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カテゴリー「ライブ」の記事

2017年4月28日 (金)

Paul McCartney@東京ドーム参戦記

Paul_at_td1_2

今年もやってきたPaul McCartneyを見るために,東京ドームに行ってきた。相変わらずの優れたエンタテインメント性を感じさせるライブだと思ったが,ここ数年で3回目ともなると,やはり以前見た時のような高揚感は得にくくなっているのも事実ではあるが,Paulが74歳だということを思えば,やっぱり凄い老人だと言わざるをえない。

正直に言ってしまえば,これまで見た中では最も喉の調子が良くなかったように思えたが,それでも映像を含めた演出を考えれば,スタジアム級のライブのやり方を本当によくわかっている人たちである。

これは前にも書いたことだが,ライブの演奏を5人の近年不動のバンドで,テクノロジーに依存することなく聞かせるのは本当に立派だし,ロック・バンドというのはそういうものだという矜持を感じさせるものであった。ネットによれば,今回のセット・リストは下記の通り。

01. A Hard Day’s Night
02. Junior’s Farm
03. Can’t Buy Me Love
04. Letting Go
05. Temporary Secretary
06. Let Me Roll It
07. I’ve Got a Feeling
08. My Valentine
09. 1985
10. Maybe I’m Amazed
11. We Can Work It Out
12. In Spite of All the Danger
13. You Won’t See Me
14. Love Me Do
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. Queenie Eye
19. New
20. The Fool on the Hill
21. Lady Madonna
22. FourFiveSeconds
23. Eleanor Rigby
24. I Wanna Be Your Man
25. Being for the Benefit of Mr. Kite!
26. Something
27. Ob-La-Di, Ob-La-Da
28. Band on the Run
29. Back in the U.S.S.R.
30. Let It Be
31. Live And Let Die
32. Hey Jude
encore
33. Yesterday
34. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
35. Hi, Hi, Hi
36. Birthday
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. The End

お馴染みのナンバーが多い中で,改めて"My Valentine"は曲の素晴らしさを感じさせた。BeatlesやWingsのナンバーの演奏は,予定調和だと言われればその通りかもしれないが,一緒に歌える幸せを感じられればそれでいいのである。しかも,こっちは約2.5時間超立ちっぱなしなだけで,膝や腰が痛いとか言っているのに対し,ショー全体を通して歌い通す,74歳のPaulはいやはや立派としか言いようがないとずっと思っていた。今回も,いつもの演出だと思いながらも,"Something"を聞いて,ウクレレ・パートから"Abbey Road"的な演奏に移行する瞬間と,そのバックに映るGeorgeとPaulの姿に涙し,"Live and Let Die"の炎の熱量に圧倒されて帰ってきた私であった。ということで,その2枚の映像をアップしておこう。

Live at 東京ドーム on April 27, 2017

Personnel: Paul McCartney(vo, b, g, p, ukulele), Rusty Anderson(g, vo), Brian Ray(g, b, vo), Paul Wickens(key, hca, vo), Abe Laboriel, Jr.(ds, perc, vo)

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2017年4月 8日 (土)

Electric Miles Band@Billboard Live Tokyo参戦記

Electric_miles_bandblt

Miles Davisのバンドに在籍したメンバーが集って,エレクトリック期のMilesナンバーを演奏するという企画自体はわからないわけではない。私もエレクトリック期のMilesのアルバムはブートレッグを含めて,相当量聞いているので,興味もあるところでライブに参戦してきた。

結論から言えば,演奏自体には全く破たんはないし,メンバーそれぞれにスポットライトを当てるというのはこうしたバンドとしては当然のことだろう。だが,演奏を聞いていて,どうにもゆるい。より端的に言えば,緊張感に乏しいのである。典型的な「昔の名前で出ています」的な演奏と言えばいいだろうか。先日のLevel 42の演奏が,現役感バリバリで,かつエンタテインメントだったのに対し,どうも「お仕事」的な感覚が強い。

