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2019年2月28日 (木)

Yellowjackets@Cotton Club参戦記

Yellowjackets 出張続きでヘロヘロな状態にもかかわらず,Yellowjacketsを見るために,Cotton Clubへ行ってきた。

私は彼らのアルバムはそこそこ保有しているのだが,今までライブを見る機会がなかった。正直なところ,Yellowjacketsのアルバムでは,Will Kennedyが叩いていた"Four Corners"のようなアルバムを好む私は,彼らのアルバムはもう少しタイトにやってもいいのではないかと思わせるものが多いように感じていた。ある意味ではソフト過ぎるような印象もなかった訳ではない。だが,今回のライブを見て,彼らはアルバムよりも,ライブの方が楽しめるバンドではないかと思えてきた。

それはWill Kennedyの復帰によるタイトなドラミングと,オーストラリア出身のDane Aldersonの超絶的6弦ベースがドライブするサウンドは,アルバムの印象よりも,はるかにヴィヴィッドなものと思わせた。Russell Ferranteは相変わらずのシャープさを示しつつ,私がやや苦手とするBob Mintzerも実にこのバンド,そしてライブにはフィット感を示しているではないか。特に今回はEWIが非常によかったと思っている。

まさにライブ・バンドとしての実力を示した演奏だったと思えるが,最近では珍しいぐらいの集客力を示した今回のライブは,聴衆にも非常に受けていたし,ライブ終了後のCDも結構売れていたように思う(私はお疲れモードが過ぎて,今回は諦めた)。そうしたくなる聴衆の気持ちもわかる非常にいいライブであったとお伝えしておこう。しかも,今回は半額クーポンを利用して安く見られたのもお得感ありありであった(笑)。

これだけ聴衆に受けたということは,次回は今回のように3年もインターバルを置かずに来日してもいいと思う。今日ぐらいのライブが聞けるなら,また私は足を運んでしまうだろう。

それにしても,Dane Alderson,うまいものである。

Live at Cotton Club東京 on February 27, 2019

Personnel: Bob Mintzer(ts, EWI), Russell Ferrante(p, key), Dane Alderson(b), Will Kennedy(ds)

2019年2月27日 (水)

Christian McBrideのピアノ・トリオはエンタテインメントだなぁ。

"Out Here" Christian McBride Trio (Mack Avenue)

_20190224_2 以前,Cotton Clubで見たChristian McBrideのトリオでのライブは実に楽しかった(その時の記事はこちら)。Oscar Peterson直系の楽しいピアノ・トリオはBenny GreenかChristian McBrideだなと思わせるに十分であったが,昨今はピアノのChristian Sandsが抜けてしまったことにより,Christian McBrideはNew Jawnのようなバンド活動にシフトしている。また,9月にはSituation名義で,DJ Logicらとおそらくファンク路線の演奏をすると思われる。多才なミュージシャンだけに,どんな演奏でも相応に楽しませてくれるのは間違いないところではあるが,この路線が暫く聞けない可能性もあると思うと,ちょっと寂しい気もする。

そんなChristian McBrideが2013年に出したトリオ・アルバムが本作。その後これまた楽しいライブ盤をリリースしている(そちらの記事はこちら)。ここでもジャズの王道と言うべき演奏が展開されるが,ベースがリーダーだけにベースの露出度は高いが,Christian Sandsは出番も多く,才能を感じさせる演奏ぶりである。

こういう演奏を聞いていると,リスナーの楽しませ方を知っているねぇと思わざるをえないが,こうしたトリオ活動をやらないのはちょっともったいない気もする。4月にはChick Coreaと来日して,更に5月にはピアノ~ギター~ベース編成のTip Cityなるバンドでも来日するとの情報もあるが,Christian McBrideはリーダーとしてバンドをぐいぐいスウィングさせる術に長けていると思っているので,こうしたオーセンティックなピアノ・トリオでの演奏も改めて聞いてみたいと思うのはリスナーのわがままか?

それでも,ここでのエンディングにはJohnny Taylorをオリジナルとし,Blues Brothersもやった"Who's Making Love"のような曲を入れてしまうところに,McBrideも根がソウルだったりファンクだねぇって思わせてくれるのがご愛敬。Vanguardでのライブの"Car Wash"と同じノリである。ということで,難しいことを言わず,大いに楽しめるアルバムだと思う。星★★★★。

Personnel: Christian McBride(b), Christian Sands(p), Ulysses Owens, Jr.(ds)

2019年2月26日 (火)

ストリーミングで聞いたLinda Ronstadtの発掘ライブが何とも楽しかった。

"Live in Hollywood" Linda Ronstadt(Rhino)

Linda_ronstadt私はこれをストリーミングで聞いたのだが,まさにLinda Ronstadt黄金時代と呼ぶべき歌唱が収められていて,往年のファンだけでなく,アメリカ音楽好きには相当訴求してくる音源であった。

そもそもこの音源はブートとしても出回っていたはずだが,そのマスター・テープが見つかったとのことで,めでたく今回の公式リリースとなった。そのテープが見つかったのがホッケーの練習場での会話が契機という本当か嘘かわからないような話だってのが凄い。まぁ,プロデューサーであるJohn Boylanが言ってるんだから本当なんだろう。そもそも米国のケーブルTV局,HBO向けのスペシャル番組として収録されたものだが,こういう楽歴におけるピーク期の音源が見つかるだけでも喜ぶべきだろうが,そもそももうちょっとちゃんと管理しておけよと言いたくもなる。

ここでのLinda Ronstadtの声は実に若々しく,彼女を支えるバック・バンドのメンツも,当時のアメリカン・ロックのアルバムには相当の頻度で登場するミュージシャンばかりなので,悪くなるはずはない。そして,歌われる数々のLindaのヒット曲を聞けば,当時を懐かしむ気分になるのも当然である。だって,選曲はLindaの「オール・タイム・ベスト」の趣なのだ。"Blue Bayou"ではスペイン語の歌も聞かせちゃうしねぇ。

これなら買ってもいいかなぁと思いつつ,ストリーミングで聞けるのであればそれでもいいかって思うようになってしまった私も変わったものだと思うが,これはそれこそ買ってもよいと思わせるに十分なナイスなアルバムである。星★★★★★。

Recorded Live at Television Center Studio on April 24, 1980

Personnel: Linda Ronstadt(vo), Kenny Edwards(g,banjo), Danny Kortchmar(g), Dan Dugmore(pedal steel), Bill Payne(p, key), Bob Glaub(b), Russ Kunkel(ds), Wendy Waldman(vo), Peter Asher(perc, vo)

2019年2月25日 (月)

新譜をほとんど買っていない中で,久々の新盤はPaula Santoro。

"Tudo Sera Como Antes" Paula Santoro & Duo Taufic(自主制作?)

