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2019年1月29日 (火)

"Cityscape":Michael Breckerの見事な歌心。

"Cityscape" Claus Ogerman & Michale Brecker (Warner Brothers)

_20190127Claus Ogermanが作編曲したオリジナルに乗せて,Michael Breckerが見事なまでの歌心を聞かせるアルバムである。

イージーリスニング的な"With Strings"ものだと言われれば,その通りかもしれないし,そうした感覚を否定するつもりもないが,Michael Breckerのテナーの朗々とした響きを聞いているだけで,このアルバムに多言は無用だろうと思いたくなってしまうような作品。

今や本作も廉価盤としてリリースされているが,「イージーリスニング的」だからと言って,このアルバムを回避してはならないと強く思わせるほど,ここでのMichael Breckerのソロは素晴らしく,全編を通して楽しめることは言うまでもない。

Michael Breckerが正式な初リーダー作をリリースするのは1987年まで待たなければならないが,このアルバムをリリースしたことによって,Michael Breckerのソロイストとしての実力は既に明確化していたと言える。もちろん,人のバックで吹いていても,場をかっさらう人ではあるが,ここまで吹いたということが重要なのだ。

本作も久しぶりに聞いたのだが,これが実に魅力的であり,新たな発見に満ちたアルバムであった。ジャンルを軽々と超越した極上の「音楽」として,星★★★★☆。

Personnel: Claus Ogerman(composer, arranger, conductor), Michael Brecker(ts), Warren Bernhardt(key), Steve Gadd(ds), Eddie Gomez(b), Marcus Miller(b), John Tropea(g), Buzz Feiton(g), Paulinho da Costa(perc)

2019年1月28日 (月)

これも保有していることを忘れていたEnrico Pieranunzi盤。

"Current Conditions" Enrico Pieranunzi(CAM Jazz)

_20190126CDラックを眺めていて,こんなものを保有していたか?と思うことが増えた今日この頃(爆)。結局聞いてないからそうなるんじゃん,と言われれば反論の余地なしなのだが,これもそんな一枚。

私はEnrico Pieranunziのアルバムを結構保有しているが,もとからかなりの多作家であるから,全部を押さえるなんてことはない。しかし,まぁ重要だろうと思われるアルバムは保有しているし,今やかなりの高値で取引されるIDA原盤のアルバムも何枚か保有している。そうしたEnrico Pieranunziであるが,アルバムのクォリティは玉石混交と言ってもよい。しかし,彼がMarc Johnson,Joey Baronというリズムと組めば,決しておかしなことにはならないと予想できる。なので,私としてはこのトリオによるアルバムもある程度は保有している。

Current_conditionsにもかかわらず,である。このアルバム,ちょっと印象が薄いのはなぜなんだろうなぁと思うわけだが,久しぶりに聞いてみると,いつもの安定度の高いPieranunziトリオであった。CAM Jazzのオリジナルとジャケが違うのも印象が薄いりゆうかもしれない(が,オリジナルのジャケも「空の青さ」ばかりが印象に残るなんてことないジャケだが...)。その後に出る同じメンツによる"Dream Dance"のような強度はないが,これはこれで十分楽しめる星★★★★には値する佳作。

私が珍しくも国内盤を買ったのはボートラ狙いだとは思うが,いい演奏とは認めつつ,別にこれはなくてもねぇって感じのソロ演奏で,あくまでもオマケとして捉えている。さて,またラックの探索でもすることにするか(笑)。

Recorded Live at Radiotre, Rome on November 28, 2001

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Marc Johnson(b), Joey Baron(ds)

2019年1月27日 (日)

コレクターはつらいよ(23):Crane Like the Birdsの新作に1曲客演。

"Kaleidoscope" Crane Like the Birds Fraturing Sabina Sciubba & Brad Mehldau(自主制作,ダウンロード)

CranelikethebirdartLAを拠点とするシンガー,ドラマーであるKyle CraneのプロジェクトらしいCrane Like the Birdsというグループ(プロジェクト?)の同名のアルバムがリリースされ,そこに1曲,Brad Mehldauの名前があることをFBで知った。フィジカルな媒体としては出ていないようなので,早速Brad Mehldauの名前のある"Kaleidoscope"をダウンロードした私である。

Kyle CraneもCrane Like the Birdsも私には初耳の名前だと思うが,Daniel Lanois人脈の人らしく,Brad Mehldauの参加もその縁と思っていた私である。また,本作にはKurt Rosenwinkelも参加しているとの情報もあるのだが,ダウンロード音源ゆえに詳細,真偽のほどは不明。だが,FBにBrad Mehldauが,本作への参加はRosenwinkelの紹介が縁とも書いているので,おそらくはRosenwinkelも参加していると思われる。更に,Wikipediaの情報によれば,映画「セッション」の一部のドラムス演奏シーンはKyle Craneによるものらしい(但し,クレジットはされていないようだ)。こうして情報を集めるとへぇ~って感じである。

それでもって,この"Kaleidoscope"だが,9分を越える曲の後半に,いかにもBrad Mehldauらしいピアノを聞かせていて,実に嬉しくなってしまった私である。越境型ミュージシャン,Brad Mehldauの真骨頂ってところだろう。こういうのを追っかけるのも大変な訳だが,こんなピアノを聞かせてくれるなら大歓迎である。

因みに,Brad Mehldauだが,2月後半から欧州において,英国人テノール歌手,Ian Bostridgeとのデュオで歌曲の夕べをやるらしい。シューマンとBrad Mehldauがカーネギー・ホールほかからの委嘱により書き下ろした"The Folly of Desire"をやるとのことだが,越境具合が半端じゃないねぇ。

2019年1月26日 (土)

Marcin Wasilewski Trio@Cotton Club,マジで感動した!

Marcin_wasilewski_2
Marcin Wasilewskiは,あのECMレーベルにおいても,今や最も信頼に値する人だと言ってよい。彼が自身のトリオで出すアルバムにも,客演したアルバムにも,悪いものはないのだ。そんなMarcin Wasilewskiが自身のトリオで久々の来日をするとなれば,行かぬ訳にはいかぬ!何せ彼らの前回の来日は今から6年以上前に遡るが,演奏はさておき,オノセイゲンのしょうもないPAによって台無しにされたことは,その場にいた人間ならみんなわかっている(きっぱり)。あの時の違和感や欲求不満を解消するためには,Cotton Clubのようなヴェニューで彼らのライブを見ることが必須だったということもある。

Img_7622_002ということで,1/25(金)のライブに,財布には痛かったが,1st,2ndの通しで参戦した私である。惜しむらくは1stと2ndで全く曲が同じだったことだが,基本的なトーンはほとんど変わらないものの,若干のニュアンスの違いを感じることもできたのはよかった。

そして今回のライブを表現するならば,深遠にして繊細,かつダイナミズムも持つ美学とでも言うべきだろう。私も昨今はライブに行く機会も結構あるし,年齢も年齢なので,これまでも相当な数のライブは見ているが,私の人生において,感動したライブのうちの5指には入れてよいと思わせるに十分な素晴らしい演奏であった。

とにかくリーダーだけでなく,トリオのメンツのレベルが異常に高い。ベースのSalwomir Kurkiewiczは素晴らしい音色で,バッキングもソロも魅力的だし,ドラムスのMichal Miskiewiczも静的でも動的でも,実に的確かつ魅力的なリズムを提供する。そして,リーダーのMarcin Wasilewskiのピアノの美しいことよ。

こんなことを言うと誤解を招くかもしれないが,正直言って,Brad MehldauやFred Herschのトリオを聞いた時よりも私は感動していたと言っても過言ではないのだ。ある意味,それは私の音楽的な嗜好からしても大変なことであることは,このブログの読者の皆さんにはご理解頂けよう。とにかく私の心のど真ん中を貫いたと言ってもいいだろう。とにかくいいものを見せてもらった,聞かせてもらったって感じである。

