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カテゴリー「Brad Mehldau」の記事

2017年2月19日 (日)

ようやく到着:Chris ThileとBrad MehldauデュオのLP。

既にこのブログにも書いた通り,Chris ThileとBrad Mehldauの新作デュオ・アルバムのLPには,Fiona Appleの"Fast as You Can"がボーナス・トラックとして収録されているため,Brad Mehldauのコンプリートを目指す私としては,どうしてもそれを手に入れなければならない。

ということで,Nonesuchのサイトで発注して,現地から発送の通知が来たのが,1/20であった。なかなか現物が届かなくてイライラさせられたが,それがようやく約3週間を要してデリバリーされた。その曲については,まだ聞いていないが,そのうちゆっくり聞かせてもらうようにしよう。

海外からの発送についてはこういうこともあるのは承知しているが,前回,Mehldauのソロ・ライブのLPボックスを仕入れた時は,確か正式発売日よりも前に着いたことを考えると,何だか違いが大き過ぎである(笑)。まぁ,でもちゃんとゲットできたんだからそれはそれでいいのだが。

ということで,次は国内盤CDにしか収録されない"Dark Turn of Mind"のために,国内盤CDのデリバリーを待つ私である。バカにつける薬はないって感じだが,せっかくほぼコンプリートなのだから,頑張るしかないのである。

ついでに行ってしまうと,ジャズ界のおんどれ君ことOndřej Štveráčekの"Sketches"を本人に頼んで,郵送してもらっているところだが,現物が到着する前に,新宿のDUで買えるなんて告知が。まぁ,いいんだけど。

2017年1月28日 (土)

Chris ThileとBrad Mehldauのデュオ作をダウンロード音源で聞く。

"Chris Thile & Brad Mehldau"(Nonesuch)

Chris_thile_brad_mehldau_2注目の新作がリリースされた。Brad Mehldauのコンプリートを目指す私は,ボーナス・トラック入りのLPを米国から取り寄せ中であるが,現物が届く前に,まずはMP3音源で本作を聞いた。事前に,"Scarlet Town"と"Independence Day"の音源はNonesuchから届いていたが,ようやく全編を通して聞けることとなった。

Brad Mehldauはこれまでもライブの場で,Joe Henryと演奏したり,John Mayerと共演したりと越境タイプの演奏はしてきたし,アルバムで見ても,Willie NelsonやVinicius Cantuaria等との共演もある。Punch Brothersのマンドリン奏者であるChris Thileとの共演も,そうした越境型活動の一つであるが,彼らが初めて共演したのは2011年に遡り,更にデュオのライブ・ツアーを行ったのが2014年の頃のはずである。私はブート音源や,YouTube映像などで彼らの演奏はチェックはしてきたが,ついにアルバムのリリースとなった。マンドリンとピアノのデュオ作っていうのは記憶にないが,何曲かでヴォーカルも入り,これはジャズ的な響きというよりも,SSW・フォーク系の響きが強い。レパートリーも彼らのオリジナルに加えて,Gillian Welch,Eliott Smith,Joni Mitchell,そしてBob Dylan等をやっていることもそうした印象を与える要因だと思う。

結論から言えば,これは非常に味わい深いアルバムで,音楽的な観点でも非常によくできたアルバムだと思える。特に私がJoni Mitchellのファンだということもあり,彼女の"Marcie"の演奏には思わず耳をそば立てた。強烈な緊張感や美学を感じさせるというよりも,ルーツ・ミュージックやアメリカ音楽の素晴らしさを再認識させてくれる音楽であり,気軽に聞くこともできれば,Brad Mehldauのピアノに注目して聞くこともできるアルバムとなっている。私はもともとアメリカン・ロック,特に渋いシンガー・ソングライターの音楽も好きな人間なので,こういうアルバムを聞いていると,その手の音楽が改めて聞きたくなってしまうというところもあった。

だからと言って,本作が過去を振り返ることを目的としたアルバムではない。ジャンルを超越して,音楽を作り出すことの素晴らしさをつくづく感じさせる作品となった。私はBrad Mehldauには甘いのは承知だが,こういう味わい深さを感じさせてくれたことを評価しなければならないと思うので,星★★★★★としてしまおう。映像等でもわかっていたが,Brad Mehldauがコーラスを付けているのは,まぁご愛敬ってことで(笑)。

