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2016年おすすめ作

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カテゴリー「ポップス」の記事

2018年3月19日 (月)

Tracey Thornの新作は驚きのシンセ・ポップ。

"Record" Tracey Thorn(Unmade Road)

_20180318Tracey Thornの新作がリリースされた。オリジナルとしては"Love and Its Opposite"以来8年ぶりということだが,その間にホリデイ・アルバム"Tinsel And Lights"やEP"Songs from the Falling"もあったので,それほどの久しぶり感はない。しかし,ここで展開されている音楽には驚かされた。まさにこれこそTracey Thornの声でシンセ・ポップって感じなのである。

Tracey Thornの声は,加齢ゆえなのかもしれないが,これまで以上に低くなっているように感じる。その魅力は不変ではあるが,これまでの彼女,あるいはEverthing but the Girlでの音楽を知る人間にとっては,ここでの音楽については違和感をおぼえても仕方がないものかもしれない。だが,純粋に音楽として聴いてみると,これが非常に優れたアルバムなのである。

そもそもここでプロデュースをしているEwan Pearsonという人は,ダンス・ミュージック系の音楽で知られている人だそうである。よくよく見れば,Tracey Thornの2007年のアルバム,"Out of Woods"のプロデューサーでもあるが,それに関しては私は「打ち込みを基調とした最小限の伴奏に,Traceyのボーカルが乗る」と書いている(記事はこちら)から,その頃からこのアルバムへの道筋はあったのかもしれない。

演奏はシンセ・ポップのようではあるが,ここで強調したいのは曲のよさである。EBTGのように響く"Babies"のような曲もあれば,Corrine Bailey Raeを迎えた"Sister"はマイナー・キーのメロディ・ラインが印象的な曲もあり,非常にクォリティが高い。こういう感覚は私にとってはYazooに感じたものと同質である。これは驚いたとともに,今後のTracey Thornの活動にも更なる期待を寄せたくなる一枚である。甘いの承知で星★★★★★としてしまおう。それにしても"Record"ってタイトルは凄いねぇ(笑)。

Personnel: Tracey Thorn(vo, g, p, synth), Ewan Pearson(synth, prog), John Opstad(synth), Shura(g), Juno Ma(g, synth), Jenny Lee Lindberg(b), Stella Mozgawa(ds), Martin Ditcham(perc), Clare Wheeler(vln), Juno-60(vo), Corrine Bailey Rae(vo)

2018年2月 8日 (木)

久々に聞いたGöran Söllscherが弾くBeatles曲集

"Here, There and Everywhere: Göran Söllscher Plays the Beatles"(Deutsche Grammophon)

Sollscher私はGöran Söllscherが弾くバッハの曲集を昔から愛聴しているのだが,そのGöran Söllscher が突然Beatles曲集を出すというのを知った時には驚いたものである。だが,Beatlesの曲の普遍性は,クラシック・ギター1本で演奏しても十分に表現可能であることは,ここでも明らかになっている。

ここでは,Göran Söllscher本人が6曲編曲するほか,武満徹が4曲,竹内永和が1曲,そしてBörje Sandquistが6曲のアレンジを施しているが,どれも楽しめる。その一方で,贔屓目もあるかもしれないが,武満徹がBeatlesの音楽の魅力を最もストレートに伝えているように思える。逆に言えば,Börje Sandquistの"Yellow Submarine"のような曲は,面白いのは事実なのだが,やや策に溺れた感がないわけでもない。

だが,しっかりと鑑賞するもよし,BGMとして流すもよしという点では,これはいいアルバムだと思うし,BGMとして流れていたとしても,ついつい耳をそばだててしまうだろうなぁと思える作品である。星★★★★。

尚,Göran Söllscherは4曲で11弦ギターを弾いているが,武満が編曲の4曲を含めたほかの曲については通常の6弦ギターなので,老後の楽しみに,私のクラシック・ギターでも演奏に取り組んでみようかなぁとさえ思わせてくれる。まぁ,いつになるかはわからんが(苦笑)。