今夜のセットリストは次の通りだったはずだが,Tomasz Stankoのオリジナルを冒頭に据えて,彼に対するトリビュートもしながら,Marcin Wasilewski Trioらしい見事な演奏を聞かせた。今年の最高ライブはこれに決まったようなものだ。それぐらい感動した。私にとっては最高の一夜。素晴らしい。ということで,戦利品の一部(当然,これだけではない!)と,いつものように「Marcin Wasilewski Trioと私(モザイク付き)」をアップしておこう。

  1. Song for Sarah
  2. Sudovian Dance
  3. Austin
  4. Night Train to You
  5. Sleep Safe and Warm
  6. Actual Proof
  7. (Encore) Diamonds and Pearls

Live at Cotton Club東京 on January 25,2019

Personnel: Marcin Wasilewski(p),Salwomir Kurkiewicz(b), Michal Miskiewicz(ds)

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2019年1月24日 (木)

保有していることすらすっかり忘れていたDusko Goykovichのボサノバ・アルバム。

"Samba do Mar" Dusko Goykobich (Enja)

 _20190120昨今,新譜の購入もあまりしていないので,私としては家にいる時には,手持ちの音源を聞く機会の方が多いのだが,そんなこともあって,CDラックを改めて見ていて,おぉっ,こんなアルバムも保有していたなぁということで,久しぶりに手を取ったアルバムである。正直なところ,保有していたことさえ忘れていたというのが実態なのだが...(爆)。

Dusko Goykovichについては,かなり前にこのブログにもアルバムを取り上げたことがある(確認したら,ほぼ10年も前だ!記事はこちら)。そこにも「枯れた味わい」なんて書いているが,Dusko Goykovichはそもそもが哀愁味を帯びた音色を聞かせる人だから,彼がボサをやれば,だいたいどういう音が出てくるかは想像がつく。そして,想像通りの音がアルバムからは流れてくるってところだろう。Dusko Goykovichが"Chega de Saudade"や"How Insensitive"をやれば,こうなるだろうって感じなのだ。安定のDusko Goykovichサウンドってところだ。

このアルバムでDusko Goykovich以外で注目するとするのは,ギターのFerenc Snetbergerであろう。今やECMからもアルバムをリリースするようになったが,もともと本作同様Enjaでもアルバムをリリースしていたので,その縁もあっての共演ってところだろうが,楚々としたボサノバ・ギターを聞かせている。そして,織り交ぜるソロのフレーズが魅力的で,この人のメロディ・センスのよさを十分に感じさせる。一言で言えばバッキング含めて趣味がよいのだ。

なので,肩ひじ張らずに聞くには丁度良いって感じのアルバムで,なかなか楽しめるアルバムであった。こういうのをラック(それも一軍だ!)に入れていながら,すっかり忘れていた私もいかがなものかって感じだな。反省も込めて星★★★★としておこう。

それにしても,こういう作品を聞いていると,Enjaも昔のHorst Weberがプロデュースしていた作品と比べると,随分変わったなぁって感じるのは私だけではないだろう。とか言いながら,最近の作品はほとんど聞いていないが(爆)。

Recorded on August 25 & 26, 2003

Personnel: Dusko Goykobich(tp, fl-h), Ferec Snertberger(g), Martin Gjakonovski(b), Jarrod Cagwin(ds)

2019年1月23日 (水)

ヴォーカルを大して聞かない私でさえ痺れるIrene Kralのバラッド集。

"Where Is Love?" Irene Kral(Choice)

_20190114_5主題の通りである。私はジャズ・ヴォーカルを大して聞かない。前にも書いたが,大御所はある程度聞くが,決してジャズ・ヴォーカルが音楽鑑賞の中心になることはない(と開き直る)。そんな私にはジャズ・ヴォーカルを語る資格なんてないだろうと言われれば,その通りである。

だが,私にも夜の帳が降りた後に,しっとりとした音楽を聞きたくなることもあるのだ。そんな時に,ふとプレイバックしてしまう代表はAnn Burtonだったりする。Ann BurtonにはAnn Burtonなりのよさがあるが,それをはるかに凌駕するアルバムがこれだと思っている。

まさに夜,一人で聞くのにこれほど適した音楽があるだろうか。ウイスキーでも片手に聞けば,ついついグラスの数を重ねてしまうのではないかと思える,実に素晴らしいバラッド集である。

名手Alan Broadbentのピアノだけをバックに歌われるここでの歌は,カクテル的に響くのではないかと思えるが,声,歌唱,そしてBroadbentのピアノのどれもが一級品であり,しかも選曲が渋い。まさしく芸術品である。そして,収められているのが決して有名な曲ばかりではないところがいいのだ。このアルバムで初めて聞いたような曲もあるが,こんなアルバムを聞かされたら,傾聴するもよし,聞き流すもよし,そしてこのアルバムは,私にとっては,ほかにノイズの極力入らない環境で,小音量で聞くのが最適なのだ。

誤解を恐れずに言えば,こういう音楽は子供や若者には理解できなくてよい。ある程度年齢を重ねた大人にこそ訴求する音楽。星★★★★★。まじで痺れる。最高だ。

Recorded in December, 1974

Personnel: Irene Kral(vo), Alan Broadbent(p)

2019年1月22日 (火)

重量級トリオなのだが,結果は微妙なKenny Barronの"Wanton Spirit"。

"Wanton Spirit" Kenny Barron(Verve/Gitanes)

 

_20190114_4Kenny Barronは1943年生まれなので,今や大ベテランの領域に入ったと言える。しかし,私の中ではStan Getzとの"People Time"の印象が強く,それ以外の彼の代表作は何だろうと思ってしまう。もちろん,Charlie Hadenとの"Night and the City"とか,自身のトリオによる"Live at Bradley's"のような素晴らしい作品はあるのだが,そのほかのアルバムは私にとってはやや印象が薄いのは事実である。

 

 

そんなKenny BarronがCharlie HadenとRoy Haynesという重量級のリズムを得て吹き込んだのが本作である。本作の特徴はまず選曲である。Kenny Barronのオリジナルは1曲だけに留め,Duke Ellingtonが2曲選ばれている以外では,有名無名のジャズ・オリジナルが並んでいる。

 

冒頭の"Take the Coltrane"から軽快なノリで始まり,2曲目はなんとTom Harrellの"Sail Away"である。この辺の選曲はわかってるねぇと思わず言いたくなってしまうが,もうちょっと美的にできるのではないかという感触もある。その後がDizzy Gillespieの"Be Bop"で,これをミディアム・テンポでやって,どうも私には違和感が生じてくる。Kenny Barronとハードな演奏というのは,あまり結びつかないが,かと言って美的でリリカルなピアニストという印象でもないKenny Barronゆえ,一般的な急速調"Be Bop"を避けたのかもしれないが,やっぱりこの曲はミディアムにはあまり合っていない。その一方で,Kenny Barronのオリジナル,その名も"Madman"を相当激しくやっているのだが,これもどうも居心地が悪い。

 

思うに,Kenny Barronのピアノは,奇をてらったり,突出感を持たせるよりも,落ち着いた感じの品の良さを持っているぐらいの方が私には馴染むってことだと思う。だから私は"Live at Bradley's"のようなアルバムが好きな訳だ。なので,Richie Beirachのオリジナル"Nightlake"や,ドラマーのVictor Lewisが書いた"The Loss of a Moment"のような曲の方がはるかにしっくりくるのだ。こうした特性はおそらく,Charlie Hadenにも当てはまると考えるべきで,だからこそ"Night and the City"のような素晴らしいアルバムが生まれた訳だ。それに対してRoy Haynesがそういう感じではない,むしろハードに叩きたい方だろうというところに,私はこのメンツのミスキャスト感を覚える。

