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カテゴリー「ジャズ(2017年の記事)」の記事

2017年7月24日 (月)

"Signs of Life"と同じメンツでライブ同窓会。

"Signs Live!" Peter Bernstein(Smoke Sessions)

_20170721Peter BernsteinがCriss Crossレーベルに"Signs of Life"というアルバムを吹き込んだのは1994年12月のことであった。それから約20年経過した2015年1月に,アルバムと全く同じメンツが集ってライブを行った時の実況盤である。

録音当時,リーダーBernsteinは27歳,Brad Mehldau24歳,Christian McBride22歳,Gregory Hutchinson24歳という初々しいバンドが,20年を経て,それこそ音楽的な成長を遂げた姿を聞かせるのは何とも嬉しいことではないか。

Peter BernsteinとBrad Mehldauは"Signs of Life"前後にも共演する機会があり,最も古い音源は92年の"Somethin's Burnin'",新しいところでは2014年のJimmy Cobbの"The Original Mob"まで続いている。彼らはJimmy Cobbのバンド・メイトだったはずで,それが続いているというのは麗しき友情と言うべきか(笑)。

オリジナルの"Signs of Life"も久しく聞いていないので,単純な比較はできないが,比較的コンベンショナルなセッティングな中で,私にとってはBrad Mehldauがどういうソロを聞かせるかというところに関心が行ってしまうのは,彼のファン故しかたないことではあるが,ここでもツボを押さえた魅力的なソロを随所で聞かせていて,私としては大満足である。そして,彼のリーダー・アルバムとは違うので,バッキングにも気を利かせて対応しているのが効いて取れ,やはり優秀なミュージシャンは,何をやっても優秀ということを改めて感じさせられる。

収められているのは基本的にPeter Bernsteinのオリジナルであるが,それ以外で選ばれているのが,Theloneous Monkの3曲というのはやや意外な気もするが,違和感なくプレイしている。Mehldauも"We See"では,ややMonk的(と言っても,大してMonkっぽくないのだが...。笑)なソロもやっていて,へぇ~と思ってしまうが,それも珍しいってことで。

2枚組で,各々が70分を越える収録時間で,正直お腹いっぱいになってしまうが,それでもこのメンツが,改めて集い,これだけの演奏を聞かせたことは,このときNYCの会場にいたオーディエンスにとって,実にラッキーだったと思う。星★★★★☆。

Recorded Live at Jazz at Lincoln Center on January 5, 2015

Personnel: Peter Bernstein(g), Brad Mehldau(p), Christian McBride(b), Gregory Hutchinson(ds)

 

2017年7月23日 (日)

Mitch Watkinsの"Curves":一時期のEnjaにはこういうアルバムが多かった。

"Curves" Mitch Watkins (Enja)

_20170717このアルバムを購入したのも,多分私が在米中のことだったと思うが,もう四半世紀以上前のことである。Enjaレーベルはその後も活動を続けているが,ややフリーがかった音源も多いEnjaにおいて,90年代初頭の頃は本作のようなコンテンポラリーなサウンドも多かったように思う。Leni Stern然り,Wayne Krantz然り,Barbara Dennerlein然りである。このアルバムもバックにBob Berg,そしてデニチェンが入っていることからしても,音は想像がつきそうなものだが,想定通りの感じである。

本作も,Enjaの再発シリーズで廉価で出て,聞いた人も増えたのではないかと思うが,こうしたハイブラウ・コンテンポラリーなセッティングにおけるBob Bergのカッコよさがファンにとってはたまらない。しかし,このアルバムはBob Bergだけではなく,Mitch Watkinsのギター・プレイも聞きどころが多く,こうしたサウンドを好むリスナーにとっては,無条件にOK!と言いたくなるようなアルバムである。

Mitch_watkinsその後のMitch Watkinsの消息はよくわからないが,今回,Webでサーチしてみると,テキサス州オースティンをベースとするライブ活動は継続しているようだが,Leonard Cohenともやっていたっていうのはここでの演奏からは想定外な事実もわかってしまった。まさにへぇ~って感じだが,有能なギタリストはなんでもできるってことにしておこう。但し,このアルバムのジャケと今の姿は結構違うが(笑)。まぁ,時代の流れだよねぇ。私の変貌ぶりも人のことは言えないし(爆)。

いずれにしても,Bob Bergのプレイと,デニチェンのドラミングとも相まって,結構このアルバムは刺激的なものに仕上がっていると思う。もちろん,マイキーだったら,もっと激しいが(笑)。ということで,ちょいと甘目と思いつつ,星★★★★。

Personnel: Mitch Watkins(g, g-synth), Bob Berg(ts), Jay Anderson(b), Dennis Chambers(ds)

2017年7月21日 (金)

昨日に続いてKenny Kirklandのピアノ・トリオでの演奏を。

"One for Namesake" Robert Hurst (DIW)

_20170716_3昨日,Kenny Kirklandがピアノ・トリオで演じた"Thunder & Rainbows"を取り上げたが,今日も続けてKenny Kirklandである。本日はベースのRobert Hurstがリーダーを務め,ドラムスはElvin Jonesという魅力的なメンツで録音された作品である。

