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2019年5月 2日 (木)

Dire Straitsのデビュー・アルバム:これが70年代後半にイギリスから現れたことの驚き。

_20190429-3 "Dire Straits" Dire Straits (Vertigo)

このブログにおいて,Dire Straitsについて記事を書いたことがなかったのはなんでなんだろうなぁと思いつつ,久々にこのアルバムを聞いた。主題の通りであるが,このアルバムが1978年に英国から登場したことにはまさに驚きを感じざるをえない。もうそれも既に40年以上前というところに,私も加齢を実感する訳だが,誰が聞いても,これを最初に聞いて,彼らがイギリスのバンドだと思う人間はほとんどいなかったのではないか。

かく言う私が初めて彼らのサウンドを聞いたのは,ほぼリアルタイムで,米国のチャートを上がってきた頃だったと思うが,一聴してなんだかBob Dylanみたいだなぁと思った記憶がある。後々になって,J.J. Caleの音楽に触れてしまえば,Dylanと言うよりJ.J. Cale色の方が濃いってことはわかる訳だが,私もまだまだ高校生であるから,J.J. Caleには直接は到達していない。当時はEric Claptonの"After Midnight"や"Cocaine"を通じてその名前を知っていたぐらいのものだから,まぁそれも仕方がない。だが,ClaptonがJ.J. Caleに感じたであろうシンパシーを,Dire Straits,特にMark Knopflerが感じていたとしても,不思議はない。英国には英国の音楽があるとしても,米国音楽に強い憧れを隠さないミュージシャンも存在することはEric Claptonに限った話ではないのだ。

それにしてもである。パンク全盛,あるいはテクノが出てきている頃の音楽シーンにおいて,Dire Straitsのような音楽が現れたことは,まさに突然変異的と言ってもよかったようにも思える。もちろん,それと並行して,J.J. Caleは相変わらずど渋い音楽をやっていたのだから,そっちにはそっちの世界があったとしても,この音楽がチャートの上位に上がってきたこと自体が驚きだったとしか言いようがない。

その後,Dire StraitsはMTV全盛期に"Money for Nothing"を大ヒットさせ,更にメジャー化するが,彼らのやっている音楽がメジャーなものになることには若干の違和感がない訳ではない。どちらかと言えば,趣味の世界を拡張させたような音楽であったものが,ビジネス化の道をたどるというのは今にしてみれば実に興味深い事象だったと思う。

いずれにしても,私自身はその後J.J. Caleの世界にはまっていくし,このアルバムそのものを通しで聞いたのは随分後年になってからことだとしても,ここでの音楽は今でも結構魅力的に響く。でもやっぱりこれは本来ニッチなオーディエンスに受ける音楽ではなかったのかなぁと言っては言い過ぎか。それでも,この手の音楽に縁のないリスナーにも接点をもたらしたということでは,このバンドの果たした意義は大きいと思う。「歴史的な意義」と言ってはここでの音楽にしてみれば大げさかもしれないが,相応の価値を認めて星★★★★☆にしよう。

Personnel: Mark Knopfler(vo, g), David Knopfler(g), John Illsley(b), Pick Withers(ds)

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