 

これだけのメンツである。もちろん悪い演奏ではないのだが,曲ごとのバラつきが気になってしまう。だからプレイバックされる回数が少ないのねぇってのを,久しぶりに聞きながら実感した私。私にとってのこのアルバムの問題は,"Be Bop"と"Madman"の2曲だと言い切ってしまおう。だからこそ惜しいのだ。星★★★☆。

 

Recorded on February 22, 23, 1994

 

Personnel: Kenny Barron(p), Charlie Haden(b), Roy Haynes(ds)

2019年1月21日 (月)

"Stan Getz Quartet Live in Paris"と言っても,こっちは82年録音。

"Live in Paris" Stan Getz Quartet (Dreyfus)

_20190114_2昨日,Stan Getzの1966年のパリでのライブを取り上げたが,今日は同じタイトルでも,後年の発掘音源である。本作がリリースされたのは1996年のことであるが,私が保有しているのはジャケ違いの多分99年の再発盤。こんな短期間でジャケ違いで出さなくてもいいのではないかと思わせるが,その真意は不明。

同じクァルテットと言っても,こちらはピアノ入りの典型的ワンホーン編成。ピアノは80年代前半にGetzと共演しているJim McNeely。リズムはその後,結構長期に渡ってパートナーを務めるドラムスのVictor Lewisに,ベースはMarc Johnsonである。Jim McNeelyって正直なところ印象はそれほど強烈ではないが,現在もVanguard Jazz Orchestraでピアノを弾いているし,同バンドでGrammyも受賞している。GetzやPhil Woodsともやっているが,私の印象が薄いのは,私があまり聞かないビッグバンド系のアルバムが多いせいかもしれない。だが,ここでは1曲,オリジナルの"On the Up and Up"を提供しているが,なかなかいい曲を書く人である。

Stan_getz_in_paris_1982そうは言っても,Stan Getz Quartetとなれば,主役はGetzに決まっている(きっぱり)。 ここでのレパートリーをGetzがどう吹くかが最大の関心事であることは間違いない。珍しいなぁと思うのは"Airegin"とか,"Tempus Fugit"のようなバップ,ハード・バップの代表的な曲をやっていることだろうか。"Tempus Fugit"については80年代に何度か吹き込んでいるようだが,バッパーとしての血が騒いだのか?とも思いたくなる。しかし,ここでもStan Getzの音で,熱い吹奏を聞かせるではないか。やはり何でもできるのだと思いたくなるような演奏。

あまり目立たないアルバムかもしれないが,これは結構聞きどころもあって楽しめるアルバム。Getzは奥が深いねぇ。星★★★★。66年のライブより私はこっちの出来の方がいいと思う。

尚,上のジャケが私が保有している盤で,下が多分オリジナルのジャケ。上は色調が暗いし,下はなんてことないって感じで,う~むってところだなぁ。

Recorded Live at New Morning in Paris in 1982

Personnel: Stan Getz(ts), Jim McNeely(p), Marc Johnson(b), Victor Lewis(ds)

2019年1月20日 (日)

"Stan Getz Quartet in Paris"をこれまた久々に聞く。

"Stan Getz Quartet In Paris" (Verve→Gitanes)

_20190114本作も久しぶりに聞いたって感じである。本作はVerve原盤のライブ盤を,"Jazz in Paris"シリーズの1枚としおて仏Universal傘下のGitanesが再発したもの。このシリーズは数多くのミュージシャンのレコーディングを集したものであり,ライナーには81種のレコーディングから構成されると書いている。今となってはそうだったのかぁって感じだが,購入した当時はライナーも多分読んでないし...(爆)。

収録された曲を見ていると,"Edelwess"なんてのが入っているではないか。そう。あの「サウンド・オブ・ミュージック」の「エーデルワイス」である。Stan Getzがそんなのやってたっけ?と思っていたら,何のことはない,Gary Burtonによるソロ・ピースとして演奏されている。それならわかる(笑)。

Stan_getz_quartet_in_parisこの時の演奏は,Getz,BurtonにSteve Swallow,そしてRoy Haynesというなかなかに魅力的なメンツによるものだが,よくよく考えると,Getzを抜いて,Larry Coryellを加えると,ロック色の強いと言われたGary Burton Quartetになる訳だ。今にしてみれば,そのGary Burton Quartetのどこがロック色が強いのかと思ってしまう(敢えて言えばCoryellのフレージングか)が,当時はGetzとやっていた面々がどうしてこうなるの?って感じだったのかなと思う。

それはさておき,ここでのGetzの演奏は,まぁいつも通りって感じであるが,"On Green Dolphin Street"なんてもっといい演奏ができそうにも思える。また,"The Knight Rides Again"に顕著なように,Roy Haynesは明らかに叩き過ぎで,正直Getzの演奏に合っているとは思えないところもあって,素晴らしく高い評価を与えることはできないってところ。ってことで,星★★★☆。

尚,上のジャケが再発盤,下のジャケが一般に知られているVerve盤のジャケ。

Recorded Live at the Salle Pleyel on November 13, 1966

Personnel: Stan Getz(ts), Gary Burton(vib), Steve Swallow(b), Roy Haynes(ds)

2019年1月19日 (土)

Pat Methenyの新バンドをブルーノートで聞いた。

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今年の初ライブとして,Pat Methenyが新しいバンド,"Side Eye"を結成し,そのお披露目ライブが日本で開催されるということで,ブルーノート東京に行ってきた。今回のバンドのキモは私にとってはドラムスのNate Smithである。

Nate SmithがPat Methenyとどのような相性を示すのかについては,冒頭の“All the Things You Are”での二人のバトルのような演奏を聞かされた段階で,私は大いに興奮させられたことからも明らかな通り,全く問題なしである。素晴らしくタイトなNate Smithのドラミングは,Antonio Sanchezに勝るとも劣らないと言ってよいだろう。。

そして,Pat Methenyとしては珍しいブルーズの演奏や,”Little Wing“的に響く曲での,Eric Claptonを彷彿とさせるフレージング等は大いに楽しめた。これが新バンドの新機軸なのか,手慣らしなのかはわからないが,実に興味深い演奏であった。

しかし,今回のライブには大きな問題があった。PAの不調である。それはPat Methenyがセミアコでソロで美しいフレーズを弾きだした時に起こった。ノイズを拾っているのか,エフェクターの接点が不調なのかのような音が,フレージングに被さってきて,気持ち悪いこと甚だしく,私は一気に冷めた。ギター・シンセの演奏時には問題なかったので,セミアコ側の問題だろうが,あれではせっかくの演奏が台無しである。

そもそもPAについては,James Franciesのピアノのイコライザーを効かせまくったような,キンキンした音がした段階で印象が悪かったが,あのギターのノイズで私のストレスは高まってしまった。バカ高いチャージを取るなら,サウンド・チェックぐらいちゃんとやってもらいたいものだ。ファースト・セットはどうだったのかと思ってしまう。専属のPA担当者を連れてきていたようだが,あれではプロの仕事とは言えないだろう。

そんなこともあって,終演後,彼らにスタンディング・オベーションを贈る聴衆を横目に見ながら,座ったまま,内心毒づいていた私であった。

ということで,Nate Smithの優秀さを再確認できたのはよかったし,Pat Methenyのギター・プレイはいつもながらではあったが,やはりあのPAは許しがたい。ということで,私としては不満も残るライブであった。尚,写真はブルーノートのWebサイトから拝借したもの。

Live at ブルーノート東京 on January 17, 2ndセット

Personnel: Pat Metheny(g), James Francies(p, key, org), Nate Smith(ds)

