最近のトラックバック

2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

2016年おすすめ作

無料ブログはココログ

カテゴリー「Brad Mehldau」の記事

2018年8月12日 (日)

コレクターはつらいよ(22):Louis Coleの新譜に1曲客演及び長年の疑問について。

"Time" Louis Cole(Brainfeeder)

_20180811本作に関しては先日,ミュージックマガジン誌を読んでいて,情報を入手したもの。ここでの主役のLouis Coleとのインタビュー記事が載っていて,そこにBrad Mehldauの名があるではないか。

そもそもLouis Coleの名前は,Brad Mehldauのディスコグラフィでも上がっていたので,それがなければ今回も見逃しは確実であっただろう。そもそもLouis Coleの音源がBrad Mehldauのディスコグラフィに本当に関係があるのかという話はあった。Jens Linge氏が運営する世界で一番詳しいMehldauのディスコグラフィに掲載された時も,そもそもその掲載アルバムがダウンロード・オンリーということもあり,詳しい情報の入手が難しかった。そして,Brad Mehldauが参加しているという"Motel Sadness"を聞いても,そこで聞こえるピアノがそうだと言われればそうかもしれないが,本当にそうだという確信は持てなかった。

だが,今回のミュージックマガジンの記事には次のような記述がある。「友だちが僕の昔の曲("Motel Sadness")をBrad Mehldauに送ったことがきっかけなんだ。Mehldauはその曲を気に入ってくれたようで,キーボードとマックのガレージバンドで音を付け加えて,8~9年前にネットに上げてくれた。」

記事の内容を額面通りに受け取れば,ダウンロード・オンリーのアルバム"Louis Cole"の"Motel Sadness"にBrad Mehldauが参加していたという明確な情報はここにもなく,Brad Mehldauはネット上に"Motel Sadness"を素材として,音を付け加えてアップしたことがあるというのが正しい解釈だろう。その音源というのは多分下に貼り付けたものである。そもそもLouis Coleのアルバムの同曲は4分程度だが,貼り付けた音源は6分を越えている。おそらくはここで聞かれるMehlianaを彷彿とさせるシンセがそれってことになるだろう。

ということで,長年,喉に刺さっていた魚の小骨のような状態だったLouis Cole音源に関してはそれで解決ってことになるが,そこへLouis Coleの新譜にBrad Mehldauが参加である。確かに5曲目"Real Life"にはFeat. Brad Mehldauと書いてあるし,これは間違いない。これ1曲ってのがつらいところだが,この曲,ファンク及びロック・フレイヴァーの中で,Brad Mehldauが実にカッコいいピアノ・ソロを聞かせていて,イメージはいつもの彼とは明らかに異なる。ちょっと聞いた感じでは,Kenny Kirklandが弾きそうなソロ・フレーズのようなイメージすら与えるのである。どんな音楽にでも同調できてしまうというのが,Brad Mehldauというミュージシャンの凄いところであり,他流試合の多さの反映って気がする。

これ1曲のために本作を買ったのは間違いない事実なのだが,Louis Coleの曲作りのセンスや,ほぼすべてを自分でこなすマルチなタレントぶりも楽しめて,これはなかなかよかったと言っておこう。 

2018年7月10日 (火)

奥方Fleurineの新作にBrad Mehldauが4曲で客演。

"Brazilian Dream" Fleurine (Sunnyside)

_20180708Brad Mehldauは奥方Fleurineのアルバムにも結構ゲスト参加しているが,今回の新作も同様である。アルバム・リリース後のライブにもゲストで出ているから,随分奥さん思いだといつも感心してしまう。私が彼女のアルバムをこのブログで取り上げたのはもう10年以上前の"San Francisco"になる(記事はこちら)が,彼女のアルバムはそれ以来ってことになるのかもしれない。"San Francisco"でも感じられたブラジリアン・フレイヴァーが今回は更に強まって,タイトル通り完全にブラジル的なアルバムになっている。

今回,Brad Mehldauはrhodesとピアノで4曲に客演しているが,あくまでもバッキング中心の,楚々としたプレイぶりである。このアルバムにはクリポタことChris Potterも3曲で客演しているが,4曲目"Ausencia de Paixao(Passion)"において、テナー・ソロで場をかっさらうのとはちょっと違う(笑)。もちろん,Mehldauも6曲目"My King"や"Sparkling Gemstone"等でソロは聞かせるが,出しゃばった感じはない。だからと言って,決してクリポタが出しゃばっているという訳ではないので念のため。あくまでもおぉっ,クリポタ!と思わせるだけである(笑)。

