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カテゴリー「ライブ」の記事

2017年6月25日 (日)

Return of 中年音楽狂とマレーシアの夜のご報告

New_sound_at_alexis

シンガポールからマレーシアへ周る出張を終了して,今朝,帰国した私である。今回は現地のグループ企業やクライアント,あるいはパートナー候補との打合せに加えて,シンガポールでのコンベンション参加等,結構忙しかった上に,ナイト・ライフも忙しく(爆),なかなか体力的にきつい出張であった。そもそも帰国当日の土曜日に,マレーシアで「芝刈り」なんかしてるから体力を更に消耗するという自滅行為もしているのだから,自業自得の部分もあるが...(苦笑)。

シンガポールについては記事を2本上げたが,マレーシアにおいては,金曜日の打合せの後,現地出向中の最強サラリーマン・サックス奏者にして,私の同僚でもある八木敬之君のライブ活動の場も見させてもらうことになった。

今回はマレーシア人ピアニスト,John Dip Silasがリーダーを務めるNewSoundというバンドのライブであったが,基本的にメンバーのオリジナルを演奏するコンテンポラリー・ジャズ・バンドによる演奏であった。まずは場所のAlexisであるが,写真の通り,結構こじゃれたイタリアン・レストランでライブをやるというヴェニューであった。ライブは金曜,土曜の開催が基本で,月曜日にはジャム・セッションをやっているようである。

そしてこのNewSoundというバンドであるが,サックス2本をフロントに,ピアノ,ギター,ベース,ドラムスから成るセクステットである。演奏するオリジナルの中にはBrad Mehldauに捧げた曲もあったし,ギターはクリーンなサウンドで,Kurt Rosenwinkelのような演奏をし,曲の中にはややメカニカルな曲も含まれること等から,大体の音は想像して頂きたい。フュージョンではないが,決してコンベンショナルではない。そして変拍子も交える,まさに今風のコンテンポラリー・ジャズである。

演奏の冒頭から,なかなかドラムスがうまいねぇと思っていたのだが,やはり興味はフロントのサックスに向いてしまう。スコットランド出身のScott Murphyと,わが同僚,八木君の個性の違いがどう出るかというところであるが,正直に言ってしまえば,八木君のフレージングの引き出しの多さが際立っていたと言っておこう。オリジナルも提供していたMurphyは,ソロについては,2ndセットの最後の曲はなかなかよかったとは思うが,やや直線的なフレーズが多いように感じた。そういう意味では,仲間うちの贔屓ってところもあるかもしれないが,ソロに関しては八木君に軍配が上がる。

そして,リーダーのJohn Dip Silasは,非常に高いソロの技量を聞かせていたが,彼らのサウンドであれば,何曲かエレピを使っても面白いと思えた。ただ,ソロのフレージングはいろいろなミュージシャンを研究,吸収しているところが強く感じられた。ギターのHor Chee Seng,ベースのIcco Elnoelにもソロ・スペースが結構与えられていたが,ギターはレパートリーを考えれば,もう少しエフェクターをうまく使ってもいいように思えたが,こういうスタイルが彼のやり方ということだろう。ただ,もう少しフレージングの文脈を増やしてもいいように思っていたというのが正直な感想である。ドラムスのTerrence Lingは,うまいのは事実だが,切れ味を発揮する曲と,必ずしもそうでもない曲が分かれるように思えた。しかし,全体を通して聞けば,非常にレベルの高いバンドであることは間違いないところである。

私は私で,現場で飲み過ぎて,最後は珍しく呂律が回らないような状態に陥っているのを自覚していたが,それは演奏(及びその他の要素:謎)を楽しませてもらったことの裏返しということにしておこう。

Live at Alexis, Kuala Lumpur, Malaysia on June 23, 2017

Personnel: <NewSound> John Dip Silas(p),八木敬之(ts, ss), Scott Murphy(ts), Hor Chee Seng(g), Icco Elnoel(b), Terrence Ling(ds)

2017年5月26日 (金)

