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2018年6月30日 (土)

日本対ポーランド戦についての思い。

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日本代表の決勝トーナメント進出は非常にめでたいことだ。そのことに異議はない。下馬評を覆した日本代表には改めて敬意を表したい。だが,雌雄を決するポーランド戦の内容については,私は全く納得していない。

今回の試合にはいろいろなシナリオがあった。日本が勝つか引き分けるのが最も確実な決勝トーナメントへの進出方法である。敗戦したとしても,コロンビア〜セネガル戦の結果次第では進出の可能性があることはわかっているから,それに応じた戦い方もあるのもわかる。だが結果によりグループ首位通過と2位通過では,今後に大きな違いがあることも事実であった。

だが,最初の勝つか引き分けというシナリオは,ポーランドに先制を許した段階で崩れた。そもそもあのFKからの失点が全くいただけない。大迫がゴール前につめ、酒井高徳もマークに入っていながら,上の写真のように簡単に振り切られ,完全に相手DFベドナレクをフリーにしてしまったあのディフェンスはなんだ?セットプレーへの対応が課題でありながら、あれでは問題である。この段階では,コロンビア対セネガルがスコアレスのままだったので,日本は絶対に点を取りに行かなくてはならない状況だった。

しかし,その後,日本は足が止まり,前線にボールがフィードできないばかりか,攻めなければならない時間に,逆にポーランドに押し込まれていたのが次なる問題だ。天候や連戦による疲労もあるだろうが,全く攻撃になっていなかったのは明らかだ。

そしてコロンビアが1点先制した後の,パス回しで時間稼ぎをした姿には,私はスポーツマンシップの欠如を強く感じた。今回の日本代表は逆境をはね返す強さを持っていることが,彼らに対する評価を上げた要因であるにもかかわらず,あのやり口は何なんだ。「試合に負けて,勝負に勝った」と言えば聞こえはいいが,これからサッカーを目指す青少年に対してさえ悪影響しか及ぼさないあのやり方は,どうしても褒められないし,何の感動もなかった私である。

西野監督の采配はあれはあれで仕方がない部分もあるし,1位通過したいコロンビアだってセネガルに得点機を与えないため,ボール回しに徹していたかもしれない(そっちは見ていないからわからないが...)。ポーランドも勝ち点3があればいいと思ったのか攻め手を緩めたのも事実だ。だとしてもである。私は今回の試合にはどうしても後味の悪さを感じたし,あのやり方は日本らしくないとしか言いようがない。"Samurai Blue"というニックネームが空々しく響き,フェアプレー・ポイントで薄氷の一次予選通過というのが,まさにジョークとしか思えない。あの戦い方はフェアプレーから乖離したものであり,単なる勝利至上主義だ。

次戦は更なる強豪ベルギーが相手である。次からはノックアウト方式なのだから,今回のような「せこい」戦い方は許されない。日本代表が最初の2戦から,ポーランド戦前半までのような正々堂々とした戦いを挑む姿が見たい。

ベルギー戦では今回のことは水に流して応援するが,午前3時キックオフはきついよなぁ。延長だ,PK戦だってなると,終了時間は更に遅くなる訳だが,いずれにしても予選リーグ通過チームとして,敗退したセネガルのためにも全力で戦って欲しいものである。

2018年6月28日 (木)

これまた久々のEric Dolphy: "The Illinois Concert"

Eric_dolphy

"The Illinois Concert" Eric Dolphy (Blue Note)

_20180624誰でもわかることだが,これはEric Dolphy屈指の傑作ではない。そんな思いもあって,私は本作を購入して,暫くしてからこのアルバムをクロゼットに押し込んでいたので,実はこのアルバムを聞くのは非常に久々であった。

私はかなりのDolphy好きではあるが,なぜそんな私がこのアルバムに冷たいのかと言うと,多くの人から賛同を得られると思うが,ライブの開催場所であるイリノイ大学のバンドを加えた演奏によるところが極めて大である。正直言って,6曲目"Red Planet"で加わるブラス・セクションも,最後の"G.W."で加わるビッグバンドもなくてよい存在なのである。当時の大学生たちに場を与えるということは,まぁわからないではないが,正直言って彼らの演奏は「蛇足」以外の何ものでもない。邪魔とまでは言わなくとも,いらぬ存在であることは間違いないのである。まぁ,若き日のCecil Bridgewaterなんかがいるが,そんなことは問題にはならない。

その印象は久々に聞いた今回も変わらなかったが,最後の2曲以外の演奏は,こんなによかったっけ?と思わせるほど印象がよかった。間違いなく,サイドマンのレベルに問題があるとしか思えないEnjaの"Berlin Concerts"なんかよりずっとよく感じる。もちろん,音はそんなによくないし,これを聞くなら別のもっと出来のよいアルバムを聞いていりゃいいじゃんというのも確かである。しかし,Dolphyのアルバム(特に発掘盤)は,Dolphyの技を聞ければいいという話もあって,このアルバムはHerbie Hancockの参加というオマケはあるものの,聞きどころはあくまでもDolphyだと思える。最後の2曲だって,Dolphyだけ聞いていればいいのである。

とにかくバスクラのソロで演じられる"God Bless the Child"とかにはさぶいぼ立つわって言いたくなる。本当に凄いプレイヤーであったことを改めて思い知らされたアルバム。星★★★★。

それにしてもカッコいいジャケットである。この写真を撮ったのはLee Tannerという人だが,彼が撮ったDolphyの写真がネット上にあったので,それも貼り付けておこう。カッコよ過ぎである。くぅ~っ。

Recorded Live at the University of Illinois on March 10, 1963

Personnel: Eric Dolphy(as, b-cl, fl), Herbie Hancock(p), Eddie Khan(b), J.C. Moses(ds)

2018年6月27日 (水)

Dave Liebmanの"Fire":これはあらゆる意味で厳しい...。

"Fire" Dave Liebman(Jazzline)

_20180623_3Dave Liebmanは多作の人である。リーダー作はもちろん,神出鬼没にほかの人のアルバムにもゲスト出演しているから,一体何枚ぐらいアルバムがあるのやら...って感じである。日本で真っ当に情報を抑えているのは,新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスターぐらいではないか。

そんなLiebmanがKenny Werner,Dave Holland,Jack DeJohnetteというリズム・セクションを伴ってアルバムをリリースすると知れば,購入意欲が高まる好き者は多いはずである。ピアノをRichie Beirachに代えれば,名作"First Visit"と同じメンツであり,あの世界の再現を期待してしまう。しかしである。ここで展開されるのはほぼフリー・インプロヴィゼーションと言うべきもの。別にフリーが悪いという訳ではない。私はLiebmanがEvan Parkerと対峙した"Relevance"は全面的に支持している(記事はこちら)し,フリー・ジャズにも抵抗はない。しかし,このアルバムには,このメンツならではと言うべき激烈感を感じることができなかったのは残念である。

火花が散って,それが燃え上がり,それが大火となり,地獄を見て,最後は灰燼に帰すという曲目を見れば,タイトル通り「火」をテーマにしたコンセプト・アルバムなのかと思いたくなるが,その燃え上がり方がどうにも私には中途半端に聞こえるのだ。燃え上がるなら,もっと徹底的に燃え上がって欲しいと思ってしまう。Liebmanにはそれができるはずだと思うがゆえに,ちょっとこのアルバムは私にとっては期待はずれだったと言わざるをえない。

