最近のトラックバック

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

2016年おすすめ作

無料ブログはココログ

カテゴリー「ライブ」の記事

2018年9月14日 (金)

Arturo Sandoval@Blue Note東京:まさにエンタテインメントですな。

Arturo_sandoval_at_blue_note_2

Blue NoteにはJam Session会員というメンバーシップがあるが,今回のライブは会員+1名が半額で入場可ということもあり,私としては極めて珍しいタイプのライブに足を運んできた。元はIrakere出身のArturo Sandovalバンドに,ゲストとしてJane Monheitを迎えるというプログラムである。

As_blue_note最初からなんともエンタテインメントなジャズで,非常に楽しいライブではあるのだが,日頃私が行っているタイプのライブとは全然毛色が違って,やっぱり嗜好って出るよなぁと思ってしまった。

Arturo Sandovalは私が初めてNYCを訪れた1983年の8月に,Sweet BasilのGil Evans Orchestraに参加しているのを見て以来だと思うが,その時も超絶ハイノートを吹きまくっていて,聴衆には受けていたが,私としてはやり過ぎ感があったのも事実。だが,それから35年も経つと,Arturo Sandovalも私も年を取った。しかし,あっちは元気なものである。ラッパだけでなく,ピアノ,キーボード,パーカッションにヴォーカルと,まぁよくやるわって感じの69歳であった。まぁ,とにかく聴衆を盛り上げるのはうまいものだと思わせるが,"Bye Bye Blackbird"の一節を聴衆に歌わせるのは,ちょっと日本では厳しいかなぁって気もした。だが,キューバ出身らしいラテンのノリが,驚きのほぼフルハウスに近い聴衆を喜ばせていたのは間違いないところ。ラッパはちゃんと音も出てたしねぇ。立派なものである。

ゲストのJane Monheitはややコンテンポラリーな感じの曲を中心にしていて,やっぱりうまいよねぇと思わせるものの,世代の近い歌手で言うと,私はRoy Hargrove Big Bandで見たRoberta Gambariniの方が上かなと思っていた。今回の選曲が彼女に向いていたかどうかは判断できないが,ヴォーカルをあまり聞かない私の第一印象はそういう感じだったのである。まぁ,でも演奏に華を添えるという意味では,ちゃんと役割を果たしていた。

だが,むしろ私はテナーのMike Tuckerが,Breckerライクなソロを展開していて,うまいもんだと思わせたところに感心したし,あまり知った名前ではないバックの面々が,相当の実力を持つ人たちだということに驚かされたのも事実であった。

私の行った2日目はアンコールなしではあったが,オフ・ステージに行かないでやった"Seven Steps to Heaven"がアンコール代わりって感じだったのかもしれない。まぁ,私がリーダーだったら,Jane Monheitにスタンダードか,ラテン系の曲を歌わせたかもしれないが。

いずれにしても,エンタテインメントとしては大いに楽しめるが,たまにはこういうのもいいとも思うものの,やっぱり半額だからこその参戦だったと思う私である。ラテンもいいが,やっぱり私はより美的か,メカニカルか,ファンクか,あるいはロックかって感じの方が好みってことである。正直言って客層も,私がいつも行くライブとは明らかに違っていたしねぇ。

いずれにしても,今回はギックリ腰を抱えての参戦であったが,何とか乗り切れたのはよかった。尚,上の写真はBlue NoteのWebサイトから拝借したもの。

Live at Blue Note東京 on September 12, 2018, 2ndセット

Personnel: Arturo Sandoval(tp, vo, key, p, perc), Jane Monheit(vo), Mike Tucker(ts), Max Haymer(p, key), John Belzaguy(b), Johnny Friday(ds), Tiki Pasillas(perc)

2018年9月 7日 (金)