_20190224

昨今は新譜を購入することもめっきり減ってしまった私である。このブログでも「新譜」カテゴリーを設けているが,もはや2月も後半だと言うのに,当該カテゴリーには4種の音源しかアップしていない。これはストリーミングで聞いて購入の要否を判断するようになったということが大きいが,必ずしもストリーミングで聞けない音楽の場合,過去の経験則を信じるしかない。これは経験則に基づいて購入した1枚である。

Paula Santoroが"Mar Do Meu Mundo"をリリースしたのが2012年で,私がこのブログでそのアルバムを絶賛したのが2013年のことであった。非常に魅力的な声を持つPaula Santoroの歌には心底痺れた私である(記事はこちら)。そんなPaula Santoroが新しいアルバムで,ミナスは「街角クラブ」の曲を歌うとあってはもう間違いないと思ったのである。そうしたところにブログのお知り合いのkenさんもこのアルバムについて取り上げられており,これはやはり買いなのであった(笑)。

そして,聞いてみたところ,粒よりの曲をPaula Santoroに歌われてしまえば,文句は全く出ない。更に共演しているTaufic兄弟によるDuo Tauficの演奏が,もはや伴奏の域を出ており,これは完全な歌と楽器のコラボレーション作だと感じさせるのだ。即ち,主役はPaula Santoroのように思えつつ,これはトリオが完全に対等の立場で制作したものと思わせるに十分な作品である。この緊密な中にも溢れる心地よさには星★★★★★である。

著作権表示を見ると,Duo TauficのギターであるRoberto Tauficとなっているので,本作はもともと自主制作かもしれないが,それを値段はちょっと高いとしても,国内盤として発売されたことで入手が容易になったことを喜ぶべきだろう。やはりPaula Santoroの声は私にとっては最高に魅力的である。

Recorded on February 20 & 21, 2018

Personnel: Paula Santoro(vo), Eduardo Taufic(p), Roberto Taufic(g)

2019年2月24日 (日)

テナーの聖地,Bar D2の3/29での閉店を惜しむ。

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私がこの10年余り,多くの時間を過ごし,様々な音源やワインについて教えて頂き,我々が「テナーの聖地」と呼んできた新橋のBar D2が今年の3月29日を以て閉店されることとなった。3年前にはお店の10周年をお祝いさせて頂いたが,その時にはまさかこんな日が来るとは夢想だにしなかった(10周年時の記事はこちら)。

会社の同僚の八木くんの紹介でこのお店に行かせて頂くようになった当時は,「2軒目」のお店として,シングル・モルトだけいただきに寄ることが多かったのだが,現在の住まいに引っ越してからは,お店が家への帰り道にあるということもあり,途中下車してお店にお邪魔する頻度は高まっていった。週2~3度の頻度でちょこっと立ち寄らせて頂くこともあれば,月例のワイン会でがっつりということも多々あった。私にとっては,帰宅前のちょっとした時間を過ごすオアシスであったが,いつの時にもマスターの河上さんのテナー・サックス音楽,そしてワインに対する造詣の深さに驚かされることがなんと多かったことか。

お店のCD棚にはそれこそテナー・サックス奏者のアルバムがずらりと並んでいるわけだが,John Coltraneはもちろん,Dave Liebman,Steve Grossman,Jerry Bergonziがほぼフルフルで揃っているというコレクションを見れば,テナー好きなら目が点になること必定であろう。

そんなお店において,私はいつも「これお持ちですか?」と河上さんに問われ,持ってませんってのがほとんどだったのだが,大体において素晴らしい音源をご紹介されてしまっては,そこでポチらない訳にはいかないということで,お店から発注したアルバムは何枚あるかわからないぐらいである。

そうしたお店があることは,私の日頃の生活において,あらゆる意味で心に余裕を与えてもらっていた。ぷらっと寄るにも,困ったときでもBar D2に行けばよかったのだ。私の中学高校の同級生が東京に来た時も,何人か連れて行ってるし,そういう店だったのだ。私の友人はBar D2を称して「あんたの心の拠り所やん」と言っていたが,まさにその通りである。

そのBar D2が閉店してしまった後,私はどうすればいいのか?と思ってしまうが,4月以降の生活パターンが全く想像できない。しかし,それはこちらの言い分であり,河上さんには河上さんの決断の要因があった訳であって,それに対しては我々としては敬意を払わなければならないのは当然だ。

そんな私が今できることは,3/29の閉店に向けて,お店のビジネスの少しでも足しになるようにお店に足しげく通うことしかない。お店の閉店は実に寂しく,そして悲しいが,店での記憶を脳裏に刻むべく,極力顔を出すようにしたい。

_20190223 そして,私がお店に行くと,帰る前には私のエンディング・テーマとしていつも掛けて頂いていたアルバムがある。昨今は,若干遠慮していたが,閉店が迫る今,このJukkis Uotila Bandのライブ・アルバムの4曲目"The Individualist"におけるMike SternとBob Bergのソロを大音量でプレイバックしてもらう機会を数多く作らねば。そもそもこのアルバムがお店にあったことに驚いたのももはや10年以上前。それから今日の間にBar D2で感じた心の潤いに改めて感謝したいと思う。尚,上の写真は先日八木くんの一時帰国時にお邪魔した時のショット。

2019年2月23日 (土)

Elvis CostelloとSteve Nieveのデュオ・ライブの3回目はシカゴ。

"Chicago" Elvis Costello & Steve Nieve(Warner Brothers)

Costello__nieveElvis CostelloとSteve Nieveのデュオ・ライブEPの3回目はChicagoのPark Westでのライブである。"All This Useless Beauty"のプロモーションのため,今回もアルバムから2曲,そして"Imperial Bedroom"から”The Long Honeymoon","Brutal Youth"から"All the Rage",そして懐かしや"My Aim Is True"から"Watching the Detectives"というセレクションである。

"Chicago"においては,かなりSteve Nieveの活躍ぶりが目立つ。"Watching the Detectives"においては,Costelloはギターにディストーションをかけているようなので,バランスからしても強度を上げる必要があったってところか。

_20190217_4 LA,SFと異なってカヴァーがないのがシカゴの特徴だが,Costelloの書く曲のよさはここでも不変。むしろ普遍的な魅力で迫ってくるというところだろうか。

Recorded Live at the Park West on May 18, 1996

Personnel: Elvis Costello(vo, g), Steve Nieve(p)

2019年2月22日 (金)

