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カテゴリー「ロック」の記事

2018年7月 9日 (月)

Ry Cooderの新譜:どこまで渋いのか

"The Prodigal Son" Ry Cooder(Fantasy)

_20180707_2Ry Cooder,6年ぶりのスタジオ作だそうである。そうは言っても,2013年には素晴らしかったライブ盤をリリースしている(記事はこちら)から,そんなに久しぶり感はない。だが,今回はRy Cooderのオリジナル(息子との共作も含む)は3曲で,そのほかは古い曲が揃っている。それも教会で歌われていたような曲が多いようである。だからと言って,極端にスピリチュアルな感じはしないし,ゴスペル,ゴスペルした感じではない。

基本的にはRy Cooder自身と息子のJoachim Cooderのドラムスで演奏は構成され,そこに若干のゲストが加わるというかたちになっているが,親子でこういうアルバムを作ってしまうってのは,実に羨ましい感じがする。

Ry Cooderという人は,昔から様々な音楽的なフレイヴァーに深い理解を示すとともに,古い曲に光を当てる活動をしていたので,今回のアルバムに関しても,そうした彼の志向は何も変わっていない。そして,昔から渋いなぁと思わせる部分もあったが,それも変わらない。71歳になった現在,更に声は渋みが増し,味わいが更に深まったってところか。

まぁ,現代において,Ry Cooderのやっている音楽は,幅広いオーディエンスに訴求する訳ではなかろうが,こういう音楽を好む私のようなリスナーにとっては,まさに聞いているだけで極楽みたいに感じるものである。そして,Ry Cooderのスライドの腕には全く衰えはない。もちろん,Derek Trucksのような切れ味はないが,Ry Cooderならではの音色は健在である。やっぱりいいねぇ。

ということで,実はこのアルバムも買うか買うまいか,あるいはストリーミングでよしとするか悩んでいたが,これは買って正解と言えるアルバムであった。星★★★★☆。この渋さを理解するのに最適な映像がYouTubeにアップされているので,貼り付けておこう。

尚,ライナーにも書かれているが,長きに渡って,Ry Cooderのアルバムに参加し,ここにも参加しているTerry Evansは今年1月に亡くなっており,これが彼にとっての遺作となるだろう。R.I.P.

Personnel: Ry Cooder(vo, g, mandolin, banjo, b, key), Joachim Cooder(ds, perc), Robert Francis(b), Aubrey Haynie(vln), Terry Evans(vo), Arnold McCuller(vo), Bobby King(vo) 

2018年7月 7日 (土)

Utopiaボックスがようやく到着。

“The Road to Utopia: Complete Recordings 1974-82” Todd Rundgren/Utopia (Friday Music)

C98715bcc57b47108e608eac94ad2483Amazonで早々と予約していながら,入手困難でキャンセルされたボックス・セットをHMVで再注文したものが,発送のタイミングもあって,ようやくデリバリーされた。

まだディスクは聞いていないものの,正直言って,私は彼らの音楽にこれまで数多く接してきた訳ではない。実のところ,これまで購入したことがあるのは”Ra“だけなのだが,そのオープニング・トラックのカッコよさはまさに強烈なレベルだったと思っている。

ということで,”Ra“を含め,彼らの音楽に改めて触れることを楽しみにしている私である。

それにしても,最近のAmazonは実にけしからん。このボックスのキャンセルもそうだが,Antonio Sanchezの新譜もいつまで経っても入荷せず,結局こちらからキャンセルするなど,デリバリーが全くなっていない。CDを売るよりも,デジタル・シフトを消費者に押し付けているのではないかと思いたくもなる今日この頃。マーケットプレースの業者の方が良心的だと言っておこう。

2018年6月23日 (土)

数々のピアノ曲とSufjan Stevensのオリジナルにしびれる「君の名前で僕を呼んで」のサントラ。

"Call Me by Your Name:Original Motion Picture Soundtrack" Various Artists (Madison Gate)

_20180623以前映画に関する記事もアップした「君の名前で僕を呼んで」(記事はこちら)のサントラである。そこには私は「本作は音楽が素晴らしく,久しぶりにサントラ盤が欲しくなってしまうものであった」と書いたが,有言実行である。