Kurt Rosenwinkel@Cotton Club参戦記

Photo

Kurt RosenwinkelのCotton Clubでの3日間のライブの中日を観に行ってきた。当初,セカンドだけを観るつもりで,大混雑を予想してちょっと早めに並びに行ったのだが,誰もいない。ってことで,待っててもしょうがないから,財布には痛かったが,ファースト・セットからの参戦となった。で,中に入ってみると,半分ぐらいしか埋まっていない。まぁ,当日は関西地方を襲った台風の影響で,東京も強風が吹いていたから,家路を急いだ人も多い中でのライブなので,多少集客力の低下があったかもしれない。まぁ,それでもセカンドは7~8割方埋まったってところか。

一言で言えば,この人の演奏は淀みがなく,流れるようなフレーズが次々と出てくる。変態的な超絶技巧とは感じさせないが,マネできそうでも実際にはマネは難しいって感じがするなぁとずっと考えていた。まぁ,それでもファーストでやった”Confirmation“なんて崩しまくりで,十分変態だったが。

オリジナルはファーストの1曲目だけだったと思うが,これが結構コンテンポラリーな感じでぞくぞくしてしまったが,それ以外は先人のジャズ・オリジナルやスタンダードで固めるというかたちだった。これはベースに急遽,須川崇志が入るということで,妥当な対応だったと思うが,Kurtの足元には,曲目が書いたリストがあって,そこからその場で弾く曲を選んでいるって感じだったのは,Fred Herschと同じだろう。

今回,象徴的だったのは,ファースト,セカンドともにMingusとジョーヘンをやったことか。ファーストではそれぞれ”Self-portrait in Three Colors”と“Punjab”,セカンドでは“Goodbye Pork Pie Hat”と”Serenity“をやったはずだ。その辺にRosenwinkelの志向が感じられる。“Goodbye Pork Pie Hat”は結構ストレートにやっていて,ついついJeff Beckと比較したくなった私。

今回,ドラムスは父親はギターのMark Whitfield, Jr.だったのだが,血筋を感じさせるドラミングは実に大したものであった。リーダーが作曲者を思い出せないでいると,すかさずBenny Golson(”Along Came Betty“)だ,John Lewis(”Milestones“)だとすかさずサポートするところは,勉強熱心だねぇと思わせた。ドラムスを叩いている時の笑顔とか,好感度の高い人であった。また今回シットインの須川崇志はよく頑張ったが,ソロのクォリティにばらつきがあったのはちょいと惜しい。それでもトラの役割は十分果たしていたとは思う。

尚,今回は終演後のサイン会はなかったが,来場者にはお土産にピックが渡されていた。でもSong X Jazzとしてはサイン会をやって,売上と印税に貢献した方がいいように思うけどなぁ。まぁ,私は以前,国立でサインはゲット済みだからいいんだけど。

Live at Cotton Club東京 on September 4, 2018,1st & 2ndセット

Personnel: Kurt Rosenwinkel(g), 須川崇志(b),Mark Whitfield, Jr.(ds)

2018年8月21日 (火)

Jonathan Kreisberg at Cotton Club参戦記

Jonathan_kreisberg

先だってのDr. Lonnie SmithのバンドでのJonathan Kreisbergの演奏が非常によかったので,その約3週間後という短いインターバルでの再来日となったJonathan Kreisbergのトリオのライブを観に,Cotton Clubへ出向いた私である。

ライブの後に,どうしても欠席のできない電話会議があり,いつもとは違って1stセットの参戦となった私であるが,今回もJonathan Kreisbergの恐るべきテクニックを堪能したと言ってよいだろう。えげつない感じはしないのだが,彼の弾いているフレーズは半端なものではなく,今回のライブを観ながら,Jack Wilkinsとテクではいい勝負ではないかなんて思っていた私だった。とか言いつつ,Jack Wilkinsのライブは観たことはないが...(苦笑)。

冒頭の"Gone with the Wind"で繰り広げられたソロ・フレーズなんて,一体どうなっているのかと思わせるようなめくるめくようなフィンガリングだったと思うし,この人,まじで半端ではないと思ってしまった。更に"Until You Know"という曲だったと思うが,もはやプログレではないかと思わせるような演奏まで,技のデパートみたいな感じである。だが,それがいかにも技術をひけらかすようなかたちではなく,普通に演奏している中で出てくるところがこの人の凄さであった。