演奏そのものの質は高いとは思うが,タイトル・トラック冒頭におけるピアノなんて,調律してんのか?と思いたくなるのも事実であり,もっと「ぐわ~っ」とならないと,どうにも私としては居心地が悪いと言うか,全面的に楽しめないのである。

私としてはDave Liebmanははまだまだ"Relevance"で聞かせたパワーが発揮できると思うので,これではやはりイマイチと言わざるをえないというのが実態。Liebmanのソロは聞きどころがあるのに免じて星★★★とするが,何度もプレイバックするような音楽だとは全く思っていない。音楽そのものも厳しいが,聞き続けるのも厳しい。

Recorded in April, 2016

Personnel: Dave Liebman(ts, ss, wooden-fl, c-fl), Kenny Werner(p), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds)

2018年6月26日 (火)

久しぶりに聞いたJ.J. Johnsonのアルバム

"Standards-Live at the Village Vanguard" J.J. Johnson (Antilles→Emarcy/Universal)

_20180623_2いつも取り出せる場所には置いてあっても,プレイバックの回数が少ない音源はいくらでもある。これに限らず,J.J. Johnsonの何枚かのアルバムは,「一軍」の棚に入れてあるが,聞く回数は全然多くない。これもそんな一枚。もともと,このアルバムはAntillesレーベルから出ていたものだが,このレーベル,私にとってはGil Evansの"Priestess"をリリースしたことだけでも価値があるが,Ronald Shannon Jacksonのような尖がったアルバムも出していたところは,さすがIslandレーベルの傘下だけのことはある。

そうしたレーベルからJ.J. Johnsonのようなコンベンショナルなミュージシャンのアルバムも出てしまうというのが不思議なところはあるが,まぁ,それはさておきである。J.J. Johnsonは70年代はもっぱらテレビや映画の仕事で過ごしたようだが,80年代に入って,ジャズ演奏を復活させたようである。そして,このアルバムは1988年のVanguard出演時の模様を収めたものだが,本作とこれの姉妹作である"Quintergy"とどちらが先にリリースされたのかは覚えていないが,確か"Quintergy"が先だったような...。私は両方のアルバムを保有しているが,今日は後にEmarcyから再リリースされたこちらを取り上げよう。因みに"Quintergy"が本作同様再リリースされたかどうかもよくわかっていない。

"Standards"というタイトルはついているが,2曲J.J.のオリジナルも入っている。そのほかはまぁよく知られた曲が入っているが,Monkの"Misterioso"なんて確かにテーマ部はMonkのメロディだが,アドリブ部は普通のジャズとなっていて,これはこれでありだなぁと思わせる。いずれにしても,軽快な部分としっとりした部分を兼ね備えた優れたコンベンショナル・ジャズだと言ってよいと思う。そうした中で後半に演じられる「枯葉」はテーマを崩して演奏し,あの超有名なテーマ・フレーズを提示しないのが面白い。まぁ,そうは言ってもあのSarah Vaughanの「枯葉」のような超絶的な崩しとスリルは感じさせないが...。

だが,このアルバムはジャズ・クラブのライブならではの適度なリラクゼーションが感じられて,実に聞いていて心地よいアルバムであることを再認識。バックのメンツも好演。Stanley Cowellってのはちょっと意外な気もするが,極めてまとも。また,Ralph Mooreも堂々たる吹奏ぶりで大したものである。星★★★★。

Recorded Live at the Village Vanguard on July 9 & 10, 1988

Personnel: J.J. Johnson(tb), Ralph Moore(ts, ss), Stanley Cowell(p), Rufus Reid(b), Victor Lewis(ds)

2018年6月25日 (月)

日本対セネガル戦を振り返る。

Photo

勝ち点3同士の日本対セネガルの試合は,決勝トーナメント進出を占う上で,非常に重要な一戦となった。結論から言えば,勝つチャンスは間違いなくあった。しかし,先制された後,乾のゴールで追いつき,勝ち越された後,本田のゴールで追いつく展開は,今までの日本代表と異なる部分を感じさせ,収穫も感じさせるドローだった。

セネガルのカウンターとそのスピードは確かに脅威であり,危ないシーンも何度かあった。だが,細かいパスへの対応能力には限界もあり,そこをついていけば,勝機はあると思いながら試合を見ていた。ただ,日本代表には相変わらずつまらないパスやクリアのミスもあれば,特に前半はプレスもかけられないほど,翻弄されている印象があったのは確かである。1点目の失点は原口の明らかなクリア・ミスに,GK川島の判断ミスが重なったものであり,早い時間の失点にがっくりきたのも事実である。

しかし,前半のうちに乾のゴールで追いついたのは,本当によかったと思う。だが,後半も攻勢に出ていた日本代表に対し,一瞬の隙をついて2点目を入れられたときは,正直敗戦を覚悟していた。間違いなく,後半に入って香川の活動は目立たくなっていたし,原口も疲労していた。そこに交替で入れた本田で追いついてしまうという展開を誰が想像しただろうか。西野監督の采配が当たったと言えばその通りであるが,正直これは今までの日本代表ではなかったことなのだ。

今までの日本代表は,勝ち越しや逆転を許すと,途端にダメダメになるというパターンを繰り返してきたことを考えると,今回の日本代表は,周囲からボロクソに言われていたのを精神のてこにして強くなっているとしか思えない。正直言って,私も本田は日本代表に必要なのかと思っているクチだが,コロンビア戦,セネガル戦での貢献を考えれば,好き嫌いは別にしても,本当にこの人は何かを「持っている」としか言いようがない。

だが,この試合で2得点の起点になったのはあくまでも乾であって,私はMVPは乾とするべきと持っている。本当に乾の左サイドからゴール右端に突き刺すゴールは,何度見ても素晴らしいし,彼の得意技と言ってもよいだろう。

ポーランド戦はそれこそ引き分けでもいい訳だが,ここを勝ちに行く姿勢を示して,最低でも勝ち点1を得れば,日本代表は決勝トーナメント進出なのである。ポーランドはそれでもFIFAランキング上位国として真っ当な勝負を仕掛けてくるだろうが,モチベーションは相当影響するはずである。よって,次戦ポーランド戦は日本代表有利だと思って,28日の試合に臨むこととしよう。

まぁ,決勝トーナメントに進出したとしても,次の相手はベルギーかイングランドという鬼のような相手であるが,勝ち残ることにまずは価値がある。ってことで,今日も頑張れニッポン!で締めておこう。こうなったら勝って1位通過だ!