Recorded in November 1994

Personnel: Göran Söllscher(g)

2018年1月18日 (木)

Art Garfunkelの"Watermark"に関する逸話。

"Watermark" Art Garfunkel(Columbia)

Watermark私はArt Garfunkelが結構好きだが,アルバム単位で言うと"Angel Claire"と"Scissors Cut"が好き過ぎて,ほかのアルバムはそれほどプレイバックする機会は少ないというのが実態。むしろほかのアルバムを聞くよりも,ベスト盤を聞いている方が多いかもしれない。

このアルバムに関しては基本的にArtieと相性のよいJimmy Webbの曲がほとんどを占めるということで,大いに期待できるものだったはずだが,曲のクォリティが思ったほど高くないのが意外というか,ちょいと痛い。まぁ,このアルバムにおいて,ひと際目立っているのはPaul SimonとJames Taylorと共演した"(What a) Wonderful World"ってことになるだろうが,Jimmy Webbの曲ではないので,ほかの曲と明らかにテイストが違う。また,この曲がオリジナル・プレスには入っていなかったというから驚きである。

そのオリジナル・プレスに入っていた曲が"Fingerpaint"という曲だが,これがYouTubeで聞いてみると地味。しかもオリジナルLPのB面の曲順は現在の並びと全然違っている。ということで,確かにセールス的には"(What a) Wonderful World"があるかないかで全然違うだろうなぁとは思わせる。こういうのはこのアルバムだけではなくて,"Scissors Cut"でも行われたが,"Scissors Cut"の曲変更は私は明らかに失敗で,オリジナルこそが"Scissors Cut"のあるべき姿と思っている。それに比べれば,まぁこっちはまだ許せると思うのは差し替えられた"Fingerpaint"が決定的な名曲,名演ではないということがある。まぁ,それでも貴重な音源であることは間違いなく,これが収録されているオリジナル盤はそう簡単には見つからないだろうから,ここにもYouTubeから音源を貼り付けておこう。

もう一つ,このアルバムには重要なポイントがある。このアルバムで私が一番いいと思っているのは"Mr. Shuck'n Jive"であるが,ここにPaul Desmondのアルト・サックスが入っていることは,長年のPaul Desmondファンの私としては見逃してはならない事実なのだ。なぜならば,これがPaul Desmondのラスト・レコーディングだからだが,まさに誰がどう聞いてもPaul Desmondと言うべきアルトが聞ける。しかもこういう泣ける曲での出番というのが素晴らしい。

アルバムとしては星★★★☆ぐらいでいいと思うが,いろいろな逸話が出てくるアルバムということになるなぁ。

Personnelは参加ミュージシャン多数なので省略するが,Jimmy Webbが全面的にキーボードを弾いていたり,ゲスト・ミュージシャンも多彩である。

2018年1月 3日 (水)

EBTGでくつろぐ。

"Worldwide" Everything but the Girl (Atlantic)

_20171230_2新年はくつろげる音楽を聞いて過ごしたいということで,今日選んだのはEverything but the Girlである。この"Worldwide"というアルバム,彼らのキャリアの中ではあまり目立たない一枚と言ってもよいかもしれないが,しみじみと聞かせるという点では,結構いいアルバムである。

比較的シンプルで抑制された伴奏の中で,Tracey ThornとBen Wattによって歌われる歌は,心に落ち着きをもたらしてくれるものである。中では"Twin Cities"のポップ度が群を抜いていていて,アルバムの中では若干浮いているような気もするが,これが実にいい曲なので許す(きっぱり)。

私はこの後に出た"Acoustic"というアルバムがかなり好き(記事はこちら)なので,それに比べるとプレイバック回数は少ないのだが,久しぶりに聞いてこの落ち着きに満ちた音楽はまさに「大人の音楽」だと思わせるに十分であった。それにしても本当にいい曲を書く人たちであるが,それを彼らの「声」で聞けることに,改めて幸福感をおぼえてしまった。