今回はオルガンのGary Versace,そしてドラムスにColin Stranahanを迎えての演奏であったが,同じ編成でもDr. Lonnie Smithの時とはかなり感じが違う。今回の演奏においては,私はどちらかと言えばコンベンショナルなタイプの演奏の方がよかったと思える。しかし,アンコールでPat Methenyの"Secret Story"から"Tell Her You Saw Me"をやってしまうことからもわかるように,コンテンポラリーな曲想も取り入れながらの演奏なので,Jonathan Kreisbergもいろいろやりたいんだろうなぁというのはよくわかるし,ちゃんとできる人である。それでも,好みは好みとして言っておこう。

以前,同じくCotton ClubでEric Marienthalを観た時もそうだったのだが,今回,リーダーとしての来日ということで,Jonathan Kreisbergが非常に嬉しそうにMCをやっていた。思うに,バンドを引き連れて演奏するということには,ミュージシャンならではの喜びがあるということだろうが,それも実に微笑ましかった。

演奏終了後は,1stセットでありながらもサイン会もちゃんとやっていて,「ギターやってます」的なお兄ちゃんたちの列(女子率ゼロだったように思える)ができていた。かく言う私もその一人だが,ちょっと失敗だったのは新譜のNelson Verasとのデュオ作にサインをもらったのはいいものの,黒のペンではよく見えないってこともあり,金色のペンでダブルでサインしてもらったら,案の定,金色のペンがにじんでしまって,何のことだかわからなくなってしまったのは痛い。まぁ,これも記念ってことでよしとしよう。前も似たような経験をしたことがあるが,懲りないねぇ。

しかし,次のライブはKurt Rosenwinkel,その次はArturo Sandovalを挟んで,Pat Martinoの予定である。やっぱりギター好きなのねぇ,私も(笑)。おっと,Arturo Sandovalの前にはNYC出張だから,またどこかに行っちゃうかもな。

Live at Cotton Club東京 on August 20, 1stセット

Personnel: Jonathan Kreisberg(g), Gary Versace(org), Colin Stranahan(ds)

2018年8月 6日 (月)

遅くなったが,先日のライブ2本の模様を。

Marc_ribot_at_blue_note

仕事での飲み会が続いており,ライブの記事をアップする余裕がなかったので,記憶が風化しないうちにレポートしておこう。今回,行ったのはMarc Ribotのバンド,Ceramic Dogと,Dr. Lonnie Smithのトリオであった。場所はともにBlue Note東京であったが,この全く違うタイプのライブに行ってしまうところが,私も変態だと思うが,どちらも非常に面白いライブであった。

Marc Ribotのバンド,Ceramic Dogは既に3枚のアルバムリリースしているが,Blue Noteの後にはフジロックにも出演したはずである。場所としては,間違いなくBlue Noteよりもフジロックの方がフィットしていると思われる,強烈なパンク的な感覚さえ感じさせる演奏は,彼らの最新作を予習として聞いた時からわかっていたことだが,完全に魂はロックだよなぁなんて聞きながら思っていた。やっている音楽は激しいのだが,演奏終了後のサイン会での対応は,真っ当な人間そのものであり,非常に好感度が高い人々であった。上の写真はBlue Noteのサイトから拝借したもの。尚,ドラマーのChes SmithのECMにおけるリーダー作を持って行かなかったのは失敗だったなぁ。すっかりそのことを忘れていた。まぁ,バンドのサインは揃っているからいいんだけど。

Lonnie_smith_and_iそれに比べるとDr. Lonnie Smithのトリオは,オーセンティックな響きが強いが,ややリーダーはお疲れ気味だったのに対し,ギターのJonathan Kreisbergは好調そのもの。素晴らしいソロ・フレージングのみならず,バッキングのカッティングもうまいし,いやはや実力あるわと思わせる人であった。ドラムスのXavier Breakerは初めて聞く名前であったが,この人もバッキングは的確で,腕もよい人だった。