まず,この映画を見ていて,そう思ったのは,映画で流れるピアノ曲の美しさであった。特に冒頭に流れるJohn Adamsの"Hallelujah Junction"に痺れてしまって,サントラが欲しいと思ったのだが,そのほかにも坂本龍一の曲も非常にいい感じであった。だが,この本当にこのサントラを欲しいと思わせたのは,Sufjan Stevensがこの映画のために書き下ろした曲の素晴らしさであったと言っても過言ではない。この映画のためにSufjan Stevensが書いたのは"Mystery of Love"と"Visions of Gideon"の2曲だが,これが本当にいい曲なのだ。更に旧作"The Age of Adz"に収録されていた"Futile Devices"のリミックス・ヴァージョンであるが,こんなにいい曲だったか?と思わせるに十分である。

それ以外は映画の時代背景を反映したディスコ調の曲であるが,それらはさておき,私にとってはピアノ曲とSufjan Stevensがあればこのアルバムは成立である。映画と音楽が一体化した優れた事例である。とにかくここでのSufjan Stevensのオリジナルを聞いて頂ければ,わかってもらえると思う。星★★★★☆。せっかくなので,Sufjan Stevensによる書下ろし2曲を貼り付けておこう。 

2018年6月18日 (月)

Eric Claptonのブルーズ・アルバムならもっといいものができるような...。

"From the Cradle" Eric Clapton (Warner Brothers)

_20180617誰もEric Claptonのブルーズに対する愛情は否定しないだろうし,素晴らしいブルーズ演奏を残していることも認識しているだろう。だが,この1994年にリリースされたこのブルーズ・アルバムはどうもあまり面白くない。

私にとって,このCDがトレイに乗る回数が少ないのは,冒頭の"Blues Before Sunrise" から聞かれる力みまくったClaptonのヴォーカルに行き過ぎ感をおぼえるからだと言っても過言ではない。イントロのスライド・ギターなんてそれこそぶちかまし的で,期待をさせるところが大きいにもかかわらずである。

そして,このアルバムを通じて,Claptonのギターを聞いている限りは,結構かっこいいねぇと思わせるのだが,ヴォーカルを含めた全体の演奏を聞いていると,強く感じる「一丁上がり」的なところが私をさめさせるのである。かなり激しいギター・ソロを聞かせても,私としては一向に高揚感が盛り上がってこない。そして,こういうアルバムに求められるであろう「渋さ」が感じられないところには違和感がぬぐえない私である。ギター・ソロは聞くべきところがあるが,全体では星★★☆ぐらいにしか評価できない。やはりここでのClaptonには力みを感じるというのが正直なところ。これがインスト・アルバムだったらもう少し印象が違っていたかもなぁ。

Personnel: Eric Clapton(vo, g), Dave Bronze(b), Jim Keltner(ds),Andy Fairweather Low(g), Jerry Portnoy(hca), Chris Stainton(key), Roddy Lorimer(tp), Simon Clarke(bs), Tim Sanders(ts), Richie Hayward(perc)

2018年5月29日 (火)

久しぶりに聞いた"Tattoo You"

"Tattoo You" The Rolling Stones (Rolling Stones/Columbia)

_20180527_2懐かしい。このアルバムには全くクレジットの表記がない。しかし,Sonny Rollinsが本作に参加していることは結構早い時期から知られていたはずである。それぐらいの記憶しかないが,私はこのアルバムをリアルタイムで聞いていた訳ではない。

以前このブログにも書いたことがあるかもしれないが,私は遅れてきたStonesファンである。そうは言いながら,"It's Only Rock'n Roll"あたりはFMで聞いていたクチだが...。そんな私が彼らの初来日ライブを東京ドームで見て,彼らのバンドの凄さを認識するまでは,彼らの本質を理解してなかったようにも思える。それは私の洋楽原体験はBeatlesの方だったということが一番の理由なのだが,彼らのほとんどアルバムも持っていなかったと思うし,これも来日公演後に渡米生活を送るようになった頃,廉価盤で仕入れたもののはずである。

だから,このアルバムがリリースされたのはMick JaggarとKeith Richardsが仲たがいをしていている頃で,アルバム制作を迫られて無理やり作ったよう作品であることなんてことも,今回この記事を書くに際して知ったことに過ぎない。だが,彼らのライブで欠かすことができなくなった"Start Me Up"で始まるこのアルバムが,ある意味寄せ集めみたいなものだと思う人間はそんなにいないのではないかと感じるほど,よく出来たアルバムに仕上がっている。そうした意味では,極めてよくプロデュースされたアルバムであり,実質的なプロデューサーであったであろうChris Kimseyを褒めるべき作品。

