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2018年3月31日 (土)

ブログの更新停滞中。

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ここのところの年度末の飲み会続きで記事の更新が滞ってしまっている。音楽を聞いていない訳ではないのだが,ほぼストリーミング・オンリーなので記事にするほど集中して聞けていないのだ。まぁ,仕方がないが、来週は来週で年度始めの飲み会続きってことで,この週末に頑張りますか(笑)。

現在は某所からの移動中なのだが,家に帰ったら早速取り掛かりますかねぇ。因みに昨日は某所で桜を愛でていた私。

2018年3月27日 (火)

"Relayer"を久しぶりに聞いた。

"Relayer" Yes (Atlantic)

_20180325_3私は長年のYesのファンであった。もはや過去形でしか言えないのは悲しいが,くだらない旧作再現ライブをリリースし続け,長年のファンの顰蹙を買っている彼らにはとうに愛想が尽きている私である。だからと言って,過去のアルバムを手放す気はないし,「危機」や「究極」は今でも好きなことには変わりはない。

そうした長年のファンである私にとっても本作の前作である「海洋地形学の物語」は,非常に評価の難しいアルバムであった。端的に言えば,冗長で緊張感に乏しいアルバムとしか私には思えなかったのだ。同作で評価が難しくなったYesが,Rick Wakeman脱退を受けてリリースしたのが本作であるが,これも賛否が分かれるアルバムの典型みたいになってしまっている。これはPatrick Morazがもたらしたテンションが,従来のYesのサウンド・カラーに変化を及ぼしたことが大きいと思うが,今回,久しぶりに本作を聞いても,従来の作品との明らかな違いを感じてしまった。まぁ,一言で言えばYesっぽくない。

そういう印象を与えるからといって,このアルバム,改めて聞いてみれば,結構いいアルバムだったと思える。ここまでの緊張感を保ちながら,タイトなリズムの上で,Steve HoweのギターとMorazのキーボードが躍動するっ感じなのだ。まぁ,「躍動」というにはちょっとテンションが高過ぎるというのが正直なところである。そう言えば,昔,このラインアップによるライブ映像のレーザー・ディスクを保有していたなぁなんて思ってしまうが,再生環境がなくなって廃棄してしまったのはもったいなかった。今やYouTubeで見られるから全然問題ないが...。

いずれにしても,Yesというバンドとしては異色のアルバムと言えるかもしれないが,まだまだプログレど真ん中みたいな演奏という気もして,悪くないなぁなんて思っている。もちろん,この次にRick Wakemanが復帰した「究極」の方が彼ららしさがより強くなっていて好きだが,それでももう少し評価されてもいいアルバムだと思う。星★★★★。

ちなみに,私が持っているのは再発盤だが,ここにボーナスで入っている「錯乱の扉」のおそらく初期のリハーサル・ヴァージョンだが,キーボードが入っていない状態では全然違う曲に聞こえるのが面白いが,これが結構カッコいいのだ。ボーナス・トラックだからと言ってバカにしてはならない。

Personnel: Jon Anderson(vo), Steve Howe(g, vo),Patrick Moraz(key), Chris Squire(b, vo)Patrick Moraz(key), Alan White(ds, perc)

2018年3月26日 (月)

珍しくもStevie Wonderを取り上げよう。

"Talkng Book" Stevie Wonder(Motown)

_20180325_2このブログでStevie Wonderについて書いたのは"Songs in the Key of Life"ぐらいである(記事はこちら)。そこにも書いたことだが,Stevie Wonderのピークは1970年代ということには異論を差し挟む余地はなかろう。本作を端緒とする3部作,そして,"Key of Life"を含めた4作こそ行くところまで行ってしまった感がある。私としては,そうした中ではこのアルバムは比較的軽い感覚で捉えているが,いいものはいつ聞いてもよいに決まっている。

久しぶりにこのアルバムを聞いたのだが,最後の最後に"I Believe(When I Fall in Love It Will Be Forever)"なんて入っているのねぇなんて,改めて気づく私であった。この曲,Art Garfunkelがアルバム"Breakaway"の冒頭に収められているが,Artがほぼオリジナルに忠実に歌っていることがわかって面白かった。もちろん,このアルバム,"You Are the Sunshine of My Life"やら"Superstition"のような有名曲も入っているが,それだけのアルバムではないということがわかるってもんだ。

Jeff Beckがギター・ソロを弾く"Lookin' for Another Pure Love"なんて,ギターに注目していたら肩透かしを食らうが,いい曲であることには間違いない。やはり粒揃いの曲があつまっているのである。Stevieが更なる高みに達するのは"Innvervisions"以降と考えてもいいが,この段階でそれに向けての助走は間違いなく始まっていたと言いたくなる作品。星★★★★☆。

まぁ,Stevie Wonderについてはこうしてアルバム単位で聞いてもいいし,ベスト盤を聞いても楽しめるが,日頃ベスト盤を聞くことが多い私にとっては丁度よい温故知新であった。

Personnel: Stevie Wonder(vo, various instruments), Ray Parker,Jr.(g), Jeff Beck(g), Buzzy Feiton(g), Scott Edwards(b),Daniel Ben Zebulon(conga), Dave Sanborn(as), Trevor Lawrence(sax), Steve Madaio(tp), Gloria Barley(vo), Lani Groves(vo), Jim Gilstrap(vo), Shirley Brewer(vo), Denise Williams(vo), Loris Harvin(vo), Debra Wilson(vo)

2018年3月25日 (日)

Sam Dees:昼下がりのサザン・ソウルもいいねぇ。

"The Show Must Go on" Sam Dees(Atlantic)

