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2018年11月30日 (金)

Benny Green Trio+1@武蔵野スイングホール参戦記

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Benny GreenがPeter Washington,そしてLewis Nashといういいメンツで武蔵野スイングホールに出演すると知って,結構早く申し込んだつもりが,残っていたのは数席と言う状態であったが,もともとキャパも少ないホールなので,そんなことはどうでもよい(きっぱり)。ってことで,韓国出張からの疲労も抜け切っていない状態のまま,業務終了後,武蔵境まで行ってきた私である。毎度のことながら,武蔵野スイングホールの聴衆の平均年齢は相当高い!私はMedianぐらいかねぇ(苦笑)。

私はこれまでBenny Greenのライブを見たことはなかったと記憶しているが,これほど王道のジャズを聞かせてもらうと,ある意味嬉しくなってしまう。私が彼のアルバムを買っていたのは,在米中の頃から数年なので,正直言って近年の活動をフォローしていた訳ではない。しかし,今回のライブを聞いていて,おぉっ,Benny GreenってOscar Petersonがやっていた音楽の正当な継承者なんだろうなぁと思ってしまった。所作も礼儀正しく,何とも楽しいのである。

やっていたレパートリーも下記のようなもので,実によく曲を知っているものだと感心していた私である。彼らのトリオに,ギターの井上智が加わったライブは,とにもかくにもスイング,ファンキー,そしてバラッド曲では,特にイントロ部分のソロでBill Evans的なところまで聞かせて,日本人の好きなピアノ・トリオのいいところを全部取り入れたって感じであった。多分,セットリストはこれで間違いないと思うが,強烈だったのは,2ndセットのアンコール前に演じられた唯一のBenny Greenオリジナル"Bish Bash"だろう。アドリブは,両手ユニゾンの高速フレーズが炸裂し,バップ・フィーリングにテクを交える感覚で,興奮してしまった。尚,井上智は(*)の曲に参加。

<1st Set>
1. Split Kick(Horace Silver)(*)
2. Hip Sippy Blues(Hank Mobley)(*)
3. Sea Scape(Kenny Barron)
4. The Newest Blues(Cedar Walton)
5. Theme for Ernie(Frank Lacey)
6. Just One of Those Things(Cole Porter)

<2nd Set>
1. Dat There(Bobby Timmons)(*)
2. High Fly(Randy Weston)(*)
3. Chant(Duke Pearson)
4. It Might as Well Be Spring(Rogers/Hammerstein)
5. 5021(Thad Jones)
6. Bish Bash(Benny Green)
7. Secret Love(Sammy Fain)(*)

Benny_green_and_i終演後はサイン会もあったが,話していてもとにかくナイス・ガイだと感じさせて,不健康な感じはゼロって感じである。とにかくジャズにありがちないかがわしさがいい意味でない(爆)。こういうタイプのライブはなかなか聞いたことがないっていうのが実感だが,こういうのもたまにはいいねぇって思ってしまった一夜であった。

ということで,今日の戦利品(古くてごめんねとBenny Greenには言っておいた)と,いつものようにBenny Greenと私(モザイク入り)をアップしておこう。

Live at 武蔵野スイングホール on November 29, 2018

Personnel: Benny Green(p), Peter Washington(b), Lewis Nash(ds), 井上智(g)

2018年11月26日 (月)

中年音楽狂 in ソウル

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10カ月ぶりぐらいで韓国に来たのだが,厳寒のソウルを想像して来たにもかかわらず,天候は極めてマイルドなのが驚き。先週の土曜日はかなりの降雪量だったらしいが、私が到着した日曜日は夜でもコートはいらないぐらいだった。

そうは言っても,朝夕の寒暖の差は激しく,今朝,仕事でホテルを出る頃の気温は0℃ぐらいだったから,結構体調管理が難しい。

今回は3泊4日の出張で,明日の午後には釜山へ移動だが,釜山はさらに暖かいらしいから,更にコートいらずのはずである。

今回はあるイベントでのプレゼンが主目的であったが,現地ではガンガンにスケジューリングされてて,プレゼン,取材,プレゼン、プレゼンみたいになっているが,まぁいいや。それに加えて,会食×3だからねぇ。胃腸の管理も大変なのだ。この国の人たちの人使いが荒いのは昔から変わらないが,私の加齢による体力低下も効いてくるって感じである。

ということで,今日はソウルの明洞近辺のイルミネーションの様子をアップしておこう。全然日本とテイストが違うところにお国柄を感じるねぇ。

2018年11月25日 (日)

機内エンタテインメントからの流れで見た「ボーダーライン」第1作。

「ボーダーライン("Sicario")」('15,米/メキシコ,Lionsgate)

Sicario監督:Denis Villeneuve

出演:Emily Blunt, Benicio Del Toro, Josh Brolin, Daniel Kaluuya, Maximiliano Hernández

先日の海外出張の道すがら,この映画の続編を機内エンタテインメントで見て,第1作が気になってきたことは既に書いた。ってことで,11/24までAmazon Primeで見られるってことで,この映画を自宅で見た。

正直言って,これはかなり強烈な描写を含んでおり,気の弱い人には勧められないようなんシーンもあるが,テンションの高い,緊張感に満ちた映画で,非常に見ごたえがあった。間違いなく続編よりこちらの方の出来がよい。

後に「ブレードランナー2048」も撮るDenis Villeneuveって,やっぱり才能あるねぇと思わせるに十分であったが,それよりも何よりもBenicio Del Toroがカッコよ過ぎだろう。表面上,Emily Bluntが主役に見えるが,真の主役は,それこそ本作のタイトルとなっている"Sicario"を演じるBenicio Del Toroなのだ。この情け容赦のなさはまさにハードボイルドだよなぁ。そして,Emily Blunt。この人,何でも演じちゃうねぇと思わせる達者ぶりであるが,この役回りはやっぱり主演というより助演。それぐらいBenicio Del Toroの存在感が際立つ強烈な映画であった。星★★★★。

2018年11月24日 (土)

Oregonのライブ盤の再発を喜ぶ。

"In Performance" Oregon(Elektra→BGO)

_20181122_2長年廃盤状態であったOregonのライブ盤がめでたく再発された。このアルバム,これまでもストリーミングでは聞ける状態にあったはずだが,非常にいい演奏なので,私としてはディスクが欲しいなぁと思っていたところへ,埋もれた作品を再発する英国BGOからめでたく再発となった。そして,スリーブには"Mastereed in High Definition"とあるが,我が家のしょぼいセットではあんまり関係ないな(爆)。

