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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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カテゴリー「ジャズ(2017年の記事)」の記事

2017年9月18日 (月)

Bill Evansの未発表音源:これも全然記事にしていなかった。

"Another Time: The Hilvversum Concert" Bill Evans(Resonance)

Another_timeレコード・ストア・デイでこのアルバムがLPとしてリリースされた後,なかなかCD化されなかったのだが,先日ようやくCDでリリースされたものの,全然記事にできていなかった。

Resonanceレーベルで発掘されたEvans~Eddie Gomez~Jack DeJohnetteのトリオの音源として,"Some Other Time"に続く音源は,あのモントルーのライブから1週間後の演奏のライブ・レコーディングである。この発掘音源が価値があるのは,ひとえにこのトリオによる録音の存在がほとんど認知されていなかったことにあるが,驚愕度は"Some Other Time"に比べると落ちたとは言え,その価値が下がることはない。

まぁ,そもそもBill Evansのレコーディングは安定度抜群で,平均点は極めて高いところに,モントルーと同じメンツによる演奏であれば,悪いはずはない。お馴染みのレパートリーを,いつものようなBill Evansのフレージングを積み重ねて作り上げていく様子をヴィヴィッドに捉えていて,やはりこれは満足度が高い。スタジオ・ライブ形式であるが,こんな場に身を置けた聴衆は幸せである。

正直言って,私はEddie Gomezのベースが苦手なので,Scott LaFaroは別格として,Marc Johnsonとの共演盤の方が好きなのは事実だが,これぐらいならまだ許せるって感じの音で録られているのはよかった。いずれにしても,これはやはり貴重な発掘音源として,半星オマケして星★★★★☆としてしまおう。

Recorded Live at Netherlands Radio Union VARA Studio 8 on June 22, 1968

Personnel: Bill Evans(p), Eddie Gomez(b), Jack DeJohnette(ds)

2017年9月15日 (金)

小曽根真"The Trio"@ブルーノート東京参戦記。

Ozone_the_trio

小曽根真がThe Trio名義で"Dimensions"をリリースした時,そのアルバムはあまり評価できなかった私である(記事は
こちら)。しかし,「夜の部活」メイトからのご要望もあり,ライブに行ってきた。

結論から言えば,アルバムよりずっとライブの方がよかったと感じる。新作,旧作からのレパートリーを交えて演奏される曲は,ダイナミズムを感じさせ,フレージングもよかった。そして,Clarence Pennのドラミングはサトルさとパワーを併せ持つ素晴らしいものであった。James Genusのベースも音,フレージングともにいけていて,このトリオ,そもそものレベルが高いということを再認識した。

ブルーノートは完全フルハウス状態で,小曽根真は終始ご機嫌だったし,最終日ということもあり,MCもノリノリな感じがしたが,ピアノ・トリオとしては非常に楽しめるライブだったことは間違いない。サイン会まであるとは思っていなかったが,丁寧な応対ぶりも好感度が高かったと言っておこう。

写真は客席からスマホで隠し撮りをして,若干の編集を施したものだが,画像は粗いが,なかなかのナイス・ショットである(自画自賛)。

Live at Blue Note東京 on September 13, 2017,2ndセット

Personnel: 小曽根真(p),James Genus(b),Clarence Penn(ds)

2017年9月14日 (木)

今日は戦利品だけ。小曽根真のブルーノート・ライブ。

Photo_2

今日は小曽根真のトリオ・ライブに行ってきた。本人たちは相当にご機嫌だったと思える。サイン会は期待していなかったのだが,機嫌のよさに助けられたのはラッキーであった。ってことで,今日は戦利品だけ。Clarence Pennは誰のCD?とかとぼけていたが,まぁいいや。私は「冗談はよせ!」と言っておいた(嘘)。

いずれにしても,この人たちはスタジオ録音より,ライブで価値を発揮すると思った(きっぱり)。

2017年9月13日 (水)

Fred Herschの新譜がこれまた素晴らしい。

"Open Book" Fred Hersch(Palmetto)

Open_book_2ここのところ,毎年のようにアルバムをリリースしているFred Herschであるが,その新譜は前々作に続いてソロ・ピアノである。これがまた,リスナーの期待値に応え,心を鷲掴みにするような魅力溢れるソロ作となっている。冒頭の"The Orb"から完全につかみはOKである。

今回の新作は韓国ソウルでレコーディングされたもので,1曲だけソウルのライブ音源となっている。そのライブ音源は,昨年私が見に行ったトリオでの日本公演の前日に録音されたものであり,韓国ではソロでやっていたのかと思ってしまった。そしてここに収められたソロは,Fred Herschらしい美的な感覚と,一部に聞かれるアブストラクトな感覚を同居させながらも,結果的にはFred Herschらしいアルバムになっている。

