カテゴリー「歌謡曲」の記事

2008年10月10日 (金)

不朽の名曲:木綿のハンカチーフ

Photo 「木綿のハンカチーフ」 太田裕美(CBSソニー)

太田裕美がこのブログに出てくるとは何とも唐突だが,先日TVを見ていたら彼女がこの歌を歌っていたので今日のお題はこの曲である。

加齢とともにどんどん涙もろくなっていく私だが,映画館で泣いても,歌を聞いて泣くことは稀である。しかし,この歌を聞くと条件反射のように涙がこぼれてしまう私である。

歌謡界で考えられうる最強タッグ,松本隆と筒美京平のコンビが生み出したこの曲は,リリースから30数年を経ても,歌謡界に燦然と輝くエバーグリーンだと言いきってしまおう。男女の心情のコール&レスポンスという形態も新鮮だったが,4分弱の曲に見事なドラマを描き出した松本隆の詞が何と言っても素晴らしい。

よくよく聞けば本当に悲しい歌であるが,筒美京平の曲はメランコリックな響きはないのに,松本の書いた詞にまさにジャスト・フィットし,この4分間のドラマを更に素晴らしいものにしているではないか。詞の悲しさと曲のメロディー・ラインのギャップが何とも言えないのだ。

そして私は太田裕美が最終コーラスで「あなた最後のわがまま贈りものをねだるわ。
ねえ涙拭く木綿のハンカチーフください。ハンカチーフください」と歌う瞬間に確実に落涙の瞬間を迎えるのである。木綿のハンカチーフ下さいと言いたくなるのはこの私の方である。私はこの歌を自らカラオケで歌っていても涙で目がかすんだと言う信じられない経験をも持つが,それほど聞く者をドラマの世界に誘いこんでしまう魅力がこの曲にはあるということだと私は思っている。私をこのように感動させるこの曲は,誰が何と言おうと星★★★★★では足りないぐらいの不朽の名曲である。1975年,「およげたいやきくん」ゆえにチャートのトップになれなかったというのも何ともいじらしいのである。

でも曲をかけると泣いてしまうので家族の前では聞けない...。

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2008年7月23日 (水)

今度の福耳はロック+ポップだ

Photo 「Dance Baby Dance/夏はこれからだ」 福耳(Rhythm Zone)

私はJポップなるジャンルに強い違和感があるとともに、完全な洋楽指向の人間だから、所謂Jポップはほとんど聞いていない。そんな私が例外的に認めているのが、スガシカオとスキマスイッチである。

そうした彼らも参加した福耳は私が毎度シングルを買ってしまうという本当に珍しいユニットなのだが、そんな彼らの新譜である。前作「惑星タイマー」もナイスな佳曲だったが、今回はどうか。

1曲目の゛Dance Baby Dance"は非常にロック色が強くて意表を突かれるが,2曲目はこれまた随分とポップな感覚が強く,結構曲のフレイバーに落差があるものの,今年の夏の私のカラオケの新曲はこれで決まりと思わせる出来に思わず嬉しくなってしまった。「惑星タイマー」もそうだったのだが,福耳の曲は私の「カラオケの友」なのである。このディスクにはカラオケ・トラックも付いているから,早々に練習に励まねば。

と,そんなことはどうでもよいのだが,大所帯化していく福耳において,私がどうしても違和感をぬぐえないのが元ちとせの存在である。彼女の声がどうのこうのというつもりはないが,あの独特の節回し,こぶし回しははっきり言って聞いていて私は相当に疲れてしまう。今回の2曲はどちらも元ちとせがフィーチャーされる部分があるが,そこだけがあきらかに浮いてしまっているのである。仲間内のグループであるから,ミュージシャンも当然仲間内ということになろうが,世の中,元ちとせを認めている人間ばかりではない。素晴らしい声も,あのこぶし回しをあぁ何度も聞かされては食傷するのは当然である。そうした観点で,私には元ちとせの使い方が気に入らないのである。これは多分に生理的な部分もあるが,やはり私は彼女の出てくる瞬間が苦手なのである。

ついでにもう一つ文句を言っておけば,ボーナス・トラックがまた「星のかけらを探しに行こう」というのも,もうそろそろ別の曲でもいいのではないかと思うのだが。福耳と言えば,この曲というのもわからないでもないが,毎度毎度ではさすがに飽きる。今回は「夜空のムコウ」も入れたのだから,どうせなら「惑星タイマー」にすればいいのにと思うのは私だけだろうか。というようなこともあり,星★★★★。全体的には好きだけどね。