Stanley Clarke@Blue Note東京,Pat Martino@Cotton Club連続参戦記

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今年はライブに行っている本数がかなり多いが,2日連続ってのは,海外出張中を除けば,一昨年のWayne KrantzとMehliana以来のことだろう。今回はStanley ClarkeとPat Martinoという全く毛色の違うライブの連荘となった。

まずはStanley Clarkeであるが,当初から予想できたこととは言え,ベースがリーダーだとこうなるよなぁって感じの演奏だったと言ってもよい。Stanley Clarkeだったらもう少し集客がよさそうなもんだと思えたのだが,7割程度の入りってところか。私は半額未満のクーポンを使っているというのにである。そんなものなのかなぁと思ったが,演奏を聞いていても,エンタテインメントとして十分かというと,やはりバンドのメンバーにもう少し華があってもいいってところだろう。特にドラムスのMichael Mitchellは若さゆえってところもあるかもしれないが,明らかに叩き過ぎである。加えて2キーボードであるが,ソロイストとしてのメインはRuslan Sirotaの方かもしれないが,私はCaleb McCampbellのグルーブの方が気持ちよかったと思う。

それにStanley Clarke本人も,エレクトリックよりも,アコースティックの方がずっといいではないかと思わせるのが,これまた意外であった。少なくとも,私が心地よさを感じたのは,アコースティック・ベースの方である。まぁ,Stanley ClarkeのAlembicのベースの音がしつこく感じる(あるいは飽きる)からだとも言えるが,これは本当に意外としか言いようがない。いずれにしても,Stanley Clarkeはもう少し強力なソロイストがいないと,バンドとしては今一つ感があるというのは仕方がないところか。

ちなみに上の写真は,客席からスマホで隠し撮りしたものに編集を加えたものだが,我ながらなかなかいけている(爆)。

Pat_martino_at_cotton_clubそしてその翌日に行ったのがPat Martinoである。私は2009年のNYC出張中にPat Martinoのライブを,現地のBirdlandで見ている(その時の記事はこちら)が,それ以来のMartinoのライブである。今回はギター,オルガン,ドラムスのトリオであるが,ネットで見てみると,このメンツでの活動は相当長いようである。

今回は2日間限りということもあるのかもしれないが,非常に集客もよく,ほぼフルハウスの中演奏が始まった。Pat Martinoは相変わらずで,見た目は学者か,哲学者かって感じだが,その風貌から,あのフレージングが出てくるのだから,ギャップが激しい。若干"Footprints"で緩んだかなぁって気もするが,全編を通してMartino節全開と言ってもよかった。そして何よりも笑ってしまったのが,オルガンのPat Bianchiがソロを取っていようがなんだろうが,ギターのボリュームを下げることなく,コードで煽るのである。これこそ,ギタリスト・リーダーの鑑である(笑)。完全にリーダーはわしじゃ!モードであった。Pat Bianchiは,やや弾き過ぎ感もあるが,それなりに受けていた。むしろ私はドラムスのCarmen Intorreに感心していた。ステディなのだが,無駄はないし,ソロもなかなか行ける。これは結構いいドラマーだと思っていた私である。

そうは言っても,やっぱりこのバンドはPat Martinoである。今年で73歳になるので,今後何度来日できるかはわからないが,まだまだ現役で行けるって感じである。今回はサイン会もなかったが,チャンスがあれば,是非本人と話してみたいと思っている。なので,またの来日を期待したいところである。

この2日間のライブを振り返れば,間違いなくPat Martinoの圧勝であったと言っておこう。

Live at Blue Note東京 on May 24, 2017

Personnel: Stanley Clarke(b), Ruslan Sirota(p, key),Caleb McCampbell(key), Michael Mitchell(ds)

Live at Cotton Club on May 25, 2017

Personnel: Pat Martino(g), Pat Bianchi(org), Carmen Intorre(ds)

2017年5月21日 (日)

Gordon Goodwin's Big Phat Band@Blue Note東京参戦記

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私はBlue Note東京のJam Session会員っていうのになっているのだが,7回ライブに行くと,招待状がもらえるということで,今回のライブに参戦となった。この招待状では本当はBlues Brothers Bandに行きたかったのだが,出張日程と重なってしまい,Big Phat Bandのライブをチョイスとなった。たまにはビッグ・バンド・ジャズもいいかってことで(笑)。