尚,3月にリリース予定の国内盤CDにもボートラが付くので,CDは私はそちらを購入予定。コレクターは大変だ(苦笑)。

Recorded on December 30, 2015, and January 2–3, 2016

Personnel: Chris Thile(mandolin, vo), Brad Mehldau(p, vo)

2017年1月20日 (金)

コレクターはつらいよ:番外編

Chris_thile_brad_mehldau_2間もなくリリースされるChris ThileとBrad Mehldauのデュオ・アルバムであるが,既にこのブログにも書いた通り,困ったことにと言うか,LP版にはFiona Appleの"Fast As You Can"がボーナス・トラックとして収録されているので,これは買わないといけない。そして,日本の国内盤CDにはGillian Welchの"Dark Turn of Mind"がボーナス・トラックとして入っているそうである。

こうなると,LPは発注済みの私だが,国内盤CDをボートラだけのために購入しないとならなくなってしまった。コンプリートなんて目指しているからこういうことになるのだが,まぁ仕方がないねぇってことで。国内盤のリリースは3月らしいので,取り敢えずはLP到着を待つこととし,当面は発売日にデリバリーされるであろうMP3版を聞くことにしよう。

やっぱりコレクターはつらいのだ(苦笑)。だったらやめればいい?ここまで来たらやめられまへん(きっぱり)。

2016年12月 5日 (月)

Chris Thile & Brad Mehldauのデュオ・アルバムに関する情報

Chris_thile_brad_mehldauNonesuchレーベルのWebサイトを見ていたら,Punch Brothersのマンドリン奏者,Chris ThileとBrad Mehldauのデュオ・アルバムに関する告知が出ているのだが,そこにLP版にはFiona Appleの"Fast As You Can"がボーナス・トラックとして収録と書かれている。となると,Brad Mehldauのコンプリートを目指す私としては,これはLPを入手しないといけないってことだなぁ。おそらくCDも買ってしまうだろうが,無駄遣いだと思いつつ,こればかりはやめられないのである。

このアルバム,現状では"Scarlet Town"の一部がWebサイトで試聴できるだけだが,そこではBrad Mehldauが歌っているのが明らかになっている。彼らの演奏の映像を見れば,Mehldauが歌っているのはわかっていたが,本当にいろいろやるなぁ。改めて,彼らのブート音源でも聞いて,来年1月27日のアルバム・リリースを待つことにしよう。

尚,"Scarlet Town"については,Nonesuchの公式映像があるので,そちらも貼り付けておこう。

2016年11月 5日 (土)

豪華メンツによるWolfgang Muthspielの新作はECM先祖がえりのようなサウンド。

"Rising Grace" Wolfgang Muthspiel (ECM)

_20161103_2Brad Mehldauの追っかけをしている私が,このアルバムのリリースを知った時は,久々のECMレーベル作品への参加に加え,豪華なメンツということもあり,結構驚いたものである。いずれにしても,多くのジャズ・ファンにとっても,注目すべきアルバムであることには間違いあるまい。ついでにマニアックなことを言っておくと,Brad Mehldauがトランペットと共演することは極めてまれで,バンドとしてのセッティングとしてはGrant Stewartとの"Downtown Sounds"で,Joe Magarelliと共演したぐらいしか記録にないはずだ。私としてはそういうところも気になっていた。

そして,このアルバムをプレイバックしてみて,私が即座に感じたのが,サウンド的なデジャブと言えばいいだろうか。どこかで聞いたような感覚。それは曲がということではなく,サウンドがなのだが,往時のECMにおいて,様々なミュージシャンが入れ代わり立ち代わり組み合わせを変えて,アルバムをリリースしていた頃の感覚を思い出してしまったのであった。Ambrose Akimsireのラッパを聞いていて,例えば"Deer Wan"のようなKenny Wheelerのアルバムみたいに聞こえてしまったのである。それは決して悪い意味ではなく,あの頃のECMのアルバムを思い出してしまったという,私にとってのノスタルジーだけの話である。しかし,よくよく見ると,"Den Wheeler, Den Kenny"というKenny Wheelerに捧げられたと思しき曲も収録されており,あながち私の感覚もはずれていないのかもしれない。

