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2019年11月17日 (日)

Marc Coplandの新作は注目のメンツによるピアノ・トリオ。

And-i-love-her "And I Love Her" Marc Copland(Illusions Mirage)

Marc Coplandの前作"Gary"をこのブログで取り上げたのが約半年前のことだったが,それから短いインターバルでリリースされた新作はピアノ・トリオである。Drew Gress,Joey Baronとの組み合わせは,それぞれがこれまでMarc Coplandとの共演歴があるため,コンビネーションとしては鉄壁だろうと想像するに難くなく,リリースがアナウンスされた時から注目していた。ストリーミングでは結構早くから聞いていたのだが,ようやく現物を入手した。

結論から言ってしまえば,いかにもMarc Copland的な演奏である。いきなりミステリアスな雰囲気から始まるのは"Afro Blue"。そこかしこにMarc Copland的な感覚やフレージングがあって,やっぱりMarc Coplandだと思ってしまう。そして2曲目はこれまでもCoplandがやったことがあるHerbie Hancockの"Cantaloupe Island"であるが,原曲と全然イメージを変えてしまうのがMarc Coplandらしい。それに続くDrew Gressのオリジナル"Figment"はこのトリオの美学を感じさせる演奏になっていて,わかってるねぇと思ってしまう。そして,Marc Coplandのオリジナル"Might Have Seen"なんて,Marc Coplandしかこういう曲を書かんだろうという響きなのだ。

そして,よくよく考えてみれば,このトリオ,John Abercrombieの最後のクァルテットを支えたトリオである。バンマスのAbercrombieを偲んで(?)のジョンアバ・オリジナル,"Love Letter"をやって,それに続くのがこれまた実に美しくも動的な魅力にも溢れたMarc Coplandのオリジナル,"Day and Night"である。こういう演奏をされてしまうから私はこの人のファンをやめられない。そして,本作で最も注目されるであろう"And I Love Her"であるが,和声の使い方はMarc Coplandらしいものの,曲の崩しは限定的。この曲は崩しようがなかったってところかもしれないが,これも十分に美しい演奏である。私としてはついついBrad Mehldauの演奏と比較してしまうが,それでも個性の違いは明確に出るものだ。それに続くのはトリオ・メンバー3者の共作となっているので,即興で仕立てたものだと思われる"Mitzi & Jonny"。ほかの演奏と比べると,ちょっとこの曲は浮いた感じがするのはちょっと違和感がある。しかし,最後を締めるのはCole Porterの”You Do Something to Me"である。3者のソロ交換で締めるところはアルバムのクロージングとしては適切と思わせた。やっぱりいいねぇ。

一点補足するとすれば,このアルバムで特筆すべきはその音のよさだと思う。私はオーディオ・マニアでも何でもないし,家のオーディオ・セットも正直言ってしょぼいものだが,ここでの楽器音のリアリティは素晴らしいと思った。どこかのエロ・ジャケのレーベルとは全然違う,これが本当の趣味のよさ。相変わらずMarc Coplandに甘いと言われそうだが,星★★★★☆。

Recorded in August 2017

Personnel: Marc Copland(p), Drew Gress(b),Joey Baron(ds)

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コメント

続けてこんばんは。

こういうマーク・コープランド、このメンバーのトリオ、何を取ってもいい感じだと思いました。あまり冷たすぎず、抑えるところは抑えても、ECMほどには静かではないし、このレーベルから出ていることも大きいんじゃないかと思います。好きなピアニストです。

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2019/11/post-1c1980.html

910さん,続けてこんばんは。こちらもリンクありがとうございます。

この音源に限らずMarc Coplandって,かなりのスタイリストだと思います。この人にしか出せない音ですよね。素晴らしいと思います。

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