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カテゴリー「ジャズ(2018年の記事)」の記事

2018年5月24日 (木)

The Children of the Light@Blue Note東京: これほど自由度の高い演奏はなかなか聞けない。

The_children_of_the_lights

久しぶりにライブに行ってきた。日本でライブに行くのは3月のイタリア文化会館でのフリー・ライブ以来で,クラブに行くのは2月のFred Herschまで遡る。まぁ,出張やらGWやらだったので,ライブ生活がイマイチだったのは仕方がないところである。だが,海外を入れてもNYCで見たMike Stern以来というのはちょっと空き過ぎって気もする。

Children_of_the_light_at_blue_noteそれでもって,今回行ってきたのがWayne Shorter Quartetから親方Shorterが抜けたかたちのトリオ,その名もThe Children of the Lightである。Wayne Shorterとやっている時も,もの凄い緊張感を醸し出すこの人たちが,親方抜きでどういうライブをやるのかは注目に値した。そして今回,強く感じたのが,彼らの演奏の自由度の高さである。所謂「フリー・ジャズ」なのではない。各々がリーダーの役割を果たしながら,まさに三位一体のコレクティブ・インプロヴィゼーションを聞かせるのである。三者各々がソロを取りながら,演奏としてはアンサンブルのようになっているという凄い合わせ技を目の当たりにしてしまい,驚いたことは言うまでもない。そして,その演奏の密度の濃いことよ。しかし,Patitucciはスコアを見ていたので,かなり精密にアレンジされている部分もあるのかもしれないが,だとしても凄いわ。決してビートが明確って感じでもないので,グルーヴィっていう感じではないから,スウィング感には乏しいのだが,それだけがジャズの概念ではないということを強烈に感じさせ,むしろ雄弁にジャズという音楽のエッセンスを感じさせる演奏だったと思える。

このトリオ,三者の技量は極めて高いのは当然なのだが,今日も私はBrian Bladeのドラミングに感心していた。とにかくうまい。そして斬り込み方が鋭いのである。スコ~んとシンバル音が抜ける瞬間の快感と言ったら,たまらないものがあった。アコースティックに徹したJohn Patitucciはアルコも無茶苦茶うまいところを聞かせたし,Danilo Perezは訥弁のような感じで弾いていると,突然超絶的なフレージングを交えるという静と動を使い分けるような演奏であった。とにかく,Wayne Shorterの教育よろしく,真面目な人たちであったが,ほぼフルハウスとなった聴衆の受けもよく,大いに満足して帰路についた人が多かったのではないだろうか。私もその一人である。

演奏のテンションが高いので,終演後のサイン会なんかやってられないんだろうなぁと思ってはいたが,若干の可能性にかけて,何枚か持参したCDは無駄だったが,これだけの演奏を聞かせてもらえれば文句はない。とにもかくにもいいライブであった。実は私は結構体調が悪く,演奏中寝てしまうのではいかという危惧もあったのだが,それは完全に杞憂に終わった。あんな演奏されたら絶対寝られませんわ。尚,上の写真はBlue NoteのWebサイトから拝借。

Live at Blue Note東京 on May 23, 2018 2ndセット

Personnel: Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)

2018年5月23日 (水)

Fred Hersch Trioの新作はまたもライブ盤。今度はベルギーでの演奏。

"Live in Europe" Fred Hersch Trio(Palmetto)

_20180520ここのところ,順調なペースで新作をリリースするFred Hersch。当ブログで彼の"Open Letter"を取り上げたのが昨年の9月である。その後,Anat Cohenとのデュオ作をリリースしているが,早くも届けられたトリオによるライブ盤である。