正直言って,客入りも芳しくはない中,演奏に対する受けが悪いのは,聴衆が期待するようなテンションを発露できなかったからだと思う。各々のソロとかに問題があるというわけではない。結局のところ,Milesのにらみが効いていなければ,同じようなメンツで,同じような曲をやっても全然違うものにしかならないという,当たり前と言えば当たり前のような事象が発生していたのである。結局,私はライブの間,Milesは偉大だったと思わざるを得なかったというのが正直なところである。

より今日的な部分を示そうと思えば,DJ Logicをもっとフィーチャーするということもできたはずだが,DJ Logicについてはほとんど見せ場もなく,一番可哀そうだったのは彼だと思えた。バックで,ゆるゆるにターンテーブルを回しているだけでは,DJとしての力は全然発揮のしようがなかったというところである。ここにDarryl Jonesがいたことは驚きではあったが,Rolling Stonesの仕事がない時はこういう演奏をしてるってことかもしれないが,それにしても,昔のようなファンク・フレイヴァーをもっと聞かせてもよかったと思う。

ということで,ライブが全部が全部当たりになることはないが,これははっきり言って残念ながらはずれの演奏であった。ライブ終了後,つくづくMiles本人の演奏が聞きたくなっていた私である。

Live at Billboard Live東京 on April 7, 2017

Personnel: Vince Wilburn Jr.(ds), Munyungo Jackson(perc), Blackbyrd McKnight(g), DJ Logic(turntable), Robert Irving Ⅲ(key), Greg Spero(key), Antoine Roney(ss, ts, b-cl), Darryl Jones(b), Debasish Chaudhauri(tabla), Etienne Charles(tp)

2017年4月 6日 (木)

Level 42@Billboard Live東京。彼らはまじでライブ・バンドであった。

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私はこれまでLevel 42の音楽を聞いたことがなかったのだが,今回お誘いを受けて,Billboard Live東京のライブに行ってきた。

私はBillboard Live東京というヴェニューではほとんど例外なくカジュアル・シートに座っているが,今回もカジュアル・シートである。まぁ,天井桟敷のようなものだが,音楽だけ楽しむのであれば,この席で十分だし,ワンドリンクもついているので,割安感があるのだ。ついでに言えば,写真も上のように撮り放題みたいなもんだしねぇ。

今回,ライブに行く予習として,彼らのベスト盤をApple Musicで聞いていたのだが,私は彼らはフュージョン・バンドだと思っていたのに対し,聞こえてきたのは,ほとんどヴォーカル入りのポップ・フレイヴァーの強い演奏であった。しかも,決して歌は上手いとは言えない。こんな調子ではライブは一体どうなるのだろうと思って,現地に赴いたのだが,ライブにおける彼らの演奏は,ファンク度が高く,演奏の間,身体を揺らし続けていた私である(笑)。

今回の演奏は,間違いなくApple Musicで聞いた演奏よりも楽しめたし,聴衆を乗せる術を心得たバンドだと思えた。とにもかくにもMark Kingのスラッピングが心地よい。更にそれを支えるドラムスのPete Bigginがタイトなリズムがまたまた興奮度を高めるものだったと思う。彼らはライブでこそ光るバンドだと確信していた私である。

ライブを見ていて,エンタテインメントだなぁと思っていたが,ここまでグルーブさせてくれば,十分元は取ったと思った私である。ついでに言っておけば,踊り狂う聴衆の姿を見て笑っていたのも事実なのだが,彼らが踊りたくなるのもわかるような気がしていた。

いずれにしても,あまりにMark Kingのスラッピングがカッコよかったので,私もエレクトリック・ベースを弾きたくなってしまったではないか。買おうかな(爆)。

Live at Billboard Live東京 on April 5, 2ndセット

Personnel: Mark King(vo, b), Mike Lindup(key, vo), Nathan King(g, vo), Pete Biggin(ds), Sean Freeman(sax, vo), Daniel Carpenter(tp, vo), Nichol Thomson(tb, vo)

2017年4月 5日 (水)

Blue Man Group,Tiny Desk Concertを乗っ取る(笑)