このアルバムが出て,もはや四半世紀を過ぎているが,その瑞々しさは不変であった。星★★★★。

Personnel: Tracey Thorn(vo), Ben Watt(vo, g, p, key, synth, prog), Greg Lester(g), Damon "The Doctor" Butcher(p), Peter Murray(org), Geoff Gescoyne(b), Steve Pearce(b), Ralph Salmins(ds, perc), Vinnie Colaiuta(ds), Martin Ditcham(perc), Dick Oatts(as, ss), Peter Whyman(ts), James McMillan(tp, fl-h)

2017年12月29日 (金)

2017年の回顧:音楽編(その1)-ジャズ以外

今年も大詰めが近づき,いよいよ今年の回顧も音楽に突入である。まずはジャズ以外の音楽について取り上げよう。私が高く評価したアルバム(★★★★☆以上)については,2017年のおすすめ作としてブログの右側に掲示しているので,大体予想がついてしまうという話もあるが,まぁそれはさておきである。

Vkingur_lafsson私が今年ジャズ以外の音楽で聴いて,最も感銘を受けたのはVíkingur ÓlafssonのPhilip Glassのピアノ作品集であることは疑いのない事実である。この清冽な響きには正直ノックアウトされてしまった。私は今年は現代音楽のピアノを結構聞いたと思うが,ほとんどはECMレーベルの作品であり,それはピアノの響きと演奏が一体化していて心地よいということがあるのだが,このVíkingur ÓlafssonはDeutsche Gramophoneからの作品であり,ECMでないということが重要なのだ。これはまじで最も感動した作品の一枚であった。

Graceそしてそれと双璧なのがLizz Wrightの"Grace"である。本作はジャズのカテゴリーに入れてもいいと思ったが,本質的にこれはルーツ・ミュージック,あるいはソウルの世界である。よって,ここに取り上げることにするが,記事を書いた時の「Cassandra Wilsonを越えた」という表現に私には揺らぎはない。Lizz Wrightはこれまでも優れた作品をリリースしてきたが,これこそこれまでの彼女にとっての最高傑作と言ってもよい出来である。傑作という表現以外思いつかないぐらいの超絶作品。素晴らしい。

Moonchild心地よさという点ではMoonchildの"Voyager"が最高であった。メロウ・グルーブっていうのはこういうのを言うのだと思わせるに十分なアルバム。音楽に何を求めるかっていうのはいろいろあるところではあるが,心地よさ,身体が揺れるという感覚を感じさせてくれるに十分なアルバムであった。彼らのライブを見逃したのは痛かったが,こうした演奏に触れる機会を与えて頂いたブログのお知り合い,kenさんには大いに感謝したい。本当に気持ちいいアルバムである。

Southern_blood_2こうした作品に加えて,今年涙なくして聞けなかった作品というのが一枚ある。それがGregg Allmanの遺作,"Southern Blood"である。作品としての質がどうこうということではなく,私は本作に純粋に感動してしまったのである。加齢により涙もろくなっているということも影響しているが,本作は死期を悟ったミュージシャンのまさに"Swan Song"である。ある程度年齢を重ねたリスナーにとっては,これはツボに入ってしまうこと確実な音楽と言える。私は決してAllman Brothers Bandに思い入れのある人間ではないにもかかわらずの感動なのだ。これは本物だと思っている私である。

そのほかにもいろいろ面白いアルバムはあったが,いずれにしても,先日発表された「ミュージック・マガジン」のベスト10とは見事なほどに全く無縁のセレクションになってしまったなぁ。まぁ,自分の嗜好で音楽を聞いているので,違うのは当たり前だが。いずれにしても,来年も自分の好みに忠実に過ごしていければと思っている。プロじゃないからね(笑)。だが,上に挙げた4枚はどれを聞いてもはずれはないと言っておこう。

