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2019年8月30日 (金)

Chet Bakerの異色作にして,前半はかなり笑える"You Can't Go Home Again"。

Chet-baker-you-cannot-go-home-again"You Can’t Go Home Again" Chet Baker(Horizon)

このアルバム,昔から気になっていたのだ(笑)。メンツがメンツなのだが,何と言ってもChet BakerとTony Williamsという,どう考えても合いそうにない組み合わせがどうなるのか。そして,その他の豪華なメンツとの共演ぶりはどうなのか?それでもかつて再発されていた頃は全然買う気も起っていなかったのだが,突然のように思い出しての中古での購入である。まぁ,値段はそんなに高くなかったから納得の範囲であった。

そして聞いてびっくりである。特に前半の2曲。「ど」がつきそうなファンクで押す"Love for Sale",そしてまるでBrecker Brothersのような"Un Poco Loco"。Tony Williamsは「予想通り」大暴れする中,Chet Bakerはソロになると泰然自若のChet Baker節で,Michael BreckerやJohn Scofieldのイケイケ・ソロとも全然違うやんけ!と言いたくなってしまう。逆にこういう選曲でここまで行くとついつい笑ってしまうというのが正直なところである。

ところがである。後半に転じて,タイトル・トラックのなんとリリカルなことよ。そしてそこに寄り添うのはPaul Desmondと来ては,ギャップが大き過ぎるではないかと言いたくなるが,LP時代であれば,ここからがB面ということになるので,Chet Bakerのリリカル・サイドが聞きたければ,B面を聞けばよいってことになる。最後に収められた"El Morro"もスパニッシュ・フレイヴァーを感じさせる哀愁旋律であるが,ちょっとChuck Mangione,より具体的に言えば「サンチェスの子供たち」みたいだなぁなんて思ったのも事実。しかし,それでも普通のChet BakerファンはB面が好みってことになるだろう。そうは言いつつも,"El Morro"においてもMichael BreckerはBreckerなりのソロなのだが...。

本作のプロデューサーとアレンジャーはDon Sebeskyであるが,同じSebeskyアレンジでもCTIの"She Was Too Good to Me(邦題は「枯葉」)"とはだいぶ違うなぁと思わせる。CTI盤はやはりCreed Taylorがプロデューサーを務めているだけに,Sebeskyも好き勝手出来なかったかもしれないが,ここではどうもやりたい放題感があるのはご愛敬である。いずれにしても,これはChet Bakerにとって超異色な作品。特に前半2曲は普通のリスナーが驚くこと必定。そして,私は大笑いしていたのであった。だって面白いだもん(爆)。大甘の星★★★★。

Recorded on February 16, 21 & 22 and May 13, 1977

Personnel: Chet Baker(tp), Michael Brecker(ts), Paul Desmond(as), Hybert Laws(fl, b-fl, piccolo), John Scofield(g), John Campo(bassoon), Richei Beirach(el-p, key), Kenny Barron(el-p), Alphonso Johnson(el-b), Ron Carter(b), Tony Williams(ds), Ralph McDonald(perc), Don Sebesly(arr, cond, el-p) with Strings

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