Big Phat Bandはコンテンポラリーな響きを持つビッグバンドという印象が強いが,メイン・ソロイストにEric Marienthalを擁するからそういう感じも強くなるってことである。今回はBuddy Richの生誕100年を記念してのパートも含むということであるが,私としてはコンテンポラリーな感じが強い方がいいなぁと思っていたので,その辺は若干微妙というところもあったが,まぁよかろう。

ライブを見ていて,やはりハード・ドライビングな演奏の方が楽しめるのは間違いないところで,私はそういう曲調の方が楽しめたのは事実である。今回はBuddy Rich記念プログラムというところで,ドラムスのRay Blinkerの活躍が大きかったが,結構歳は喰っていそうなのに,パワフルなドラミングには圧倒された。メンバーも相応の実力者が揃っていて,ソロの力量も感じられたのはなかなかよかった。

Bpb_at_bnt_verticalそれにしても,今回は私の予約番号は#28ということもあり,出遅れ感があったのだが,客席(自由席)はそれほどの混雑ぶりでなかったのはなぜなのか?大量にキャンセルが出た可能性もあるが,結果的にはステージ至近の席についた私である。あまりにステージが近いので,見ていて音量に負けるのではないかと思っていたが,それほどではなかったのはよかった。ちなみに私の席とステージの距離感はこんな感じ。

尚,上の写真はBlue Note東京のWebサイトから拝借したもの。

Live at Blue Note東京 on May 18, 2017

Personnel: Gordon Goodwin(band leader,p,ts,ss), Eric Marienthal(as,ss,piccolo,fl), Sal Lozano(as,piccolo,fl,cl), Brian Scanlon(ts,fl,cl), Jeff Driskill(ts,fl,cl), Adam Schroeder(bs,bcl,fl), Wayne Bergeron(tp), Mike Rocha(tp), Jamie Hovorka(tp), Dan Savant(tp), Francisco Torres(tb), Charlie Morillas(tb), Eric Hughes(tb), Craig Gosnell(b-tb), Justin Smith(g), Ray Brinker(ds), Joey DeLeon(per)

2017年5月17日 (水)

Wolfert Brederode Trio@武蔵野スイングホール参戦記

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ECMからリリースした"Black Ice"も素晴らしかったWolfert Brederodeのトリオを見るために,会社から結構遠いのだが,武蔵境にある武蔵野スイングホールに行ってきた。

アルバムそのものも素晴らしく,このブログにも「美しくも青白く光る炎のような音楽であり,いかにもECM的なアルバム。」と書いた(記事はこちら)。そして,ライブで展開された音楽も,ほぼアルバムのイメージを踏襲したものであり,新曲もやったが,基本的には"Black Ice"からのレパートリーを演奏していた。

このトリオは,ソロ回しなどにはほとんど関心がないというような,リーダーのピアノを中心としながら,ベースとドラムスが絡みつくような演奏を繰り広げるというパターンで,まさに三位一体とでも言うべき演奏方法であったと思う。そこに聞かれるWolfert Brederodeのピアノの美しいことよ。美的で繊細,時にアブストラクト,そして時にダイナミズムも感じさせる非常にいい演奏であった。そして,彼を支えるリズム隊もうまい。ベースの音もよいし,ドラムスの切り込みはかなり鋭い。そうして作り上げられた音場はまさにインタープレイだったのである。

演奏を聞きながら,誰かに影響を受けているのかなぁなんて思いながら,誰ってのが思い浮かばない。ちょっとEnrico Pieranunzi風に聞こえる瞬間もあったが,全体を通して聞いていると,オリジナルなスタイルなんだろうなぁっていうのが結論。

Wolfert Brederodeはこれまでも何度か来日しているようであるが,私が彼の音楽の魅力に接したのは去年が初めてだった。その感覚を忘れず,告知が出た瞬間にチケットをゲットし,今回のライブに行けたのは非常に良かったと思う。ECMらしい音をライブで聞く喜びって感じか。ということで,今回の戦利品も写真をアップしておこう。