Jonathan_kreisberg_and_iアンコールにおいては,フリー一歩手前みたいな展開になったのには驚かされた(かつあまり面白くなかった)が,それでも全体的にはファンク風味も楽しいライブであったと思える。とにかくこのらいぶにおいてはリーダーよりもJonathan Kreisbergへの注目度が一気に上がってしまった私であった。そして,Jonathan Kreisbergが8月に自身のバンドでの来日も控えているだけあって,ロビーでの宣伝にも余念がなかったが,いずれにしてもナイス・ガイであった。彼のバンドでの来日時にも行きたいと思わせるに十分な演奏だったと言えよう。それにしても,Dr. Lonnie Smithの杖が楽器(パーカッシブに叩くと,叩く位置で音階が変わるって感じ)だとは思わなかったぜ(笑)。

ということで,ライブの写真の模様,戦利品と,Dr. Lonnie Smithと私,そしてJonathan Kreisbergと私ってことで,モザイク付きでアップしておこう。彼らも気さくなナイスな人たちであった。Dr. Lonnie Smithが「眠い~」を連発していたのには笑えたが。

Live at Blue Note東京 on July 25, 2018

Personnel: Marc Ribot(g, vo), ShahzardIsmally(b, g, perc, vo), Ches Smith(ds, perc, vo)

Live at Blue Note東京 on July 30, 2018

Personnel: Dr. Lonnie Smith(org, stick), Jonathan Kreisberg(g, stick), Xavier Breaker(ds)

Lonnie_smith_at_blue_note_2

_20180730

2018年7月26日 (木)

Marc Ribotのライブの戦利品。

_20180726_2

昨日,Marc RibotのCeramic Dogのライブに行ったのだが,絶対こいつら変態やっ!と思わせるに十分なライブであった。久しぶりにロックを感じさせる人たちの演奏を聞いたって気がする。

やってる音楽は変態でも,終わった後のサイン会の所作は極めて普通。ミュージシャンの鑑だよねぇ。ってことで,今日は戦利品のみだが,ドラマーのChes SmithのECMのアルバムは持って行けばよかったなぁって反省する私。

2018年6月21日 (木)

Mike Stern@Blue Note東京参戦記

C6e84354418b4fabb6b00663c45bcd0d私はMike Sternのファンである。なので,彼が来日するとなれば,ライブには出掛けるし,NYC出張中に55 Barやほかのヴェニューに出ることがわかっていれば,駆けつける。4月のNYC出張中も,後輩を引き連れて55 Barに行った。そのマイキーが小曽根真,Tom Kennedy,Simon PhillipsでBlue Note東京に出演するとあって,今回も行ってきた。

NYCでの演奏でもわかっていたのだが,手の怪我の影響は演奏には出ていないが,手の状態は握手をするのも大変な感じなのは痛々しい。それでも,彼のファンを大事にする明るいキャラで救われている感じがする。

今回もマイキーの演奏は快調そのもの。Tom Kennedyはボトムを支えるだけでなく,ファンキーなソロもよかった。そしてSimon Phillipsは明らかにマイキーとのハードな共演を楽しんでいると思われ,今回も超タイトなドラムスを聞かせてくれた。今回のドラムスの興奮度はBill Evans(サックスの方)のBlue Note東京におけるライブ盤におけるDennis Chambersのドラムスを彷彿とさせるものだった。今回,驚いたのはSimon Phillipsが右手でも左手でもシンバル・レガートを決めていたことだが,それを見て彼は両手利きなのか?と思っていた私である。

