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2018年2月26日 (月)

見事なまでのECM度:福盛進也の"For 2 Akis"

"For 2 Akis" Shinya Fukumori Trio (ECM)

 _20180225日本人ミュージシャンがECMでリーダー作を残すというのは非常にまれなことである。参加ミュージシャンはいるものの,純粋なリーダー作は菊地雅章,児玉桃ぐらいしかいないと思う。そんなところに,リーダーには全く申し訳ないが,今まで名前も聞いたことがない人がいきなりリーダー作というのには正直驚いた。

 そして,曲目を見ると,メンバーのオリジナルに加え,宮沢賢治の「星めぐりの歌」,小椋佳が書いて美空ひばりが歌った「愛燦燦」,滝廉太郎の「荒城の月」,更にはヒートウェイブ/ソウル・フラワー・ユニオンの「満月の夕」が含まれているところに思わずおののいた。しかし,演奏を聞いてみれば,多少の日本的なエキゾチズムは感じさせるものの,これは完全にECMの美学における表現となっている。例えば,「荒城の月」を聞くと,この曲にあまりに馴染みの深い日本人の感覚と,そうではない日本人以外の感覚は全く異なると思えるが,そこからリーダーのオリジナル"Into the Light"と"The Light"を組曲"The Light Suite"として仕立てることによって,うまくバランスが保たれ,違和感がないのがよい。それでも本来はロック・バンドの曲である「満月の夕」が非常に日本的なメロディ・ラインだと感じられるのが面白かった。

ここでピアノを弾いているWalter LangはほぼECMゆかりの曲ばかりを演奏した"The Sound of a Rainbow"なんてアルバムも残しているから,ECMに対するシンパシーは強かったと思えるが,それにしてもリーダーの福盛進也である。米国で音楽を学んで,現在はミュンヘン在住らしいが,年齢としては30歳をちょっと過ぎたぐらいのところと思うが,Webサイトにも書いてある通り,シンバル・ワークにその特性を見せていると思わせる。それがここで演じられる音楽にフィットしていることは間違いなく,ECMの音楽的な特性にマッチしたものになっているのは見事である。サックスのMatthieu Bordenaveも現在はミュンヘン在住ということで,福盛進也との共演も多いようで,リーダーとのコンビネーションは問題ないし,サックスの音色もこの音楽に合ったものだと思える。

いずれにしても,全編を通して,静謐な美学に貫かれているのはいかにもECM的であり,初リーダー作として十分成功していると評価したい。初リーダー作へのご祝儀も含めて星★★★★☆としよう。

Recorded in March 2017

Personnel: 福盛進也(ds),Matthieu Bordenave(ts), Walter Lang(p)

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コメント

今まで、狙ってもECMから日本人がデビューはできないんじゃないかと、確信に近いものを持っていたのですが、ついに出ましたね。ご本人にこういう特性があるのか、狙ってこういうサウンドを目指したのかは分かりませんが、なかなか面白い時代になってきたものだと思います。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

この人はWebにも「シンバル・ワーク」の特性について記述しているぐらいですから,ここで聞かれるタイプの音楽への志向が強いのではないかと思います。いずれにしても,何らかのかたちでEicherに売り込んだと思いますが,ミュンヘン在住ってところも結構凄いことですよね。

いずれにしても,初リーダー作としては成功だと思います。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

閣下、またまた、良いアルバムがでましたね。
トラバ、ありがとうございました。m(_ _)m

「The 日本」って、メロディをシンプルに、リリカルで美麗なピアノ、穏やかなサックス、そして、メロディを奏でるような非常に美しいドラムで、演奏は「The ECM」って、感じの美しい会話でした。
もう、、全編、郷愁を誘う美音三昧でしたね。

Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございます。

レーベルの個性と合致したサウンドは意図してもなかなか実現は難しいようにも思えますが、このアルバムはちゃんとできていますよね。日本的な旋律が海外のリスナーにどう評価されるか興味深いです。

 皆さんに好評のアルバムで、遅まきながらしっかり聴きました。
 日本の郷愁を誘うかっての名曲を散りばめての静謐な品格あるトリオ演奏には感動すらしました。
 福盛真也と言う人はこうしたドラムスのプレイを展開するのですね。初めて知りました。このアルバムでは出過ぎること無く、そうは言ってもしっかりと曲の急所は掴んでいました。さすがリーダー・アルバムです。ウォルター・ラングとの長い付き合いも効果を上げていますね。ドラムスの位置の録音もよくこれは名盤に入れたいです。

風呂井戸さん,こんにちは。TBありがとうございます。

リーダーの福盛進也はまだ結構若い人ですが,非常に落ち着いた感覚がありますよね。私も非常に優れたリーダー作だと思いました。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

日本人にはおなじみの曲なので、少なからずノスタルジックな気分を持って聴きますが、おそらく日本人以外にはエキゾチックな雰囲気を感じる旋律と予想され。。。と、いうのが個人的解釈でしたが、
中年音楽狂さんの、「オリジナルをバランス良く配することで違和感を減じている」という解釈は、なるほどなぁと思わせられました。


TBありがとうございます。逆コメント内TBさせていただきます。
https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64435454.html

oza。さん,こんばんは。リンクありがとうございます。

我々はついつい日本的なメロディを意識してしまう部分があると思いますし,エキゾチズムは確実に存在しますよね。ただ,それが違和感となるか否かのさじ加減がうまく行っていると思います。いずれにしてもいいあるばむでした。

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