Blue_man_group

Blue Man Groupは長年に渡って,NYCはイースト・ヴィレッジにあるAstor Place Theaterをベースにいろいろなところでパフォーマンスを展開しているが,日本でも2回,足掛け4年近くのロングラン公演をやっていたから,彼らのライブを見たことがある人も多いと思う。私も六本木でライブを見た時は大笑いさせてもらったが,そんな彼らが米国の公共ネットワーク,NPRの人気プログラム"Tiny Desk Concert"に出演している映像があった。

"Tiny Desk Concert"はNPRのオフィスにミュージシャンを招いて,狭いオフィスでライブをやらせてしまうという企画だが,結構凄いミュージシャンが出演しているのである。Tedeschi Trucks Band然り,Chick Corea~Gary Burton然り,Joshua Bell然りと様々なジャンルのミュージシャンがここには登場している。そこにBlue Man Groupの名前を見つけて,「おい,おい,大丈夫なのか?」と思ってしまったが,久しぶりに彼らのパフォーマンスを見たが,やっぱり笑えるし,面白い。機会があったら,またライブをポンチョをかぶって見たいもんだと思ってしまった(笑)。

ということで,Blue Man Groupがそれこそ"Tiny Desk Concert"を乗っ取った時の映像が,NPRからYouTubeにもアップされているので,貼り付けておこう。見れば見るほど面白いし,受けまくっている。いいねぇ。

2017年3月29日 (水)

Esperanza Spalding@Blue Note参戦記

Esperanza_at_blue_note私が,Esperanza Spaldingのライブを見たのはほぼ4年前のオーチャード・ホールに遡る(その時の記事はこちら)。その後も昨年は"Emily's D+Evolution"のリリースを受けたツアーを行っているが,それは私は見ていない。だが,新作はミュージック・マガジン誌ではアメリカン・ロックとして評価されていて,へぇ~と思っていた私である。

そんなEsperanza Spaldingが突如,トリオで来日してBlue Note東京でライブをやると聞いては,やはり気になる。告知されたのが公演約1カ月前ぐらいだったはずなので,急きょ決定みたいな感じだったのではないかと思える。ということで,初日の2ndセットに参戦してきたのだが,この公演は,最近では最もネットの予約がつながりにくかったものの一つと言ってもよいかもしれない。それぐらいの大人気で,3日間,ほぼソールド・アウトのような状態のようである。

今回はEsperanzaのベース,ヴォーカルにギター,ドラムスという最小編成と言ってよいものであったが,際立つのがEsperanza Spauldingのベーシストとしての手腕である。とにかくうまい。アコースティック・ベース,フレットレス5弦エレクトリック・ベースをほぼ半々で弾いたEsperanzaであったが,ファンクであれ,ブラジル・フレイヴァーであれ,4ビートであれ,何でもござれである。しかもそれが素晴らしい音で奏でられるのだから,ベーシストとしてだけ活動しても間違いなくやっていけると確信させるに十分。そこにあの声がかぶさると,もはやジャズ界では無敵って感じがする。私は,ヴォーカルの魅力は認めつつも,今回は完全にベース・プレイヤーとしてのEsperanzaに圧倒されたというのが正直なところである。

そのEsperanzaを支えたギターのMatthew Stevensはリーダー作もリリースしているが,テレキャス1本,かつエフェクターにほとんど頼らない音で勝負するという感じであった。この人のフレーズのアウト感覚には,聞きながら,「変わってるわ~」と思わせつつも,聴衆には受けていた。ギターは変態的だが,1stと2ndの間に,トイレの脇でスマホをいじくっていた彼を目ざとく見つけた私は,ちょいと声を掛けたが,話しっぷりは好青年そのもの。握手の力強さが印象的なナイスガイだったということは付け加えておこう。

そして,ドラムスのJustin Tysonはサポートに徹するという感じの叩きっぷりであったが,非常にタイトなドラミングはバンドとしてのノリをプッシュする力強さがあったと思う。

