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2015年おすすめ作

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カテゴリー「ジャズ(2017年の記事)」の記事

2017年11月22日 (水)

Brian Bladeの新作は静謐な響きが顕著になっている。

"Body and Shadow" Brian Blade and the Fellowship Band (Blue Note)

_20171121前作"Landmarks"がリリースされた時にも高く評価した私である(記事はこちら)であるが,それから約3年半,彼らの新作がリリースされた。ほぼ不動のメンツを貫く彼らであるが,今回はギタリストが交代し,2ギターから1ギターになっているのがまずは変化である。そして,この時代にと言ってはなんだが,収録時間が31分そこそこというのがLP時代への回帰のようなものすら感じさせる。

前作でも渋い演奏を聞かせた彼らだが,アメリカーナな感覚は今回も引き継がれるとともに,ゴスペル・テイストも残存していて,おぉ,やっぱりFellowship Bandだと感じさせる。賑々しい感覚はないのだが,成熟した音楽というのはこういうものだと思わせるに十分である。逆に言えば,ジャズに求められるような熱い感覚とは異なるものであるが,私にとっては,この人たちはもちろんジャズのフォーマットではあっても,実際のところはより広範な音楽性を示す人たちだと思えるので,全く問題を感じない。

だが,これまで以上に静謐ささえ感じさせる展開には戸惑うリスナーがいても仕方ないと思えるほど,サウンドは地味な感じがする。そのあたりが本作の評価の分かれ目になると思うが,Brian BladeとJon Cowherdによる曲は魅力的な響きを持つものであることは疑いない。

そこにCowherdのソロと,バンドの形態で2度差し挟まれるゴスペル・チューン"Have Thine Own Way, Lord"が持つ意味合いを考え過ぎる必要はないのかもしれないが,ある意味LPのA面のエンディングとB面のオープニングを同一曲の異なるバージョンで飾るのは,まるでEaglesの"Hotel California"における"Wasted Time"のような感じもする。

いずれにしても,タイトル・トラックが"Noon","Morning","Night"の3曲のバージョンで収められるのは,コンセプト・アルバムという気もするが,レーベルのプレス・リリースによれば"a succinct nine-track meditation on lightness/darkness that arrives like a balm for the soul, ebbing and flowing with grace, subtlety and no shortness of beauty"ってことらしい。なかなかに哲学的である。

本作は一聴地味に聞こえるが,狙いを持ってこういうサウンドにしているということだろうと思える。Fellowshipの最高作だとは思わないが,味わいと滋味に溢れた充実作である。星★★★★☆。

Personnel: Brian Blade(ds), Jon Cowherd(p, harmonium, mellotron), Chris Thomas(b), Melvin Butler(ts), Myron Walden(as, b-cl), Dave Devine(g)

2017年11月21日 (火)

Some Thoughts on NewSound Live at Bobo, KL

先頃のシンガポール~マレーシア出張の合間に,私の同僚である最強サラリーマン・サックス・プレイヤー,八木敬之君の参加するNewSoundのライブに寄せてもらった。バンマスのJohn Dip Silasからのリクエストもあり,今回も私なりの感想を書かせてもらおう。面倒なので最初から英語で書いてしまうが,悪しからず。

During my business trip to Singapore and Malaysia, I had a chance to drop by Bobo, which is located in Bangsar, KL. It is said that Bangsar is a fashionable place and I actually saw a bunch of Westerners hanging around in the neighborhood. The reason why I visited there was to see the live performance by the band called NewSound, which is led by a talented pianist John Dip Silas and my friend, Hiroyuki Yagi is a member of the band. This is my second time to see their live performance, and here is what I thought at that time.

In the live performance held on November 11, 1st set was instrumental and in the second set, a singer, Aina Abdul joined.

On this occasion, the band's regular drummer, Terrence Ling was not there and the replacement drummer (Gibien Guan is his name, Yagi noted later.) seemed to have a very simple drum set. It made me feel that they sounded slightly different from the one I heard in June. Terrence Ling is a very tight drummer, while the guy at the gig sounded more loosely. And the band's selection at the first set sounded delicately, rather than technically or complicatedly. I assume that replacement of a drummer and the difference in play style of the drummers surely affected to the performance or tunes they played. They played originals by the members along with the songs by Dayna Stephens and Alan Pasqua. The selection of these musicians' songs definitely showed the delicate direction of the band on that night. And John Dip Silas played beautiful solos especially in his original entitled "For Brad" which is dedicated to my favorite pianist, Brad Mehldau.

