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2016年おすすめ作

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カテゴリー「ブルーズ」の記事

2018年8月29日 (水)

凄い老人としか言いようがないBuddy Guyの新作

"The Blues Is Alive and Well" Buddy Guy(Silvertone)

_20180826_4冒頭の"A Few Good Years"を聞いただけで私はぶっ飛んだ。何なんだ,これは。1936年7月30日生まれであるから,既に82歳である。録音時でも81歳とは到底思えぬパワー,ヴォーカル,そしてギター・プレイに圧倒された。凄い。凄過ぎる。まさにアルバム・タイトル通りと言うべきだろうが,とにかくこれは驚きである。

本作はJeff Beck,Keith Richards,そしてMick Jaggar(但し,ハーモニカでの参加)をゲストに迎えているが,そんなことは関係なしに強烈なブルーズ魂を聞かせるBuddy Guy,一体何を食って生きているのかと思わざるをえない。もちろん,Buddy Guy本人の健康状態があってのアルバムであるが,それを支えるのがプロデューサー,ドラマーを兼ねて,そして多くの曲を提供しているTom Hambridgeである。この人がこのアルバムで果たした役割は相当大きいはずだ。そこにBuddy Guyの衰えることのないエネルギーが加わってできたこのアルバムって,まさに信じがたいレベルと言ってよい。

どこから聞いても真正ブルーズであり,ロック魂すら感じさせる強烈なアルバム。今年屈指の興奮度を以て聞いた私であった。文句なし。星★★★★★以外なし。素晴らしい。

Personnel: Buddy Guy(vo, g), Tom Hambridge(ds, loop, vo), Rob McNelley(g), Kevin McKendree(p, org), Willie Weeks(b), Tommy McDonald(b), Keith Richards(g), Jeff Beck(g), James Bay(g, vo), Mick Jaggar(hca), Emil Justian(hca), Charles Rose(tb), Steve Herrman(tp), Doug Moffett(ts), Jim Hoke(bs), Regina McCary(vo), Ann McCary(vo), Rachel Hambridge(vo)

2018年6月18日 (月)

Eric Claptonのブルーズ・アルバムならもっといいものができるような...。

"From the Cradle" Eric Clapton (Warner Brothers)

_20180617誰もEric Claptonのブルーズに対する愛情は否定しないだろうし,素晴らしいブルーズ演奏を残していることも認識しているだろう。だが,この1994年にリリースされたこのブルーズ・アルバムはどうもあまり面白くない。

私にとって,このCDがトレイに乗る回数が少ないのは,冒頭の"Blues Before Sunrise" から聞かれる力みまくったClaptonのヴォーカルに行き過ぎ感をおぼえるからだと言っても過言ではない。イントロのスライド・ギターなんてそれこそぶちかまし的で,期待をさせるところが大きいにもかかわらずである。

そして,このアルバムを通じて,Claptonのギターを聞いている限りは,結構かっこいいねぇと思わせるのだが,ヴォーカルを含めた全体の演奏を聞いていると,強く感じる「一丁上がり」的なところが私をさめさせるのである。かなり激しいギター・ソロを聞かせても,私としては一向に高揚感が盛り上がってこない。そして,こういうアルバムに求められるであろう「渋さ」が感じられないところには違和感がぬぐえない私である。ギター・ソロは聞くべきところがあるが,全体では星★★☆ぐらいにしか評価できない。やはりここでのClaptonには力みを感じるというのが正直なところ。これがインスト・アルバムだったらもう少し印象が違っていたかもなぁ。

Personnel: Eric Clapton(vo, g), Dave Bronze(b), Jim Keltner(ds),Andy Fairweather Low(g), Jerry Portnoy(hca), Chris Stainton(key), Roddy Lorimer(tp), Simon Clarke(bs), Tim Sanders(ts), Richie Hayward(perc)

2018年5月 6日 (日)