私は本質的にRalph Townerのファンではあるが,Oregonのアルバムまで全部追いかけている訳ではない。そんな中で,私が聞いた中で,非常に緊張感もあって,かつ音楽的にも優れている感覚を持っていたのがこのアルバムである。私は彼らのライブはCollin Walcottが亡くなった後,3人で演奏していたのをBottomlineで見たことがあるが,このアルバムはオリジナル・メンバーによるライブ。演奏はカーネギー・ホールとカナダの2ヶ所の計3か所で行われているが,彼らの演奏の一貫性が失われるわけもなく,全編を通してこれぞOregonって感じの演奏が繰り広げられる。そして,Ralph Townerってピアノも無茶苦茶うまいねぇと感じさせてくれるのがこのアルバム。Townerのオリジナル"Arion"におけるピアノの見事なことよ。これを聞くだけでも価値があると思ってしまった。最後を名曲"Icarus"で締められては,文句を言う訳にもいかない。

今でも現役で活動を続けるOregonではあるが,やはりCollin Walcottの存在って大きかったのかなぁと改めて思わされる演奏だが,聞きどころは多数ある。やはり長年レギュラー,固定メンバーでやってきたことによる演奏の緊密度は非常に印象的。よいものを再発してくれたと大いに喜びたい。星★★★★★。

Recorded Live on November 24, 29 and 30, 1979

Personnel: Ralph Towner(g, p, fr-h, fl-h), Paul McCandless(ss, oboe, b-cl, eng-h), Collin Walcott(perc, sitar, tabla, timpani), Glen Moore(b, p. fl, vln)

2018年11月23日 (金)

中高年の間で話題沸騰:「ボヘミアン・ラプソディ」を見た。

「ボヘミアン・ラプソディ("Bohemian Rhapsody")」('18,米/英,Fox)

Photo監督:Bryan Singer

出演:Rami Malek,Lucy Boynton,Gwilym Lee,Ben Hardy,Joseph Mazzelo,Tom Hollandar,Mike Myers

私の知り合いの中高年(笑)がこぞって見に行って,感動の涙にくれているこの映画である。正直言って,私はQueenと同時代を過ごした人間である。世界で一番早くQueenがブレイクしたのは日本だって認識もあるし(実は誤認識らしいが...),"Killer Queen"が流行ったのは私が中学生の頃なのだ。彼らがその後,ビッグネーム化していくのを見ていたと言っても過言ではない。そうは言っても,私はQueenのアルバムをまともに買ったことがないし,今でも保有しているのはベスト盤とライブ盤ぐらいであるから,全然ファンと呼べるような人間ではない。だが,やはり彼らの活動時期とシンクロして生きてきたってところはあって,私もこの映画を見に行った。そして泣いてしまった。

ストーリーは淡々と進んでいくが,この尺の中で,バンドの飛躍を描くのはやはり厳しいというところはあるものの,ラストに"Live Aid"の模様を持ってくるところで,我々のような中高年の感動はピークに達する。そして,ここで歌われる歌の歌詞に「死」が強く出ていることがそうした要素を強くしているはずだ。

しかし,冷静に考えれば,この作品は映像としてだけ捉えた場合と,Queenの音楽を含めて捉えた場合では相当に評価が違ってくると思える。上述のとおり,ストーリーが淡々と進んでしまう感覚はぬぐえないし,バンドとの確執からLive Aid出演までのシークェンス等は,都合よく話が進み過ぎだと思う。それでも,やはり彼らの音楽に接してきた世代にとっては,そんなことは大した瑕疵とは思えないというのが結論だろう。ということで,音楽込みで考えると星★★★★と評価するが,それでも私はLive Aidのシーンにはやはりこみ上げるものがあったことは告白しておこう

それにしても,Rami MalekのFreddie Mercuryへのなりきりぶりも楽しいが,それよりも,Brian Mayを演じたGwilym Leeは本人か?と思ってしまったぐらいだ。多分,髪型を真似るだけでも結構似ちゃうんだねぇ(笑)。そして,Mike MyersがプロデューサーのRay Foster役で出演しているが,彼が言う"We need a song teenagers can bang their heads to in a car. Bohemian Rhapsody is not that song."というセリフ(iMDBより拝借)には思わず笑ってしまった私である。だって,"Wayne's World"でやってたもんねぇ。ってことで,その映像を貼り付けてしまおう。この映像の1分50秒当たりを見れば,私が受けた理由はわかってもらえるはずだ。 

2018年11月22日 (木)

Will Leeのライブを約5年ぶりに見た。楽しかった~。

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出張から帰って,疲労も抜けぬうちのライブである。私もつくづくアホだなと思うが,好きなものはやめられない。ってことで,日本のライブ・ハウスも結構久しぶりである。

Will_lee私がWill Leeのライブを見たのは今から約5年前に遡る。その時はChuck Loeb,Steve Gadd,そして後にPat Metheny Unity Bandに加わるGiulio Carmassiらとのライブだったが,それはそれは楽しいライブであった(記事はこちら)。しかし,Chuck Loebはもはやこの世にいないというのもある意味信じ難い。

それはさておきである。Will Leeは矢野顕子やら,桑原あいやらとの演奏でも来日しているが,私は見に行っていない。あくまでもWill Leeのバンドにこだわっているのである(爆!ほんまか?)。Will Leeという人は,人を楽しませる術を知っているというか,ライブは絶対楽しいに決まっているという自信が私にはあるが,やっぱり今回も楽しかった。

今回はギターにOz Noy,キーボードにJeff Young,そしてドラムスにCharley Draytonというなかなかのメンツである。Jeff Youngだけは誰だっけと思っていたのだが,Cotton ClubにあったCDで思い出した。Michael LandauがベースレスのトリオでやったBlue Hornというバンドがあったが,そのメンバーだったのがJeff Youngではないか。ひやぁ~とCDを眺めていて思ってしまった。正直言ってキーボード・プレイヤーとしてより,ヴォーカリストとしての魅力が大きいかなって感じだったが,ナイスな声を聞かせていたのが印象的。

ドラムスのCharley DraytonはKeith Richardsのソロ活動のバンド,X-pensive Winosのベース(たまにドラマー)だった訳だが,暫く名前を聞かないと思ったら,91年から08年までオーストラリアのバンド,Divinylsで活動していたらしい。 今回,東京においてこうして彼の演奏を見られたのは結構レアな機会だったのかもしれないが,実にタイトなドラミングであった。Oz Noyはいろんなスタイルでギターを弾いていたが,曲によってはClaptonか?みたいな感じになりつつ,多様なスタイルに対応できるのねぇ。ただの変態ではないのだ。

