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カテゴリー「ライブ」の記事

2019年12月12日 (木)

久々のライブはOz Noyのトリオだったが,私の眼はKeith Carlockにくぎ付けであった...。

Oz-noy-trio-at-cotton-club 更新がまたも滞ってしまった。師走だけに公私ともに何かと忙しいのだ(とまずは言い訳)。それにも増して,なんとライブに行ったのは9月のCamila Meza以来ということで本当に久しぶりの参戦となった。その間には仕事でScott Hendersonに行きそこなったというアクシデントもあったとは言え,3か月以上空いたというのは私にとっては実に久しぶりな気がする。

それでもって今回行ったのがOz Noy Trio@Cotton Clubである。正直言ってしまえば,私はOz Noyだけだったらライブには行っていない。今回は何と言ってもそのメンツゆえというところである。だって,ベースはJohn Patitucci,そしてドラムスはKeith Carlockなのだ。このメンツであれば,パワフルな演奏を期待しない方がもぐりだ(きっぱり)。

それはそうなのだが,私の注目を一身に浴びたのはKeith Carlockだと言っても過言ではない。私はかつて,Wayne Krantzと来た時にも書いたが,彼のドラムスは「歌っている」のである。もはや単なるリズムの領域を越えている。Oz Noyはエフェクターを使って,いろいろなパターンの音と演奏を聞かせていたが,基本はハードになる。そのバックで,まさに変幻自在のドラミングを聞かせたのがKeith Carlockであったと言ってよいだろう。変な例えだが,今回のような演奏は演奏における振幅が激しく,ほとんどプログレみたいな展開すら聞かせた訳だが,そうした演奏を聴きながら,Keith CarlockならKing Crimsonでもやっていけるなんて演奏中独り言ちた私である(笑)。

逆に言うと,このバンドではJohn Patitucciの実力を十分に発揮させられたかというところには若干の疑問がある。John Patitucciはエレクトリックでもアコースティックでも素晴らしいテクニックを披露する人だが,今回のようにずっと6弦エレクトリックで通すなら,こっちとしてはギターとの高速ユニゾン・フレーズを期待したくもなるところである。しかし,Oz Noyの曲,あるいはアレンジにおいてはそういう感じにはなっておらず,ソロはちゃんと聞かせるフレーズを展開していたとしても,John Patitucciならではの高揚感をもたらさないところには,もったいないって感じ,更に極端に言えば,宝の持ち腐れって感じが強かった。だからこそ,私の注目はKeith Carlockに向いてしまったのだが,それにしてもである。

パワフルでありながら,微妙さも見事な兼ね備えたKeith Carlockのドラミングには,誰しもが興奮させられたことは間違いないところだろう。それゆえ,私の中では今夜のライブはKeith Carlock Bandかっ!?と言いたくなりそうになるほど,Keith Carlockに惹きつけられた夜であった。

もちろん,演奏に破綻はなかったし,ライブとしてのクォリティは保っていたので文句はないのだが,本当に誰を見に行ったのかわからないというのが正直なところであった。Keith Carlockは,来月にはWayne Krantz,Tim Lefebvre との最凶トリオでの来日を控えており,ますますそれが楽しみになってきた。4月にはBill EvansやRobben Fordとまた来るらしいし,私にとってはKeith Carlockのドラミングを拝めるチャンスはそこそこあるということになりそうだ。

最後にひとつOz Noyに苦言を呈しておくと,CDを買えばサインをするとステージでアナウンスしておきながら,サイン会はやらず,CDは一旦店で預かるってのはどういう了見か?私は別にCDを購入していないからいいようなものの,そういう対応はないだろう。その辺りに聴衆を大事にするかどうかのミュージシャンとしての姿勢が見て取れる。こういうファンを大事にする姿勢を示せない人は絶対好きになれないな。ほかのミュージシャンの名誉のために言っておけば,Oz Noyのようなのが例外であり,大概のミュージシャンはずっとフレンドリーだし,ファンを大切にしている。反省させろよ,Cotton Club!