_20180325桜も満開の季節を迎えて,春爛漫という陽気の中,家で聞いていたのがこれである。天気も陽気もいいのだから,出掛ければいいものをとも思うが,ゴルフの朝練に行ったからまぁよしとしよう。

帰宅して,部屋の整理もしながらこの音楽を聞いていたのだが,この音楽にはついつい耳をそばだててしまう魅力があって,片づけが滞ってしまった(笑)。とにかく曲がいいのだ。いろいろなタイプの曲が収められているが,まさにこれこそソウルの王道って感じの音である。ジャケットも超渋く,こういうのをLPフォームで部屋に飾っていたら,「渋い奴」という評価確実だろう(爆)。

細かい参加ミュージシャンのデータはないが,基本は下記のメンツがコアで,そこにホーンやコーラスが加わる形態だが,本当にこれは素晴らしいソウル・アルバムであった。改めて感銘を受けた昼下がり。星★★★★★。おまけで我が家の近所の桜の写真もアップしておこう。いつもながら綺麗である。

Personnel: Sam Dees(vo, key), Glen Woods(g), David Camon(b), Sherman "Fats" Carson(ds)

2018

2018年3月24日 (土)

第1期Mahavishnuの未発表ライブは強烈だった

"Unreleased Tracks from Between Nothingness and Eternity" Mahavishnu Orchestra (Columbia/Legacy)

Mahavishnu私はJohn McLaughlinの結構なファンなので,彼のアルバムは相当数保有している。そんな中で喉に刺さった魚の小骨のような気分にさせてくれていたのがこのアルバムである。これは,Mahavishnu Orchestraのオリジナル・ラインアップによるColumbiaレーベルへのレコーディングの集成ボックスに含まれていた未発表音源なのだが,第1期のメンバーのライブだけに気になっていたが,さすがにこれだけのために購入するのを躊躇していたら入手困難になってしまった。その後は高値になってしまったので諦めていたが,なんのことはない。Apple Musicで聞けるではないか。ということで早速聞いてみたが,やっぱり濃い〜バンドである。

よくもまぁこんな高速ユニゾンをやってしまうものだと思わせたり,超ハイブラウなハード・フュージョンが全編で展開されている。どのメンバーも凄いテクニックなのはわかっているのだが,リーダーはもちろんとしても,やはりこのバンドの肝はBilly Cobhamであったと思わせるに十分な演奏である。とにかく超タイトなのである。このドラムスの煽りを聞いているだけで燃える。

この元になっている“Between Nothingness and Eternity”が40分あまりだったのに対し,こちらは1時間以上収録されており,もっと入手を容易にすれば,いくらでも買う人間がいると思わせるのだが,こうしてストリーミングで聞けるなら全然文句はない。だが,今回聞いてみて,俄然保有意欲が高まってしまったが,やっぱりこれだけのためにはきついなぁ(苦笑)。

いずれにしても,この音源はもっと知られてよい音源であることには間違いない。世に出たことを感謝して星★★★★☆。

Personnel: John McLaughlin(g), Jerry Goodman(vln), Jan Hammer(key), Rick Laird(b), Billy Cobham(ds)

2018年3月23日 (金)

Norma Winstone:これぞ選曲の妙。素晴らしい映画音楽集。

"Descansado: Songs for Films" Norma Winstone (ECM)

_20180319_3Norma Winstoneによる映画音楽集である。ここはまず,その選曲のセンスが絶妙。よくぞこれだけばらけた映画の曲を集めながら,一貫性を保ったことが凄い。ここで選ばれている映画は次のような作品群である。

  • 「華麗なる賭け」(1968)
  • 「ロミオとジュリエット」(1968)
  • 「昨日・今日・明日」(1963)
  • 「女と男のいる舗道」(1962)
  • 「リスボン物語」(1994)
  • 「マレーナ」(2000)
  • 「イル・ポスティーノ」(1994)
  • 「アマルコルド」(1973)
  • 「プライドと偏見」(2005)
  • 「ヘンリー五世」(1944)
  • 「タクシー・ドライバー」(1976)

このように比較的よく知られたものもあれば,そうでもないものも交えつつ,制作された年代も,国も違う映画の音楽を揃えながら,終わってみれば,完全にNorma Winstoneの世界に染め上げているのは,まさに驚異的である。極めて限定的なバックのサウンドの上に静謐に展開されているが,オリジナルの映画音楽の持つ美しさとNorma Winstoneの表現を見事なまでに融合し,表現したアルバムに私は文句をつける余地がない。

映画音楽のインタープリテーションとして,これほど優れたアルバムに出会うことはほとんどありえないと断言してしまおう。とにかく,この選曲,見事というしかない。興奮とは無縁な世界ではあるが,じっくりこの音楽に耳を傾けるべき最高の作品である。映画好きも唸ること必定の傑作。喜んで星★★★★★としよう。それにしても,1曲目に「華麗なる賭け」を置き,「タクシー・ドライバー」をほぼエンディングに持ってきて,欧州映画を間に挟むとは...。凄いセンスとしか言いようがない。

Recorded in March 2017

Personnel: Norma Winstone(vo), Glauco Venier(p), Klaus Gesing(ss, b-cl), Helge Andreas Norbakken(perc), Mario Brunello(cello)

2018年3月22日 (木)

メンツを見れば,まぁ音も想像がつくPSPのライブ盤なのだが...。

"Live" PSP (C.A.R.E. Music Group)