ここに挙げていないアルバムにもいいものはあった。Joe Henry,Tangerine Dream,Rose Cousins等は無視するには惜しかったのだが,自分の中での感覚を重視したらこういうチョイスになったということである。おっと,忘れてはいけないが,今年入手して嬉しかったものはGeorge Harrisonの"All Things Must Pass"のアナログ再発盤とKraftwerkの3-D Box。我ながらオタクである(爆)。

2017年6月11日 (日)

もはや裏Fleetwood Macの趣:"Lindsey Buckhingham Christine McVie"

"Lindsey Buchngham Christine McVie" (East West/Warner)

Buckingham_mcvie私はなんだかんだ言ってFleetwood Macのアルバムを結構保有しているし,Beb Welchのいた時代から,彼らの持つポップさが好きなのだが,その中でも特に好きなのがChristine McVieなのだ。特に彼女のソロ・アルバム(邦題「恋のハートビート」だったか...)なんて本当に好きである(記事はこちら)。

そんなFleetwood MacからChristine McVieからはかなりの期間離れていたが,現在は復帰しているが,そこでLindsey Buckhinghamと彼女がデュオ・アルバムを出すとは想像していなった。Buckinghamが組むなら,当然Stevie Nicksだと思うのが人情だが,Christine McVieの方が圧倒的に好きな私には嬉しい驚きであった。

そしてデリバリーされたアルバムのクレジットを見ると,バックはJohn McVieとMick Fleetwoodではないか。それにMitchell Froomがキーボードで加わるという布陣は,ほとんど裏Fleetwood Macである。更に音を聞いてみると,どうしてもバッキング・ヴォーカルがStevie Nicksに聞こえてしまうから不思議である。私としてはクレジットされていないだけで,彼女が参加しているようにさえ思えてならない。Buckinghamにはベース,ドラムスのクレジットもあるから,Macのリズム隊は一部参加と考えてもよいが,それでもこれはファンにとっては,ほとんどFleetwood Macのアルバムとして聞いても問題はなさそうに聞こえる。

まぁ,それはさておきである。彼ららしいポップさを持ったアルバムは予想通りであるが,随分とLindsey Buckinghamの声がハスキーになった感じがして,時の流れを感じてしまう。Christineは古希を過ぎ,Buckinghamも今年で68歳なのだから,声の衰えは当然あって然るべきであるが,Chrisitineの声が以前と大して変わらないように思えるのは驚異的である。昔からChristineの声は渋い声だったということもあろうが,まだまだ若々しさを感じさせるのは立派だと思う。

曲は彼らしい曲だとは思えるが,今一歩のキャッチーさが不足しているような気がするのはやや残念だとしても,長年のChristine McVieのファンとしては,彼女が歌ってくれるだけでもうれしいのである。"Game of Pretend"なんてそのイントロを聞いただけで"Songbird"を思い出してしまうしねぇ。まぁそれでも評価としては星★★★★てところだろうなぁ。

Personnel: Lindsey Buckingham(g, key, b, ds, perc, vo), Christine McVie(key, vo), Mick Fleetwood(ds, perc), John McVie(b), Mitchell Froom(key)

2017年4月13日 (木)

Tommy LiPumaを偲んで,Michael Franksを聞く

Tommy_lipuma

"Sleeping Gypsy" Michael Franks(Warner Brothers)

_20170409_4先日,名プロデューサーとして知られるTommy LiPumaが亡くなった。LiPumaと言えば,George Bensonの"Breezin'"やBob JamesとDavid Sanbornの"Double Vision"など,幾多のアルバムをプロデュースしたが,私にとってLiPumaと一番結びつくのはMichael Franksのアルバムではないかと思う。前作"Art of Tea"に続いてプロデュースしたこのアルバムは,Michael Franksにとっても,"Signature Songs"の集まりのようで,代表作の1枚となっていることは間違いのない事実だろう。