演奏はやはりWill Leeらしいエンタテインメント性溢れる「どファンク」である。Beatles,Beach Boys,ジミヘンからHiram Bullockまで何でもありである。正直言って,彼らのようなバンドにBeach Boysの"God Only Knows"は合ってなかったと思うが,それ以外はファンク,ファンク,どファンクである。聴衆に歌わせるのもうまいしねぇ。私としては懐かしやHiram Bullockの"Da Alley"が聞けたのが嬉しかったが,本当にWill LeeとHiram Bullockは仲が良かったんだねぇと思ってしまった。YouTubeに今回と同じメンツで,NYCのBitter Endに出た時の映像があったので,それをアップしておこう。Hiram Bullockのアルバムが好きだった私はついつい一緒に歌っちゃったんだよねぇ(笑)。上のステージの写真はCotton Clubから拝借。

いずれにしても,今回もWill Leeの芸人魂炸裂の楽しいライブであった。

Live at Cotton Club on November 21,2018, 2ndセット

Personnel: Will Lee(b, vo), Jeff Young(key, vo), Oz Noy(g), Charley Drayton(ds) 

2018年11月21日 (水)

Wayne Shorterの大作をようやくアップ。

"Emanon" Wayne Shorter(Blue Note)

Emanonもう新譜と言えないぐらい,リリースから時間が経ってしまったが,今年で85歳となったWayne Shorterによる新作である。どうしてこんなに記事を書くのに時間を要したかと聞かれれば,それは「聞くのが怖かった」というのが正直なところである(爆)。

昨今のWayne Shorterの音楽は,もはや現代音楽と言ってもよさそうなぐらいの,ジャズの領域さえ超越したスポンテイニアスな感覚があり,正直言って,聞くには相当の覚悟が必要なのである。前作"Without a Net"は素晴らしい作品だった(記事はこちら)し,その後の日本公演にも感動させられた(記事はこちら)にもかかわらずである。しかも今回は3枚組の大作とあっては躊躇してしまったというのが正直なところである。

今回の作品は,1枚目は不動のクァルテットとオルフェウス室内管弦楽団との共演,2枚目と3枚目にはクァルテットによるロンドンのライブの模様を収めているが,やっぱり超ハイ・テンションというか,もの凄い緊張感に満ちていて,聞き終えるとどっと疲れる。だが,年齢を全く感じさせないWayne Shorterの演奏に驚かされるのは,今回も全く変わりがない。そういう意味では音楽は満点でもよい。

しかし,私がどうしても疑問なのは,このパッケージングが必要だったのか?という点に尽きる。トータルなコンセプト・アルバムとして,こうしたいというWayne Shorterの気持ちはわからない訳ではない。しかし,このようなパッケージにすることにより,価格は非常に上がってしまったし,ストリーミングさえされていないということでは,これを買うしかないのである。さすがにそれは行き過ぎではないかと感じる部分があって,どうしてもシンパシーを感じられなくなってしまっている自分がいるのだ。Disc2,3の収録時間も頑張れば,1枚にできたんじゃないの?ってのも心象がよろしくない。

よって,トータルな評価としては,どうしても下げざるをえず,星★★★★とせざるを得ない。う~む。

Personnel: Wayne Shorter(ts, ss), Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)

2018年11月19日 (月)

出張中に見た映画(2018年11月編)

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海外出張中の楽しみは機内エンタテインメントである。今回は1週間でロンドン→NYCを回るというきつい日程だったので,体力温存のためにもいつもより控えめな映画鑑賞となった。そうは言っても7本見ているが(爆)。

今回はロンドン便及びロンドン→NY便がBA,NY→羽田便がJALということで,セレクションに違いがあってある意味ではよかったような気がする。私は吹き替え版を見る趣味がないので,基本はオリジナル原語(今回の場合は,1本を除いて英語)で映画を見るのが基本のため,BA便ではClosed Caption付きの映画を選択し,帰路は日本語字幕で見るというかたちにした。見たのは次の7本。

  1. 「クワイエット・プレイス("A Quiet Place")」
  2. 「MEG ザ・モンスター("The MEG")」
  3. 「マンマ・ミーア! ヒア・ウイ・ゴー("Mamma Mia: Here We Go Again")」
  4. 「イコライザー2("The Equalizer 2")」
  5. 「カメラを止めるな!」
  6. 「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ("Sicario: The End of Soldado")」
  7. "The Spy Who Dumped Me"

正直言って,これは!って映画に欠ける感じがするが,まぁ機内で退屈しないで過ごすためのものなので,文句はない。しかし,7本のうち,3本は続編だってのが,ちょっとねぇって気もする。日頃から,私は最近のオリジナル脚本が少ないことを嘆いている訳だが,映画製作もどんどん安易な方向に流れるような気がしている。私は「マンマ・ミーア!」と「イコライザー」は前作も機内エンタテインメントで見ているが,「マンマ・ミーア! ヒア・ウイ・ゴー」の方は約10年を経ての続編ということであるが,もともと楽しい映画をうまく第2作に仕立てたってところだろう。「イコライザー」の方はどうこう言うのは野暮な勧善懲悪映画。「ボーダーライン」の1作目は未見だが,これは改めて見てもいいように思えた作品である。この第2作のエンディングはどうなのよ?って感じだが。

一方,低予算でも面白い映画は作れるってのを実証したのが「クワイエット・プレイス」と「カメラを止めるな!」ってことだろうが,前者はエイリアンの造形が気持ち悪いが,ラスト・シーンがいいねぇって思ってしまった。後者は日本でも大受けの映画で,今回私は初見だったのだが,なるほどねぇって思ってしまった。確かにこれはネタバレ禁止だが,よく出来たシナリオだと思った。やっぱり映画はシナリオ次第だと思わせる。

その一方,今回見た中で,最低最悪と思ったのは「MEG ザ・モンスター」だが,こういうのを出来の悪いシナリオと意味不明の展開と言う。サメのサイズはでかいが,恐さは「ジョーズ」に遠く及ばずって感じである。実にくだらない映画を見てしまったってところである。すべてが中途半端で,劇場で見ていたら腹を立てるタイプの映画である。

そして,唯一の日本未公開映画"The Spy Who Dumpled Me"もシナリオは無茶苦茶だが,まぁコメディだから許すってところだろう。Kate McKinnonの本来のおかしさを炸裂させるとことまで行っていないのは惜しいなぁって気もするが,まぁいいや。くだらねぇ~,と思いつつ笑っていればいいって感じの映画であった。

ということで,どんなコンディションであろうと,相変わらず映画は見続ける私であった。12月の出張時はどうなることやら(笑)。

2018年11月18日 (日)

出張から帰ったら届いていたCharlie Haden~Brad Mehldauデュオの現物。

"Long Ago and Far Away" Charlie Haden & Brad Mehldau(Impulse!)