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2008年4月13日 (日)

倉木麻衣の英語の発音はいかん

テレビを見ていると倉木麻衣が゛Top of the World"を歌っているCMが流れていたが,私はこのCMの倉木の歌を聞くと,どうしようもない違和感に襲われる。

その原因が彼女の稚拙な英語の発音にあることは明らかである。あれは完全なカタカナ英語をそのまま歌っていて,本当の英語的な発音になっていないというのが私の見解である。本質的にミュージシャンには耳のいい人が多いから,発音もそれっぽく聞こえるようにこなすことができる。その代表的な例が美空ひばりである。美空ひばりはほとんど英語教育を受けていないはずだが,彼女が歌う゛Lover Come Back to Me゛なんてそれっぽく聞こえる。それは歌詞の意味を理解しなくても,「音」がどう響くかを理解できる彼女の耳の良さに起因しているはずである。

それに比べて立命館大学ご卒業の倉木麻衣の発音は,居心地が悪いこと甚だしいのである。少なくとも元歌のCarpentersヴァージョンをちゃんと聞いたとは思えぬひどさと言えよう。こういうのを聞くと,歌手としての倉木は勉強不足,あるいはもしちゃんと原曲を聞いて勉強しているのであれば,彼女の耳に問題があると思わざるをえない。

英語の難しさというのは,書いてあるとおり読んでもそれっぽくは聞こえないことがあることである。例えば,私が映画を見ていてよくあるセリフに゛Get Out of Here゛(日本語にすれば「逃げろっ!」ぐらいの使い方が多い)というのがあるが,このフレーズ,通常であればどう聞いても「ゲットアウトオブヒア」とは聞こえないのである。同様に,Carpentersの元歌をよく聞けば,倉木の発音と明らかに違うことは誰にでも感じ取れるはずである。

いずれにしても,倉木麻衣が今後グローバルな活動を目指すならば,今の彼女の発音能力(おそらくリスニング能力も)ではかなり厳しいだろう。コマーシャルとは言え,英語で歌うならもう少しまともに歌って欲しいものである。あれに比べれば松田聖子の英語曲,゛Dancing Shoes゛なんて相当頑張っていた。゛Sweet Memories゛の頃はなんじゃそりゃというレベルだったが,そこから相当進歩していたのは,アメリカ・デビューへのモチベーションが高かったせいと考えることができるとしても,大したものである。たまに松田聖子が英語を喋る姿を見ることがあると,彼女の英語,なかなかそれっぽいのである。このあたりは倉木にはまだまだ進歩の余地があるということを示している。

まぁ気にしなければどうでもいいことなのだが,何かと比較される(ことが多かった)宇多田が英語がうまいだけにもう少し何とかした方がいいだろう。老婆心ながら。

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2008年2月29日 (金)

今井美樹が7人のピアニストとデュオでしっとりと

Photo "I Love a Piano" 今井美樹(Virgin/EMI)

これは驚いた。今井美樹が7人のピアニストとしっとりとデュオでセルフ・カバーを歌い上げたミニ・アルバムである。私は最近の今井美樹に関心があるわけでもなかったのだが,とある雑誌で見掛けて気になったものを購入したものである。これが予想以上によかった。こういうのは何とも嬉しくなってしまうが,相変わらずの透明感溢れるヴォイスではないか。

昔は彼女のベスト盤,゛Ivory II"は結構愛聴していたぐらいだから,私は今井美樹は以前からそれなりに好きである。それでもアルバム単位ではずっと買っていないし,ライブに行っているわけでもないから,ファンとまでは言えない人間である。それでも,彼女が役者の余芸というにはあまりに素晴らしい音楽センスを持っていることは゛Ivory II゛でも承知はしていた。

しかし,ここまでしっとりと歌い上げられてしまうと,私程度の人間でもある意味感動させられてしまう。個人的には曲が全部いいとは言わないし,バックのピアニストも盤石とは言えない。特に武部聡志なんて明らかにオーバー・プレイイングである。それでも,全体的に見ればピアノ伴奏は相応によいが,それを上回る今井美樹の声にやられてしまうのである。