Tommy LiPumaには本作でもそうだが,都会的なイメージが強い。本来フォーク的な響きを持っていたEverything But the Girlをシティ・ポップ的に変貌させた"The Language of Life"もTommy LiPumaのプロデュースだったことを考えれば猶更である。都会的なサウンドに,適切なブラジル的なフレイヴァーを加えた本作も,まさにTommy LiPumaあっての作品だと言ってよいように思う。そして,誰が聞いても魅力的なMichael BreckerとDavid Sanbornのサックス・ソロ。これぞセンスのよさ炸裂である。

一方,Dave Masonの"Alone Together"なんかもプロデュースをしているところからして,非常に間口の広い人だったとも言えるが,やはり信頼に値する名プロデューサーだったことは間違いない。

Tommy LiPumaは亡くなったが,彼が残したアルバムは不滅の魅力を放つものであることは言うまでもない。R.I.P.

Tommy LiPumaのことばかり書いて,アルバムについてほとんど触れていないが,今聞いてもやっぱりこれはいいわ。何度でもリピートできるのが,本作の魅力の証左。LiPumaへのリスペクトも込めて星★★★★★。

Personnel: Michael Franks(vo), Michael Brecker(ts), David Sanborn(as), Joe Sample(p,el-p), Joao Donato(p), Larry Carlton(g), Helio Delmiro(g), Wilton Felder(b), John Guerin(ds), Joao Palma(ds), Ray Armando(perc)

2017年4月 6日 (木)

Level 42@Billboard Live東京。彼らはまじでライブ・バンドであった。

Level_42blt_3

私はこれまでLevel 42の音楽を聞いたことがなかったのだが,今回お誘いを受けて,Billboard Live東京のライブに行ってきた。

私はBillboard Live東京というヴェニューではほとんど例外なくカジュアル・シートに座っているが,今回もカジュアル・シートである。まぁ,天井桟敷のようなものだが,音楽だけ楽しむのであれば,この席で十分だし,ワンドリンクもついているので,割安感があるのだ。ついでに言えば,写真も上のように撮り放題みたいなもんだしねぇ。

今回,ライブに行く予習として,彼らのベスト盤をApple Musicで聞いていたのだが,私は彼らはフュージョン・バンドだと思っていたのに対し,聞こえてきたのは,ほとんどヴォーカル入りのポップ・フレイヴァーの強い演奏であった。しかも,決して歌は上手いとは言えない。こんな調子ではライブは一体どうなるのだろうと思って,現地に赴いたのだが,ライブにおける彼らの演奏は,ファンク度が高く,演奏の間,身体を揺らし続けていた私である(笑)。

今回の演奏は,間違いなくApple Musicで聞いた演奏よりも楽しめたし,聴衆を乗せる術を心得たバンドだと思えた。とにもかくにもMark Kingのスラッピングが心地よい。更にそれを支えるドラムスのPete Bigginがタイトなリズムがまたまた興奮度を高めるものだったと思う。彼らはライブでこそ光るバンドだと確信していた私である。

ライブを見ていて,エンタテインメントだなぁと思っていたが,ここまでグルーブさせてくれば,十分元は取ったと思った私である。ついでに言っておけば,踊り狂う聴衆の姿を見て笑っていたのも事実なのだが,彼らが踊りたくなるのもわかるような気がしていた。

いずれにしても,あまりにMark Kingのスラッピングがカッコよかったので,私もエレクトリック・ベースを弾きたくなってしまったではないか。買おうかな(爆)。

Live at Billboard Live東京 on April 5, 2ndセット

Personnel: Mark King(vo, b), Mike Lindup(key, vo), Nathan King(g, vo), Pete Biggin(ds), Sean Freeman(sax, vo), Daniel Carpenter(tp, vo), Nichol Thomson(tb, vo)

2016年12月29日 (木)

2016年の回顧:音楽編(ジャズ以外)

