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2018年5月 8日 (火)

4,000件目のエントリーは"Bitches Brew"にしよう。

"Bitches Brew" Miles Davis(Columbia)

_20180504_2このブログを始めて11年半近くが経過したが,積もり積もって,このブログへのエントリーも4,000件目である。以前のように毎日アップすることが難しくなりつつも,できるだけ更新はするように努めてきたつもりだ。しかし,3,000件目のエントリーから3年3カ月弱要しているから,どれぐらいサボっているかは大体わかるが,考えてみれば,むしろ頑張っている方だと言えると思う。

そんな私が今回のエントリーに取り上げるのが"Bitches Brew"である。私がMilesを初めて聞いたのは"Somethin' Else"で,2枚目が確かこれだったと記憶している。ジャズを聞き始めの小生意気なティーン・エイジャーにとって,この音楽はロック寄りの視点からは受容できたとしても,ジャズの何たるかをよくわかっていない時期に,このアルバムの価値を理解していたとはとても言えない。しかし,ジャズ評論家,粟村政昭が「ビッチェズ・ブリューでモダンジャズの歴史は終焉した」と書いていて,そうなのかなぁなんて思っていたのも懐かしい。それがどういう論旨で書かれていたかは今となっては記憶に定かではないが,信頼に値する論客,粟村政昭のことである。ちゃんとした理屈を述べていたに違いない。

いずれにしても,その頃はこのアルバムの特徴と言うべき,コレクティブ・インプロヴィゼーションと言われても???となっていたのも懐かしい。当時,ロックを中心に聞いていた耳には,単純なロックとは異なる何とも言えない刺激的な感覚があったことは事実であるが,このアルバムの本当の魅力がわかっていたとは到底言えない。

しかし,私も年齢を重ねて,いろいろな音楽に接してきた上で言ってしまえば,これはやはり強烈この上ない音楽である。このアルバムのメンバーは所謂ロスト・クインテットを更に拡大させたものである。数あるブート音源,あるいはOfficial Bootleg Seriesで出ているロスト・クインテットの演奏だけでも,非常にテンションが高いのに,それをここに参加している目もくらむようなメンツを加えて拡大してしまったら,それだけで音楽のハイブラウ度が高まることは当然なのだ。

よくよく考えてみれば,このアルバムが録音されてから50年近く経過しているわけだが,この音楽の持つ刺激や普遍的な魅力には何の変化もない。Milesは時代を捉え,時代の先を行く人だったが,ここでは誰もが及びもつかない次元に達していたと言ってよいように思える。ここに参加するミュージシャンたちが,Milesの隠遁期を含めて,70年代の音楽をけん引していたのは事実であり,ここでの演奏にインスピレーションを得ていたと考えてよいだろう。そうした意味で音楽におけるトレンド・セッターとしての役割を考えると,やはりこのアルバムは,ほかのアルバムよりも,一段も二段も上に評価せねばならないアルバムということになるだろう。

とにかく,ここで展開されるエレピの響きとそれを支えるリズム陣を聞いているだけでも刺激的なのだ。えげつないぐらい素晴らしい。Wayne Shorterにはソプラノ,Bennie Maupinにはバスクラに専念させるというセンスも凄いねぇ。星★★★★★以外はありえない。

Recorded on August 19-21, 1969

Personnel: Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ss), Bennie Maupin(b-cl), John McLaughlin(g), Chick Corea(el-p), Joe Zawinul(el-p), Larry Young(el-p), Dave Holland(b), Harvey Brooks(el-b), Jack DeJohnette(ds), Lenny White(ds), Don Alias(ds), Jim Riley aks Juma Santos(perc)

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