642f0b0020b949439312ba580720ebcd ということで,彼らの演奏には全然不満はない。私が不満なのははっきり言って小曽根真である。どうして,マイキーのバンドにほんの短い時間とは言え,クラシカルなサウンドを持ち込まなければならないのか?ああいうのはChick Coreaとやってくれよと言いたい。マイキーも小曽根に合わせてパラパラとフレーズを弾いていたが,マイキーのファンはあんな音は求めていない。Tom KennedyとSimon Phillipsがリーダーたるマイキーの音楽を尊重していたのと真逆である。ピアノをお上品に弾くのは自分のライブでやってくれればいいし,はっきり言うが,全然合っていない。小曽根真はやろうと思えば,ちゃんとアーシーなオルガン・プレイだってできるのは4年前の同じBlue Note東京でのマイキーとの共演でわかっているのに,オルガンさえも大して面白いとも思えず,今回は非常に印象が悪かったと言っておこう。私はどうせなら小曽根真抜きのトリオでやってくれと思っていたというのが本音である。

19ca54a6b36142b2bdba7430de843a21まぁ,それはさておき,ライブ終了後に縁あって楽屋を訪れることができたが,Tom Kennedyもナイスガイなのには本当に嬉しくなった。マイキーもTom Kennedyも本当にいい人たちなのであった。小曽根真の演奏に納得できていなかった私だが,マイキーとTomとの会話で気を取り直したのであった。マイキーは4月に55 Barで会ったのを覚えてるとか言っていたが,ほんまか?と思いつつついつい喜んでいた私である。ってことで,今回の戦利品と「マイキーと私」,「Tom Kennedyと私」の写真をアップしておこう。“Trip”のCDには地味にTom Kennedyのサインも入っているが,わかるかなぁ...。

Live at Blue Note東京 on June 18,2018

Personnel:Mike Stern(g, vo), 小曽根真(p, org), Tom Kennedy(b), Simon Phillips(ds)


2018年6月15日 (金)

Christian McBride's New Jawn@Cotton Club参戦記

Christian_mcbride_at_cotton_club

今日はChristian McBrideの新しいバンドであるNew Jawnのライブを見るために,Cotton Clubに行ってきた。今回は早割チケットみたいなのがあって,3割引きだったのは結構お得感ありである。

まぁ,これまでのChristian McBrideの活動からすれば,そこそこ埋まるだろうとは思っていたが,だいたい85~90%の入りってところだっただろうか。それでもって,今回のライブであるが,ピアノレスの2管クァルテットということもあり,これってOrnette Colemanを意識しているのではないかという感じもあったのだが,演奏が始まってすぐに,おぉっ,これはスポンテイニアスだと思ってしまった私である。ピアノレスであることにより,演奏の自由度が高まることは想定内であったが,ほぼフリー一歩手前みたいな演奏であり,私は演奏の質には満足していたのだが,どうもCotton Clubというヴェニューに合わないなぁとずっと思っていた。

こういう音楽がフィットするのはNYCであれば,Village Vanguardとかであり,東京ならばPit Innだろうって気がする。Cotton Clubに集う聴衆にも,Cotton Clubという場所そのものにも合っていないのである。冒頭に演奏したのはWayne Shorterの"Sightseeing"だと言っていたが,ってことはWeather Reportでやっていた曲ってことになるが,ほとんどテーマを除けば,それらしい感覚は得られないって感じなのだ。ビートは自由に変動するし,ドラムスのNasheet Waitsは,相当の煽りを入れる。本当に自由度が高いので,実は一番盛り上がったのが,アンコールでやったOrnette ColemanとPat Methenyが"Song X"で演じた"The Good Life"だったっていうのが象徴的である。この曲,"Song X"の20周年記念盤に収録されている曲だが,Ornetteらしい不思議なメロディ・ラインでありながら,この日,唯一ビートが安定していた曲なのだ。

結局のところ,フリーに近い演奏に慣れていない一般的な聴衆,あるいはCotton Clubというヴェニューを別の目的で使う人々にとっては,イメージと違うってことになってしまうのは仕方あるまい。繰り返すが,私は音楽には全然抵抗はなかったのだが,場所柄どうなのよって疑問だけが強く感じられたのであった。

まぁ"New Jawn"というバンド名はフィラデルフィア地方の表現からすれば"Something New"ってことになるはずなので,まさにChristian McBrideにとっては,これまでとちょっと違う音楽だったということは間違いのない事実である。