才能のかたまりだったPaul Butterfield Better Days。

"Better Days" Paul Butterfield Better Days (Bearsville)

_20180503_2私はPaul Butterfieldの音楽を真っ当に聞いてきたという感じではない。しかし,様々な演奏に登場しては,強い印象を残すPaul Butterfieldという人に対する評価は揺らぐものではない。"The Last Waltz"然り,"Levon Helm & the RCO All Stars"然りである。そういう意味では私の嗜好と非常にマッチしたミュージシャンだとも言えるのだが,彼のアルバムは大して保有していない。大昔にLPに"Put It in Your Ear"を買ったはずだが,その頃にはまだ彼の魅力に気づくほど,私は音楽に対して経験値が深くなかったと言うべきか。

だが,今改めてこのアルバムを聞いてみると,やはり素晴らしいミュージシャンであることが明らかになるが,Butterfieldのみならず,ここに参加しているミュージシャンの才能が凄い。ウッドストックを代表するようなミュージシャンの集合体としてのこのBetter Daysというバンド,強烈である。アメリカン・ロックってのはこうあって欲しいとさえ言いたくなるような私好みの音である。Geoff Muldaur,Amos Garrett,Ronnie Barronたちと作り上げる音楽が悪いはずはないのだが...。

本作はブルーズとアメリカン・ロックの最も好ましいかたちでの融合のような感覚さえ与える。とにかく,私はジャズ以外でもいろいろな音楽を好んでいるが,そうした中でこうしたアメリカン・ロックは私の音楽人生を構成する重要な要素の一つなのだ。改めてこの音楽を聞いて,私はこの手の音楽が好きでたまらないということを再認識してしまった。そして,アメリカン・ロックには渋いヴォーカルが必要だということも強く感じさせてくれた一枚である。

そして今回,本作を聞いてみてGeoff Muldaurのスライドが渋いってことに今更ながら気づいた私である。ついついギターとしてはAmos Garrettに注目しがちなのだが,ここでのMuldaurのスライド,そしてアコギは相当なものである。いや~,ええですわ。星★★★★★。

Personnel: Paul Butterfield(vo, hca, el-p), Geoff Muldaur(vo, g, p, el-p, vib), Amos Garrett(g, b, vo), Ronnie Barron(vo, p, el-p, org), Billy Rich(b), Christopher Parker(ds), Howard John, on(bs), Dave Sanborn(as), J.D. Parran(ts), Stan Shafran(tp), Gary Brocks(tb), Bobby Charles(vo), Dennis Whitted(vo), Maria Muldaur(vo)

2017年11月 1日 (水)

これも久しぶりに聞いたなぁ:Muddy Watersの"Woodstock Album"

"Woodstock Album" Muddy Waters(Chess)

_20171029_4またも久々に聞いたアルバムについて書いてみよう。家人には常々,死ぬまでに一回も聞かないCDなんていくらでもあるでしょ,なんて指摘を受けているのだが,それも言われっぱなしでは悔しいので,たまにはこういうアルバムを突然取り出してくることも必要な訳だ(苦笑)。

それはさておき,Muddy Watersについては,私は"Best of Muddy Waters"を聞いていればいいと思っている程度のリスナーだが,それ以外でMuddy Watersに接したのは何と言っても"The Last Waltz"における歌唱ということになる。しかし,よくよく考えれば,なんであの場にMuddy Watersが出てくるのかってのはよくわからない部分もある訳だが,The Bandのメンバーとの交流は"The Last Waltz"の前年のこのアルバムにもあったことからの縁ということになろう。

私は,アメリカン・ロック,特にウッドストック系列のシンガー・ソングライターも好きなので,ウッドストックと聞いただけで,ついつい反応してしまう。このアルバムを買ったのは随分前になるが,実は大した回数はプレイバックした記憶がない。Muddy Watersを聞くなら,前述のアルバムを聞いていればいいし,シンガー・ソングライターのアルバムはそれはそれで聞いていればいいからで,こういうセッション・アルバムに大した魅力を感じなかったからと言ってもいいかもしれない。