Live at Cotton Club東京 on December 11, 2019

Personnel: Oz Noy(g), John Patitucci(b), Keith Carlock(ds)

2019年9月15日 (日)

遅ればせながらCamila Meza@Blue Note東京参戦記

Camila-meza-at-blue-note
ライブ翌日から出張していたため,遅くなってしまったが,Camila Meza & the Nectar Orchestraのライブの模様を振り返っておきたい。彼女の音楽には"Traces"で感心させられ,更に新作"Ambar"で驚かされてしまった私としては,今回の来日がアナウンスされた以上,行かない訳にはいかないということで実に期待をしていた。新作はストリング・クァルテット入りの音楽であるが,それをライブで再現してしまうということで,ハードルは決して低くなかっただろうが,軽々とクリアして見せた彼女たちであった。

Camila Mezaは歌がうまいのはもちろん,ギターの腕も確かなものであるとともに,彼女を支えていたバックのメンバーも実によかった。ドラムスの小川慶太はSnarky Puppyのメンバーでもあるが,そっちでやっている音楽とは結構違うと思わせながら,コンテンポラリーな感覚を導いているのは彼のドラミングではなかったかと思わせる部分があった。非常にフィット感があるのである。

更に,ピアノ,キーボードのEden LadinもHerbie Hancock辺りからの影響も感じさせるフレージングを聞かせていたのが面白いが,このバンドで驚いたのは,ストリングスのアレンジをしていたベースのNoam Wiesenbergであろうか。彼のベースそのものは楚々としたものであり,しっかりとした下支えという感じであったが,そのアレンジ能力は実に高度。更に先日のサイン会の模様でも書いたが,まさに好青年という感じのミュージシャンであり,非常に好感度が高い。

ストリング・クァルテットは今回のライブのために集められた人たちであろうが,ややリハーサルが足らないかなぁと思わせる部分なきにしもあらずながら,演奏はちゃんとしていて,十分サウンドに溶け込んでいたと思う。

そんな彼らに支えられ,歌い,ギターをプレイするCamila Mezaは本当に実力あるわ~と思わせ,今後に対する期待も大いに高まる人であったと思う。ライブ全編を通じて,大いに楽しませてもらった私である。上の写真はBlue NoteのWebサイトからの拝借であるが,多分私のシルエットが写り込んでいる。それがどうした?と言われればその通りだが,いい思い出になるわってことで。

尚,Blue Noteのサイトによれば,当日のセットリストは下記の通り。
1. AMAZON FAREWELL
2. ALL YOUR COLORS
3. ATARDECER
4. OLHA MARIA
5. FALL
6. TRACES
7. THIS IS NOT AMERICA
8. LUCHIN
9. KALLFU
EC. AWAKEN

とにもかくにも,世の中にはレベルの高いミュージシャンが存在することを思い知らされたライブであった。彼女がメジャーな存在になることは必定。素晴らしい才能である。

Live at Blue Note東京 on September 9, 2019, 2ndセット

Personnel: Camila Meza(vo, g), Eden Ladin(p, key), Noam Wiesenburg(b), 小川慶太(ds, perc), 松本裕香(vln), 鈴木絵由子(vln),惠藤あゆ(vla),橋本歩(cello)

2019年9月10日 (火)

Camila Meza@Blue Note東京の戦利品

Camila

Camila Mezaのライブに行ってきた。詳しくは改めてとして,今日は戦利品だけ。Camilaは人当たり最高,ベースのNoam Wiesenbergは真面目な好青年,ドラムスの小川慶太は話しっぷりもファンキーな感じであった。ピアノのEden Ladinはサイン会にチラッといただけですぐ消えてしまったので,"Ambar"に彼のサインはなし。いずれにしても楽しいライブであった。

2019年9月 5日 (木)

マジで感動した!Charles Lloyd@Blue Note東京参戦記。

Cl5-at-blue-note

正直に書いてしまおう。ライブで落涙したのは久しぶりだ。それぐらい素晴らしいライブだったのだが,私を泣かせたのはアンコールでのGerald Claytonのピアノ・ソロであった。あまりに美しく,クラシックの素養を充分に感じさせるそのソロは,なかなか聞けないレベルだと思った。

そして何よりも,リーダー,Charles Lloydが元気であった。音色は相変わらずソフトな感じなのだが,フレージングはキレている。そしてそれを支えるメンツが,御大へのリスペクトを感じさせる支えっぷりだったのは,Charles Lloydがまさに生きたレジェンドであることを実証したと言ってよい。

私が前回Charles Lloydのライブを観たのはほぼ2年半前になるが,その頃はステージ上で時差ボケを感じさせながらも,矍鑠としたプレイを聞かせていた。しかし,今回は更に元気になっているのではないかと思わせるような所作であった。演奏中,「Lloydが踊ってる!」なんて思っていた私である(笑)。

