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2018年4月30日 (月)

新譜リリースを前に:これがNik Bärtsch Roninの第1作なのか?

"Randori" Nik Bärtsch Ronin(Ronin Rhythm)

_20180430間もなくECMから新作"AWASE"がリリース予定のNik Bärtsch Roninであるが,Ronin名義ではこれが最初に出たのではないかと思われる「乱取」である。録音されたのは2001年に遡るが,彼らのアルバムはECM以外でも結構購入している私が,本作は買い逃していたものを今回入手したものである。

私は彼らの音楽の持つミニマル・ファンクと言うべきサウンドに,相当な快感を覚えているが,この段階から,今の彼らの音楽の魅力は既に実現されていたということを改めて知るに及び,やっぱり好きですわ~と言わざるをえない。とにかく,執拗に繰り返されると言ってもよいビートに乗ったファンクは心地よさの極致である。この段階では現在のレギュラーであるShaのバスクラは入っていないが,与える印象には大きな違いはない。

聞く人によっては,この音楽のどこが面白いのだという声もあるだろうが,ミニマルの心地よさとファンクという二面を同時に実現したこの音楽は,ECMでのアルバム・リリースまで聞いたことがなかったと思わせたものだが,そのはるか前から彼らがやっている音楽にはブレがなかったということを再発見してしまった。

逆に言えば,どれを聞いても同じに聞こえるというのも事実ではあるのだが,そんなことはどうでもいいのである。大音量でも小音量でもいける音楽として,私には完全フィットしているのが彼らである。もう一度,彼らの音楽を全部聞き直したくなった私である。星★★★★☆。

Recorded on December 10-12, 2001

Personnel: Nik Bärtsch(rhodes, synth, ds), Kasper Rast(ds, udu), Björn Meyer(b), Andi Pupato(shaker, inida bells)

英国出張中の機内で見た映画のまとめ

今回の英国出張で見た映画について,備忘のために書いておこう。

今回は結構控えめに往路3本,復路2本の5本。帰路は正直結構な時間寝てしまった。疲れがたまってたんだろうねぇ。ってことで,今回見たの以下の5本。

  1. 「グレーテスト・ショーマン」
  2. 「バリー・シール/アメリカをはめた男」
  3. "Battle of the Sexes"
  4. 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
  5. 「ガール・オン・ザ・トレイン」

「スター・ウォーズ」は劇場でも見たが,再見したもの。これらも追って記事にできればと思うが,なかなか面白い組み合わせであった。

2018年4月29日 (日)

ロンドンから帰国して最初に聞いたのがBettye LavetteのBob Dylan集。最高である。

"Things Have Changed" Bettye Lavette(Verve)

_20180428ようやく,4月の出張地獄(笑)から解放されて帰国した。ここのところ,映画の記事ばかりアップしていて,中年映画狂日記じゃねぇかみたいになっていたので,ちゃんと音楽のネタもアップせねばということで,今日はBettye Lavetteである。

私がこの人の音楽に初めて接して,まじでしびれたのが"Interpretations:British Rock Songbook"のことであった(記事はこちら)。記事にも書いたが,ブリッティシュ・ロックとソウルる融合させるとこうなるという感じの素晴らしい音楽であった。その後も彼女のアルバムが出ると,ちゃんと買っている私だが,いいアルバムだとは思いつつ,そのアルバムを越えるところまでは行かないなぁと思っていた。しかし,今回のアルバムはBob Dylan集ということで,俄然期待値が高まっていた私である。

実を言うと,このアルバム,デリバリーされてから何度も聞いていて,ついに"Interpretations"と並ぶアルバムが出たと思っていたのだが,まじでこれが素晴らしい。これはプロデューサーを務めたSteve Jordanが「わかっている」というのが大きいが,Bettye Lavetteというシンガーはこうしたかたちの歌いっぷりが本当にはまる。世の中,Bob Dylan集というのは結構あって,このブログでも私はBryan Ferryのアルバムも予想を越える良さだと書いたことがあるが,本作はFerryのアルバムをはるかに越える出来と聞いた。

あくまでも,ここではBob Dylanの曲は素材であり,それを完全にBettye Lavette色に染めているのが何よりも素晴らしいのだ。ゲストのKeith Richardsを含めた豪華なメンツが彼女を支えたくなるのも肯けてしまうのである。あくまでもこれはソウルのアルバムであるが,ロックの魂がこもっていると言ってもよい。まじで最高である。星★★★★★。

Pewrsonnel: Bettye Lavette(vo, clap), Steve Jordan(ds, perc, g, vo), Larry Campbell(g, mandolin), Leon Pendarvis(el-p, p, org, key-b), Pino Palladino(b), Keith Richards(g), Trombone Shorty(tb), Gil Goldstein(org, key, accor, harmonium), Ivan Neville(key), Nioka Workman(cello), Charisa Dowe-Rouse(vln), Rose Bartu(vln), Ina Paris(vla)

2018年4月28日 (土)

米国出張中に見た映画:4本目は見ていて辛くなる「デトロイト」

「デトロイト(“Detroit”)」(‘17,米)