久しぶりに聞いてみても,やっぱりセッション・アルバムだよなぁって感覚には変わりはないが,Paul Butterfieldの活躍ぶりには驚かされた。もちろん,Levon Helmはリズムを支えているし,Garth Hudsonの出番も多いが,Butterfieldが助演者としては一番目立っている感じであった。もちろん,それはいい意味でだが,やはりこういうブルージーな演奏には,Butterfieldの演奏は威力を発揮するなぁって感じである。

いずれにしても,本作はMuddy Watersというブルーズの巨人と,ウッドストック系ミュージシャンの邂逅を捉えたドキュメントとして楽しめばいいってことには間違いないが,結局はそれ以上のものではないとは思える。私にとっては,これを聞くなら,Levon Helm & RCO All Starsの方がいいと思ってしまうというのが本音である。ということで,星★★★☆としておこう。

Recorded on February 6 & 7, 1975

Personnel: Muddy Waters(vo, g), Pinetop Perkins(p, vo), Paul Butterfield(hca), Bob Margolin(g), Garth Hudson(org, accor, sax), Levon Helm(ds, b), Fred Carter(b, g), Howard Johnson(sax)

2017年3月 6日 (月)

Susan姉さんのカヴァー集を久しぶりに聞いた

"Hope and Desire" Susan Tedeschi (Verve Forecast)

_20170304_2今や,Tedeschi Trucks Bandのと言った方がよさそうなSusan Tedeschiであるが,バンド結成前には自身の名義でアルバムをリリースしていて,このブログでもバンド結成前の"Back to the River"を取り上げたことがある(記事はこちら)。その時から「姉御っ!」と言いたくなると書いている私だが,予想通り,その後は夫婦バンド結成を果たし,ライブ活動に明け暮れている感じである(近々,またもライブ盤がリリースされる)。

本作は"Back to the River"より前の,2005年にリリースされたものであるが,注目はJoe Henryのプロデュースということである。Joe Henryは自身のアルバムも渋いが,プロデュースした作品にもしびれるような作品が多い。Loudon Wainwright III然り,Ramblin' Jack Elliott然り,Allen Toussant然りである。もちろん,Hugh Laurieのようなダメダメ盤もあるが,平均点は極めて高く,信頼するに値する人である。

そのJoe Henryがプロデュースするのだから,期待するのが当たり前なのだが,私にとってはこれがちょっと微妙である。バックのサウンドとSusan Tedeschiの声がちょっとアンマッチな感じがするのである。こういう感覚はTedeschi Trucks Bandでは感じたことがないものだ。ここには旦那のDerek Trucksや,バンド・メイトと言ってもよいDoyle Bramhaul IIもいるにもかかわらずなのである。これはおそらく,レパートリーがSusan Tedeschiの声に余り合っていないのではないかと思わせる。

ここで取り上げられたような曲は,もう少し渋いというか,枯れた声で歌われた方が魅力的だと思わせる部分がどうしても残ってしまう。現在のSusan Tedeschiが歌えば,もう少し違った感覚があるかもしれないが,やはりこれはちょっと青臭い感覚が残るのが残念。ということで,新作のライブ盤を期待することにしよう。星★★★。

Recorded on April 1-14, 2005

Personnel: Susan Tedeschi(vo), Derek Trucks(g), Doyle Bramhall II(g),David Palmer(p, el-p, org), Jebin Bruni(org), Paul Bryan(b), Jay Bellrose(ds, perc), Jean McCain(vo), Niki Harris(vo), The Blind Boys of Alabama(vo)

2016年12月17日 (土)

Rolling Stonesによる真正ブルーズ・アルバム

"Blue & Lonesome" Rolling Stones(Rolling Stons/Polydor)

Blue_lonesomeブルーズがロックの源流であることは間違いない事実であり,Rolling Stonesにとってもその事実は当てはまる。もはやベテランと呼ぶのもおこがましいRolling Stonesがその音楽的ルーツと言ってよいブルーズに真正面から取り組んだアルバムである。

ライナーにMick Jaggerはこう書いている。"We could have done this album in 1963 or '64 but of course it would not have sounded like this. It's the interesting thing about a record that is made really quickly. It reflects a moment in time, a time and a place."