で,なんでジャズのカテゴリーかと言えば,それは小曽根真が参加しているからである。大野雄二や塩谷哲もそうしたカテゴリーに入れてもよかろうが,ここでの小曽根は控え目ながら適切なバッキングで,非常に好感が持てる。しかしそれ以上に参ってしまったのが大野雄二との共演による「ルパン3世 愛のテーマ」である。私のような世代には何とも懐かしい曲だが,これはジャズ・フレイバーに満ちた名曲である。もちろん,歌唱自体にはジャズ的な感覚は希薄なのだが,こうした要因もあって,ジャズのカテゴリーも追加した。尚,塩谷哲とやった期待の゛PRIDE゛は残念ながらオリジナルを上回っているとは言えない。しかし,過剰な期待を掛けなければ,これもまたよしであろう。

いくつか文句を言いたくなる部分があるとしても,暫くヘビー・ローテーションしたくなるアルバムである。星★★★★☆。

Recorded between November, 2007 ~ January, 2008

Personnel: 今井美樹(vo),河野圭(p),小曽根真(p),武部聡志(p),倉田信雄(p),川江美奈子(p, vo),大野雄二(p),塩谷哲(p)

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2007年12月 3日 (月)

ブレイク直前の森高千里の最高な映像

Photo 「見て スペシャルライブ」 森高千里(ワーナーパイオニア)

何を隠そう私は森高千里のファンであった(過去形である...)。恥ずかしながらライブにも行ったことがあるのだが,私を森高の世界に引きずり込んだのは一枚のレーザーディスクである。私はこのライブLDを見て,完全に森高の脚線美とちょっと意地悪そうな顔にまいってしまったのである。一時期は「世界一の脚線美」などと言っていたぐらいだが,このLDではミニスカ,ボディコンなんでもありという感じのまさに「バブルの申し子」のようなライブを展開している森高を見ることができる。(客席の聴衆の姿はややこわいものがあるが...。)

時は1989年,まさにバブル最盛期であるが,このライブでの森高はまさに「見せる」ことを意識しているとしか思えないぐらいの露出振りである。とにかくスカートの丈が短く,最近の高校生も真っ青である。当時の森高は「17才」のリメイクでようやくブレイクしつつある頃だと思うが,通常のアイドルとは全く異なる乗り(曲も「ミーハー」だ,「見て」だと普通ではない)を示していた。その後,森高は随分とメジャーになっていくが,私にとってはやはりこのライブ映像における森高こそが彼女の真骨頂だったと今でも信じてやまない。とにかくこの森高は最高である。

しかし,コンサートの映像にもかかわらず露骨な口パクがあったり,タイトな演奏ができるバックバンドに無理な踊りをさせたりと非常に無理がある構成とも言えるのも事実なのだが,この映像に免じて全て許す(と力強く言ってしまおう)。

2 この映像は一時DVDで再発されたが,今や廃盤化し,その後は全くお目に掛かる機会はない。私は相も変わらずLDでこれを見るしかないわけだが,久しぶりに再見しても年齢の割りに化粧は濃いが,やっぱり森高は十分私にとっては魅力的であった。私のこれまでの生活への貢献度を考えれば星★★★★★以外はこのLDには相応しくない。DVDでの再発を希望しておく。ただし,DVD(→)もジャケはオリジナルで出した方がもっと売れるはずだ。

森高にはカーネーションと共演した「夜の煙突」という曲のナイスな脚線美爆発プロモ・ビデオもあるので,そちらもDVDで出して欲しいなぁ。

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2007年11月30日 (金)

斉藤由貴:ジャケットだけを愛し続けて20年以上

Photo 「土曜日のタマネギ/AXIA ~かなしいことり~」 斉藤由貴(Pony Canyon)

音楽がどうこう言う前にジャケットだけを愛でたいレコードがある。私にとってはこのマキシ・シングルの斉藤由貴のポートレートがそれということになる。この表情,何年経ってもよいものはよい。ここにはアップしていないが,バック・カバーの写真がこれまたよい。

私がこのレコードを買ったのは1986年だからもはや20年以上前となったが,私はこの写真が好きというだけでこのレコードを手放すことができないのである。私にとって,彼女のデビュー盤「卒業」とこれは決して売却することはないだろうと確信している一枚である。誰が何と言おうと,このころの斉藤由貴は可憐である。

音楽はさておき,ジャケットだけで星★★★★★。

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2007年11月19日 (月)

松田聖子のこのアルバムのレア度は今でも高いのかなぁ

Photo_3 「金色のリボン」 松田聖子(CBS Sony)

