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2018年3月20日 (火)

Jerry Bergonzi入りのHal Galperの新譜を聞く。

"Cubist" Hal Galper (Origin)

_20180318_2私がちょくちょくお邪魔しているテナーの聖地ことBar D2のマスターは,テナー・サックスに関する造詣の深さにおいて,圧倒的な方である。Steve Grossman,Dave Liebman,そして本作にも参加しているJerry Bergonziの参加アルバムの保有枚数には,いつもいい意味で「開いた口がふさがらない」。そのマスターが「本作はBergonziファン必聴の一枚」とおっしゃるからには,聞かないわけにはいかない。

ということで,届いたこのアルバム,拍手などの音は聞こえないが,ライブ・レコーディングされたもののようである。少なくとも彼らがツアーに出ている期間に録られたものであることは間違いなかろう。

そして,こういうセッティングで聞かれる演奏は,Hal Galperがライナーに書いている通り,まさにRubato,即ち,本来の意味ならば,自由にテンポを変化させながらの演奏だが,ここでは自由度の高いスポンタニティを重視した演奏と言い換えることができると思う。だからと言ってフリーにやるってことではないのだが,それをHal Galperをキュービズムの画家のスタイルに例えて,本作のタイトルとしている訳だ。

ここには全8曲が収録されているが,そのうちの4曲をベースのJeff Johnsonのオリジナルが占めているのが特徴的である。ライブのレパートリーを考えるに当たって,ネタ探しをしていていたら,これらの曲がヒットしたっていうことらしいが,Jeff Johnsonとしてもこれだけフィーチャーされれば曲を提供しても本望ってところだと思う。

このアルバムに関しては,日本ではまだまだ知る人ぞ知るってレベルだとは思うが,海外での評価は総じて高く,Hal Galperのキャリアにおいても屈指の作品と評価する論調が多い。確かにこのアルバムはよく出来ているが,その中で私の耳はついついJerry Bergonziに行ってしまう。やはりBergonziはワンホーン・クァルテット編成(もしくはピアノレスのトリオ)が私にとっては最もピンとくるなぁって感を強くする。そして,Jerry Bergonziのテナーのフレージングのカッコいいことよ。近年のBergonziのアルバムではCarl Wintherとやったクァルテットによる"Sonic Shapes"や"Tetragonz"に匹敵するという感覚である。

Jerry Bergonziについてばかり書いているが,Hal Galperをはじめとするトリオがあってこそのこの演奏ということは忘れてはならない。Bar D2のマスターの言葉通り,これは「本作はBergonziファン必聴の一枚」であるとともに,Hal Galperの楽歴においても,大いに評価すべきアルバムと言ってよいと思う。星★★★★☆。今度はちゃんと彼らによるEnjaのアルバムも聞き直すこととしよう。

Live at Tommy LiPuma Center for Creative Arts, Cleveland on October 14, 2016

Personnel: Hal Galper(p), Jerry Bergonzi(ts), Jeff Johnson(b), John Bishop(ds)

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