そして,Charles Lloyd,やはりリクルーティングの達人である。彼のバンドを去来した面々は相応に出世しているが,今回の新メンバー,Gerald ClaytonとJulian Lageは既に相応の地位は確立しているが,Lloydの許での演奏を通じて,更にステップ・アップすると思いたくなるような演奏であった。Julian Lageはテレキャス1本で勝負していたが,Bill Frisellを彷彿とさせるアメリカーナな感覚を打ち出して,大したものだと思わせたし,どブルーズを弾いてもちゃんと様になるところが立派。しかし,私は今回はバックのメンツではGerald Claytonの実力を改めて思い知らされたというところだ。それまでは冷静に聞いていたつもりだったのだが,アンコールでの彼のピアノ・ソロによるイントロは私を泣かせるほど晴らし過ぎた。Reuben Rogersは楽し気にベースをプレイしていたが,Eric Harlandはもう少し弾けてもよかったかとも思える。しかし,全体を通して考えれば,これは実に素晴らしいライブであった。

私は何でもかんでもスタンディング・オベーションを送るタイプの人間ではないが,今回は素直に身体が反応したと言える。それほどのライブはなかなかないということで,今年のベスト・ライブの一つに確実に入ると確信できる演奏であった。

Charles Lloyd恐るべし。今年81歳とは思えぬ驚異の老人。更に年上のナベサダも凄かったが,まさに化け物である。写真はBlue NoteのWebサイトから拝借。

Live at Blue Note東京 on September 4, 2019,2ndセット

Personnel: Charles Lloyd(ts, a-fl), Gerald Clayton(p), Julian Lage(g), Reuben Rogers(b), Eric Harland(ds)

2019年9月 4日 (水)

Dean Brown@Cotton Club参戦記

_20190903-2ちょっと時間が経ってしまったが,先日,久々にCotton Clubに行ってきた。今回はDean Brownの超強力なトリオである。何と言ってもHadrien FeraudDennis Chambetrsとのトリオなのだから,当然の如く期待は高まる。特に私は初Hadrien Feraudのライブだったので,彼のベース・プレイには大きな関心があった。

見ていて思ったのだが,彼のベース・プレイの根幹にはクラシック・ギターの素養があるのではないかと感じていた私である。ベースの構え方がそういう感じなのだが,あのベース・フレーズはアルペジオ的な部分もあるかなって思っていた。Dean BrownHadrien Feraudには結構なソロ・スペースを与えていたが,そうしたくなるのもわかる弾きっぷりってところである。

_20190903-4

Dennis ChambersNYCIridiumWayne KrantzOz Noyとのギグを終わらせた直後の来日と思うが,体力あるわと言わざるをえないドラミングで,強烈なビートを叩き出していたのはまさに驚愕。何を食って生きているのやら(笑)。

そしてDean Brownだが,私が今回感心させられたのが彼のカッティング。最近あれだけの高速カッティングを見た記憶はないと言いたくなるようなスピード感。フレージングはロック的なものとジャズ的なものをうまく交えたものだったが,私はカッティングに目が点になっていた。どういうピックで弾いているのかという関心事だけで,演奏終了後のサイン会でピックをねだった私であった(爆)。

ということで,今回の戦利品はDean Brown全面参加のBilly Cobhamの"Spectrum"40周年記念ライブの内ジャケとピック。

Live at Cotton Club東京 on August 28, 2019,2ndセット

Personnel: Dean Brown(g, vo), Hadrien Feraud(b), Dennis Chambers(ds)

2019年8月11日 (日)

忘れないうちにナベサダ@Blue Note東京参戦記

At-blue-note

記憶が薄れないうちに書いておこう。このライブの翌日から韓国に出張していたので,印象は必ずしもヴィヴィッドではないかもしれないが,まぁよかろう。

私がナベサダのライブに行くのは実に久しぶりのことである。人生においても実はそんなに見たことはなく,1回目は高校生の時に行った神戸のジャズ・フェスでのレギュラー・クインテット,2回目が武道館の"How's Everything"のアルバムとなった豪華ライブ,そして3回目がNYC在住中に今はなきBottom Lineで見た当時のレギュラー・グループぐらいのはずである。ということで,少なく見積もっても27年ぶりぐらいのことになるわけだ。

