何を歌ってもBryan Ferry色に染まってしまうってのが凄い"Taxi"。
師走に入って,今年を回顧し始めると,3月に行ったBryan Ferryのライブは楽しかったなぁなんて思っていて,取り出したのがこのアルバムである。Bryan Ferryのオリジナルは1局のみで,基本的にカヴァー・アルバムなのだが,主題の通り,何を歌ってもBryan Ferry色に染まってしまっている。これがミュージシャンの個性ってところであるが,実に心地よく聞けるアルバムである。
レパートリーは多岐に渡っているが,"Will You Still Love Me Tomorrow"や"Amazing Grace"のような曲に混じって,ソウル系の曲も含まれているのだが,ソウルの「黒さ」みたいなのは皆無と言ってよい。それをよしとするか否かがリスナーの趣味ってことになるだろうが,私のようなBryan Ferry好きには全然問題ない(笑)。オリジナルのソウル的な響きを期待するのではなく,Bryan Ferryによる「翻案」を楽しめばいいと思ってしまう。その他の曲もBryan Ferry版のいい意味での「ムード歌謡」みたいなものである。
まさにこの人にしか出せない世界。来年の2月には1974年のRoyal Albert Hallでの初ソロ・ツアーの音源がリリースされる予定だが,また買っちゃうよなぁ(笑)。この人の音楽は新味はなくとも本当に安心して聞いていられる,ってことで星★★★★。
ところで,すっかり失念していたのだが,私はこのアルバムに関して2年前ぐらいに記事を書いていて,ほとんどトーンが変わらないってのが笑える(記事はこちら)。
Personnel: Bryan Ferry(vo, p, synth, org), Carleen Anderson(vo), Robin Trower(g), Neil Hubbard(g), David Williams(g), Michael Brook(g), Greg Phillinganes(vib, synth), Chris Stainton(org), David Sancious(org), Flaco Jimenez(accor), Nathan East(b), Steve Pearce(b), Steve Ferrone(ds), Andy Newmark(ds), Mike Giles(ds), Luis Jardim(perc), Maceo Parker(as), Andy Mackey(as), Mel Collins(ts), Richard T. Norris(prog)
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