Dc7d1845843f4a22923c26aaf85b3f7d監督:Kathryn Bigelow

出演:John Boyega, Anthony McKee, Algee Smith, Will Poulter

これはNYCからSFへの移動の機内で見たもの。日本語字幕は当然ないので,クローズド・キャプションの英語字幕で見たが,これは厳しい映画である。そもそも監督のKathryn Bigelowは「ハート・ロッカー」とか,「ゼロ・ダーク・サーティ」などの硬派の映画を撮り続けているが,ここでもその姿勢は全く変わらない。

ここで描かれたのが実話というのが恐ろしいが,人種差別の無茶苦茶さを示すにはこれぐらいの映像表現が必要だったということだろうか。それにしてもWill Poulterである。これほど嫌らしい人間は滅多に見られないと思うぐらい最悪の人間である。こういうのを裁判で無罪にしてしまうってのが,当時のアメリカの病巣だろうと言わざるを得ない。

興行的には決して成功と言えない作品ではあるが,「ヒットしない=悪い映画」ではないということを明確にする映画と言いたい。ただ,見ていて息がつまるほどの思いをするのも事実であり,何回も見たいとは思わないが…(苦笑)。星★★★★。それにしてもKathryn Bigelow,硬派の中の硬派である。

2018年4月27日 (金)

米国出張中に見た映画:3本目は「ジャスティス・リーグ」

「ジャスティス・リーグ(“Justice League”)」(‘17,米/英/加,Warner Brothers)

Fc404669216243b0a1fde28aad48ed06監督:Zac Snyder

出演:Ben Affleck, Henry Cavill, Gal Gadot, Amy Adams, Jeremy Irons

米国出張の往路で見た3本目がこれである。正直言って,バカバカしいことは見る前からわかってはいたが,こういうのも見ておかないと息が詰まるってことで,お気楽モードで見たものだが,まぁ,ここまで超人ばかりが登場すると,敵も普通ではなくなるってことで,いやはやここまでやるって感じである。

いずれにしても,キャラクターが増え過ぎて,ストーリーとしては各々のキャラを立てる必要もあり,細かいエピソードのつなぎになってしまうのは仕方がないことである。そうした中で,独自路線の映画にできるのはバットマン,スーパーマン,ワンダーウーマンになってしまうのは,まぁ仕方がないだろう。フラッシュ,アクアマン,サイボーグ単体での映画化は難しそうだと思ってしまった。その意味では「ブラック・パンサー」もひっとさせるライバル「アベンジャーズ」にキャラでは負けているという印象が強い。

こうなると,ストーリーとしてはなんでもありになってしまって,シナリオの出来とか関係ないじゃんと思わざるをえなくなるのが,こういう映画の限界だと思ってしまう。まぁ,機内エンタテインメントで見る分には文句もないのだが,お金を出してまで劇場で観たいとは思えないというのが正直なところである。結局は私にとっては暇つぶしにしかならないのである。

エンド・ロールにおいて,Jesse Eisenberg演じるLex Luthorが簡単に脱獄に成功してしまい,次作の悪役は再度Lex Luthorってことになるだろうから,荒唐無稽は荒唐無稽でも,もう少し真っ当な悪役を演じてもらいたいものだと思ってしまう。私としては「ダーク・ナイト」のHeath Ledgerが懐かしいと言わざるを得ないのである。星★★☆。

それはさておき,いつも言っていることだが,エンド・ロール途中で席を立つ人はJesse Eisenberg扮するLex Luthorの脱獄も,デスストロークの登場も見逃すってことになるのだ。映画の作り手はエンド・ロールまで見て欲しいということが,こういうところにも表れるよなぁとつくづく思う私である。私は映画館では必ず客電がつくまで座って見ているので,見逃すことは絶対ないが(笑)。

2018年4月26日 (木)

米国出張中に見た映画:2本目は「ウィンストン・チャーチル:ヒトラーから世界を救った男」

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(“Darkest Hour”)」(‘17,米/英)

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監督:Joe Wright

出演:Gary Oldman, Lily James, Ben Mendelssohn, Kristin Scott Thomas

Gary Oldmanが今年のオスカーで主演男優賞を取った映画である。同じくオスカーを受賞した辻一弘らのメイクアップ&ヘアスタイリング賞との合わせ技という気もするが,いずれにしてもこれがGary Oldman?と思わせるほど,チャーチルに成りきっているのが凄い。これで私が実際のチャーチルの話しっぷりとかを知っていれば,更に凄いと思ったのかもしれないが,そんな知識なくしても立派な演技であったことに異論はない。

この映画は「ダンケルク」と同じ時期の英国内の様子を描いているわけだが,名宰相と言われたチャーチルがこの映画に描かれたような評価で,更にここで描かれたような事情で首相の座についていたということは非常に面白かった。英国人にとっては当たり前の歴史も,日本人にとっては決してよく知られたことではないということである。いずれにしても,この映画は「ダンケルク」と併せて見ることで更に面白さが増すと思える作品である。

正直言って,映画としては地味なものではあると思えるが、派手派手しさがなくても,映画としては十分楽しめるだけの魅力がある。私は飛行機の中で,この映画を見ながら大いに感心させられていたと言っておこう。事実は小説よりも奇なりを地で行く映画であった。星★★★★☆。

2018年4月24日 (火)

米国出張中に見た映画:1本目は「シェイプ・オブ・ウォーター」

「シェイプ・オブ・ウォーター(“The Shape of Water“)」(‘17、米,Fox Searchlight)