実に味わい深いCharlie Mariano

"Charlie Mariano Quartet" Charlie Mariano(Bethlehem/Fresh Sound)

_20190217_3 正直言って本作なども,いつ買ったか覚えていないぐらいのものだが,多分私がNYC在住中に購入したものと思われる。以前のFresh Soundは昔のアルバムを再発しまくっていた印象が強いが,それにしても,凄いカタログって気がする。それがスペインという国だからこっちはびっくりしてしまう。

それはさておきである。一時期は穐吉敏子の旦那であったCharlie Marianoは,ナベサダとの共演もあり,日本とも縁が深い訳だが,そのCharlie MarianoによるBethlehemでの1955年のレコーディングが本作である。一般には「チャーリー・マリアーノの真髄」ってタイトルで知られている本作だが,オリジナルは8曲収録に対し,私が保有しているFresh Sound盤は,同一セッションで吹き込まれた"Charlie Mariano Plays"からのテナーでのクァルテット演奏4曲を追加したヴァージョンというなかなかの好編集盤である。"Charlie Mariano Plays"は3管の演奏も含んでいる中,そこからクァルテット演奏だけを抜き出すというのはいいアイディアなのである。まぁ,それでもアルトだけに絞った演奏だけでも十分楽しめるので,蛇足と言えば蛇足だが...。いずれにしても,この人がテナーを吹いても,ゴリゴリ感が全くないのが面白い。

このアルバムを聞いていて思うのは,私の好きなEmarcy時代のHerb Gellerにしても,このCharlie Marianoにしても,バッパーでありながら,素晴らしい歌心を聞かせるという点だろう。更にこのアルバムのポイントを高めるのがピアノのJohn Williamsである。ここでの音はくぐもった感覚ではあるが,John Williamsらしいスイング感溢れる伴奏ぶりで,大いに嬉しくなってしまう。このブログにもはるか昔に記事にしたが,私はこのJohn Williamsのアルバムが好きで,オリジナル盤を買ってしまったぐらいなのだ(記事はこちら)。

この演奏で感じるのは「軽快さ」ってことになるだろうが,深刻ぶらずに気楽に聞くことができるナイスな演奏群。久しぶりに聞いたが,これは実に味わい深くも,楽しめるアルバムであった。でもやっぱりこの人はアルトの方がいいだろうな。星★★★★☆。

Recorded on July 11, 1955

Personnel: Charlie Mariano(as, ts), John Williams(p), Max Bennett(b), Mel Lewis(ds)

2019年2月21日 (木)

久々に聞いた"Antraigues"

"Antraigues" Legnini / Rasssinfosse / Castellucci(Quetzal)

_20190217_2 このアルバムを聞くのも久しぶりだ。何と言ってもこのジャケ写真で気になってしまったものだが,音を聞いても非常にレベルが高くて嬉しくなってしまったのも懐かしい。リリースされたのは1993年のことだが,私はそれに近いタイミングで入手していたと思う。

アルバムはトリオ3名の連名であるが,オリジナルを提供しているのはEric Legniniなので,リーダーはLegniniと考えてよいだろう。

収録されている曲を見ていて,Keith JarrettのStandard Trioのレパートリーと重なる部分があることからして,まぁEric LegniniがKeithに影響はされているだろうとは想像できる。そしてBill Evansの"Laurie"をやっていることからしても,現代のピアニストであれば影響を受けて然るべき人たちから影響を受けていることは明らかであろう。そして,何とも落ち着いた響きを聞かせてくれる。

Eric Legniniはベルギー出身だが,その出自はイタリアからの移民ということらしいので,この響き,イタリア・ジャズ的な美感と相通じる部分もあるように思える。まだその当時は,私は欧州ジャズの魅力に十分に気づいていない時期であったのだが,いずれにしても,90年代前半に出た欧州系のアルバムの中で,実に印象深く,記憶にも残るアルバム。星★★★★☆。

Recorded in April 1993

Personnel: Eric Legnini(p), Jean Louis Rassinfosse(b), Bruno Castellucci(ds)

2019年2月20日 (水)

"461 Ocean Boulevard"のデラックス・エディションのディスク2に関する思い。

"461 Ocean Boulevard(Deluxe Edition)" Eric Clapton(RSO/Polydor)

_20190217 "461 Ocean Boulevard"については,多くを語る必要はないだろう。Eric Claptonの楽歴を代表する名作の一つである。それについては疑問を差し挟む余地もないと思っている。そのアルバムのデラックス・エディションがリリースされたのが2004年だから,もう15年前にもなるのだが,改めてその2枚目に収められたライブ音源を相当久しぶりに聞いてみた。最後にいつ聞いたのかも全く記憶にないぐらいだ。

このディスク2に収められた音源は一部を除いて未発表だったものなので,そういう意味では貴重なのだが,今にして聞いてみれば,どうにも緩い。そもそも冒頭がCharlie Chaplinが書いた"Smile"から始まるってのがどうなのよ?って気がする。当時のEric ClaptonはLaid Backな音だと言われていたが,それにしてもこの選曲は私はライブとしては盛り上がらないと思ってしまう。その後が"Let It Grow"なのだが,オリジナル・アルバムで聞かれたこの曲のよさが全然感じられないのだ。そんな感覚が最後まで続いてしまう。"Layla"や"Badge"でさえそうなのだから仕方ない。

ファン心理としては,こういうデラックス・エディションに手を出したくなるのが人情ってところだが,この音源を聞いていると,Eric Claptonがライブの場で完全復活するまでには至っていないように感じられる。私の感覚では"The Last Waltz"で"Further on up the Road"をThe Bandとやった時のClaptonは完全にいけていたが,ここではまだまだだったなぁと改めて思ってしまった。まぁ,Claptonに求めるレベルが高いからこその不満ってことにしておこう。

いずれにしても,これはオリジナル・アルバムを聞いていればいいやって感じである。

尚,甚だ余談ではあるが,私はこの音源が録音されたHammersmith Odeonに行ったことがある。1988年の9月の現地への出張時に,Robert Palmerを観に行ったのも懐かしいが,今はHammersmith Apoloと呼ばれている歴史のあるホールであった。

Recorded Live at the Hammersmith Odeon on December 4 & 5, 1974

Personnel: Eric Clapton(vo, g), George Terry(g), Dick Sims(key), Carl Radle(b), Jamie Oldker(ds), Yvonne Elliman(vo), Marcy Levy(vo, hca)

2019年2月19日 (火)

Elvis CostelloとSteve Nieveのデュオ・ライブの2回目はSF。

"San Francisco" Elvis Costello & Steve Nieve(Warner Brothers)

