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カテゴリー「ジャズ(2017年の記事)」の記事

2017年2月19日 (日)

ようやく到着:Chris ThileとBrad MehldauデュオのLP。

既にこのブログにも書いた通り,Chris ThileとBrad Mehldauの新作デュオ・アルバムのLPには,Fiona Appleの"Fast as You Can"がボーナス・トラックとして収録されているため,Brad Mehldauのコンプリートを目指す私としては,どうしてもそれを手に入れなければならない。

ということで,Nonesuchのサイトで発注して,現地から発送の通知が来たのが,1/20であった。なかなか現物が届かなくてイライラさせられたが,それがようやく約3週間を要してデリバリーされた。その曲については,まだ聞いていないが,そのうちゆっくり聞かせてもらうようにしよう。

海外からの発送についてはこういうこともあるのは承知しているが,前回,Mehldauのソロ・ライブのLPボックスを仕入れた時は,確か正式発売日よりも前に着いたことを考えると,何だか違いが大き過ぎである(笑)。まぁ,でもちゃんとゲットできたんだからそれはそれでいいのだが。

ということで,次は国内盤CDにしか収録されない"Dark Turn of Mind"のために,国内盤CDのデリバリーを待つ私である。バカにつける薬はないって感じだが,せっかくほぼコンプリートなのだから,頑張るしかないのである。

ついでに行ってしまうと,ジャズ界のおんどれ君ことOndřej Štveráčekの"Sketches"を本人に頼んで,郵送してもらっているところだが,現物が到着する前に,新宿のDUで買えるなんて告知が。まぁ,いいんだけど。

2017年2月16日 (木)

来日目前:Joey CalderazzoのBlue Note音源を改めて聞く。

"The Traveller" Joey Calderazzo(Blue Note)

_20170212_2来週(2/20-23),Cotton ClubにOrlando Le FlemingとDonald Edwardsとのトリオで出演するJoey Calderazzoであるが,私は長年彼を推してきたにもかかわらず,これまで彼のライブにはほとんど縁がなかった。それはタイミングの問題が一番大きいのだが,今回はようやく彼の生の演奏に接することができる。もしかすると,Michael Breckerのバンドが90年か91年頃,NYCのTown HallにおけるAndy Summersとのバンドとのダブル・ビルで行ったライブで,ピアノを弾いていたのは彼だったかもしれないが...。遠い昔で記憶の彼方である。いずれにしても,私はJoey Calderazzoのピアノが最もよかったのは90年代前半,Blue Noteレーベルに吹き込んだ3枚の頃だと思っている。今日はそのうち,3作目でピアノ・トリオ・フォーマットによる本作である。

本作も冒頭のCalderazzoのオリジナル,"No Adults"から快調なピアノで,最初からぞくぞくさせてくれる。本作はCalderazzoのオリジナル3曲に加えて,John Patittucciのオリジナル1曲,そして結構有名なジャズ・オリジナルやスタンダードで構成されているが,ピアノ・トリオの実力を知るには適切なプログラムだと思える。2曲目は"Blue in Green"はバラッド表現,3曲目"Dolphin Dance"はHerbie Hancockとの比較等の観点である。

そして,このアルバム,2組のトリオから構成されているが,結構違いがあって,それも面白い。Pattitucci~ErskineとJay Anderson~Jeff Hershfieldというリズムのどちらが好みかはリスナーによるだろうが,どちらも悪くないとしても,Joey CalderazzoにフィットしているのはPatitucci~Erskineの方だと思える。だがAnderson~Hershfieldとのコンビネーションも決して悪いということではなく,"Black Nile"なんていい演奏だと思う。どちらがいいかというのはあくまでも感覚的なものであるが,Joey Calderazzoの当時のピアノ・スタイルからは,私は前者を推すというだけのことである。