2018年6月24日 (日)

Fred Herschとクラリネットのデュオの旧作を今更ながら...。

"Da Vinci" Nico Gori & Fred Hersch (Bee Jazz)

Da_vinci先日,Fred HerschがクラリネットのAnat Cohenと共演したライブ盤についての記事をアップした(記事はこちら)が,それに先立ってHerschはクラリネットとのデュオ・アルバムを出していたのを思い出し,今更ながら記事のアップである。

Anat Cohenとのライブも非常にいい出来だったと思うが,このアルバム,選曲のよさもあり,ライブ盤に勝るとも劣らない作品と思える。スタンダード"Old Devil Moon"で幕開けるが,その後,近年のFred Herschのライブにおいても主要なレパートリーになっているFred Herschのオリジナルや"Doce de Coco"のような曲が並んでいるところに,Fred Herschのファンなら嬉しくなってしまうはずである。

パートナーの煮こごり,もとい,Nico Goriは1975年フィレンツェ生まれだそうである。その活動はイタリア国内が中心と思われるが,Fred Herschとのコンビネーションも上々のリリカルなサウンドを奏でている。"Mandevilla"のような曲では牧歌的なところさえ感じさせるが,全編を通して優れた演奏が聞ける。

もちろん,これらの曲の演奏はFred Herschのソロであってもいい訳だが,これはFred Herschの音楽性とも合致した演奏であり,高く評価したくなる一枚である。まぁ,強烈なインタープレイという感じでもないが,落ち着いた大人の対話みたいなものである。

実を言えば,私はこのアルバムはダウンロードで音源を仕入れていたのだが,先日のAnat Cohenとのライブを聞いてから,本作を改めて聞き直して,曲のよさに再度気づくということで媒体を購入したものである。本作をリリースしたBee Jazzレーベルはフランスの独立レーベルだが,最近は活動が伝わってこないところを見ると,倒産した可能性が高いので,本作も媒体としては入手が難しくなるかもしれないので,今更ながらではあったが,手に入れておいて正解だったかもしれない。星★★★★☆。尚,エンジニアリングは昨今話題になることが多いStefano Amerioである。

Personnel: Nico Gori(cl), Fred Hersch(p)

2018年6月23日 (土)

数々のピアノ曲とSufjan Stevensのオリジナルにしびれる「君の名前で僕を呼んで」のサントラ。

"Call Me by Your Name:Original Motion Picture Soundtrack" Various Artists (Madison Gate)

_20180623以前映画に関する記事もアップした「君の名前で僕を呼んで」(記事はこちら)のサントラである。そこには私は「本作は音楽が素晴らしく,久しぶりにサントラ盤が欲しくなってしまうものであった」と書いたが,有言実行である。

まず,この映画を見ていて,そう思ったのは,映画で流れるピアノ曲の美しさであった。特に冒頭に流れるJohn Adamsの"Hallelujah Junction"に痺れてしまって,サントラが欲しいと思ったのだが,そのほかにも坂本龍一の曲も非常にいい感じであった。だが,この本当にこのサントラを欲しいと思わせたのは,Sufjan Stevensがこの映画のために書き下ろした曲の素晴らしさであったと言っても過言ではない。この映画のためにSufjan Stevensが書いたのは"Mystery of Love"と"Visions of Gideon"の2曲だが,これが本当にいい曲なのだ。更に旧作"The Age of Adz"に収録されていた"Futile Devices"のリミックス・ヴァージョンであるが,こんなにいい曲だったか?と思わせるに十分である。

それ以外は映画の時代背景を反映したディスコ調の曲であるが,それらはさておき,私にとってはピアノ曲とSufjan Stevensがあればこのアルバムは成立である。映画と音楽が一体化した優れた事例である。とにかくここでのSufjan Stevensのオリジナルを聞いて頂ければ,わかってもらえると思う。星★★★★☆。せっかくなので,Sufjan Stevensによる書下ろし2曲を貼り付けておこう。 

2018年6月22日 (金)

まさに枯淡:Chris AndersonとCharlie Hadenのデュオ作。

"None But the Lonely Heart" Chris Anderson & Charlie Haden (Naim)

_20180617_3ブログのお知り合いの910さんが,ここのところCharlie Hadenのデュオ・アルバムの記事をアップされていて,そう言えばこんなのもあったなぁということで,久々に聞いたアルバム。

ピアノのChris Andersonは骨化不全症と盲目という二重のハンディキャップを背負いながら,独特なフレージングで,Herbie Hancockにも影響したと言われるミュージシャンである。Chris Andersonのアルバムは決して多くない中,本作はデュオ名人,Charlie Hadenとの共演を果たしたもの。まぁ,Chris Andersonその人そのものの知名度は必ずしも高くないだろうし,これもイギリスのNaimレーベルという地味なレーベルからのものなので,あまり目立つ作品とは言えないかもしれない。

だが,ここでの演奏は,基本的にバラッドで占められたものであり,一言で言えば地味であるが,それこそ渋い。まさに「枯淡」という表現しか思い浮かばない作品である。決してきらびやかな作品ではないし,ワクワクするような感覚のものでもない。しかし,この作品の持つ何とも言えない味わいにはまさに捨て難い魅力がある。

Charlie Hadenはいつもながらのベースって感じで演奏を行っているが,こういうセッティングには本当にぴったりの音を出す人だと思える。そして,Chris Andersonはあるいみクセのあるピアノを弾く人だと思っているが,ここでは非常に抑制された演奏となっており,夜中に聞くには最適だなぁと思わせる。今はなき,Bradley'sなんかでよくこういう演奏をしていたなぁと思いだしてしまう私だが,Bradley'sをこよなく愛していた私にとって,極めてフィット感の高い音楽である。2人の共作のブルーズ1曲以外は,渋めのスタンダードというレパートリーもいいねぇ。

歴史的な名演とかそういう類のものではないが,こういうのを愛すべき小品と言う。星★★★★☆。

Recorded on July 5-7, 1997

Personnel: Chris Anderson(p), Charlie Haden(b)

2018年6月21日 (木)

Mike Stern@Blue Note東京参戦記

C6e84354418b4fabb6b00663c45bcd0d私はMike Sternのファンである。なので,彼が来日するとなれば,ライブには出掛けるし,NYC出張中に55 Barやほかのヴェニューに出ることがわかっていれば,駆けつける。4月のNYC出張中も,後輩を引き連れて55 Barに行った。そのマイキーが小曽根真,Tom Kennedy,Simon PhillipsでBlue Note東京に出演するとあって,今回も行ってきた。

NYCでの演奏でもわかっていたのだが,手の怪我の影響は演奏には出ていないが,手の状態は握手をするのも大変な感じなのは痛々しい。それでも,彼のファンを大事にする明るいキャラで救われている感じがする。

今回もマイキーの演奏は快調そのもの。Tom Kennedyはボトムを支えるだけでなく,ファンキーなソロもよかった。そしてSimon Phillipsは明らかにマイキーとのハードな共演を楽しんでいると思われ,今回も超タイトなドラムスを聞かせてくれた。今回のドラムスの興奮度はBill Evans(サックスの方)のBlue Note東京におけるライブ盤におけるDennis Chambersのドラムスを彷彿とさせるものだった。今回,驚いたのはSimon Phillipsが右手でも左手でもシンバル・レガートを決めていたことだが,それを見て彼は両手利きなのか?と思っていた私である。

642f0b0020b949439312ba580720ebcd ということで,彼らの演奏には全然不満はない。私が不満なのははっきり言って小曽根真である。どうして,マイキーのバンドにほんの短い時間とは言え,クラシカルなサウンドを持ち込まなければならないのか?ああいうのはChick Coreaとやってくれよと言いたい。マイキーも小曽根に合わせてパラパラとフレーズを弾いていたが,マイキーのファンはあんな音は求めていない。Tom KennedyとSimon Phillipsがリーダーたるマイキーの音楽を尊重していたのと真逆である。ピアノをお上品に弾くのは自分のライブでやってくれればいいし,はっきり言うが,全然合っていない。小曽根真はやろうと思えば,ちゃんとアーシーなオルガン・プレイだってできるのは4年前の同じBlue Note東京でのマイキーとの共演でわかっているのに,オルガンさえも大して面白いとも思えず,今回は非常に印象が悪かったと言っておこう。私はどうせなら小曽根真抜きのトリオでやってくれと思っていたというのが本音である。

