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カテゴリー「ポップス」の記事

2019年12月 6日 (金)

超懐かしい!Quincy Jonesの「愛のコリーダ」。

_20191204-2"The Dude" Quincy Jones(A&M)

実に懐かしい。冒頭の「愛のコリーダ」という曲名だけで日本では売れてしまったような気もするが,このアルバム,実にいい曲が揃っている。中でも私としては"Just Once","Razzamatazz",そして"Velas"の3曲が飛び抜けて好きである。

James Ingramが歌う"Just Once"はBarry MannとSynthia Weillの名コンビが書いた本当の名曲である。私は大胆にもカラオケでこれを歌うことがあるが,そう簡単にはいかない(当たり前だ!)。曲よし,歌よし,演奏よしの三拍子とはこれのことだ。"Razzamatazz"はPatti Austinがすばらしいノリで歌い,身体が勝手に動いてしまうこと必定。そして"Velas"である。Ivan Linsのこの曲をToots Thielemansのギター,口笛,ハーモニカでまるで歌うかのように演じている。このアルバムにおける唯一のインスト曲であるが,ここには歌はいらんと思わせるに十分。イントロからメイン・メロの流れはいつ聞いても感動してしまう。

と,ちょっと熱くなってしまったが,それ以外の曲も捨て曲はないと言ってもよい。もう1曲と言われれば"One Hundred Ways"を挙げるが,これに限らず,ナイスな曲揃いである。ただ,「愛のコリーダ」というアルバムの邦題がこのアルバムから私を若いころは遠ざけていたが,もっと早く聞いていれば,もっといい大人になっていたかもなぁ(爆)。結局,Quincy Jonesのアルバムにはやられてしまうということで,星★★★★☆。

それにしても,物凄いメンツが揃っている。パーソネルを眺めているだけで目がくらくらしてくる。あぁ,それって老眼のせい?ほっといてくれ!(爆)

Personnel:Quincy Jones(prod, arr, vo), Charles May(vo), James Ingram(vo), Patti Austin(vo), Jean "Toots" Thielemans(g, hca, whistle), Steve Lukather(g), Louis Johnson(b, clap), Abraham Laboriel(b), John Robinson(ds, clap), Paulinho DaCosta(perc), Herbie Hancock(el-p), Stevie Wonder(synth), David Foster(p, el-p), David 'Hawk' Wolinski(clavinet, synth, prog), Ian Underwood(synth, prog), Greg Phillinganes(synth, el-p, clap), Robbie Buchanan(synth), Lenny Castro(clap), Tom Bahler(vo), Jim Gilstrap(vo), Michael Jackson(vo), Syretta Wright(vo), LaLomie Washburn(vo), Yvonne Lewis(vo), Casey Cysick(vo), Jerry Hey(tp), Chuck Findley(tp), Bill Reichenbach(tb), Kim Hutchcroft(sax, fl), Ernie Watts(sax, fl), Larry Williams(sax, fl)

2019年11月28日 (木)

これを聞くのはいつ以来か?まさに短編小説集のような「時のないホテル」

_20191124-2_20191126153601「時のないホテル」松任谷由実(EMI)

ごくまれにこのブログに登場するYumingネタである(笑)。

主題の通りなのだが,私はこのアルバムをフルで聞いたのがいつ以来か全く記憶がない。Yumingのアルバムの中では比較的地味な位置づけにあると言ってもよいこのアルバムを久しぶりに聞いて,恐るべきストーリーが展開されていたことを改めて感じてしまった私である。まさにこれこそ音楽で描く短編小説と言えばよいだろうか。曲ごとに様々なストーリーが設定されていて,そこにミディアム・テンポの曲が被さるこのアルバムは,今にして思えば実によく出来ている。

確かにキャッチーな曲はないかもしれないが,そこかしこに聞かれるまさにユーミン節のようなメロディ・ラインを聞いていて,新たな感銘に浸っていた私である。ここに感じられるそこはかとない,あるいは明確な暗さは,人によっては抵抗があるかもしれないが,私のような元来ネクラの人間にとっては彼女の音楽世界に没入するには丁度いいぐらいだ。私としては長きに渡って聞かれるべき作品として改めて評価したい。星★★★★☆。私の保有するCDにはパーソネルが記載されていないので,情報はWikipediaから拝借。