ライブで録音された"Through the Forest"は19分を越える長尺であるが,Herschはライナーにこの曲について"an example of improvising with no safety net or preconceived ideas"と書いている。つまり,完全即興ということであろうが,これは心身ともに充実していないと,こなせないものと考えられ,Fred Herschの健康状態の回復を如実に示すものと思える。もちろん,"Through the Forest"や"Whisper Not"に聞かれるアブストラクトな響きには抵抗感を覚えるリスナーもいると思うが,トータルで捉えれば,これは優れたソロ・ピアノ・アルバムと言ってよいと思う。

Fred HerschはJoni Mitchellをはじめとするポップ・チューンを演奏することも多いが,今回はBilly Joelの"And So It Goes"が選ばれている。原曲はアルバム"Storm Front"に収録されているが,シンプルなメロディ・ラインを持つこの曲を,Fred Hersch節に転換していると言ってよいだろう。"Strom Front"でもエンディングに据えられていたこの曲は,本作の最後を締めくくるにも相応しい演奏である。素晴らしい。

Fred Herschのここのところの充実ぶりには本当に驚かされるが,この調子でずっと元気で演奏を続けて欲しいものである。星★★★★☆。多分今年はソロで来日するのではないかと思うが,私の出張日程と重ならないことだけを祈る。

Recorded on April 1-3 and November 1, 2016

Personnel: Fred Hersch(p)

2017年9月10日 (日)

全然ECMっぽくないが,極めてスリリングなVijay Iyerの新作

”Far from Over" Vijay Iyer Sextet(ECM)

_20170910_2デリバリーからちょっと間が空いてしまったが,Vijay Iyerの新作である。どうも私はこの人のアルバムはデリバリーされても暫く間を置いてしまって,後々になって,もっと早く聞いておきゃよかったといつも反省している感じだ。前作のWadada Leo Smithとのデュオもそうだったし,今回もそうである。全く懲りていない(苦笑)。

本作でECMからは第4作となるVijay Iyerであるが,今回は3管入りのセクステット,それもSteve LehmanやらTyshawan Soreyやらの強面(笑)メンツを揃えているということで,どういうことになるのかという不安もあって,聞くのが遅くなったというところもあるのだが,これがECMらしさとはちょっとかけ離れた非常にスリリングなアルバムになっている。ライナーにはManfred Eicherがプロデューサーとしてクレジットされているし,ミキシングも,エンジニアのJames Farber,Vijay Iyer,そしてEicherの共同となっているので,ちゃんと制作には関わっていると思われるが,それでもいつものECMの感じではない。まさにこれは現代ジャズのスリルを体現したアルバムと言ってよく,ECMがどうこうという観点は意識する必要ないぐらいの出来である。

静謐な部分を感じさせる部分には,60年代後半以降のエレクトリック期のMiles Davis的な部分も感じさせるが,それらはインタールード的に響き,このアルバムのキモはあくまでも3管によるアンサンブル/ユニゾンの部分とそこから生まれるジャズ的興奮にこそあると思われる。聞きものはそうした興奮度を生み出すVijay Iyerの作曲にもあるが,サウンド的にはフロントではテナーのMark Shimが強烈であり,更にそれを煽るTyshawn Soreyがえげつない。私がこういう興奮を覚えたところで記憶にあるのは,Antonio Sanchezのアルバムであるが,本作は少なくとも私にとっては今年一番の興奮度をもたらしたと言ってもよい。

Antonio Sanchezも新作のリリースを控える中で,年末には私はどちらを高く評価しているかが楽しみになってくるが,とにかくこれは現代のジャズ・シーンってのはこういうものよってことを見事に体現したアルバムと言ってよい。このアルバムがもたらした興奮度に喜んで星★★★★★としてしまおう。まじで痺れた。

Recorded in April, 2017

Personnel: Vijay Iyer(p, el-p), Graham Haynes(tp, cor, electronics), Steve Lehman(as), Mark Shim(ts), Steve Crump(b), Tyshawn Sorey(ds)

2017年9月 8日 (金)

安値でゲットしたおんどれ君入りのKaunis Five盤

"Kulosaari" Kaunis Five(Hudobny Fond)

Kaunis_fiveジャズ界のおんどれ君ことOndřej Štveráček入りのアルバムは極力手に入れるようにしているのだが,本作は存在はわかっていながら,なかなか入手できていなかったものだ。しかし,某ネット・ショップにおいて結構な安値でゲットできたのはありがたい。なんてったって888円である(笑)。