Blue Noteに吹き込んだ前2作は,第1作"In the Door"はMichael Breckerの,第2作"To Know One"はJack DeJohnetteとCalderazzoの共同によるプロデュースということもあり,豪華なホーン・プレイヤーを擁したものだったのに対し,本作はピアノ・トリオによる演奏ということで,ライナーにRichie Beirachも書いている通り,Joey Calderazzoの本質を更に表現できるかの「テスト」だったと言えるが,楽々我々の期待をクリアしてしまったという気がする。やはりBlue Noteレーベル時代のJoey Calderazzoはいけていた。どうせならフェード・アウトなんかしなけりゃいいのにと感じさせる部分はもったいないが,今聞いても十分楽しめる。しかし,これがリリースされてから四半世紀近くが経過してしまっているという事実に愕然とした私であった。星★★★★☆。

Personnel: Joey Calderazzo(p), John Patitucci(b), Jay Anderson(b), Peter Erskine(ds), Jeff Hershfield(ds)

2017年2月15日 (水)

こんなCDもありました:Neil Swainsonの"49th Parallel"

"49th Parallel" Neil Swainson Quintet(Concord)

_20170211_2保有していることはわかっていても,すぐに取り出し可能な一軍の棚からはずれたCDの収納場所はたまにしか見ることがないのだが,それでも比較的取りやすい場所に置いてあるので,たまに聞いてみようという気持ちになるものである。本作も,たまたま目についたので久しぶりのプレイバックとなった。

本作は何と言っても,Woody ShawとJoe Hendersonというフロントが購入のポイントであったことは間違いないところだが,いかんせんジャケがいけていないので,聞こうって気がなかなか湧いてこないというアルバムである。しかし,87年5月という,Woody Shawにとってのスタジオ録音作としては最後期に位置づけられるものであり,やはりこれは聞いておかねばと思わせるものである。

フロントの2人以外はカナダ人の面々であるが,演奏自体はおおむね快調である。ピアノを弾いているGary Willimasonの名前は,ほかでは聞いた記憶がないが,ドラムスのJerry FullerはPaul Desmondとの共演でよく知られている。全6曲中,5曲はリーダー,Neil Swainsonの作曲,最後の"Homestretch"のみジョーヘンのオリジナルであるが,変わったことは全然やっておらず,コンベンショナルな中にも,結構躍動感のある演奏と思える。だからと言って,無茶苦茶いいというほどではないとも思うが,まぁ保有していても損はない(笑)。

それにしてもWoody Shawである。このアルバムには"This recording is dedicated to the memory of Woody Shaw."と書かれているので,リリースはWoody Shawの死後ということになるが,44歳での早逝はあまりに惜しいと思わせる演奏である。星★★★★。

Recorded in May 1987

Personnel: Neil Swainson(b), Jerry Fuller(ds), Joe Henderson(ts), Woody Shaw(tp), Gary Williamson(p)

2017年2月14日 (火)

Velentine's Dayには"My Funny Valentine"

"My Funny Valentine" Miles Davis(Columbia)

_20170212バレンタイン・デーというイベントには全く興味がない,と言うよりも,なんでチョコレートやねん?という思いが強い私である。そもそもは男性から女性に何かを贈っても,逆でも全然かわまわない日であって,恋人,あるいは愛し合う人たちが愛を深めればいい。そういう思いは,"My Funny Valentine"の歌詞にこそ表れていると思うが,まぁ固いことは言うまい。

ってことではあるが,Valentine's Dayにはやっぱりこれよってことで,Milesのアルバムを久しぶりに聞いた私である。我ながらベタなチョイスと言われれば,反論の余地はない(苦笑)が,一言で言えば,これこそビター・スウィートの極みって感じの演奏である。同じ"My Funny Valentine"でも,ミュートで吹いた"Cookin'"と,オープンで吹いた本作の演奏では大きな違いがある。"Cookin'"がリリシズムだとすれば,こちらは私にはハードボイルドに聞こえる。

同じタイミングで吹き込んだ"'Four' & More"が息つく暇も与えない強烈なアクション映画だとすれば,本作はフィルム・ノワールの世界のようにも思えるが,本当にこのアルバムを久々にプレイバックしてみて,「大人の世界」に浸ってしまった気がした。ちゃらちゃらしたところはない。ここでの"My Funny Valentine"を聞いて,これってラブソング?って思ってしまうぐらいである。このアルバムが吹き込まれたのは2/12だったので,バレンタイン・デーに近いところで,愛を語らう恋人たちも会場にいたはずだが,彼らがこの演奏を聞いてどう思ったのか?愛は深まるのか?その前に感動してしまうか。