まぁ,そうは言っても,リーダーであるMuthspielはLarry Grenadier,Brian Bladeとトリオで来日もしているし,リズムの二人はBrad Mehldauとの縁も深いから,セッション的な要素を与えているとすると,Ambrose Akimsireの参加ということになると思う。ここでのAkimsireの抑制されたラッパがECM的なサウンドに貢献していると考えてもいいかもしれないが,グループの演奏としてもなかなか質は高い。この青白く光る炎のような静謐な感覚こそECM的だと思わせるが,こういう音を作り出してしまうのが,Manfred Eicherマジックっていうところだろうか。

Brad Mehldauのピアノに期待を掛け過ぎてしまうと,バンドのエレメントとしての演奏に徹していると感じさせるため,やや肩透かしを食う感じがないわけでもないが,このバンドのセッティングの中で,そこかしこにBrad Mehldauらしさを感じさせるのは立派である。若干地味かなぁとも思わされるが,こういう音だからこそ,繰り返しプレイバックもできるってものである。ということで,甘いの承知で星★★★★☆とするが,長年のECMレーベルのファンにとっても,受け入れやすいアルバムだと思う。

Recorded in January 2016

Personnel: Wolfgang Muthspiel(g), Ambrose Akimsire(tp), Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Brian Blade(ds)

2016年10月16日 (日)

Joshua Redman & Brad Mehldau@Blue Note東京!

Joshua_redman_and_brad_mehldau_2

ブルーノートにおけるJoshua RedmanとBrad Mehldauのデュオを聞いた。彼らのライブ盤"Nearness"も素晴らしい出来だっただけに期待はしていたが,あまりの素晴らしさに唸ってしまった私である。

この2人,オリジナルとスタンダードで,相当に違った感覚を生み出すことが面白い。どっちが好きって言うよりも,テイストが全然違うのである。そういう側面を聞くのもライブの醍醐味ってことだが,私にとっては,改めてBrad Mehldauの素晴らしいピアノをアコースティックな環境で聞けたのが嬉しかった。もはや言うまでもないことかもしれないが,彼のピアノは完全に独自の世界を確立している。今回,MehldauはSteinwayのフル・コンサート・グランドをほPAなしでプレイしていたように思うが、私はJoshuaの真正面で聞いていたため,2人の演奏をほぼ生音で聞いていたようなものである。く〜っ。

願わくば,コットンクラブで聞きたかったが,スケジュールの都合でブルーノート参戦となった。コットンクラブならば更にインティメートな感覚を生んだはずだと思うとちょっと残念だが,これだけ素晴らしい演奏を聞かせてもらったのだから,文句は言うまい。

写真はブルーノートのWebサイトから拝借

Live at Blue Note東京 on October 13, 2nd Set

Personnel: Joshua Redman(ts, ss), Brad Mehldau(p)

2016年9月18日 (日)

来日目前:Joshua RedmanとBrad Mehldauの古いデュオ音源を振り返る。

Joshua_redman_france_musiqueNonesuchレーベルからリリースされた"Nearness"の出来も素晴らしく,10月の来日公演への期待値も高まる私だが,この二人のデュオ演奏の音源は,実は1994年に遡って音源が存在することはこのブログを初めてすぐに書いた記事にも書いている(記事はこちら)。そこにも書いているが,その音源はフランスWarnerのプロモ盤で,限定1,000枚,シリアル・ナンバー付き(私のは'0642'とプリントしてある)という結構入手が厳しいと思わせるものであった。私は10年以上前のeBayでのたたき合いの末のゲットであったが,まぁ希少度が高いので,たまにはそういうことも必要なのだ(笑)。そこには当時のクァルテットによる演奏が2曲と,デュオ音源が2曲収められているが,今回はデュオ音源に集中して聞いてみることにした(それにしてもプレイバックするのは物凄く久しぶりだ...)。