Live at 武蔵野スイングホール on May 16, 2017

Personnel: Wolfert Brederode(p), Gulli Gudmundsson(b), Jasper van Hulten(ds)

2017年4月28日 (金)

Paul McCartney@東京ドーム参戦記

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今年もやってきたPaul McCartneyを見るために,東京ドームに行ってきた。相変わらずの優れたエンタテインメント性を感じさせるライブだと思ったが,ここ数年で3回目ともなると,やはり以前見た時のような高揚感は得にくくなっているのも事実ではあるが,Paulが74歳だということを思えば,やっぱり凄い老人だと言わざるをえない。

正直に言ってしまえば,これまで見た中では最も喉の調子が良くなかったように思えたが,それでも映像を含めた演出を考えれば,スタジアム級のライブのやり方を本当によくわかっている人たちである。

これは前にも書いたことだが,ライブの演奏を5人の近年不動のバンドで,テクノロジーに依存することなく聞かせるのは本当に立派だし,ロック・バンドというのはそういうものだという矜持を感じさせるものであった。ネットによれば,今回のセット・リストは下記の通り。

01. A Hard Day’s Night
02. Junior’s Farm
03. Can’t Buy Me Love
04. Letting Go
05. Temporary Secretary
06. Let Me Roll It
07. I’ve Got a Feeling
08. My Valentine
09. 1985
10. Maybe I’m Amazed
11. We Can Work It Out
12. In Spite of All the Danger
13. You Won’t See Me
14. Love Me Do
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. Queenie Eye
19. New
20. The Fool on the Hill
21. Lady Madonna
22. FourFiveSeconds
23. Eleanor Rigby
24. I Wanna Be Your Man
25. Being for the Benefit of Mr. Kite!
26. Something
27. Ob-La-Di, Ob-La-Da
28. Band on the Run
29. Back in the U.S.S.R.
30. Let It Be
31. Live And Let Die
32. Hey Jude
encore
33. Yesterday
34. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
35. Hi, Hi, Hi
36. Birthday
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. The End

お馴染みのナンバーが多い中で,改めて"My Valentine"は曲の素晴らしさを感じさせた。BeatlesやWingsのナンバーの演奏は,予定調和だと言われればその通りかもしれないが,一緒に歌える幸せを感じられればそれでいいのである。しかも,こっちは約2.5時間超立ちっぱなしなだけで,膝や腰が痛いとか言っているのに対し,ショー全体を通して歌い通す,74歳のPaulはいやはや立派としか言いようがないとずっと思っていた。今回も,いつもの演出だと思いながらも,"Something"を聞いて,ウクレレ・パートから"Abbey Road"的な演奏に移行する瞬間と,そのバックに映るGeorgeとPaulの姿に涙し,"Live and Let Die"の炎の熱量に圧倒されて帰ってきた私であった。ということで,その2枚の映像をアップしておこう。

Live at 東京ドーム on April 27, 2017

Personnel: Paul McCartney(vo, b, g, p, ukulele), Rusty Anderson(g, vo), Brian Ray(g, b, vo), Paul Wickens(key, hca, vo), Abe Laboriel, Jr.(ds, perc, vo)

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2017年4月 8日 (土)

Electric Miles Band@Billboard Live Tokyo参戦記

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Miles Davisのバンドに在籍したメンバーが集って,エレクトリック期のMilesナンバーを演奏するという企画自体はわからないわけではない。私もエレクトリック期のMilesのアルバムはブートレッグを含めて,相当量聞いているので,興味もあるところでライブに参戦してきた。

結論から言えば,演奏自体には全く破たんはないし,メンバーそれぞれにスポットライトを当てるというのはこうしたバンドとしては当然のことだろう。だが,演奏を聞いていて,どうにもゆるい。より端的に言えば,緊張感に乏しいのである。典型的な「昔の名前で出ています」的な演奏と言えばいいだろうか。先日のLevel 42の演奏が,現役感バリバリで,かつエンタテインメントだったのに対し,どうも「お仕事」的な感覚が強い。