トリオによる前作もVanguardでのライブだったが,こうしたライブ盤のリリースの連発は,Keith Jarrettのトリオとかぶる部分を感じる。これがたまたまなのか,意図的なのかはわからない。しかし,前作ではオリジナルを前半に固めるという構成が取られていたが,今回もそうした構成に近い。1曲目こそThelonious Monkの"We See"で幕を開けるが,その後のオリジナル3曲は,アブストラクトな感覚を与えて,特に新曲である2曲目"Snape Maltings"と3曲目"Scuttlers"は,演奏後の拍手からすると,やや聴衆に戸惑いを与えているようにさえ聞こえる。"Whirl"で演じられた"Skipping"も出だしはアブストラクトではあるが,徐々にメロディアスに転じていき,そこからのJohn Taylor,Sonny Rollins,Tom Piazzaに捧げたオリジナル3曲で,一般的に期待されるHersch Trioの演奏になっていくという感じだろうか。そして,ピークをCotton ClubのライブでもやったWayne Shorter作の2曲,"Miyako"~"Black Nile"のメドレーに持って行った感覚が強い。

このトリオによるコンビネーションも高度化することにより,前半に演じられる曲でも,演奏の密度は高いが,ちょっとテンションが高過ぎるかなぁって気がしないでもない。そうした中で,John Taylorに捧げられた"Bristol Fog"で美的な部分が顔を出し始めると,こっちも安心してしまう。またRollinsに捧げた"Newklypso"(Rollinsのニックネームの"Newk"とカリプソをかけたものだろう)で,それっぽいスウィング感を提示しつつ,前曲とこの曲でベース,ドラムスの活躍の場面を演出するところに,Fred Herschの気配りのようなものさえ感じる。

そして,しっとりとしながら,そこはかとなくブルージーな"Big Easy"に続いて演じられる"Miyako"~"Black Nile"のメドレーは,やはり彼らはこうでなくてはならんと思わせるに十分である。これこそ私はこのアルバムの白眉だと思うし,コットンクラブで演じられた同じメドレーに思いを馳せてしまったのであった。あのライブもやはりこのメドレーは演奏の白眉であったことは記事にも書いた通り(記事はこちら)であるし,その感覚が蘇ってきた私である。

最後はHerschのソロで"Blue Monk"で締めるが,テーマをなかなか提示しないで弾くのはなかなか珍しいと思う。だがどうだろう。正直に言ってしまうと,トリオとしてのここ2作の路線は,彼らの音楽的成熟度を示してはいるが,2012年の傑作"Alive at the Village Vanguard"には及ばないのではないかと感じてしまう。よく出来たアルバムであり,凡百のアルバムとは比較にならないクォリティは確実に確保しているのは事実なのだが,ファンは強欲であり,より優れた演奏(あるいはHerschへの期待を体現する演奏)を求めてしまうのである。

これが現在進行形のFred Herschだとすれば,次はどういう路線に行くのだろうか?Keith Jarrettはソロ・ライブの前半はそれこそ現代音楽的アプローチとも言える演奏を行うことが多いが,後半ではよりメロディアスに弾いているように思うが,Herschもそうした感じを狙っているのかと思えないこともない。いずれにしても,Herschの演奏はいつも同様高く評価したいのだが,今回は前作の"For No One"のような曲がないこともあり,敢えて星★★★★としよう。

Recorded Live at Recorded Flagery Studio 4, Brussel on November 24, 2017

Personnel: Fred Hersch(p), John Hébert(b), Eric McPherson(ds)

2018年5月22日 (火)

ぶちかましのHerbie Hancock(笑)。

"Live in New York" Herbie Hancock Trio(Jazz Door)

_20180519Jazz Doorというレーベルは,なかなか気になる音源を発掘してリリースするレーベルであった。そうは言っても,今では放送音源をやたらにCD化して販売するHi Hatのようなレーベルと似たようなものであるが,音源に対する審美眼と品質の確保具合は多分Jazz Doorの方が上だったと思う。

このアルバムはそのJazz DoorからリリースされたHerbie Hancock Trioによる1993年の音源である。録音場所とかははっきりしないが,聴衆の拍手からすると,結構大規模な会場での録音のようにも聞こえる。このアルバム,昔から気になってはいたが,Jeff LittletonとGene Jacksonっていうメンツはどうなのよって気持ちもあって,ずっと手に入れていなかったものを,先日「ある筋」(笑)から入手した。

