華に仕立ててもいい映画であったと思う。そこが残念。ということで,星★★☆。

劇中には「ナイルに死す」につながるようなセリフも出てきていたが,この程度の出来なら,次はなくてもいいように思う。いずれにしても,こうした映画がどういう層に訴求するのかもはっきりしない。それが時代の流れってことなのかもしれない。

2018年2月12日 (月)

今年初の劇場映画は「スリー・ビルボード」。

「スリー・ビルボード("Three Billboards Outside Ebbing, Missouri"('17,米,Fox Searchlight)

Three_billboards監督:Martin McDonaugh

出演:Frances McDormand,Woody Harrelson,Sam Rockwell,Peter Dinklage, John Hawkes

今年最初の劇場映画となったのが本作である。先のGolden Globeでも作品賞,主演女優賞,助演男優賞,脚本賞を受賞しているが,今度のオスカーでもかなり有力な候補作と考えられている。非常に荒っぽいセリフが続くが,主演のFrances McDormandのまさに鬼気迫る演技にはやられること必定。

そして,オスカーではノミネーションを分け合っているWoody HarrelsonとSam Rockwellはどちらも好演であるが,評価されるとすればGolden Globeの結果同様,Sam Rockwellの方だろうと思える。いずれにしても,これはシリアスで重い映画であり,このストーリーは強烈なテーマを持っている。途中のセリフにも出てくるが,「怒りは更なる怒りを呼ぶ("Anger just begets greater anger")」ということを痛切に感じさせる映画なのである。

この映画はチャラチャラしたエンタテインメントではなく,重いテーマを持っているので,確実に好き嫌いは分かれるだろう。しかし,ドラマとして,これは実によく出来た映画であり,考えさせられるところの多い映画である。人種差別の残存すら全く隠し立てすることがなく,誰が善人で,誰が悪人なのかもはっきりしないこの映画が,もしオスカーの作品賞を取ったとすれば,それは結構凄いことだと思える。とにかく強烈な印象を残す映画であった。私は去年,「ダンケルク」を高く評価したが,それとはまったく違うテイストながら,甲乙つけがたい。ということで,「ダンケルク」同様に星★★★★★。いやいや,凄いですわ。

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