そうしたバンドの演奏の中で,ドラムスのNasheet Waitsは以前,Fred Herschと一緒にやっていたとは思えない叩きっぷりなのには驚いた。パワー,スピードを兼ね備えた器用なドラマーであることがわかったのは収穫である。

ただ,どうなのかねぇ。リーダーはMCも兼ねて人当たりがいいのは前からわかっていたが,ラッパのJosh Evansの愛想のなさは,ちょっと行き過ぎではないかと思えた。別に聴衆に媚を売る必要はないが,オーディエンスとのコミュニケーションなりはもう少し大事にする姿勢があってもいいように思える。Nasheet Waitsも同じようなもんだったが,最近のミュージシャンには珍しい不愛想ぶりが際立ったのは残念。Miles Davisだって不愛想だっただろうという人もいるかもしれないが,Josh Evansの実力,そして認知度はこのバンドで一番下なのだ。もう少し謙虚な姿勢を示してもいいと感じてしまう。

いずれにしても,私は音楽自体は聞いていて結構面白いと思っていたが,やっぱり場所の選択は間違ったと言わざるをえないというのが今日の結論。なんだか惜しいねぇ。Christian McBrideのライブとしては,前回聞いたトリオでの演奏の方が圧倒的に楽しかったと思わせてしまうところがもったいないのである。

Live at Cotton Club東京 on June 14, 2018

Personnel: Christian McBride(b), Josh Evans(tp), Marcus Strickland(ts, ss, b-cl), Nasheet Waits (ds)

2018年6月 3日 (日)

Adam Rogers DICEライブの戦利品。

Adam_rogers
先日のCotton ClubにおけるAdam Rogers DICEのライブの際の戦利品の画像をアップしておこう。上の2枚はAdam Rogersのアルバム,下の2枚はクリポタ関係のものである。

下の2枚は,Underground OrchestraはNYCの55 BarでFima Ephron Groupのライブを見た時に,FimaとNate Smithにサインはもらっていた。その場にAdam Rogersもいたのだが,結構大事にしているピックが見当たらないとかで,かなりご機嫌斜めだったので,話しかけるのを遠慮していた。また,Vanguardのライブ盤についてもその時,Nate Smithにはサインはもらっていたのだが,インクがかすれたのは私がペンの選択を誤ったためであるが,まぁいいや(クリポタはUndergroundでの来日時にもらっていたもの)。そこにようやくAdam Rogersのサインが追加されたってことで,あとはUndreground Orchestraにクリポタのサインをゲットせねば。

ってことで相変わらずミーハーな私である。

2018年6月 2日 (土)

遅くなったが,Adam Rogers Dice@Cotton Club参戦記。

A32a90bd841d46378d7ab79f58b6d0f6 Adam Rogersのバンド,DICEを観るためにコットンクラブに行ってきた。本人も言っていたが,今回が16回目の来日らしいが,リーダーとしての来日は初めてであり,高揚感を感じさせたのは,Eric Marienthalも同じようなことを言っていたから,やはり別の感慨があるってことだろう。

今回は半額のクーポンをゲットして,2セット通しでの参戦となったが,1セット目がアルバム“DICE”からの曲を中心に演奏し,えげつないまでの変拍子を炸裂させた彼らだが,2ndセットは新曲も交えて1stセットと全く異なる曲を演奏したのが,ジャズマンらしくて好感が持てた。昨今は1st,2ndで同じようなレパートリーで演奏するミュージシャンも多いが、今回のライブは彼らはミュージシャンシップを感じさせるものだったと言っておきたい。

今回来日したメンバーにKevin Haysを加えたFima Ephron Groupのライブを私は55 Barで見たことがあるが,その時の演奏とも,クリポタ率いるUndergroundの演奏とも違う。Adam Rogersの個性が出ているバンドだという気がした。Adam Rogersのカッティングは鋭く,フレーズにはジョンスコ的変態性も感じさせつつ,特に1stでは激しく演奏したと言えるだろう。その一方で,カントリー的なルーツも感じさせるトーンも聞かせるというのが実に面白かった。一言で言えば懐が深いのである。まぁ,ドリカムのバックもやってしまうんだから当たり前か。