本作はRobert Hurstのリーダー作なので,1曲を除いて,Hurstのオリジナルで占められているところが,"Thunder & Rainbows"との違いである。冒頭の"Incognegrio"から軽快にスタートし,期待させる幕開けである。ただ,総じて演奏のクォリティは高いのだが,私ならこのメンツにはもっとハードな演奏があってもいいと思ってしまう。やや淡々とした演奏が続くことで,Kenny Kirklandのピアノで燃えたい!と思う私の欲求はやや満たされないものとなっている。

もちろん,このメンツであるから,変な演奏という訳ではないのだが,Elvin Jonesがフィーチャーされる"Swing on Swole"のような曲もあるものの,それはたった2分35秒であり,ほとんどドラムス・ソロだけみたいな展開なので,これもどうなのかねぇと思ってしまう。

まぁ,もともと,このアルバムのプレイバック回数がそれほど多くないのは,そうした点に対する不満があったからだとも言えるのだが,久しぶりに聞くまでそんなことはすっかり忘れていた(爆)。いずれにしても,このメンツなら,もっとできたんじゃないのっていう感じもあって星★★★☆。改めて聞いて,これは二軍落ちだと思えた作品(爆)。悪くはないんだけどね。

Recorded on November 18 & 19, 1993

Personnel: Robert Hurst(b), Kenny Kirkland(p), Elvin Jones(ds)

2017年7月20日 (木)

今,改めてKenny Kirklandを聞く。今日は"Thunder & Rainbows"。

"Thunder & Rainbows" J.F.K.(Sunnyside)

_20170716_2このアルバム,いろいろなジャケットやタイトルで発売されていて,どれがオリジナルなのかわからない(多分下の写真のもの?)のだが,私が保有しているのは,国内盤。内容は同じなんだから気にしなければいいのだが,後に"Megawatts"名義でリリースされたジャケットは,購入意欲を減退させるものなので,それは無視したいが,この国内盤もねぇ...って感じの趣味である(苦笑)。

どうもいろいろ見ていると,もともとJazz from Keystone名義でリリースされたと思われる作品であるが,ここはKenny Kirklandのピアノ・トリオにおけるプレイに注目すべきだろう。早いものでKenny Kirklandが亡くなって,来年で20年になるが,本当に早逝が惜しまれる名バイ・プレイヤーであった。もちろん,唯一残したリーダー作も最高と言ってよい作品(記事はこちら)だが,リーダー作でなくとも,彼の残したソロは本当に記憶に残る。代表的なものはStingの"Bring on the Night / When the World Is Running Down You Make the Best of What's Around"におけるソロだが,あの激烈なソロによって,Stingのライブ盤の価値が決まったと言っても過言ではない。

JfkそんなKenny Kirklandであるが,Wynton MarsalisやBranford Marsalisのバンドでのアルバムももちろん素晴らしい演奏を聞かせるわけだが,ピアノをもっと聞きたいという場合,このアルバムか,Robert Hurstの"One for Namesake"ってことになる。この2枚については,Kenny Kirklandのアルバムとしてラックに収まっている。今回,久しぶりにこのアルバムを聞いたのだが,やはりKenny Kirklandの切れ味は鋭いと思わせる。そして,今回,改めて聞いて感心したのがJeff 'Tain' Wattsの煽りである。見事に演奏をドライブしていると思わせる。

こういう演奏を聞いていると,Kenny Kirklandといい勝負をしていたのは,若い頃のJoey Calderazzoだと思うのだが,Calderazzoが今や若干渋い演奏をするようになったことを考えると,Kenny Kirklandが存命であればどうなっていたのかと想像してしまう。だが,Kenny Kirklandのオールマイティ度を考えると,結構いろいろなミュージシャンのバックで重宝がられていたのではないかと思う。

今回,このアルバムを改めて聞いて,例えば,"You And Night And the Music"のような曲を,これほどハード・ドライビングに演奏するピアノ・トリオってなかなかないと思ってしまう。いずれにしても,わくわくするような快演。星★★★★☆。

Recorded on July 24 & 25, 1991

Personnel: Jeff 'Tain' Watts(ds), Charles Fambrough(b), Kenny Kirkland(p)

2017年7月19日 (水)

私にとってのMarc Copland最高作は今でもこれ。

"Haunted Hearts & Other Ballads" Marc Copland Trio (hatOLOGY)

_20170716私はMarc Coplandのファンだとこのブログにも何度も書いてきたし,彼のアルバムも結構取り上げてきた。しかし,私がこの人の演奏にはまったのはこのアルバムを聞いた時だと思っているし,その印象は今でも変わらない。よって,今でも私にとってのMarc Coplandの最高傑作は本作だと思っている。だから,Marc CoplandがJohn Abercrombieと来日した時に,サインをもらおうと持って行ったCDにこれが含まれているのは,私にとっては当たり前のことなのだ。

ジャケット同様,仄暗い雰囲気の中で,美的な旋律を奏でるMarc Coplandの美学に完璧にやられたという感じだったのである。だからお前は暗いと言われるかもしれないが,こうした音楽に身を委ねることのできる幸せさを感じて何が悪い?と開き直ろう(笑)。