今年の回顧の3回目。今回はジャズ以外の音楽である。このブログにも何度も書いている通り,Apple Musicのようなストリーミング・サービスを利用することによって,CDを買うこと自体が減っているのは事実である。よほどひいきにしているミュージシャンは別にして,基本的には,Apple Musicで試聴してから購入するということにしているので,失敗の数は減っている。その結果として,新譜として紹介したものの中でも,推薦に値する★★★★☆以上の作品の比率が非常に高くなってしまっている。逆に言えば,Apple Musicで試聴して,全然魅力を感じなかったものについては,このブログにもアップしていない。今年,新譜としてこのブログにアップしたものは80枚程度ではないかと思うが,結局それでも100枚以上は購入していることにはなるはずなので,普通の人に比べれば,まだまだ買っている方だということにはなろうが,以前に比べれば,かなり減ったという感覚が強い私である。

Blackstarそんな中で,今年の音楽を回顧する場合,多くの有能なミュージシャンがこの世を去ったということが私の意識には強く残存している。その代表が新作"★"のリリース直後(2日後)に亡くなったDavid Bowieである。そのタイミングにあまりに驚かされ,そしてショックを受けたことは1年近く経った今でも変わらない。ある意味ではカッコよ過ぎるが,遺作となった"★"も枯れたところを全く感じさせなかっただけに,その死への驚きが増してしまうのである。Bowieの死のインパクトが強過ぎて,Glenn FreyやPrinceも亡くなったという重大な事実がかすんでしまうところに,David BowieのDavid Bowieたる所以がある。

Leonard_cohen同じように,新作をリリースして間もなく亡くなったLeonard Cohenも同様である。彼の音楽は決して取っつきやすいものではないと思うが,彼が亡くなったというニュースに接して,彼の新作のタイトル・トラック,"You Want It Darker"をネットで試聴して,そこに宗教的なものを感じてしまった私が,そのアルバムを購入し,更に強烈な印象を受けたことは事実である。死期を悟った人間が作った2枚のアルバムが今年を代表するものというのもいかがなものかと思わせるが,それでもこの2枚に関しては,私はどうしても優劣はつけられないのである。"★"については,前作"The Next Day"の方が上だと書いた私でも,Bowieの死と結びついた段階で,評価を越えてしまった。ということで,今年を代表する2枚は"★"と"You Want It Darker"ということにせざるをえない。

Believersこれらの2枚の前で,ほかのアルバムがどうしても分が悪いものとなってしまうのは仕方がないが,私の印象に残っているものとして,瑞々しさという意味でDeacon Blueの新作,"Believers"を挙げたい。どうしてこんないいアルバムがほとんど話題にならないのか,私にとっては不思議で仕方がないが,Ricky Rossのポップ職人としての技は,もはや匠の領域としか言いようがない。ここのところ,彼らの新作("The Hipsters","A New House",そして本作)が出るたびに,私はその年のベスト盤に選んでいるが,私の琴線をとことんくすぐってくれるバンドである。より多くの人に聞かれるべき音楽として,改めて強く推薦したい。

Fever_dreamそして今年,Deacon Blueと並ぶ瑞々しさを感じさせたのがBen Wattの新譜"Fever Dream"である。ライブの回顧でも取り上げたBen Wattであるが,一時期のDJ三昧の生活から,ミュージシャンとしての生活に軸足を移してくれたことは本当に歓迎すべきことである。前作"Hendra"も2014年のベスト盤に選んでいるし,その年にはDeacon Blueの"A New House"も選んでいて,いつもお前のチョイスは変わらないではないかと言われるかもしれないが,いいものはいいのである(きっぱり)。私としては"Hendra"よりも"Fever Dream"の方が更にいい作品だと思っている。ライブとの合わせ技もあり,今年もBen Wattを選出である。