Personnel: 松任谷由実(vo),松任谷正隆(key), 林立夫, 青山純, 渡嘉敷祐一(ds), 斎藤ノブ(perc), 高水健司, 後藤次利(b), 松原正樹, 鈴木茂, 今剛, 安田裕美(g), 吉川忠英(g, mandolin), Jake H. Conception, 斉藤清, 砂原俊三(sax), 衛藤幸雄(fl), 山田栄, 沖田晏宏(fr-h), 日色純一(vln), 杉真理, Lilica, Leona, Clara(vo), 松武秀樹(prog)

2019年9月30日 (月)

歌うBensonか,歌わぬBensonか...。

_20190927-2 "Tenderly" George Benson (Warner Brothers)

"Breezin'"がヒットしてから,George Bensonのヴォーカルの傾斜は更に強まったって感じだろうが,彼が歌った方がいいか,ギタリストに徹した方がいいかってのは議論があるところだと思う。このアルバムを久しぶりに聞いても,冒頭の"You Don't Know What Love Is"とか3曲目の"Stardust"を聞いていて,私は「う~む」となってしまったのだが,甘~く歌うのはいいとしても,これじゃさすがにイージー・リスニングではないかと突っ込みを入れたくなる。その間に挟まれて,軽くバウンスする”Stella by Starlight"の方がはるかにいいと思うのはきっと私だけではないだろう。

基本的に全編を通じての甘々な感じをどう捉えるかによって,このアルバムへの評価は極端に変わるはずだが,George Bensonのヴォーカルにある意味での軽薄な響きすら感じる私のようなリスナーにとっては評価できないアルバム。まぁ,"Here, There and Everywhere"のような曲はまだ許せるとしても,こういうアルバムにMcCoy Tynerを客演に迎えるまでもないのである。ギターももう少し弾いてくれればよかったのだが。星★★。結局のところ,私は歌わないGeorge Benson派ってことで。

Personnel: George Benson(vo, g), McCoy Tyner(p), Ron Carter(b), Herlin Riley(ds), Louis Hayes(ds), Al Foster(ds), Lenny Castro(perc)

2019年8月13日 (火)

The Bird and the Bee,4年ぶりの新作は何とVan Halenトリビュート。

_20190811-2 "Interpreting the Masters Vol.2: A Tribute to Van Halen" The Bird and the Bee (No Expectations/Release Me)

ポップな感覚で素晴らしい音源を出し続けるThe Bird and the Beeであるが,メンバーのGreg Kurstinのプロデューサー業が忙しいせいなのか,どうなのかよくわからないが,彼ら自身のアルバムは結構リリースのインターバルが長く,本作も前作の"Recreational Love"以来,約4年ぶりとなる。もともとストリーミングとLPでのリリースであり,CDでリリースされるのは日本だけらしい。

そして,驚いたのが今回の新作がVan Halenへのトリビュートだったことである。Vol.1がHall & Oatesトリビュートだったっていうのは心地よいポップを提供するThe Bird and the Beeとしては鉄板の選択だろうが,彼らがなんでVan Halenなのかとも思ってしまう。しかもVan HalenはVan Halenでも,あくまでもDavid Lee Roth入りのVan Halenというのがポイントだろう。確かにDavid Lee Roth在籍時のVan Halenはハード・ロックのフレイヴァーの中に,実にポップな曲調も聞かせていたのは事実だろう。"Jump"なんてその最たる事例だろうが,そういうところにThe Bird and the Beeの2人が強いシンパシーを感じたとしても不思議ではない。

ここでは彼らしいポップな感覚を失うことなく,オリジナルに結構忠実に対応しているのが面白い。逆に当時のVan Halenの音楽のポップな感覚と,現在のThe Bird and the Beeのよりコンテンポラリーなポップ感覚がシンクロしたというところだろうか。実に楽しい。これぞ正しいロックとポップの融合って気がした。このアルバムを聞いて,改めてVan Halenのアルバムを聞きたくなるという効能は間違いなくあるだろう。星★★★★☆。いやぁ,楽しいですわ。

Personnel: The Bird and the Bee【Inara George(vo), Greg Kurstin(p, key, b, ds)】, Beck Hansen(vo), Gabe Noel(b), Justin Meldel-Johnson(b), Omar Hakim(ds), Joey Waronker(ds), David Ralicke(bs, bass-sax, tb), Alex Lilly(vo), Samantha Sidley(vo), Wendy Wang(vo)

2019年7月 3日 (水)

結局買っちゃったLinda Ronstadtの発掘ライブ。

Live-in-hollywood "Live in Hollywood" Linda Ronstadt(Rhino)

