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カテゴリー「ライブ」の記事

2018年5月24日 (木)

The Children of the Light@Blue Note東京: これほど自由度の高い演奏はなかなか聞けない。

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久しぶりにライブに行ってきた。日本でライブに行くのは3月のイタリア文化会館でのフリー・ライブ以来で,クラブに行くのは2月のFred Herschまで遡る。まぁ,出張やらGWやらだったので,ライブ生活がイマイチだったのは仕方がないところである。だが,海外を入れてもNYCで見たMike Stern以来というのはちょっと空き過ぎって気もする。

Children_of_the_light_at_blue_noteそれでもって,今回行ってきたのがWayne Shorter Quartetから親方Shorterが抜けたかたちのトリオ,その名もThe Children of the Lightである。Wayne Shorterとやっている時も,もの凄い緊張感を醸し出すこの人たちが,親方抜きでどういうライブをやるのかは注目に値した。そして今回,強く感じたのが,彼らの演奏の自由度の高さである。所謂「フリー・ジャズ」なのではない。各々がリーダーの役割を果たしながら,まさに三位一体のコレクティブ・インプロヴィゼーションを聞かせるのである。三者各々がソロを取りながら,演奏としてはアンサンブルのようになっているという凄い合わせ技を目の当たりにしてしまい,驚いたことは言うまでもない。そして,その演奏の密度の濃いことよ。しかし,Patitucciはスコアを見ていたので,かなり精密にアレンジされている部分もあるのかもしれないが,だとしても凄いわ。決してビートが明確って感じでもないので,グルーヴィっていう感じではないから,スウィング感には乏しいのだが,それだけがジャズの概念ではないということを強烈に感じさせ,むしろ雄弁にジャズという音楽のエッセンスを感じさせる演奏だったと思える。

このトリオ,三者の技量は極めて高いのは当然なのだが,今日も私はBrian Bladeのドラミングに感心していた。とにかくうまい。そして斬り込み方が鋭いのである。スコ~んとシンバル音が抜ける瞬間の快感と言ったら,たまらないものがあった。アコースティックに徹したJohn Patitucciはアルコも無茶苦茶うまいところを聞かせたし,Danilo Perezは訥弁のような感じで弾いていると,突然超絶的なフレージングを交えるという静と動を使い分けるような演奏であった。とにかく,Wayne Shorterの教育よろしく,真面目な人たちであったが,ほぼフルハウスとなった聴衆の受けもよく,大いに満足して帰路についた人が多かったのではないだろうか。私もその一人である。

演奏のテンションが高いので,終演後のサイン会なんかやってられないんだろうなぁと思ってはいたが,若干の可能性にかけて,何枚か持参したCDは無駄だったが,これだけの演奏を聞かせてもらえれば文句はない。とにもかくにもいいライブであった。実は私は結構体調が悪く,演奏中寝てしまうのではいかという危惧もあったのだが,それは完全に杞憂に終わった。あんな演奏されたら絶対寝られませんわ。尚,上の写真はBlue NoteのWebサイトから拝借。

Live at Blue Note東京 on May 23, 2018 2ndセット

Personnel: Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)

2018年4月13日 (金)

Mike Stern@55 Bar参戦記

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ニューヨークに出張したからにはライブに行くのが私のルーティーンである。今回は幸運にもお馴染み55 BarにMike Sternが出演するタイミングと重なり,懇親会を終了させて現地に赴いた私である。

44406fe807f04c23b5c50aeb878d71ff通常,マイキーが55 Barに出る時は,トリオ編成が多いのだが、今回はテナー入りのクァルテット編成である。しかもベースはJeff Andrews,ドラムスはRichie Moraresという布陣であるから期待も高まるのは当然であった。我々が会場に到着すると,リハーサル中の彼らであったが,盛んに“Naima”をやっていたので,今日はそういう感じの演奏なのかと思った。そして,演奏は予定開演時間より若干早く唐突に始まった。冒頭,”On Green Dolphin Street”でスタートしたが,コーラスを効かせたマイキーらしい音で始まり,途中からギンギンのロック・フレイヴァーを聞かせるといういかにもマイキーな演奏であった。

