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2019年1月22日 (火)

重量級トリオなのだが,結果は微妙なKenny Barronの"Wanton Spirit"。

"Wanton Spirit" Kenny Barron(Verve/Gitanes)

 

_20190114_4Kenny Barronは1943年生まれなので,今や大ベテランの領域に入ったと言える。しかし,私の中ではStan Getzとの"People Time"の印象が強く,それ以外の彼の代表作は何だろうと思ってしまう。もちろん,Charlie Hadenとの"Night and the City"とか,自身のトリオによる"Live at Bradley's"のような素晴らしい作品はあるのだが,そのほかのアルバムは私にとってはやや印象が薄いのは事実である。

 

 

そんなKenny BarronがCharlie HadenとRoy Haynesという重量級のリズムを得て吹き込んだのが本作である。本作の特徴はまず選曲である。Kenny Barronのオリジナルは1曲だけに留め,Duke Ellingtonが2曲選ばれている以外では,有名無名のジャズ・オリジナルが並んでいる。

 

冒頭の"Take the Coltrane"から軽快なノリで始まり,2曲目はなんとTom Harrellの"Sail Away"である。この辺の選曲はわかってるねぇと思わず言いたくなってしまうが,もうちょっと美的にできるのではないかという感触もある。その後がDizzy Gillespieの"Be Bop"で,これをミディアム・テンポでやって,どうも私には違和感が生じてくる。Kenny Barronとハードな演奏というのは,あまり結びつかないが,かと言って美的でリリカルなピアニストという印象でもないKenny Barronゆえ,一般的な急速調"Be Bop"を避けたのかもしれないが,やっぱりこの曲はミディアムにはあまり合っていない。その一方で,Kenny Barronのオリジナル,その名も"Madman"を相当激しくやっているのだが,これもどうも居心地が悪い。

 

思うに,Kenny Barronのピアノは,奇をてらったり,突出感を持たせるよりも,落ち着いた感じの品の良さを持っているぐらいの方が私には馴染むってことだと思う。だから私は"Live at Bradley's"のようなアルバムが好きな訳だ。なので,Richie Beirachのオリジナル"Nightlake"や,ドラマーのVictor Lewisが書いた"The Loss of a Moment"のような曲の方がはるかにしっくりくるのだ。こうした特性はおそらく,Charlie Hadenにも当てはまると考えるべきで,だからこそ"Night and the City"のような素晴らしいアルバムが生まれた訳だ。それに対してRoy Haynesがそういう感じではない,むしろハードに叩きたい方だろうというところに,私はこのメンツのミスキャスト感を覚える。

 

これだけのメンツである。もちろん悪い演奏ではないのだが,曲ごとのバラつきが気になってしまう。だからプレイバックされる回数が少ないのねぇってのを,久しぶりに聞きながら実感した私。私にとってのこのアルバムの問題は,"Be Bop"と"Madman"の2曲だと言い切ってしまおう。だからこそ惜しいのだ。星★★★☆。

 

Recorded on February 22, 23, 1994

 

Personnel: Kenny Barron(p), Charlie Haden(b), Roy Haynes(ds)

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