Hiroyuki Yagi only played soprano sax while Scott Murphy played tenor. Frankly speaking, I wanted to hear their tenor battle because Scott Murphy's phrasing sounded more attractive and aggressive than the last time I heard him. The guitar player, Hor Chee Seng once again reminded me of Kurt Rosenwinkel with his clean tone and phrasing and his sound matched with the song selection. The bassist, Icco Elnoel showed his high solo skills along with backing capability.

In the 2nd set, Aina Abdul started to sing, I was surprised by her attractive voice, singing capability, and the articulation. She sometimes sang powerfully, sometimes emotionally, and sometimes delicately. It proves her singing capability and everybody would instantaneously know that she is a capable singer. She impressed me by singing Rachell Ferrell's "Why You Wanna Mess It Up?" which is not well known but deserves wider recognition, and delivered it very beautifully. And my friend Hiroyuki Yagi played a very melodious and nice solo. Video is attached below for your reference.

Their play was quite attractive all through the set, but if I can say one thing to make it better, I would say that I heard too much fake in “I Wish” sang as an encore, With Aina Abdul’s attractive voice and capability, she should have sung that song more straightly. Sometimes, audience wants some excitement in the live gig, though, she could satisfy and excite audience even with less gimmick. I would rather believe that excitement should made by NewSound in that situation. For that purpose, I want John to play Rhodes in some occasions.

However, I enjoyed that night and as always drank too much because of the comfortable atmosphere at Bobo and the sound by NewSound. I expect their upcoming album release from Japan.

Live at Bobo, KL on November 11, 2017

Personnel: John Dip Silas(p),Hiroyuki Yagi(ss), Scott Murphy(ts), Hor Chee Seng(g), Icco Elnoel(b), Gibien Guan(ds), Aina Abdul(vo)

2017年11月13日 (月)

出張中の一コマ

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現在,シンガポール出張中の私が,週末にマレーシアを訪問中にお邪魔したのが,現地Boboで行われたNewSoundのライブ。詳しくは改めて記事を書くが,最強サラリーマン・サックス・プレイヤー,八木君は相変わらずの吹きっぷりであった。どっちが本業?(笑)

2017年11月 9日 (木)

Stanley JordanとNovecentoによるゆるゆるグルーブ。

"Dreams of Peace" Stanley Jordan Featuring Novecento(Nicolosi)

_20171104_3イタリアのお金持ち,Nicolosi兄弟は,Billy CobhamやらBilly PrestonやらDeodatoやらと,グルーブ追求型のアルバムをリリースしているが,そんな彼らがStanley Jordanを迎えて制作したのが本作である。いつもながらの心地よいグルーブを打ち出したアルバムであるが,これが結構ゆるゆるながら,気持ちよく聞ける。ある意味ここまで行けば間違いなくスムーズ・ジャズである。1曲のみ客演するDave Liebmanさえもがそのグルーブに同化してしまうところがある意味恐ろしい。それでもLiebmanは相応に抵抗しているようにも聞こえるが(笑)。

それはさておきであるが,Stanley Jordanは今となってはイロモノと言ってもよい感じになってしまうのは,彼の特殊なギターゆえに仕方のないところがある。最初,Stanley Jordanが出てきた頃は,何なんだこれは?という感覚で捉えられていたと思うが,彼のタッピング奏法はOne and Onlyかもしれないとしても,ギタリストにとっては革命たりえないのである。見た目には凄いものではあるが,誰も真似ができそうにないことをやられてもねぇというところだし,そもそもすぐに飽きられる。彼の失速はこれは最初から不可避だったと言ってもよいように思える。

だが,ここではNicolosi兄弟のいつもながらのグルーブに乗っかって,弾きまくるStanley Jordanを聞くことができて,それはそれなりに面白い。だが,ここでのグルーブは,決してファンクではない。メロウ・グルーブであって,相当にゆるい。このゆるさを楽しめるかどうかが本作の評価の分かれ目であろうが,こういうのは固いことを言わずに身体をゆらすのが正しい聞き方って気がする。まぁ難しいことはいいことなしって感じだが,高く評価するほどでもなく,星★★★ってところだろう。

いつものNicolosi兄弟のアルバムにしてはゲストが控えめであるが,その分,主役であるStanley Jordanに弾かせたって感じだな。

Personnel:Stanley Jordan(g), Lino Nicolosi(g), Pino Nicolosi(key), Rossana Nicolosi(b), Mimmo Campanle(ds), Danny Gottlieb(ds), Marco Fadda(perc), Gregg Brown(vo), Dora Nicolosi(vo), Randy Brecker(tp), Guy Barker(tp, fl-h), Dave Liebman(ts), Leonardo Favin(tb) with strings