今回の注目はテナーのDanny Walshだった訳だが,ほかの3人に比べるとやや格落ち感が否めなかったところはあるが,まぁ善戦していた方だろう。それにしてもマイキーである。手の怪我の影響はほとんど感じさせないフレージングを連発していたが,やや手が変形していたようにも思えたところに,事故の痕がうかがえる。しかし,前回日本で見た時は盛んに接着剤でピックを指に貼り付けていたのに比べると,接着剤を使う様子は見られなかったので,ピックを握れるところまでは回復していたように思える。

55 Barでマイキーを見るのは実に久しぶりのことと思うが,やはりこの場所にマイキーは似合うと思わせた役90分間のギグであった。通常なら,2ndまでステイ・オーヴァーする私も,さすがに疲労には勝てず,1stだけで退散したが、十分に楽しんだ私である。写真は現場で撮影したものであるが,「マイキーと私」にはいつも通りモザイクを施した。我ながらいい表情をしているのだが,それを晒すわけにはいかないってことで(笑)。

Live at 55 Bar on April 11, 2018, 1stセット

Personnel: Mike Stern(g, vo), Danny Walsh(ts), Jeff Andrews(b), Richie Morares(ds)

2018年3月16日 (金)

Francesco Cafiso~Mauro Schiavoneライブ@イタリア文化会館参戦記

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たまにジャズ系の無料ライブをやってくれるイタリア文化会館であるが,今回はFrancesco Cafisoとピアニスト,Mauro Schiavoneのデュオ・ライブであった。ここでのライブは,日頃ジャズと縁遠そうな聴衆が多いのは,武蔵野スイングホールと似た感じであるが,文化交流を進めてくれるのだから,別に文句はない。

Francesco Cafisoと言えば,わずか9歳で登場し,まさに神童と言われ,日本でも騒がれだしたのが2005年ぐらいだろうか。今回の来日は2005年以来と言っていたように思うが,それでも彼は1989年の5月生まれなので,まだ28歳なのである。彼の年齢を改めて調べて,本当に驚いた。最近は名前を聞くことも少なくなっていたところに突然の来日であった。相方のMauro Schiavoneは1975年生まれなので,一回り以上年齢は上だが,最近のCafisoのアルバムに参加しているようである。

そうした二人のデュオだが,前半はCafisoのオリジナルを中心に,後半はスタンダード("Moon River"以外は曲名が思い出せない...)に加えて「ふるさと」なんかもやってしまうというプログラムであった。一言で言えば,Francesco Cafisoのアルトは朗々とよく歌う。そしてMauro Schiavoneのピアノはかなり饒舌なのだが,テクニックは十分感じさせるもので,聞いていて思ったのが,これが本当のカンツォーネ・ジャズ(笑)だなって感じである。とにかく歌心は抜群である。逆に言えば,やや陰影に乏しいって気もするが,それはアンコールでやったエモーショナルな"Left Alone"で帳消しにしたってところだろうか。まぁ,ちょいとやり過ぎ感はあったが,あれはあれでよかった。

彼らの演奏を聞いていて,つくづくイタリア・オペラの国だなぁとさえ思ってしまったが,いずれにしても,こういう演奏を無料で聞けるのは本当にありがたいことであった。彼らのツアー・スケジュールを見ても,今回の演奏についてはサイトに掲載されていないし,日本でのほかの演奏の予定もなさそうなので,今回のライブのためだけに来日したようだが,こうなると今回のスポンサー(協力と書いてある)であるブルガリジャパンに感謝せねばなるまい。

会場ではCafisoがお好きなブログのお知り合い,oza。さんともお会いすることができたが,サイン会がなかったのはちょっと残念だった。まぁ,それでもCDの即売もしていなかったようだし,欲がないんだねぇとも思ってしまった。今日の会場ではさすがに撮影は憚られたので,今日はイタリア文化会館のサイトから写真を拝借。いずれにしても,28歳にしてこのキャリア,この歌心,まじで驚いた私である。