02f532c862f6444b94a620acb6d8f6a0 監督: Guillermo del Toro

出演: Sally Hawkins, Michael Shannon, Richard Jenkins, Octavia Spencer, Doug Jones

暇なので,ロンドン行きの機内でこの記事を書いている(爆)。先日の米国出張の往路で最初に見たのがこの映画である。今年のオスカーで作品賞,監督賞を受賞して,劇場で観たかった映画だが,日本では大してヒットすることなく公開が終わってしまったので見逃していたものである。

結論から言えば,確かによくできた映画ではあるのだが,年間ナンバーワンの作品かと言えば,私にはそう思えなかったというのが正直なところである。私にとっ ては,「ダンケルク」や「スリー・ビルボード」の方がはるかに優れた作品だと思えたからである。こういうファンタジーが日本人の琴線に触れないというところもあるだろうが、私が「半魚人と人間の恋」ってものに感情移入できなかったというのが最大の要因と言ってよいだろう。

脚本としても,文句を言いたくなる部分もあるし,やはり私にとっては,この映画は2017年度最高作として捉えることはできない。星★★★☆。

Eric Andersenはこれじゃあないなと思ってしまう"Be True to You"

”Be True to You" Eric Andersen(Arista)

_20180422_2先日,Joni Mitchellのサイトで彼女のディスコグラフィを眺めていたら,このアルバムの5曲に参加しているというデータがあって,へぇ,そうだったのかなんて思って取り出してきたアルバムである。

正直言ってしまえば,Eric Andersenは"Blue River"1枚あればいいと思っている人がほとんどだろうと思う。Joni Mitchellに関して言えば,"Blue River"でも印象的なコーラスをつけているし,そっちで十分なのだ。

それでもってこのアルバムを聞いていると,どうにも「売ろう」という意識が強く出ていて痛々しささえ感じてしまった。それが極端なかたちで感じられるのが"Wild Crow Blues"である。Eric Andersenの声にも,音楽性にも全く合致しないようなこの曲によって,このアルバムへの評価は一段下がったと言ってもよいだろう。しかし,"Time Like a Freight Train"のようないい曲もあるし,ちょっとポップだが,いいメロディ・ラインを持つ"Liza, Light the Candle"のような曲もあるので,全否定とはならないのだが,やはり"Blue River"と比べてしまうのが人情であり,全編を通して素晴らしい"Blue River"には遠く及ばないのが残念である。

今,こうして聞いてみると,日本のフォーク,あるいはニュー・ミュージックにはこのアルバム当たりから影響を受けているのではないかと思えないこともないが,やはり私としては"Blue River"のもつすがすがしさ,清冽さの方がはるかに素晴らしく感じてしまった。まるでAORのような"Can't Get You Out of My Life"みたいな曲にも全然共感できないのも辛い。まぁ,残念ながらその程度のアルバムである。

豪華なミュージシャンに後支えしてもらってはいるものの,それだけではいいアルバムにはならなかったという事例。星★★★。

Recorded in August, November and December 1974 and January 1975

Personnel: Eric Andersen(vo, g, hca, el-p), John Guerin(ds), Russ Kunkel(ds), Scott Edwards(b), Dean Parks(g), Tom Henley(p), Howard Emerson(g, dobro), Gary Coleman(perc), Tom Scott(ts), Tom Sellers(key) with Mark Sporer(b), Chris Bond(g), Ernie Watts(fl), Jesse Ehrich(cello), Richard Bennett(g), Allen Lindgren(p, el-p), Dennis St. John(ds), Emory Gordy(b), Jennifer Warren(vo), Andy Robison(vo), Ginger Blake(vo), Maxine Willard Waters(vo), JUlia Tilmard Waters(vo), Doug Haywood(vo), Jackson Brown(vo), Herb Pedersen(vo), Mike Condello(vo), Deborah Andersen(vo), Joni Mitchell(vo), Ray Backwich(vo), Orwin Middleton(vo), Maria Muldaur(vo)

2018年4月23日 (月)

久しぶりに聞いた"The Heaert of Things"

"The Heaert of Things" John McLaughlin (Verve)

_20180422保有しているCDの枚数が増えると,収納場所に困ってしまい,いくら好きなミュージシャンでも一部の音源は段ボールに入れてクロゼットにしまい込んでしまうことがある。そうすると,たまに聞きたくなったCDがどこにあるのかわからない。今回は,別のCDを探していて,このCDとこれに続くライブ盤に遭遇した。

私はJohn McLaughlinの音源は結構保有しているが,なんでこれをクロゼットにしまい込んだかはよく覚えていない。しかし,デニチェンと共演したニュー・タイプのMahavishnu Orchestraという趣のこのアルバムを久しぶりに聞いた。

Mahavishnu OrchestraにはBilly Cobhamのようなドラマーが必要であった訳だが,ここではデニチェンである。まさにデニチェンらしいタイトなドラミングで,このバンドの屋台骨を支えているが,それに加えて,Matthew Garrisonの活躍が意外なほど光っているのがこのバンドの特徴である。Gary Thomasについては,彼のキャリアにおける最後の輝きってところか。本当に一体どこへ行ってしまったのかと思わせるが,ここではブリブリとサックスを吹いており,バンドにもフィットしているように感じさせるだけに,どこへ行ったかわからない今の状態は惜しいなぁと思わせる。故郷ボルチモアで教鞭を執っていたという話もあるが,それも昨年には辞任してしまったようである。