以前,このアルバムをストリーミングで聞いて,非常によい出来だと思ったし,記事には「これなら買ってもいいかなぁと思いつつ,ストリーミングで聞けるのであればそれでもいいかって思うようになってしまった私も変わったものだと思うが,これはそれこそ買ってもよいと思わせるに十分なナイスなアルバム」とまで書いている(その時の記事はこちら)。だったらさっさと買えばいいものを,今頃になってやっぱり買ってしまった。

確かにストリーミングでいろいろな音源を聞けるのはいいのだが,基本的に通勤途上でヘッドフォンで聞く音楽と,しょぼい送致ながら,家のオーディオで聞く音は違うと思ってきたのも事実であるから,やはり保有に値する音楽は購入すべきだと思うようになった。ということで,改めて聞いているのだが,やっぱりこれいいわ。

まさにLinda Ronstadt黄金時代。素晴らしい。YouTubeにその時の映像がRhinoからアップされているので貼り付けておこう。曲は”You're No Good"。

2019年4月22日 (月)

石黒ケイかぁ~。よくもまぁこんなものを持ってたねぇ。

Photo_15 「アドリブ」石黒ケイ(Victor)

主題の通りである。なんでこんなLPを持っているのかと思ってしまった。このアルバム,ポイントはArt Pepperが2曲で唄伴をやっていることにつきるのだが,私が買ったのも多分それだけが理由。しかし,Art Pepperをはじめとして,Toots Thielmansや日本ジャズ界の立派な面々がバックを固めているのだが,いかんせん私には石黒ケイの歌が普通の歌謡曲,あるいはムード演歌にしか聞こえないということで,ちっともポイントが上がらないアルバムである。

それは私が昭和歌謡の世界を嫌いだと言っているのではない。私がカラオケで歌うのはもっぱら筒美京平の書いた昭和歌謡である。このアルバムは伴奏こそジャズ界の面々が対応しているが,それと石黒ケイの歌唱そのもの,そして歌われる曲が「アンマッチ」なのである。そして,石黒ケイの声は私にはまったく魅力的に響かないので,伴奏にしか耳がいかないという珍しいアルバムなのだ。

日頃からほとんど手に届かないような場所に置いてあるこのLPを久々に再生してみても,この感覚は変わりようがない。正直言ってもはや保有していてもしょうがないかなっていう位置づけになってしまった感を強くした。なんだかねぇ。伴奏だけの評価に留まり,星★★。しかし,今更このLPを売っても,大した値段もつきそうになく,手許に残すしかないって感じだな(苦笑)。

Personnel: 石黒ケイ(vo),Art Pepper(as), 鈴木宏昌(key),岡沢章(b),村上秀一(ds),松木恒秀(g),Toots Thielmans(hca), 渋谷毅(key),小杉敏(b),渡辺文男(ds),前田憲夫(p),荒川康夫(b),猪俣猛(ds),北村英二(cl),熊坂明(p),小西徹(g),須永ひろし(ds),池沢ゆきお(b),杉本喜代志(g),高水健司(b),大徳俊之(key),Donald Baily(ds), 沢田治行(tp)

2019年2月26日 (火)

ストリーミングで聞いたLinda Ronstadtの発掘ライブが何とも楽しかった。

"Live in Hollywood" Linda Ronstadt(Rhino)

Linda_ronstadt私はこれをストリーミングで聞いたのだが,まさにLinda Ronstadt黄金時代と呼ぶべき歌唱が収められていて,往年のファンだけでなく,アメリカ音楽好きには相当訴求してくる音源であった。

そもそもこの音源はブートとしても出回っていたはずだが,そのマスター・テープが見つかったとのことで,めでたく今回の公式リリースとなった。そのテープが見つかったのがホッケーの練習場での会話が契機という本当か嘘かわからないような話だってのが凄い。まぁ,プロデューサーであるJohn Boylanが言ってるんだから本当なんだろう。そもそも米国のケーブルTV局,HBO向けのスペシャル番組として収録されたものだが,こういう楽歴におけるピーク期の音源が見つかるだけでも喜ぶべきだろうが,そもそももうちょっとちゃんと管理しておけよと言いたくもなる。

ここでのLinda Ronstadtの声は実に若々しく,彼女を支えるバック・バンドのメンツも,当時のアメリカン・ロックのアルバムには相当の頻度で登場するミュージシャンばかりなので,悪くなるはずはない。そして,歌われる数々のLindaのヒット曲を聞けば,当時を懐かしむ気分になるのも当然である。だって,選曲はLindaの「オール・タイム・ベスト」の趣なのだ。"Blue Bayou"ではスペイン語の歌も聞かせちゃうしねぇ。