Costello__nieveElvis CostelloとSteve Nieveのデュオ・ライブEPの3回目はChicagoのPark Westでのライブである。"All This Useless Beauty"のプロモーションのため,今回もアルバムから2曲,そして"Brutal Youth"から1曲,更に"X-File"のサウンドトラック用にBrian Enoとやった"と"My Dark Life",そしてGrateful Deadへのトリビュート作"Deadicated"から"Ship of Fools"というラインアップである。

こうして改めて見てみると,Brian Enoとまでやってしまうとか,まさに神出鬼没って感じもあるが,逆に言えば,Elvis Costelloの音楽の間口の広さを裏返すと言ってもよいかもしれない。

_20190216_2Grateful Deadの"Ship of Fools"はその後。カヴァー・アルバム"Kojak Variety"のデラックス・ヴァージョンに収録されたが,残念ながら現在は廃盤である。しかし,Elvis Costelloの歌うカヴァー曲ってのにも大いに興味が湧いてきてしまうという,副次的な効果もあるってのが困ったものである。でもやっぱり聞いてみたいよねぇ(爆)。

Recorded Live at the Park West on May 18, 1996

Personnel: Elvis Costello(vo, g), Steve Nieve(p)

2019年2月18日 (月)

完全ノーマークだったPaolo Fresu Devil Quartetのアルバム。

"Carpe Diem" Paolo Fresu Devil Quartet(Tuk Music)

_20190216 私が初めてPaolo Fresu Devil Quartetを聞いたのは2008年に遡るので,もう10年以上経過している。その時のアルバム"Stanley Music"の記事には「全編に渡ってエレクトリックとアコースティックが絶妙にブレンドした素晴らしい演奏」なんて書いているが,非常に私に刺激を与えてくれた結果,その年,非常によく聞いたアルバムとなった(記事はこちら)。正直言って痺れてしまったのだ。その後,彼らのアルバムを聞いていて,本当にいいバンドだと思っているので,動きはフォローしているつもりだった。

しかしである。2017年にレコーディングされた本作については全くノーマークだったし,リリースされたこと自体認識していなかったのだから,私も適当なものである。アメリカからアルバムを飛ばしている間に,ストリーミングでこの音楽を聞いていたのだが,これまでのDevil Quartetの音楽の感じとやや印象が異なる。それはギターのBebo Ferraがアコースティック・ギターで通していることと,音楽的にも静謐感が増していることが挙げられるだろう。

私としては,先述の通り,エレクトリックとアコースティックのブレンド具合にこのバンドの魅力を感じていただけに,この路線の変更にはやや戸惑ったというのが正直なところである。しかし,メロディアスに展開されるここでの演奏には,それなりの魅力もあり,これはこれとして楽しんだ方がいいと思った。

そして,特筆すべきは,このアルバムの音の良さだろう。私の部屋のしょぼいオーディオ・セットで聞いてもこの音の良さは明白だ。クレジットを見れば,エンジニアはStefano Amerioである。流石の手腕というところだろう。Stefano Amerioは昨今はECMのエンジニアも務めることが多くなっているが,あちらはECMの個性を優先しているのに対し,ここでは生々しさを感じさせるエンジニアリングぶりである。それも含めて星★★★★。

Recorded between January 12 and 16, 2017

Personnel: Paolo Fresu(tp, fl-h), Bebo Ferra(g), Paolino Dalla Porta(b), Stefano Bagnoli(ds)

2019年2月17日 (日)

Elvis CostelloとSteve Nieveのデュオ・ライブを1枚ずつ取り上げよう。まずはLAから。

"Los Angeles" Elvis Costello & Steve Nieve(Warner Brothers)

Costello__nieve Elvis CostelloとSteve NieveがデュオでのライブEPを5枚セットでボックス化してリリースしたのが1996年のことである。私はElvis Costelloの熱心なファンとは言えないので,保有しているアルバム数も少ない。だが,1stアルバムやら,Burt Bacharachとの共演作,そして"Brutal Youth"とかは結構偏愛していると言ってもよい。とにかく,Elvis Costelloの書く曲はいい曲が多いのだ。そして,私がこのボックスを買ったのは,どこかのショップで聞いて,一発で気に入ってしまったからにほかならない。世界3万セット限定とかだったはずだったから,すかさず購入したことは言うまでもない。

このボックスは,Elvis Costelloと盟友Steve NieveによるLA,SF,シカゴ,ボストン,NYのデュオ・ライブの模様を収めているが,もともとはそれぞれが2,500枚限定のプロモ盤としてリリースされたものを集成したってのが実態らしい。そんなボックスを全くの気まぐれではあるが,久々にちゃんと聴こうということで,一枚ずつ取り上げていこう。まずはLAのTroubadourでのライブを収めた1枚目である。

_20190211_4 このツアーは"All This Useless Beauty"のリリースを受けたものだったらしいので,このLAセッションにおいても,3曲そこからやっている。そのほかにDusty Springfieldが歌ったBurt Bacharach & Hal Davidの"I Just Don't Know What to Do with Myself"をやっているのが,98年のBurt Bacharachとの共演を予想させると今にして思えてしまう。

それにしても,素晴らしい歌声ではないか。伴奏はSteve NieveのピアノとCostelloのギターだけなのだが,聴衆を熱狂させるに十分な歌唱であり,優れた曲群である。そして,私が痺れてしまうのがElvis Costelloその人の声なのだ。実に魅力的。改めてこのアルバムを聞き直して,惚れ惚れしてしまった。

尚,"Man Out of Time"と"Shallow Grave"にはドラムスのPete Thomasがゲストで加わっている。まぁ,ドラムスってより,カホンって感じだが。とにかく久々に聞いても凄くいい声だった。

Recorded Live at the Troubadour on May 14, 1996

Personnel: Elvis Costello(vo, g), Steve Nieve(p), Pete Thomas(ds)

2019年2月16日 (土)

昨日の井上敬三からのつながりで,今日は渡辺香津美ってことで。

"Lonesome Cat" 渡辺香津美(Denon)

_20190211_3 昨日取り上げた井上敬三のアルバムをプロデュースしていたのが渡辺香津美。私は結構昔から渡辺香津美のアルバムは聞いてきた方だが,彼もアルバムの数が結構多いので,昨今は選択的に聞いているってのが実態である。今回はそんな渡辺香津美が70年代に吹き込んだアルバムを取り上げよう。