Live at イタリア文化会館 アニェッリホール on March 14, 2018

Personnel: Francesco Cafiso(as), Mauro Schiavone(p)

2018年2月24日 (土)

やはりFred Herschは素晴らしいのだ。

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Fred Herschが来日するたびに,ほとんど観に行っている私だが,今回は昨年12月,ブルックリンで観たPocket Orchestraの記憶も新しいところで,Cotton Clubにおけるソロ・ライブである。

_20180224_2この人はファンを大事にする姿勢が明確で,サイン会も非常に丁寧に対応してくれて,人柄の良さも横溢しているが,もちろん,ピアノ・プレイはケチのつけようもないぐらいリリカルで美しく,そして時にダイナミズムも感じさせるのが素晴らしい。今回も冒頭,Russ Freemanの"The Wind"(Herschのオリジナルとメドレーで演じられたはずだが,曲名を失念)から聴衆の心を鷲掴みにし,アンコールの"Valentine"で天上の音楽に触れる気分にさえさせるという演奏であった。 

お馴染みのオリジナルに加え,今回,私にとって嬉しかったのはJoni Mithcellの"My Old Man"をやったことか。1stにお越しになっていたSuzuckさんの情報によれば,1stでは"Both Sides Now"を演奏したとのことであるが,この"My Old Man"ではオリジナルのメロディ・ラインを重視し,Joni Mithchellの曲の持つ特異なメロディ・センスを炙り出したって感じなのである。おそらくFred HerschはJoni Mitchellのセンスに非常に強いシンパシーを感じているのだろうってことを感じさせる演奏であった。

サイン会の場では,前回のPocket Orchestraがよかったので,次回はそのバンドで来日して欲しいと本人には言ったのだが,さすがにそれは...って感じ(苦笑)で,次はトリオだと言っていたFredである。もちろん,トリオで来日しても,絶対行くのだが。

Fred_and_iということで,いつもながら満足させてくれるFred Herschのライブの素晴らしさは,より多くの人に知ってもらいたいものである。それでも,今回は金曜日ということもあり,ほぼフルハウスだったのはそれはそれでよかった。今回の戦利品は最新作,"Open Book"とNorma Winstoneとのデュオ作。ついでにFredと撮った写真もモザイク付きでアップしておこう。いずれにしても,Brad MehldauとFred Herschには一生ついていくわと思ってしまった私である。

Live at Cotton Club on February 23, 2018

Personnel: Fred Hersch(p)

2018年2月17日 (土)

Victor Wooten@ビルボードライブ東京参戦記

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Victor Wootenのバンドのライブを観に,久しぶりにビルボードライブ東京に行ってきた。相変わらず小洒落たハコである。演奏前にカーテンが降りる前には,座席(カジュアル・シート)からはスケート・リンクも見えた。なんとなくアメリカにいるみたいである。

私が初めてVictor Wootenを観たのは,1990年に遡る。あれはNYCのRadio City Music HallでのChicagoのライブに,Bela Fleck & Flecktonesの一員として前座で出演していた時のはずである。Bela Fleckのバンジョーにも驚いたが,一番印象に残ったのはVictor Wootenのベースであった。その後は,Mike Sternのバンドで来日した時にも見ているが,その時はドラムスのWill Calhounがいけてなくて,印象が薄い。今回はリーダー・バンド,それもベース,サックス,ドラムスという渋い編成である。しかもドラムスがデニチェンとあっては,出てくる音も想像がつきそうなものである。

それでも集客はどうなんだろうなぁなんていう私の余計な心配をよそに,ほぼフルハウスとなったのはこういうサウンドを求めているリスナーは結構いるってことか。まぁ1日だけのライブだってこともあるだろうが。

Victor Wootenはメンバー紹介で“My name is Marcus Miller. “なんてとぼけたことを言っていたが,それはさておき,演奏はどファンクで大いに楽しめるものだったが,さすがにあれだけベース・ソロを聞かされるとちょっと飽きるって感じもあったというのが正直なところ。また,デニチェンのドラムスは素晴らしいのだが,爆発的なパワーを見せつけるところまではいかなかったように思える。ベースとサックスのデュオで演じられたアンコールにも出てこなかったのは,もしかすると体調でも悪かったのかって思えたのは穿ち過ぎか?