曲は新旧取り混ぜて満遍なくって感じだったが,私はWayne Shorterの曲にEsperanzaが詞を付けた"Endangered Species"のファンク的な乗りがベース,ヴォーカルともに一番だったと思っている。ちなみにEsperanzaは途中で,聴衆がおとなしいって言っていたが,確かに普段の彼女のライブならば,もう少しワイルドなレスポンスがあるのかもしれない。まぁ,大部分はロックなノリの聴衆ではなかったので,まぁそれも仕方ないだろう。

演奏は本チャンが55分ぐらいの短めのセットだったが,アンコール2回で都合75分ということで,まぁ普通かなぁってところであったが,やはり日頃からエンタテイメントとしてのライブを行っていることを感じさせる演奏で,大いに楽しめた。これで私の体調がもう少しよければ,尚よかったんだけどねぇ(苦笑)。

Live at Blue Note東京 on March 27, 2017,2ndセット

Personnel: Esperanza Spalding(b, vo),Matthew Stevens(g),Justin Tyson(ds)

2017年3月24日 (金)

Enzo Favata@イタリア文化会館に行ってきた

Enzo_favata東京の九段にあるイタリア文化会館は,たまにイタリア人ミュージシャンのライブが無料で見られる。それも結構真っ当な人たちが出演するので,ライブの告知はチェックするに値するヴェニューである。私は以前,Dado MoroniとMax Ionataのデュオをここで見たことがあるが,今回は全く知らないミュージシャンであったが,無料ということもあり,ネットで申し込みの上,行ってみた。

Enzo Favataという名前は,初めて聞いたが,イタリア文化会館の告知によると,「サルデーニャ島出身。1983年ジャズミュージシャンとしての活動を開始。1988年にカルテットを結成し、サルデーニャの民族音楽に、ジャズのインプロヴィゼーションや他国の民族音楽を取り入れた演奏を行う。映画音楽のほか、演劇、ラジオ、テレビ番組のための作曲もてがける。毎年夏にサルデーニャ島北部の町サンタ・テレーザ・ディ・ガッルーラで開催されている国際ジャズフェスティバル「ムジカ・スッレ・ボッケ」のディレクターを務めている。」とある。今回のライブも「ジャズ・ライブ」と銘打ったものだが,ミュージシャンは彼一人で,あとはラップトップやシークェンサーを駆使した音楽は,ジャズ的というよりも,私には映画音楽的に響いた。

ある意味,アンビエント・ミュージックに近い雰囲気もあるので,私は何度か頭を垂れそうになってしまったが,なかなか面白いライブだった。それはEnzo Favataが駆使する楽器がいろいろあったからである。ソプラノ・サックス,クラリネット,バスクラに加えて,バンドネオンやら,Jew's Harp(口琴,マカロニ・ウェスタンの音楽なんかに出てくる,口にくわえるなどして、その端を指で弾くもの),更にはサルディニアの古楽器(確か2100年前のものとか言っていたがほんまか?)まで使って,色々な音色を聞かせたからである。

イタリア文化会館のライブは,日頃,ジャズに関心のなさそうな聴衆まで集まるところは,武蔵野スイング・ホールの聴衆に近いものがあるが,それにしても,今回,「ジャズ・ライブ」だと思って来場した人には,違和感が大きかったんじゃないの?と言いたくなるようなものではあったが,そこは雑食の私(笑),全然問題なしであった。

知名度も高いわけではないであろうEnzo Favataの今回の来日がどういう理由によるものかはわからないが,今回聞かせたような音楽であれば,やはり映画音楽としてのフィット感が強いと思わせるものであった。だが,それは欧州の映画にこそフィットするのであって,決してハリウッド製の大作ではありえないって感じだろう。いずれにしても,世の中にはいろいろな音楽があるねぇと思わせたライブであった。写真はネットからの拝借。

Live at イタリア文化会館 on March 23, 2017

Personnel: Enzo Favata(ss, cl, b-cl, jew's harp, bandneon, vo,laptop, and others)

2017年3月17日 (金)