2017年11月 5日 (日)

Jerry Bergonziの新譜だが,彼にはラッパは不要だろう。

"Dog Star" Jerry Bergonzi(Savant)

_20171103_2Jerry BergonziはSavantレーベルからアルバムを結構リリースしているが,私も全部追っかけている訳ではない。だが,今回はCarl Wintherとの共演ということもあり,久々の購入となった。私はJerry Bergonziの近年のアルバムでは,Carl Winthterと共演した2枚は結構高く評価したつもりである(記事はこちらこちら)。そういうこともあり,今回のアルバムにも期待したのは言うまでもない。

だが,このアルバム,BergonziとWintherのコンビネーションには文句はないのだが,どうにもラッパのPhil Grenadierが邪魔である(きっぱり)。思うに,私はこれまでJerry Bergonziのアルバムで購入したのは基本的にワンホーンのアルバムであって,それこそが最もBergonziの魅力が発露されると思っている。だが,今回はWintherとの共演ということで購入したものの,やっぱりこれは違和感がある。ラッパが入ってどうにもゆるさが増しているように感じるのである。一部の曲ではワンホーンでやっているものの,ラッパが入ることによる減速感はいかんともしがたい。やはりJerry Bergonziのアルバムにはもっと高揚感が欲しい。Carl Wintherとの共演は,Bergonziの音楽に新しい力を与えると思っているが,それがラッパが加わることで帳消しにされてしまったと言っては言い過ぎだろうか?

だが,何度か聞いてみても,このアルバムにはこれまでのBergonziのアルバムに感じたような魅力は感じられないのである。ということでちょっとがっかりということで星★★☆。お願いだから次はワンホーンでやってくれと思っている私である。実はこのアルバムを聞いた後にMichael Breckerの”Time Is of the Essence"を聞いたのだが,そっちがはるかに強力に思えるのはワンホーンの力って気がした。まぁ,あっちはメンツもすごいけどね(苦笑)。

Recorded in March 2015

Personnel: Jerry Bergonzi(ts), Phil Grenadier(tp), Carl Winther(p), Johnny Aman(b), Anders Mogensen(ds)

2017年11月 4日 (土)

Blue Note All Starsはかなりカッコいい。でもLionel Louekeはなぁ...。

"Our Point of View" Blue Note All Stars(Blue Note)

_20171103ブルーノート・レーベルに所属するミュージシャンが集まって,吹き込んだアルバムだが,コンテンポラリーな感覚に満ちていて,これはかなり楽しめる。ブルーノート・レーベルもDon Wasが社長に収まって以来,コンベンショナルなジャズ・レーベルに留まらない存在になってきたが,そうした方向性がこのオールスターズの演奏にも表れていると言ってよいだろう。

メンバーのオリジナルに加えて,Wayne Shorterの"Witch Hunt"と"Masquelero"が収められているところに,Wayne Shoterの彼らにとっての位置づけが表れているようだが,後者にはWayne本人とHerbie Hancockが客演して華を添えている。

全体に現代的な響きを持ちながら,非常にカッコいい演奏だと言ってよいが,私にとっては私が苦手とするLionel Louekeの存在が気になってしまうのは仕方がない。ほかの曲では控えめにしていても,Louekeのオリジナル"Freedom Dance"になると,途端に私がどうしても好きになれない彼のアフリカン・フレイヴァーが出てきて,あぁ,やっぱりねぇ...となってしまうのは実にもったいない。

しかし,そのほかについては,Marcus StricklandとAmbrose Akinmusireという実力十分なフロントも,Robert GlasperのRhodesやピアノも非常にいいと思える。Derrick Hodgeがアコースティック・ベースも十分にうまいというのは発見であったし,Kendrick Scottもいつも通りの素晴らしさである。知名度としてはまだビッグネームとはいかないかもしれないが,やはりいいメンツをレーベルに抱えているのは大したものだと言える。まさに精鋭である

だからこそ,私はLouekeの"Freedom Dance"がアルバムの流れを分断しているようで,納得がいかないのである。これさえなければ満点をつけてもよかったが,半星引いて星★★★★☆とせざるをない。各々のメンツを立てる必要はあるかもしれないが,制作という観点では,やりようがあったのではないかと思うし,Louekeも我を抑えるべきではなかったか。ということで,私のLionel Louekeアレルギーも相当なレベルだと思ってしまった(苦笑)。これはもはや相性を通り越して,生理的なレベルだな(爆)。