19ca54a6b36142b2bdba7430de843a21まぁ,それはさておき,ライブ終了後に縁あって楽屋を訪れることができたが,Tom Kennedyもナイスガイなのには本当に嬉しくなった。マイキーもTom Kennedyも本当にいい人たちなのであった。小曽根真の演奏に納得できていなかった私だが,マイキーとTomとの会話で気を取り直したのであった。マイキーは4月に55 Barで会ったのを覚えてるとか言っていたが,ほんまか?と思いつつついつい喜んでいた私である。ってことで,今回の戦利品と「マイキーと私」,「Tom Kennedyと私」の写真をアップしておこう。“Trip”のCDには地味にTom Kennedyのサインも入っているが,わかるかなぁ...。

Live at Blue Note東京 on June 18,2018

Personnel:Mike Stern(g, vo), 小曽根真(p, org), Tom Kennedy(b), Simon Phillips(ds)


2018年6月20日 (水)

日本代表,コロンビア撃破! 嬉しいねぇ。

523cbd14019e4b2da03afb249e92d8d1対戦前にはコロンビアに勝つと思っている日本人が少なかったというのが,今回の日本代表への期待レベルではないかと思うが,勝っちゃったねぇ。見事な,そして嬉しい裏切りだ。

私は出張先の下関のスポーツバーで試合を見ていたのだが,勝ったからよかったものの,ほぼ試合を通して11対10の数的優位に立ちながら,実質的に優位に立てないという点では欲求不満だった私である。つまらないミスもあったし,プレスもサイド・チェンジも十分ではなかったと思う。しかもスポーツバーにいた連中はほとんどサッカーを理解していないと思わせたから,結構私はさめていたが,それでもこの勝利はでかい。勝てば官軍である。また眠れぬ夜が長くなっても仕方ない。

とにもかくにもPKを決めた香川も,決勝点を決めた大迫も見事であった。実は香川のPKのシーンでは天に祈り,決めた瞬間,涙していた私である。いずれにしても次戦はポーランドを倒したセネガル戦だ。次戦は決勝トーナメント進出の鍵を握る重要な一戦だ。次も頑張れニッポンだ!

2018年6月19日 (火)

Jack Wilkins:それにしてもよく指が動くねぇ。

"Keep in Touch" Jack Wilkins - Kenny Drew Jr. Quartet (Claves)

_20180617_2_2先日,Jack Wilkinsの初リーダー作"Windows"をこのブログで取り上げたが,私は結構,Jack Wilkinsのアルバムを律儀に買ってきた方である。正直なところ,アルバム単位で言うと,あまり面白みも感じなくなったので,最近はそういうこともなくなったが,ある程度の枚数は保有している。しかし,一部を除いてすぐに取り出せる場所にはない。その程度の評価が私の中では確立してしまっている。このCDも別の探し物をしていて,気まぐれで取り出してきたもの。

 そんなJack Wikinsのアルバムは好き者が注目するぐらいで,全然盛り上がってこないのは,彼の実力を考えれば,非常に不思議なことである。非常にもったいないことではあるが,まぁそれもどうこう言っても仕方ないのかなぁと思ってしまう。

そのJack Wilkinsのテクニックがまさに素晴らしいものであることは,このアルバムを聞いてもすぐにわかる。スピード感とアーティキュレーションに優れた,コンベンショナルなジャズ・ギターと言ってよいだろう。そこに多少コンテンポラリー感を付加するのも,いかにもJack Wilkins的。ここでも高速フレーズを連発しながら,淀みのないフレージングを展開している。そこに,これまた結構なテクニシャンであるKenny Drew Jr.のピアノが相まって,なかなかにご機嫌な演奏が展開されている。

まぁ,それでもうまいのはわかるのだが,ちょっと似たような感じの演奏が続く印象があり,もう少しメリハリをつけてもいいような気がするし,こっちもちょっと「おなか一杯」って感じがしてしまうのはちょっと惜しい。それは演奏時間が70分近いということもあるかもしれないが。レパートリーは多岐に渡っており,Kenny Wheelerの"Smatter"なんて曲はかなりいいねぇと思わせるが,アルバムのトーンの一本調子感は否めない。まぁ,それでもちゃんと”If You Could See Me Now"なんてしっとりとやっていてかなりいいし,Jack Wilkinsのアルバムの中では,かなり聞きどころを持ったアルバムであり,もうちょっと手に取りやすいところに置いておこうと思うには十分であった。佳作と言ってよいアルバムとして星★★★★。

Recorded on May 18 & 19

Personnel; Jack Wilkins(g), Kenny Drew Jr.(p), Andy McKee(b), Akira Tana(ds)

2018年6月18日 (月)

Eric Claptonのブルーズ・アルバムならもっといいものができるような...。

"From the Cradle" Eric Clapton (Warner Brothers)

_20180617誰もEric Claptonのブルーズに対する愛情は否定しないだろうし,素晴らしいブルーズ演奏を残していることも認識しているだろう。だが,この1994年にリリースされたこのブルーズ・アルバムはどうもあまり面白くない。

私にとって,このCDがトレイに乗る回数が少ないのは,冒頭の"Blues Before Sunrise" から聞かれる力みまくったClaptonのヴォーカルに行き過ぎ感をおぼえるからだと言っても過言ではない。イントロのスライド・ギターなんてそれこそぶちかまし的で,期待をさせるところが大きいにもかかわらずである。

そして,このアルバムを通じて,Claptonのギターを聞いている限りは,結構かっこいいねぇと思わせるのだが,ヴォーカルを含めた全体の演奏を聞いていると,強く感じる「一丁上がり」的なところが私をさめさせるのである。かなり激しいギター・ソロを聞かせても,私としては一向に高揚感が盛り上がってこない。そして,こういうアルバムに求められるであろう「渋さ」が感じられないところには違和感がぬぐえない私である。ギター・ソロは聞くべきところがあるが,全体では星★★☆ぐらいにしか評価できない。やはりここでのClaptonには力みを感じるというのが正直なところ。これがインスト・アルバムだったらもう少し印象が違っていたかもなぁ。

Personnel: Eric Clapton(vo, g), Dave Bronze(b), Jim Keltner(ds),Andy Fairweather Low(g), Jerry Portnoy(hca), Chris Stainton(key), Roddy Lorimer(tp), Simon Clarke(bs), Tim Sanders(ts), Richie Hayward(perc)

2018年6月16日 (土)

祝ワールドカップ開幕。

C5ec6ba435cf4f4086e2cce860adae70 今年も4年に一度の祝祭の季節がやってきた。今朝早朝には早くもスペイン〜ポルトガルという注目の一戦があり,朝から興奮していた私である。

圧倒的ボール支配のスペインに対し,少ないチャンスを3点につなげたChristiano Ronaldoの戦いは見応え十分。彼らの持つ素晴らしい決定力は日本代表に分けて欲しいって感じである。あのCR7の同点ゴールとなったFKはまさに芸術的。朝からいいものを見せてもらった。

一方,開幕戦のロシアの大勝を見ていて,事前の下馬評はあてにならないってことが,日本代表にも当てはまらないかなぁなんて漠然と思っていた私である。来週火曜日はいよいよ初戦となるコロンビア戦である。ぜひ日本代表にも前線でのプレスを効かせた戦いぶりを期待することにしよう。乾と香川は先発させるだろうが,どのようなフォーメーションでも,とにかくプレスである。頑張れ!日本代表‼︎

2018年6月15日 (金)

Christian McBride's New Jawn@Cotton Club参戦記

Christian_mcbride_at_cotton_club

今日はChristian McBrideの新しいバンドであるNew Jawnのライブを見るために,Cotton Clubに行ってきた。今回は早割チケットみたいなのがあって,3割引きだったのは結構お得感ありである。