Long_ago_and_far_away既にストリーミングでは聞けていたこのアルバムの現物が,出張から帰ったら届いていた。昨日はバテバテでさっさと寝てしまったので,今日になって開封して聞いているが,まぁ,想定通りと言えば,これほど想定通りの音もないって感じである。

そもそもCharlie HadenとBrad Mehldauの縁は結構古い。Lee Konitzを加えたトリオでのライブを吹き込んだのが97年の暮れ,そこにPaul Motianを加えたクァルテットでECMにライブ・レコーディングしたのが2009年,Charlie Hadenとのバラッド・アルバム"American Dreams"をレコーディングしたのが2002年,更にはHadenの奥方,Ruth Cameronのアルバムや,娘のPetra Hadenのアルバムへの客演時にもCharlie Hadenとは共演しているから,彼らがデュオで演奏する機会を持ったとしても,それはまぁ不思議ではないということである。しかし,2014年にCharlie Hadenが亡くなって,デュオによる演奏を聞くことができないのかと思っていたところへの,このアルバムのリリース告知は非常に嬉しいものであった。

本作がレコーディングされたのは2007年なので,もはや10年以上前であるが,その頃はBrad MehldauはMetheny Mehldauをやっている頃のはずである。そこへPat MethenyともデュオでやったCharlie Hadenとのデュオがその頃に吹き込まれているというのは何となく因果を感じる。

そして,ヘッドフォンを通じてストリーミングで聞いた時よりも,我が家の甚だシャビーではあるが,スピーカーを通して聞いた時の印象は結構違っていた。それは音楽を聞く環境が通勤途上の「ながら聞き」と,音楽だけに集中している時の違いと言ってもいいかもしれないが,この時の対話の深みみたいなものをついつい感じてしまったのである。例えば,Irving Berlinが書いた"What'll I Do"のような古い曲でさえが,現代的な美しさを持って再生されていて,実に驚いてしまった。これは通勤途上で聞いた時に感じることがなかった感覚なのだ。

まぁ,デュオ名人のCharlie Hadenと,私が追っかけをするBrad Mehldauが合体すれば,真っ当な演奏にならないはずはないのだが,やはりこの共演は素晴らしい成果を生んだと言ってよい。Ruth Cameronが書いたライナーによれば,Charlie Hadenが初めてBrad Mehldauを聞いたのは,MehldauがJoshua Redmanのバンドでピアノを弾いていた時,それも1993年9月19日のことだったそうである。その瞬間からCharlie HadenはBrad Mehldauの才能を認識していたとのことであるが,若くしてHadenにそう思わせたBrad Mehldauも大したものである。Hadenに"This pianist is brilliant. He is special, so unique."とまで言わしめたのであるから,これはMehldauのファンを自認する私としても嬉しい。

このアルバムはRuth CameronとBrad Mehldauの共同プロデュースの元にリリースされたものであるが,このお二方の心のこもったライナーを読むだけでも価値のある作品と言ってよいと思う。もちろん,これって最高だっ!て言いきれるものではないと感じる部分もあるにはあるのだが,リリースしてくれたことだけでも星★★★★★としてしまおう。ダウンロード音源としてだけ公開された"No Moon at All"なしでも十分楽しめることは間違いない。

Recorded Live on November 5, 2007

Personnel: Charlie Haden(b), Brad Mehldau(p)

2018年11月16日 (金)

中年音楽狂の出張最終日。

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昨晩はNYC最後の夜なので,いつもの出張なら当然のごとく夜遊びに出るはずだったのだが,午後から降り始めた初雪がかなり激しく,今朝のニュースではセントラル・パークの積雪は15センチとか言っているから,全く半端ではない。そうした状態ではWind Chillもきつく,持参した服では耐えられないような状態になってしまった。ということで,急遽マフラーと手袋を入手したものの,夜遊びは自粛かなぁと思っていた。

昨晩は毎度お馴染み55 BarにはWayne Krantzが出ていたのだが,10月にも見ているので,今回はおとなしくしていようかなぁと思っていた。しかし,夜も更けるに従って,雪はだいぶおさまってきたし、22時過ぎになってやっぱり行くかってことで,久々にBirdlandに出掛けてきた。

今回はJoe Lovano Nonet Plusということで,11人編成のバンドでの出演だったが,今回BirdlandをチョイスしたのはGeorge Garzoneがバンドに加わっていたからである。私はこれまでGarzoneの生の演奏に接したことがなかったので,ちょうどいいやってのもあったし,Birdlandはミッドタウンなので比較的行きやすいということもあった。

それでもって,このバンドだが,特大級のスター・バンドではないが,実力者が揃っていて非常に楽しめるものであった。昔で言えば,Benny Carterのオールスターズに近い感じか。Cleveland出身のLovanoは同郷のTadd Dameronのレパートリーを中心に演奏し,Coltrane的なサウンドを交えていたのも面白かった。

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そして,今回の私にとっての目玉のGeorge Garzoneはナイスなフレージングを連発して,完全に期待に応えてくれた。私が足を運ぶライブは美的な感じか,コンテンポラリー系が多いが,たまにはこういう感じもいいねぇと思ってしまった。尚,もう一本のテナーとトランペットにはトラが入っていたが,名前を聞き取り損なってしまった。テナーは顔には覚えがあるのだが,名前を思い出せない。ラッパは若いミュージシャンだったが,実力は十分だったと言っておこう。トロンボーンはそもそもWebでもEd Neumeisterという人が告知されてて,ブックレットとは異なった人だったが,この人も上手いものだった。とにかくミュージシャンの質が高いわ。

いずれにしても,ロンドン→NYCと巡った世界一周出張もほぼ終了で,あとは帰国するだけだが,JFKが昨日の積雪の影響で混乱していないことを祈るのみである。

2018年11月15日 (木)

NYはもはや冬。

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今回の出張も今日が最終日。明日には東京に向けて帰国の途につくが,今回の出張はマジで日程がきつい。ロンドン2泊,NY3泊の世界一周というのは,老体には堪える。しかも,NYは冷え込みがきつく,現在の気温は32℉,即ち0℃で,今日の午後は雪の予報である。さっさと仕事を終わらせて,多少の時間的余裕を楽しませてもらおう。

写真は昨夜の食事の帰り道に撮った写真。MetLifeビルの手前のHelmsleyビルがライトアップされていた。ロックフェラー・プラザのクリスマス・ツリーはまだ点灯前で,工事の真っ最中であったが,その代わりにこの写真ってことにしておこう。今回は出張前に睡眠導入剤をもらってきていたのだが,あまり効いたとは言えず,今回も時差に苦しんだ私であった。やっぱり歳だ。

2018年11月13日 (火)