2019年1月18日 (金)

今日はFleetwood Macの全盛期のライブ盤でも...。

"Live" Fleetwood Mac (Warner Brothers)

_20190114_3私がFleetwood Macのアルバムを結構保有していることは,前にもこのブログに書いたことがある。70年代にLindsey BuckhinghamとStevie Nicksが加入して,一気にポップ度を増して人気がぐっと上がった訳だが,私は結構Bob Welch在籍時のアルバムも好きなのだ。そして,私がFleetwood Macで一番惹かれるのはChristine McVieの歌であり,私は彼女が聞きたくてFleetwood Macのアルバムを聞いていると言っては言い過ぎかもしれないが,彼女のスモーキーなヴォイスが好きなのだ。

そうは言っても,やはり彼らの人気のピークは70年代後半ということになり,このアルバムはそうした時期に行われた"Tusk"ツアーの模様を収めたライブ盤である。ライナーにはツアーで訪れた場所と,会場のキャパが書かれているが,米国においてはアリーナ級のヴェニューが多いのに対し,当時の日本は武道館はさておき,大阪,京都,岐阜,仙台でライブが行われているが,キャパは3,000人程度の会場が多く(って言うか,大阪にも武道館級の適当な会場がなかった。今なら大阪城ホール辺りか。),そういうところで見たかったよねぇと思ってしまう。まぁ,でもその頃の私はジャズに目覚めていた頃で,こういうポップな音への興味は薄れていた頃で,今にしてみれば,もったいないことをしたなぁって気がする。

それはさておき,この全盛期のライブ,いろいろなところでの演奏を収めているが,一部はサウンド・チェック時の音源であることがちゃんとライナーに書いてあるってのも珍しいなぁと思わせる。いずれにしても,彼らのヒット曲満載ではあるのだが,ライブとしての荒っぽさもあるところが評価の分かれ目だろうなぁ。コーラスなんて,結構クォリティの低いまま収録されているような曲もある感じがするし,Lindsey Buckhinghamの絶叫がうるさい"Not That Funny"のような曲を聞かされると冷める。会場では盛り上がるかもしれないが,鑑賞音楽としてはいけてないという典型がこの"Not That Funny"だ。こっちとしては「ちっともおかしくないわ!」と毒づきたくなる。そういう意味でライブ盤ってのは結構難しいと思わされてしまう。

同じラインアップによるライブ盤としては後の"The Dance"ってのがあるが,プロダクションとしては"The Dance"の方が上で,やっぱりこのライブは粗さが目立つ。まぁ,素の彼らのライブの雰囲気を味わうならこっちの方がいいのかもしれないが。まぁ,それでも人気バンドのライブだけに,そこそこ楽しめるとしても,これを聞くならスタジオ盤の方を聞くだろうなぁと思ってしまう私であった。星★★★。

Personnel: Stevie Nicks(vo), Christine McVie(vo, key),, Lindsey Buchingham(g, vo), John McVie(b), Mick Fleetwood(ds) with Ray Lindsey(g), Tony Todaro(key), Jeffery Sova(key)

2019年1月17日 (木)

Michel ColombierによるPhillipe Labro監督作のサントラのコンピレーション盤

"L'Heritier/L'Alpaguer" Michel Colombier (Universal)

_20190113私もいろいろなCDを持っているもんだと思ってしまうが,これなんかなんでこんなものまでって感じのCDである。これはPhillipe Labroが監督した3作品の音楽を集めたオムニバス盤である。3作品のサウンドトラックの全曲が入っている訳ではなく,セレクションとなっている。

Michel Colombierと言えば,豪華なメンツを迎えた自身のリーダー作やFlora Purimのアルバムにより,今でも記憶に残る人である(記事はこちらこちら)。リーダー作の記事にも書いたが,Phillipe Labro監督作品である「相続人」,「潮騒」,そして「危険を買う男」の3作をMichel Colombierは担当しているが,私がこのアルバムを買ったのは,「相続人」のテーマが聞きたかったからである。今聞いても,冒頭に入っている「相続人」のテーマはかなりカッコいい。

実を言うと,私は上記3作のうち,「相続人」だけ見ていないのだが,「潮騒」は梅田の映画館で見て,「危険を買う男」は試写会で見たはずである。だが,私が見た2本がヒットしたって話は聞いたことがないし,内容だってよく覚えていない(爆)。そもそもJean Paul Belmondoは日本ではあまり集客力があるとは思えないし,「潮騒」はYves MontandとKatharine Rossの共演という要素はあっても,それだけではやはり難しいだろう。まぁ,それはさておき,「相続人」のテーマである。正直それ以外はいかにもサントラ的な音なので,こういうのは別に持ってなくてもねぇって感じなのだが,まぁいいや。

昨今のフランス映画熱が高じて,このCDも久しぶりに引っ張り出してきたのだが,まぁ,ご関心のある方はどうぞってところだなぁ。それにしても下の「潮騒」のチラシをよく見てもらうと,Katharine Rossの名前がYves Montandより前に出てるってのが,当時の日本におけるポピュラリティの状況を示しているなぁ。フランス本国(って言うより日本以外)では絶対にありえない(笑)。

Philippe_labro

2019年1月16日 (水)

ようやく到着:Norman SeeffによるJoni Mitchell写真集

"Joni: The Joni Mitchell Sessions" Norman Seeff

Joni発注していた写真集がデリバリーされた。これまで,Norman SeeffはJoni Mitchellのアルバム・ジャケットも飾っており,"Hejira"のカヴァーのポートレートが最も知られているところだろう。Norman Seeffって人は,写真に個性が出る人で,あぁ,これってNorman Seeffだよなぁ,あるいはNorman Seeffっぽいと感じさせる。そんなNorman SeeffはJoni Mitchellと1972年以来,15年間に渡ってフォト・セッションを行ったが,それを集成したのがこの本ということになる。昨年はJoni Mitchellの生誕75周年だった訳だが,それとも同期してのリリースってことになるのだろう。

ここに記録されたJoni Mitchellのイメージを一言で言えば,カッコいい。写真を眺めていて,アーティストとしての存在感が強く出ているなぁと感じざるをえない。

本のサイズが結構でかくて,収納場所に困ってしまうが,これはJoni Mitchellファンであれば,必携の写真集。ということで,Norman Seeffのサイトから販売しているプリントとポスターのイメージを拝借して貼り付けておこう。

Joni_sessions_3

Joni_sessions_2

2019年1月15日 (火)

Quatrette Oblique:ベタな選曲って話もあるが,このメンツには魅かれる。

"Quartette Oblique" (Sunnyside)

_20190112_2FBのお知り合いが取り上げられていて知ったアルバム。昨年秋口のリリースだが,新譜扱いとさせてもらおう。バンド・リーダーのMichael Stephansには申し訳ないが,そのほかのメンツに魅かれて購入したことは間違いない。だってDave Liebman,Marc CoplandにDrew Gressでっせ。

やっている曲はMiles関連が3曲にスタンダード2曲,そして,ジョンアバことJohn Abercrombieと,Drew Gressのオリジナルがそれぞれ1曲ずつ。Milesとスタンダードは相当にベタな選曲と言ってもよいのだが,このメンツでやるとどうなるのかは極めて興味深いのだ。そして,まさにこれが一筋縄ではいかない作りである。中でもDave Liebmanのプレイぶりはやはり突出した感じがある。馴染みの曲をやっても普通にはならないのである。同じ"Nardis"でもBill Evansがやる"Nardis"とここでの"Nardis"の違いの顕著なことよ(当たり前だが...)。

