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2019年7月13日 (土)

Fred Herschとビッグバンドの共演やいかに。

_20190710 "Begin Again" Fred Hersch & the WDR Big Band (Palmetto)

私はFred Herschのファンである。それもかなりのと言ってよい。だからと言って,彼が参加しているアルバムを全部買おうとは思っていないが,基本的にはリーダー・アルバムは買う。なので,本作のリリースがアナウンスされた時も買うことは決めていた。しかし,その一方で一抹の不安も抱えていたことも事実である。Fred Herschのピアノ・スタイルはリリカルであるから,それがビッグバンドと共演するとどうなるのか?彼の繊細なタッチが活かされるのかという点が非常に気になっていたからだ。そもそも私はビッグバンドをあまり聞かないから,余計にそう思ってしまうのだ。正直言ってしまえば,Fred Herschのピアノを聞きたいならば,ソロかトリオ,あるいは一部のデュオ音源を聞いていればいいというのが実感だけに,ビッグバンドか~と思ってしまった。それはアレンジャーがあのVince Mendozaだからと言っても,やっぱり不安であった。そしてこのアルバムを聞いてみて思ったことを書いてみたい。

結論から言えば,これは悪くない。Vince MendozaもFred Herschのピアノを意識して,非常にソフトなアレンジを行っている。ある意味,昔のGil Evansのアレンジ,"Miles Ahead"辺りのサウンドのようにも響くと言えばいいだろうか。そして,Fred Herschのオリジナルの曲の美しさもちゃんと活かしている。そうした意味では成功していると言ってよいだろう。だが,ビッグバンドゆえに,ソロイストはFred Herschだけという訳にはいかない。もちろん,主役はFred Herschであることには間違いないのだが,露出は当然のことながら控えめになる。そこをどう考えるかによって,評価そのものにも変化が生じることは仕方がないだろう。

それでも,Fred Herschの持つ音楽の美学,繊細さは十分に残っていて,何度か聞いているうちに最初に感じたような違和感が薄れていくから不思議である。なので,自分としても,このアルバムは一回聞いただけで直感的に判断してはいかんという感 じになってきた。聞くほどにそのよさを感じるようになるというところか。Hersch以外のソロイストも,アンサンブルも善戦していて,このビッグバンドの間口の広さなり,実力なりも感じられる。ということで,私にとってはFred Herschを聞くならいの一番にこれってことにはならないが,昨今のFred Herschの創造力の高まりも評価したくなり,甘いとは思いつつ半星オマケして星★★★★☆としてしまおう。

Recorded between January 28 and February 4, 2019

Personnel: Fred Hersch(p), Vince Mendoza(arr, cond), The WDR Big Band: Johan Horlen(as), Karolina Strassmayer(as), Oliver Peters(ts), Paul Heller(ts), Jens Neufang(bs), Ludwig Nuss(tb), Andrea Andreoli(tb), Andy Hunter(tb), Mattis Cederberg(b-tb,tuba), Wim Both(tp), Rob Bruynen(tp), Andy Hederer(tp), Ruud Breuls(tp), Paul Shigihara(g), John Goldsby(b), Hans Dekker(ds) 

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コメント

ご無沙汰しています。
私もビッグバンドは好んで聴かないのですが、この作品は満点でもいいくらい気に入ってます!
ピアノの美しさに助走が付くようなアレンジで、彼のオリジナルも更に魅力的に感じますし、良い方に裏切られました。
音は多いのにトリオよりソロ的に響くと感じました。

ki-maさん,こんにちは。こちらこそご無沙汰しています。

このアルバム,最初聞いた時はピンと来なかったんですが,聞くほどに味わいが増しますねぇ。やはりVince Mendozaってただ者ではないと思いました。

Fred Herschにとっては一つのチャレンジだったかもしれませんが,十分にクリアしています。本当に調子がいいことの表れと感じます。嬉しいことですね。

いつの間にこんな新譜が?
これはおっしゃる通り、フレッドのビッグバンド感が良く出てて秀逸ですね。ビッグバンドの今を求めるDarcy James Argue’s Secret Societyとかが好きな人には、何だこれ?かもしれないですが、フレッドにはこれがお似合いです。

カビゴンさん,こんにちは。返信が遅くなりました。

聞くほどに味が出るってことは,私の聞く力が及ばなかったってことですが,審美眼は磨き続けないとダメだと痛感しました。

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