ロンドンでのひとコマ。

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ロンドンに昨日到着して,当地での仕事は1日だけ。ということで,訪れたのは新たな金融街,Canary Wharf。

上の写真は訪問先のオフィスからの風景。遠くに見えるのがO2 Arena。昔,このブログにO2 Arenaの写真をアップしたことがあるが,調べてみるともう8年前だ。月日が経つのは早いねぇ。ってことで,そちらも再掲しよう。いずれにしても,昨今はロンドンにもどんどんコンドミニアムが建設されているって感じだなぁ。明日にはNYCに移動かぁ〜。はあ〜。

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2018年11月12日 (月)

この記事がアップされる頃は…。

この記事がアップされる頃は,短期間での世界一周出張の一環で,ヒースローに着くか着かないかのタイミングのはずだ、

今回は西回りでロンドン→NYC→東京という過酷な日程である。多分機中滞在時間は35時間,仕事の実働は12時間程度であろう。なんだか無茶苦茶ってきもするが,まぁ仕方ない。

おかげで,今度のDave Grusinがビッグバンドでやるバーンスタイン・トリビュートには行けなくなってしまったが,これも仕方ない。

私の人生で世界一周出張はこれが二度目だが,前回はロンドン→NYC便で熱を出して唸っていたが,NYCに着いたら回復して,ライブに出掛けて行ったのも懐かしい。

ということで今回はは無事過ごせるのかわからないが,何とか無事に乗り切りたいものである。そして25日からは韓国って,なんでやねん?なサラリーマン生活。

2018年11月11日 (日)

Charlie HadenとAntonio Forcioneによる穏やかな対話

"Heartplay" Charlie Haden & Antonio Forcione(Naim)

_20181104_2_2なんだかんだ言って,私もCharlie Hadenのデュオ・アルバムは結構な枚数保有している。このブログでも結構な数を取り上げているはずだが,その中で一番聞いていなかったアルバムをクロゼットから取り出して聞いてみた。

ギタリストとのデュオも昔から作っているCharlie Hadenで,最初はChristian Escoudeだったかどうか...。いずれにしても,ギタリストとも素晴らしいデュオ・アルバムを作り上げているCharlie Hadenだが,ここでのデュオ・メイト,Antonio Forcioneは全く知らない人であった。南イタリア出身のギタリストであるが,結構な数のアルバムをリリースしているようである。私が保有しているアルバムはなぜか(笑)帯/ライナー付きの国内盤仕様なので,そのライナーを見ると,このAntonio Forcioneを称して「アコースティック・ギターのジミヘン」なんて書いているではないか。おい,おい。違うだろう(爆)。あくまでも穏やかさを失わないこのアルバムからは,到底「ジミヘン」という比喩は出てくることはあるまいが,確かに巷ではそのように言われているのは事実のようだ。

だが,このアルバムはテクニックが炸裂する感じでは決してなく,あくまでも主題の通り,二者による穏やかな対話に終始している。両者のオリジナルに混ざって,1曲,Fred Herschのオリジナル"Child's Song"が収められているのが面白いが,全編を通じて,決して熱くなることはないが,暖かい音色での極めてメロディアスな演奏が展開されている。

私のようなリスナーにはこういう音楽は全然問題ないが,音楽に何を求めるかによっては,何がいいのか理解できないというリスナーがいても,全く不思議ではない。この音楽は,生活に穏やかさを求めたいときにこそプレイバックされるべき音楽であって,ここに刺激を求めてはいけないのだ。ここには繰り返すが,穏やかで質の高い音楽があるだけである。

ほかのギタリストたちとのデュオ・アルバムと比較するのも楽しみって感じのアルバムであるが,久しぶりに聞いて,この穏やかさは心地よかった。星★★★★。YouTubeにAntonio Forcioneがアップしていた本作の冒頭の"Anna"を貼り付けておこう。

Recorded between June 26 and 28,2006

2018年11月10日 (土)

メロウなサウンドなのだが,ヴォーカルが私の趣味に全く合わないMark Almond

”Other Peoples Rooms" Mark-Almond(A&M)

_20181104プロデュースはTommy LiPuma,バックには腕の立つミュージシャンを集めたアルバムと言えば,Michael Franksがすぐに思い浮かぶ。そうした路線で制作されたことは間違いないのだが,どうも私にはピンと来ないアルバムである。

その理由はヴォーカルのJon Markの声が私の趣味ではないということに尽きる。相方のJohnny AlmondはStan Getzを彷彿とさせるテナー・ソロを取っていて,アルバムのムードとしては悪くないにもかかわらずなのだから,これは私の趣味との完全なアンマッチ。おそらく1曲目"The City"で聞かれる一部力んだヴォーカルを聞いた瞬間で勝負はついていたって気がする。

ついでに言ってしまうと,他人の書いた曲では気にならないが,その他の曲での歌いっぷりが気になるってことは,曲自体との相性もよくないってことになるんだろうなぁ。どうしてもどんくさく聞こえて仕方ないのでは仕方ない。ってことで,何回聞いてもどこがいいのかよくわからないのだ。バックのサウンドは好きなんだけどねぇ。Jerry Heyが聞かせるフリューゲルのソロなんてかなりいいしなぁ。それでも全体ではダメってことで,つくづく相性ってあるなぁと思ってしまうアルバム。とういうことで,私はこれを聞くなら,Michael Franksを何度もリピートすること間違いなし。個人的な趣味も反映して星★★☆が限界。だったら買うなよ!はい,おっしゃる通りです(爆)。

蛇足ながら,このジャケのそこはかとないエロさは,同じA&MレーベルにおけるHummingbirdの"We Can't Go on Meeting Like This"と双璧だな(笑)。

Personnel: Jon Mark(vo, g), Johnny Almond(ts, as, fl), John Tropea(g), Leon Pendarvis(p, rhodes), Will Lee(b), Steve Gadd(ds), Ralph McDonald(perc), Larry Williams(synth), Jerry Hey(fl-h)

2018年11月 9日 (金)

マントラ,最大のヒット作はこれなんだろうなぁ。

"Extensions" The Manhattan Transfer(Atlantic)

_20181103_3マントラのヒット作はいろいろあると思うが,チャート・アクションはさておき,アルバム単位で最も人気のある作品はこれなのではないかと思う。Jay Graydonのプロデュースにより,ポップな部分も強化した作品は,やはり今でも魅力的に響く。本作のヒットを受けて,Jay Graydonは彼らの次作"Mecca for Moderns"もプロデュースしたが,私は嫌いではないのだが,あの作品はやや行き過ぎた感覚があった(記事はこちら)。