それはさておき,ここにはJohn McLaughlinらしいタイトな演奏がてんこ盛りである。テンション高過ぎとも感じられるが,テンションの低いMcLaughlinなんてありえない(きっぱり)なのだからいいのである。このアルバムが出た97年当時としては48分程度という,比較的短い収録時間であるが,これ以上長いと疲れるし,最後にアコースティック・ギターで演じる"When Love Is Far Away"をエピローグ的に持ってきたのは正解だったと思う。クレジットにはないが,最後の曲には拍手が入っているから,どこかのライブ音源なのかもしれないが,味わい深いエンディングである。

いやいや久しぶりに聞いたが結構よかったわぁってことで,星★★★★☆。

Personnel: John McLaughlin(g), Gary Thomas(ts, ss, fl), Jim Beard(p,synth),Matthew Garrison(b), Dennis Chambers(ds), Victor Williams(perc), Jean-Paul Celea(b)

2018年4月22日 (日)

これはたまらん。Kristijan RandaluのECMデビュー作。

"Absence" Kristijan Randalu(ECM)

_20180421初めて名前を聞く人である。Webサイトによれば,1978年にエストニアで生まれ,ドイツで育ったそうである。ドイツで師事したのがJohn Taylorってことであるが,1曲目からJohn Taylorも彷彿とさせるような美しいピアノを聞かせる。そして,ピアノ,ギター,ドラムスという変則的な編成でありながら,ECMらしい美学に満ちたアルバムである。もちろん,リーダーの弾くピアノが美しいのだが,美感を増幅させるようなBen Monderのギター,そしてMonderらしいアルペジオが効いていて何とも素晴らしいアルバムに仕立てている。これはまさにECM好きがはまること必定のような音楽と言ってよい。一聴して私が思い出したのが往年のRainer Brüninghausと言ったらおわかり頂けるだろうか。あくまでも何となくだが...(苦笑)。

ここでのピアノ・タッチから生み出される美感こそ,このアルバムの魅力であるが,控えめなドラムスも美的感覚を盛り立てるに十分である。アルペジオ的なフレージングが本当にいいよねぇと思わせ,Ben Monderは音響系のバッキングも織り交ぜながら,ここでの音楽の魅力を増幅させる。いやぁ,全然知らない人のアルバムだったが,Ben Monderの名前に惹かれて購入したのは正解であった。こういうのって好きなのである。星★★★★☆。生でこういう音を浴びてみたい。

Recorded in July 2017

Personnel: Kristijan Randalu(p),Ben Monder(g), Markku Ounaskari(ds)

2018年4月21日 (土)

更新が滞る中で,出張中に見た映画のご紹介。

米国出張から帰国したのはいいものの,時差ボケと戦いながら,飲み会への参戦も続き,ついつい睡魔に勝てず,「落ちる」という生活をしていては,記事の更新が滞るのは当然だ。ということで,音楽についても落ち着いて聞いている暇もなく,実は来週火曜日からは今度はロンドン出張が控えていて,正直老体には厳しい生活が続くのだ。

ってことで,今日は米国出張中に見た映画の一覧だけのご報告。今回はNYへの往路で3本,NY~SFへの移動で2本,そしてSFから東京への復路で5本の計10本である。私もよくやるわと思いつつ,SF~東京ではほぼ一睡もせず映画を見続けて,時差の解消を図っていた私である。見たのは下記の順番の通りだが,最後の「オリエント急行殺人事件」はスリランカ出張の折にも見ているが,あの時は日本語吹き替え版だったので,オリジナル言語で見直したもの。

  1. シェイプ・オブ・ウォーター("The Shape of Water")
  2. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男("Darkest Hour")
  3. ジャスティス・リーグ("Justice League")
  4. デトロイト("Detroit")
  5. スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望("Star Wars Episode IV/ A New Hope")
  6. ゲティ家の身代金("All the Money in the World")
  7. アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル("I, Tonya")
  8. ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル(”Jumanji: Welcome to the Jungle")
  9. マンハント
  10. オリエント急行殺人事件("Murder on the Orient Express")

今回,見た映画はそれぞれに見どころありだったと思う(桜庭ななみが可愛いだけの「マンハント」はクズだったが...)が,やはりCGばかりで辟易させられる映画よりも,ちゃんとドラマ性のある映画がいいねぇと思った。見ていて辛くなるような「デトロイト」,事実は小説より奇なりの「アイ,トーニャ」,「ダンケルク」と時代設定がかぶって,2本一緒に見ると更に面白いと思わせる「ウィンストン・チャーチル」,そしてChristopher Plummerの怪演が凄い「ゲティ家の身代金」等々である。各々については,そのうちに記事にしたいが,「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」でトーニャ・ハーディングの母親を演じたAllison Janneyはオスカー取って当然と言うべき演技だったと付け加えておく。

2018年4月17日 (火)