逆に言えば,アウトテイクを集めて,それにオーバーダビングすれば,こういうアルバムに仕上がってしまうというのがStonesの凄いところだということにもなる。ジャズ・ファンからすれば,Sonny Rollinsがなんでここに?って気はするが,"Slave"で聞かれるテナーは,完全にロックを乗っ取るRollinsが聞けて,久しぶりに聞いても興奮してしまった。アルバム最後に収められた"Waiting on a Friend"では歌心全開のRollinsが聞ける。だからと言って,Rollinsを聞くために積極的にプレイバックする訳ではないが,なかなかいいアルバムであることは事実。まぁ星★★★★ぐらいにしておこう。

下記のパーソネルは後にわかったものだが,あくまでも参考として記載しておこう。

Personnel: Mick Jaggar(vo, g, hca, perc), Keith Richards(g, vo, b), Ronnie Wood(g, b, vo), Bill Wyman(b, g, synth, perc), Charlie Watts(ds, perc), Mick Taylor(g), Nicky Hopkins(p, org), Ian Stewart(p), Billy Preston(key), Wayne Perkins(g), Ollie Brown(perc), Pete Townsend(vo), Sonny Rollins(ts), Jimmy Miller(perc), Michael Caraavello(perc), Chris Kimsey(el-p), Barry Sage(clap)

2018年5月 7日 (月)

Uncle Tupelo: オルタナ・カントリーとカントリー・ロックは何が違うねん?(笑)

"Anodyne" Uncle Tupelo(Sire)

_20180504このアルバムを聞くのも久しぶりである。Uncle Tupeloはその後,袂を分かってSon VoltとWilcoの2バンドに派生していくわけだから,その後のことを考えれば,大きな意義があったバンドだったと言えるだろう。

Uncle Tupeloはオルタナ・カントリーだと呼ばれるのが一般的だが,このオルタナ・カントリーってのが実はよくわからない。誤解を恐れずに言えば,私は典型的なカントリーっていうのは,日本で言えば演歌と通じるものだと思っている。一種特殊な発声法はほかの音楽と違うし,明らかにロックとは違うのだ。その昔,Eaglesはカントリー・ロックだと言われたのだが,あれがカントリー風味を持つロックだったとすれば,オルタナ・カントリーは,出自はカントリーのミュージシャンがオルタナ・ロックやパンクの影響を受けた音楽って感じだろうか。だが,今の耳で聞けば,カントリー・ロックだろうが,オルタナ・カントリーだろうが,いいものはいいし,そんなに大きな違いを感じさせるものでもないってのが実感だ。

ここでも,冒頭の"Slate"などはカントリー・フレイヴァーが強いが,ロック色の強い曲は,それこそカントリー・ロックと呼んでも全然問題ないではないかと思わせる。そうしたジャンル分けはさておき,このアルバムの優れたところは,曲が粒揃いだということだろう。Jay FarrerとJeff Tweedyという2トップによるソング・ライティングの質が高く,彼らがその後もバンドを継続していたらどうなるかと想像してみたくなる。だが,この二人の仲たがい具合は半端なものではなかったようだから,再結成などありえない話のようだ。

だが,このアルバム・リリースまではちゃんと均衡を保っていて,その後破たんするとは思えない音楽が聞ける。逆に言えば,バンドとして最終作となった本作は彼らの最後の輝きと言ってよいものだったのかもしれない。と言っても,これ以外彼らの音源は聞いたことがないので,比較はできないが,そのうちApple Musicで聞いてみることにしよう。いずれにしても,私にとってはカントリー・ロックの快作という評価は揺るがない。星★★★★☆。

Personnel: John Farrar(vo, g, mandolin), Jeff Tweedy(vo, g, b), Max Johnston(fiddle, lap-steel, dobro), John Stirrat(b), Ken Coomer(ds), Doug Sahm(vo, g), Lloyd Maines(pedal-steel)

2018年5月 6日 (日)

才能のかたまりだったPaul Butterfield Better Days。

"Better Days" Paul Butterfield Better Days (Bearsville)

_20180503_2私はPaul Butterfieldの音楽を真っ当に聞いてきたという感じではない。しかし,様々な演奏に登場しては,強い印象を残すPaul Butterfieldという人に対する評価は揺らぐものではない。"The Last Waltz"然り,"Levon Helm & the RCO All Stars"然りである。そういう意味では私の嗜好と非常にマッチしたミュージシャンだとも言えるのだが,彼のアルバムは大して保有していない。大昔にLPに"Put It in Your Ear"を買ったはずだが,その頃にはまだ彼の魅力に気づくほど,私は音楽に対して経験値が深くなかったと言うべきか。