_20180319_2Simon Phillipsは自身のバンド,Protocolでハードなフュージョンを聞かせているが,本作は2009年にPhillippe Saisse, Pino Paladinoという濃い~メンツによって結成されたPSPとして来日した時の演奏を収めたものである。

主題の通り,このメンツを見れば,まぁ大体どういう音が出てきそうかは想像がつくが,まさに予想を裏切らない演奏と言ってよいだろう。このメンツであれば,ロック的なフレイヴァーでも,フュージョン的なフレイヴァーでもどちらでもいけるところだが,正直言って私はもう少し激しい音楽を期待していたのだが,それでも高いレベルのフュージョンは聞けるのは間違いない。

だが,私にとっては難点の方が強く感じられてしまう。このメンツにはDave Brubeckの"Blue Rondo A La Turk"は明らかに不釣り合いで,演奏は悪い訳ではないとしても,この曲が出てくると,なんで「ブルー・ロンドやねん?」という思いが先に立ち,正直さめる。それに先立つ"Monday Afternoon"もスムーズ・ジャズ一歩手前の響きを持っているし,"Masques"に至ってはまるでJoe Sampleのようなのだ。もっとタイトにビシビシやって欲しい私のようなリスナーにはどうもなぁ...って感じである。このメンツ,少なくともPaladino~Phillipsというリズム隊に期待するテンションが感じられないのはやはり痛い。

これならば,私はSimon PhillipsのProtocolのアルバムを聞いている方が圧倒的に興奮できると思えたというのが正直なところであり,メンツがメンツだけに惜しいなぁと言わざるをえない。決して悪い演奏だとは思わないが,星★★★で十分だろう。

Recorded Live at ビルボードライブ東京 on February 4 & 5, 2009

Personnel: Simon Phillips(ds), Philippe Saisse(p, key), Pino Paladino(ds)

2018年3月21日 (水)

多作家,Neil Youngの最新作が結構いいねぇ。

"The Visitor" Neil Young & Promise of hte Real (Reprise)

 _20180319最近の兄貴ことNeil Youngの多作ぶりは際立っていて,新作のほかにアーカイブ音源も出てくるものだから,一体どれぐらいリリースされているのかも追い切れていないような状態である。ここのところの新譜は,私にはどうも訴求してくる部分が少なく,このブログでも直近で取り上げたのはアーカイブ音源,"Hitchhiker"ぐらいで,新作については買ってはいても,とんと取り上げていない。

このアルバムもショップで仕入れたのは1カ月ぐらい前だが,ようやくの記事のアップである。だが,こうして兄貴の新作を取り上げるのには意味がある。とにかく,久々に一聴した感じがいいのである。ロック的な部分とフォーク的な要素をうまく組み合わせており,ここ何年かの新譜の中では,一番出来がいいように感じさせてくれた。

こうしたNeil Youngの多作ぶりは,彼の創造力が全く衰えていないことはもちろんであるが,いろんなことへの「怒り」を発露する手段としてアルバムを出しているという要素もあろう。だって,このアルバムの冒頭の”Already Great"では,"I am Canadian, by the way. And I love the USA. I love this way of life. The Freedom to act the freedom to say."なんて皮肉たっぷりな歌詞で始まっているのだ。そしてそのエンディングは”No wall. No hate. No facsist USA. Whose street? Our street."ときたもんだ。超リベラルな私が嬉しくなってしまうような歌詞ではないか。ロックってのはこういうもんだぜ。

もちろん,これをNeil Youngの最高傑作なんて言う気もないが,兄貴がもう70歳をとうに過ぎていることを考えれば,衰えない創作意欲と問題意識には感服せざるをえない。だって,4月にはもう次の新作が出るって,一体どうなっているのやら...。星★★★★☆。

Personnel: Neil Young(vo, g, p, hca, whistle), Lulas Nelson(g, vo), Micah Nelson(g, vo), Corey McCormick(b, vo), Anthony LoGerfo(ds), Tato Melgar(perc) and others

2018年3月20日 (火)

Jerry Bergonzi入りのHal Galperの新譜を聞く。

"Cubist" Hal Galper (Origin)

_20180318_2私がちょくちょくお邪魔しているテナーの聖地ことBar D2のマスターは,テナー・サックスに関する造詣の深さにおいて,圧倒的な方である。Steve Grossman,Dave Liebman,そして本作にも参加しているJerry Bergonziの参加アルバムの保有枚数には,いつもいい意味で「開いた口がふさがらない」。そのマスターが「本作はBergonziファン必聴の一枚」とおっしゃるからには,聞かないわけにはいかない。

ということで,届いたこのアルバム,拍手などの音は聞こえないが,ライブ・レコーディングされたもののようである。少なくとも彼らがツアーに出ている期間に録られたものであることは間違いなかろう。

そして,こういうセッティングで聞かれる演奏は,Hal Galperがライナーに書いている通り,まさにRubato,即ち,本来の意味ならば,自由にテンポを変化させながらの演奏だが,ここでは自由度の高いスポンタニティを重視した演奏と言い換えることができると思う。だからと言ってフリーにやるってことではないのだが,それをHal Galperをキュービズムの画家のスタイルに例えて,本作のタイトルとしている訳だ。

ここには全8曲が収録されているが,そのうちの4曲をベースのJeff Johnsonのオリジナルが占めているのが特徴的である。ライブのレパートリーを考えるに当たって,ネタ探しをしていていたら,これらの曲がヒットしたっていうことらしいが,Jeff Johnsonとしてもこれだけフィーチャーされれば曲を提供しても本望ってところだと思う。