デュオでやっているのはJoshua Redmanのオリジナル"Soul Dance"と,Duke Ellingtonの"Sophisticated Lady"であるが,こちらは放送音源から取られたものと思われる。番組名が"Les Démon de Midi(正午の悪魔)"ってのが凄いが,ってことはお昼の番組だったのだろうか?そして,今から20年以上前の演奏にもかかわらず,既に彼らの音楽はスタイルを確立していると言ってもよい。Brad Mehldauのピアノは十分に現在につながるラインを示していて,非常に美しい。

もちろん,その後20年以上を経て,彼らの音楽は更に成熟度を増していることは間違いないが,1994年の録音時点でのRedman:24歳,Mehldau:23歳という年齢を考えると,この演奏はかなり完成度が高いと言わざるをえない。逆に言えば,老成していると言われても仕方がない訳だが,ファンの弱みと言うべきだろうが,そういうところも評価してしまう私である。演奏の深みは"Nearness"に及ぶべくもないが,それでもこれは今の彼らを評価する上でも重要な音源だったと思っている。

とにかく入手出来てよかったわ~と,今更ではあるが感慨にふける私であった(爆)。

Recorded on January 4, 1994

Personnel: Joshua Redman(ts), Brad Mehldau(p)

2016年9月11日 (日)

来日を控えて,Joshua Redman~Brad Mehldauデュオ作がリリース。

"Nearness" Joshua Redman & Brad Mehldau (Nonesuch)

Nearness10月に来日を控えたご両人によるライブ・アルバムがリリースされた。Joshua RedmanとBrad Mehldauの付き合いは,90年代半ばのJoshua Redman Quartetの時代に遡るが,その後も彼らの付き合いは継続していて,RedmanによるMeldauの"Highway Rider"への参加,あるいはMehldauによるRedmanの"Walking Shadows"のプロデュース及び参加と言った具合で,連携は継続してきた。

そんな二人がデュオ・ツアーをやっていたことは,ブート音源等を通じて認識していたが,レコーディングからほぼ5年の時を経ての蔵出しという,最近のNonesuch得意のパターンでのリリースであるが,これがまたまた痺れる出来である。今回のアルバムには6か所の異なるヴェニューにおける演奏を収録しているが,おそらくずっと録音を続けていて,その中からベスト・テイクを選んだって感じではないだろうか。

デュオで演じられているだけに,地味な印象を与えかねないところであるが,むしろデュオならではの緊密なコミュニケーションが聞けることによって,このアルバムの素晴らしさが際立つって感じである。若干のミスタッチ等はあるのだが,そんなことはどうでもいいと思わせる出色のアルバムとなったと思える。

Brad Meuldauのトリオによる新作"Blues & Ballads"は悪くないとしても,CD4枚組のソロ・ライブに比べると,テンションはやや抑制された感じがしたが,アルバムとしては,私はこちらの方がより評価されるべきと思った。緊張感もありながら,美しさも表出していて,私は約75分というディスクを夢中になって聞いてしまった。スタンダード3曲,オリジナル3曲というバランスも絶妙。来月の来日公演への期待も含めて星★★★★★。

Recorded Live at Various Venues in July and November, 2011

Personnel: Joshua Redman(ts, ss), Brad Mehldau(p)

2016年7月18日 (月)

Brad Mehldauも参加した結構豪華なメンツによるWarren Wolfの新作

"Convergence" Warren Wolf(Mack Avenue)

Convergence先日,DownBeatの最新号のレビューの記事を眺めていたら,おぉっ,Brad Mehldau入りではないかということで,早速海外に発注をかけた私である。現物はまだ来ていないので,Apple Musicで早めのチェックをしてみた。

Warren Wolfはボルチモア出身のヴァイブ奏者であるが,本作はMack Avenueレーベルにおける第3作とのこと。ここではWarren Wolfも参加する"Inside Straight"のバンマスであるChristian McBrideも参加して,Warren Wolfを盛り上げている。ジョンスコは2曲で客演。