まぁ,それでも演奏は楽しめるレベルにはあったのでよしとしよう。Bob Franceschiniはエフェクターを使いながら,鋭いフレージングを連発していて,特にあのテナーの音色はこうしたタイトな演奏においては特に魅力的に響くと改めて思った。

Live at ビルボードライブ東京 on February 15,2ndセット

Personnel: Victor Wooten(b, vo),Bob Franceschini(ts, ss), Dennis Chambers(ds)

2018年2月10日 (土)

Larry Carlton@Blue Note東京参戦記。

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2/5にLarry Carltonを観るためにBlue Note東京に行ってきた。私がLarry Cartonのライブを見るのは,多分1991年にNYCのGRP祭りで見て以来だと思うので,四半世紀以上経過している。あの時はDavid Benoitらとのセッション・バンドの一員としての出演で,Larry CartonはLes Paulを弾いていたように記憶している。

それ以来の生Larry Cartonではあるが,音源はその都度結構聞いてきたから,そんなに久しぶりって感じはしない。今回のLarry Carltonは,"Smiles and Smiles to Go"のようなアコースティック・ギターで演じられた曲もすべてトレードマークであるES-335でプレイした。時にブルージーな感覚も漂わせながら,彼らしい音色のギターを聞かせて,長年のファンも満足させたと思う。聞かせどころがわかっていて,プロフェッショナルな演奏だったと言える。よって,私もほぼ満足だったわけだが,アンコールの"Room 335"は一丁上がりみたいな演奏で,さすがにこれはないだろうと思わせたのは残念。時間が押していたってわけでもないのだから,Larry Carltonにはもう少し長めのソロと,更にはMitch Formanにワン・コーラスぐらいソロは取らせてもよかったと思うのだ。

それを除けば,バンド・メンバーのクォリティも高く,楽しい気持ちで家路についた私であった。尚,写真はBlue NoteのWebサイトから拝借したもの。

Live at Blue Note東京 on February 5, 2017

Personnel: Larry Carlton(g), Mitch Forman(key),Paulie Cerra(ts,vo), Travis Carlton(b), Gary Novak(ds)

2018年2月 9日 (金)

大西順子をBlue Noteで観たのだが...。

本来ならば,先日観たLarry Carltonのライブについて先にアップするのが筋だが,ヴィヴィッドな感覚が残っているところで,大西順子のライブについて書いておきたい。

私は長年,大西順子の音楽について高く評価してきたつもりである。何度かの引退状態もあったが,復活した時の音源についても,ライブについてもこのブログに書いてきたし,基本的には私を魅了する音楽を提供してもらったと思っている。最新作"Glamorous Life"についてもちゃんと褒めたつもりだ。だが,絶対にその前作"Tea Times"について認める気はないし,あのような愚作をリリースしたことを彼女は恥じるべきだと思っている。それでも,"Glamorous Life"はよかったと思ったがゆえに,今回Blue Note東京で開催されたライブにも足を運んだのだ。

だが,私はライブの場で,妙に増幅されたピアノの音を聞いて,違和感を覚えていた。Blue Noteのようなヴェニューで,どうしてああいったピアノの音を聞かなければならないのかという違和感は最後まで消えることはなかった。ドラムスの高橋信之介が非常にいいドラミングを聞かせ,ベースの井上陽介もビートにさえ乗れば,いいソロ・フレーズを聞かせていた。そしてリーダー,大西順子だって彼女らしいアグレッシブなソロを聞かせたのだから文句はなさそうなものだ。だが,どうしても特に前半のピアノの音は,それこそ"V.S.O.P"におけるHerbie Hancockによるヤマハのエレクトリック・グランドか?と思いたくなるような音には辟易とさせられたと言わざるをえない。私は以前,大西順子がオーチャード・ホールでライブを行った際もPAのひどさを指摘したことがある(記事はこちら)が,今回,久しぶりに彼女のライブを観たにもかかわらず,またかよ?と思わされたと言わざるをえない。正直センスが悪いのだ。