今回はバックのミュージシャンも"Boys from Brazil"としてブラジル人で固めているが,彼らはFleurineのWebサイトの情報によれば,NYCをベースにして活躍している人たちのようである。そういう人たちのサウンドをバックにしたFleurineは,オランダを出自とするにしては,いい感じのブラジル感を醸し出している。私はブラジル音楽もそこそこ好きだが,そんな私でも非常に心地よく聞くことができるアルバムになっている。彼女はギターでここに収められたオリジナルを作曲したらしいが,かなりブラジルにはまっているってことなのだろう。

もちろん,リアルなブラジル音楽を聞くなら,私はMaria Ritaのアルバムを選ぶだろうが,それでもBrad Mehldauやクリポタの客演もあり,これは相応に評価してもよいと感じている。聞いてもらえばわかるが,ちゃんとブラジル音楽になっているのである。そうした点も加味して,甘いの承知で星★★★★☆としてしまおう。尚,レコーディング日の記載はあるが,年が書かれていない。多分2017年だろうということで下記のような記述にしておく。

Recorded on May 30 & 31, 2017(?)

Personnel: Fleurine(vo, g), Ian Faquini(g), Eduardo Belo(b), Vitor Goncalves(p, accor, rhodes),Rogerio Boccato(perc), Chico Pinheiro(g), Brad Mehldau(p, rhodes), Chris Potter(ts, ss, a-fl) with Strings and Horns

2018年6月 9日 (土)

コレクターはつらいよ(21):Brad Mehldauの国内盤新譜にボートラが...。

_20180518既にこのブログでもBrad Mehldauによるトリオによる新作"Seymour Reads the Constitution!"については記事をアップした(記事はこちら)。いつもながらのBrad Mehldauのハイ・レベルな演奏に嬉しくなったことは言うまでもない。

だが,先日,ブログのお知り合いのmonakaさんの本作に関する記事を拝見していて,本作の国内盤にはボーナス・トラックが入っていることがわかってしまった。それを知った以上,Brad Mehldau音源のコンプリートを目指す私としては,国内盤も買わざるを得なくなった(爆)。前にも書いたと思うが,コンプリートと言っても,既発音源を収めたコンピレーション盤まで集める気はなく,あくまでも,ほかのアルバムには未収録の曲が入っていれば買うというスタンスである。しかし,1曲のためにもアルバムを買う必要があるのは決して楽なことではないのだが...。まぁ,好きでやっているのだから仕方がない。

それでもって,今回の国内盤である。私はBrad Mehldauの新譜が出れば,一刻も早く聞きたいと思っているクチなので,リリース・タイミングが遅れがちな国内盤に手を出すことはまれなのだ。最初から分かっていれば,ストリーミングで我慢して,輸入盤購入を見送っていたかもしれないが,まぁいいや。

今回,ボーナス・トラックとして収録されているのはBrad Mehldauのオリジナル”Middle Game"である。本編の演奏同様,Brad Mehldauのオリジナルらしい響きを持つ変拍子の曲である。これを別にボツにしなくてもいいではないかというような曲であり,演奏であるが,国内盤向けとは言え,陽の目を見たことはファンとしては喜ぶべきである。私としては余計な出費となったが,もう結構行くところまで行ってしまっているので,もはややめるというオプションはないのである。

2018年5月19日 (土)

Brad Mehldauの新譜,"Seymour Reads the Constitution!"を早速聞く。

"Seymour Reads the Constitution!" Brad Mehldau Trio (Nonesuch)

_201805183月にソロ・アルバム,"After Bach"をリリースしたばかりのBrad Mehldauであるが,極めて短いインターバルで今度はトリオによる新作をリリースである。このトリオによる前作"Blues And Ballads"が出たのが約2年前,更にChris Thileとのアルバムをリリースして,ここところのBrad Mehldauの高頻度のアルバム・リリースは,ファンとしては本当に嬉しくなってしまう。

そして,今回の新作がデリバリーされるということで,仕事もさっさと終えて,帰宅してこのアルバムを聞いた。冒頭の"Spiral"は既にネット上で公開されていたが,このやや内省的でありながら,Brad Mehldauの個性を十分に表出させたこのトラックを聞いて,期待値が高まっていた私である。