Marc Coplandについては,私は相当のファンだと言ってもよいが,正直なところ,管入りのアルバムはあまり食指が動かないというか,私が保有しているアルバムのほとんどはソロかベースとのデュオかトリオという極端な聞き方をしていると言っても過言ではない。それはDave Liebmanとて例外ではない。Marc CoplandはこれまでもDave Liebmanとのアルバムを何枚か残しているが,それでさえ頑ななまでに買わずにおいてきた。そんな私がこのアルバムに興味を抱いたのは,このベタな選曲によるところが大きいのだ。

ここでのMarc Coplandは相変わらずの美的なトーンと言えて,ここでのLiebmanとの共演ぶりには,私がMichael Breckerとの共演盤に感じたような違和感(記事はこちら)はなかった。特にジョンアバ,Drew Gressのオリジナルにおいて,そうしたMarc Coplandの美感が際立ってところだろう。しかし,"So What"ではかなり激しいフレージングを聞かせて,いろいろできるっところを実証している。

惜しむらくは,公式盤にしては録音状態がイマイチなことか。特にドラムスが奥に引っ込んだ感じだが,別に音楽を聞く上では大した問題ではない。ということで,このメンバーによるユニークな解釈を楽しんだ私である。星★★★★。

Recorded Live at the Deer Head Inn on June 3, 2017

Personnel: Michael Stephans(ds), Dave Liebman(ts, ss), Marc Copland(p), Drew Gress(b)

2019年1月14日 (月)

久々にMichael Nymanの"The Piano"を聞く。

"The Piano" Michael Nyman(Virgin)

_20190112 昨年暮れのフィギュア・スケートの「グランプリ・ファイナル」を見ていて,女子で優勝した坂本花織が,フリー・スケーティングでこの音楽を使っていて,へぇ~と思っていた私である。

これは映画「ピアノ・レッスン」のサウンドトラックであるが,全編を通じて,Michael Nymanらしい美しいピアノの響きに満ちたアルバムとなっている。Jane Campionが撮った「ピアノ・レッスン」はカンヌでのパルム・ドールに加え,オスカーでも主演,助演女優賞,脚本賞を獲得した作品だが,昔見た時の印象は非常に沈鬱な雰囲気の映画だなぁと思っていた。多分,ストーリー・ラインを振り返ると,今見ても大して印象は変わらないのではないかと思えてしまう。

そんな映画のサウンドトラックだが,映像やストーリーの暗さと連動した曲調もあれば,"The Piano"というタイトルを物語るような,ピアノの美しさが際立つメイン・テーマのような曲もあり,サウンドトラックという枠を越えて聞かれるべき演奏だと思える。

久しぶりに聞いたが,よくできたサウンドトラック・アルバムであった。

余談であるが,本作でオスカーの助演女優賞を取ったAnna Paquinは後に「X-MEN」シリーズに出てくるが,その時は全然認識してなかったなぁ。

2019年1月13日 (日)

フランス映画熱はまだ続く:「情婦マノン」

「情婦マノン("Manon")」('49,仏)

Manon監督:Henri-Georges Clouzot

出演:Michel Auclair,Cécile Aubry,Serge Reggiani

先日,同じくHenri-Georges Clouzot監督の「悪魔のような女」を見たが,あちらは4KリストアされたBlu-rayだったのに対し,こちらは通常のDVDで,リストアも行われていないものなので,画質には随分違いがあるのはまぁ古い映画だけに仕方ないところである。なんてたってもう70年前の映画なのだ。

それにしても凄いタイトルだなぁと思うのは時代の違いもあるだろうが,「マノン・レスコー」を現代に翻案したこの映画でも,Cécile Aubry演じるマノンは相当の悪女である。にもかかわらず,Michel Auclair演じるロベールがそこまでメロメロになるものかねぇと思ってしまうが,Cécile Aubryのコケティッシュな感じからすると,まぁそういうことも...って感じなのかと思ってしまう。

映画としては,時代を考えれば,セット撮影の見事さもあれば,強烈な表現もあって,映像としては強い印象を残しただろうということは想像に難くない。ラスト・シーン近くの砂漠のシーンは今見ても強烈なものだということはわかる。

その一方で,この映画が「悪魔のような女」より優れているのかというと,正直なところそんなことはないだろうと思ってしまう。これはどういう映画を好むかという私の嗜好による部分もあると思うが,全体からすれば,「悪魔のような女」のサスペンスに肩入れしたくなる。これは私がHitchcockの映画が好きなこととも通じる部分があるかもしれないが,ここでの「マノン」という女性の造形に嫌悪感を覚えるということも一方で事実である。

この映画は,砂漠のシーンにおける映像のインパクトが非常に強いことが,評価を高める要因となったことは間違いなく,また,ストーリーに見られる不条理な展開が映像同様に強いインパクトを持っていたのだと思える。

ということで,時代を考えた場合の評価と,一本の映画としての単純な評価は異なってくると思うが,私にとっては星★★★★ってところだと思う。

2019年1月12日 (土)

これよ,これよ,これなのよって感じのOndřej Štveráčekのライブ盤

"Live in Prague" Ondřej Štveráček (Stvery)

_20190111 ジャズ界の「おんどれ」君こと,Ondřej Štveráčekの新作がリリースされた。例によって,入手が大変なのかなぁと思っていたら,何のことはない,DUに大量に入荷し,結構売れているではないか。おんどれ君のアルバムについては,前作"Sketches"もDUでは売れていたみたいなので,ついに日本においても,彼にも陽が当たる時が来たかって感じである。

おんどれ君はJohn Coltrane愛を隠さない人だが,この人のアルバムを聞いていると,いつもColtrane的な熱量を感じるところがあって,自分にエネルギーを充填したいと感じる時などには聞きたくなるのが常である。昨今は自身のクァルテットのドラムスにGene Jacksonを迎えて,ますます充実感が強まっているところに,そのクァルテットでのライブ盤が登場した。

一聴して,おんどれ君のテナーはもちろん,ピアノもドラムスも往年のJohn Coltrane Quartet的に響く。冒頭からこれは燃える。おんどれ君のライブと言えば,10年近く前に"Jazz na Hrade"をこのブログで取り上げた(記事はこちら)が,その時と同様の興奮を覚えると言っても過言ではない。まさにこういう音を求めていたって感じのサウンドであり,完全にツボに入ってしまった私である。

とにかく燃える一枚であり,どよ~んとした正月疲れを吹き飛ばすアルバム。概して私はおんどれ君のアルバムへの評価が甘いと思うが,これは星★★★★★としてしまおう。

Recorded Live at Jazz Dock, Prague on October 12, 2017

Personnel: Ondřej Štveráček(ts, ss),Klaudius Kováč(p), Tomáš Baroš(b), Gene Jackson(ds)

2019年1月11日 (金)

正月休みに見たDVD:懐かしの「ポセイドン・アドベンチャー」

「ポセイドン・アドベンチャー("The Poseidon Adventure")」(’72,米,Fox)

Poseidon_adventure監督:Ronald Neame

出演:Gene Hackman,Ernest Borgnine,Red Buttons,Shelley Winters,Carol Lynley,Stella Stevens

正月休み中は,ほとんどTVではスポーツ中継以外興味を持てない私としては,家族が出掛けている間に映画を見続けるという,まぁ不健康な生活を送っていた訳だが,先日ご紹介の「悪魔のような女」の次に見たのが,懐かしのこの映画であった。

この映画のDVDに関しては,購入したのは随分前のはずだが,ちゃんと見ていたかどうかというとかなり怪しい。まぁ有名な映画であるからTV放映の時とかに見ているかもしれないが,全編をちゃんと通して見たかについては,結構記憶が曖昧である。まぁ,でもいいやってところで見たら,なかなか面白い映画であった。ところどころのシーンは記憶にあったから,多分少なくとも1回は何らかの手段で見ているはずだが,やっぱり劇場で見ていないので,その辺は仕方がないところだろう。