表層的にブルーズをプレイすることは50年以上前にもできただろうが,音楽の成熟があってこそこのサウンドになったというMickの自信の表れと捉えてもいい発言だろうが,Stomesがブルーズ・バンドとしても一流であるということを実証した作品になっているのは実に大したものである。

彼らがこれだけのどブルーズを演奏するのは"Love You Live"のC面以来と言ってよいと思うが,全然枯れたところがなく,聞き手を興奮させるに十分な演奏。そして,演奏される曲は50年代から70年代初頭にかけての古い曲ばかりであるが,全然古びたところがないのがブルーズの魅力ってところだろう。ゲストで加わるEric Claptonの余裕のプレイぶりも楽しい。やっぱりスライドうまいよねぇ。

ということで,彼らにとっての温故知新かもしれないが,本当に強力なパワーを持つアルバムとなっている。もちろん,彼らの最高傑作と言うつもりはないが,ブルーズ・アルバムだからと言って決して侮ってはならない作品。こういうのが3日でできてしまうってのもブルーズ的(笑)。星★★★★☆。

Recorded on December 11, 14 & 15, 2015

Personnel: Mick Jaggar(vo, harp), Keith Richards(g), Ronnie Wood(g), Charlie Watts(ds), with Darryl Jones(b), Chuckk Leavell(p, org), Matt Clifford(el-p, org), Eric Clapton(g), Jim Keltner(perc)

2015年12月 7日 (月)

ブルージーでソウルフルな兄貴もまたよし。

Bluenote_cafe"Bluenote Cafe" Neil Young & Bluenote Cafe (Reprise)

兄貴ことNeil Youngの活動はSSW/ロックの世界を超越してしまうところがあって,全部が全部いいとは言えない部分もあると思う。だから,私は結構な兄貴のファンだとは言っても,アルバムを全作保有しているわけではない。そんな気まぐれな兄貴の音楽を全て愛してこそ,本当のファンだと言われれば返す言葉はないが,そこまでの余裕は時間的にも金銭的にもないのである(きっぱり)。

本作は,そんな私が無視していた"This Note's for You"期のライブ音源を収めたお馴染みのアーカイブ・パフォーマンス・シリーズの最新作である。知らぬこととは言え,出てきた音を聞いてびっくりである。ブルーズとソウル風味のNeil Youngなのである。だが,これが悪くない出来である。食わず嫌いとはまさにこれのことだと思ってしまった。

ここでの演奏は87年から88年にかけて複数の場所で録音されているが,曲の並びは時系列になっているのが面白い。Disc 1の1曲目が87年11月7日の演奏,Disc 2の最後(11曲目)の"Tonight's the Night"が1988年8月30日となっていて,Crazy HorseのFrank Sanpedroは全曲に参加しているが,87年収録の2曲についてはCrazy HorseのBilly TolbotとRalph Molinaも加わっている。有名曲はそれこそ"On the Way Home"と"Tonight's the Night"ぐらいのものながら,歌いながら,ギターを弾きまくる兄貴のはじけっぷりが心地よい。それを支えるのが分厚いホーン・セクション(tp*2,tb, ts, as, bsの6管)というのが兄貴としては極めて異色な響きながら,兄貴はどうやっても兄貴なのである。そしてこの6管ホーンがなかなか強力に演奏をプッシュしていて,この演奏の成功要因の一つはホーンだと思えてしまうから不思議なものである。まぁ,"On the Way Home"なんてイメージが随分違うが...。