そして,今回はもう1枚のアルバム,"Very Special"のプロモーションも兼ねていたのかもしれないが,馬場孝喜のアグレッシブなギターはなかなかよかったとしても,狭間美帆まで呼んで,室内楽的なサウンドをライブの場で聞かせる意味は本当にあったのか?

最前列かぶりつきで聞いているおっさんは,それこそノリノリで聞いていたようだが,私はそういう姿を見て,どんどん冷めていったと言っても過言ではない。演奏の質が高いにもかかわらず,今回のライブはどうしても大西順子が「やりたいことをやった」だけにしか思えなかったのである。聴衆の一人としての私は,これぞ聴衆不在と思わざるをえず,きっとサイン会もあるだろうなぁと思って持っていったCDがあったにもかかわらず,本人にどうしても文句を言ってしまうだろうなぁと思って,スルーして帰ったのであった。

演奏の質が高かったのは認めるが,アンコールのメンバーによる喋りなんて明らかに蛇足であり,どうせやるなら,Christian McBrideのライブでのアンコールにおける"Car Wash"のノリを見習えよと言いたくなってしまった。

今回はクーポンを使って,半額で聞けたからいいようなものの,正直言ってこんなライブならもうええわと思っている私である。私がこういうことを書くと,大西順子はエゴ・サーチでこれを見つけて,どうこう言われるかもしれないが,それでも言わずにおけないこともある。プロのミュージシャンであれば,こうした批判があることもちゃんと知るべきなのだ

ということで,私にとってはこれが大西順子のライブを見るのは最後になるだろう(きっぱり)。こういうことを書くと,私に対して文句を言いたくなる大西順子のファンもいらっしゃるだろうが,私には私の考え方があるってことで,たとえこの記事が批判されても馬耳東風を貫くつもりである。

2018年1月 6日 (土)

今年最初のライブはSimon Phillips Protocolだったのだが...。

_20180106今年最初のライブとしてブルーノート東京で行われたSimon Phillips Protocolを観に行ってきた。

今回は年始ということもあり,まだ世の中は休みを継続している人も多いらしく,客席は7割程度の入りって感じだったのは意外であった。私は私で仕事始めの後の会社の新年会(1時間程度のものでガッツリの飲み会ではない)に参加してからの参戦となったのだが,これがよくなかった。

Protocol_at_blue_note正直言って,演奏後半の記憶が飛んでいる。新しいギタリスト,Greg Howeを迎えての彼ららしいタイトな演奏を聞いていたにもかかわらず,私は睡魔に襲われていたようだ。だいたいが飲み過ぎッて話があって,いつもは見とがめられることもないステージの隠し撮りをスタッフに見つかってしまったのは,座席からSimon Phillipsの表情がうかがえず,真剣にアングルを考えていたからに相違ない。それによって,緊張感も切れたって感じで,眠りに落ちたということだろう。

ということで,今回は真っ当な感想を書けないのは実に情けないし,公演終了後のサイン会でも正直呂律が回っていなかったのは恥ずかしい限りであるが,Greg HoweにはAndy Timmonsよりよかったぜぃなんて軽口を叩いているのだから,相当な酔っ払いである。しかし,彼らの演奏はいつもながらのタイトで強力な演奏だったことは間違いない。

次回のライブは飲み会の後というシチュエーションは回避して,ちゃんと聞くことにしよう。新年早々ゆえの失敗ということで。それでもきっちり戦利品はゲットしたが,キーボードのOtmaro Ruizはサイン会の時に,自分はアルバムには入っていないけどいいのかなんて実に謙虚なことを言っていたが,そんなことを気にする私ではない。ということで,今回もバンド4人分のサインを頂いた。写真もほとんど撮れなかったが,数少ないものの一枚をアップしておこう。