このダークな雰囲気でこの曲をやられてしまえば,この曲の解釈としてはどうなんだという指摘も出てくるかもしれない。しかし,やはりこれが強烈な名演であることには疑問の余地はない。"My Funny Valentine"のみならず,全編に渡って,Milesのバラッド表現の素晴らしさを堪能した私であった。ベタなチョイスであろうがなかろうが,聞いてよかったわ~。ってことで,星★★★★★以外はありえまい。今更ではあるが,素晴らしい。

Recorded Live at the Philharmonic Hall, Lincoln Center on February 12, 1964

Personnel: Miles Davis(tp), George Coleman(ts), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)

2017年2月12日 (日)

Enrico Pieranunziの新作はクラシックをモチーフにしたトリオ・アルバム。

"Ménage à Trois" Enrico Pieranunzi(Bonsai)

_20170205_2Enrico Pieranunziはここ暫くCam Jazzレーベルから作品をリリースしていたが,最近は専属契約をやめたらしく,色々なレーベルからタイプの異なる作品をリリースしている。多作の人なので,なかなか全部追いかけるということはできないが,今回はドラムスがAndre Ceccarelli(チェカ爺)ということもあり購入となったが, 購入してからクラシック作品,それもフランス近現代の作曲家の作品を中心とした作品と知って,ちょっと不安が高まった私である。因みに,取り上げているのはサティ,プーランク,ミヨーの曲に加え,必ずしもフランスではないところも含んでいるが,ドビュッシー,バッハ,シューマン,フォーレ,そしてリスト等の曲に因んだPieranunziのオリジナルとなっている。

だからと言って,Pieranunziのことなので,ストレートにクラシカルな演奏をするというわけではなく,それらの曲を素材,もしくはモチーフとしてジャズに仕立てているので,ジャズ・ファンとしてもそんなに抵抗がなく聞けるはずである。そもそも冒頭のPieranuziオリジナルである"Mr. Gollywogg"からして,快調な4ビートで飛ばすので,へぇ~となってしまったが,それよりびっくりしてしまったのが,サティの「ジムノペディ」をボッサっぽくやっていることである。収録曲においては,確かにテーマを弾くとクラシック的に響くこともあるが,それは意図的にやっていると思われる。例えば,最終盤の3曲に顕著であるが,Pieranunziのオリジナルにもかかわらず,テーマは極めてクラシカルな響きなのである。それとアドリブ・ラインがいい塩梅のバランスで聞けるので,これはなかなか面白い取り組みだと思えた。

しかし,これはこれでかなり満足できる作品だとしても,これを以てEnrico Pieranunziの本質と言うつもりはない。Pieraninziにはもっといい作品があるし,これが最高だと言うつもりもないが,これもPieranunziの芸風の一つとして捉えればいいのではないかと思う。ということで,星★★★★。

Recorded on November 12-15, 2015

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Diego Imbert (b), André Ceccarelli(ds)

2017年2月11日 (土)

Sara Gazarek:どうして買う気になったのかは覚えていない(爆)。

"Live at the Jazz Bakery" Sara Gazarek (Native Language)

_20170205_3_2このブログにも既に何度か書いているように,私はジャズ・ヴォーカルの熱心な聞き手ではない。もちろん,SarahやEllaやCarmenと言った大御所はそれなりに聞いている。そんな私が,今聞きたいと思うヴォーカリストの筆頭はGretchen Parlatoであるが,彼女はコンテンポラリーな感覚を持っているからいいと思っている。

それに比べれば,今日取り上げるSara Gazarekはずっと正統派ヴォーカルと言ってよいと思うが,どうして私がこのアルバムを購入する気になったのかが,全く思い出せない(爆)。全くの気まぐれだったとも思えないが,思い出せないものは思い出せない。彼女のサイトから仕入れたような気もするし,そうでないような気もする。こうした記憶の曖昧さに,年は取りたくないと思う。

まぁ,それはさておき,昨年にはここにも参加しているピアニストJosh Nelsonとともに来日して,Cotton Clubでライブをやったので,日本にもそれなりにファンはいるってことなのだと思う。