このアルバムに関しては,日本ではまだまだ知る人ぞ知るってレベルだとは思うが,海外での評価は総じて高く,Hal Galperのキャリアにおいても屈指の作品と評価する論調が多い。確かにこのアルバムはよく出来ているが,その中で私の耳はついついJerry Bergonziに行ってしまう。やはりBergonziはワンホーン・クァルテット編成(もしくはピアノレスのトリオ)が私にとっては最もピンとくるなぁって感を強くする。そして,Jerry Bergonziのテナーのフレージングのカッコいいことよ。近年のBergonziのアルバムではCarl Wintherとやったクァルテットによる"Sonic Shapes"や"Tetragonz"に匹敵するという感覚である。

Jerry Bergonziについてばかり書いているが,Hal Galperをはじめとするトリオがあってこそのこの演奏ということは忘れてはならない。Bar D2のマスターの言葉通り,これは「本作はBergonziファン必聴の一枚」であるとともに,Hal Galperの楽歴においても,大いに評価すべきアルバムと言ってよいと思う。星★★★★☆。今度はちゃんと彼らによるEnjaのアルバムも聞き直すこととしよう。

Live at Tommy LiPuma Center for Creative Arts, Cleveland on October 14, 2016

Personnel: Hal Galper(p), Jerry Bergonzi(ts), Jeff Johnson(b), John Bishop(ds)

2018年3月19日 (月)

Tracey Thornの新作は驚きのシンセ・ポップ。

"Record" Tracey Thorn(Unmade Road)

_20180318Tracey Thornの新作がリリースされた。オリジナルとしては"Love and Its Opposite"以来8年ぶりということだが,その間にホリデイ・アルバム"Tinsel And Lights"やEP"Songs from the Falling"もあったので,それほどの久しぶり感はない。しかし,ここで展開されている音楽には驚かされた。まさにこれこそTracey Thornの声でシンセ・ポップって感じなのである。

Tracey Thornの声は,加齢ゆえなのかもしれないが,これまで以上に低くなっているように感じる。その魅力は不変ではあるが,これまでの彼女,あるいはEverthing but the Girlでの音楽を知る人間にとっては,ここでの音楽については違和感をおぼえても仕方がないものかもしれない。だが,純粋に音楽として聴いてみると,これが非常に優れたアルバムなのである。

そもそもここでプロデュースをしているEwan Pearsonという人は,ダンス・ミュージック系の音楽で知られている人だそうである。よくよく見れば,Tracey Thornの2007年のアルバム,"Out of Woods"のプロデューサーでもあるが,それに関しては私は「打ち込みを基調とした最小限の伴奏に,Traceyのボーカルが乗る」と書いている(記事はこちら)から,その頃からこのアルバムへの道筋はあったのかもしれない。

演奏はシンセ・ポップのようではあるが,ここで強調したいのは曲のよさである。EBTGのように響く"Babies"のような曲もあれば,Corrine Bailey Raeを迎えた"Sister"はマイナー・キーのメロディ・ラインが印象的な曲もあり,非常にクォリティが高い。こういう感覚は私にとってはYazooに感じたものと同質である。これは驚いたとともに,今後のTracey Thornの活動にも更なる期待を寄せたくなる一枚である。甘いの承知で星★★★★★としてしまおう。それにしても"Record"ってタイトルは凄いねぇ(笑)。

Personnel: Tracey Thorn(vo, g, p, synth), Ewan Pearson(synth, prog), John Opstad(synth), Shura(g), Juno Ma(g, synth), Jenny Lee Lindberg(b), Stella Mozgawa(ds), Martin Ditcham(perc), Clare Wheeler(vln), Juno-60(vo), Corrine Bailey Rae(vo)

2018年3月17日 (土)

ついに到着。Brad Mehldauの"After Bach"

"After Bach" Brad Mehldau(Nonesuch)

_201803163/9に発売されながら,我が家に到着するまでリリース後1週間近く経過し,大いに苛つかされたが,ようやく到着である。このアルバムはバッハの「平均律」とMehldauのオリジナルを混在させるという,極めてチャレンジングな作品と言ってもよいが,もとは2015年にカーネギー・ホール等からの委嘱によって作曲された"Three Pieces after Bach"に基づくものである。しかし,ここに収録されたのは「平均律」からが5曲,Mehldauのオリジナルが7曲であるから,オリジナルのコンポジションからは拡大されたと考える必要があるかもしれない。

正直言って,私はこのアルバムの企画を知った時,かなり不安だった。私がいくらBrad Mehldauの追っかけだからと言って,別に彼の弾く「平均律」にそれほど関心を抱くことはできないのだ。それこそ「平均律」を聞くならSchiffでもRichterでもよいと思っていた。だが,このアルバムを聞いて,そうした不安は簡単に消え去ってしまった。

Brad Mehldauのオリジナルは,バッハにインスパイアされたものだという前提だが,私にはバッハが今の時代に生きていたらという仮定で,Brad Mehldauは作曲したのではないかと思える。だから敢えて,「平均律」とオリジナルを対比的に置くことによって,その曲の個性の違いを浮き立たせることに意義があったのではないか。すなわち,明確な意図があって,こういう並びにしていると考えざるを得ないのである。Mehldauのオリジナルも確かにバッハ的に響く瞬間もあるのだが,やはりBrad Mehldauのオリジナルは彼らしいオリジナルだと言ってよい。どの程度が記譜され,どの程度がインプロヴィゼーションなのかわかりかねる部分もあるが,ここで聞かれるピアノ曲はやはりBrad Mehldauにしか弾くことはできないであろうと思わせるに十分である。