何年経っても凄かったChick Corea Elektric Band

Chick_corea_eb_at_blue_note昨年,NYCのBlue Noteにおいて,Chick Coreaの生誕75周年を記念して,長期に渡っての連続ライブ・シリーズが展開された際に,再編されたChick Corea Elektric Bandである。私は出張中にJohn McLaughlinとのデュオを見ることができたが,やはりReturn to ForeverとかこのElektric Bandとか,賑々しい音も聞きたかったなぁと思っていたところに,彼らの来日が決まった時には,正直小躍りした私である。そんな彼らの来日公演の東京の初日を聞きにBlue Note東京に出掛けてきた。

振り返れば,私が彼らの演奏を生で見たのは,約25年前に遡る。場所は,今はなきBottom Lineであった。その時のメンツは今回の来日メンバーと同じクインテットであったが,今回それ以来の演奏に接して,もちろん彼らも年を取ったし,私も年を取った。しかし,彼らが今回披露した演奏は,四半世紀を経ても何らテンションが変わらないところが凄い。彼らのきめきめのユニゾンを聞いて興奮しない人間なんているのかと思えるほどのスリリングな展開を聞かせた。

もちろん,テクニシャン揃いであるだけに,ソロ回しが長くなり,やや冗長な感じがする瞬間がなかったわけではない。しかし,彼らの鬼のような演奏を聞いていたら,ほとんどの聴衆は満足して家路についたはずだが,私が聞いた2ndセットは,アンコールまで約1時間45分という長丁場となったが,Chick Coreaは本当に75歳?と思わせるほど元気そのものであった。

昨今のChick Coreaのライブによくある,Chickが弾くフレーズを続けて聴衆に歌わせるという趣向は,正直なくてもいいと思えるし,Frank Gambaleとの対位法的なフレーズのやり取りも,私にとってはイマイチ感があったのも事実である。しかし,この人の頭はどうなっているのかと思わせるDave Wecklの反応,スウィープ・ピッキングによるFrank Gambaleの早弾き,エモーショナルなEric Marienthalのサックス,ファンクも哀愁もなんでもありのJohn Patitucciのベース,そして御大Chick Coreaのいかにもなフレージングをまとめて聞かされたら,まいったと言うしかないのである。まじでよくやるわ。

演奏は非常に楽しめたが,その一方で,やたらにつまらん蘊蓄を並べる隣のおっさんには辟易としていた私である。音楽を楽しむだけならいいが,つまらんコメントを曲間に並べるのはやめてくれと言いたいわ。こういう客ってBlue Noteには多いよなぁってつくづく思う。バンドには何の責任もないが,それがまじで残念。

尚,当日のセット・リストがブルーノートのサイトにあったので,貼り付けておこう。

1. Silver Temple
2. Eternal Child
3. Ished
4. Captain Jocelyn
5. Johnny's Landing
Encore: Got a Match?

Live at Blue Note東京 on March 16, 2017

Personnel: Chick Corea(p, key), Eric Marienthal(as, ss), Frank Gambale(g), John Patitucci(b), Dave Weckl(ds)

2017年3月12日 (日)

改めてEric Harland@Cotton Clubを振り返る

Eric_harland_at_cotton_club今年1月のCharles Lloydとの演奏でも素晴らしいところを聞かせたEric Harlandが自己のバンド,Voyagerで来日すると聞いたら,聞きに行かないわけにはいかない。彼らのデビュー作である"Live by Night"も大いに高く評価した私なので(記事はこちら),大いに期待をさせられての参戦となった。今回は"Live by Night"のメンツからJulian Lageを抜いたクァルテット編成であるが,Julian Lageはソロ・アルバムも出しているし,自身のバンドでCotton Clubにも出ていたから,まぁそれは仕方あるまい。

私が行ったのは金曜日の2ndセットということもあり,私が最近Cotton Clubに行った中では,極めて集客もよかった。大学のジャズ研の兄ちゃん風の聴衆も結構いるのは,ドラマー・バンドに共通しているように思える。Kendrick Scottの時もそういう感じがしたしねぇ。