いずれにしても,山火事で自宅が焼失し,米国ツアーの一部をキャンセルしていたSimon Phillipsの姿を拝めただけでもよしとすることにしよう。年初から大いに反省してる私である(爆)。

Live at ブルーノート東京 on January 5, 2018

Persoonel: Simon Phillips(ds), Greg Howe(g), Otmaro Ruiz(key), Ernest Tibbs(b)

2017年12月24日 (日)

そろそろ2017年の回顧を:まずはライブから。

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年末も押し詰まってきたので,そろそろ今年を回顧する記事も書き始めなければならない時期になった。まずは今年はもう予定のないライブだが,今年もよくライブに通ったと思わせる1年となった。最後の最後のNYCではしごの連続も効いているが,なんと今年は31本である。そのうち,最後のNYCで都合7本見ているので,平均すれば月2本強ってところである。以前だったら考えられないが,私も変わったものである。

そんな中で,今年もライブは玉石混交であるが,そんなにひどいってのはなかったってのが正直なところである。まぁ,Electric Miles Bandは全くいけていなかったが(苦笑)。そうした中で,一番強烈だったのは何かなぁと振り返ると,去年のPatti Smithみたいなのはなかったっていうのが正直なところである。

記憶に残るのはCharles Lloyd,Kendrick Scott,Chick Corea Elektric Band,Level 42,Mike Stern~Bill Evans,Rh Factor,Antonio Sanchez,そしてNYCでのWayne KrantzとFred Herschってところかなぁ。もちろん,東京ドームでのPaul McCartneyも,Blue NoteでのEsperanzaもよかったのだが,その辺は鉄板だけに正直言って驚きはない。そうした中で,やはり記憶がヴィヴィッドなだけにNYCで見たWayne KrantzとFred HerschのPocket Orchestraの印象が強い。特に後者については,まず日本で見るのは無理ということもあり,本当に貴重な体験だったと思う。

Fred Herschはアンコールで,最新作"Open Book"の最後に収められているBilly Joelの"And So It Goes"をソロで弾いたのだが,まさにこれこそ2月の来日公演を楽しみにさせるに相応しい演奏であったし,Pocket Orchestraの演奏も非常に面白かった。

加えて,相当に楽しめたのがLevel 42というのは自分としては意外だったが,エンタテインメントとしてのライブ演奏を垣間見た気がする。ということで,今年を代表して,Fred HerschのNYCでのライブにおけるアンコールでのソロ・ショットを掲載しておこう。かなりフォーカスが甘いが,そこはまぁご勘弁ということで

2017年12月18日 (月)

中年音楽狂のNY夜遊び日記:その4(最終回)

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NYC出張もあっという間に終了ということで,最終日は更に夜遊びに力がはいってしまった私である。まず,最初に訪れたのが,ブルックリンにあるNational Sawdustなるヴェニュー。出演はFred Hersch's Pocket Orchestraである。私はFred Herschのかなりのファンであるが,このPocket Orchestraについては,Sunnysideからアルバムも出ているのだが,今回はレコーディング・メンバーとは異なるメンツでの出演であった。アルバムについては,ちょっと聞いた感じではピンと来ていなかったのだが,この編成での来日はまずありえないということで,FBで出演情報を仕入れて,日本で予約を済ませていたものである。

今回のヴェニューの最寄り駅はユニオン・スクェアから地下鉄L線に乗って,イースト・リヴァーを渡ってすぐの,Bedford Avenueである。降りた瞬間から,マンハッタンとは異なる街の風情を感じさせるのがブルックリンだと思ったが,昨今のブルックリンは以前に比べると,明らかに小洒落た感じがする街に変貌を遂げている。今回のNational Sawdustも入った瞬間から,おぉっと思わせる内装のホールであった。だが,キャパとしては80〜100人ぐらいというこじんまりとした場所で,Fred Herschのピアノを聞けることを至福と言わず何と言うという感じであった。しかも,ピアノはベーゼンドルファー。く〜っ。