そして,最後に据えられた"Prayer for Healing"。この曲にだけバッハの名前がついていない。これは11曲目までの組曲的な演奏を終え,そのテンションから解放されたBrad Mehldauの精神が反映されていると言っては大げさか?アルバムのエンディングを静かに飾る曲として,これほどふさわしい曲はないだろう。

ということで,これは正直言って相当の問題作と言ってもよいが,Brad Mehldauは軽々と越境を成し遂げたというところだろう。やはりこの人,凄い人である。そのチャレンジ精神にも敬意を示すために,星★★★★★としてしまおう。

甚だ余談であるが,このアルバム・カヴァーを見ていると,Hitchcockの「めまい」を思い出してしまった私であった。

Recorded on April 18-20, 2017

Personnel: Brad Mehldau(p)

2018年3月16日 (金)

Francesco Cafiso~Mauro Schiavoneライブ@イタリア文化会館参戦記

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たまにジャズ系の無料ライブをやってくれるイタリア文化会館であるが,今回はFrancesco Cafisoとピアニスト,Mauro Schiavoneのデュオ・ライブであった。ここでのライブは,日頃ジャズと縁遠そうな聴衆が多いのは,武蔵野スイングホールと似た感じであるが,文化交流を進めてくれるのだから,別に文句はない。

Francesco Cafisoと言えば,わずか9歳で登場し,まさに神童と言われ,日本でも騒がれだしたのが2005年ぐらいだろうか。今回の来日は2005年以来と言っていたように思うが,それでも彼は1989年の5月生まれなので,まだ28歳なのである。彼の年齢を改めて調べて,本当に驚いた。最近は名前を聞くことも少なくなっていたところに突然の来日であった。相方のMauro Schiavoneは1975年生まれなので,一回り以上年齢は上だが,最近のCafisoのアルバムに参加しているようである。

そうした二人のデュオだが,前半はCafisoのオリジナルを中心に,後半はスタンダード("Moon River"以外は曲名が思い出せない...)に加えて「ふるさと」なんかもやってしまうというプログラムであった。一言で言えば,Francesco Cafisoのアルトは朗々とよく歌う。そしてMauro Schiavoneのピアノはかなり饒舌なのだが,テクニックは十分感じさせるもので,聞いていて思ったのが,これが本当のカンツォーネ・ジャズ(笑)だなって感じである。とにかく歌心は抜群である。逆に言えば,やや陰影に乏しいって気もするが,それはアンコールでやったエモーショナルな"Left Alone"で帳消しにしたってところだろうか。まぁ,ちょいとやり過ぎ感はあったが,あれはあれでよかった。

彼らの演奏を聞いていて,つくづくイタリア・オペラの国だなぁとさえ思ってしまったが,いずれにしても,こういう演奏を無料で聞けるのは本当にありがたいことであった。彼らのツアー・スケジュールを見ても,今回の演奏についてはサイトに掲載されていないし,日本でのほかの演奏の予定もなさそうなので,今回のライブのためだけに来日したようだが,こうなると今回のスポンサー(協力と書いてある)であるブルガリジャパンに感謝せねばなるまい。

会場ではCafisoがお好きなブログのお知り合い,oza。さんともお会いすることができたが,サイン会がなかったのはちょっと残念だった。まぁ,それでもCDの即売もしていなかったようだし,欲がないんだねぇとも思ってしまった。今日の会場ではさすがに撮影は憚られたので,今日はイタリア文化会館のサイトから写真を拝借。いずれにしても,28歳にしてこのキャリア,この歌心,まじで驚いた私である。

Live at イタリア文化会館 アニェッリホール on March 14, 2018

Personnel: Francesco Cafiso(as), Mauro Schiavone(p)

2018年3月12日 (月)

Keith Jarrett: 病からの復活を記録したライブ盤。

"After The Fall" Keith Jarrett / Gary Peacock / Jack DeJohnette (ECM)

_20180311Keith Jarrettが慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)によりシーンから姿を消していたのが96年~98年の約2年間のことであるが,病からの復活を遂げ,ライブの場への復帰を記録した音源が本作である。

本人がライナーに詳しく書いている通り,闘病中もこのトリオでのリハーサルは行っていたようだが,ライブを行うには体調も考慮し,Keithの自宅のそばがよかろうということで,選ばれたヴェニューがニューアークだったとのことである。更に,テクニックは必要でも,いつものKeithほど激しく演奏する必要のないビ・バップを選択したらしい。ここに収められているのはバップ・チューンばかりとは言えないが,有名なスタンダードやジャズ・オリジナルで占められているのはそういう理由である。その一方で,ここでの演奏はKeithも"Scary Experiment"だったと書いている。完全復活を遂げられるかへの不安があったことは疑いようもない。

しかし,ここでの演奏を聞けば,確かにいつもよりはちょっと軽い響きかなと思わせる部分がない訳ではない。ある意味,テンションが抑制されていて,聞き易いという感じもするが,いつもながらのこのトリオらしい非常に緊密かつ高レベルの演奏が収められていることがわかる。正規の録音を企図したものではなく,DATへの録音をマスタリングしたにしては,十分な音質で録られていることもあって,単なるドキュメントではなく,ちゃんとした音源になっていることがありがたい。そして,Keith本人も,ちゃんと演奏できるということを確信したライブになっているのは間違いない。

このトリオの演奏も,常に最高と言えるものばかりとは思っていないが,これは記録性という観点でも非常に貴重なものであり,復活以来,アクティブな演奏活動を継続するKeith Jarrettの凱旋を証明したものとして,そのリリースを大いに喜びたい。星★★★★☆。