このアルバムは,Brad Mehldauのオリジナルが3曲,そこにスタンダード,ジャズ・オリジナル(それも,Elmoo HopeとSam Riversってのが凄い),ポップ・チューンから成る5曲を加えた全8曲で構成されている。8曲中6曲が8分を越え,最短の"Almost Like Being in Love"でも5分41秒という比較的尺の長い曲を揃えている。本作を聞いていて,面白いと思ったのはBrad Mehldauのオリジナルとそれ以外で,響きがかなり違うということだろうか。オリジナルでは両手奏法も使いながらの内省的演奏であるが,その他の曲では,ややコンベンショナルではありながら,曲の個性を活かした演奏となっており,全く飽きさせないのは立派である。

逆に言うと,Mehdlauのオリジナルとそれ以外では,だいぶ受ける感じが違うので,その辺りに違和感を覚えるリスナーがいても不思議ではない。私はミュージカル"Brigadon"からの"Almost Like Being in Love"に強い印象を受けるだけでなく,冒頭の2曲と全然違うが,これはこれでいいねぇと感心させられたし,今回も選曲のセンスは健在だと思わせるに十分であった。オーソドックスなかたちで演じられるElmo Hopeの"De-Dah"なんて,ちょいと浮いて聞こえてしまうようにさえ感じる。それでもソロの後半になるとちゃんとMehldau的になっていくのだが(笑)。

だが,トリオの緊密度は極めて高く,特にLarry Grenadierのベースはかなり自由な感じで弾いているにもかかわらず,ちゃんとトリオとしての響きになっているのがわかって面白い。まぁ,私が近年のMehldauトリオの最高作と思っている"Where Do You Start"には及ばないとは言え,今回も質の無茶苦茶高い演奏を堪能させてもらった。星★★★★☆。それにしても,Sam Riversの"Beatrice"はいい曲である。

Personnel: Brad Mehdau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

2018年5月17日 (木)

Brad Mehldauの新譜のリリースを前に,古い音源を。

"Live in Boston" Joshua Redman Quartet (Warner Brothers Promotional CD)

_20180513_3"After Bach"が3月にリリースされたばかりのBrad Mehldauだが,トリオによる新作,"Seymour Reads the Constitution!"のリリースが間もなくとなっている。また,その後には奥方Fleurineの新作にも参加しているので,それに向けた心の準備(笑)を整えなければならない。

その前に,古い音源も久しぶりに聞いてみるかってことで,Warnerがプロモーション盤として5,000枚限定で発行したライブ音源を紹介しよう。これは1994年のNew England Conservatoryでの演奏を収めたもので,考えてみればもう四半世紀近い時間が経過している。メンツは当時のJoshua Redman Quartetであるが,今にして思えば,Redman, Brad Mehldau,Christian McBrideにBrian Bladeって凄いメンツである。全3曲,Redmanのオリジナルであるが,2曲は"Mood Swing"からなので,文字通りプロモーション的な色彩が強い。それでも,ライブだけあって,3曲で演奏時間は40分を越えるので,聞きごたえは結構ある。

だが,これだけのメンツである。レベルは高い演奏であるが,Brad Mehldauは現在のような個性を表出するところまでは行っていない感じ,と言うよりもリーダーを立てた助演に徹しているという感覚が強いが,それでも比較的コンベンショナルなセッティングの中で,既にピアニストとしての実力は十分に発揮していると思う。それでも主役はどうやってもJoshua Redmanなのだが。

まぁ,正直言ってしまうと,このCDを探すのは今となっては結構大変だと思うが,あるところにはあるはずである。気長に探して頂ければと思うが,値を吊り上げるセラーもいるので,購入は自己責任でどうぞ(笑)。私は結構早い時期に入手しておいてよかったわ~。

Recorded Live at Jordan Hall at New England Conservatory on December 3, 1994

Personnel: Joshua Redman(ts), Brad Mehldau(p), Christian McBride(b), Brian Blade(ds)

2018年4月 6日 (金)

コレクターはつらいよ(20);Joni Mitchellトリビュート盤の1曲

"A Tribute to Joni Mitchell" Various Artists(Nonesuch)

_20180401_2久しぶりのこのシリーズだが,このディスク自体はリリースされたのはもう10年以上前のことである。私自身はてっきり記事にしていたと思ったのだが,このブログにはアップしていなかった。なぜだ...?(苦笑) 

このアルバムはタイトル通り,様々なミュージシャンがJoni Mitchellの音楽をインタープリテーションするという企画アルバムである。その中で1曲,Brad Mehldauのソロが入っているのだから,これは買わないわけにはいかないし,そもそもJoni Mitchellも偏愛する私としては,多分Brad Mehldauが参加していなくても買っていたのではないかと思われる。