そして,改めて聞いてみると,メンツは当時の若手を従えたトリオであるにも関わらず,Herbie Hancockのぶちかましトリオ演奏が聞ける。Herbieのトリオと言えば,Ron Carter~Tony Williamsとのものがあるが,私にとってはこちらのトリオ演奏の方が魅力的に聞こえる。それはライブ特有のダイナミズムもあるだろうが,むしろリーダーとしてのHerbieの演奏としてはこっちの方が勢いがあってよいと思えるのだ。

冒頭の"I Love You"かからぶちかましモード全開。勢いがやや抑制されるのは"Maiden Voyage"へのイントロぐらいだろう。最後には"Just  One of These Things"のような曲をやっていても,イントロはやっぱりぶちかましなのである。これは実に面白いし,燃える音源である。今や,ストリーミングでもこの音源は聞けるようだが,これは入手しておいてよかったと思えるアルバムであった。ブートまがいの音源なので,半星減点して星★★★★☆とするが,これはHerbie Hancockファンなら必聴の一枚と言ってもよい作品。同じメンツによるMontreuxでのライブの模様がネットにアップされているので,貼り付けておこう。

Recorded Live in New York in 1993

Personnel: Herbie Hancock(p), Jeff Littleton(b), Gene Jackson(ds)

2018年5月21日 (月)

Jerry Bergonziの吹くスタンダード。しみるねえ。

"Standards Band" Dave Santoro (Double-Time)

_20180516主題からすれば,Jerry Bergonziのリーダー作のように思えてしまうが,これはベーシスト,Dave Santoroをリーダーとするスタンダード集である。しかし,リーダーには悪いが,これはJerry Bergonziのテナーを聞くためにあるアルバム。

Dave SantoroがJerry Bergonziとやったスタンダード作は都合3枚あるが,それに限らず,SantoroとBergonziの共演作は多い。このブログでもピアノレスでやったSantoroのリーダー作"Live"も取り上げている(記事はこちら)。付き合いも長いのだろうが,いいコンビネーションを聞かせる人たちである。

そして,お題はタイトルの通り,スタンダードである。Jerry BergonziはNuttree Quartetにも"Standards"ってアルバムがあるが,スタンダードだけを吹くってのはどちらかと言えば少数派と思える中で,Bergonziらしい音色,フレージングでここに収められた曲を聞くのは何ともおつだ。刺激的とは言えないかもしれないが,たまに聞きたくなるアルバムである。まぁ,それでも"On Green Dolphin Street"とか"I Love You"では結構いじっているが(笑)。

スタンダードと言っても,超有名と言うよりも,若干渋い選曲かなというのも味わい深い。聞けば聞くほど味わいが増すスルメ盤ってところだろう。星★★★★。

しかし,このジャケは何とかならなかったのかねぇ...(苦笑)。

Recorded on November 29, 1998

Personnel: Dave Santoro(b), Jerry Bergonzi(ts), Bruce Barth(p), Tim Melito(ds)

2018年5月20日 (日)

目立たないが,晩年のWoody Shawが聞けるナイスなワンホーン・ライブ盤。

"In My Own Sweet Way" Woody Shaw (In & Out)

_20180516_2不幸な亡くなり方をしたWoody Shawであるが,彼の残したアルバム群にはほぼはずれがなく,どれを取ってもレベルの高いハード・バップを聞かせてくれる。時が時であれば,はるかに大きな名声を得ていたはずだが,時代がそれを許さなかったというのは何とも皮肉なことである。それでも,70年代後半から80年にはDown Beatの読者投票でトランペット部門の1位になっているから,全く陽が当たらなかったという訳でもないのが救いである。

本作は彼が亡くなる直前か,亡くなった直後ぐらいにリリースされたスイスでのライブ盤で,録音は亡くなる約2年前。ライブ盤ではあるが,聴衆の拍手等はかなり抑えられている。ドイツのIn & Outレーベルから出ているからなのか,とにかくあまり注目されないのがもったいないアルバムである。なんと言っても,Woody Shawのワンホーンが楽しめるという点がポイントが高い。