中年音楽狂 in Yosemite

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今回の出張はお客さまに同行ということで,通常の出張とはかなり趣が違っていることは既に書いた通りだ。今回は週末を挟んだということもあり,SF到着後,土曜日はNapa,そして日曜日はYosemite訪問という,出張者には極めて珍しい時間を過ごすこととなった。

Napaについては,SFからそこそこ距離的に近いこともあり、何度か行っているが,YosemiteについてはSFから300km近く離れているので,そう簡単に行ける訳ではない。今回も日帰りだったので,現地には3時間程度の滞在だったが,私にとっては初海外だった35年前の学生時代の旅行以来のYosemite訪問となった。

私たちの訪問翌日には雪の予報すら出ていたが,今回の訪問時には好天に恵まれ,雄大な景色を大いに満喫することができた。本来であれば,1泊ぐらいして,軽いトレッキングでもするべきなのだが,出張者には無理な相談である(きっぱり)。しかし,雰囲気だけでもおすそ分けということで,いかにもな写真をアップしておこう。Yosemiteで最も有名なフォト・ポイントであろうTunnel Viewからの風景である。このスケール,写真だけでは伝わらないかもしれないが,とにかくでかいわ。

ってことで,もう半日仕事をして帰国の途につく私だが,休みなしでバテバテだと言ったら怒られるな(苦笑)。

2018年4月15日 (日)

中年音楽狂 in San Francisco

8584e139b83942fc97d3730d164279b2 今回の米国出張はクライアントに同行しているということもあり,いつもと様子がちょっと違っている。金曜日の深夜にNYCからSFに到着して,本日はNapaのワイナリーを訪問した後,SFで食事し,普通の出張ならここでホテルに戻って解散が普通である。しかし、今夜は食事後夜景を見に行こうということになり,訪れたのがベイブリッジをオークランド側に渡る途中にあるTreasure Islandである。

私もSFには相当回数訪れているが,Treasure Islandに行ったのはもちろん初めてであった。SFの夜景と言えばTwin Peaksが定番であるが,SFダウンタウンからはおそらくTreasure Islandの方が行きやすいってところだろう。人生初のケーブルカー体験と言い,クライアントとの同行ゆえの役得を感じている私である。明日の日曜日は早朝からヨセミテ日帰りって、まじで出張者の生活とは思えない(爆)。だが,この役得を十分享受させて頂くこととしよう。

ってことで,上の写真はTreasure IslandからのSFの夜景。スマホのカメラは優秀だねぇとつくづく感じた私である。

2018年4月13日 (金)

Mike Stern@55 Bar参戦記

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ニューヨークに出張したからにはライブに行くのが私のルーティーンである。今回は幸運にもお馴染み55 BarにMike Sternが出演するタイミングと重なり,懇親会を終了させて現地に赴いた私である。

44406fe807f04c23b5c50aeb878d71ff通常,マイキーが55 Barに出る時は,トリオ編成が多いのだが、今回はテナー入りのクァルテット編成である。しかもベースはJeff Andrews,ドラムスはRichie Moraresという布陣であるから期待も高まるのは当然であった。我々が会場に到着すると,リハーサル中の彼らであったが,盛んに“Naima”をやっていたので,今日はそういう感じの演奏なのかと思った。そして,演奏は予定開演時間より若干早く唐突に始まった。冒頭,”On Green Dolphin Street”でスタートしたが,コーラスを効かせたマイキーらしい音で始まり,途中からギンギンのロック・フレイヴァーを聞かせるといういかにもマイキーな演奏であった。

今回の注目はテナーのDanny Walshだった訳だが,ほかの3人に比べるとやや格落ち感が否めなかったところはあるが,まぁ善戦していた方だろう。それにしてもマイキーである。手の怪我の影響はほとんど感じさせないフレージングを連発していたが,やや手が変形していたようにも思えたところに,事故の痕がうかがえる。しかし,前回日本で見た時は盛んに接着剤でピックを指に貼り付けていたのに比べると,接着剤を使う様子は見られなかったので,ピックを握れるところまでは回復していたように思える。

55 Barでマイキーを見るのは実に久しぶりのことと思うが,やはりこの場所にマイキーは似合うと思わせた役90分間のギグであった。通常なら,2ndまでステイ・オーヴァーする私も,さすがに疲労には勝てず,1stだけで退散したが、十分に楽しんだ私である。写真は現場で撮影したものであるが,「マイキーと私」にはいつも通りモザイクを施した。我ながらいい表情をしているのだが,それを晒すわけにはいかないってことで(笑)。

Live at 55 Bar on April 11, 2018, 1stセット

Personnel: Mike Stern(g, vo), Danny Walsh(ts), Jeff Andrews(b), Richie Morares(ds)

2018年4月10日 (火)

海外出張につき...