Recorded Live at New Jersey Performing Arts Center on November 14, 1998

Personnel: Keith Jarrett(p), Gary Peacock(b), Jack DeJohnette(ds)

2018年3月11日 (日)

ブートついでに,今度はChick Corea。

"500 Club" Chick Coea(ブートレッグ)

_20180310_2久しぶりの「宇田川町詣で」(笑)のついでということで,Jukkis Uotila Bandと一緒に仕入れてきたのがこれである。新橋500クラブ(?)ってところで録音されたらしいのだが,いかにもChick Coreaらしいピアノ・ソロの演奏が楽しめる。

そもそもこの音源が録音された新橋500クラブってどういうところやねんという話もある(ググってもちっともヒットしない)が,時は1973年,1月のReturn to Foreverでの来日時に録られたもののようである。音は極めて良好,秘蔵音源を発掘して世に出すという正しいブートレッグ(笑)の姿と思える。"Sometime Ago"なんかはちょっと硬いかなぁって気もするが,"What Game Shall We Play?"なんて,本当にいい感じで弾いている。そして,誰がどう聞いてもChick Coreaのフレージング。昔,タモリが誰にでも弾けるChick Coreaなんてネタをやっていたのも懐かしいが,こうやって聞くと,やっぱりスタイリストだよねぇって気がする。

今から45年前の記録であるが,こういうのが残っているってのは凄いことである。

Recorded Live at Shinbashi 500 Club on January 21, 1973

Personnel: Chick Corea(p)

2018年3月10日 (土)

久々のブートレッグ・ネタ:Jukkis Uotila Bandのライブ

"Live in 1989" Jukkis Uotila Band (Bootleg)

_20180310私はStuntレーベルからリリースされたJukkis Uotila Bandのライブ盤を偏愛していると言ってもよい。あまりに好き過ぎて,Mike Sternに初めてサインをもらったのはそのアルバムだし,私が頻繁に出没する新橋のテナーの聖地,Bar D2においては,帰る前の1曲としてそのアルバムのラストに入っている"The Individualist"を毎度毎度かけて頂いて,マスターやほかのお客さんの顰蹙を買っている(爆)。もはやそらで歌えるレベルまで聞き倒しているが,それぐらい好きなのだ。

そのアルバムと同じメンツのブートが出たという情報を入手したものの,時間が取れず「宇田川町」(笑)になかなか出向けなかったのだが,ようやくである。正規盤は89年4月10日のコペンハーゲンと,4月11日のイェーテボリでの演奏を収めたものだが,今回のブートはその前日の4月9日のブレーメンでの演奏をディスク1に,日付はないが,スウェーデンのルンドでの演奏をディスク2に収めたものである。場所から考えれば,ルンドの演奏は正規盤の後ってことになるだろう。

収録されているのは,正規盤とかぶるのが3曲ずつ,ディスク2にはMike Sternの"Upside Downside"から"After You"が入っている。ブートだけに文句は言えないのだが,ディスク2の最後に収められた"The Individualist"は放送時のアナウンスがかぶるとともに,フェードアウトというのは痛い。しかし,聞けるだけでもよしとしなければならない(苦笑)。

まぁ,ブートレッグとは言え,演奏のクォリティはそんなに変わらないが,聞き慣れた正規盤との演奏の違いは結構感じられて,やっぱりこの辺はジャズ・ミュージシャンだよねぇと思ってしまう。いずれにしても,こういう演奏をここで紹介することが憚られないわけではないのだが,それでもやはりに聞かずにおけなった,そして記事をアップせずにおけなかったというのが,オタクの性ってことで。まぁ,演奏は正規盤の方がやっぱりよくできているのだが

それにしても,Lars Janssonがこんな演奏をしていたってのは,今となっては全く信じられないよねぇ。事実は小説より奇なり。

Recorded Live in Bremen on April 9 and in Lund on someday in April,1989

Personnel: Jukkis Uotila(ds), Bob Berg(ts), Mike Stern(g), Lars Jansson(key), Lasse Danielsson(b)

2018年3月 7日 (水)

バブル期でなければ作れなかったであろうHelen Merrill~Gil Evansの"Collaboration"

"Collaboration" Helen Merrill / Gil Evans(Emercy)

_20180304_2これは父の遺品である。私はジャズ・ヴォーカルはあまり聞かないと常々書いているが,例外もある。Helen MerrillもClifford Brownとやったアルバムや,トランぺッターと共演した"Brownie",更にはStan Getzとやった"Just Friends"ぐらいは保有している。私はGil Evansも好きだが,70年代以降の自由度の高いGil Evansに痺れていただけなので,父がこれを買っていなければ,多分自分では買わないって感じではなかったかと思う。

しかし,久しぶりにこれを聞いてみて,何と金の掛かったアルバムかと思わせるに十分である。本作が吹き込まれたのは1987年夏である。まさにバブルが膨張を始め,コントロールが不能な世界に入りつつある頃である。87年と言えば,NTT株が公開された年なのだ。今ならBitcoinの訳のわからない高騰と同じような感じだが,そんな環境でなければ,こんなアルバムの制作は考えられないというところである。

企画としては,本作の30年前に吹き込まれた"Dream of You"を新しいアレンジでリメイクするというのが主眼である。だが,私は"Dream of You"を聞いたことがないので比較はできないが,独立して聞いても,これは結構よく出来たアルバムだと思う。スイングするっていう感じよりも,Gil Evansのアレンジメントに乗って,Helen Merrillがしっとりと歌い上げるが,非常に落ち着いた雰囲気で演奏が進むので,刺激を求めるリスナーには向かない。