スタンダードでも,メンバーのオリジナルでも,テンポが速かろうが,遅かろうがここでのWoody Shawのラッパを聞いたらついつい感動してしまう。特にWoodyに捧げられたと思われる"Just a Ballad for Woody"におけるバラッド表現を聞いていると,目頭が熱くなる思いだ。ミュートで演じられる"In My Own Sweet Way"もリリカルでいいのである。バックを務めるトリオも控えめな助演に徹し,ここでのWoody Shawの魅力を際立たせている。こういう演奏を生で聞けたスイスの聴衆は幸せだと言いたい。

もっと世の中に知られてよいアルバムとして,星★★★★☆としよう。

Recorded Live in Zurich and Bern on February 7 & 8, 1987

Personnel: Woody Shaw(tp), Harold Henke(p), Neil Swainson(b), Tommy Deutsch(ds)

2018年5月19日 (土)

Brad Mehldauの新譜,"Seymour Reads the Constitution!"を早速聞く。

"Seymour Reads the Constitution!" Brad Mehldau Trio (Nonesuch)

_201805183月にソロ・アルバム,"After Bach"をリリースしたばかりのBrad Mehldauであるが,極めて短いインターバルで今度はトリオによる新作をリリースである。このトリオによる前作"Blues And Ballads"が出たのが約2年前,更にChris Thileとのアルバムをリリースして,ここところのBrad Mehldauの高頻度のアルバム・リリースは,ファンとしては本当に嬉しくなってしまう。

そして,今回の新作がデリバリーされるということで,仕事もさっさと終えて,帰宅してこのアルバムを聞いた。冒頭の"Spiral"は既にネット上で公開されていたが,このやや内省的でありながら,Brad Mehldauの個性を十分に表出させたこのトラックを聞いて,期待値が高まっていた私である。

このアルバムは,Brad Mehldauのオリジナルが3曲,そこにスタンダード,ジャズ・オリジナル(それも,Elmoo HopeとSam Riversってのが凄い),ポップ・チューンから成る5曲を加えた全8曲で構成されている。8曲中6曲が8分を越え,最短の"Almost Like Being in Love"でも5分41秒という比較的尺の長い曲を揃えている。本作を聞いていて,面白いと思ったのはBrad Mehldauのオリジナルとそれ以外で,響きがかなり違うということだろうか。オリジナルでは両手奏法も使いながらの内省的演奏であるが,その他の曲では,ややコンベンショナルではありながら,曲の個性を活かした演奏となっており,全く飽きさせないのは立派である。

逆に言うと,Mehdlauのオリジナルとそれ以外では,だいぶ受ける感じが違うので,その辺りに違和感を覚えるリスナーがいても不思議ではない。私はミュージカル"Brigadon"からの"Almost Like Being in Love"に強い印象を受けるだけでなく,冒頭の2曲と全然違うが,これはこれでいいねぇと感心させられたし,今回も選曲のセンスは健在だと思わせるに十分であった。オーソドックスなかたちで演じられるElmo Hopeの"De-Dah"なんて,ちょいと浮いて聞こえてしまうようにさえ感じる。それでもソロの後半になるとちゃんとMehldau的になっていくのだが(笑)。

だが,トリオの緊密度は極めて高く,特にLarry Grenadierのベースはかなり自由な感じで弾いているにもかかわらず,ちゃんとトリオとしての響きになっているのがわかって面白い。まぁ,私が近年のMehldauトリオの最高作と思っている"Where Do You Start"には及ばないとは言え,今回も質の無茶苦茶高い演奏を堪能させてもらった。星★★★★☆。それにしても,Sam Riversの"Beatrice"はいい曲である。

Personnel: Brad Mehdau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

2018年5月17日 (木)

Brad Mehldauの新譜のリリースを前に,古い音源を。

"Live in Boston" Joshua Redman Quartet (Warner Brothers Promotional CD)