だが,今改めてこのアルバムを聞いてみると,やはり素晴らしいミュージシャンであることが明らかになるが,Butterfieldのみならず,ここに参加しているミュージシャンの才能が凄い。ウッドストックを代表するようなミュージシャンの集合体としてのこのBetter Daysというバンド,強烈である。アメリカン・ロックってのはこうあって欲しいとさえ言いたくなるような私好みの音である。Geoff Muldaur,Amos Garrett,Ronnie Barronたちと作り上げる音楽が悪いはずはないのだが...。

本作はブルーズとアメリカン・ロックの最も好ましいかたちでの融合のような感覚さえ与える。とにかく,私はジャズ以外でもいろいろな音楽を好んでいるが,そうした中でこうしたアメリカン・ロックは私の音楽人生を構成する重要な要素の一つなのだ。改めてこの音楽を聞いて,私はこの手の音楽が好きでたまらないということを再認識してしまった。そして,アメリカン・ロックには渋いヴォーカルが必要だということも強く感じさせてくれた一枚である。

そして今回,本作を聞いてみてGeoff Muldaurのスライドが渋いってことに今更ながら気づいた私である。ついついギターとしてはAmos Garrettに注目しがちなのだが,ここでのMuldaurのスライド,そしてアコギは相当なものである。いや~,ええですわ。星★★★★★。

Personnel: Paul Butterfield(vo, hca, el-p), Geoff Muldaur(vo, g, p, el-p, vib), Amos Garrett(g, b, vo), Ronnie Barron(vo, p, el-p, org), Billy Rich(b), Christopher Parker(ds), Howard John, on(bs), Dave Sanborn(as), J.D. Parran(ts), Stan Shafran(tp), Gary Brocks(tb), Bobby Charles(vo), Dennis Whitted(vo), Maria Muldaur(vo)

2018年5月 4日 (金)

今聞いても無茶苦茶カッコいい"The Catherine Wheel"

"The Catherine Wheel" David Byrne (Sire)

_20180503 本作のオリジナルが出たのが1981年。81年と言えば”My Life in the Bush of Ghosts"をEnoとリリースし,その前年にはTalking Headsで"Remain in Light"を出しているから,David Byrneの音楽的なキャリアとしてもピークにあった時期と言っても過言ではない。そうした時期にバレエの音楽としてこういうアルバムも出してしまうのから凄いことである。

LPで出た頃は,抜粋版としてのリリースであったが,CDの時代になって,全曲収録が可能になったということで,これはやはりCDで聞くべき音源ということになる。しかし,そんなことを言いながら,私がこのアルバムを聞いたのは本当に久しぶりのことであり,何年聞いていないかも覚えていないぐらいである。だが,"Remain in Light"に痺れ(記事はこちら),映画としては"Stop Making Sense"を最大級に評価している私(記事はこちら)としては,David Byrneの音楽には惹かれる部分が大きいのは間違いない。

それにしても,いけている音楽である。ここに収録されている曲の一部はTalking Headsのライブのレパートリーにもなっているから,基本的にはTalking Headsのやっていた音楽と同質の部分も大きいと思うが,インストをメインにした音楽は,スリリングな響きもあって,実にカッコいい。まぁ,私の好みに合っているという点も大きいとは思うが,こういう音楽をバックにしたバレエを見たら,きっと痺れていただろうなぁと思う私である。星★★★★☆。35年以上前の音楽とは思えない,今でも通用する現代的な感覚を持った音楽だと思う。

Personnel: David Byrne(vo, g, p, synth, b, fl), Adrian Belew(g, perc), John Chernoff(g, p, ds, perc), John Cooksey(ds), Brian Eno(b, g, p, key, synth, vib, vo), Doug Gray(euphonium), Sue Halloran(vo), Jerry Harrison(org, key, ds), Richard Horowitz(nez), Yogi Horton(ds, perc), Dolette McDonald(vo), Steve Scales(perc), Bernie Worrell(p, synth, key)

2018年4月 6日 (金)

コレクターはつらいよ(20);Joni Mitchellトリビュート盤の1曲

"A Tribute to Joni Mitchell" Various Artists(Nonesuch)

_20180401_2久しぶりのこのシリーズだが,このディスク自体はリリースされたのはもう10年以上前のことである。私自身はてっきり記事にしていたと思ったのだが,このブログにはアップしていなかった。なぜだ...?(苦笑) 