その一方で,Gil Evansがこの頃,自分のオーケストラでやっていたのは,ソロイストのスポンテイニアスな演奏を重視し,そのバックで,Lew Soloffがリフを施していくエネルギッシュなものだったので,ここでの演奏はそれとも全く異なるものなのが驚きである。Helen Merrillという歌手のバッキングのアレンジメントに徹するとこうなるってところなのだろうが,30年前のスコアとどれぐらいの違いがあるのかは残念ながらわからない。しかし,この半年後に亡くなってしまうとは思えない,きっちりした仕事ぶりと思える。そして,それに乗るHelen Merrillの歌もいい。

繰り返しになるが,音楽にどういう要素を求めるかによって,このアルバムのリスナーへの訴求度は大きく異なってくると思うが,バブル期とは言え,こういうアルバムを残せたことは,バブル期の恩恵ってところかもしれない。星★★★★。

Recorded on August 18, 25 & 26, 1987

Personnel: Helen Merrill(vo), Gil Evans(cond, arr), Steve Lacy(ss), Danny Bank(fl, b-cl, bs), Phil Bodner(fl, a-fl, b-cl), Jerry Dodgion(fl, ss), Chris Hunter(fl, cl, as), Willy Kane(b-cl, bassoon), Roger Rosenberg(b-cl), Lew Soloff(tp), 大野俊三(tp, fl-h), Jimmy Knepper(tb), Dave Taylor(b-tb), Gil Goldtein(p, key), Joe Beck(g), Buster Williams(b), Mel Lewis(ds), Harry Lookofsky(vln, t-vln), Lamer Alsop(vln, vla), Theodore Israel(vla), Harold Colletta(vla), Jesse Levy(cello)

2018年3月 6日 (火)

久々に聞いたTribal Techの"Face First"

"Face First" Tribal Tech(Blue Moon)

_20180304前にもこのブログに書いたことがあるが,私が初めてTribal Techというバンドを認識したのは,バンド名をタイトルにした"Tribal Tech"をリリースした1991年まで遡る。当時在米中だった私は,そのアルバムを聞いて,なんじゃこれは?と思ったのだが,Weather Reportライクなところも持ちながら展開される超ハード・フュージョンに興奮させられたことは言うまでもない。ネットで調べたところ,91年の5/29にNYCのミッドタウンにあったLone Star Roadhouseに出演していて,多分,私はそれを見に行ったはずである。実はその頃,私はある悩みを抱えていて,そうした悩みを解消させるためには,こういう音楽が必要だったということもある。それまでは頑なにやらなかったゴルフを始めたのもその頃である。それも振り返れば,もう四半世紀以上も前のことである。

それはさておき,そうして出会ったTribal Techの音楽をその後もフォローしてきたが,90年代半ばを過ぎたあたりから私のTribal Techへの関心は徐々に薄れていったって気がする。それはScott HendersonがTribal Tech以外での活動,例えばVital Tech Tonesのような他流試合で,私を興奮させたからだという話もあるが,それでも好きなバンドであったことには間違いないし,2012年に"X"を出した時も,ちゃんと記事にしている(記事はこちら)。

本作はそんな彼らの1993年作である。Scott Henderson,Gary Willisのリーダー2人にKirk Covington,Scott Kinseyという鉄壁の布陣なので,興奮間違いなしなのはわかっているが,久しぶりに聞いても,全く感覚に変わりがないのは笑えるぐらいであった。

まぁ,それでもここには"Boat Gig"のような「ど」ブルーズの曲も入っているが,クレジットにはStevie Ray VaughanとAlbert Kingに捧げると書いているから,「ど」ブルーズになることも肯けるって話である。Scott Hendersonのソロ・アルバムはブルーズ色が濃いものが多いから,別に彼らがブルーズをやることには違和感はないのだが,それでもアルバムの中では浮いているのは確かだ。この曲でリード・ヴォーカルを取っているのはドラムスのCovingtonだが,確か彼はライブでも歌っていたはずである。ついでに言うと,この曲のバックのコーラスにはBrett Garsedが入っているし,エンジニアリングはT.J. Helmerichって,どれだけ濃い~人脈でやってるんだと言いたくなる(笑)。

いずれにしても,Tribal Techのファンが求める音はここには十分に反映されているし,何とも言えない高揚感を味わわせてくれることは間違いない。結局のところ,やっぱり好きなのである(笑)。星★★★★。

Personnel: Scott Henderson(g, vo), Gary Willis(b, vo), Scott Kinsey(key, vo), Kirk Covington(ds, vo), Dana Sue Collins(vo), Cheryl Graul(vo), Brett Garsed(vo)

2018年3月 5日 (月)

スリランカ出張中に見た映画:残る2本は「キングスマン」シリーズ。

「キングスマン("Kingsman: The Secret Service")」('14,英,Fox)

Kingsman_2監督:Mattew Vaughn

出演:Colin Firth,Taron Egerton, Michael Caine,Samuel L. Jackson,Mark Strong,Edward Holcroft,Sophie Cookson

「キングスマン:ゴールデン・サークル("Kingsman: The Golden Circle")」('17, 英/米,Fox)

監督:Matthew Vaughn

出演:Colin Firth,Taron Egerton,Julian Moore, Jeff Bridges,Channing Tatum,Pedro Pascal, Elton John, Hanna Alström, Halle Berry