Brad Mehldauが演じているのはアルバム"The Hissing of Summer Lawn"から"Don't Interrupt the Sorrow"というなかなか渋いチョイス。これがいかにもBrad Mehldauらしい演奏で嬉しくなってしまう。やっぱりわかってるねぇ,って感じである。

だが,このアルバム,Brad Mehldau以外にも聞きどころ多数である。アフリカ風味だった"Dreamland"をブラジル的に仕立て直したCaetano Veloso,無茶苦茶渋く"For the Roses"を歌うCassandra Wilson,Joni Mitchellへのシンパシーを強く感じさせるPrinceの"A Case of You",そして真打ち登場的にラストに収められたJames Taylorの"River"等,どれも捨てがたいし,どれも魅力的である。

ただねぇ,冒頭のSufjan Stevensの"Freeman in Paris"はいじり過ぎでこれはちょっとなぁと思うファンも多いだろう。これは個性の表出としては認められても,歌詞だけ使って,原曲の曲の持つよさを全然活かしていないのは納得いかないねぇ。ということで,全体としては星★★★★ぐらいだろう。

Personnel: Sufjan Stevens, Bjork, Caetano Veloso, Brad Mehldau, Cassandra Wilson, Prince, Sarah McLachlan, Annie Lenox, Emmylou Harris, Elvis Costello, k.d.Lang, James Taylor

2018年3月17日 (土)

ついに到着。Brad Mehldauの"After Bach"

"After Bach" Brad Mehldau(Nonesuch)

_201803163/9に発売されながら,我が家に到着するまでリリース後1週間近く経過し,大いに苛つかされたが,ようやく到着である。このアルバムはバッハの「平均律」とMehldauのオリジナルを混在させるという,極めてチャレンジングな作品と言ってもよいが,もとは2015年にカーネギー・ホール等からの委嘱によって作曲された"Three Pieces after Bach"に基づくものである。しかし,ここに収録されたのは「平均律」からが5曲,Mehldauのオリジナルが7曲であるから,オリジナルのコンポジションからは拡大されたと考える必要があるかもしれない。

正直言って,私はこのアルバムの企画を知った時,かなり不安だった。私がいくらBrad Mehldauの追っかけだからと言って,別に彼の弾く「平均律」にそれほど関心を抱くことはできないのだ。それこそ「平均律」を聞くならSchiffでもRichterでもよいと思っていた。だが,このアルバムを聞いて,そうした不安は簡単に消え去ってしまった。

Brad Mehldauのオリジナルは,バッハにインスパイアされたものだという前提だが,私にはバッハが今の時代に生きていたらという仮定で,Brad Mehldauは作曲したのではないかと思える。だから敢えて,「平均律」とオリジナルを対比的に置くことによって,その曲の個性の違いを浮き立たせることに意義があったのではないか。すなわち,明確な意図があって,こういう並びにしていると考えざるを得ないのである。Mehldauのオリジナルも確かにバッハ的に響く瞬間もあるのだが,やはりBrad Mehldauのオリジナルは彼らしいオリジナルだと言ってよい。どの程度が記譜され,どの程度がインプロヴィゼーションなのかわかりかねる部分もあるが,ここで聞かれるピアノ曲はやはりBrad Mehldauにしか弾くことはできないであろうと思わせるに十分である。

そして,最後に据えられた"Prayer for Healing"。この曲にだけバッハの名前がついていない。これは11曲目までの組曲的な演奏を終え,そのテンションから解放されたBrad Mehldauの精神が反映されていると言っては大げさか?アルバムのエンディングを静かに飾る曲として,これほどふさわしい曲はないだろう。

ということで,これは正直言って相当の問題作と言ってもよいが,Brad Mehldauは軽々と越境を成し遂げたというところだろう。やはりこの人,凄い人である。そのチャレンジ精神にも敬意を示すために,星★★★★★としてしまおう。

甚だ余談であるが,このアルバム・カヴァーを見ていると,Hitchcockの「めまい」を思い出してしまった私であった。

Recorded on April 18-20, 2017

Personnel: Brad Mehldau(p)

2018年1月27日 (土)