この映画は船がひっくり返ってからの脱出劇ということで,上下逆さまの美術が見せどころってことになるだろうが,現在のようにCGの技術で何とでもなってしまう時代から比べると,結構シャビーにうつる部分もあるが,この時代ならではのアナログ的な良さってのも感じてしまう。

まぁ映画としては,パニック・シーンの演出なんかからすると「タワーリング・インフェルノ」の前段ってぐらい似ている気もするが,役者陣は若干地味ながら,いい線を揃えているなぁって気がする。主役のGene Hackmanはさておき,儲け役はRed ButtonsとShelley Wintersだろう。特にShelley Wintersはオスカーの助演女優賞を差し上げたくなるような感じで泣かせてもらった(ノミネートはされたが,惜しくも受賞はならず)。ついでに言うと,後に「裸の銃を持つ男」以降はコメディ路線の人と思われているであろうLeslie Nielsenが冷静な船長役を演じているのは意外だが,その当時は多分TVスターだったんだよねぇ。でもタイトルでも別格に扱われていて,そっちの方の意外感が面白かった。

まぁ,映画的には面白くできていると思うが,評価としては星★★★★ってところかなぁ。本作同様,買いっぱなしで見ていないDVDって結構あるはずなので,せっせと見なければ...(苦笑)。

2019年1月10日 (木)

"Trilogy 2":これを今年の新譜と言ってよいのかはさておき...。

"Trilogy 2" Chick Corea(Stretch)

_20190106本作は昨年12月にリリースされたものであり,昨年のベスト・アルバムに挙げられている方もいらっしゃるので,これを新譜として紹介することには若干の抵抗があるが,発売されてから1カ月しか経っていないので,まぁよしとしよう。

Chick CoreaがChristian McBride,Brian Bladeというトリオで"Trilogy"をリリースしたのは2013年のことであったが,私はそのアルバムを購入したものの,このブログに記事もアップしていないし,ちゃんと聞いたかもはっきりしない。実にいい加減なものである。しかし,まぁこのメンツであれば,食指が動くのは当然ってことになるが,音源としては2010年から2016年までの複数のヴェニューでの演奏が収められており,純粋に新しい演奏ばかり集めた訳ではない。

だが,このメンツである。時間が経過しようと,演奏の質に大きな違いが生まれる訳ではなく,全編に渡って,Chick Coreaの超有名オリジナルに加え,スタンダードやモダン・ジャズ・オリジナルが満遍なく収められて,これは十分に楽しめるアルバムとなっている。このトリオで4月には日本にやって来るが,生でも聞いてみたいと思わせる(でもチャージが高いので悩む...)。特にここで聞かれるBrian Bladeの歌心に満ちたドラミングを聞いたら,これは間違いなくよいライブになるだろうと思わせるのだ。

その中でも注目は”Now He Sings, Now He Sobs"のオリジナル以来の再演ということになるらしい。これがなかなかにスリリングな演奏であり,Brian Bladeの鋭い切込みにぞくぞくさせられる。16分を越えるアルバム一番の長尺であり,そして最も聞きごたえがあると言っても過言ではない。

もう1曲,Chick Coreaのこれまでのレパートリーとは明らかに異なる,Stevie Wonderの"Pastime Paradise"も注目されるところであったが,正直なところ,これはChick Coreaに合っていると思えなかった。Christian McBrideがアルコのソロで頑張りを見せようと,私にとっては,これを聞くぐらいならStevie Wonderのオリジナルを聞いている方がずっといいと思えてしまったところに限界も感じる。

もちろんここに収められた演奏が非常によく出来たものであり,質の高い演奏であることは否定しないが,予定調和って言ってしまえばそうとも言える訳で,このメンツならではの,もう一段上の驚きがあってもいいように思えなくもない。特にそう思わせるのはMonkの2曲かなって気がする。なので,私としては満点の演奏とは言えないが,星★★★★には十分値する。ってことで,4月のライブに行くかどうかが悩ましい私である。

Recorded Live at Various Venues in 2010, 2012 and 2016

Personnel: Chick Corea(p), Christian McBride(b), Brian Blade(ds)

2019年1月 9日 (水)

Will Vinson:意欲作=傑作ではないという典型。

"It's Alright with Three" Will Vinson(Criss Cross)

_20190103アルトを主楽器とするWill Vinsonが,ピアノレス,ベースレスでサックス,ギター,ドラムス/パーカッションという変則的な編成で吹き込んだアルバムである。しかもバックを務めるのがGilad HekselmanとAntonio Sanchezなのだから,これは期待が高まるというのが一般的なリスナーであろう。

こうした変則的な編成でのアルバムであるから,意欲作と呼ぶに相応しいものであるということはわかる。だが,そうした意欲がアルバムのクォリティにまで反映されるかと言えば,決してそんなことはなかったという,よくあるパターンに陥ってしまった作品と言える。リーダーがアルバム・タイトルの如く,「3人でもOKよ」と言ったところで,こっちはそうは思えないのだ。

曲はスタンダードにリーダーのオリジナル,そして懐かしやMarc Johnson Bass Desiresの"Samurai Hee Haw"なんかが収録されている。この辺の選曲はまぁわからないでもないが,このトリオ,あるいはこの編成で何をしたかったのかってのがどう聞いてもよくわからないという感じで,意欲が空回りしている感覚を強く受けた私である。端的に言ってしまえば,必然性がないのだ。

もちろん,このメンツであるから,各々のフレージングには聞きどころもあると思えるものの,私にとっては魅力に乏しい失敗作であり,早くも売却対象となった残念なアルバム。Smalls Liveでの演奏を聞けばわかるように,真っ当な編成で勝負したってちゃんとしたアルバムを作れるのだから,こういうのは一枚で終わりにすべきだと思う。星★★☆。

Recorded on September 20, 2017

Personnel; Will Vinson(as, ss), Gilad Hekselman(g), Antonio Sanchez(ds, perc)

2019年1月 8日 (火)

正月休みの最終日に見た「アリー/スター誕生」

「アリー/スター誕生("A Star Is Born")」('18,米,Warner Brothers)

A_star_is_born監督:Bradley Cooper

出演:Lady Gaga,Bradley Cooper,Sam Eliott,Andrew Dice Clay,Rafi Gavron

正月休みの最終日は,「働き方改革」により世間が仕事モードに入っている1/7だったのだが,せっかくなので,空いているだろう。ということを見越して映画を見に行ったのだが,選んだのが,米国内においてもすこぶる評判のよい本作である。

そもそも本作もリメイクで,4度目というのはかなりのものであるが,古くはJanet Gaynor,Judy Garland,そしてBarbra Streisandが演じてきた役回りを,今回演じるのがLady Gagaってのが注目のポイントであろう。正直言って私はLady Gagaには何の興味もないのだが,なぜこの映画が評価が高いのかを確かめたいというのが,本作を選んだ最大の要因であった。そして,なるほど,これはよく出来た映画だと思えた。

私が何より驚いたのは,Bradley Cooperの音楽的な能力であった。Bradley Cooperが本作で打ち出したアメリカン・ロックが炸裂する感じの音作りは,とても素人とは思えないものであった。Lady Gaga演じるAllyは,Bardley Cooperと歌うシーンでは,楚々とした歌いっぷりであるが,徐々に「スター誕生」モードに入ってくると,曲も歌唱もポップに転じていくのだが,私としてはアメリカン・ロック的なサウンドにおけるLady Gagaでいいではないかと思ってしまったが。そうはいいながら,ラストに歌われる"I'll Never Love Again"におけるLady Gagaの歌唱はまさに絶唱であり,このシーンを見るだけでもこの映画は価値があると思えたぐらいである。