主題の通りである。4/10から米国出張に出掛けるため,暫く記事の更新がままならない可能性が高い。そうは言いながら,機内エンタテインメントで何を見た,とか,夜遊びでどこそこへ行ったというかたちで発信できるときに発信したいと思う。

今回はNYCからSFを経由する出張である。週末は休みなく,西海岸での観光も設定されている。帰国したらバテバテ確実の出張だが,周りの人にはいいですねぇと言われるが,この歳になると海外も身体に堪えるので,まぁ気張らず行ってきたいと思う。

とか言いながら,4/11は55 BarでMike Sternを見て,4/12はVanguardでEnrico Pieranunziを見てなんて言っているから,お気楽出張と思われること必定,ある意味自爆だな。

では行ってきま~す。

2018年4月 8日 (日)

追悼,Cecil Taylor

Cecil_taylor

Cecil Taylorが4/5に亡くなったそうである。思い返せば,2012年には私も予約していたBlue Note東京での来日公演がキャンセルされ,その翌年には京都賞受賞のため,来日したものの,私はCecil Taylorの生演奏に触れる機会を結局失ってしまった。残念である。

Cecil Taylorも89歳となり,当然昔のような演奏は聞YouTubeにアップされている(こちら)が,まだまだ矍鑠としたものであった。それだけに2012年の公演キャンセルは返す返すももったいなかった。尚,上の写真は2016年にWhitney Museumで演奏した時の写真とのことである。

ジャズ界の巨人がまた一人この世を去った。

R.I.P.

「ペンタゴン・ペーパーズ」を見たら,「大統領の陰謀」も見たくなり。

「大統領の陰謀("All the Presdent's Men")」('75,米,Warner)

B監督:Alan J. Pakula

出演:Dustin Hoffman, Robert Redford, Jack Warden, Martin Balsam, Hal Holbrook, Jason Robards

先日,「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」を見に行った話は既にこのブログにも書いたが,あの映画のラストはウォーターゲート・ビルへの侵入事件のシーンで終わる。それを見たら,どうしてもウォーターゲート事件の顛末を描いた「大統領の陰謀」が猛烈に見たくなった私である。DVDを持っていたような気がしながら,私は場所を節約するため,ケースは捨てて,ディスクだけをフォルダーに収納しているので,なかなか見つからないのだが,今回はあっさり見つかった(爆)。そして,余談ではあるが,私って結構映画のDVDを多数保有しているなぁと自分で感心してしまった。まぁ,老後の楽しみに取ってあるようなものだが。

それはさておき,この映画,事実は小説より奇なりを地で行くような映画である。そして派手さはないが,静かにサスペンスを盛り上げていくのは,脚色を担当したWilliam Goldmanの手腕と,Alan J. Pakulaの手堅い演出にあることは間違いない。Robert RedfordとDustin Hoffmanは役者然としているが,それを支える助演陣が渋いので,リアルな感覚を与えたのも勝因。「ペンタゴン・ぺーパーズ」ではTom Hanksが演じたBen Bradleeをここで演じるJason Robardsが更に渋く,オスカー取って当たり前って感じの演技であった。

つくづくこの映画を見ていると,2本の映画で容赦なく皮肉られているRichard Nixonが,本質的にはDonald Trumpと同じような人物であったことがわかって面白いし,当時のホワイトハウス側の論調は,現在のそれにあまりに似通っていて,うすら寒ささえ感じてしまった私であった。そして,こうした事件が明らかになりつつある中で,Nixonが楽勝で再選を果たしながら,その約1年半後には辞任に追い込まれるのは,因果応報と言わざるをえない。

いずれにしても,私がこの映画を見るのは多分高校生の時以来で,その時は正直,バックグラウンドに対する理解が不十分で,何かよくわからないなぁと思っていた記憶もある。なので,DVDで見直して,もう一度理解を進めればいいやってことで買ってあったものだが,結果的には丁度いいタイミングで再見できたのだから,結果的にはよかったってことにしておこう。いやいや,それにしても実によく出来た映画であった。星★★★★☆。

2018年4月 6日 (金)

コレクターはつらいよ(20);Joni Mitchellトリビュート盤の1曲

"A Tribute to Joni Mitchell" Various Artists(Nonesuch)

_20180401_2久しぶりのこのシリーズだが,このディスク自体はリリースされたのはもう10年以上前のことである。私自身はてっきり記事にしていたと思ったのだが,このブログにはアップしていなかった。なぜだ...?(苦笑) 

このアルバムはタイトル通り,様々なミュージシャンがJoni Mitchellの音楽をインタープリテーションするという企画アルバムである。その中で1曲,Brad Mehldauのソロが入っているのだから,これは買わないわけにはいかないし,そもそもJoni Mitchellも偏愛する私としては,多分Brad Mehldauが参加していなくても買っていたのではないかと思われる。

Brad Mehldauが演じているのはアルバム"The Hissing of Summer Lawn"から"Don't Interrupt the Sorrow"というなかなか渋いチョイス。これがいかにもBrad Mehldauらしい演奏で嬉しくなってしまう。やっぱりわかってるねぇ,って感じである。

だが,このアルバム,Brad Mehldau以外にも聞きどころ多数である。アフリカ風味だった"Dreamland"をブラジル的に仕立て直したCaetano Veloso,無茶苦茶渋く"For the Roses"を歌うCassandra Wilson,Joni Mitchellへのシンパシーを強く感じさせるPrinceの"A Case of You",そして真打ち登場的にラストに収められたJames Taylorの"River"等,どれも捨てがたいし,どれも魅力的である。

ただねぇ,冒頭のSufjan Stevensの"Freeman in Paris"はいじり過ぎでこれはちょっとなぁと思うファンも多いだろう。これは個性の表出としては認められても,歌詞だけ使って,原曲の曲の持つよさを全然活かしていないのは納得いかないねぇ。ということで,全体としては星★★★★ぐらいだろう。