_20180513_3"After Bach"が3月にリリースされたばかりのBrad Mehldauだが,トリオによる新作,"Seymour Reads the Constitution!"のリリースが間もなくとなっている。また,その後には奥方Fleurineの新作にも参加しているので,それに向けた心の準備(笑)を整えなければならない。

その前に,古い音源も久しぶりに聞いてみるかってことで,Warnerがプロモーション盤として5,000枚限定で発行したライブ音源を紹介しよう。これは1994年のNew England Conservatoryでの演奏を収めたもので,考えてみればもう四半世紀近い時間が経過している。メンツは当時のJoshua Redman Quartetであるが,今にして思えば,Redman, Brad Mehldau,Christian McBrideにBrian Bladeって凄いメンツである。全3曲,Redmanのオリジナルであるが,2曲は"Mood Swing"からなので,文字通りプロモーション的な色彩が強い。それでも,ライブだけあって,3曲で演奏時間は40分を越えるので,聞きごたえは結構ある。

だが,これだけのメンツである。レベルは高い演奏であるが,Brad Mehldauは現在のような個性を表出するところまでは行っていない感じ,と言うよりもリーダーを立てた助演に徹しているという感覚が強いが,それでも比較的コンベンショナルなセッティングの中で,既にピアニストとしての実力は十分に発揮していると思う。それでも主役はどうやってもJoshua Redmanなのだが。

まぁ,正直言ってしまうと,このCDを探すのは今となっては結構大変だと思うが,あるところにはあるはずである。気長に探して頂ければと思うが,値を吊り上げるセラーもいるので,購入は自己責任でどうぞ(笑)。私は結構早い時期に入手しておいてよかったわ~。

Recorded Live at Jordan Hall at New England Conservatory on December 3, 1994

Personnel: Joshua Redman(ts), Brad Mehldau(p), Christian McBride(b), Brian Blade(ds)

2018年5月15日 (火)

Stuffのデビュー・アルバム,と言うより,我々の世代には「軽音楽をあなたに」だな(笑)。

"Stuff" Stuff(Warner Brothers)

_20180513_2_3最近は昔の音源が廉価CDで購入できるようになっているが,この時代の音源は正直言って買わなくてもストリーミングでも全然問題ない(爆)。しかし,ついつい買ってしまうのが我々の世代の性って気もする。

Stuffについては,彼らのベスト盤"Right Stuff"をかなり前にこのブログに書いたことがある(記事はこちら)。そこにも書いているのだが,実は彼らの演奏で私の耳に最も心地よいのはこのファースト・アルバムではないかって気がすることもあって,廉価で出た時に本作と,第2作"More Stuff"を購入したのであった。

なぜ,このファーストが心地よいのかと言えば,それは我々の世代がおそらく耳にする機会が多かったNHK-FMの番組「軽音楽をあなたに」の影響ではないかと思う。そのオープニングに使われていたのが,本作の2曲目"My Sweetness"であったはずである。学校から帰ってきてちょいと休憩しながらラジオをつけて聞いていたのが「軽音楽をあなたに」っていう私の同年代は多いはずである。だから,ここで聞かれるRichard TeeのRhodesの響きに郷愁を覚えることは,まぁ年代が近ければ相当にあるはずと思う。

アルバムとしてプレイバックする機会は今となっては少ないが,それでも2曲目に"My Sweetness"がかかると,ついつい懐かしくなってしまうのである。歴史的に見れば,スタジオ・ミュージシャンに注目させたという点では評価されていいものと思うが,そんなことよりも,このレイドバックした表現を単純に楽しめばいいのではないかと思う。いずれにしても,スタジオ・ミュージシャンの集まりでありながら,個性的なサウンドを聞かせていたと思う。

いずれにしても懐かしいねぇ。星★★★★。こういう記事を書いているところに自分の加齢を感じるが,まぁしょうがないってことで(苦笑)。

Personnel: Cornell Dupree(g), Eric Gale(g), Richard Tee(p, el-p, org), Gordon Edwards(b, perc), Steve Gadd(ds, perc), Christopher Parker(ds, perc)