更にこの映画の監督を兼ねたBradley Cooperの手腕も大したものである。これはおそらく最近出演が続くClint Eastwoodの演出術を見習った部分があるのではないかと思わせるが,実に手堅い。更に手腕を磨けば,役者掛け持ちの世界ではBen Affleckといい勝負できるのではないかと思えた。

まぁ,そんなに簡単にスターが生まれるのかって気もしないではないが,それでもこれは評判のよさも理解できる作品であった。星★★★★☆。しかし,映画としては「ボヘミアン・ラプソディ」をはるかに上回る質のこの作品が,ゴールデン・グローブで「ボヘミアン・ラプソディ」に敗れたってのはどういう訳か?また,主演女優賞の下馬評も高かったLady GagaはGlen Closeに敗れるってのは,役者としての相手が悪いというところはありつつも,リメイクってのが引っ掛かったのか,あるいはLady Gagaが映画/TV界からの受けが悪いのかって思ってしまう。でもちゃんと評価すべきものは評価した方がいいと思うけどなぁ。

2019年1月 7日 (月)

久々に聞いたStan Getzの"The Dolphin"

"The Dolphin" Stan Getz(Concord)

Stan_getz_the_dolphin_2Stan Getzのアルバムってのはそれこそかなりの数が存在するわけだが,どれを取ってもそれぞれに聞きどころはあると思える。もちろん,全部が全部傑作ってことはないが,平均点は極めて高い人である。50年代の演奏ももちろん素晴らしいが,活動の後期に吹き込んだEmArcyのアルバムなんて実に味わい深い。

そんなGetzがConcordレーベルからアルバムを出すようになったのが80年代前半のことであるが,本作がConcordにおける第1作ってことになるはずだ。本作は,今はなきKeystone Kornerで吹き込まれたライブ音源だが,ライブではこの程度の演奏は当たり前にやっていたはずのGetzだと思うが,派手さはないが,極めて堅実な共演者を得て,Stan Getzらしいフレージングを連発していて,嬉しくなってしまう。

感ずるに,Stan Getzの演奏ってのはあまり熱くなることはないのだが,それでもジャズ的なフレイヴァーを濃厚に感じさせるところがGetzの真骨頂ではないかと思ってしまう。本作は選曲にまた趣味の良さがにじみ出てるよねぇって感じだが,優れた美メロを生み出すJohnny Mandelの2曲,"A Time for Love"と"Close Enough for Love"が選ばれているところがいいよねぇ。こういう演奏を聞くと,Fred HerschのJohnny Mandel集"I Never Told You"が聞きたくなってしまうという副次的な効果も大きいのだ(きっぱり)。それを考えると,Stan GetzとFred Herschの美学には接点があるのではないかとさえ思ってしまう。まぁ,贔屓の引き倒しと言われてしまえばその通りだが,それが何か?と開き直ろう(爆)。

そして,スウィンギーに歌うGetzの「夜千」も最高である。こういう演奏を聞いていると,Stan Getzの魅力に気づくのが私は遅過ぎたって気もするが,これからの人生において,Stan Getzが私の音楽生活を潤いに満ちたものにすることは間違いない。今からでも遅くないのだ。Stan Getzの魅力溢れる好盤として,星★★★★☆。

Recorded Live at the Keystone Korner in March, 1981

Personnel: Stan Getz(ts), Lou Levy(p), Monty Budwig(b), Victor Lewis(ds)

2019年1月 6日 (日)

正月休みにフランス映画にはまる:「悪魔のような女」

「悪魔のような女(Les Diaboliques)」(’55,仏)

Photo監督:Henri-Georges Clouzot

出演:Simone Signoret,Véra Clouzot,Paul Meurisse,Charles Vanel

私はフランス映画に極端な思い入れがある訳でもないのだが,中条省平の「決定版!フランス映画200選」って本を見ると,フランス映画が見たくなってしまうという単純な人間である。ただ,この本がどこに行ったか全然わからなかったのだが,CD売却をすべく在庫の箱をクロゼットで漁っていたら,あった,あった。ってことで,風呂場に持ち込んでこの本を読んでいると,またまたフランス映画が見たくなってしまった。ということで,たまっていたポイントやクーポンを使って何枚かフランス映画のBlu-rayやDVDを仕入れたうちの一枚がこれである。

監督のHenri-Georges Clouzotと言えば「恐怖の報酬」が最も有名だろうが,あれは昔レーザー・ディスクを持っていたなぁってことで,今回は彼の映画でもサスペンス映画として評価の高いこの映画をBlu-rayで入手した。今回4Kリストアが施されて,確かに画面は製作から60年以上経過しているとは思えぬクリアさであった。

それでもって,これは典型的な悪女ものであるが,主役のSimone SignoretとVéra Clouzotの対比が強烈な上に,Véra Clouzotの旦那を演じるPaul Meurisseがえげつなく嫌らしい男を演じていてぞっとしてしまう。そしてそこに飄々と絡むCharles Vanelってのが出来過ぎであるが,Alfred Hitchcockも意識したというのもうなずけるサスペンスフルな演出には,思わずうなってしまった。

そして,Simone Signoretの悪女ぶりの凄まじいことよ。リメイクでその役を演じたのはSharon Stoneのはずだが,悪女役で鳴らしたSharon Stoneも足元にも及ばぬここでのSimone Signoretの悪女ぶりには,参ったという言うしかない。むしろ,カッコいいとさえ思ってしまう。

こういうのが正月早々見るような映画か?と言われれば,絶対違うだろうと思いつつ,これはいいものを見せてもらった。風呂場のシーン,恐過ぎである。これには喜んで星★★★★★としよう。傑作である。こういうことがあると,古い作品もちゃんと見ないといかんということを再認識。

2019年1月 5日 (土)

久しぶりに「ゴールドフィンガー」を見た。

「007/ゴールドフィンガー("Goldfinger")」('64,英/米,UA)

Goldfinger監督:Guy Hamilton

出演:Sean Connery, Honor Blackman,Gert Frobe,Harold Sakata,Bernerd Lee, Desmond Llewelyn

「ゴールドフィンガー」と言ってももちろんヒロミ・ゴーではない(爆)。007シリーズの第3作の本作を正月の箸休めみたいな感じで,久しぶりにDVDで見た。もちろん,私はこの映画を劇場で見たことはない。何度かTVで放映されているのを見てはいたが,子供心にも何度見ても面白いと思っていた。今回,正月休みに何を見ようかなぁと思ってDVDを漁っていて,まぁこれにするかって感じで選んだのが本作。

007シリーズは現在も継続する長期のフランチャイズであるが,私は長年のこのシリーズのファンであることは,このブログにも何度か書いてきた。直近のDaniel CraigによるJames Bondもいいが,それぞれの役者ごとの楽しみ方もあると思っている。前にも書いたかもしれないが,私はRoger Moore時代が一番面白くないと感じている。その一方,やはりSean Conneryの初期の作品はやはり魅力的だったなぁと思っている。ちなみに私はそのSean Conneryも「サンダーボール作戦」辺りまででいいと思っているクチである。

それで,久しぶりにこの映画を再見して,何ともアナログな感じに時の経過を強く感じてしまった。半世紀以上前の映画なんだから当たり前って言えば当たり前だが,何ともクラシックな感じがしてしまって,ついつい笑ってしまう。ストーリーの展開もゆったりしたものだし,なんでやねん?という展開もあるものの,まぁそれは時代の成せる技ってことにして,単純に楽しめばいいと思ってしまう。

ボンド・ガールを演じるHonor Blackmanの鉄火肌な感じもいいが,前半で姉妹を演じながら,あっさり殺されるShirley EatonとTania Malletも結構魅力的。特に前者は金箔を塗ったくられて殺されるというインパクトだけが記憶に残ってしまうのが難点。でもどうして彼女があそこにいることが敵方が知り得たかってのはどう考えても疑問なのだが...(笑)。

それも含めて,シナリオの穴は結構あるものの,ハロルド坂田という悪役の印象も強く,本来の宿敵「ゴールドフィンガー」を演じるGert Frobeより,はるかにインパクトが強いというのもいかがなものかと思いつつ,やっぱり笑える。いい時代だったのである。

ってことで,久しぶりに見ても楽しめてしまったので,星★★★★としてしまおう。我ながらこのシリーズには甘いなぁ。

2019年1月 4日 (金)

どこへ行ったか,Bill Connors?