正直言って,客入りも芳しくはない中,演奏に対する受けが悪いのは,聴衆が期待するようなテンションを発露できなかったからだと思う。各々のソロとかに問題があるというわけではない。結局のところ,Milesのにらみが効いていなければ,同じようなメンツで,同じような曲をやっても全然違うものにしかならないという,当たり前と言えば当たり前のような事象が発生していたのである。結局,私はライブの間,Milesは偉大だったと思わざるを得なかったというのが正直なところである。

より今日的な部分を示そうと思えば,DJ Logicをもっとフィーチャーするということもできたはずだが,DJ Logicについてはほとんど見せ場もなく,一番可哀そうだったのは彼だと思えた。バックで,ゆるゆるにターンテーブルを回しているだけでは,DJとしての力は全然発揮のしようがなかったというところである。ここにDarryl Jonesがいたことは驚きではあったが,Rolling Stonesの仕事がない時はこういう演奏をしてるってことかもしれないが,それにしても,昔のようなファンク・フレイヴァーをもっと聞かせてもよかったと思う。

ということで,ライブが全部が全部当たりになることはないが,これははっきり言って残念ながらはずれの演奏であった。ライブ終了後,つくづくMiles本人の演奏が聞きたくなっていた私である。

Live at Billboard Live東京 on April 7, 2017

Personnel: Vince Wilburn Jr.(ds), Munyungo Jackson(perc), Blackbyrd McKnight(g), DJ Logic(turntable), Robert Irving Ⅲ(key), Greg Spero(key), Antoine Roney(ss, ts, b-cl), Darryl Jones(b), Debasish Chaudhauri(tabla), Etienne Charles(tp)

2017年4月 6日 (木)

Level 42@Billboard Live東京。彼らはまじでライブ・バンドであった。

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私はこれまでLevel 42の音楽を聞いたことがなかったのだが,今回お誘いを受けて,Billboard Live東京のライブに行ってきた。

私はBillboard Live東京というヴェニューではほとんど例外なくカジュアル・シートに座っているが,今回もカジュアル・シートである。まぁ,天井桟敷のようなものだが,音楽だけ楽しむのであれば,この席で十分だし,ワンドリンクもついているので,割安感があるのだ。ついでに言えば,写真も上のように撮り放題みたいなもんだしねぇ。

今回,ライブに行く予習として,彼らのベスト盤をApple Musicで聞いていたのだが,私は彼らはフュージョン・バンドだと思っていたのに対し,聞こえてきたのは,ほとんどヴォーカル入りのポップ・フレイヴァーの強い演奏であった。しかも,決して歌は上手いとは言えない。こんな調子ではライブは一体どうなるのだろうと思って,現地に赴いたのだが,ライブにおける彼らの演奏は,ファンク度が高く,演奏の間,身体を揺らし続けていた私である(笑)。

今回の演奏は,間違いなくApple Musicで聞いた演奏よりも楽しめたし,聴衆を乗せる術を心得たバンドだと思えた。とにもかくにもMark Kingのスラッピングが心地よい。更にそれを支えるドラムスのPete Bigginがタイトなリズムがまたまた興奮度を高めるものだったと思う。彼らはライブでこそ光るバンドだと確信していた私である。

ライブを見ていて,エンタテインメントだなぁと思っていたが,ここまでグルーブさせてくれば,十分元は取ったと思った私である。ついでに言っておけば,踊り狂う聴衆の姿を見て笑っていたのも事実なのだが,彼らが踊りたくなるのもわかるような気がしていた。

いずれにしても,あまりにMark Kingのスラッピングがカッコよかったので,私もエレクトリック・ベースを弾きたくなってしまったではないか。買おうかな(爆)。

Live at Billboard Live東京 on April 5, 2ndセット

Personnel: Mark King(vo, b), Mike Lindup(key, vo), Nathan King(g, vo), Pete Biggin(ds), Sean Freeman(sax, vo), Daniel Carpenter(tp, vo), Nichol Thomson(tb, vo)