まぁ,これまでのChristian McBrideの活動からすれば,そこそこ埋まるだろうとは思っていたが,だいたい85~90%の入りってところだっただろうか。それでもって,今回のライブであるが,ピアノレスの2管クァルテットということもあり,これってOrnette Colemanを意識しているのではないかという感じもあったのだが,演奏が始まってすぐに,おぉっ,これはスポンテイニアスだと思ってしまった私である。ピアノレスであることにより,演奏の自由度が高まることは想定内であったが,ほぼフリー一歩手前みたいな演奏であり,私は演奏の質には満足していたのだが,どうもCotton Clubというヴェニューに合わないなぁとずっと思っていた。

こういう音楽がフィットするのはNYCであれば,Village Vanguardとかであり,東京ならばPit Innだろうって気がする。Cotton Clubに集う聴衆にも,Cotton Clubという場所そのものにも合っていないのである。冒頭に演奏したのはWayne Shorterの"Sightseeing"だと言っていたが,ってことはWeather Reportでやっていた曲ってことになるが,ほとんどテーマを除けば,それらしい感覚は得られないって感じなのだ。ビートは自由に変動するし,ドラムスのNasheet Waitsは,相当の煽りを入れる。本当に自由度が高いので,実は一番盛り上がったのが,アンコールでやったOrnette ColemanとPat Methenyが"Song X"で演じた"The Good Life"だったっていうのが象徴的である。この曲,"Song X"の20周年記念盤に収録されている曲だが,Ornetteらしい不思議なメロディ・ラインでありながら,この日,唯一ビートが安定していた曲なのだ。

結局のところ,フリーに近い演奏に慣れていない一般的な聴衆,あるいはCotton Clubというヴェニューを別の目的で使う人々にとっては,イメージと違うってことになってしまうのは仕方あるまい。繰り返すが,私は音楽には全然抵抗はなかったのだが,場所柄どうなのよって疑問だけが強く感じられたのであった。

まぁ"New Jawn"というバンド名はフィラデルフィア地方の表現からすれば"Something New"ってことになるはずなので,まさにChristian McBrideにとっては,これまでとちょっと違う音楽だったということは間違いのない事実である。

そうしたバンドの演奏の中で,ドラムスのNasheet Waitsは以前,Fred Herschと一緒にやっていたとは思えない叩きっぷりなのには驚いた。パワー,スピードを兼ね備えた器用なドラマーであることがわかったのは収穫である。

ただ,どうなのかねぇ。リーダーはMCも兼ねて人当たりがいいのは前からわかっていたが,ラッパのJosh Evansの愛想のなさは,ちょっと行き過ぎではないかと思えた。別に聴衆に媚を売る必要はないが,オーディエンスとのコミュニケーションなりはもう少し大事にする姿勢があってもいいように思える。Nasheet Waitsも同じようなもんだったが,最近のミュージシャンには珍しい不愛想ぶりが際立ったのは残念。Miles Davisだって不愛想だっただろうという人もいるかもしれないが,Josh Evansの実力,そして認知度はこのバンドで一番下なのだ。もう少し謙虚な姿勢を示してもいいと感じてしまう。

いずれにしても,私は音楽自体は聞いていて結構面白いと思っていたが,やっぱり場所の選択は間違ったと言わざるをえないというのが今日の結論。なんだか惜しいねぇ。Christian McBrideのライブとしては,前回聞いたトリオでの演奏の方が圧倒的に楽しかったと思わせてしまうところがもったいないのである。

Live at Cotton Club東京 on June 14, 2018

Personnel: Christian McBride(b), Josh Evans(tp), Marcus Strickland(ts, ss, b-cl), Nasheet Waits (ds)

2018年6月14日 (木)

久しぶりに聞いたら非常に面白かったHelen Merrillの"Brownie"。

"Brownie: Homage to Clifford Brown" Helen Merrill (Verve)

_20180613クロゼットの奥深く(笑)から取り出してきたアルバムである。保有していることはわかっていても,近年,全然聞く機会がなかったこのCDを気まぐれで取り出してきたのだが,久しぶりに聞いたら,これが結構味わい深くてびっくりしてしまった。保有しているCDでこういうのって,実は結構あるのではないかと思うのだが,だからたまにはちゃんと聞かないといかんのである(きっぱり)。

本作は企画アルバムながら,筋の通った制作ぶりが実によい。タイトル通り,Clifford Brownに捧げたアルバムであるが,これが録音されたのは,EmarcyレーベルにHelen MerrillがClifford Brownと吹き込んだアルバムから40年目という節目であった。それもあって,Clifford Brownゆかりの曲や,二人の共演アルバムにおけるClifford Brownのソロを採譜して,トランペット・アンサンブルで演奏させてしまうという演出も行われている。

このアルバムには4人のトランぺッターが参加しているが,一番いけていないのがWallace Roneyであることは誰が聞いても明らかだろう。ほかの3人と技量が違うというか,イマジネーションに欠けるのである。Tom HarrellやRoy Hargroveと比べれば,歌心においても違いがあり過ぎる。Lew Soloffはアンサンブル・リードって感じの役割が主だったと言ってよいと思うが,ソロに関してははTom HarrellとRoy Hargroveが本当にいい仕事をしている。だからこそ,Wallace Roneyとの落差を感じる私である。

そして,このアルバムを評するとすれば,まさに「味わい」ということであろう。これほどの味わい深さを持っていたという印象はなかったのだが,久しぶりに聞いて自分の審美眼のなさを通過してしまった。まぁ,正直言ってしまうと,Clifford Brownのソロをアンサンブルでなぞるってのは大した魅力を感じないのだが,それでもHelen Merrillの渋い歌唱もあって,このアルバムは私が思っていたよりずっとよいアルバムであった。反省も込めて星★★★★☆としよう。このアルバムが吹き込まれてから四半世紀近くが経過しているが,これこそ温故知新であった。

Recorded on January 21, 22 and 23, 1994

Personnel: Helen Merrill(vo), Tom Harrell(tp, fl-h), Lew Soloff(tp), Roy Hargrove(tp, fl-h), Wallace Roney(tp), Kenny Barron(p), Torrie Zito(key), Rufus Reid(b), Victor Lewis(ds)

2018年6月13日 (水)

大画面で「七人の侍」を見る至福。

「七人の侍」('54,東宝)

Photo監督:黒澤明

出演:三船敏郎,志村喬,木村功,稲葉義男,宮口精二,千秋実,加藤大介,津島恵子

先日,会社を休んでゴルフをする予定だったのだが,天候に恵まれず,ゴルフをキャンセルして,映画を見に行くことにした。前々から「午前10時の映画祭」と題して,新旧の名画を再上映しているのは知っていたのだが,なかなか行く機会に恵まれていなかった。しかし,もう今年で9回目ということで,そこそこ人気がなければ,これだけ続くことはないだろう。もちろん,世の中,映像ソフトはリリースされていて,家庭で見られないこともないのだが,やはり映画館で見る魅力は何ものにも代えがたい。

そして,今回選んだのが「七人の侍」である。私はDVDも保有しているし,いつでも見られるのだが,TVやPCでしか見たことがないので,一度劇場で見たいと思っていたものである。ようやく今回見られたわけだが,1,100円で見られるのであれば,全然文句はない。いずれにしても207分の巨大編である。