Otis_reddingソウルやクラシック,そしてブラジル音楽は今年はあまり縁がなかった年であった。クラシックでは年末にAndras Schiffのベートーベンのピアノ・ソナタ・ボックスもリリースされているが,あれは純粋新譜ではないので,ここには選びづらい。現代音楽では今年の新譜ではないが,Kate Mooreの"Dances and Canons"を演じた Saskia Lankhoornのアルバムが印象に残った。そして,ソウルは新作はあまり聞いていない中で,Corrine Bailey Raeの久々の新作もよかったのだが,それを上回るインパクトを持っていたのはOtis Reddingの"Live at the Whisky a Go Go: The Complete Recordings"の6枚組である。Corrineには申し訳ないが,Otisと比べられてはこっちを取らざるをえない。ブラジル音楽ではRoberta Saぐらいしか購入していないが,彼女の"Delírio"は実にいいアルバムだったと言っておきたい。

そのほかにもRachael Yamagataの新作もよかったし,King Crimsonのライブ2作品は,彼らが現役バリバリであることを実証したものであった。そのほかにも印象に残るものは多々あるが,私としては順当なチョイスってところだろうな。

2016年12月21日 (水)

せわしない年の瀬を和ませるRumerのBacharach~David曲集。悪いはずなし。

"This Girl's in Love: a Bacharach & David Songbook" Rumer (eastwest))

RumerRumerがデビューしたときにBurt Bacharachを魅了したという話がある。よって,RumerがBacharachの曲を歌うというのはある意味必然なわけだが,これがあまりにはまり過ぎていて,びっくりするやら,嬉しくなるやらの私である。彼女の前作"Into Colour"は購入していない私でも,これにはすぐに飛びついてしまった。私はBurt Bacharachの音楽も大好きなのである。

彼女の声そのものが素晴らしいが,このアルバムを聞いていて,Bacharachは彼女にKaren Carpenterに通ずるものを感じていたのではないかと思えてしまう。この素直さというか,ストレートな歌唱ぶりは聞けば聞くほど,私にはKarenを想起させるものである。

全編,スロー,ミディアム,もしくはミディアム・スローぐらいのテンポで演奏されるので,刺激的なところは全くない。だが,これは当然のことながら刺激を求めるための音楽ではない。くつろぎながら素晴らしい音楽に耳を傾けるためのアルバムなのである。

世の中は師走で,何ともせわしない雰囲気が漂っている中,こうした音楽に接すると,本当に心が和む。本当にいいタイミングで素晴らしいアルバムをリリースしてくれたと言いたい。Carpentersのアルバム同様,英語の勉強にも最適と思えるほど美しいディクションである。私は彼女のカバー・アルバム"Boys Don't Cry"について,Art Garfunkelと同様の歌い手としての資質を感じたが,そこにも書いてあるように,やっぱりKaren Carpenterとの同質性は指摘されていたんだなぁと思う(記事はこちら)。

いい歌手がいい曲を歌えば,いいアルバムができることを実証するお手本のような作品。ちょっと甘いが星★★★★★としてしまおう。プロデューサー,アレンジャーはRumerのパートナーであるRob Shirakbariであるが,彼はBurt Bacharachの音楽監督も務めていた人なので,アレンジが的確なのも当たり前ってところであるが,まじでこれはいいわ。御大も1曲で客演。年末,年始のBGMとしてプレイバックし続けてもいいぐらいの作品。

Personnel: Rumer(vo), Rob Shirakbari(p, el-p, b, g, vib, perc, vo), Burt Bacharach(p, vo), Jay Bellrose(ds, perc), Larry Ciancia(ds, perc), Ash Soan(ds), Shawn Pelton(ds), Ian Thomas(ds), Renato Brasa(perc), Grecco Buratto(g), Dean Parks(g), Troy Dexter(g), Matt Backer(g), Josh Lopez(g), Greg Leisz(g, pedal-steel), Diego Rodriguez(b), Kevin Afflack(g, ukulele), Scrote(ukulele), Julie Wolf(accor), Tollak Alstead(hca), Stephanie Bennett(harp), Tom Boyd(oboe), Arturo Solar(tp, fl-h), Susan Harriott(vo) with horns and strings

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