2017年4月 5日 (水)

Blue Man Group,Tiny Desk Concertを乗っ取る(笑)

Blue_man_group

Blue Man Groupは長年に渡って,NYCはイースト・ヴィレッジにあるAstor Place Theaterをベースにいろいろなところでパフォーマンスを展開しているが,日本でも2回,足掛け4年近くのロングラン公演をやっていたから,彼らのライブを見たことがある人も多いと思う。私も六本木でライブを見た時は大笑いさせてもらったが,そんな彼らが米国の公共ネットワーク,NPRの人気プログラム"Tiny Desk Concert"に出演している映像があった。

"Tiny Desk Concert"はNPRのオフィスにミュージシャンを招いて,狭いオフィスでライブをやらせてしまうという企画だが,結構凄いミュージシャンが出演しているのである。Tedeschi Trucks Band然り,Chick Corea~Gary Burton然り,Joshua Bell然りと様々なジャンルのミュージシャンがここには登場している。そこにBlue Man Groupの名前を見つけて,「おい,おい,大丈夫なのか?」と思ってしまったが,久しぶりに彼らのパフォーマンスを見たが,やっぱり笑えるし,面白い。機会があったら,またライブをポンチョをかぶって見たいもんだと思ってしまった(笑)。

ということで,Blue Man Groupがそれこそ"Tiny Desk Concert"を乗っ取った時の映像が,NPRからYouTubeにもアップされているので,貼り付けておこう。見れば見るほど面白いし,受けまくっている。いいねぇ。

2017年3月29日 (水)

Esperanza Spalding@Blue Note参戦記

Esperanza_at_blue_note私が,Esperanza Spaldingのライブを見たのはほぼ4年前のオーチャード・ホールに遡る(その時の記事はこちら)。その後も昨年は"Emily's D+Evolution"のリリースを受けたツアーを行っているが,それは私は見ていない。だが,新作はミュージック・マガジン誌ではアメリカン・ロックとして評価されていて,へぇ~と思っていた私である。

そんなEsperanza Spaldingが突如,トリオで来日してBlue Note東京でライブをやると聞いては,やはり気になる。告知されたのが公演約1カ月前ぐらいだったはずなので,急きょ決定みたいな感じだったのではないかと思える。ということで,初日の2ndセットに参戦してきたのだが,この公演は,最近では最もネットの予約がつながりにくかったものの一つと言ってもよいかもしれない。それぐらいの大人気で,3日間,ほぼソールド・アウトのような状態のようである。

今回はEsperanzaのベース,ヴォーカルにギター,ドラムスという最小編成と言ってよいものであったが,際立つのがEsperanza Spauldingのベーシストとしての手腕である。とにかくうまい。アコースティック・ベース,フレットレス5弦エレクトリック・ベースをほぼ半々で弾いたEsperanzaであったが,ファンクであれ,ブラジル・フレイヴァーであれ,4ビートであれ,何でもござれである。しかもそれが素晴らしい音で奏でられるのだから,ベーシストとしてだけ活動しても間違いなくやっていけると確信させるに十分。そこにあの声がかぶさると,もはやジャズ界では無敵って感じがする。私は,ヴォーカルの魅力は認めつつも,今回は完全にベース・プレイヤーとしてのEsperanzaに圧倒されたというのが正直なところである。

そのEsperanzaを支えたギターのMatthew Stevensはリーダー作もリリースしているが,テレキャス1本,かつエフェクターにほとんど頼らない音で勝負するという感じであった。この人のフレーズのアウト感覚には,聞きながら,「変わってるわ~」と思わせつつも,聴衆には受けていた。ギターは変態的だが,1stと2ndの間に,トイレの脇でスマホをいじくっていた彼を目ざとく見つけた私は,ちょいと声を掛けたが,話しっぷりは好青年そのもの。握手の力強さが印象的なナイスガイだったということは付け加えておこう。

そして,ドラムスのJustin Tysonはサポートに徹するという感じの叩きっぷりであったが,非常にタイトなドラミングはバンドとしてのノリをプッシュする力強さがあったと思う。