そんな私が今回このライブを観に行く気になったのは偏にメンツである。Russell Ferrante,John Patitucci,そしてSteve Gaddを従えて,アコースティックでもエレクトリックでもできそうだなぁと思っていたが,結論から言えばアコースティックのクァルテットであったが,これが実によかった。

ナベサダは今年でもう86歳になっているが,実に元気なものである。昔に比べると声は細くなったし,アルトのフレージングに危なっかしいところがなかったわけではない。しかし,86歳という年齢を考えれば,実に矍鑠たる演奏であった。そしてナベサダに私が謝りたくなったのは,私は常々彼の書く曲のつまらなさをどうこう言ってきたが,今回演奏された曲を聞いていると,メロディ・ラインも実に魅力的な曲が多いではないか。Charlie Marianoに捧げた”I Miss You When I Think of You"なんて本当によかったし,繰り出すフレージングはまだまだいけると思わせるに十分なもので,恐るべき老人となっていたのには実に驚かされた。

更にナベサダを支える3人も好演で応えていたが,面白かったのは彼らの演奏ぶりをナベサダが子供や孫を見守る感じで見ていたことか(笑)。3人それぞれがよかったのだが,突出してよかったのがJohn Patitucciのソロのメロディアスさだと思った。もちろんRussell FerrateもSteve Gaddもいいに決まっているが,John Patitucciのソロは実によかった。

バンドのメンバーはナベサダにリスペクトを示しつつ,ナベサダは彼らを見守るという感じだが,ナベサダ本人も見守るだけではなく,リーダーとして立派に機能していたことはまさに驚異的。私とナベサダは実は同郷なのだが,故郷の誇りと言ってよいと思わせるに十分な演奏であった。

全くもってお見それしましたと言いたくなった一夜。尚,上の写真はBlue Noteのサイトから拝借。

Live at Blue Note東京 on August 7,2019,2ndセット

Personnel: 渡辺貞夫(as),Russell Ferrante(p), John Patitucci(b), Steve Gadd(ds)

2019年8月 4日 (日)

Mike Stern@ブルーノート東京参戦記

Mike-stern

久しぶりのライブ・ネタである。今年もMike Sternがブルーノートにやって来た。ここのところ,毎年のように来日してブルーノートに出演しているが,毎回メンツを変えながらなので,やっている音楽には大きな変化はなくても(笑),毎度毎度楽しませてくれる。

それでもって今回のキモは神保彰との初共演であるが,もともとがタイトなドラマーである神保彰であるから,まぁ合わない訳はない。派手なアクションとかはないが,実にタイトかつしっかりとしたバックアップには,この人の性格が出ているのかなぁなんて思いながら見ていた。とにかくちゃんとしているのだ(笑)。

マイキーは負傷した手の影響も随分と癒えて来たようで,相変わらずのマイキーで,私も燃えてくると,もっとディストーションを!なんて思ってしまったではないか。我ながらアホである。サックスのDanny Walshは55 Barでもマイキーとの共演を見たことがあるが,その時は「善戦」なんて書いている私(記事はこちら)だが,今回は実に太くもメカニカルな響きを聞かせて,おぉっ,いいじゃんなんて思っていた。そう言えば,55 Barで去年見た時にはベースはJeff Andrewsが弾いていたが,今年の3月に亡くなってしまったのは残念なことである。

今回びっくりしたのがベースのEdmond Gilmoreである。この人,マイキーの最新作"Trip"にも参加しているが,生で見ると実に上手い。このバンドをドライブしていくのは結構大変なことではないかと思えるのだが,ファンク・フレイヴァーもばっちり,スラッピングもばっちりみたいな感じで,実に感心してしまった。Jeff Andrewsがこの世を去っても,世の中にはまだまだ優れたミュージシャンがいるってことだ。

Mike-and-i-mosaic 2回目のアンコールには"Purple Haze"までやってしまった彼らだが,相変わらずの実に楽しいライブであった。当日のライブセットはブルーノートのWebサイトによれば,下記の通り。ということで,上は戦利品。我ながらミーハーであるが,いいのである,ファンなんだから。相変わらずマイキーは気さくで本当にナイス・ガイである。いつものように「マイキーと私(モザイク付き)」もアップしておこう。