これだけの集客であるから,ミュージシャン側としては機嫌よく演奏ができるはずであるから,ますます期待値が高まっていたが,いざ演奏が始まると,いかんともしがたい違和感を覚えていた私である。その違和感は,演奏そのものによるものではない。ライブの形態にである。彼らはアンコール前の約70分間,曲の切れ目なしに組曲風に演奏を続けたわけだが,これが聴衆側にとっては必ずしもよいことではないと思えたからである。

もちろん,ライブは演奏する側のイニチアチブのもとに行われることは異論はない。だが,一般的なジャズのライブの場においては,「合いの手」を入れたり,拍手や歓声を送ることによって得られるカタルシスもあるはずである。クラシックのコンサートにしろ,昔のKeith Jarrettの長大なソロにしても,聞く側もちゃんとそういう心構えができている中で聞くが,Eric Harlandのようなミュージシャンのバンドの場合,過度に聴衆に緊張を強いるのはどうなのかと思えてしまうのである。演奏の質は高かったと思えるだけに,やや聴衆との間にコミュニケーション・ギャップを感じさせるようなライブのスタイルは,少なくとも私にとっては好ましいと思えなかった。せっかくのライブなのだから,聴衆を楽しませることも重要だろう。

Eric Harlandのドラムスはタイトそのものでそれ自体は素晴らしい。Walter Smith IIIはフリーキーなトーンを交えながらのソロを聞かせたが,悪くはないとしても,もう少しフレージングに幅があってもいいと思わせる一方,Harish Raghavanのベースは,ステディでありながら,いい音を出していたのは収穫である。しかし,私が違和感を覚えながら,このライブでいいと思えたのがTaylor Eigstiのピアノである。Kendrick Scottとのライブでも非常に魅力的な演奏を繰り広げたTaylor Eigstiの繰り出すフレージングは,やや辟易としながら聞いていた私の耳を救ってくれたと思えるほどのナイスなものであった。美的なものとスリリングなものを両立させるピアノは本当に良かったと思える。

ということで,演奏の質は高くても,ライブのアンビエンスと両立できなかったことが,今回のライブを私が評価できない最大の理由である。少なくとも私の中では,ドラマー・バンドのライブとしてはKendrick Scott Oracleの圧勝に終わったと思う。期待値が大きかっただけに,やはり納得がいっていない私であるが,まぁ,クーポンを使って,チャージが半額だからよかったんだけど(苦笑)。

Live at Cotton Club on March 10, 2017, 2ndセット

Personnel: Eric Harland(ds), Walter Smith III(ts), Taylor Eigsti(p), Harish Raghavan(b)

2017年3月 3日 (金)

Jakob Bro@Cotton Club参戦記

_20170302ここのところ,飲み会続きで体力がきつい中,あまり帰宅が遅くなってばかりだと家人の顰蹙を買う。そんな中でJakob BroのライブがCotton Clubで開催されると知り,行くかどうか,迷いに迷っていたのだが,Thomas Morgan~Joey Baronというトリオは,今回を逃すといつ聞けるか(見られるか)わかったものではないということで,参戦を決意したのがライブ前日。上述の通り,帰りが遅いと何を言われるかわからないので,今回は私には珍しく1stセットを聞きに行ってきた。

Jakob Broと言っても,知っている人は知っているだろうが,日本の知名度はまだまだと言ってよいだろう。なので,今回も集客の心配をしていたのだが,やはり入りはイマイチって感じで,大体5割の入りってところか。

そして繰り広げられた音楽は,CDで聞かれたものと印象は同じで,ある意味アンビエント的,環境音楽的な響きであった。しかし,Thomas Morganのベースは繊細でありながら,テクニックは確か,そしてJoey Baronはスティックだろうが,ブラシだろうが,マレットだろうが,平手打ちだろうがなんでもござれの状態で,こうした環境音楽的なサウンドに対しても的確,そして時にダイナミックにサポートする。そしてJakob Broのギター及びトリオの響きは「幽玄」という表現しか思いつかないようなものであった。しかし,一部ではスライドにエフェクターをかませて,ロック的なアプローチを見せるなど,アンビエントだけではないところを示した。とは言え,全体的に見れば,これは環境音楽的アプローチであることは間違いない。それが証拠に,私の周りには完全に熟睡していたオーディエンスが少なくとも3人はいた(笑)。

