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2018年3月17日 (土)

ついに到着。Brad Mehldauの"After Bach"

"After Bach" Brad Mehldau(Nonesuch)

_201803163/9に発売されながら,我が家に到着するまでリリース後1週間近く経過し,大いに苛つかされたが,ようやく到着である。このアルバムはバッハの「平均律」とMehldauのオリジナルを混在させるという,極めてチャレンジングな作品と言ってもよいが,もとは2015年にカーネギー・ホール等からの委嘱によって作曲された"Three Pieces after Bach"に基づくものである。しかし,ここに収録されたのは「平均律」からが5曲,Mehldauのオリジナルが7曲であるから,オリジナルのコンポジションからは拡大されたと考える必要があるかもしれない。

正直言って,私はこのアルバムの企画を知った時,かなり不安だった。私がいくらBrad Mehldauの追っかけだからと言って,別に彼の弾く「平均律」にそれほど関心を抱くことはできないのだ。それこそ「平均律」を聞くならSchiffでもRichterでもよいと思っていた。だが,このアルバムを聞いて,そうした不安は簡単に消え去ってしまった。

Brad Mehldauのオリジナルは,バッハにインスパイアされたものだという前提だが,私にはバッハが今の時代に生きていたらという仮定で,Brad Mehldauは作曲したのではないかと思える。だから敢えて,「平均律」とオリジナルを対比的に置くことによって,その曲の個性の違いを浮き立たせることに意義があったのではないか。すなわち,明確な意図があって,こういう並びにしていると考えざるを得ないのである。Mehldauのオリジナルも確かにバッハ的に響く瞬間もあるのだが,やはりBrad Mehldauのオリジナルは彼らしいオリジナルだと言ってよい。どの程度が記譜され,どの程度がインプロヴィゼーションなのかわかりかねる部分もあるが,ここで聞かれるピアノ曲はやはりBrad Mehldauにしか弾くことはできないであろうと思わせるに十分である。

そして,最後に据えられた"Prayer for Healing"。この曲にだけバッハの名前がついていない。これは11曲目までの組曲的な演奏を終え,そのテンションから解放されたBrad Mehldauの精神が反映されていると言っては大げさか?アルバムのエンディングを静かに飾る曲として,これほどふさわしい曲はないだろう。

ということで,これは正直言って相当の問題作と言ってもよいが,Brad Mehldauは軽々と越境を成し遂げたというところだろう。やはりこの人,凄い人である。そのチャレンジ精神にも敬意を示すために,星★★★★★としてしまおう。

甚だ余談であるが,このアルバム・カヴァーを見ていると,Hitchcockの「めまい」を思い出してしまった私であった。

Recorded on April 18-20, 2017

Personnel: Brad Mehldau(p)

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コメント

たぶん、、トラバが二つ行ってるとおもうんです。
タイトル、替えてしまいました。m(_ _)m 1つ、トラバを削除してください。

これも、大作ですね。1聴きにすごいと思いました。
やっと、リリースされたか!ってくらい楽しみにしてました。
いろんな壁をなんなく乗り越えてきたメルドーにしたら、、
あまり高い壁ではなかったのでしょうね。
どこを聴いてもメルドーって、感じで、、大変お気に入りです!
特に後半、とっても好みです!

トラバ、、本当にすみませんでした。お手間おかけいたします。

聴く前はほぼ予備知識がなく、キースの平均律とか、バッハのテーマの後にアドリブかなあ、なんて言う予想でしたが、インスパイアされた即興演奏(と思われる)だったとは。かなりの高みに登っているような感じです。

TBさせていただきます。

中年音楽狂様の今回のブラッド・メルドー評はどうかと、お待ちしていました。なにせ・・・ブラッド・メルドー命ですものね^^)。
 私は彼のアルバムは、ちょっと難しさも感ずるところがあるのですが、しかし妙に惹かれるセンスと技量の高さを感じてきています。そしてこのバッハへのアプローチはさすが私の過去の浅い経験からしても印象深い愛するジャック・ルーシェ、そしてジョン・ルイス、キース・ジャレット、エドワール・フェルレ、セルジュ・デラートなどなどと比較しても時代の違いはありますが、一歩前進していることは間違いないと思って感動しています。さすがの一言でした。
 TBもさせて頂きます。

Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございます。

このアルバムをジャズとして捉えることができるのかって気もしますが,もともとBard Mehldauは越境型の活動も多い訳で,以前で言えば,"Elegiac Cycle"もKevin Haysとのデュオも十分クラシカル,現代音楽的な響きを持つものでしたが,これにはやはり驚いたっていうのが正直なところです。

確かに,Mehldauにとっては決して高い壁ではないと思いますが,それにしてもこのクォリティは...って感じですね。ライブではどうなってしまうんでしょうか?

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

910さん,こんにちは。TBありがとうございます。

Keithがクラシックに取り組むのとは全く違うアプローチで来るところが,Brad Mehldauらしいとも思えます。バッハを弾きこなすことは彼にとっては難しいことではないと思いますが,それを更に発展させるのはなかなか大変なことだったと思いますが,ちゃんといけてますね(笑)。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

風呂井戸さん,こんにちは。TBありがとうございます。

こういうアルバムを聞くと,Brad Mehldauの追っかけをしているのは,正解だったと思います。私は雑食性の音楽の聞き方をしていますが,Mehlldauには音楽のジャンルなんて関係ないって気がして,そこに強いシンパシーを感じてしまいます。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
メルドーがバッハを弾くという事でその品位は想像できましたので、こうなるかなとは実は想像つきました。同じことをしている(フェレット)がいても、それはピアニストがバッハを敬愛するといういみでまるで問題にならないことが素晴らしいことで、結果面白いように2枚のアルバムは並んだように思います。

monakaさん,こんばんは。

私はEdouard Ferlet盤は聞いておりませんので,比較はできないですが,多分似たようなコンセプトなのではないかと想像します。いずれにしても,こうして現代のピアニストをインスパイアするバッハの凄さってのを再認識するってことではないでしょうか。

今度Edouard FerletもApple Musicで探してみます。

クラシックの素養のあるジャズ・ピアニストは多いと思いますが、ここまでクラシックの素材を自分の中で料理して自分のものにしているという自負のある人もいないかもしれませんね。クラシックに限らず、After Beatlesとか、After Jobimとかもやって貰いたいです。10 years Solo LiveのAnd I love herなどは既にそういう感じでは有りますが。

カビゴンさん,今日はこれで最後のこんばんは(爆)。

Brad Mehldauは音楽の間口が非常に広い人ですから,After Beatlesはもちろん,After Grungeもできてしまうのではないかと思います。この人って,本当にいろんな音楽を聞いて,自分のものとして吸収している感覚がありますので,そういう企画もありかもしれません。でもやらないかなぁ.(苦笑)。

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