Personnel: Ambrose Akinmusire(tp), Marcus Strickland(ts), Robert Glasper(p, el-p), Lionel Louke(g, vo), Derrick Hodge(b), Kendrick Scott(ds), Wayne Shorter(ss), Herbie Hancock(p)

2017年11月 3日 (金)

私に全く不似合いなSue Raney(笑)。

"Songs for a Raney Day" Sue Raney(Capitol)

Sue_raney何度もこのブログにも書いているように,私はジャズ・ヴォーカルの熱心な聞き手ではない。女性ヴォーカルが嫌いという訳ではなく,Joni MitchellやLuara Nyroは偏愛していると言っても過言ではない。

だが,ことジャズ・ヴォーカルとなると,Sarah,Ella,Anita,CarmenにHelen Merrillぐらいはそこそこ聞いているが,それ以上になると,多少は保有していてもほとんど聞かない。Julie LondonやらPeggy Leeやらがその代表。そこにこのSue Raneyも加えていいだろう。そんな私が突然,Sue Raneyのアルバムを取り上げても,私の嗜好をご存知の方は意外に感じるだろう。でも,これを聞いたのは雨の日だったということもあって,完全な気まぐれであるが,なんてったって「雨の日のジャズ」だもんねぇ。

ジャズ・ヴォーカルと言っても,大御所たちのようなディープな世界ではないものの,楚々とした歌唱をきかせるところは,この手の音楽を好まれる方々には大いに受けるだろう。Sue RaneyのRaneyとRainyをかけたところは,おやじギャグのようなセンスと言われればそれまでだが,ここでの歌唱を聞けば,まぁそんなことはどうでもいいだろうと思わせる見事な歌いっぷりである。

ここで驚かされるのは,彼女がこのアルバムを吹き込んだ時にはまだ20歳にもなっていないティーン・エイジャーだったということである。Billy Mayのオーケストラをバックに歌う声は,とてもそんな年齢だとは思えない早熟ぶりである。そういう人の小粋な歌を楽しめばいいというアルバム。滅多に聞かないとは言え,アルバム・リリース当時は大した才能だったと思える一作。星★★★★。

全くの余談だが,昔,麻丘めぐみがこの人が好きだと言っていたような気がするが,その時は結構意外に思ったものである。

Recorded in 1959

Personnel: Sue Raney(vo) with Billy May Orchestra

2017年11月 2日 (木)

先日のGerry Mulliganつながりで,今日はConcert Jazz Band。

"Live at the Village Vanguard" Gerry Mulligan & the Concert Jazz Band(Verve)

_20171029_5先日,Gerry Mulliganの"Night Lights"を取り上げたが,そう言えば,Concert Jazz Bandのアルバムもあったなぁってことで,本作である。

"Night Lights"はもろに夜のアルバムであったが,こちらは軽快にスイングする楽しいアルバムである。13ピースのスモール・オーケストラによる演奏は,ジャズの楽しさを十分に味わうことができるものであった。実はこのアルバムも久しぶりに聞いたのだが,こんなによかったっけ?と思うような出来であったから,ちゃんと保有している音源は聞かないといかんということである。

このアルバムの楽しさは,アレンジャーによる個性の違いも感じられるところにあると思えるが,Nat Hentoffのライナーによれば,ここには参加していないがAl Cohnのアレンジが2曲採用されている。そうしたところにミュージシャンのつながりであったり,このConcert Jazz Bandの位置づけがわかるようで面白い。

たまにはこういうアルバムもいいねぇとつくづく思わされた一枚。マジでこれは本当によかった。星★★★★☆。

Recoeded Live at the Village Vanguard in December, 1960

Personnel: Gerry Mulligan(bs, p), Bill Crow(b), Mel Lewis(ds), Nick Travis(tp), Clark Terry(tp), Don Ferrara(tp), Bob Brookmeyer(tb), Willie Dennis(tb), Alan Ralph(tb), Gene Quill(as, cl), Bob Donovan(as), Jim Reider(ts), Gene Allen(bs, b-cl)

2017年10月31日 (火)

Gerry Mulliganによるまさに「夜のアルバム」

"Night Lights" Gerry Mulligan(Mercury)