Personnel: Sufjan Stevens, Bjork, Caetano Veloso, Brad Mehldau, Cassandra Wilson, Prince, Sarah McLachlan, Annie Lenox, Emmylou Harris, Elvis Costello, k.d.Lang, James Taylor

2018年4月 5日 (木)

久々にGretchen Parlatoを聞く。

"In a Dream" Gretchen Parlato(Obliq Sound)

_20180401Gretchen Parlatoについては,私は高く評価していて,彼女の"The Lost And Found"は2011年のベスト作の1枚に選んでいる。だが,なぜか彼女のライブには縁がなく,これまで生では見たことがないが,近い将来にでも生で見てみたいシンガーである。

そんなGretchen Parlatoにはセルフ・プロデュースの自主制作盤があるが,これはObliq Soundレーベルと契約して2009年にリリースしたアルバムである。そもそも彼女は2004年のヴォーカル部門のMonkコンペで優勝しているぐらいの実力者なのだが,彼女のアルバムは非常に強いジャズ的なフレイヴァーを感じさせるところがいいのだ。サウンド的にはコンテンポラリーに響くのだが,彼女の出自がジャズだと感じさせる選曲を必ずアルバムに織り込むのが特徴的である。本作でもHerbie Hancockの"Butterfly"をやり,Wayne Shorterの"E.S.P."をやっていて,例外ではない。後者はスキャットで仕上げ,それを支えるAaron ParksのRhodesの響きがまた魅力的なのである。

純粋ジャズ・ヴォーカルというよりも,コンテンポラリー・ヴォーカルと位置付ける方がよいであろうその歌唱ぶりはいつ聞いても魅力的だし,彼女のアルバムは非常に優れたメンツに支えられて作られている。ここでもAaron Parksだけでなく,Lionel Loueke, Derrick Hodge,Kendrick Scottが支えているのだ。私はLionel Louekeを苦手としているが,ここでの弾きっぷりなら許せる(きっぱり)。

本作はかなり抑制されたスタイルでの歌唱が目立つが,やはりこの人の歌には強い魅力を改めて感じた私であった。本当,才能あるよねぇ。まぁ,"The Lost And Found"には及ばないとしても,十分いけている佳作である。星★★★★☆。

Recorded on September 16, December 17 & 18, 2008

Personnel: Gretchen Parlato(vo, perc, clap), Lionel Loueke(g,, vo), Aaron Parks(p, rhodes, org, synth), Derrick Hodge(b), Kendrick Scott(ds, perc)

2018年4月 4日 (水)

改めてTracey Thornの「遠い渚」を聞く。

"A Distant Shore" Tracey Thorn(Cherry Red)

Photo先日,このブログにシンセ・ポップ的な色彩の強いTracey Thornの新作"Record"について書いた(記事はこちら)。随分とEverything But the Girlでやっていた音楽とも違うなぁと思わせたが,翻って1984年にリリースされた彼女の初ソロ作を聞いてみた。Tracey Thornにはこの前にMarine Girlsのアルバムが2枚あるが,彼女が広く知られたのは多分こっちの方からだろう。

私が保有しているのは国内盤を中古でゲットしたもののはずだが,オリジナルの8曲に加えて,EBTGで82年にリリースしたシングルから2曲を加えた構成となっている。このEBTGの2曲が若干雰囲気が違っていて,しかもそれを途中に挟み込むというやり方はどうなのかねぇ。こういう編集方針はどうなのかねぇと思ってしまうが,こういうところが1990年ぐらいの国内盤にはよくあったような気もする。まぁ,国内盤に限らず,ジャズ系でも別テイクを並べ立てるような編集もよくあったが...。最新の紙ジャケ盤は一番最後に持って行っているようだから,そっちなら許せる(笑)。

それはさておき,彼女のギター1本にヴォーカルという超シンプルな構成で録音されているが,これぞネオアコみたいな感じである。この当時からTracey Thornの個性はそんなに変わっていない気がするが,それでもこのシンプリシティってのは今の耳にはむしろ新鮮に響く。やっぱりいいねぇ。冒頭の"Small Town Girl"もいいが,Velvet Undergroundのカヴァー,"Femme Fatale"もいいねぇ。原石のような魅力というのはこういうものだろう。ジャケも素敵である。星★★★★☆。

Personnel: Tracey Thorn(vo, g)

2018年4月 3日 (火)

CODONA3部作からまずは1枚目。

"CODONA" Collin Walcott / Don Cherry / Nana Vasconceros (ECM)

Codona_2ある意味,これほどリリース当時のECMレーベル的な組み合わせもないだろうと思わせるのがCODONAである。メンバーの名前の2文字を組み合わせたバンドによるこのアルバムがリリースされたのは1979年だが,その頃はさすがに私もこっちの世界までは入り込んでいなかった(笑)。その後,1枚目は買っていたものの,2nd,3rdは買い損なっていたのだが,Trilogy Boxとしてリリースされたものを遅ればせながら購入したものである。だが,なかなか聞く時間が取れず,今頃になって改めての記事のアップである。