本作はDenonレーベルの懐かしのPCM録音シリーズとしてリリースされたものである。PCM録音は元祖デジタル・レコ―ディングみたいなものだが,Denonレーベルでは,クラシックからジャズまで幅広くこの技術でレコーディングを行ってきた。私はその中ではMax RoachやBilly HarperのアルバムをCD化されたものだが今でも保有している。そのシリーズにおいて渡辺香津美のアルバムも録音されていた訳だ。この後,"Village in Bubbles"を吹き込んで,更に"Kylyn"を挟み,そして"To-Chi-Ka"へとなだれ込んでいくという進化を遂げていく。私が今保有しているのは

渡辺香津美にとっては初の海外録音となった本作であるが,路線的には"Olive's Step"を踏襲した感じと言ってよいだろう。ジャズ的なフレイヴァーも横溢するカッコいいフュージョン・ギター・アルバムとなっている。そして,このアルバムを魅力的にしているのがバックを支える面々であるが,リリース当時はLenny Whiteのドラムスに注目が集まっていたように記憶するが,今改めて聞いてみると,George Cablesのエレクトリック・ピアノがかなりいけている。一般的にはGeorge CablesはArt Pepperとの共演が多かったこともあって,よりストレート・アヘッドなジャズ・プレイヤーという感覚が強いが,ここで聞かせるタッチは,見事にフュージョンである。時代が時代だけに,こうした音楽にも対応できてしまうってことだろうが,それにしてもうまいものである。

ベースはAlex BlakeとCecil McBeeが分け合っているが,前者がエレクトリック,後者がアコースティックという役割分担。しかし,Alex Blakeも後にはPharoah Sandersを迎えてレコーディングするってのが信じられないような,ここでのエレクトリック・ベースのプレイぶりである。

まぁ,響きとしては懐かしいって感じもするが,進化の過程にある渡辺香津美を聞くには丁度いいって感じだろう。星★★★★。尚,写真はKazumi Boxに収められた本作のジャケ。

Recorded on December 14, 1977

Personnel: 渡辺香津美(g),George Cables(el-p,p), Alex Blake(el-b), Cecil McBee(b), Lenny White(ds)

2019年2月15日 (金)

井上敬三:所謂80年代の先鋭的な音って感じだなぁ。

"Boys, Be Ambitious" 井上敬三(Absord)

_20190211_2 私もつくづくいろいろなCDを持っているものだと思ってしまうが,このCD,どうして買う気になったのか記憶が曖昧である。だが,中古で買ったのは間違いないはずだ。渡辺香津美がプロデュースするのが,フリー・インプロヴァイザー,井上敬三ということもあり,昔から気になっていたアルバムだったのは間違いないのだが。

このアルバムが世に出た1984年と言えば,渡辺香津美が"MOBO"を出した後ぐらいで,その雰囲気もやや感じさせる作りといってよいかもしれない。普通のジャズとは言えないが,だからと言って,フリー一辺倒に走る訳ではない。日本発のファンク・ジャズって表現が私にはしっくりくるってところだろうか。雰囲気的にはGolden PalominosかMaterialか,はたまたLounge Lizardsかって感じだが,久しぶりに聞いてこれってなかなか面白いと思ってしまった。ただね,「組曲アレレの男」はそのラインからはずれているが...(苦笑)。

リリースからは35年近く経過しているが,そうした時間の経過を感じさせないファンク・チューンは今でも結構魅力的に響くのが印象的だが,私がそういう音楽と同時代だから抵抗がないだけか? 決してしょっちゅう聞こうとは思わない音楽だが,手許には置いておいてもいいなぁと思えるアルバム。星★★★☆。

Recorded in October 1983 & January 1984

Personnel: 井上敬三(as, a-cl, vo), 渡辺香津美(g, g-synth, synth, 琵琶, b, effect, vo), 橋本一子(p),川端民生(b,effect),仙波清彦(ds, perc),渡辺智誉(cl),長原滋樹(cl),田中正敏(b-cl)

2019年2月14日 (木)

Freddie Hubbardも没後10年以上とは時の経過は早い...。

"Without a Song: Live in Europe 1969" Freddie Hubbard(Blue Note)

_20190211 Freddie Hubbardが亡くなったのは2008年も押し迫った12/29のことだった。それから10年以上も経過していることに,我ながら時の流れの早さを痛感せざるをえない。本作はFreddieが亡くなった翌年に,1曲を除いてそれまで未発表だった音源を集めてリリースされたライブ盤である。

ブログの記事を見直していて,今更のように気づいたのだが,私はこのアルバムについてリリース直後に記事をアップしているのだが,それがどうにも尻切れトンボのようになっていて,どうも記事を書きかけのまま,アップしてしまったらしい。私としては,既にアップ済みのアルバムを再掲することは極力避けているつもりだが,これなんかは,アップしていたことすら忘れていた(と言うよりアップした意識がなかったと言ってもよいが...)ものである。ということで改めて聞いてみた。

このアルバムが非常に珍しいと思えるのはFreddie Hubbardのワンホーン・アルバムだということに尽きる。Freddie Hubbardはそのラッパの実力をもってすれば,もっとワンホーンのアルバムを吹き込んでいてもいいように思うのだが,実は結構数が少ない。パッと思い浮かぶのはHerbie Hancockとの"Empyrean Isles"ぐらいか。

まぁ,それはさておきである。本作は1969年の欧州ツアーから複数のヴェニューでの音源を集めたものだが,メンツは固定なので,バラつき感はない。そして,ピアノがRoland Hannaというのも珍しい気がする。ハード・スウィンガーであるFreddie Hubbardに対し,私にはRoland HannaはHubbardにとっては,やや上品に過ぎるピアノって気もするのだが,ここでの共演ぶりには問題はない。

だが,ここでの主役はあくまでもFreddie Hubbardである。やはりFreddie Hubbardにはこれぐらいブイブイ吹きまくって欲しいと思う。聴衆を乗せる術を知っていると言うべきだろうが,それはそれは熱い演奏を繰り広げている。その一方で,”The Things We Did Last Summer"におけるバラッド表現を聞いて,やはり素晴らしいトランぺッターであったということを改めて確認させてもらった。その一方で"Space Track"におけるフリーに近い感覚の演奏には驚かされる。いずれにしても,ライブらしい荒っぽさもあるものの,星★★★★には値する佳品。

しかし,Freddie Hubbardも没後10年超...。光陰矢の如しである。

Live in Europe in December 1969

Personnel: Freddie Hubbard(tp), Roland Hanna(p), Ron Carter(b), Louis Hayes(ds)

2019年2月13日 (水)

Irene Kralの日本ライブ盤。このしっとり感たまりませんなぁ。

"Angel Eyes: Live in Tokyo" Irene Kral(Muzak)