本作はチェコとスロバキアのミュージシャンの混成軍クインテットである。ピアノを弾いているPavel Wlosokはチェコ生まれのアメリカ人だし,2曲でピアノを弾くPiotr Wyležolはポーランド出身なので,正確にはちょっと異なるが,まぁよかろう。現在はチェコとスロバキアの2つの国に分かれているが,元は一つの国だったから,共演には抵抗もないだろうし,相性自体には全然問題がないのだろう。メンバーが持ち寄ったオリジナルを軽快に演奏している。

おんどれ君のオリジナルも2曲あるが,そのうちの1曲は"Trane's Late"と題され,John Coltraneとアルバム"Giant Steps"に捧げられている。そう言えば進行が"Giant Steps"のそれのようにも聞こえるなぁ。

最近のおんどれ君のアルバムに比べると,エレピが使用されていたり,ゴリゴリ感は抑制気味のやや軽めの作りかなとも思うが,なかなかレベルの高い演奏で嬉しくなってしまう。こういう軽めのおんどれ君もまたよしであった。星★★★★。そう言えば,ピアノを弾いているPavel Wlosokのアルバムも当ブログで取り上げたことがあった(記事はこちら)。そこでも彼はRhodesを弾いていたが,エレピの使い方がよくわかっているねぇ。

Recorded on July 20 and November 3, 2015

Personnel:Lukáš Oravec(tp, fl-h), Ondřej Štveráček(ts), Pavel Wlosok(p, el-p), Piotr Wyležol(b), Tomáš Baroš(b), Marián Ševčík(ds)

2017年9月 7日 (木)

いやぁ,Tuck Andressは凄いですわ。

"Reckless Precision" Tuck Andress(Windham Hill)

_20170903_3今でも現役で活動を続けるTuck & Pattiであるが,私は彼らの音楽は"Dream"しかCDを保有していない。だが,Patti Cathcartのディープ・ヴォイスとTuck Andressの超絶的なギターが相俟って,あれは今でもいいアルバムだったと思っている。だったらもっと音源を購入してもよさそうなものだが,このフォーマットではやはり限界があるだろうことは想定せざるをえず,相変わらず彼らのアルバムの数は我が家では増えていない。

一方,"Dream"がリリースされたのと同じ頃にリリースされたTuck Andressのアルバムだって,別に購入しなくてもいいではないかと言われればその通りだが,やっている曲を見て,おぉ,これはよさそうだと思って購入したはずである。それはおよそ四半世紀前の私のNYC在住中のことである。

久しぶりにこれをトレイに乗せたのだが,スタンダードとオリジナルが混在する中で,Tuck Andressのオリジナルを演奏するときには,ただでさえ技巧的なのが,更に技巧的になってしまうように感じるのは面白い。逆にスタンダードは,楚々とした印象を与えるが,それでもやっていることはかなり強烈と言ってよいだろう。ソロ・ギターでアルバムを作ると言えば,Joe Passの専売特許みたいなものだが,ここではJoe Passとは全く違うギター・スタイルが聞けて,その個性の違いを楽しむのも一興だろう。

いずれにしても凄いテクニックである。星★★★★。でもまぁ歌があった方がいいと思う人も多いかもなぁ。

Personnel: Tuck Andress(g)

2017年9月 6日 (水)

Milesバンド脱退後のBob Bergのリーダー作第1弾

"Short Stories" Bob Berg(Denon)

_20170903_2このブログにも何度か書いていると思うが,私はBob Berg好きである。Michael Breckerよりも好きだと言っては,いろいろな人に「そうなの?」みたいな顔で見られることが多いが,好きなものは好きなのだ。Bob Bergと言えば,そのハード・ボイルドな響きが私の心を捉えて離さないのだ。そうしたBob Bergのハード・ボイルドなサウンドは,80年代Milesバンドの中期のタイトなサウンドを支えていたと思っている。Bob Bergが抜けて,Kenny Garrettが入ってからのMilesはポップ度を増していく感じがして,私の好みからは徐々に遠ざかって行ったのは紛れもない事実なのである。91年にAvery Fisher Hallで見た時なんて全然面白くなかったしねぇ。

そんなBob Bergが長年のバンド・メイトとなるMike Sternとの共演が増えるのは,Milesバンド脱退の時期とほぼ一致するが,かたやMike Sternも好きな私としては,彼らのバンドにしびれることは言うまでもない。

本作はBob BergがMilesバンドを脱退し,Mike SternともどもDenonレーベルに吹き込んだリーダー作としては第3作になるはずである。Xanado盤やRed盤からは大きく,フュージョン・タッチに舵を切った作品であり,Milesとの共演があったからこそのサウンドであろうと思える。Mike SternとBob Bergはバンド・メイトでありながら,Mike Stern名義ではWarnerから,Bob Berg名義ではDenonからという決まりのもとにアルバムをリリースしているが,どちらもタイトで,私好みのサウンドのアルバムが多い。やっぱり好きなのである。