映画に関しては何も言うことはないぐらいの傑作であるが,今にして思えば,もう少し尺を短くすることはできたかもしれない。しかし,侍集めがひょいひょい進めば,それはリアリティを失うことになるから,前半については仕方ない部分もあろう。だが,この映画を大画面で見る意義は,後半の戦いのシーンにこそ表れる。特に最後の戦いとなる雨中の激しい戦い,アクション・シーンはまさに歴史に残る名演出と言ってもよいのではないか。今回,大画面で見て,大いに興奮させられた私であった。これは撮影の中井朝一の功績でもある。こんなシーンを撮るのに一体どれぐらいのテイクが必要だったのかは極めて興味深い。

そして,この映画を見ていて,宮口精二のカッコよさを再認識させられた私である。まさにハード・ボイルドなのだが,人間的な優しさとの二面性を見事に示されて,男の中の男と思ってしまった。何度見ても,ここでの宮口精二にはしびれる。

いずれにしても,こんなアクション映画が戦後10年も経っていない日本で撮られていたことは,今にして思えばまさに驚異的。アクション・シーンのスピード感も素晴らしく,文句のつけようがない。星★★★★★。

2018年6月12日 (火)

中古で拾ってきたJazzCityレーベルのDonald Brown盤

"The Sweetest Sound" Donald Brown(JazzCity)

_20180610先日,久々にショップに行って,中古盤を漁っていて見つけたアルバムである。JazzCityってレーベルは愛すべき小品みたいな作品が多くて,見つけるとついつい買ってしまう。このDonald Brown盤はその存在も認識していなかったものだが,安かったこともあり,無条件ゲットである。

Donald Brownは最も注目を浴びたのはArt Blakey & Jazz Messengersに参加していた頃だと思うが,Kenny Garrettとの共演も長いとは言え,やはり地味という印象はぬぐえない。だが,ここでのピアノを聞いていると,実力は十分あることは一聴してわかる。冒頭のCharnette Moffettのベース・ラインから始まるこのアルバムは,リスナーの期待を高めることは確実であろう。

まぁ,その後に続く演奏は,ハード・ドライヴィングではないものの,スウィング感に溢れたものであり,中道的なジャズのよさを感じさせるものだと思える。長らく教鞭を執ることに重きを置いていたため,レコーディング的には華やかなところはあまりないDonald Brownであるが,そうした人にアルバムを吹き込ませるところに,JazzCityレーベルのセンスの良さを感じさせる。

そうは言っても,最後にソロで演じられる"Killing Me Softly with This Song"なんて,いかにもカクテル・ピアノ的で,こういうのはどうなのよ?と思ってしまうが...。それでも,Donald Brownという人に対する注目度を少しでも上げることには貢献したものと思える。アルバムとしてはやっぱり中道中の中道って感じで,星★★★☆。

Recorded in June 1988

Personnel: Donald Brown(p), Charnett Moffett(b), Alan Dawson(ds), Steve Nelson(vib)

 

2018年6月11日 (月)

「万引き家族」は実によく出来た映画であった。

「万引き家族」('18,ギャガ)

Photo監督:是枝裕和

出演:リリー・フランキー,安藤サクラ,松岡茉優,城桧吏,佐々木みゆ,樹木希林,池松壮亮,高良健吾,池脇千鶴

カンヌ映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した話題作である。珍しくも家人のリクエストがあり,週末に見てきたのだが,これはタイトルからは想像もできないような映画であった。詳しく書くとネタバレになってしまうが,是枝裕和のこれまでの映画とも通じる「家族」がテーマであるが,その内容はかなりほろ苦い。かつ,昨今報じられる児童虐待の問題とも通じるところがあって,身につまされる感覚を覚える部分もある。

映画のポスターには6人の幸せそうな姿が写っているが,映画の中にこのようなシーンは出てこない。これがまさに反語のようにさえ思えてしまった私である。いずれにしても,家族とは何なのとかいうのを改めて考え直したくなるところに,この映画の本質があるわけだが,疑似的な体裁で成り立っている家族が,あまりにももろく崩壊することが描かれるが,それだけでは救いようのない映画となってしまうところに,ちゃんと救いを感じさせるシナリオになっているのがよかった。これは脚本も兼ねた是枝裕和の仕事ぶりを認めなければならない。

演技陣は子役も含めてすべて見事なものであるが,中でも映画後半になってからの安藤サクラの演技が突出している。極論すれば,この映画は安藤サクラの演技を見るだけで価値があると言ってもよいだろう。特に「泣き」のシーンは誰も否定できない力を持っている。これには私も見ていて,本当に感心してしまった。

正直なところ,映画そのものがどんな感じなのかわからず,あまり期待しないで見に行ったのだが,これは見て正解であった。そういう意味では家人に感謝せねば。星★★★★☆。実にいい映画である。かつ松岡茉優は可愛いと声を大にして言っておこう(爆)。

2018年6月10日 (日)

Fred Hersch & Anat Cohen: Herschの新作ピアノ・トリオ盤よりHerschらしいと言っては言い過ぎか。

"Live in Healdsburg" Anat Cohen & Fred Hersch(Anzic)

_201806092月にFred Herschが来日した時に先行してCotton Clubでも売っていたCDであるが,実は私はその時には買っていない。その後,ストリーミングで聞いて,これはかなりいいと思い始め,先日,珍しくもショップに行ったときに購入してきたものである。

Fred Herschが先日リリースしたトリオによるライブ・アルバム"Live in Europe"はレベルは高いのだが,Fred Herschらしい美感よりも,アブfストラクトで,トリオの緊密感を強く打ち出しているようにも感じられていて,もろ手を挙げて評価できなかったというのが正直なところである(記事はこちら)。しかし,こちらはいきなりHerschの美しいオリジナル"A Lark"で幕を開け,それこそこちらが期待する音が溢れ出してくる。

今回のデュオ・メイトであるAnat CohenとはNYCのJazz Standardにおけるデュオ・シリーズでも共演していたはずなので,Fred Herschにとっては馴染みの人だろうが,兄貴のAvishai Cohen(ラッパの方)とは音楽的には違う感じで,彼女のクラリネットはFred Herschのピアノに寄り添う抒情性をたたえたものと思える。

このアルバムが録音されたHealdsburgという町は,アメリカ西海岸有数のワイン・カントリーであるソノマ・カウンティにあるが,そういう町でこういう音楽を聞ける喜びってのは格別だろうなぁなんて思ってしまう。このアルバムもその町で開催されたHealdsburg Jazz Festvialの実況盤であるが,このフェス。毎年開催していて,今年も6/1~10の期間で行われている。Herschは今年はトリオで出演したようだから,このフェスとは結構縁が深いのかもしれない。場所柄行きたくなるところでもあるけどね(笑)。

それはさておき,これはFred Herschのリリカルな感じが聞けて,正直なところ,トリオ盤よりこっちの方が好きだなぁ。"The Peacocks"のイントロでは,最近のHerschらしいアブストラクトな感覚も若干顔を出すが,それはあくまでもイントロだけである。2月にこのアルバムをCotton Clubで購入しなかったのは,クラとピアノのデュオってどうなのよって思っていたところもあるのだが,それは完全に私が間違っていましたと言わざるをえまい。

とにかく,これは私が想定して以上によい。編成が編成だけに,演奏そのものにメリハリがつけにくいというところもあるかもしれないが,そんなことを気にせずに楽しめるアルバム。星★★★★☆。

Recorded Live at Raven Performing Arts Theater on June 11, 2016

Personnel: Anat Cohen(cl), Fred Hersch(p)

2018年6月 9日 (土)