加えてこのバンドのキモはドラムスのNate Smithだと感じさせる強烈なドラミングは少ない聴衆をも興奮させるに十分なものであった。やっぱ凄いわ。

因みに2ndはMonkの“Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are”で幕を開け,アンコールが“I Fall in Love Too Easily”とまたもMonkの”Off Minor“だったのにはちょっと驚いたが,やはり彼らはジャズマンなのであった。ということで、写真はいつものようにAdam Rogersと私(笑)。いずれにしても私が行った日の集客はよくなかったが,日を追うごとに聴衆は増えたようなのは何よりであった。

Live at Cotton Club on May 30,2018

Personnel: Adam Rogers(g), Fima Ephron(b), Nate Smith(ds)

2018年5月24日 (木)

The Children of the Light@Blue Note東京: これほど自由度の高い演奏はなかなか聞けない。

The_children_of_the_lights

久しぶりにライブに行ってきた。日本でライブに行くのは3月のイタリア文化会館でのフリー・ライブ以来で,クラブに行くのは2月のFred Herschまで遡る。まぁ,出張やらGWやらだったので,ライブ生活がイマイチだったのは仕方がないところである。だが,海外を入れてもNYCで見たMike Stern以来というのはちょっと空き過ぎって気もする。

Children_of_the_light_at_blue_noteそれでもって,今回行ってきたのがWayne Shorter Quartetから親方Shorterが抜けたかたちのトリオ,その名もThe Children of the Lightである。Wayne Shorterとやっている時も,もの凄い緊張感を醸し出すこの人たちが,親方抜きでどういうライブをやるのかは注目に値した。そして今回,強く感じたのが,彼らの演奏の自由度の高さである。所謂「フリー・ジャズ」なのではない。各々がリーダーの役割を果たしながら,まさに三位一体のコレクティブ・インプロヴィゼーションを聞かせるのである。三者各々がソロを取りながら,演奏としてはアンサンブルのようになっているという凄い合わせ技を目の当たりにしてしまい,驚いたことは言うまでもない。そして,その演奏の密度の濃いことよ。しかし,Patitucciはスコアを見ていたので,かなり精密にアレンジされている部分もあるのかもしれないが,だとしても凄いわ。決してビートが明確って感じでもないので,グルーヴィっていう感じではないから,スウィング感には乏しいのだが,それだけがジャズの概念ではないということを強烈に感じさせ,むしろ雄弁にジャズという音楽のエッセンスを感じさせる演奏だったと思える。

このトリオ,三者の技量は極めて高いのは当然なのだが,今日も私はBrian Bladeのドラミングに感心していた。とにかくうまい。そして斬り込み方が鋭いのである。スコ~んとシンバル音が抜ける瞬間の快感と言ったら,たまらないものがあった。アコースティックに徹したJohn Patitucciはアルコも無茶苦茶うまいところを聞かせたし,Danilo Perezは訥弁のような感じで弾いていると,突然超絶的なフレージングを交えるという静と動を使い分けるような演奏であった。とにかく,Wayne Shorterの教育よろしく,真面目な人たちであったが,ほぼフルハウスとなった聴衆の受けもよく,大いに満足して帰路についた人が多かったのではないだろうか。私もその一人である。

演奏のテンションが高いので,終演後のサイン会なんかやってられないんだろうなぁと思ってはいたが,若干の可能性にかけて,何枚か持参したCDは無駄だったが,これだけの演奏を聞かせてもらえれば文句はない。とにもかくにもいいライブであった。実は私は結構体調が悪く,演奏中寝てしまうのではいかという危惧もあったのだが,それは完全に杞憂に終わった。あんな演奏されたら絶対寝られませんわ。尚,上の写真はBlue NoteのWebサイトから拝借。

Live at Blue Note東京 on May 23, 2018 2ndセット

Personnel: Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)

より以前の記事一覧

Amazon検索

2017年おすすめ作