もちろん,これまでのアーカイブ・シリーズの中で,私にとってこれが最高だと言うつもりはないし,兄貴の楽歴においては先に聞くべきアルバムは多々あるが,これはこれで見逃せないアルバムだと思う。確かに異色作ではあるが,やっぱり兄貴の音楽って人を惹きつけるよねぇ。星★★★★。

Recorded Live at Various Venues between November 7, 1987 and August 30, 1988

Personnel: Neil Young(vo, g), Rick Rosas(b), Chad Cromwell(ds), Frank Sampedro(key), Steve Lawrence(ts), Ben Keith(as), Larry Cragg(bs), Claude Cailliet(tb), Tom Bray(tp), John Fumo(tp), Billy Talbot(b), Ralph Molina(ds)

2014年9月24日 (水)

ジャケの雰囲気が前作と全然違ってびっくりのRuthie Foster

Promise_of_a_brand_new_day "Promise of a Brand New Day" Ruthie Foster(Blue Corn Music)

一昨年リリースされたRuthie Fosterの"Let It Burn"はジャケの雰囲気からしてもいいだろうと思わせ,内容も優れた一作であった(記事はこちら)。そのRuthie Fosterの新作がリリースされたのだが,前作と全くジャケの雰囲気が違っていて,それで面食らってしまった。何てたって,前作はモノクロの渋いジャケだったが,今回は「お花畑のRuthie Foster」なのだ。びっくりして当たり前である(笑)。だが,前作であれだけ素晴らしい作品を作った人である。やや不安はあったものの,勇気を出して購入である。

そして,現物が届いて驚いたのが,本作をプロデュースしているのがMe'Shell Ndegéocelloなのである。彼女は全編でベースも弾いており,どういう付き合いなのかは知らないが,才能には才能が吸い寄せられるってことだろうか。Me'Shell NdegéocelloはJason Moranの新作のプロデュースにも関わっていて,最近,プロデューサー業に精を出しているのかと思えてしまうが,Ruthie Fosterとの邂逅がどういう効果を生み出すのかについては,クレジットを見て俄然期待が高まった私である。

音楽に関しては,魅力的なブルーズ・アルバムであり,フォーク・タッチも含むソウル・アルバムであることは間違いない。2曲目にゲストで参加するDoyle Bramhall IIのギターもカッコいい。しかし,私には前作の方がインパクトが強かったし,よりディープな魅力を感じたのも事実である。ジャケットの印象通り,やや前作よりはライトな感覚が強いように思えるが,あまりヘヴィーになり過ぎてもねぇというリスナーにはこれぐらいの方が丁度いいのかもしれない。多分,これは伴奏陣にもよる部分もあるように思えるが,結局こうなるとリスナーの個人的な好き嫌いに依存するかもしれない。私の場合は前作の方が好みだったように思えるが,これはこれで評価したいと思わせる佳作。星★★★★。前作も久しく聞いていないから,また聞いてみるとするか(爆)。

Personnel: Ruthie Foster(vo), Me'Shell Ndegéocello(b), Chris Bruce(g), Ivan Edwards(ds), Jebin Bruni(key), Nayanna Holley(vo), with Doyle Bramhall II(g), Toshi Reagon(vo)

2014年3月29日 (土)

Tinariwenの新作が相変わらずよい。

Tinariwenemmaarjpeg "Emmaar" Tinariwen(Anti)

早いもので,私が初めてTinariwenの音楽に接してから4年半近くの時間が経過した。その間に彼らは順調にアルバムをリリースしているが,その新作がこれである。今回の注目要素はは米国録音ってことになるだろうが,音楽としてはいつもと大して変化はないように思える。だが,今回,新作を聞いていて非常に強く思ったのが,何とも魅力的なギターの音が聞けるということである。