もちろん,このアルバムも"Mecca for Moderns"同様に,バラエティに富んでいるという言い方もできるのだが,曲の魅力という観点では"Extensions"の方が優れた作品であったと思う。何と言っても,冒頭がWeather Reportの"Birdland"のアダプテーションから始まるのである。このインパクトはやはり強い。そして,スイング感たっぷりの"Wacky Dust"に次いで出てくるのが,もろJay Graydon色と言うか,Airplay色の強烈な超ポップな"Nothin' You Can Do About It"で大いに盛り上がってしまう。ちょいとSF的に響く不思議な"Coo Coo U"を挟んで,大スタンダード"Body & Soul"でLPならA面を締めるというのは面白い流れである。

そして,LPのB面なら,私がこのアルバムの白眉と思っている"Twighlight Zone~Towilight Tone"になだれ込むのだが,これが実にカッコいい。今聞いても全然色あせない。そしてドゥーワップ的な"Trickle Trickle"も楽しいが,このアルバムのもう1曲の人気曲"Shaker Song"がいいねぇ。ここでSpyro Gyraのデビュー・アルバムの曲を,本家のリリースから結構短いインターバルでアダプテーションするってところに,目の付け所のよさを感じる。ここでソロをRichie Coleが取っているが,本家Jay Beckenstineが吹いているかのような感じと,Richie Cole的なフレーズが混在していている。それにしても,Richie Coleの人気は一時的だったなぁ...。

そして最後はしっとりとTom Waits作の"Foreign Affairs"でしっとり締めるが,この曲のヴォーカル・アレンジをしているのが,Hi Lo'sもしくはSingers UnlimitedのGene Puerling。彼は次作の最後をきっちり締めた"A Nightingale Sang in Berkeley Square"のアレンジもしているから,人脈ってあるんだなって思う。

Cheryl Bentyneの加入というメンバー・チェンジという要素もあって,新しいマントラの時代が始まったことを象徴する楽しいアルバム。星★★★★☆。

Personnel: Manhattan Transfer<Cheryl Bentyne, Tim Hauser, Alan Paul, Janis Siegel(vo)>, Michael Omartian(p), Micheal Boddicker(synth, Greg Mathieson(p, el-p, synth), David Foster(p, synth), Bill Mays(p), Ian Underwood(synth), Jai Winding(synth), Jay Graydon(g, synth, prog, vo), Steve Lukather(g), Dean Parks(g), David Hungate(b), Abraham Laboriel(b), Chuck Domanico(b), Andy Muson(b), Jeff Porcaro(ds, perc), Ralph Humphrey(ds), Alex Acuna(ds), Paulinho Da Costa(perc), Richie Cole(as), Don Roberts(ts, piccolo)

2018年11月 8日 (木)

Tom Scott & the L.A. Express:久々に聞いたが,このいい意味での緩さがいいねぇ。

"Bluesreak" Tom Scott & the L.A. Express(GRP)

_20181103_2これもリリースされてから,もう20年以上も経つのかと思うと,結構感慨深い。Tom ScottがL.A. Expressとの活動をしていたのが70年代半ばで,それから約20年後の再編アルバムとして出たのがこのアルバムであり,以前の曲も再演しているのだが,なんと言っても,本作の魅力はメンツ。Tom Scottを支えるのがJoe Sample,Robben Ford,そしてSteve Gaddとあっては購入に当たっての期待値が高かったはずだ。それも後の作品と違って,固定メンツでの演奏だからこそ,更に気になるわけだ。

そして,出てくる音が,相当レイドバックしている。ある意味緩い。もちろん,ユニゾン・キメキメのハード・フュージョンもいいが,たまにはこういうのも落ち着いていいのである。曲によっては,Crusadersみたいに聞こえてしまうのはJoe Sampleのピアノゆえだが,それでもこういうメンツが,こういう音楽を聞かせるところがいいのである。だからこういうアルバムに対して,小難しいことを言っても仕方ないのであって,純粋に楽しめばいいのである。

まぁ,毒にも薬にもならないと言ってしまえばその通りなのだが,飲み屋とか銀行とかでこういうBGMが流れていると,おぉ,わかってるねぇと言いたくなってしまう,そういう音楽である。音楽としては星★★★☆ってところだろうが,久しぶりに聞いて,この緩さが心地よくなってしまう,私もそういう年齢だってことだな(爆)。

Personnel: Tom Scott(ts, ss, fl, wx-11), Robben Ford(g), Joe Sample(p, rhodes), Larry Kimpel(b, vo), Steve Gadd(ds), Ralph McDonald(perc), Lynn Scott(vo)

2018年11月 7日 (水)

Eric Harland Voyagerの第3作はダウンロード・オンリー?

"13th Floor" Eric Harland Voyager (GSI Records)

13th_floor世の中でCDが売れるのは日本だけって感じになっているのかもしれないが,ほかの世界では基本は音楽はダウンロードで聞くものって感じなのかもしれない。流通等を考えれば仕方ないところもあるが,媒体指向の私みたいな人間にとってはちょっと残念な部分もある。ミュージシャンもダウンロード・オンリーでしか音源をリリースしない人が増えているが,ライブの場での販売等のために媒体も作るってのが一般的なのかもしれない。先日取り上げたCharlie HadenとBrad Mehldauのデュオ・アルバムにもダウンロード・オンリーの曲があったが,ダウンロードにリスナーを誘導しようとしているのかもしれないと感じる部分もある。

そんな中で,リリースされたのがEric Harland率いるVoyagerの第3作である。第1作のライブを高く評価しつつ(記事はこちら),第2作には感心しなかった(記事はこちら)し,ライブにも違和感を覚えていて(記事はこちら),ちょっと評価が下がっていたのは事実である。それでも,アルバムは購入し,ライブにも行っているのだから,Eric Harlandの注目すべきミュージシャンとしての位置づけは変わっていないのだ。そんな彼が,自身のバンド,Voyagerとしてのアルバムをリリースするとなれば,聞きたくなるのは当然のことなのだ。しかし,上述の通り,本作はダウンロード・オンリーと思われるため,ストリーミングで聞いた。

正直に言ってしまうと,こういう音こそ彼らに期待するものであって,第2作やライブで聞いた時よりもはるかにいいと思う。やはりこれだけのメンツを揃えていれば,これぐらいのスリリングな音が出てくると嬉しくなってしまう。私としては,ライブの場でもこういう感じでやってくれと思ってしまうし,これなら再来日しても,また聞きに行くだろう。