ここで聞かれる歌唱,演奏もオーソドックスと言えばオーソドックスである。冒頭の"Cheek to Cheek"のアレンジはちょっと変わっているが,その後は典型的なジャズ・ヴォーカルのアルバムと言ってもよい。そして,Sara Gazarekの声は何ともクセのないものである。そして,このクセのなさがジャズ・ヴォーカルを大して聞かない私にとっては丁度いいのである。レパートリーとしては,どう見ても"You Are My Sunshine"が「浮いている」が,それ以外は,スタンダードとピアノのJosh Nelsonのオリジナル等をバランスよく配置して,気持ちよく聞ける好盤。伴奏陣の演奏もナイスである。残念ながら今やなかなか流通していないようだが,見つけたら買っても損はしない。そんなアルバムである。星★★★★。

Recorded Live at the Jazz Bakery on May 8, 2006

Personnel: Sara Gazarek(vo), Josh Nelson(p,el-p), Erik Kertes(b), Matt Slocum(ds), Katisse Buckingham(fl)

2017年2月10日 (金)

今年も出たJeremy Peltの新作。

"Make Noise!" Jeremy Pelt(High Note)

_20170205律儀なまでに年1作のペースで新作をリリース(それも毎年1月後半と大体決まっている)するJeremy Peltが,今年も新作をリリースした。前作はワンホーンのアコースティック路線であったが,本作もパーカッションは加わるものの,ワンホーンは継続している。しかし,メンツは全面入れ替えということで,なぜこうなるのかはよくわからないし,今回のメンツがレギュラーとなるのかもよくわからない。しかし,ネットで検索していると,昨年,Jeremy Pelt New Quintetとしてライブをやったメンツと同じなので,これからはこのクインテットで演奏していくということなのかもしれない。

以前,Jeremy Peltが率いていたクインテットに比べるとやや小ぶりかなぁって気はするが,それでもピアノのVictor GouldはDonald HarrisonやWallace Roneyとの共演歴があり,ドラムスのJonathan BarberはJ.D. Allenとのレコーディングやら,昨年はNY在住ピアニスト,早間美紀と来日もしているようである。パーカッションのJacquelene Acevedoという人はよくわからんが,ベースのVicente ArcherはDanny Grissettのアルバム等でお馴染みである。

そうしたメンツによる音楽は,ストレート・アヘッドで,なかなかスリルもあっていい感じの仕上がりになっている。まぁ,パーカッションが入ることを好む人と,好まない人には分かれるだろうが,ここではアクセントとしてはそんなに悪くないという印象を与える。

曲としてはほぼJeremy Peltのオリジナルで占められており,例外は前々作で鋭いピアノを聞かせたSimona Premazziの1曲と,"Make Noise!"と"Evolution"のイントロとなっているAcevedoとBarberのソロである。全体的には,曲によって緩急をつけたものとなっているが,私としてはどちらかというと,スピーディに鋭い切れを示す曲の方が好みではあるが,バラッド表現も悪くはない。やはり継続的にフォローするに値するミュージシャンだとは思うが,このバンドの成果は次の1作を聞いてからでもいいような気がする。ということで,星★★★★。それにしても,なんのこっちゃ?だった前作のジャケと今回のジャケのテイストの違いが大き過ぎるよなぁ。

尚,このバンドのBlue Note Milanoでの演奏の模様があったので,映像を貼り付けておこう。

Recorded on September 9, 2016

Personnel: Jeremy Pelt(tp), Victor Gould(p), Vicente Archer(b), Jonathan Barber(ds), Jacquelene Acevedo(perc)

2017年2月 9日 (木)

改めてKevin Hays@Cotton Club東京を振り返る。

Kevin_hays_i_2Kevin Haysが彼のNew Day Trioで来日すると聞いた時,集客は大丈夫なのかなぁと正直思っていたが,今回のCotton Club東京におけるライブでも,案の定,集客は決して芳しいものではなかった。自由席のステージ前フロアがそこそこ埋まる程度で,指定席はほとんど利用者がいない状態だったので,入りとしては4割~5割ってところだろうか?