Brad Mehldauの新譜は3/9リリース予定。テーマはバッハである。

After_bachBrad Mehldauの新譜がリリースされるようである。3/9,Nonesuchから発売されるアルバムはその名も"After Bach"である。平均律から4曲演奏するほか,Mehldauがカーネギー・ホールなどから委嘱されて書いた"Three Pieces After Bach"からの曲を含むということらしい。ソロはあの超弩級CD4枚組,LPなら8枚組の”10 Years Solo Live"以来だけに期待しちゃうよねぇ。またも強烈に美的なソロ・ピアノを聞かせてくれるはずである。発売日を首を長くして待ちたい。

2017年7月24日 (月)

"Signs of Life"と同じメンツでライブ同窓会。

"Signs Live!" Peter Bernstein(Smoke Sessions)

_20170721Peter BernsteinがCriss Crossレーベルに"Signs of Life"というアルバムを吹き込んだのは1994年12月のことであった。それから約20年経過した2015年1月に,アルバムと全く同じメンツが集ってライブを行った時の実況盤である。

録音当時,リーダーBernsteinは27歳,Brad Mehldau24歳,Christian McBride22歳,Gregory Hutchinson24歳という初々しいバンドが,20年を経て,それこそ音楽的な成長を遂げた姿を聞かせるのは何とも嬉しいことではないか。

Peter BernsteinとBrad Mehldauは"Signs of Life"前後にも共演する機会があり,最も古い音源は92年の"Somethin's Burnin'",新しいところでは2014年のJimmy Cobbの"The Original Mob"まで続いている。彼らはJimmy Cobbのバンド・メイトだったはずで,それが続いているというのは麗しき友情と言うべきか(笑)。

オリジナルの"Signs of Life"も久しく聞いていないので,単純な比較はできないが,比較的コンベンショナルなセッティングな中で,私にとってはBrad Mehldauがどういうソロを聞かせるかというところに関心が行ってしまうのは,彼のファン故しかたないことではあるが,ここでもツボを押さえた魅力的なソロを随所で聞かせていて,私としては大満足である。そして,彼のリーダー・アルバムとは違うので,バッキングにも気を利かせて対応しているのが効いて取れ,やはり優秀なミュージシャンは,何をやっても優秀ということを改めて感じさせられる。

収められているのは基本的にPeter Bernsteinのオリジナルであるが,それ以外で選ばれているのが,Theloneous Monkの3曲というのはやや意外な気もするが,違和感なくプレイしている。Mehldauも"We See"では,ややMonk的(と言っても,大してMonkっぽくないのだが...。笑)なソロもやっていて,へぇ~と思ってしまうが,それも珍しいってことで。

2枚組で,各々が70分を越える収録時間で,正直お腹いっぱいになってしまうが,それでもこのメンツが,改めて集い,これだけの演奏を聞かせたことは,このときNYCの会場にいたオーディエンスにとって,実にラッキーだったと思う。星★★★★☆。

Recorded Live at Jazz at Lincoln Center on January 5, 2015

Personnel: Peter Bernstein(g), Brad Mehldau(p), Christian McBride(b), Gregory Hutchinson(ds)

 

2017年4月30日 (日)

またも出た。Dayna Stephensの豪華メンツによるバラッド・アルバム。

"Gratitude" Dayna Stephens(Contageous Music)

_20170426Dayna StephensがBrad Mehldauらのメンツを集めて,バラッド・アルバムをリリースしたのがほぼ3年前ということになるが,あれはスペシャル・プロジェクトだったんだろうなぁと思っていたら,なんと,同じメンツを集めてのアルバムが新たにリリースされた。詳しいレコーディング・データはないが,プロデューサーも同じ,レコーディング・スタジオも同じ,エンジニアも同じということで,前作の残りテイク集ということになるのかもしれない。そうでなければ,これだけのメンツを集めるというのはなかなか考えにくい。

今回も選曲は凝っていて,Aaron ParksやPat MethnyにBilly Strayhornが同居して,非常にユニークなものになっていると言える。いずれにしても,味わい深い演奏という表現が適切であり,これはなかなかいい。バラッド・アルバムとは言っても,相応のダイナミズムも感じられ,ちょっと聞いた感じでは,前作"Peace"よりもいいように感じられる部分もあると思う。

Pat Metheny作の"We Had a Sister"ではDayna StephensがEWIを吹いており,いいアクセントになっているのも評価したい。ということで,これはメンツ買いはもちろん,メンツ買いでなくても満足できるアルバム。星★★★★☆。

Personnel: Dayna Stephens(ts, bs, EWI, synth, b), Julian Lage(g), Brad Mehldau(p, tack-p), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds)

より以前の記事一覧

Amazon検索

2017年おすすめ作