1. HALF CRAZY
2. KT
3. ALL YOU NEED
4. WHAT MIGHT HAVE BEEN
5. CHROMAZONE
EC. RED HOUSE
EC. PURPLE HAZE

8/5の月曜日には再度参戦予定の私であるが,次回は更に前方の席で燃えてやる~(笑)。

Live at ブルーノート東京 on August 2,2019,2ndセット

Personnel: Mike Stern(g, vo), Danny Walsh(ts), Edmond Gilmore(b), 神保彰(ds)

2019年6月 9日 (日)

Simon Phillips@Blue Note東京参戦記

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またも更新が滞ってしまった。記事をアップするたびにライブ行ってんじゃね?みたいになっているが,仕事の合間に行っているのだ(笑)。Simon Phillipsが来日するとなんだかんだ言って見に行っている私だが,だからと言って上原ひろみとやっているのは見たことはない(きっぱり)。今回はProtocol初作発売30周年ということでの記念ライブみたいな感じだが,本人がそんな気分だったかどうかは謎である。

まぁ、そんなことは別にしても,実にタイトな演奏を聞かせてもらって,大いに楽しんだ私である。正直言ってバンドとしてはリーダーが目立ち過ぎではないかと思えるほどのミックスだったが,それでもSimonのドラミングは実に決まっていたと言っていいだろう。ギターの新人、Alex SillはAllan Holdsworth的あるいはFrank Gsmbale的なスムーズなピッキングで聞かせるところがあったし,サックスのJacob Scesneyだって,ちゃんとジャズのイディオムを吸収しているのはわかるのだが,Simon Phillipsの前では存在感が薄いというのは仕方がないかなぁと思っていた私である。そういうバンドなんだから問題はないのだが。いずれにしても「タイト」っていう表現はSimon Phillipsのためにあると言っても過言ではないと思った一夜。

セットリストはブルーノートのサイトによれば次の通りのようだ。上の写真も拝借。

  1. Narmada
  2. All Things Considered
  3. Azores
  4. Moments of Fortune
  5. Pentangle
  6. Celtic Rain(Encore)

Live at Blue Note東京 on June 5, 2019, 2nd Set

Personnel: Simon Phillips(ds), Jacob Scesney(ts, as), Alex Sill(g), Otmaro Ruiz(key), Ernest Tibbs(b)

2019年6月 5日 (水)

改めてのBrad Mehldau@よみうり大手町ホール

Brad-mehldau-solo

改めてBrad Mehldauのソロ・ライブのセット・リストがアップされたので,今一度振り返ってみたい。セット・リストからもわかる通り,冒頭3曲は完全即興だったようである。そこからはBeatles,と言うよりもPaul McCartneyの曲が3曲というのが目を引く。前回のホール公演でもPaulの曲は結構やっていたから,ミュージシャンとしてのシンパシーを感じる部分があるのだろう。私は"Dear Prudence"のようなJohn Lennonレパートリーもやって欲しいところだが,贅沢は言うまい。

そして意外な選曲としては"Linus and Lucy"だろう。今までレコーディングしたこともないはずだが,Brad Mehldauがこんな曲をやるとは思わなかった(と言いつつ,曲名が思い出せていなかった私)。

いずれにしても,前半を即興及びMehldauオリジナルで固め,後半にスタンダードやポップ・チューンを交えるというのがここのところのBrad Mehldauのルーティーンなのかもしれないが,今回は冒頭の3曲が相当の集中力を感じさせるものであり,後半は美的な部分と時折そこにダイナミズムを交えるという絶妙のバランスのライブだったと言ってよいだろう。因みにアンコールは"I Fall in Love Too Easily"からだったと思うが,最後まで集中力の切れないソロ・ピアノを堪能した私である。 ということで,行ってよかった,ファンでよかったと思える満足すべき一夜であった。

<Set List>
Untitled (B. Mehldau)

Untitled (B. Mehldau)
Untitled (B. Mehldau)
Waltz for J.B. (B. Mehldau)
Blackbird (J. Lennon/P. McCartney)
And I Love Her (J. Lennon/P. McCartney)
I Fall in Love Too Easily (J. Kern)
Get Happy (H. Arlin)
Linus and Lucy (V. Guaraldi)
Mother Nature's Son (J. Lennon/P. McCartney)

Live at よみうり大手町ホール on June 3, 2019

Personnel: Brad Mehldau(p)

2019年6月 4日 (火)