これも実家に帰って久々に聞いたシリーズと言ってもいいかもしれないが,このアルバムは結構微妙である。

このアルバムは単体ではCD化もされていない(10万円ボックスには入っていたらしいが...)ので,松田聖子にしてはレア度が結構高いアルバムなのは事実である。中でもそのレア度を高めているのは45RPMのクリスマス・ソング集にほかならないのだが,私はここに収められている「恋人がサンタクロース」が実は相当に好きである。原曲のユーミン版はいいのは当然,しかし,松田聖子の声で歌われるこの曲は20数年前の私には原曲よりもかなり強いインパクトを与えたのである。今聞いてもこれはよい。

しかし,33回転で収録されているその他の曲は,「野ばらのエチュード」新録版以外は別にここでしか聞けない音源ではないので,うーむ,やっぱり微妙である。このジャケットの写真を見ると特に髪型を含め,今なら苦笑は避けられないが,私の大学生時代の音楽生活の一部を松田聖子は間違いなく支えていた。ということで,昔の生活への貢献度も含めて星★★★☆。

レアと言えば,ベスト盤"Seiko Plaza"にオマケでついていた透明のドーナツ盤というのもあったなぁ。そう言えば,そこに収められていた"With You"って曲のファンも結構多いですな。

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2007年7月 4日 (水)

今更ながら「マイアミ午前5時」は佳曲である

Photo_13 「マイアミ午前5時」 松田聖子(CBSソニー)

隠れたファンが多い松田聖子の佳曲である。アルバム単位では"Pineapple"こそが彼女の最高作である(少なくとも私はそう思っている)ことは既にこのブログにも書いた。しかし,そのほかのアルバムにも,アルバムのみの収録曲として埋もれさせるには惜しい佳曲が松田聖子にはいくつかあり,この曲もその一つである。作曲の来生たかおとの相性の良さを感じさせるとともに,もろに大村雅朗を感じさせるアレンジメントが微笑ましい限りである。

この曲の初出は1983年の「ユートピア」だが,なぜこの曲がファンの心を捉えるかと言えば,曲のよさはもちろんなのだが,私にはこの曲に聞かれる「声のひっくり返り」ではないかと思える。具体的に言えば「マイアミの午前5時」という歌詞の「ごぜ(ーッ)ん」的発声である。この微妙さ,わかる人にはわかってもらえると思うが,これこそがアイドル,松田聖子の真骨頂である。

振り返ってみれば,アルバム"Pineapple"から"Candy","ユートピア"へと続く3作が私にとっては松田聖子のピークだったように思うが,これらのアルバム(あるいは収録曲)に心を寄せるファンが多いのはまさしくご同慶の至り,大いにうなずける話である。間違いなく1980年代前半という時代を切り取った音楽として星★★★★★。

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2007年5月 4日 (金)

何ともキャッチーなKinki Kidsの新曲

Kinki_kids "Brand New Song" Kinki Kids(Johnny's Entertainment)

何を隠そう私はSMAPのファンである(最近は彼らの音楽にあまり魅力を感じないので「だった」と言うべきかもしれないが...)。完全にプロデューサーが趣味で作ったとしか思えない豪華なバックの面々に支えられたSMAPの音楽は結構フュージョン・ファンにも支持されるものと思うが,SMAPのそうした時期を支えたCHOKKAKUが今回のKinki Kidsの新曲に関わっている。

曲はコマーシャル・ソングだけあって,相当キャッチーであり,ある意味確信犯的な作りと言える。街中でこの曲が聞こえてくると,つい「シュビドゥー・・・」と鼻歌一つ口ずさんでしまうのが何とも気恥ずかしいが,それほどキャッチーなのである。次の私のカラオケ・ソングはこれで決まったとも言える。

毎週つい見てしまう「新・堂本兄弟」などではかなり真摯に音楽に取り組んでいるところを見せる彼らであるが,本作では本当か嘘かはわからないものの,プロデュースは「Kinki Kids」となっている。もしそうした姿勢の延長線上でCDを作っているなら彼らも大したものである。まぁそれでもデビュー曲「硝子の少年」には及ばないかなということで星★★★★。

ちなみにここで紹介したCDは通常盤に含まれない1曲とこの曲のカラオケも収めたスペシャル・パッケージの初回盤であるが,通常盤にはこの初回盤に収録されていない曲を一曲入れるというかなり掟破りの商魂を見せている。やはりジャニーズ恐るべしであるが,ファンはそれでも買ってしまうのだろうなぁ。

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2007年3月12日 (月)