コレクターはつらいよ(21):Brad Mehldauの国内盤新譜にボートラが...。

_20180518既にこのブログでもBrad Mehldauによるトリオによる新作"Seymour Reads the Constitution!"については記事をアップした(記事はこちら)。いつもながらのBrad Mehldauのハイ・レベルな演奏に嬉しくなったことは言うまでもない。

だが,先日,ブログのお知り合いのmonakaさんの本作に関する記事を拝見していて,本作の国内盤にはボーナス・トラックが入っていることがわかってしまった。それを知った以上,Brad Mehldau音源のコンプリートを目指す私としては,国内盤も買わざるを得なくなった(爆)。前にも書いたと思うが,コンプリートと言っても,既発音源を収めたコンピレーション盤まで集める気はなく,あくまでも,ほかのアルバムには未収録の曲が入っていれば買うというスタンスである。しかし,1曲のためにもアルバムを買う必要があるのは決して楽なことではないのだが...。まぁ,好きでやっているのだから仕方がない。

それでもって,今回の国内盤である。私はBrad Mehldauの新譜が出れば,一刻も早く聞きたいと思っているクチなので,リリース・タイミングが遅れがちな国内盤に手を出すことはまれなのだ。最初から分かっていれば,ストリーミングで我慢して,輸入盤購入を見送っていたかもしれないが,まぁいいや。

今回,ボーナス・トラックとして収録されているのはBrad Mehldauのオリジナル”Middle Game"である。本編の演奏同様,Brad Mehldauのオリジナルらしい響きを持つ変拍子の曲である。これを別にボツにしなくてもいいではないかというような曲であり,演奏であるが,国内盤向けとは言え,陽の目を見たことはファンとしては喜ぶべきである。私としては余計な出費となったが,もう結構行くところまで行ってしまっているので,もはややめるというオプションはないのである。

2018年6月 7日 (木)

これまた久しぶりにSteve Colemanのパリでのライブを聞く。

"Curves of Life" Steve Coleman and Five Elements(BMG France)

_20180606 私は"Sine Die"からSteve Colemanの音楽に入ったクチであるが,それはカッコいい音楽だと初めて聞いた当時は思ったものである。その後,Arista/Novusレーベルに移籍して,アルバムも連発していて,一時期は飛ぶ鳥も落とす勢いだったと言ってよいSteve Colemanであるが,やっている音楽(少なくとも私にとってはどれも同じに聞こえる)ゆえに飽きられるのも早かったように思える。特にArisutaから出たアルバムは,正直なところ"Sine Die"を上回ると思えなかったし,私の中での存在感も徐々に低下していった。

 そんな彼の音楽について,関心を失いつつある頃に出たのが,本作を含むパリでのライブ3部作である。特に本作にはDavid Murrayがゲストで参加しており,Five ElementsのM-Baseサウンドと,Murrayがフィットするのかという気持ちもあって,出てすぐに買ったはずである。そして,聞けばわかるが,David MurrayはどうやってもDavid Murrayだってことがわかってしまうのが笑える。2曲のみの客演ながら,M-Baseのサウンドに乗っても,全然マイペースを崩さないのだ。それが面白いこともあって,このアルバムは私の中では,Steve Colemanを見直すきっかけになったと言えるかもしれない。また,改めて書こうと思うが,このパリでのライブは,1枚ごとに編成が違っていて,音楽的な趣向も違うから,Arista/Npvusのアルバムで飽きが来ていて私には新鮮に響いたこともある。

まぁ,そうは言いながら,私がSteve Colemanのアルバムを最後に買ったのは,この後に出た"Genesis and the Opening of the Way"なのだから,20年前で私にとってのSteve Colemanは止まったままなのだが...(苦笑)。だが,正直言って,Arisita/Novusでのアルバム群よりははるかにいいと言い切るだけの自信はある。本来のFive Elementsの魅力を示して,私の中では,Steve Colemanの復活を感じさせた作品であった。星★★★★☆。

そう言えば,私はSteve Colemanのライブを在米中に見たことがあるはずだ。場所は確かJoyce Theaterだったか。ネットで調べると,今やダンスやバレエ専門みたいな劇場だが,私の記憶しているロケーションはJoyce Theaterのところなのだ。もしかしたら違うのかもしれないが,いずれにしてもその頃の感慨が蘇ってくるのも,それは間違いなく私の加齢のせいだな(爆)。

Recorded Live at the Hot Brass Club in Paris on March 29, 1995

Personnel: Steve Coleman(as), Andy Milne(p, key), Reggie Washington(b), Gene Lake(ds), David Murray(ts), Black Indian(vo), Sub-Zero(vo), Kokayi(vo)

2018年6月 6日 (水)

久しぶりに聞いた"American Garage"

"American Garage" Pat Metheny Group(ECM)

_20180604_2長年Pat Methenyの音楽を聞いていると,アルバムごとにプレイバックの回数には違いが出てくるのは仕方ない。実を言うと,このアルバムのプレイバックの回数は決して多い方ではなかったし,このアルバムをLP時代に保有していた頃は,ほとんど聞いていたのはLPのA面であったように思う。それはどうしてもタイトル・トラックのロック・ビートに違和感を感じていたからかもしれない。ロック・ビートそのものが悪いのではない。このテンポがどうしてもなじめなかったって気がする。その違和感が嫌で,A面ばかりを聞くのも,まぁそれはそれで私にとっては理由があることなのである。

そして,久しぶりにこのアルバムを通しで聞いてみたのだが,タイトル・トラックの違和感は今も同じだったが,最後に収められた"The Epic"の組曲風のドラマチックな展開が面白かった。滅多に聞かないB面だったがゆえに,この曲に対する印象が薄かったのは,今更ながらPat Methenyに「ごめんなさい」と言わねばならない。

正直に言ってしまうと,なんで久しぶりに本作を聞こうと思ったかと言えば,iTunesに入っていたBottom Lineにおけるライブのブート音源を聞いて,本作所収の"Airstream"がちゃんと聞きたくなったからにほかならないのだが,そう考えると,ブートを聞くことも温故知新には役に立つってことである(爆)。

私の記憶が正しければ,大昔,このアルバムの冒頭に入っている"(Cross the) Heartland"を使ったTVコマーシャルがあったように思う。まだ私が高校生の頃(あるいは浪人中か?)だったはずなので,関西ローカルだったかもしれないし,そうでなかったかもしれないが,既に"Pat Metheny Group"で彼らの音楽に痺れていた私は,「おぉ,ええやん」と思っていた記憶がある。今回聞いても,彼ららしい音楽だと思えるが,全編を通して悪くないだけに,やっぱりタイトル・トラックの浮いている感じとテンポがどうしても馴染めない。このテンポは,1980年のブート音源"Tokyo Garage"ではずっと上がっていて,そっちは全然違和感がないことを考えると,本人たちにとっても,このアルバムでのテンポは違うと思っていたのかもしれない。

American_garage_back_2いずれにしても,久しぶりに聞いて,結構,曲のクォリティが粒ぞろいだったのねぇってことを改めて認識した私である。だからこそ,タイトル・トラックが惜しいのである。星★★★★。それにしても,バック・カヴァーに写るLyle Maysの写真に時代を感じるのは私だけではあるまい(笑)。

Recorded in June 1979

Personnel: Pat Metheny(g), Lyle Mays(p, synth, autoharp, org), Mark Egan(b), Dan Gottlieb(ds)

2018年6月 5日 (火)