2018年5月14日 (月)

Ralph Townerファンも納得のECMのセッション・アルバム"If You Look Far Enough"

"If You Look Far Enough" Arild Andersen / Ralph Towner / Nana Vasconcelos (ECM)

_20180513_2このアルバム,名義としてはArild Andersenのリーダー作ということになるが,私はこのアルバムを,Ralph Townerのところに格納している。それぐらい,Ralph Townerの活躍ぶりが目立つセッション・アルバムである。

最近はめっきり減ったが,昔のECMレーベルにはこういうレーベル所属のミュージシャンの組合せによるセッション・アルバム的なものが結構存在した。これもそうした一枚だが,他のミュージシャンのアルバムで,かなりの割合でRalph Townerが参加しているのは,ECMでは,私が認識する限りはこれとJan Garbarekの"Dis"ぐらいしかないのではないか。だからこそ,Ralph Townerファンの私にとっては極めて重要なアルバムと言ってよい。まぁ,途中はAndersenとNanaのデュエットが続くが,アルバム構成上そうなったと思えば,全然問題ない。

本作はプロデューサーとしてArild Andersenがクレジットされているが,Manfred Eicherはミキシングに関わっていて,これがまた,全編いい音で捉えられているって感じである。やはりRalph Townerの12弦ギターの響きはここでも超絶魅力的。

冒頭の"If You Look"と"Far Enough"は1988年にノルウェイの映画音楽として録音されていたもののようで,それを改めてここに入れたようであるが,この2曲はアンビエントな雰囲気が漂っていて,ちょっと感じが違うが,アルバムのバランスは崩していない。そもそもエピローグのようにさえ響く"Far Enough"に続いて最後に収められるのがPaul Simonのアルバム,"One Trick Pony"から"Jonah"というのは意外。それをAndersenがベース・ソロでダメ押しのエピローグ(笑),いや,むしろアンコールのように演じてアルバムは幕を閉じる。

改めて聞いてみると,もう少しRalph Townerの出番を増やしてもらった方が,Townerファンの私としては嬉しかったのだが,それはないものねだりってことで。いずれにしても,いいアルバムである。星★★★★。

Recorded in 1988,July 1991 & February 1992

Personnel: Arild Andersen(b), Ralph Towner(g), Nana Vasconcelos(perc), Audun Kleive(snare-ds)

2018年5月13日 (日)

たまにはこういうのも:Sonny Stittの"Personal Appearance"

"Personal Appearance" Sonny Stitt(Verve)

_20180512私がこのブログでこういうアルバムを取り上げる機会はあまり多いとは言えないが,たまにはってことでの記事のアップである。

Sonny Stittは数多くのアルバムを残しているが,私の中で印象深いのはGene Ammonsとの"Boss Tenors"とかであるが,基本的にどれを聞いても安心できるプレイヤーだったなぁという気がする。この57年に吹き込まれたアルバムを聞くことも,実はあまりないのだが,久しぶりに聞いてみて,安定のStitt節が聞けて嬉しくなってしまった。

このアルバムではアルトとテナーを吹き分けているが,特にアルトを吹いた時の素晴らしいフレージングは,Charlie Parker的な鋭さも持っており,私としてはテナー以上に楽しめる感じがした。Stittのプレイと並んで,このアルバムのもう一つの聞きものはBobby Timmonsの参加だろう。まだこの頃はJazz Messengers加入前であるが,後の活躍を期待させるプレイぶりではあるが,凄いねぇと感じさせるまでは行っていないと思う。まぁ,これはピアノのミキシング・レベルがやや低めに感じる部分も影響しているかもしれないが。いずれにしても,50年代の安定したジャズの楽しさを感じさせるに十分な佳作。星★★★★。まぁ,ジャケは購買意欲をそそらないが,音は保証できるな(笑)。

Recorded on May 12, 1957

Personnel: Sonny Stitt(as, ts), Bobby Timmons(p), Edgar Willis(b), Kenny Dennis(ds)

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