カテゴリー「ワールド・ミュージック」の記事

2008年7月19日 (土)

夏と言えばハワイアンである

Gabby ゛Gabby Pahinui Hawaiian Band Vol.1" Gabby Pahinui (Panini)

「夏と言えばハワイアンである」なんてタイトルに書いてはいるが,私がハワイアン・ミュージックの愛好家であるわけではない。ただ,夏になると,つい手持ちのハワイアンのCDを聞きたくなってしまうという単純な発想でしかないのだが,それでも必ず夏の間には数回は聞く音楽である。

このCDはGabby Pahinuiの傑作として知られるアルバムであるが,こんなものまで紙ジャケで再発されたのには本当に驚いた。しかもおなじみのGabbyのポートレートが掲示されたものでないオリジナル・ダブル・ジャケット復刻という凝ったものになっているのが,オリジナルにこだわる日本らしい。

とは言え,このアルバムが多くの音楽ファンに比較的知られたものとなっている理由はRy Cooderの参加に負うところが多いことは衆目の一致するところであろう。Ry Cooderはさまざまな音楽要素を吸収して素晴らしいアルバムを多数発表しているが,その要素の中にはハワイアンもあれば沖縄音楽もあるというそのカバレッジの広さは大したものである。この作品ではRy Cooderはマンドリンとティプレ(12弦の小型ギターのような楽器らしい)で参加しているが,やはり私のようなRy Cooderファンにとっては彼の参加がこのアルバムの購入の契機になったことは言うまでもない。

このアルバムを聞いただけでは,ほかのハワイアンとの優劣の比較はできないが,このゆるやかな感覚で展開される音楽はやはり優れた演奏なのだろうと思わされる。つい身を委ねたくなる感覚と言えばよいだろうか。ストレスフルな生活を送る人の一家に一枚とは言わずとも,たまにこうした音楽を聞きながらピナ・コラーダでも飲めば多少はそうしたストレスからは解放されるだろう。と言っても,湿気たっぷりの日本でこれを聞いてもなかなか清涼感は増さないが...。Breezyなハワイのビーチでハンモックに寝そべりながら聞いたら絶対いいだろうなぁ。星★★★★。

久し振りにハワイに行きたくなってしまった私である。

Personnel: Gabby Pahinui(vo, g, b, perc), Celana "Atta" Isaacs(g, vo), Sonny Chillingworth(g, vo), Manuel "Joe Gang" Kupahu(b), Bla Pahinui(g, vo), Cyril Pahinui(g, b), Randy Lorenzo(g, b, vo), Ry Coder(mandolin, tipla), Nick De Caro(accor, arr), Milt Holland(ds, vib), Keli'i Tau'a(chant)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月21日 (月)

サルサの祝祭

Blades "Metiendo Mano!゛ Willie Colon Presents Ruben Blades(Fania)

サルサはラテンのダンス音楽にジャズあるいはロック的な要素が混ざって出来あがった音楽である。いずれにしても基本的にはダンス音楽であるから,乗りが全てである。

本日紹介するアルバムはそのサルサの世界でも非常に有名なアルバムだが,最近,リマスターされて発売されたものをゲットしたものである。これで積年の課題が一つクリアされたと言っては大袈裟か。このアルバムのジャケはずっと昔から知っていたが,別に私はサルサ好きというわけでもないし,ほかに持っているのはFania Allstarsのベスト盤ぐらいのものである。それでもこのアルバムは出来がよいことはすぐにわかる。言葉がわからなくてもである。

ある意味執拗なまでに繰り返されるリズム/フレーズ(時として,CDプレイヤーが読み取りエラーを起こしているのではないかと心配になるぐらい繰り返されるのだ)にBladesの歌が乗っかっていると言う感じなのだが,このラテンのリズムに思わず乗せられてしまうのである。通常の通勤途上であれば,音楽を聞きながら熟睡の世界に入る私が,このアルバムを聞いていると寝られないのである。それほど刺激的であり,祝祭的な音楽である。それにしてもWillie Colon率いるバンドに乗るRuben Bladesの声の何と魅力的なことか。これはやはりこの手の音楽を代表するアルバムとして一度は聞いておいて損はないような気がする。星★★★★★。

面白いのはホーンが基本的にトロンボーンばかりということである。しかもジャケの写真を見ると,Colonが吹いているのはバルブ・トロンボーンである。不勉強でわからないが,これってサルサの流儀なのだろうか?あるいはColon流なのだろうか?そうした中でトロンボーンが本業のTom Maloneがトロンボーンを吹かずに参加しているのはご愛敬と言うべきか。

Personnel: Willie Colon(perc, tb), Ruben Blades(vo, g), Yomo Toro(g, vo), Sonny Bravo(p), Jose Torres(p), Tom "Bones" Malone(sunth, tuba, harp), Sal Cuevas(b), Milton Cardona(ds, perc), Jose Mangual Jr.(perc, vo), Nicky Marrero(perc), Lewis Kahn(tb),  Leopoldo Pineda(tb), Papo Vasquez(tb),

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月19日 (水)

Pedro Aznarの声はやはり素晴らしい

Aznar "En Vivo" Pedro Aznar(Tabriz)

Pedro Aznarと言えばジャズ・ファンにとってはPat Metheny Groupでの活動を通じてメジャーになったと言って間違いのないところである。PMG諸作で聞かせたAznarの声はそれは素晴らしいものであったわけだが,これは本国アルゼンチンでのコンサートの模様を収めたライブ盤である。

私はAznar個人の音楽について詳しく知っているわけではない。昔,Pat Methenyが参加したソロ・アルバムを買ったことはあるが,何だかピンとこなくてもう何年も聞いていない。そういう意味ではやはりPMGにいるからこそAznarは光ると思っていたが,このアルバムを聞いてその認識を改めざるをえなくなった。以前に聞いたソロ・アルバムよりはるかにいいのである。聴衆は熱狂的に反応しており,一部の曲では一緒に歌っているわ,手拍子は打つわと盛り上がっている。こうした演奏を聞くと,Aznarの本国での立ち位置がよくわかるような気がする。つまり彼はジャズ・フィールドの人ではなく,あくまでもポップ・フィールドの人なのである。そうした点を鑑みれば,本来の音楽性はそうした人なのである。

そうは言っても,PMGの時に聞かせたAznarの美声は健在である。ここではクァルテットという小さい編成で,Aznarが優れたヴォーカルとベースの演奏技術(マルチ楽器奏者と言われるAznarの主楽器は実はベースなのである)を示すとともに,ゲストを迎えてときに賑々しく,ときに渋く,ときに楽しい演奏を聞かせる。Aznarの弾くベースもコーラスをきかせたり,フレットレスを使ったりと多彩である。本当に大したミュージシャンではないか。

いずれにしても,アルゼンチンだからと言ってラテン一本槍の演奏ではないから,一般の音楽のリスナーにも十分受け入れられるはずである。値段も手頃なので,入手までは時間が掛かっても聞いてみる価値はあると思う。星★★★★。それにしてもIvan Linsの"Septiembre"にしろ,Lennon/McCartneyの"Julia"にしてもはまり過ぎである。たまらん。

Recorded Live at Teatro nd Ateneo on August 9 &10, 2002

Personnel: Pedro Aznar(vo, g, b, perc), Aleandro Deviries(key, perc, vo), Diego Clemente(g, woodwinds, vo, perc), Facundo Guevara(perc) with Guests: Angela Irene, La Chilinga, Mono Fontana, Lito Epumer and Charly Garcia

| | コメント (2) | トラックバック (0)