_20171029_3このアルバムを聞くのは何年ぶりのことだろうか?久しく棚に収まったままであるが,一軍の位置をはずしたことはない。

このアルバムが日本のリスナーにとって思い出深いのは,ショパンのプレリュードをアダプテーションした"Prelude in E minor"ゆえのことであることは間違いないだろう。油井正一が司会を務める「アスペクト・イン・ジャズ」は私もジャズを聞き始めの頃によく聞いていた番組である。そのオープニングがこの曲だったわけだが,よくもまぁこういう渋い選曲をしたものだと今更ながら感心してしまう。しかし,放送されていたのは深夜1時からだったはずであるから,そういう時間にはぴったりという感じで,この選曲のセンスにはうならされる。

甚だ余談であるが,「アスペクト・イン・クロスオーバー」って番組もあったが,アドリブの安藤和正(だったかな?)と司会をしていたのが,初代は幸田シャーミンという凄い事実。二代目は現中川ヨウのはずである。そんな時代もあったわけだが,今日のテーマと全然関係ない余談である。

閑話休題。このアルバムを聞けば,アルバム・タイトル通り,夜をイメージしたアルバムであることは間違いない。ノイジーな部分は皆無。ジャズはノリが肝心だと思っている人には,全く面白く感じられないだろうと言わざるをえないが,こういう落ち着きに満ちた音楽を必要とする時もあれば,必要とする人もいるはずである。そうした意味で,夜,遅い時間に小音量で聞くのにこれほど適したアルバムはないのではないかと言いたくなる。

CDにはボーナス・トラックとして65年録音の"Night Lights"が収録されているが,ここではMulliganがクラリネットを吹いているのも珍しくも,これが何とも味わい深い。地味と言えばその通りだし,歴史的な意義などとは無縁のアルバムだが,これはこれで本当にナイスなアルバムだと思う。久しぶりに聞いて,ついつい和んでしまった(笑)。星★★★★☆。

Recorded in September 1963 and 1965

Personnel: Gerry Mulligan(bs, p, cl), Art Farmer(tp), Bob Brookmeyer(tb), Jim Hall(g), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds), and on track 7: Pete Jolly(p), Jond Gray(g), Jimmy Bond(b), Hal Blaine(ds) with strings

2017年10月30日 (月)

High NoteからのWoody Shawの未発表ライブ音源の第2弾なのだが...。

"The Tour Volume Two" Woody Shaw / Louis Hayes(High Note)

_20171029High Noteレーベルからの未発表ライブ音源第2弾である。1曲が77年の録音である以外は,76年春先の音源が集められている。第1集がシュツットガルトでの演奏でまとめられているのに対し,同時期のハンブルク,グラーツ,ブレーメン,ブルクハウゼン,ベルギー,そして77年はミュンヘンという欧州楽旅の模様を収めた音源であるが,メンツは第1集とほぼ同じなので,今回も期待を込めて購入したが,結果はやや微妙である。

Woody Shawについて記事を書く時には,彼が別の時代に生きていたら,もっとジャズ界でも認められる存在となっていたことは間違いないと思う。それだけの熱量をこの音源は持っている。しかし,音源として致命的なのはライブ音源なのにフェードアウトされる曲があるということである。そして,演奏があまりにも荒い。興奮度は高まるかもしれないが,さすがにこれは荒っぽすぎると言わざるをえないのは残念である。第1集も久しく聞いていないが,録音ももう少しよかったような気がするのだが,音も聞けるレベルではあるものの,決してクリアな音とは言えない。

確かにエキサイティングな演奏であると言えばその通りであろう。そして,Woody Shawのフレージングは見事なものだ。だが,私はこのアルバムを聞いていてちょっとさめてしまったというのが正直なところである。それはバンド演奏としての瑕疵が多いように感じるからだが,こうなると,高く評価した第1集ももう一度冷静に聞き直してみる必要があるのではないかとさえ感じる。

おそらくそう感じさせるのは,私はLouis Hayesのバスドラのうるささゆえではないかと思っているが,現場で聞いていれば燃えてしまう演奏でも,こうやって聞いてみると,やり過ぎ感が強いと思わせる典型のように思う。決して嫌いではないが,どうにも違和感があって没入できないこともあり,星★★★ぐらいでがいいところ。

Recorded Live at Various Locations on March 4, 11, 21, 26 & April 5, 1976 and in April 1977

Personnel: Woody Shaw(tp), Junior Cook(ts except on track 4), Rene McLean(ts on track 4 only), Ronnie Matthews(p), Stafford James(b), Louis Hayes(ds)

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