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2019年3月27日 (水)

どの歌唱にもリスペクトが感じられるJoni Mitchell生誕75周年記念コンサートのライブ・アルバム。

_20190324_1"Joni 75: A Birthday Celebration" Various Artists(Decca)

私のブログのカテゴリーにはJoni Mitchellというものがある。ミュージシャン単位でカテゴリーとなっているのはJoni MitchellとBrad Mehldauだけだが,それほど私はJoni Mitchellの音楽が好きなのである。そんな私が彼女の生誕75周年記念のトリビュート・コンサートが開催されることを知った時には,それこそ臍を噛む思いをしたわけだが,その時の模様がこうしてライブ・アルバムとしてリリースされることは実にありがたい。

それはさておきである。ここには相応に豪華なメンバーが揃っているのだが,Joni Mitchellへのトリビュートということであれば,更に豪華なミュージシャンが揃ってもいいように感じるというのも正直なところである。しかし,ここに収められた各々のミュージシャンによる歌唱,演奏を聞いていれば,まさに本当のリスペクトが込められており,妙にお祭り的にチャラチャラしたところがないのが実に素晴らしい。

歌われるのは,Graham Nashが"Our House"を歌う以外は,Joni Mitchellのオリジナルである。しかも"Nothing Can Be Done"と"The Magdalena Laundries"以外は70年代のレパートリーであり,やっぱりこうなるわねぇって感じの選曲である。どれも魅力的な歌唱だが,私にとって意外なほどの魅力を感じさせたのがSealによる"Both Sides Now"だろうか。Sealはある意味クセのある歌い手だと思っているが,ここでの歌唱は,ある意味ベタな選曲である「青春の光と影」を非常にストレートに歌っていて,Joniへのシンパシーを強く感じさせるのだ。正直これには驚いたが,実にいい歌いっぷりであった。本作では貫禄のChaka Khanもいいが,更にいいのがRufus Wainwrightのように思えた。正直言って,Graham Nashの聴衆に歌わせるという演出はあまり好かんが,歳の割には結構声が出ている。その一方で年齢を感じさせるのがKris Kristoffersonだが,彼のデュエット相手であるBrandi Carlileが補ってバランスを保っている。James Taylorがいいのは当たり前だが,いずれにしても,全曲捨て曲がないって感じなのが素晴らしい。

これだけのクォリティを維持したのは,このコンサートのプロデューサーを務めたBrian BladeとJon Cowherdの功績と言ってもいいかもしれない。彼らが,ここに登場したミュージシャンの選定を行ったのだとすれば,まさに適材適所,あるいはちゃんとわかっている人間だけを選んだって感じが素晴らしいのだ。更にScarlet Riveraなんて懐かしい名前を見つけたのも嬉しかった。

残念ながら,現在モルジェロンズ病(ある種の精神疾患と言ってよいだろう)を患っていて,音楽活動を行うことはままならないため,本作においても歌ってはいない。ライナーにはステージには立ったことを示す写真が掲載されているが,彼女が歌っていようがいまいが,ここで聞かれる歌唱,演奏を聞けば,彼女の偉業を振り返るには十分なクォリティを保っていることは特筆に値する。やはり曲の持つ力が偉大だというのが一番だとしても,こうしたパフォーマンスを引き出すJoni Mitchellの磁力ってものを強く感じた私であった。これはやはりDVDも買わなきゃねって思わせるに十分。尚,日本盤にはDiana Krallによる"For the Roses"がボーナス・トラックで付くらしいが,私は輸入盤でも十分楽しんだことは言うまでもない(でもちょっと聞いてみたい...)。ここに参加したミュージシャンへの感謝も込めて,星★★★★★としてしまおう。

Recorded Live at the Music Center, Los Angeles on November 7, 2018

Personnel: La Marisoul(vo), Chaka Khan(vo), Diana Krall(vo, p, rhodes), Rufus Wainwright(vo), Glen Hansard(vo, g), James Taylor(vo, g), Seal(vo), Graham Nash(vo, p), Kris Kristofferson(vo, g), Brandi Carlile(vo), Norah Jones(vo, p), Emmylou Harris(vo), Steve Berlin(clave, key), Cesar Castro(requinto jarocho, quijada), Xochi Flores(tarima), David Hidalgo(leona, g), Louie Perez(jarana, g), Ambrose Akinmusire(tp), Brian Blade(ds), Jon Cowherd(p, rhodes), Jeff Haynes(perc), Greg Leisz(g, pedal steel), Marvin J. Sewell(g), Bob Sheppard(sax), Christopher Thomas(b), Ricky Rouse(g), Eve Nelson(p),Scarlet Rivera(vln)

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コメント

閣下、投稿記事のアドレスをありがとうございます。
そして、ブログではお久しぶりです♪

閣下のおかげで、買い損なわずにすみました。
って、ストリーミングもあるので、まぁ、大丈夫なのですが、、
でも、これは、、欲しいもん。笑

彼女の曲は、ジャンルも時代も性別も超えて共感できますよね。
なので、皆さんのパフォーマンスがぐっと胸に入り込みます。

URLを貼り付けさせて頂きます。
http://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-8b73.html

Suzuckさん,こんにちは。リンクありがとうございます。

これはJoni Mitchellの人徳って感じのアルバムでした。みんな手抜きがないですし,Brian BladeとJon Cowherdの貢献度が高いですよねぇ。それも彼女の曲に普遍的魅力があるからだと思います。

実にいいトリビュートとなりました。

ご紹介に感謝します.
彼女のアルバムではないのですが,彼女の自己カヴァーのライヴのように楽しめましたね(全部ではないですが).昔のアルバムも聴き直したりしています.
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2019/03/27/093707

kenさん,おはようございます。リンクありがとうございます。

このライブそのものに愛とリスペクトが込められていると思いました。だからこそ違和感なく楽しめてしまうと思います。逆にここにド派手なメンツが揃っていたらこうはならなかったかもしれませんね。

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