そして,今回の演奏を聞いて,私が思い起こしていたのがAzimuthである。今回のレパートリーにおいても,Norma Winstonが作詞で協力していたこともあるが,パーカッションが加わっているとは言え,編成もAzimuthに近いこともあり,これはFred Hersch版のAzimuthではないかと思えるような演奏であった。私にとって嬉しかったのは,私が抱いていたPocket Orchestraのアルバムのイメージと異なって,非常にリリカルな演奏が展開されたことである。Fred Herschのピアノは美しいが,そこに切り込むIngrid Jensenのトランペットが素晴らしいアクセントになるという感じだったのだ。そして,ヴォーカルのAubrey Johnsonはスキャットを中心とした歌唱で,インプロヴィゼーションも交え,ジャズ的なフレイヴァーを加えていた。それがまた,Azimuth的に感じさせるのである。

とにかく,Herschのピアノの美しさにまいっていた私だが,面白かったと言うか興味深かったのが,聴衆に黒人が一人もいなかったことである。Herschの音楽を聞く層は,やはり白人中心ということなのかもしれない。だが,そんなことは関係なく大いに音楽を堪能した私であった。終演後,Herschの本を購入し,サインもしてもらったが,2月のCotton Clubでのライブを楽しみにしていると伝えて,会場を後にした。

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そこから2軒目として向かったのが,またもSmallsである。私が到着した時に演奏していたのはDuane Eubanksをリーダーとするクインテット。Robin Eubanksがゲストで加わったこのバンドは,オーセンティックなジャズの良さを感じさせるバンドで,聴衆の受けもよかった。ピアノのJames Hurtは肘打ちも交えて,大受けしていたが,技はしっかり持っている上でのライブならではのパフォーマンスという気がした。Robin Eubanksを生で聞くのは初めてだったが,さすがのテクニシャンぶりを感じさせてくれた。

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そして,NYC最後のパフォーマンスとして聞いたのが,Smallsにステイ・オーバーしての懐かしやOTBのRalph Bowenのクァルテットである。平日なら考えられないが、Smallsが入れ替え制を取っており,$20の余計な出費が必要だったのは予想外であったが,まぁいいや。

Ralph Bowenは大学教授みたいな風貌でテナーをメカニカルに吹いていたが,バンドのメンバーにも恵まれて,なかなか楽しめる演奏だったと思う。私が特に感心したのがベースのKenny Davisである。テクニック十分でありながら,歌心溢れるソロを聞かせるKenny Davisには思わず終演後声を掛けてしまった。それぐらい彼のベースはよかった。また,ピアノのJim Ridlは堅実ながら,いいソロを聞かせたし,ドラムスのCliff Almondはなんでも叩けるねぇって感じで,比較的コンベンショナルなセットでも十分にうまいところを聞かせてくれた。

ということで,ホテルに帰り着いたのは午前0時を過ぎていたが,十分にNYC最後の夜を堪能させてもらった。出張とは言え,これほど時間を有効に活用したのも珍しいということにしておこう。だからNYC出張はやめられないのである。

Fred Hersch‘s Pocket Orchestra Live at National Sawdust on December 16, 2017@7PM

Personnel: Fred Hersch(p),  Ingrid Jensen(tp), Aubrey Johnson(vo), Rogerio Bocatto(perc)

Duane Eubanks Quintet Live at Smalls on December 16, 2017@9PM

Personnel: Duane Eubanks(tp), Robin Eubanks(tb), James Hurst(p), Gerald Cannon(b), Chris Beck(ds)

Ralph Bowen Quartet: Live at Smalls on December 16, 2017@10:30PM

Personnel: Ralph Bowen(ts), Jim Ridl(p), Kenny Davis(b), Cliff Almond(ds)

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