斉藤由貴:何とも可憐なる名曲「卒業」

Yuki 「卒業」 斉藤由貴 (ポニーキャニオン)

可憐という表現こそぴったりの斉藤由貴の1985年のデビュー曲である。作詞:松本隆,作曲:筒美京平という黄金コンビによる作品なので,悪いはずがないが,これがまた斉藤由貴のキャラクターとあまりにもはまった名曲なのには恐れ入ったと言うしかない。

歌詞を見ていると,何とも優れたフレーズ満載であり,松本隆という人の頭脳構造がどのようになっているのか理解できない(少なくとも♂の感性では書けそうにない感情を見事に描いている)が,それにしてもこの曲はよい。斉藤由貴の歌の下手さ加減はご愛嬌(YouTubeにアップされている昔日の映像を見れば更に明らか)であるが,それを差し引いたとしても,今でも心を締め付けらる見事な出来映えの曲と言えるだろう。私にとっては,このコンビでは「木綿のハンカチーフ」が最高の名曲であるが,それに次ぐ曲と言っては,多少過大評価か。

いずれにしても,斉藤由貴のジャケットのポートレートも加点して星★★★★☆。繰り返すが,可憐だ...。たまらん。

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2007年2月23日 (金)

中森明菜の最高の名曲はデビュー曲である

Photo ゛スローモーション゛ 中森明菜 (ワーナーパイオニア)

中森明菜がデビューを果たしたのは1982年。もはや四半世紀前のこととなってしまったことにまずショックを受ける。

明菜がブレイクするのは2枚目のシングル「少女A」においてであるが,そのパターンは山口百恵の「ひと夏の経験」のそれとかぶるものがある。それが明菜のプロモーション戦略であったことに今にして思い当たるわけだが,その後の明菜の活躍ぶりは衆知の事実であり,その戦略は見事に当たったと言える。

しかし,このデビュー曲こそ最高だと思っている私にとっては,「少女A」は極めて違和感の強いものであった。なぜこの名曲が売れず,駄曲とは言わないが,明らかに「スローモーション」よりレベルの低い「少女A」が売れたのかさっぱり理解できない。これが「イメージ」の訴求力の怖いところであるが,今聞いても,この「スローモーション」は音楽的に圧倒的に素晴らしい。ややイントロ等,アレンジには改善の余地があるように思うが,曲としての魅力は今でも不変であり,星★★★★☆。オジさんがカラオケで明菜を歌うならこの曲か「ソリチュード」である。

蛇足ながら,タイムスリップグリコにこの曲のCDが付いていたことがあるが,そのセレクションは慧眼と言ってよい。

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2007年2月10日 (土)

松田聖子の最高傑作

Seiko ゛Pineapple" 松田聖子(Sony)

Recorded in March/April 1982

現在の松田聖子には全く何の興味もない私だが,アイドル時代の松田聖子は間違いなく「時代のアイコン」であった。このアルバムは,その絶頂期と言ってよい1982年に松田聖子が放った日本歌謡界の歴史に残る奇跡的な傑作である。

このアルバムを傑作たらしめているのは,ここに収められた楽曲のクォリティにほかならない。名コンビ松本隆の作詞に,来生たかお,原田真二,財津和夫,呉田軽穂(松任谷由実)の作曲陣が提供した全10曲のいずれもが,凡百のアイドルのアルバムと一線を画す素晴らしい出来であり,冒頭の来生作曲の゛P.・R・E・S・E・N・T゛からすでに傑作を予感させるものとなっているし,全編を通じてだれることはない。

本来アイドル歌手は,シングル盤依存型アルバムと相場が決まっているわけだが,本アルバムは予算を確保し,アルバムとして丁寧に制作されている。これはまさに英断と言ってよいが,それほど当時の松田聖子への期待値が高かったということの裏返しと言うこともできるだろう。そもそも松田聖子のアルバムには,結構優れた曲が多いが,このアルバムは全編に渡ってのハイ・クォリティというのが凄い。

当時の松田聖子はデビュー当時の伸びやかな声質から,ややハスキーさを持ち合わせた声質への変化を遂げていた時期であるが,そうした変化ともうまくマッチした楽曲群が,このアルバムを今でも魅力的なものとしている。発売から25年を経たとは思えぬ傑作アルバムとして星★★★★★。学生時代,本アルバムを購入した当日に,あまりの出来のよさにこのLPを何度も聞き返したのが懐かしく思い出される。

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