だが,心地よくまどろめる音楽はいい音楽だとも言えるわけで,音楽のタイプにしては,アンコールを求めるオーディエンスの反応はかなり熱いものがあり,結構受けていたと思えるのはよかった。だからこそ,1st終了後,2ndも続けて聞きたいと店員に話していた聴衆がいたということでもあるが,3者が一体となった非常にいい演奏だったと思う。

Jakob_bro_i_mosaic1stセットゆえ,サイン会があるかどうかは微妙かなと思っていたが,ちゃんとやってくれたので,ついでにJakob BroとThomas Morganと写真を撮影してもらった。いつも通り私の顔にはモザイクを掛けるが,Joey Baronは別テーブルでお知り合いとお話し中だったので,写真には写っていない。だが,話に割り込んでサインだけはしてもらった私である。こういうときは図々しさも大事である(きっぱり)。

それにしてもThomas Morgan,シャイなのかよくわからないが,内省的なベースはキャラそのものではないかと思えるほど物静かな感じの青年であった。いずれにしても,ECM(あるいはManfred Eicher)に重宝がられるのも当然のような音であったと言っておこう。

Live at Cotton Club on March 2, 2017

Personnel: Jakob Bro(g), Thomas Morgan(b), Joey Baron(ds)

2017年2月 9日 (木)

改めてKevin Hays@Cotton Club東京を振り返る。

Kevin_hays_i_2Kevin Haysが彼のNew Day Trioで来日すると聞いた時,集客は大丈夫なのかなぁと正直思っていたが,今回のCotton Club東京におけるライブでも,案の定,集客は決して芳しいものではなかった。自由席のステージ前フロアがそこそこ埋まる程度で,指定席はほとんど利用者がいない状態だったので,入りとしては4割~5割ってところだろうか?

しかし,そこはプロである。一切手抜きはなく,非常にいい演奏であった。前回,Kevin Haysを見たのは55 BarにおけるFima Ephronのバンドであったが,その時も決して客入りがよかったわけではないが,このトリオ,見逃すには惜しいと思えた。三者の実力は相当なものであり,まず私が驚いたのがドラムスのGreg Josephである。非常に安定したドラミングで,ブラシでもスティックでもうまいものである。ベースのRob Jostも堅実でありながら,ソロはなかなかのもので,何よりもこの人の音の良さには感心した。

しかし,今回のライブにおける最大の驚きは,Kevin Haysの歌である。今回のセットではなんと3曲でヴォーカルを聞かせたのだが,これが実にうまい。喋る時は結構低い声なのだが,歌いだすと,ナイスなテナーとバリトンの中間ぐらいの声って感じである。私は彼の歌を聞いていて"Kevin Hays Sings and Plays"みたいなアルバムをプロデュースしたいなぁなんて思ってしまった。弾き語る姿はまさにPiano Manって感じで,Billy Joelを聞いているような錯覚にさえ陥りそうになっていた私である。ピアノ・トリオとして聞いても楽しめたし,ヴォーカル入りのバンドとしても楽しんでしまった私である。

_20170208上の写真はいつものような"Kevin Hays & I"であるが,多少お疲れモードかなっという表情であった。しかし,55 Barでクリポタのアルバムにもらったサインがにじんでしまったので,もう1回お願いと言ったら,快く対応してくれた。そっちの写真もアップしておこう。ということで,もう少し客入りがいいとよかったのだが,私は聞けたことに満足して,家路についたのであった。

Live at Cotton Club東京 on February 6, 2017,2ndセット

Personnel: Kevin Hays(p, vo), Rob Jost(b), Greg Joseph(ds)

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