比較的コンパクトな曲が多いが,あっという間に11曲,47分という時間が経過していくのは,彼らの演奏の熱さゆえってところを強く感じる。曲にはややばらつきがあるようにも思えるが,アドリブ・パートになると,その熱量ゆえに気にならなくなってしまうが,やはり私も彼らのそうした世界が好きってことになるが,これは改めてVoyagerの評価をぐっと押し上げる効果があったと思わせるに十分なアルバムである。Eric Harlandも40代前半ということで,まさに中堅としてこれからもジャズ界をサポートし,プッシュしていく立場にあることを改めて実証した作品。フェード・アウトがあったりして惜しいと思わせる部分もあるが,星★★★★☆と評価できるアルバム。

こういう時代になってくると,今後はますますCDの購入枚数は厳選したものとなり,減っていくんだろうなぁと思うと,何となく寂しいような気もするが,まぁ,置くところにも困っているからねぇ。逆に買う方が珍しくなるのかもしれないな。

Personnel: Eric Harland(ds), Walter Smith III(ts), Julian Lage(g), Nir Felder(g), Taylor Eigsti(p), Harish Raghavan (b)

2018年11月 6日 (火)

Paul McCartney@両国国技館参戦記

Img_7426

Paul今年もPaul McCartneyが日本にやって来て,さすがに今回はいいかなぁってと思っていた。そこへ知り合いから,突然の国技館ライブへのお誘いである。お嬢さんの代打が私でよければってことで,お言葉に甘えて両国に行ってきた。国技館の周りには幟が立っていて,思わず受ける~って感じであったが,よくやるねぇ(この写真はネットから拝借)。

今回,チケットには座席番号が書かれておらず,当日席番入りのチケットを入場時に発券というシステムには不安を覚えていたのだが,案の定というか,入場するのにえらく時間が掛かった。ダフ屋排除のためなのだろうが,だったら開場時間を早めるとか,もう少し工夫があってもよさそうだと思えた。長蛇の列とはあれのことだ。

それはさておき,着席すべく席を探すと,枡席で場所はステージ右後方ということで,視野は決してよくないが,それでもバンドとの距離はかなり近く,ライブを楽しむ分には問題ないという感じである。それでもドーム公演のようなド派手なディスプレイはない(だろう)し,比較的こじんまりとしたステージ・セッティングという感じであった。

プログラムはこれまでの来日公演をほぼ踏襲したものだが,新譜を出したばかりということもあり,新曲を交えるという構成はこれもまぁ想定内。その中で,私は"From Me to You"のような曲に思わず「懐かし~」と言ってしまったのであった。そして,私が今回最も鋭く反応してしまったのは"I've Got a Feeling"だったかもしれない。そして,アメリカの公民権を守るために歌いたいと言って歌った"Blackbird"に落涙。く~っ。

アンコールを入れて,約2.5時間のステージをこなすPaul McCartney,今年で76歳とは思えぬ元気さである。Stonesと言い,Paulと言い,本当に元気で凄いねぇと思わざるをえない。さすがに年齢ゆえに,声はだいぶ厳しくなっているところはあるが,それでもキーは変えないし,声もしっかり出ていることにはいつもながら驚かされる。

さすがにドームと違って,「死ぬのは奴らだ」での火炎放射はないのかと思っていたら,あった,あった。ついでに大音響の爆竹も炸裂して,耳がキンキンしていた私であった。いずれにしても,いつもながらの見事なパッケージ・ショーであるが,今回はホーン・セクションが加わったのが新機軸であるが,出番は少なめってはご愛敬。

早くも国技館ライブのセット・リストがネットに上がっているので,コピペしておくが,今回もウクレレで"Something"を歌い始めて,ギター・ソロから展開を変えるといういつもながらの演出に,またも涙腺が緩んだ私であった。いずれにしても,まだまだ日本にやって来そうなPaulだが,次はどうするかなぁ...。ってことで,ついでに"Let It Be"に合わせて光るスマホ・ライト群の写真もアップしておこう。

いずれにしても,今回,ご招待頂いた友人には改めて感謝したい。持つべきものは友である(きっぱり)。

Set List:

A Hard Day's Night
Hi Hi Hi
All My Loving
Letting Go
Come On to Me
Let Me Roll It
I've Got a Feeling
My Valentine
1985
I've Just Seen a Face
In Spite of All the Danger
From Me to You
Love Me Do
Blackbird
Queenie Eye
Lady Madonna
Fuh You
Being for the Benefit of Mr. Kite!
Something
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Band on the Run
Back in the U.S.S.R.
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude

Encore:
I Saw Her Standing There
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
Helter Skelter
Golden Slumbers
Carry That Weight
The End

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2018年11月 5日 (月)

Charlie HadenとBrad Mehldauのデュオ・ライブ。現物はまだ来ていないが,ダウンロード・オンリー音源の話。

"Long Ago and Far Away" Charlie Haden & Brad Mehldau(Impulse)

Long_ago_and_far_away故Charlie Hadenは数々のデュオ・アルバムを残しており,まさにデュオ名人と言ってもよいぐらいだと思うが,彼が生前,Brad Mehldauとのデュオによるライブ音源を残していたと知った時は大いに喜んだ私である。当然のことながら,即発注となった訳だが,現物はまだ届いていないので,ストリーミングでその音楽を聞いていた。

そして,本作を出張の道すがら,ストリーミングで聞いていて,演奏時間が妙に長いと思ってしまったのである。その時,私は東北に向けて移動中で,新幹線の中で,うつらうつらしていたのだが,目的地に近づいても,まだプレイバックが続いているのだ。演奏時間はCDの限界を越える時間のはずだと思ってよくよく見たら,ストリーミング音源には最後に12分を越える"No Moon at All"がダウンロード・オンリーで入っている。とあっては,この音源も入手せねばならん(きっぱり)。ということで,ダウンロードしようと思うと,曲単位のダウンロードはできず,アルバム全体を購入する羽目となった。まぁ,そんな高くないからいいんだけど...。

本編はそれだけで70分を越えているので,この"No Moon at All"が媒体のボーナス・トラックとして出ることは考えにくい。だから,まぁこれはダウンロードしてもいいやという判断もあるものの,無駄と言えば無駄だよなぁ。でも,こういうのもちゃんと聞いてこそ,真のBrad Mehldauファンである(きっぱり)。単なるアホ,あるいはオタクだと言われれば,返す言葉はない。

本作については,正式には現物が来てからレビューしたいと思うが,これも「コレクターはつらいよ」シリーズとしてアップしたいぐらいである。なかなか大変だよねぇ。

2018年11月 4日 (日)