このメンツがやっている音楽をジャズとカテゴライズしていいかどうかについては,間違いなく議論があるところである。私ならどちらかと言えば,ワールド・ミュージックと呼びたい。ジャズ的なビートは全然出てこないし,楽器編成だって到底ジャズ的とは言えない。そもそも,それって何の楽器?みたいなのがクレジットされているし...。

曲目として"Colemanwonder"なんて曲があって,Ornetteの曲2曲とStevie Wonderの"Sir Duke"が組み合わされているのだが,確かに"Sir Duke"は最後の最後に出てきてるねぇ。4曲目"Mumakata"なんて明らかにアフリカ的だしねぇ。やっぱりこれって面白いんだけれども,普通の人が聞いたら「何ですか,これは?」となること必定であろう。このバンドは前述の"Colemanwonder"以外の曲を提供しているCollin Walcottが主導したと考えるのが妥当だろうが,それにしても面白い。彼らがもたらすこのメンツならではの「間」の具合が,疲れた都会人を癒すって感じもあるなぁ。

ということで,一体何が言いたいのかわからなくなってきたが,ECMらしさってのは十分に感じられるアルバムである。星★★★★。

Recorded in September 1978

Personnel: Collin Walcott(sitar, tabla, hammered dulcimer, kalimba, vo), Don Cherry(trumpet, wood flute, doussn' gouni, vo),Nana Vasconceros(percussion, cuica, berimbau, vo)

2018年4月 2日 (月)

Spielbergらしいリベラルなトーンに満ちた「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」

「ペンタゴン・ペーパーズ:最高機密文書("The Post")」('17, 米,Fox/Universal)

The_post_2監督: Steven Spielberg

出演: Meryl Streep, Tom Hanks, Sarah Paulson, Bob Odenkirk

 この週末に見に行ったのが,日本では公開されたばかりのこの映画である。いかにもSpielbergらしいリベラルな気風に溢れた映画である。一言で言えば報道の自由を追求する新聞社側と不都合を隠そうとする政権のバトルを描いているが、徹底的に揶揄されるRichard Nixon像は,不都合な報道を「フェイク・ニュース」とするDonald Trumpと完全にオーバーラップしている。そして,ラストにウォーターゲート事件を持ってくることにSpeielbergのTrumpへの猛烈な皮肉を感じて笑っていた私である。

 結論からすれば,実話ゆえに結末はわかっているにもかかわらず,テンポよく面白く見られる映画に仕立てたSpielbergの手腕は見事と思えた。そして,強調したいのはこの映画の主役はMeryl Streepであり,本質的にこの映画は彼女のための映画だということである。ストーリー上はTom Hanksも立派な主役だが,Meryl Streepの存在感が圧倒的であった。まぁ、Tom Hanksにとってちょっと可哀想だったのは,彼が演じた編集主幹,Ben Bradleeは「大統領の陰謀」でJason Robardsが渋く演じて,オスカーの助演男優賞を取っているだけに,我々の年代にはその印象が強く残っていたことか。

 いずれにしても,私のようなリベラルな人間にとってはこういう映画を見ていると実に嬉しくなってしまった。ということで,甘いの承知で星★★★★☆。面白く見られることは保証できる。メディアの批判に熱心などこかの国の政治家や彼らの取り巻きにも見せたいものだ。

2018年4月 1日 (日)

何も言うことがないBob Marleyライブのデラックス版。

"Live! Deluxe Edition" Bob Marley & the Wailers (Tuff Gong/Island)

_20180331多くを語ることすらおこがましいBob Marleyの名ライブであるが,その音源が録音されたのが1975年7月18日,そのデラックス・エディションである本盤はその前日(私の14歳の誕生日だ!それがどうした!! 爆)の演奏と18日の演奏のフル・ヴァージョンを収めたもの。

まぁ,正直言って,もとのライブ盤がよく出来ているので,そのデラックス・エディションと言っても,どうなのよって気もする。ただ,やはりファンとしては聞きたくなるのが人情だろうという感じの2枚組である。

今回,この2枚組を入手した上で,改めてオリジナルのアルバムを聞いてみたのだが,やはり馴染みがあるのがオリジナルの方であるがゆえに,ちょっと冗長な感じがなかったわけではない。そもそもディスク1とディスク2で曲が結構かぶっているしねぇ。18日の方が2曲多いが,それ以外は全く同じなので,やはりどちらかと言えばコアなファン向きの音源かもしれない。しかし,元のアルバムからわかっている通り,いい曲揃いの非常に優れた演奏なので,オリジナルを聞いたことがないリスナーがこちらから聞くというのもありかもしれない。その場合は18日の演奏を収めたディスク2から聞くのをお勧めしたい。

いずれにしても,いいものはいいということで,このライブに文句をつけること自体,私の中ではありえない。正直に言うと,私が一番Bob Marleyで驚いたのは"Catch a Fire"のジャマイカ版を聞いた時であって,このアルバムではない。本当の「素の」Bob Marleyの音楽はこれだったのねぇって思ったことも懐かしい。だからと言って,このアルバムの価値が下がることは絶対ないが...。オリジナルへの敬意も込めて星★★★★★。

Recorded Live at Lyceum, London on July 17 & 18,1975

Personnel: Bob Marley(vo, g), Carlton "Carly" Burrett(ds), Aston "Family Man" Barrett(b), Tyron Downie(key),Al Anderson(g), I-Threes(vo)

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