これなら買ってもいいかなぁと思いつつ,ストリーミングで聞けるのであればそれでもいいかって思うようになってしまった私も変わったものだと思うが,これはそれこそ買ってもよいと思わせるに十分なナイスなアルバムである。星★★★★★。

Recorded Live at Television Center Studio on April 24, 1980

Personnel: Linda Ronstadt(vo), Kenny Edwards(g,banjo), Danny Kortchmar(g), Dan Dugmore(pedal steel), Bill Payne(p, key), Bob Glaub(b), Russ Kunkel(ds), Wendy Waldman(vo), Peter Asher(perc, vo)

2019年1月18日 (金)

今日はFleetwood Macの全盛期のライブ盤でも...。

"Live" Fleetwood Mac (Warner Brothers)

_20190114_3私がFleetwood Macのアルバムを結構保有していることは,前にもこのブログに書いたことがある。70年代にLindsey BuckhinghamとStevie Nicksが加入して,一気にポップ度を増して人気がぐっと上がった訳だが,私は結構Bob Welch在籍時のアルバムも好きなのだ。そして,私がFleetwood Macで一番惹かれるのはChristine McVieの歌であり,私は彼女が聞きたくてFleetwood Macのアルバムを聞いていると言っては言い過ぎかもしれないが,彼女のスモーキーなヴォイスが好きなのだ。

そうは言っても,やはり彼らの人気のピークは70年代後半ということになり,このアルバムはそうした時期に行われた"Tusk"ツアーの模様を収めたライブ盤である。ライナーにはツアーで訪れた場所と,会場のキャパが書かれているが,米国においてはアリーナ級のヴェニューが多いのに対し,当時の日本は武道館はさておき,大阪,京都,岐阜,仙台でライブが行われているが,キャパは3,000人程度の会場が多く(って言うか,大阪にも武道館級の適当な会場がなかった。今なら大阪城ホール辺りか。),そういうところで見たかったよねぇと思ってしまう。まぁ,でもその頃の私はジャズに目覚めていた頃で,こういうポップな音への興味は薄れていた頃で,今にしてみれば,もったいないことをしたなぁって気がする。

それはさておき,この全盛期のライブ,いろいろなところでの演奏を収めているが,一部はサウンド・チェック時の音源であることがちゃんとライナーに書いてあるってのも珍しいなぁと思わせる。いずれにしても,彼らのヒット曲満載ではあるのだが,ライブとしての荒っぽさもあるところが評価の分かれ目だろうなぁ。コーラスなんて,結構クォリティの低いまま収録されているような曲もある感じがするし,Lindsey Buckhinghamの絶叫がうるさい"Not That Funny"のような曲を聞かされると冷める。会場では盛り上がるかもしれないが,鑑賞音楽としてはいけてないという典型がこの"Not That Funny"だ。こっちとしては「ちっともおかしくないわ!」と毒づきたくなる。そういう意味でライブ盤ってのは結構難しいと思わされてしまう。

同じラインアップによるライブ盤としては後の"The Dance"ってのがあるが,プロダクションとしては"The Dance"の方が上で,やっぱりこのライブは粗さが目立つ。まぁ,素の彼らのライブの雰囲気を味わうならこっちの方がいいのかもしれないが。まぁ,それでも人気バンドのライブだけに,そこそこ楽しめるとしても,これを聞くならスタジオ盤の方を聞くだろうなぁと思ってしまう私であった。星★★★。

Personnel: Stevie Nicks(vo), Christine McVie(vo, key),, Lindsey Buchingham(g, vo), John McVie(b), Mick Fleetwood(ds) with Ray Lindsey(g), Tony Todaro(key), Jeffery Sova(key)

2018年12月10日 (月)

またもユーミン。今日は「悲しいほどお天気」。

「悲しいほどお天気」 松任谷由実(東芝EMI)

_2018120812月に入り,新譜もそうは入ってこないってことで,なぜかユーミンをプレイバックする機会が増えているのは,単なる気まぐれなのだが,今日は「悲しいほどお天気」である。