Irene_kral 先日,Irene Kralの"Where Is Love?"をこのブログで取り上げたが,よくよく確認してみると,4年前にも同作については記事にしていた。すっかり失念していたが,でもアルバムから受ける感覚,評価は不変だったということが確認できてよかった。

そんなIrene Kralは78年に46歳の若さで,乳がんにより天に召されたのだが,彼女が亡くなる約1年前に行った東京公演のライブ盤が本作である。そしてこのCDは日本公演で歌った曲は全て収められた完全版である(但し,全テイクではなく,あくまでも歌った曲全て)。いつも書いているが,私はジャズ・ヴォーカルの熱心な聞き手ではないが,"Where Is Love?"にはマジで痺れてしまったのは既に書いた通りである。

彼女がこのライブで来日した時には,既に乳がんを発症しており,健康状態は万全でなかったとのことであるが,有名な曲もあれば,あまり知られていない曲も交え,素晴らしい歌声をここでも聞かせている。"Where Is Love?"がピアノだけをバックにしたバラッド集であったのに対し,ここにはピアノ・トリオをバックに,スインギーな曲も交えての歌唱は,この人の実力をよく示している。

それでも私としては,バラッド表現の方にこの人の魅力は痛切に感じてしまうのだが,Tim Hardinが書いた"Misty Roses"のような曲をやられてしまうと,やっぱり痺れる。こうした音源のマスター・テープが長い年月を経て見つかり,このようなかたちでリリースされていることだけでも喜ぶべきだと思える。

Alan Broadbentはいつも通りの楚々としたバッキングであるが,助演の稲葉国光,Donald Bailey,石松元も好ましい伴奏ぶりである。と言うか,控えめにしか伴奏すべきではないところを,きっちりやっているってことだが。やっぱりIrene Kral,大した歌手であった。星★★★★。

Recorded Live at 芝ABCホール on July 20 & 21, 1977

Personnel: Irene Kral(vo), Alan Broadbent(p), 稲葉国光(b),Donald Bailey(ds),石松元(ds)

2019年2月12日 (火)

S&Gの再編ライブを改めて。

"Old Friends: Live on Stage" Simon & Garfunkel (Columbia)

_20190210先日,フィギュア・スケートの中継を見ていて,米国のJason Brownがフリー・スケーティングでS&Gの曲を使っていたので,ついつい懐かしくなって聞いてしまったアルバムである。

彼らが日本公演を行ったのはもう10年前になってしまうのかって思うと,時の流れの早さを感じざるを得ないが,あのライブは本当によかった。私がこれまで見たライブの中でも記憶に残るものの一つである。正直言うと,その時のライブは東京では当初東京ドームだけで開催されることになっていたのだが,誰がどう考えたって,S&Gにはスタジアム級のヴェニューは合わないだろうと思っていた。だから武道館の追加公演が発表された時は,チケット代は高くても行こうと決意した訳だ。だが,実はそのライブに行く前に,このアルバムを聞いていて,結構不安はあった。

正直言って,このアルバムに収められた演奏は褒められたものではない。ヴォーカルは粗いし,初めて聞いた時から,いいと思えた記憶がなかったからだ。だから,ライブの場で想像以上にいい演奏を聞かせてもらって,このアルバムの印象から,ライブにも正直なところあまり期待していなかった私が感涙にむせんでしまったのも当然なのだ。どう考えても,あのライブは想定外のよさだった。

そして,改めて何年かぶりにこのアルバムを聞いてみても,やっぱりこれはよくない。声の出ていないところがやはり厳しいのだ。Paul SimonもArtieも両方なのだ。武道館の時はちゃんと歌えていたものが,ここではかなり覚束ない。ライブより5年前の演奏であるにもかかわらずである。バックはかなりのメンツを集めているが,歌そのものが勝負どころの二人だと思うと,やっぱりこのアルバムはダメだ。これを聞くならセントラル・パークのライブを聞いてる方がはるかにましってことで,私はちっともこのアルバムを評価できないままだということがよくわかった。星★★。金儲けに走ったなって感じさせるだけ。だからと言って,武道館で見た彼らのライブの印象が悪くなることは一切ないが(きっぱり)。

Personnel: Paul Simon(vo, g), Art Garfunkel(vo), Mark Stewart(g, cello), Larry Saltzman(g), Warren Barnhardt(p), Rob Schwimmer(key, theremin), Pino Palladino(b), Jamey Haddar(perc), Jim Keltner(ds)

2019年2月11日 (月)

Bryan Ferryの来日公演はどのようになるのか?

Bryan_ferry

Bryan Ferryが3月に来日する。彼がソロで来日するのはなんと2002年以来ということであるから,ファンとしては待望ということで,東京公演は既にソールド・アウトとなっている。

Bryan Ferryは今年の夏のツアーは"Avalon"を中心に据えたものにすると発表しているが,これは今年Roxy MusicがRock & Roll Hall of Fame入りすることを受けてのことと思われる。一方,日本公演がどういうものになるかはわかっていないが,昨年,Bryan Ferryはジャズ色濃い"Bitter Sweet"をリリースしている。だが,結局リリースを受けたツアーでも受けたのはライブの後半で演奏されたRoxyの曲だったというレビューもあったように思う。だとすれば,夏のツアーからと言わず,日本公演も"Avalon"中心でやって欲しいと思うのは多分私だけではないだろう。

"Avalon"こそRoxy Musicの最高傑作であり,Bryan Ferryにとっても渾身の傑作であることは誰しもが納得するところであり,そちらへの期待が高まるのは当然なのだ(同作については,以前このように書いている)。私がRoxy Musicのライブを見たのは1983年に遡るが,Bryan Ferryのソロのライブはこれまで見たことがない。だからこそ期待は高まるのだが,お願いだから"Avalon"路線でやって~と思ってしまう。

まぁ,久々の来日ということもあるし,多分"Avalon"路線でやるだろうと思いつつ,ちょっとした不安が残存している私である。結果やいかに?