まぁ,正直言って,私はBrad Mehldau目当てで本作を買っているのは間違いないところだが,全11トラック中5曲に参加しているものの,Mehldauの露出はそれほど高くない。もちろん,Wolfとのデュオで演じられる"New Beginning"等はMehldauならではのピアノを聞かせるが,アルバム序盤は抑制したプレイが際立っているように思える。そうは言いつつ5曲目の"Cell Phone"で聞かせるピアノは,テーマでのヴァイブとのユニゾンも決まり,リズムの煽りもよく,Mehldauのソロもかなりスリリングな展開を示す。これはいいねぇ。Brad Mehldauがどうしてこのアルバムの参加に至ったかはわからないが,Christian McBrideとは旧知の間柄であるから,そちらのコネって気がする。

それはさておき,これだけのメンツが揃っているので,おかしな演奏になるわけはない。だが,リーダー,Warren Wolfはそれほど強烈な個性の持ち主とも言えない部分があって,その辺りが評価の分かれ目って気がする。このメンツならもっとできるだろうと贅沢を言いたくなってしまうのである。やはり私はMehldau参加曲に注目してしまうがゆえってところもあるが,Warren Wolf本人がピアノを弾く曲と比べると,Brad Mehldauのピアノの凄さが感じられる結果になっていると思える。まぁ,悪くはないけど,星★★★☆ぐらいってところだろう。

Personnel: Warren Wolf(vib, marimba, el-p, p), John Scofield(g), Brad Mehldau(p), Christian McBride(b), Jeff 'Tain' Watts(ds)

2016年6月13日 (月)

Brad Mehldauの新作の現物が到着。やっぱりいいねぇ。

"Blues And Ballads" Brad Mehldau Trio(Nonesuch)

Blues_and_ballads先日,Apple Musicで聞いた本作については,速攻で記事にしたが,現物が予定から数日遅れでデリバリーされた。しかし,私は出張で家を離れていたので,聞くチャンスがなかった。ようやくこの週末で現物を聞くことができたが,印象は大きく変わらないものの,現物で聞く方が味わいが感じられるのは気のせいだろうか?

冒頭の"Since I Fell for You"からまさに痺れる出来というのは,前回も同様だったが,今回,聞いた演奏の感覚の方がブルーズとしての深みが感じられるのは,iTunesで移動中に聞いた前回と,しっかり部屋で聞いた今回の違いと言えるかもしれない。だが,従来のBrad Mehldauのイメージからはブルーズそのものは離れたものであるにもかかわらず,ここでの演奏からは,うまい人は何をやってもうまいとうならされるだけの魅力はあると思う。私は確かにコンプリートを目指すほどのMehldauフリークであるが,そうでなくてもこの表現力にはまいる人も多いだろう。

今回も"Cheryl"はどうなのかねぇと思っていた私だが,それでも前回ほどの違和感はなかった。これはアドリブ・パートを集中して聞けば,ちゃんとした演奏だからである。むしろ,私にあるのは"Cheryl"のテーマの曲調への違和感,あるいはここでのテンポなのかもしれないと思えた。それに続いて,おそらくは曲調ゆえにややあっさりとした感じの"These Foolish Things"をはさんで,なだれ込む終盤2曲のなんと素晴らしいことよ。"And I Love Her"はライブの時にも感じさせた原曲へのリスペクト,そして最後の"My Valentine"はこの曲を名曲と感じさせるに十分な圧倒的な表現力を示している。これはやはりBrad Mehldauと曲の相性というところもあるように思えるが,この人にはこの人に合った曲があるということでいいのではないか。もちろん,スタンダードはちゃんと弾けることは明らかでも,より現代的なフレーズを有する曲の方が魅力的に響いてしまうところはあるように思えた。

そう言えば,トリオでの前作,"Where Do You Start"をレビューした記事に私は「Mehldauがポピュラー曲を演奏する時,彼はそこに内在する曲の美しさを見事なまでにあぶり出す能力を示す」なんて書いているが,我ながらいいことを言っている(爆)。

本作も全体からすれば十分なクォリティは確保されているので,評価を下げる気はないが,久々に聞くBrad Mehldau Trioの演奏はやはり見事でありながら,中盤の選曲は違ったものでもよかったかもしれない。いずれにしても,10年間のソロを集成した前作の痺れるような感覚は抑制されているかもしれないが,逆に言えば何度でもリピートできる作品だと思う。星★★★★☆。

Recorded on December 10, 2012 and May 12, 2014

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

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