"Return" Bill Connors(Tone Center)

_20190102_2Bill Connorsって不思議な人である。Al Di Meolaが加入する前のReturn to Foreverのギタリストを務めていたと思っていたら,それとは真逆とも思えるECMレーベルにおける作品群を残すって感じなので,一体何を考えているのやら...。その後,フュージョン路線に復帰してTom KennedyやDave Weckleらともアルバムを吹き込んでいるが,それは未聴である。

そのBill Connorsがリリースした直近の作品がこれのはずである。フュージョン専門みたいなTone Centerレーベルからのアルバムなので,これもフュージョン路線ではあるが,決してハードなフュージョンではないが,だからと言ってスムーズ・ジャズでは決してない。何ともいい意味での中庸感に満ちたアルバムで,気楽にプレイバックするには丁度いいわって感じである。まぁ,音楽としては★★★☆程度には評価できるのは,やっている音楽は違うが,Jeff Lorber Fusionに近い感覚である。

本作のタイトルの"Return"であるが,先述のフュージョン路線のアルバムから20年近くのブランクを経てのリリースであるがゆえに,復帰策としての"Return"であった訳だが,またその後沈黙してしまうのだから,商売っ気がないのか,何なのかよくわからない御仁である。Wikipediaによると現在は音楽レッスン等は行っているようだが,プロとしての演奏活動を継続しているかどうかは全くわからない。まぁ,よほど欲がないのかどうなのか...。

ところで,ここでドラマーのKim Plainfieldと共同プロデュースをしているPat Thrallって,一時期AsiaにもいたPat Thrallと同一人物だと思われるが,何がどうつながっているかわからない音楽業界(笑)。

Personnel: Bill Connors(g), Bill O'Connell(p), Lincoln Goines(b), Kim Plainfield(ds), Myra Casales(perc)

2019年1月 3日 (木)

Meshell Ndegeocelloのカヴァー・アルバムを改めて聞く。超カッコいいねぇ。

"Ventriloquism" Meshell Ndegeocello(Naive)

_20190102これは昨年アップし損なっていたアルバムだが,そもそも最初はストリーミングで聞いていて,いいねぇと思っていたものを年末にフィジカル媒体をゲットして改めて聞いた。

正直言って,ストリーミングで聞いてもよかったが,リアルな媒体で聞くと更にこれがよく聞こえる。端的に言えば,ストリーミングは通勤途上の「ながら聞き」だが,リアルな媒体は,家でのCDのプレイバックゆえに,音楽に対峙する姿勢がそもそも違うということもあるが,実のところ,感覚的な違いは非常に大きかった。とにかく冒頭の"I Wonder If I Take You Home"からしてこのカッコよさは何よと思わせ,マジでしびれる。

正直言って,カヴァー・アルバムって企画が安易だって話はあるのだが,やはりMeshell Nedegeocelloはカヴァーはカヴァーでも,実に強烈である。これを契機にオリジナルも聞いてみたくなるような音楽的な魅力を発露していて,実に素晴らしい。"I Wonder If I Take You Home"に顕著なハードな部分と,スイート(と言っても,彼女の場合はビター・スイートだが...)な部分を共存させ,これは楽しめる。そして,例えば,Tina Turnerの"Private Dancer"やSadeの"Smooth Operator"を歌っても,これはもはや完全にMeshell Nedegeocello色に染まってしまっているのも凄い。

曲は80年代中盤から後半の曲が中心であるが,これほどの曲が揃っていた時代だったのだということを再度確認できるというだけでも,このアルバムは価値がある。こういうアルバムをタイムリーにブログにアップできていない私はアホだとさえ思えてしまった。これを真面目に記事にしていれば,間違いなく昨年のベスト盤に挙げていたと反省してしまった。そうした反省の意味も込めて星★★★★★である。

やはりこの人,何をやっても奥が深い。凄いミュージシャンだと言わざるをえない。ゲスト・ミュージシャンもいることはいるものの,基本はコアとなるバンドの4人で仕上げているところのポイントも極めて高い。こういうアルバムに「腹話術」ってタイトルを付けるセンスも凄いよねぇ。

ってことで,昨年のおすすめ盤リストに今更載せるのは反則だと思いつつ,載せずにいられないってことで

Personnel; Meshell Nedegeocello(vo, b), Chris Bruce(g), Jebin Bruni(key), Abraham Rounds(ds). with Adam Levy(g), Jeff Parker(g), Doyle Bramhall II(g), Kaveh Rastegar(b), Levon Henry(woodwinds), Chris Pierce(hca), Kat Khaleel(vo), Justin Hicks(vo), Jonathan Hoard(vo), Anne Schermerhorn(vo), Eric Shermerhorn(vo)

2019年1月 2日 (水)

今年の1枚目はSahib Shihabから。なんでやねん?(笑)

"Sentiments" Sahib Shihab (Storyville)

 Sahib_shihab年明け早々の1枚は何にしようか迷うのだが,今年の最初のアルバムはSahib Shihabである。なんでやねん?という声が飛んできそうだが,たまたま手に取りやすいところにこれがあったのだ。

実は年末から増え過ぎたCDの処分を検討していて,どう考えてももう聞きそうにないアルバムは売却対象としてリッピングし続けていた。このアルバムは別に売却する気でもなんでもないのだが,たまたま積んどく状態になっていた1枚なので,元日の飲み続き状態を休憩すべく聞いたもの。正月早々聞くのはどうよ?って感じもあるのは承知しているのだが,ついつい手が伸びてしまった(笑)。

私がSahib Shihabを聞きたいと思うのは,彼のバリトン・サックスが聞きたいからに他ならないのだが,このアルバムはバリトンよりソプラノの比重が高く,バリトンに期待する「黒い」感覚は若干希薄だと思える。しかし,ここではバックを務めるKenny DrewとNiels-Henning Ørsted Pedersenの魅力もあって,なかなかに聞きどころのあるアルバムとなった。

新年一発目の適切性は別にして(苦笑),時々聞きたくなるアルバムってことで,星★★★★。でもちょいと渋過ぎたかもなぁ。

Recorded in March 1971

Personnel; Sahib Shihab(ss, bs, fl), Kenny Drew(p), Niels-Henning Ørsted Pedersen(b), Jimmy Hopps(ds)

2019年1月 1日 (火)

あけましておめでとうございます。

Nyc_nye

皆さん,あけましておめでとうございます。

今年がどんな年になるのか,全く想像もつかないところですが,還暦が迫ってくる中,「もはや中年ではない」って気もしていて,ブログのタイトルも変え時かなぁなんて思っています。いずれにしても,今年もマイペースで音楽を中心に雑感をつづっていきたいと思います。

加齢により,体力も落ちてきているので,海外出張は控えめにしたいところですが,そうもいかないのかなぁ...。それでも,心の故郷,NYCに出張したら,ライブ通いしちゃうんでしょうが,今年はNYCに行くチャンスがあるのかどうか。

ともあれ,本年もよろしくお願いします。

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