追悼,Roy Hargrove。

Roy_hargrove

Roy Hargroveの突然の訃報はショックだ。まだ49歳というのはあまりにも若過ぎる死である。

私が初めてRoy Hargroveの演奏に接したのは確か1991年のSonny Rollinsのカーネギー・ホールでのライブにゲストで出てきた時であった。その時は目玉はJim HallとRollinsのリユニオンであったのだが,私にはむしろそこでHargroveが吹いた"Once in a While"が素晴らしかったという記憶の方が鮮烈であった。その後すぐに,Roy Hargroveのリーダー第2作"Public Eye"を買いに走ったことは今でも覚えている。それぐらいびっくりしたのだ。

その後の私はRoy Hargroveとはつかず離れずという感じであったが,Hargroveの違う魅力に気付かされたのはRH Factorのライブをブルーノート東京で見た2013年のことであった(記事はこちら)。Roy Hargroveが演じるファンクに圧倒されたというのが正直なところで,私の彼を見る目は,あの時から変わったって思っている。もちろん,いい方にである。なので,昨年のRH Factorの来日時にも改めて足を運んだ(記事はこちら)のだが,あれが彼のライブを見る最後の機会になるとは夢想だにしなかった。

いずれにしても,ジャズだけでなく,様々な音楽を自分のものとし,軽々と越境して見せたRoy Hargroveは実に優れたミュージシャンであった。彼の早過ぎる死は,実に惜しいと言わざるをえない。

R.I.P.

Shai MaestroのECMデビュー作。これもいいねぇ。

"The Dream Thief" Shai Maestro(ECM)

_20181103ブログのお知り合いの皆さんは,以前からこのShai Maestroについては記事にされておられたが,私はほとんど縁のないまま過ごしてきたと言って過言ではない。例外はCamila Mezaの"Traces"ぐらいである。そのアルバムもMezaの声にはまいっていても,伴奏までは全然触れていない(爆。記事はこちら)。Theo BleckmannのECMレーベル作"Elegy"にも参加しているが,それは購入していても,レビューをアップしていない。この辺りに,私の彼に対する関心の低さが表れていると言っても過言ではない。

しかし,そのShai MaestroがECMからアルバムをリリースするとなっては,事情は変わってくる。ここではECMらしい詩的で抒情的なピアノを中心とした演奏を聞かせており,このレーベルのファンにとっては納得の出来と言ってもいいのではないか。昨今,ECMは有望なピアニストを傘下に収めて,いいアルバムを連発しているが,そこにこの一枚も加わったってところだろう。

それにしてもタイトルが「夢泥棒」ってのが,いかにもそれっぽいが,唯一演奏されるスタンダード,"These Foolish Things (Remind Me of You)"で聞かせるソロ・ピアノはKeith Jarrett的な感覚もありながら,やはり美しいという表現しか出てこない。その一方,最後の"What Else Needs to Happen"では米国前オバマ大統領の銃規制のスピーチをコラージュして,音とは違って硬派な主張も打ち出し,通常のECMとはちょっと違った雰囲気も出している。

いずれにしても,非常に聞き易いトリオ演奏であることは間違いなく,この響きに単純に身を委ねていれば,心地よく時間は過ぎていく。まぁ,私としては夢見心地の間に,心を奪われたって感じで,まさにこれが本当の「夢泥棒」。星★★★★☆。

Recorded in April, 2018

Personnel: Shai Maestro(p), Jorge Roeder(b), Ofri Nehemya(ds)

2018年11月 3日 (土)

今回もKenny Wheelerを想起させたWolfgang MuthspielのECM作

"Where the River Goes" Wolfgang Muthspiel(ECM)

_20181028_2前作"Rising Grace"から比較的短いインターバルでリリースされたWolfgang MuthspielのECMにおけるリーダー作である。前作は約2年前の今頃のリリースだったはずだが,結構豪華なメンツをまたも集めるというのは,ECMレーベルにとっても相当なことである。ドラムスがBrian BladeからEric Harlandに代わっているが,優秀なミュージシャンであることには変わりはない。だが,私にとっては,Brad Mehldauの参加が本作のキモであることは,前作同様である(きっぱり)。

前作を聞いた時に,私はECMの先祖がえりと評した(記事はこちら)が,今回もその印象は変わらない。Ambrose Akimsireのラッパを聞いていると,どうしてもKenny Wheelerの往時のアルバムを思い出してしまうのである。そして,本作のメンバーは必ずしもECMゆかりの人ばかりではないが,セッション・アルバムとしてリリースするところはまさに70年代から80年代のECMにはよくあったことだ。思うに,異種格闘技とまでは行かないが,メンツをとっかえひっかえしながら,アルバムを作っていたようなところもECMにはあった。本作はドラムスを除いて,前作とメンバーは一緒だから,必ずしもそうした企画とは違う。しかし,出てくる音がどうしてもKenny Wheeler的に聞こえてしまうのだ。だが,それは決して悪いことではなく,むしろ私にとっては歓迎すべき音作りだったと言ってよい。

ブルージーな感覚が強いBrad Mehldauのオリジナル"Blueshead"以外が,リーダーMuthspielのオリジナルだが,全編を通じて決して「熱く」ならないのが,ECMらしいところである。まぁ,このジャケットで,ゴリゴリのジャズが出てきたら,逆に笑ってしまうが...。Brad Mehldauとしては助演に徹しているって感じが強いが,やはりこれだけのメンツが揃えば,レベルは高いねぇ。ってことで,毎度のことながらECMには甘い私だが,星★★★★☆。

Recorded in February 2018

 Personnel: Wolfgang Muthspiel(g), Ambrose Akinmsire(tp), Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds)

2018年11月 1日 (木)

「ガリレオ」シリーズ久々の新作:相変わらず面白いねぇ。

「沈黙のパレード」 東野圭吾(文藝春秋)

Photo_2「ガリレオ」シリーズの長編としては「真夏の方程式以来なので,7年ぶりぐらいってことになるはずである。私はなんだかんだ言って,このシリーズと加賀恭一郎シリーズはついつい買ってしまうが,今回も面白く読ませてもらった。

昨今の東野圭吾の小説は映像化が前提みたいになっているのではないかと思える部分もあるが,本作なども,映像化にはぴったりのネタが揃っているし,かつ映像化された時のキャスティングはどうなるのかなんてついつい考えてしまう。本作最大の悪役は誰が演じるのかが興味の焦点と言っては言い過ぎか(苦笑)。

いずれにしても,理系出身者らしい東野らしいトリックだよなぁなんて思うのは毎度のことだが,やや登場人物が多くて戸惑う部分もある。しかし,加賀恭一郎シリーズ同様,東野圭吾のストーリーにはそこはかとなく「人情」が通奏低音のように流れているところが人気の所以かもしれない。まぁ,もう少し「ピカレスク」な部分があってもいいように思うが,そういう時代ではないのかもしれない。

私としては「真夏の方程式」よりは面白かったって感じだな。ってことで,星★★★★。

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