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2018年10月27日 (土)

これまた久しぶりに山下洋輔の"Sakura"を聞く。

"Sakura" 山下洋輔(Verve)

_20181022前にもこのブログに書いたことがあるかもしれないが,高校生の頃,私は全く山下洋輔のやっている音楽が理解できなかった。若いくせに音楽は調性の範囲で生き,そして破壊する衝動なんかなかった,ある意味全然面白くない高校生であった(苦笑)。

そんな私がようやく山下洋輔の音楽に目覚めたのは"Montreux Afterglow"を聞いてからだが,その演奏ぶりはまさに爽快だと思うようになってしまうのだから,人間どう変わるかわからない。私にとっては,山下洋輔は,中村誠一~森山威男,あるいは坂田明~森山威男,もしくは小山彰太とやっている頃が最高の山下洋輔だと思っている。もちろん,武田和命,林栄一とのトリオ+1だっていいのだが,やはり山下洋輔はドシャメシャな音楽をやって欲しいのである。

今や大ヴェテランであり,巨匠の領域に入ったと言ってもよい山下洋輔であるが,私は最近の山下洋輔の音楽にはほとんど触れるチャンスがなくなってしまった。これは私の音楽的な嗜好の変化もあるし,ライブに足を運ぶための時間の調整の難しさゆえってこともあるが,多分,このニューヨーク・トリオの結成以来,やや保守化した感じがあることも影響しているのではないかと思っている。以前ほどの激しさは,このトリオ結成以来,あまり感じなくなったのは紛れもない事実なのだ。

真っ当なジャズとして聞いている限りは全然問題ない。だが,これは私が没入した山下洋輔の音楽とはちょっと違うのである。つまり,山下洋輔の音楽としてではなく,ジャズ・ピアニストの音源として聞けば,非常に魅力的に響くのだが,感覚的な違いと言うか,結局は受け手側の問題である(きっぱり)。「砂山」とか「うさぎのダンス」とかも再演しているが,やっぱりここにはもう少しの激しさと坂田明が欲しいと思ってしまうのだ。もちろん,多分今でもライブの場では,肘打ちもこぶし打ちもやるんだろうが,年齢からしてももはや洋輔も76歳なんだから,落ち着いてきても文句は言えない。それでもなのである。このアルバムがレコーディングされたのは30年近く前なのだ。多分,録音のせいもあるとは思うのだが...。

いずれにしても,そうした違和感はあるものの,この音楽は今回久しぶりに聞き直してみて,実によくできたピアノ・トリオのアルバムという感じであった。星★★★★。

Recorded on May 1-3, 1990

Personnel: 山下洋輔(p),Cecil McBee(b), Pheeroan akLaff(ds)

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