世の中,うまいギタリストはほかにもいるし,彼らよりテクニックに優れたギタリストだっていくらでもいるというのは事実である。しかし,今回のアルバムを聞いていて,これほど魅力的なギターの音ってなかなか聞けないのではないかと思い続けていた私である。普通のギタリストにはこのドライな感覚は出せるものではない。しかもおそらくは太いゲージを使っているであろう彼らのブルージーなギターの音を聞いていているだけで,私は痺れてしまったのである。ヴォーカルこそアフリカ的な感覚が濃厚に出るが,私はそのバックに流れるギター音に耳が釘付けって感じと言えばいいだろうか。

これは彼らのアルバムを聞いている場合,常々感じることではあり,このブログで彼らの"Aman Iman"を取り上げた時もほとんど同じようなことを書いている(記事はこちら)。私の文筆による表現力の乏しさとも言えるが,その一方で,彼らの音の魅力については私は一義的に反応しているということにもなるだろう。まぁ,いつも同じに聞こえると言えばその通りかもしれないが,この何とも言えないグルーブに身を委ねていることの幸せの方が私には勝っているのである。Tinariwen,やはり素晴らしいバンドであり,全く侮れない。星★★★★☆。

Personnel情報は改めて。

2013年8月22日 (木)

音楽シーズンの幕開けって感じでTedeschi Trucks BandとJohn Mayerの新譜が到着。今日はTTBから。

Madeupmind "Made Up Mind" Tedeschi Trucks Band (Sony Masterworks)

欧米の音楽シーズンの幕開けは9月なので,8月後半ぐらいから新譜のリリース・ラッシュが続くのはいつものことである。今年もこれから続々と新譜が届くことになっているが,その端緒として届いたのがTedeschi Trucks Bandのスタジオ第2作とJohn Mayerの新作である。どちらもアメリカン・ロック好きには不可欠,必聴のアルバムだと思うが,今日はTedeschi Trucks Bandについて書こう。

私はこのブログでも旦那のDerek Trucksについては相当贔屓にしてきたわけだが,やはりここでも彼の素晴らしいギターの腕を堪能できるということはまず言っておかねばならない。とにかくこのスライド,誰が聞いたって凄いってわかるだろうってぐらいうまい。いつもながらのことだが,本当に素晴らしいギタリストである。

そして,バンドはベースのOteil Burbridgeが脱退して,Allman Brothers Bandに軸足を移したしたようだが,そこはPino Paladino等を迎えて対応しており,特に大きな影響はない。Allman Brothers Bandと言えば,Derek Trucksはどうなるのだという話もあるが,ツアーには参加しているようだから,彼もTTBに専念しているというわけではないのだ。

それはさておき,ここで展開されている音楽は,これぞアメリカン・ロックという感じの音がしていて,この手の音楽が好きな私のようなリスナーはそれだけでOKって話もある。曲もよくできているし,バンドはタイト,そしてTrucksのギターは素晴らしいということで,何の文句もない。Susan Tedeschiだってちゃんとした仕事をしている。だが,そろそろ男声のバックでギターを弾くDerek Trucksが聞きたいと思い始めている自分がいるのも事実である。次はAllman Brothers BandのアルバムでのTrucksを聞いてみたいものである。

そうは言いつつ,タイトルの如き激しさを持つ"The Storm"からTedeschiとTrucksの二人だけで演じられる"Calling Out to You"のアルバム終盤を聞いていると,やっぱりこれはえぇわ~と思ってしまった私であった。結局,私はDerek Trucksの魅力に抗うことはできないということである。星★★★★☆。

Personnel: Derek Trucks(g), Susan Tedeschi(vo, g), Kofi Burbridge(p, key, org, fl), Tyler Greenwell(ds, perc), J.J. Johnson(ds, perc), Mike Mattison(vo), Mark Rivers(vo), Kebbi Williams(sax), Maurice Brown(tp), Saunders Sermons(tb), Pino Paladino(b), Dave Monsey(b), Bakithi Kumalo(b, perc), George Reiff(b), John Leventhal(g), Eric Krasno(g), Doyle Bramhall II(g), Jim Scott(clap)

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