このアルバムはタイトル通り,様々なミュージシャンがJoni Mitchellの音楽をインタープリテーションするという企画アルバムである。その中で1曲,Brad Mehldauのソロが入っているのだから,これは買わないわけにはいかないし,そもそもJoni Mitchellも偏愛する私としては,多分Brad Mehldauが参加していなくても買っていたのではないかと思われる。

Brad Mehldauが演じているのはアルバム"The Hissing of Summer Lawn"から"Don't Interrupt the Sorrow"というなかなか渋いチョイス。これがいかにもBrad Mehldauらしい演奏で嬉しくなってしまう。やっぱりわかってるねぇ,って感じである。

だが,このアルバム,Brad Mehldau以外にも聞きどころ多数である。アフリカ風味だった"Dreamland"をブラジル的に仕立て直したCaetano Veloso,無茶苦茶渋く"For the Roses"を歌うCassandra Wilson,Joni Mitchellへのシンパシーを強く感じさせるPrinceの"A Case of You",そして真打ち登場的にラストに収められたJames Taylorの"River"等,どれも捨てがたいし,どれも魅力的である。

ただねぇ,冒頭のSufjan Stevensの"Freeman in Paris"はいじり過ぎでこれはちょっとなぁと思うファンも多いだろう。これは個性の表出としては認められても,歌詞だけ使って,原曲の曲の持つよさを全然活かしていないのは納得いかないねぇ。ということで,全体としては星★★★★ぐらいだろう。

Personnel: Sufjan Stevens, Bjork, Caetano Veloso, Brad Mehldau, Cassandra Wilson, Prince, Sarah McLachlan, Annie Lenox, Emmylou Harris, Elvis Costello, k.d.Lang, James Taylor

2018年3月27日 (火)

"Relayer"を久しぶりに聞いた。

"Relayer" Yes (Atlantic)

_20180325_3私は長年のYesのファンであった。もはや過去形でしか言えないのは悲しいが,くだらない旧作再現ライブをリリースし続け,長年のファンの顰蹙を買っている彼らにはとうに愛想が尽きている私である。だからと言って,過去のアルバムを手放す気はないし,「危機」や「究極」は今でも好きなことには変わりはない。

そうした長年のファンである私にとっても本作の前作である「海洋地形学の物語」は,非常に評価の難しいアルバムであった。端的に言えば,冗長で緊張感に乏しいアルバムとしか私には思えなかったのだ。同作で評価が難しくなったYesが,Rick Wakeman脱退を受けてリリースしたのが本作であるが,これも賛否が分かれるアルバムの典型みたいになってしまっている。これはPatrick Morazがもたらしたテンションが,従来のYesのサウンド・カラーに変化を及ぼしたことが大きいと思うが,今回,久しぶりに本作を聞いても,従来の作品との明らかな違いを感じてしまった。まぁ,一言で言えばYesっぽくない。

そういう印象を与えるからといって,このアルバム,改めて聞いてみれば,結構いいアルバムだったと思える。ここまでの緊張感を保ちながら,タイトなリズムの上で,Steve HoweのギターとMorazのキーボードが躍動するっ感じなのだ。まぁ,「躍動」というにはちょっとテンションが高過ぎるというのが正直なところである。そう言えば,昔,このラインアップによるライブ映像のレーザー・ディスクを保有していたなぁなんて思ってしまうが,再生環境がなくなって廃棄してしまったのはもったいなかった。今やYouTubeで見られるから全然問題ないが...。

いずれにしても,Yesというバンドとしては異色のアルバムと言えるかもしれないが,まだまだプログレど真ん中みたいな演奏という気もして,悪くないなぁなんて思っている。もちろん,この次にRick Wakemanが復帰した「究極」の方が彼ららしさがより強くなっていて好きだが,それでももう少し評価されてもいいアルバムだと思う。星★★★★。

ちなみに,私が持っているのは再発盤だが,ここにボーナスで入っている「錯乱の扉」のおそらく初期のリハーサル・ヴァージョンだが,キーボードが入っていない状態では全然違う曲に聞こえるのが面白いが,これが結構カッコいいのだ。ボーナス・トラックだからと言ってバカにしてはならない。

Personnel: Jon Anderson(vo), Steve Howe(g, vo),Patrick Moraz(key), Chris Squire(b, vo)Patrick Moraz(key), Alan White(ds, perc)

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