しかし,そこはプロである。一切手抜きはなく,非常にいい演奏であった。前回,Kevin Haysを見たのは55 BarにおけるFima Ephronのバンドであったが,その時も決して客入りがよかったわけではないが,このトリオ,見逃すには惜しいと思えた。三者の実力は相当なものであり,まず私が驚いたのがドラムスのGreg Josephである。非常に安定したドラミングで,ブラシでもスティックでもうまいものである。ベースのRob Jostも堅実でありながら,ソロはなかなかのもので,何よりもこの人の音の良さには感心した。

しかし,今回のライブにおける最大の驚きは,Kevin Haysの歌である。今回のセットではなんと3曲でヴォーカルを聞かせたのだが,これが実にうまい。喋る時は結構低い声なのだが,歌いだすと,ナイスなテナーとバリトンの中間ぐらいの声って感じである。私は彼の歌を聞いていて"Kevin Hays Sings and Plays"みたいなアルバムをプロデュースしたいなぁなんて思ってしまった。弾き語る姿はまさにPiano Manって感じで,Billy Joelを聞いているような錯覚にさえ陥りそうになっていた私である。ピアノ・トリオとして聞いても楽しめたし,ヴォーカル入りのバンドとしても楽しんでしまった私である。

_20170208上の写真はいつものような"Kevin Hays & I"であるが,多少お疲れモードかなっという表情であった。しかし,55 Barでクリポタのアルバムにもらったサインがにじんでしまったので,もう1回お願いと言ったら,快く対応してくれた。そっちの写真もアップしておこう。ということで,もう少し客入りがいいとよかったのだが,私は聞けたことに満足して,家路についたのであった。

Live at Cotton Club東京 on February 6, 2017,2ndセット

Personnel: Kevin Hays(p, vo), Rob Jost(b), Greg Joseph(ds)

2017年2月 7日 (火)

Kevin Hays New Day Trioのライブの戦利品

_20170206福島に出張した帰り道に,Cotton Club東京でKevin Haysのトリオのライブを見た。詳しくは改めてご報告とし,今日はその戦利品のみ。実力十分のいいトリオであった。

2017年2月 6日 (月)

久しぶりに聞いたThierry Langの"Between a Smile And Tears"

"Between a Smile And Tears" Thierry Lang (Plainisphare)

_20170204_2このアルバムを聞くのは久しぶりだ。Thierry Langにはまったのは,多くの人と同様に"Private Garden"であるが,その"Private Garden"と同じメンツで吹き込まれた作品だが,録音はこっちの方が先である。もともとはTCBレーベルから出たものらしいが,そちらは中古市場でとんでもない価格がついている。私が保有しているのは98年にリイシューされたものだが,オリジナルがどうしてそんな高値なのかは知る由もないし,興味もない(笑)。

いずれにしても,"Private Garden"同様に美しいアルバムであるが,どんな曲をやっても,非常に繊細で美的な演奏を聞かせる人たちである。全7曲中,リーダーのオリジナルは2曲だけで,その他については非常に面白い選曲と言えるのではないだろうか。大スタンダードの"I Fall in Love Too Easily"はわかるとして,例えば,Jimmy Rowlesの"The Persian"なんてかなりマイナーだと思えるし,世代の比較的近いEnrico Pieranuziの曲も,Chet Bakerとやった"Echi"とか渋い。Steve Swallowの"Peau Douce"はECMでのGary Burtonの"Times Square"から等,このアルバムは選曲が非常に面白いのである。

こういうあまり知られていない(知らないのは私だけかもしれないが)曲を見つけて,彼らの色に染めるという感じの演奏ぶりは非常に面白い。そして,ちゃんとこちらが期待する音が出てきているところが好ましい。昨今は"Private Garden"も聞いていないので,比較することはできないが,どっちのアルバムからThierry Langを聞いたとしても,相応のリスナーはこの世界に引きずり込まれるだろうなぁと思わせる作品。ちょっとピアノの音が録音ゆえに精妙さ,クリアさに欠けるような気がするが,これはこれで十分楽しめるアルバムと思う。星★★★★。

Recorded in August 1991

Personnel: Thierry Lang(p), Ivor Matherbie(b),Marcel Papaux(ds)

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