このアルバムは結構地味な感じがするのだが,ユーミンのファンの中ではこのアルバムが結構好きな人がいるのではないか?ライブでも定番のように演奏されていた(と言っても,彼女のライブなんて何年も見たことはないので,現在はどうかは知る由もないが...)"DESTINY"のような人気曲もあるが,印象的な佳曲の多いアルバムだと思っている。そして,各々の曲に英語タイトルがついているのが面白いが,ちゃんと歌詞と連動したタイトルになっていて,なるほどねぇと思わせる。

  1. ジャコビニ彗星の夜(The Story of Giacobini's Comet)
  2. 影になって(We're All Free)
  3. 緑の町に舞い降りて(Ode of Morioka)
  4. DESTINY
  5. 丘の上の光(Silhouetts)
  6. 悲しいほどお天気(The Gallery in My Heart)
  7. 気ままな朝帰り(As I'm Alone)
  8. 水平線にグレナディン(Horizon & Grenadine)
  9. 78
  10. さまよいの果て波は寄せる(The Ocean And I)

冒頭の「ジャコビニ彗星の夜」からして,しっとりしたいい曲だが,2曲目の「影になって」なんて,メロウ・ソウルっぽいアレンジも決まっていて,心地よいのだ。そして爽やかな感覚の「緑の町に舞い降りて」の後に来る"DESTINY"の曲調は,ある意味このアルバムの中では浮いている。このディスコ的な感じを持つベース・ラインも現れるノリのよいバックの演奏に対して,歌われる歌詞の暗いことよ(笑)。だって,「冷たくされていつかは見返すつもりだった それからどこへ行くにも着かざってたのに どうしてなの 今日に限って やすいサンダルをはいてた」って凄い歌詞だよねぇ。このギャップが強烈なのだ。それに続く「丘の上の光」との曲調の落差も大きい。

LP時代ならばB面に移ってからの構成もA面と似ている感じがする。A面の"DESTINY"に相当するのが"78"ってことになるが,上田正樹がアレンジを担当したバックのコーラスが,ほかの曲との違いを際立たせている。タイトル・トラック「悲しいほどお天気」というしっとりした佳曲で始まり,「気ままな朝帰り」に聞かれる「家なんか出てしまおう」の部分のフレージングや歌いっぷりなんて,おぉっ,ユーミン的って思わせるのも微笑ましい。「水平線にグレナディン」なんて高水健司のベース・ソロが入るというのも珍しいが,「海を見ていた午後」を彷彿とさせる。そこへタロットをテーマにした"78"は"DESTINY"同様の異質感があるのだ。アルバムの構成にメリハリをつけるという点では,まさにメリハリがついているのだが,メリハリつき過ぎって感じもする。そして最後が「さまよいの果て波は寄せる」だもんなぁ。Eaglesの"Hotel Claifornia"で言えば,"Last Resort"的なエンディングって感じ。

これも実は久しぶりに聞いたのだが,それでもやっぱり好きだなぁ。

2018年12月 5日 (水)

久しぶりにユーミンでも。

"流線形 ’80" 松任谷由実(東芝EMI)

_20181204なぜか突然のユーミンである。このアルバムがリリースされたのは1978年。ってことはもう40年前になってしまうのかと感慨にふける私である。

私がユーミンの音楽に目覚めたのはかなり遅く,基本的には後追いである。どの辺りからリアルタイムで真っ当に聞き始めたかと言えば,多分"Pearl Pierce"だったろうか。あのアルバムはマジで好きだった。なので,このブログにも記事をアップしている(記事はこちら)。そして,彼女の最高傑作は"Misslim"と疑わない私である(記事はこちら)。それでもって今日は本作なのだが,40年前のアルバムにしては,全然古い感じがしないのは大したものである。そして,いい曲が揃っているわ。

このアルバムでは「埠頭を渡る風」が最大のヒット曲だろうが,「ロッヂで待つクリスマス」なんて改めて聞いてみるとマジで懐かしいだけでなく,実によく出来た曲である。"Corvett 1954"にゲストで出てくる来生たかおのヴォーカルもいいよねぇ。その後お,徐々にユーミンもバブル的な音楽になっていく中で,この辺りのアルバムの感覚ってのは懐かしくも,今でも甘酸っぱい感覚を思い出させる。

さすがにリリースから40年も経つと,特にホーン・セクションのアレンジとかにはいかにも昭和歌謡的なところを感じさせる部分もあるが,今となってはそれがまたいいのである。やっぱりこの頃のユーミンは魅力的であった。"Misslim"と"Pearl Pierce"を最高としたとしても,これは十分星★★★★☆にできるな。さて,次は何を聞くかなぁ(笑)。

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