Brad Mehldauのソロをよみうり大手町ホールで聞く。

Bm-solo-piano 今回のBrad Mehldauの来日がアナウンスされた時,トリオでのライブとソロでのライブが告知されていた。Brad Mehldauフリークを自認する私としては,これはどっちも行かねばってことになるわけで,先日の東京国際フォーラムでのトリオでのライブに続いて,今回,よみうり大手町ホールでのソロに行ってきた。

読売新聞社東京本社ビルにあるこのホールは,キャパが500人程度,そして今回はPAなしのピアノの生音での演奏となった。冒頭から実にクラシカルな響きのピアノを聞かせて,一瞬,これはどうなるのかと思ったのだが,驚きは2曲目にやって来た。おそらくは即興で演じられた2曲目において,私がかつて聞いたことがないようなタッチをBrad Mehldauが聞かせたと思えたからである。おそらく2曲目は20分近い演奏だったと思うが,聞いていて,まだ長大なソロをやっている頃のKeith Jarrettを彷彿とさせる演奏だっと言っては言い過ぎか。しかし,ここで聞かれたトーンはフォーク,あるいはゴスペル・タッチでのKeithの演奏に結構近いのではないかと思ってしまった。そのほかの曲においても,同じような感覚を覚える瞬間もあったというのが正直なところである。

今回演奏された曲については,インプロヴィゼーションと思しき曲以外は聞いたことがあるのだが,The Beatlesの3曲と“Get Happy”を除くと曲名が思い出せない。そのうち,セットリストがアップされるだろうから,改めてとするが,今回演じられたBeatlesの曲は"Blackbird","And I Love Her",そして"Mother Nature’s Son"だったはずだが,"Blackbird"が原曲の美しさをそのまま反映させた演奏だったのに対し,ほかの2曲にはかなり強烈なカデンツァを施すという感じで,実はそこにもKeithライクな感覚を覚えていた私である。

トリオでのライブが,Brad Mehldauのオリジナルと,スタンダードまたはジャズ・オリジナルで占められていたのに対し,Beatlesを3曲やったのは意外なのか,それとも意図的なのかはBrad Mehldauに聞いてみないとわからない。まぁ,それでもあの"Blackbird"は昇天必至の演奏だったと確信している。

今回の演奏については,セットリストが上がってから改めて書くことにしたいが,今回,何よりも残念だったのは私の隣に座っていた女性客である。演奏が始まって,ステージに視線を向けていても飛び込んでくる彼女のスマホのバックライトは,音楽を聞くことへの集中の妨げ以外の何ものでもなかった。私は我慢がならず,彼女にスマホの使用をやめるように依頼した訳だが,なぜステージが始まっているのにLINEだかチャットでのやり取りをしなければならないのか,全く意味不明である。世の中の人間がスマホに支配されているように思える今日この頃だが,映画館でスマホを使うバカと同じぐらいの低劣な行為には業を煮やしていたと言わざるをえない。

もう一つ,運営側に文句を言うならば,サイン会をやるのはいいが,CD購入者先着50人というのはまぁいいとして,サイン会のフロアで知り合いを待つことも許さないというのはどういうことなのか?別にこっちは写真を撮ろうと思っている訳でもないし,迷惑をかけるつもりもないが,ああした運営は人を不愉快にさせるだけだ。

ミュージシャンは基本的にオープンな人が多いから,別にCDの購入者とだけ交流したいと思っている訳ではないはずだ。普通のジャズ・クラブなら気軽に話しかけて,サインにだって応じてくれる人がほとんどである。そもそも私はMehlianaでの来日時に,Brad Mehldauには何枚かのCDにサインをもらっているし,"Elegiac Cycle"の楽譜本にもサインをもらっているので,今回敢えてサイン会に参加する理由もなかったが,訳のわからない,あるいはまったく意味のない排除的な対応は正直言って拝金主義的で感じが悪いのはもちろん,会場担当者の対応も,なぜそこで待っているのがダメなのか全く論理的な説明ができないのは不愉快以外の何ものでもなかった。演奏は素晴らしいものだったと思えるだけに,以上の2点は実に残念であったが,これはBrad Mehldauの責任ではない(きっぱり)。

でも,今回,Brad Mehldauは(いい意味で)別次元に行ってしまったなぁと思っていた私である。それについては改めて書く機会を見つけよう。

Live at よみうり大手町ホール on June 3, 2019

Personnel: Brad Mehldau(p)

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