Billy Bragg & Joe Henry:音楽版ロード・ムービーって感じのアルバム。

"Shine a Light: Field Recordings from the Great American Railroad" Billy Bragg & Joe Henry(Cooking Vinyl)

_20180604これは渋い。Billy BraggとJoe HenryがシカゴからLAへの列車に乗って旅する道すがら,駅のプラットフォームや待合いなどの場所で,列車に関係するような歌をフィールド・レコーディングするという企画アルバムだが,とにかく渋い。アメリカの広大さを感じさせるような音楽とでも言えばいいだろう。

私はJoe Henryのアルバムが出ると買っているクチだが,このアルバムが完全にノーマークだったのはなぜなんだろう?全く理解に苦しむが,やはりJoe Henryという人,只者ではないということがここでも証明されている。音楽的なバックグラウンド,あるいは理解度の深さは,一昔前で言えば,Ry Cooderにも通じる部分があるようにも思える。もちろん,Ry Cooderとやっている音楽には違うが,ミュージシャンの資質としての同質性を感じると言えばいいかもしれない。

ここでもいろいろなタイプの歌を歌っているが,一本筋が通っている。それは列車の旅と同期して,道すがらの思い思いの場所で録音することで,彼らが目指したのは音楽版ロード・ムービーだと思えた。シカゴを皮切りに,セントルイス,サンアントニオ,エルパソ,トゥーソン,そしてLA等の場所で録音された音楽は,冒頭にも書いた通りの渋さである。フィールド・レコーディングだけに,その場にいた人たちの拍手なども聞こえるライブ感覚があるが,音はスタジオで録られたものではないので,あくまでもそれなりである。

しかし,これは雰囲気を楽しめばいいアルバムだと思えるし,私はこういうのが好きなのである。ってことで,星もついつい甘くなり,星★★★★☆。いや~,本当に渋い。やはりJoe Henry,素晴らしいミュージシャンである。もちろん,Billy Braggの声は輪をかけて渋いが,この二人,いい声のコンビネーションだと思えた。こういうアルバムは見逃してはいかん。大いに反省した私である。

Recorded between March 14 and 16, 2016

Personnel: Billy Bragg(vo. g), Joe Henry(vo, g)

2018年6月 4日 (月)

私にとってのMe'Shell Ndegéocelloの最高傑作はこれだ!

"Peace Beyond Passion" Me'Shell Ndegéocello(Maverick)

_20180602_4Me'Shell Ndegéocelloは結構な数のアルバムをリリースしており,その度に私もこのブログでも取り上げてきたつもりである。そうは言いながら,最新のカヴァー・アルバムはストリーミングで一回聞いただけで,記事にもしていないので,偉そうなことは言えない。

しかし,これまでも繰り返し書いてきたのだが,私にとって,彼女の2作目である本作のインパクトは超強烈なものだったと思うし,これが彼女にとっての最高傑作であるという評価には何の変わりもない。とにかく,世の中こんなにカッコいい音楽があるのかとさえ思ったのも懐かしい。このアルバムがリリースされて,もう20年以上経過しているが,そうした感覚には今でも同様である。そして,音楽として全く古びた感じがしない。

これは多分,私の音楽的な嗜好とのマッチングということもあるだろうが,どこから聞いてもいけている。それはプロデュースをしているのが,Scritti Polittiにも参加していたDavid Gamsonだということもあるかもしれないが,ここでの音楽はScritti Polittiよりもはるかにファンク度が高い。そして,このファンク・フレイヴァーに溢れた音楽に,Me'Shell Ndegéocelloのディープな声が何ともマッチしているのが最高にいいのである。

そして,よくよくクレジットを眺めると,おぉっ,こんなところにこんな人がって感じの発見も多い。まじで最高なのだ。私はこのアルバムには星★★★★★以外の評価はできない。それぐらい痺れる音楽(きっぱり)。

Personnel: Me'Shell Ndegéocello(vo, various instruments), David Gamson(prog), Wah Wah Watson(g), Wendy Melvoin(g), David Fiuczynski(g), Federico Gonzalez Pena(el-p, perc), Billy Preston(org), Oliver Gene Lake(ds), Daniel Sadownick(perc), Luis Conte(perc), Joshua Redman(sax), Bennie Maupin(b-cl), Paul Riser(strings arr)

2018年6月 3日 (日)

Adam Rogers DICEライブの戦利品。

Adam_rogers
先日のCotton ClubにおけるAdam Rogers DICEのライブの際の戦利品の画像をアップしておこう。上の2枚はAdam Rogersのアルバム,下の2枚はクリポタ関係のものである。

下の2枚は,Underground OrchestraはNYCの55 BarでFima Ephron Groupのライブを見た時に,FimaとNate Smithにサインはもらっていた。その場にAdam Rogersもいたのだが,結構大事にしているピックが見当たらないとかで,かなりご機嫌斜めだったので,話しかけるのを遠慮していた。また,Vanguardのライブ盤についてもその時,Nate Smithにはサインはもらっていたのだが,インクがかすれたのは私がペンの選択を誤ったためであるが,まぁいいや(クリポタはUndergroundでの来日時にもらっていたもの)。そこにようやくAdam Rogersのサインが追加されたってことで,あとはUndreground Orchestraにクリポタのサインをゲットせねば。

ってことで相変わらずミーハーな私である。

2018年6月 2日 (土)

遅くなったが,Adam Rogers Dice@Cotton Club参戦記。

A32a90bd841d46378d7ab79f58b6d0f6 Adam Rogersのバンド,DICEを観るためにコットンクラブに行ってきた。本人も言っていたが,今回が16回目の来日らしいが,リーダーとしての来日は初めてであり,高揚感を感じさせたのは,Eric Marienthalも同じようなことを言っていたから,やはり別の感慨があるってことだろう。

今回は半額のクーポンをゲットして,2セット通しでの参戦となったが,1セット目がアルバム“DICE”からの曲を中心に演奏し,えげつないまでの変拍子を炸裂させた彼らだが,2ndセットは新曲も交えて1stセットと全く異なる曲を演奏したのが,ジャズマンらしくて好感が持てた。昨今は1st,2ndで同じようなレパートリーで演奏するミュージシャンも多いが、今回のライブは彼らはミュージシャンシップを感じさせるものだったと言っておきたい。

今回来日したメンバーにKevin Haysを加えたFima Ephron Groupのライブを私は55 Barで見たことがあるが,その時の演奏とも,クリポタ率いるUndergroundの演奏とも違う。Adam Rogersの個性が出ているバンドだという気がした。Adam Rogersのカッティングは鋭く,フレーズにはジョンスコ的変態性も感じさせつつ,特に1stでは激しく演奏したと言えるだろう。その一方で,カントリー的なルーツも感じさせるトーンも聞かせるというのが実に面白かった。一言で言えば懐が深いのである。まぁ,ドリカムのバックもやってしまうんだから当たり前か。

加えてこのバンドのキモはドラムスのNate Smithだと感じさせる強烈なドラミングは少ない聴衆をも興奮させるに十分なものであった。やっぱ凄いわ。

因みに2ndはMonkの“Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are”で幕を開け,アンコールが“I Fall in Love Too Easily”とまたもMonkの”Off Minor“だったのにはちょっと驚いたが,やはり彼らはジャズマンなのであった。ということで、写真はいつものようにAdam Rogersと私(笑)。いずれにしても私が行った日の集客はよくなかったが,日を追うごとに聴衆は増えたようなのは何よりであった。

Live at Cotton Club on May 30,2018

Personnel: Adam Rogers(g), Fima Ephron(b), Nate Smith(ds)

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