2019年2月10日 (日)

出張中に見た映画(2019年2月編)

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先日のタイ出張時に見た映画について,書いておこう。タイまでは往路が約7時間弱,復路が5時間半ってところなので,今回は往復2本ずつということにした。正直言って,復路は体調があまりよろしくなかったのだが,それでめげる私ではない(笑)。

今回は珍しくも邦画が2本,更には邦画の韓国でのリメイクが1本,洋画が1本という,通常は洋画指向の強い私としては結構変わった組合せだったのだが,今回の機内エンタテインメントの目玉が既に(2回)見た「ボヘミアン・ラプソディ」ではこうなるのも仕方がないってところである。タイトルは次の通りである。

  1.  「スマホを落としただけなのに」('18,東宝) 
  2. 「ゴールデンスランバー("골든슬럼버")」('18/韓)
  3.  「散り椿」('18,東宝) 
  4. 「天才作家の妻 40年目の真実("The Wife")」('17,スウェーデン/米/英)

「スマホを落としただけなのに」はかつてはジャパニーズ・ホラーの巨匠と言われた中田秀夫が監督だが,そもそも中田秀夫は持ち上げられ過ぎの感があると思っている私としては,まぁ気楽に見りゃいいやと思いつつ見ていた。しかし,これは映画以前のストーリーの無茶苦茶さ加減にはっきり言って辟易とした私である。小説ならばどうなのかって感じはするが,映像化することで,ネタバレも早くなるというしょうもない映画であった。

「ゴールデンスランバー」は伊坂幸太郎原作を,堺雅人主演で映画化したのが2010年だったが,この原作は実に読んでいて面白かった。邦画版も出張中に見ているが,リメイクまで見るとは思わなかった。まぁ,韓国的に焼き直しているが,基本的な部分は結構使っているものの,展開はちょっと違っている。まぁまぁ面白く見られるとは思ったが,やはり原作の力が凄まじく強かったなぁと改めて思わされた一作。

「散り椿」は時代劇である。私は洋画なら西部劇,邦画なら時代劇が結構好きなことはこのブログにも書いてきたが,今回もチャンバラなので,ついつい見てしまった。結構落ち着いたトーンの映画で,これはなかなか良かったと思う。日本映画界のベテラン,木村大作と小泉 堯史が組めば,まぁおかしなことにはならないよなとは思うが,このトーンはこのベテランが生み出したものと言ってもよい。美しいキャメラ・ワークと殺陣は見どころがある。殺陣のスタッフには主演の岡田准一の名前も見られたが,役者自ら取り組んでいるのかということに,へぇ~と思いながら見ていた私である。この映画の悪役は奥田瑛二であるが,悪役はこれぐらい憎々しくやってもらうのがいいねぇって感じであった。蛇足だが,本作には巷で話題の新井浩文も出ているが,これのDVDも出さないってことなのかねぇ?

そして最後がGlenn CloseがGolden Globeで主演女優賞を取った「天才作家の妻 40年目の真実」である。かなり多くの人がLady Gagaの受賞を予想していたところをひっくり返したのがこの映画である。なるほど。もの凄い名演って感じでもないが,確かな演技力に唸ってしまうのは事実だ。そして,今回で7度目のOscarノミネートとなったGlenn Closeなので,さすがにろそろという同情票も集めて,"Oscar Goes to ... Glenn Close!"となる可能性が高いだろうなぁ。映画としても,なかなか面白く見られる。

この4本を評価するとすれば,見た順番と全く逆の順番になるってのには,我ながら笑ってしまった。

2019年2月 8日 (金)

Donny McCaslin@Blue Note東京参戦記:またもPAに泣かされる...。

Donny_mccaslin_at_blue_note2019_1Donny McCaslinが自己のバンドで来日するので,前回の来日時に続いて,今回もBlue Note東京に足を運んだ私である。前回はDavid Bowieが亡くなった約1年後の約2年前であるが,彼らがBowieの遺作に参加していたこともあり,Bowieの逝去の余韻もあって,Blue Note東京もフルハウスだったことは記憶に新しい(その時の記事はこちら)。

だが,今回はそれから時間も経過し,Bowieの神通力も薄れ,客入りはイマイチって感じだった。しかし,Donny McCaslinはロック色の濃いリーダー作"Blow."をリリースしたこともあり,今回のライブはそうした感じになるだろうことは想定しながら演奏に臨んだ私である。そして今回は私の予想通り,ハードなグルーブを聞かせて,完全ロック・モードでの演奏だったと言ってよい。例外は1年前に世を去ったMcCaslinの母親に捧げた曲とかになるだろうが,激しいリズムと,Jason Lindnerの変態的なキーボードにも煽られて,実に激しくも楽しめる演奏を繰り広げたと言えよう。それについては全く問題はない。惜しむらくはヴォーカルのJeff Taylorの声の線が細く,このバンドのグルーブにはちょっと物足りない感じがしたことか。それでも,Jeff Taylorのギターがアドオンされれば,サウンドとしての厚みが増し,いい感じの演奏だったと言えると思う。

ところがである。演奏の後半になって,Donny McCaslinのサックスにセットされたワイヤレス・マイクに不調が生じ,彼がどんなに激しくブロウしようとも,バンドの音に埋没してサックスの音が聞こえないという事態に陥ってしまったのだ。前回,私がBlue Noteに行った時のPat Methenyのひどいギター音と同様のストレスを今回も感じさせるとは何事か?

時として機材にトラブルが発生するのは仕方がない。しかし,それを何とかリカバリーするのがプロだろう。だとすれば,今回のPAは一体何なんだ?PA担当者がワイヤレス・マイクの不調を認識していたことは間違いないが,一旦修正を試み,Donny McCaslinにはOKサインを出して,回復を知らせていたにも関わらず,全くマイクは機能せず,リーダー,Donny McCaslinのサックスは結局はよく聞こえなかったのだ。アンコールではDavid Bowieにちなみ,"Lodger"から多分"Look Back ㏌ Anger"をやったように思うが,そこでDonny McCaslinは超絶激しいソロを聞かせたにも関わらず,それがよく聞こえない。ソロが終わった直後だけ,一瞬サックスがマイクにつながるという体たらくである。

まさにこれはDonny McCaslinに対して失礼極まりなく,高いチャージを払って訪れた聴衆に対しても失礼である。演奏はよく出来ているのに,どうして聴衆がストレスを感じなければならないのか。聴衆を馬鹿にするのもいい加減にしろと言っておく。プロだったら,サウンド・チェックはちゃんと行うのが筋。ワイヤレス・マイクが不調なら,ワイヤード・マイクをサックスに向けるのも筋である。ミュージシャンはモニターで音を聞いていてわからないかもしれないのであれば,PA担当者がちゃんとトラブル対応の指示を出すのが筋ってものだ。だが,Tim Lefebvreが異変に気がついて,McCaslinの足元のスイッチを踏みに来たことから,少なくともTim Lefebvreにもわかるレベルだったのは間違いないのだ。

そんなことすらわかっていないのか,あるいは意図的に無視したのかもわからん,それこそど素人のような輩にPAを担当させるブルーノートには猛省を促すしかないだろう。これで2回連続,私はストレスを感じさせられたことになるが,この責任,一体誰が取ってくれるのか?実にふざけている。思い出すだけでも腹が立つ。全くなってないとしか言いようがない。この怒り,当分収まることはないだろう。許せない。マジで許せない。