曲は新旧取り混ぜて満遍なくって感じだったが,私はWayne Shorterの曲にEsperanzaが詞を付けた"Endangered Species"のファンク的な乗りがベース,ヴォーカルともに一番だったと思っている。ちなみにEsperanzaは途中で,聴衆がおとなしいって言っていたが,確かに普段の彼女のライブならば,もう少しワイルドなレスポンスがあるのかもしれない。まぁ,大部分はロックなノリの聴衆ではなかったので,まぁそれも仕方ないだろう。

演奏は本チャンが55分ぐらいの短めのセットだったが,アンコール2回で都合75分ということで,まぁ普通かなぁってところであったが,やはり日頃からエンタテイメントとしてのライブを行っていることを感じさせる演奏で,大いに楽しめた。これで私の体調がもう少しよければ,尚よかったんだけどねぇ(苦笑)。

Live at Blue Note東京 on March 27, 2017,2ndセット

Personnel: Esperanza Spalding(b, vo),Matthew Stevens(g),Justin Tyson(ds)

2017年3月24日 (金)

Enzo Favata@イタリア文化会館に行ってきた

Enzo_favata東京の九段にあるイタリア文化会館は,たまにイタリア人ミュージシャンのライブが無料で見られる。それも結構真っ当な人たちが出演するので,ライブの告知はチェックするに値するヴェニューである。私は以前,Dado MoroniとMax Ionataのデュオをここで見たことがあるが,今回は全く知らないミュージシャンであったが,無料ということもあり,ネットで申し込みの上,行ってみた。

Enzo Favataという名前は,初めて聞いたが,イタリア文化会館の告知によると,「サルデーニャ島出身。1983年ジャズミュージシャンとしての活動を開始。1988年にカルテットを結成し、サルデーニャの民族音楽に、ジャズのインプロヴィゼーションや他国の民族音楽を取り入れた演奏を行う。映画音楽のほか、演劇、ラジオ、テレビ番組のための作曲もてがける。毎年夏にサルデーニャ島北部の町サンタ・テレーザ・ディ・ガッルーラで開催されている国際ジャズフェスティバル「ムジカ・スッレ・ボッケ」のディレクターを務めている。」とある。今回のライブも「ジャズ・ライブ」と銘打ったものだが,ミュージシャンは彼一人で,あとはラップトップやシークェンサーを駆使した音楽は,ジャズ的というよりも,私には映画音楽的に響いた。

ある意味,アンビエント・ミュージックに近い雰囲気もあるので,私は何度か頭を垂れそうになってしまったが,なかなか面白いライブだった。それはEnzo Favataが駆使する楽器がいろいろあったからである。ソプラノ・サックス,クラリネット,バスクラに加えて,バンドネオンやら,Jew's Harp(口琴,マカロニ・ウェスタンの音楽なんかに出てくる,口にくわえるなどして、その端を指で弾くもの),更にはサルディニアの古楽器(確か2100年前のものとか言っていたがほんまか?)まで使って,色々な音色を聞かせたからである。

イタリア文化会館のライブは,日頃,ジャズに関心のなさそうな聴衆まで集まるところは,武蔵野スイング・ホールの聴衆に近いものがあるが,それにしても,今回,「ジャズ・ライブ」だと思って来場した人には,違和感が大きかったんじゃないの?と言いたくなるようなものではあったが,そこは雑食の私(笑),全然問題なしであった。

知名度も高いわけではないであろうEnzo Favataの今回の来日がどういう理由によるものかはわからないが,今回聞かせたような音楽であれば,やはり映画音楽としてのフィット感が強いと思わせるものであった。だが,それは欧州の映画にこそフィットするのであって,決してハリウッド製の大作ではありえないって感じだろう。いずれにしても,世の中にはいろいろな音楽があるねぇと思わせたライブであった。写真はネットからの拝借。

Live at イタリア文化会館 on March 23, 2017

Personnel: Enzo Favata(ss, cl, b-cl, jew's harp, bandneon, vo,laptop, and others)

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