Kingsman_the_golden_circle出張中の往路で,最新作の「ゴールデン・サークル」の方を見て,復路で1本目を見るという遡及型の見方をしたのだが,これが結構笑えた。特に2本目は米国のキャストやElton Johnも加わって賑々しいのだが,逆にそれがとっ散らかった印象を与えるのも事実である。また,今回のように,2本目を見てからオリジナルを見ると,「そんなことある?」と思わせる展開があって,それはさすがに行き過ぎだろうと思わせるところもあった。

まぁ,機内エンタテインメントなので,こういう気楽に見られる映画は重要なのだが,いずれにしても監督のMatthew Vaughnも言っている通り,昨今のスパイ映画というのは結構シリアスな展開が多かった中で,この映画は笑いの要素が大きいのが特徴的である。興行収入もいいようなので,第3作の製作も行われるのではないかと思うが,もう少しストーリーを整理する必要は強く感じた。

いずれにしても,私にとってはこういう映画は映画館で見るってよりも,機内エンタテインメントで見ればいいやって感じの映画である。第1作が星★★★☆,第2作が星★★☆ってところだろう。結構面白く見せてもらったが,少なくとも第2作は悪ノリが過ぎたってところだろう。尚,第1作にはMark Hammilまで出ていて,笑ってしまったが,全然Luke Skywalker的ではないので念のため(笑)。

2018年3月 4日 (日)

スリランカ出張中に見た映画:1本目は「オリエント急行殺人事件」

「オリエント急行殺人事件("Murder on the Orient Express")」('17,米/英/仏/加/NZ/マルタ,Fox)

Murder_on_the_orient_express監督:Kenneth Branaugh

出演:Kenneth Branaugh,Johnny Depp,Michelle Pfeiffer, Penélope Cruz,Daisy Ridley

先日のスリランカへの出張は成田~コロンボの直行便で,往路は10時間近くかかるという長いフライトであった。その割に見た映画が少ないのは復路が夜行便だっただけに仕方ないところである。ということで,今回はちゃんと見たのは3本に留まった。その1本目がこの映画である。

「オリエント急行殺人事件」と言えば,誰もが知るアガサ・クリスティによるエルキュール・ポワロものであり,ストーリーも大方の人が知っているだろうが,ネタバレは避けたい。私にとってはIngrid Bergmanがオスカーで助演女優賞を取った1974年のSidney Lumet作が非常に懐かしいが,ストーリーがストーリーだけに,オールスター・キャストに仕立てたくなる映画である。今回のリメイクも相応に役者は揃っているのだが,74年作に比べると,小粒と言うか,華がないって感じである。

ポワロを演じるKenneth Branaughの演出はそれなりに手堅く,主役たるKenneth Branaughもちゃんと目立ってはいるのだが,74年作ではAlbert Finneyがメイクを施して,嬉々として演じていたポアロに比べると,Kenneth Branaughのポアロはちょっと地味かなぁって気がする。どうせならもっと豪華に仕立ててもいい映画であったと思う。そこが残念。ということで,星★★☆。

劇中には「ナイルに死す」につながるようなセリフも出てきていたが,この程度の出来なら,次はなくてもいいように思う。いずれにしても,こうした映画がどういう層に訴求するのかもはっきりしない。それが時代の流れってことなのかもしれない。

2018年3月 3日 (土)

出張と飲み会続きで記事のアップが滞った後の"Outback"

"Outback" Joe Farrell (CTI)

_20180303出張やら飲み会やらちょいと体調を崩してやらで記事のアップが滞ってしまった。たった2日ではないかという話もあるが,実はストック記事のアップが続いていたので,本人としては結構間が空いてしまっているのだ(笑)。おそらくスリランカ出張の疲労が蓄積しているところに,ここのところの酒の飲み方が悪かったって感じである。まぁ自業自得と言えば,その通りなのだが,まじでこの数日はアルコール摂取量が半端ではなかった。

ということで,福井からの出張から自宅に戻り,プレイバックしたのがこれである。CTIにはJoe Farrellのアルバムが何枚かあるが,どれも相応に聞きどころのある佳作だと思っている。そうした中で,最もよく知られたアルバムがこれってことになるだろう。バックにはChick CoreaとElvin Jonesがついているしねぇ。

正直言ってしまうと,私はJoe Farrellがテナーを吹いている演奏が結構好きなので,このアルバムにおけるテナー率の低さはちょっとなぁと感じるところがあるのは事実である。マルチ・リード奏者であることはよくわかるが,もう少しテナーを吹いてもよかったように思える。テナーはようやく"November 68th"のソロで聞かれるが,やはりFarrellのテナーは強烈さは感じさせないのだが,結構魅力的だと思ってしまう。

まぁ,それでもFarrellを支えるElvin Jonesはエネルギッシュな部分とサトルな部分を共存させたさすがのドラミングであるが,加えて全編で聞かれるChick Coreaのエレピの響きが相当に魅力的。Chickのオリジナル,"Bleeding Orchid"なんて,誰がどう聞いてもChick Coreaの曲だが,そこで展開されるエレピのソロなんて見事なものである。

ということで,私としては若干のフラストレーションも感じるものの,やはりこのアルバムは佳作だと思えるわけである。まぁ,Airtoのパーカッションなんて全然目立っていないので,クァルテットでもええんちゃうんかい?とも思えるが,まぁよしとしよう。星★★★★。

Recorded in November, 1971

Personnel: Joe Farrell(ts, ss, fl, a-fl, piccolo),Chick Corea(el-p), Buster Williams(b), Elvin Jones(ds), Airto Moreila(perc)

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