Live at Blue Note東京 on Feburuary 7, 2019

Personnel: Donny McCaslin(ts,vo), Jeff Taylor(vo, g), Jason Lindner(key, p), Tim Lefebvre(b, vo), Zach Danziger(ds)

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2019年2月 5日 (火)

中年音楽狂 in バンコク

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現在,バンコクに出張中である。以前,バンコクはトランジットだけで空港は利用したことがあるが,バンコクの街に来るのは初めて。海外出張が多い割に意外だと言われるが,縁がなかったのだから仕方がない。

つくづく日本人観光客,出張者の多さには驚かされるが,中国の春節とも重なって,空港が混み合っていたのは当然か。私が宿泊しているのは,現地オフィスの近所なのだが,夜になると様子が変わってくる感じだ。一言で言えば日本人をターゲットにしていることは明白なのだ。写真を見てもらえばわかる通り,ここはどこっ?状態なのだ。私の同僚曰く,歌舞伎町みたいなものです,ってことらしいが,感覚的にはもっと下世話,あるいは直截的(笑)。

それにしても,当地は高度経済成長期の日本みたいな感じで,急速なインフラ整備の進展,工業化もあって,PM2.5が発生し,晴れているのに空の色はくすんでいる。昔で言えば,日本の光化学スモッグみたいなものだ。だが,成長中ならではの活力が感じられるし,今回訪問した某企業のオフィス・デザインなんて実に洒落ていた。やってるねぇって感じである。

何れにしても明日には帰国だが,実にエネルギーを感じさせる街だった。この街を再訪するチャンスがあるかどうかはわからないが,今まで訪問したどの街とも違う感覚を味わったと言えよう。

2019年2月 3日 (日)

敵ながらあっぱれであったカタール代表。日本代表は発展途上ってことで。

アジアカップが終わった。日本代表は最終的に優勝を逃したが,準決勝におけるイラン戦において,このチームの可能性を感じさせたことには収穫があった。しかし,それまでの戦いぶりにはストレスがたまることも多かっただけに,このチームはまだ発展途上なのだということを改めて感じさせた今回の大会であった。

決勝戦は,次回W杯開催国であるカタール代表との一戦だった訳だが,前半の2失点が痛かった。特に2点目のミドルは完全に相手をフリーにしてしまったところ,ゴール左隅に見事に叩き込まれてしまったのは,心理的なダメージが大きい。1点目のオーバーヘッドも,当たりはよくなかったにもかかわらず,飛んだコースがよかっただけって感じもするだけに,その辺りも士気に影響した部分もあろう。しかし,2点目に関しては明らかにディフェンスの寄せが遅れたってことだろう。それにしても,特に前半のカタール代表の前線のスピードには驚かされた。日本代表のディフェンスは相手のスピードについていけず,振り切られるシーンのなんと多かったことか。スピードという強力な武器を持つカタール代表の攻撃は見事なものであった。日本代表も浅野が怪我をしていなければ,同様の攻撃オプションを仕掛けられたようにも思うが,いかんせん今回は途中離脱も含め,怪我人が多過ぎた。

そして,決勝戦においては大迫へのマークが厳しく,決定的なシーンをあまり作れなかったが,後半,運動量が落ちたカタール代表を1点差に追い込んだところでの,吉田のハンドによるPK献上は痛かった。あの3点目で,カタール代表は元気を取り戻してしまった感が強く,明らかに動きが回復していた。

終わってみれば,完敗と言ってもよい試合だったと思うが,特に前半のいいようにやられてしまった感は,今後の日本代表が進化していく上でいい薬になったと考えることにしよう。そして,後半あれだけコーナー・キックをもらっておきながら,そこから得点できなかった攻撃陣をどうするのかという課題も残る。森保監督が今回の結果を受けて,どのような強化を図っていくのかを見守っていきたい。3月にはコロンビア,ボリビアとのテスト・マッチがあるが,そこでどのような選手を試し,どのような戦術を仕掛けるのかに期待しよう。

いずれにしても,あれだけの帰化選手への依存というのはどうなのよ?という指摘はあろうとも,カタール代表の戦いぶりは称賛されるべきものと思う。敵ながらあっぱれであった。 

Almoezali

2019年2月 2日 (土)

Giovanni Guidi@イタリア文化会館参戦記

Guidi

イタリアのミュージシャンが来日すると,無料でライブを開いてくれるイタリア文化会館にはこれまでには何度かお世話になっているが,今回はECMレーベルのアーティストであるGiovanni Guidiの来日とあっては,これは行かねばならんということで,目ざとく情報を見つけた私はネットで申し込みを完了したことは言うまでもない。

すると,新潟ジャズ界の大パトロン,スズニカ伯爵夫人ことSuzuckさんも当日お越しになるとの情報を得て,ご一緒させて頂いた私である。Suzuckさんには,我が同僚にして,最強サラリーマン・サックス・プレイヤー,八木くんがマレーシアからの一時帰国中に同行するという,何とも濃い~メンツでの参戦となった。

Guidi_iそして,約1時間,ピアノ・ソロで演奏し続けられた演奏は,一言で言えば,甘美な響きであった。さすが,イタリア・オペラの国である。あまりに美的な響きは,時として睡魔を誘うが,これこそ心地よい眠りであったと開き直ってしまおう。正直なところ,イタリア文化会館でのライブは,明らかにジャズを聞きそうにない聴衆も多い(それは武蔵野スイングホールのライブと同様)なのだが,私の感覚では聴衆の7割方は心地よい眠りに誘われていたのではないかと思えた。自分もその一人になってしまった訳だが,それほど本当に甘い響きだったのだ。

ジャズ的なスリルとかとは全く別物の世界であるが,実にいい音楽を聞かせてもらったという気がする。そして,Suzuckさまご一行は,その後新橋のテナーの聖地,Bar D2において,Elvin Jones Lighthouse Quartetの発掘音源で盛り上がったのであった。GuidiとElvinでは真逆のような感じだが,何の違和感もなく受け入れてしまうのが,私たちってことで(笑)。

ということで,写真は当日の戦利品と,Giovanni Guidiと私(モザイク付き)。Giovanni Guidiと私の顔のでかさが違い過ぎ(爆)。ライブ後の飲みを含めて実に楽しい一夜であった。Suzuckさん,八木くん,ありがとうございました。

Live at イタリア文化会館 on January 29, 2019

Personnel: Giovanni Guidi(p)

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