私がこのアルバムを購入したのは,米国在住中のことだったが,それ以来,私はBob Bergを好きで聞いているにもかかわらず,生で聞く機会が一度もなかったのは,今にしてみれば非常にもったいなかった。生で見ていれば,更にしびれていたに違いないと思える演奏がここには収められている。アルバムとしては,少々後半緩くなるかなと思わせる部分もない訳ではないが,これは結構楽しめる。1曲だけ客演するDavid Sanbornなんて,誰がどう聞いてもSanbornだしね。ってことで星★★★★。

Recorded in March 1987

Personnel: Bob Berg(ts, ss), Mike Stern(g), Don Grolnick(org, synth, p), Robby Kilgore(prog, key), Will Lee(b, perc), Jeff Andrews(b), Peter Erskin(ds), Dave Sanborn(as)

2017年9月 5日 (火)

"Breezin'"路線を踏襲したってところの"In Flight"

"In Flight" George Benson(Warner Brothers)

_2017090370年代中盤から80年ぐらいまでのGeorge Bensonの売れ方はある意味異常であった。"Breezin'"がバカ売れし,グラミーは取るわ,ビルボードのポップ・チャートの1位になるわというのがまさに凄いことだが,それに続く何枚かもチャートのトップ10に入っているのだから,出せば無条件に売れていたと言ってもよい。

まぁ,"Breezin'"が突然変異的に売れ,それに続く作品は,まぁ「二匹目のドジョウ」狙いになるのは当然で,この"In Flight"はサウンド的には,"Breezin'"の路線を踏襲しているのだが,更にここではヴォーカルの比率を高めて,更に売るぞという感覚が出ているのが笑える。6曲中4曲が歌ものだからねぇ。

ここまで来ると,ジャズ・ギタリストとしてのGeorge Bensonはどこかに行ってしまったなぁという感覚が強いが,まぁここまでポップに徹すりゃいいかって感じもする。だが,それもGeorge Bensonの声が好きかどうかによって,評価も分かれるのは仕方ないだろう。正直言って,私にとっては可も不可もないというのが事実である。だが,George Bensonの声には"Everything Must Change"ははっきり言って合っていないということは,声を大にして言いたい。Warがオリジナルの"World Is a Ghetto"とかはまだ許せるが,合わない曲はやめといて欲しかった。

ということで,星★★★ぐらいでいいだろう。

Gb_2009ところで,全然関係ないが,最近のGeorge Bensonの写真を見ると,その頭部が細川たかしに見えて仕方ない私(爆)。

Personnel: George Benson(g, vo), Ronnie Foster(el-p, synth), Jorge Dalto(p, clavinet),Phil Upchurch(g, b), Stanley Banks(b), Harvey Mason(ds), Ralph McDonald(perc)

2017年9月 4日 (月)

またまたラックの奥から引っ張り出す:小國雅香の初リーダー作。

"Labyrinth" 小國雅香(Moca)

_20170902_2またまたラックの奥から引っ張り出してきたアルバムである。このアルバムは某ジャズ喫茶で聞かせてもらって,なかなかいいねぇと思って買ったのが約20年前である。このアルバムがリリースされて,来年で20年という時の流れはほとんど信じがたい。

リーダーの小國雅香は故辛島文雄にも師事していたそうで,本作のライナーにも辛島文雄がコメントを寄せている。そこにも書かれているが,共演者にも恵まれて,初リーダー作としてはかなりよい出来だと言ってよい。

このアルバム,リーダーも力演であるが,その魅力を増したのは音川英二のテナーとソプラノだと思える。今や,森山威男との共演も多い音川英二だが,只者ではないのである。レコーディング・キャリアとしては比較的初期と言ってよい段階で,いい音を出していると思う。

リーダーの小國雅香は現在は長崎に拠点を移して活動しているようで,現在の活動についてはなかなか触れる機会もないが,自身のWebサイトによれば,音楽活動に加え,後進の育成にも当たっているようだ。いずれにしても,本人のキャリアにおいて,こういうリーダー作を残せていたことは幸せなことだと思う。

Labyrinth_new本作は現在もジャケットは変わっているものの入手可能である。ご関心のある方は聞いても損はないし,日本のミュージシャンの質の高さを実証している。星★★★★。

Recorded on November 10 & 11, 1998

Personnel: 小國雅香(p),音川英二(ts, ss),納浩一(b),岩瀬立飛(ds)

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