レパートリーは3回演奏される"My Favorite Things"から,スタンダード,更にはColtrane,Mal Waldron,そしてStingまで非常に幅広いが,どれもがMarc Coplandの個性に染め上げられたバラッド集になっているのが素晴らしい。どこから聞いても,私にとってはケチのつけようのない傑作。スイングしなけりゃ意味ないねって人には向かないが,この表現の前には私は星★★★★★である。いつ聞いても,何度聞いても素晴らしい。

ちなみに私が保有しているのは2nd Editionだが,本作は,現在はタイトルを"Haunted Heart"だけにして,かつジャケも違う写真にしてリリースされているので念のため

Recorded on April 2, 2001

Personnel: Marc Copland(p), Drew Gress(b), Jochen Rueckert(ds)

2017年7月17日 (月)

Coltrane没後50周年。今日は改めて"Village Vanguard Again"を聞く。

"Live at the Village Vanguard Again" John Coltrane(Impulse!)

_20170715_21967年7月17日にJohn Coltraneが亡くなって今年で50年である。毎年同じことを書いているが,Coltraneの命日がやって来ると,私はまた一つ年齢を重ねることになっている。去年は62年のGrazの音源を取り上げたが,今年はこれである。

私は夏場になると,レゲエと並んで,フリー・ジャズを聞きたくなるという変態であるが,この音源におけるフリー度は,はっきり言ってそんなに高いと思えない。これぐらいなら普通にやり過ごせる。もちろん,こういう音楽に耐性がない人にとっては聞くに堪えないってことになってしまうが,ここで聞かれるColtraneの情念は,私は実に素晴らしいと思えるのだ。

実を言うと,私は後期のColtraneのアルバムにはあまり手を出してこなかったのだが,本作を随分後になって入手した時には,全然問題ないと思ったし,食わず嫌いはいかんと思えるものだった。"Naima"にしても,"My Favorite Things"にしても,Coltraneのオハコのような曲であるが,Atlanticとの違いは顕著で,Coltraneが日々変転を遂げていたことは誰の耳にも明らかだろう。

正直言って暑苦しいが,それでもボリュームを上げて聞くと何とも言えない快感を得られる。星★★★★★。改めてColtraneの素晴らしさを堪能した私である。それにしても,Pharoah Sandersの演奏は何度聞いても笑える無茶苦茶さ(でも好き:爆)。それに比べれば,Coltraneのソロのなんと真っ当なことか。

Recorded Live  at the Village Vanguard on May 28, 1966

Personnel:John Coltrane(ts, ss, b-cl), Pharoah Sanders(ts, fl), Alice Coltrane(p), Jimmy Garrison(b), Rashied Ali(ds), Emanuel Rahim(perc)

2017年7月14日 (金)

懐かしい~:小曽根真版スムーズ・ジャズ。

"Starlight" 小曽根真(JVC/GRP)

_20170709_2これは懐かしいアルバムである。私がNYCに住んでいたのは1990年8月から92年6月という短い期間であったが,その間に多くの音楽に接し,結構な枚数のCDを購入した。記憶は定かではないが,300枚弱ぐらいは買ったと記憶している。本作も私の在米中に購入したものなので,私が保有しているのはアメリカ盤である(ジャケが国内盤と色使い等が異なる)。

このアルバムがリリースされた1990年当時は,スムーズ・ジャズというコンセプトが喧伝され始めた頃だと思うが,本作もジャケにはJVCと書いてあるものの,現地でのディストリビューションはGRPが行っていたもの。そういう時代だったのである。今や,小曽根真がこういうタイプの音楽を演奏することはほぼなくなったと言ってよいだろうが,今にして思えば,本当に懐かしいサウンドである。

このアルバムは特に前半の曲は,スムーズ・ジャズとしてよくできていると思うし,現地のFMステーションでもよくプレイバックされていた(私が聞いていたのは今はなきWQCD:またの名をCD101.9)。LP時代言えば,A面に相当する前半5曲はいいと思う。その後に控える"Sky"のような曲は,あまりにポップ過ぎというか,ここまで軽くされると...という感じになってしまうし,後半の曲は総じて地味に聞こえてしまう部分があるため,昔も私は前半しか聞いていなかったような気がする。そういう意味では前半のような感じで押せばよかったと思えるので,前半星★★★★,後半星★★★で,やや甘目の星★★★☆ってところではないかと思う。

Personnel: 小曽根真(p, key, synth, perc), MALTA(as), 芳野藤丸(g),松原正樹(g),道下和彦(g),岡沢章(b),伊藤広規(b),樋沢達彦(b),渡嘉敷祐一(ds),Scott Latham(ds), 村上 "Ponta" 秀一(ds),Joe Strings

2017年7月13日 (木)

Kenny Wheelerの"All the More":静謐さとスリルを兼ね備えるアルバム。

"All the More" Kenny Wheeler (Soul Note)

_20170708_4CDラックを見ていて,あぁ,これも久しく聞いていないなぁということで取り出したアルバムがKenny Wheelerである。このアルバム,なんと言っても,メンツがいいよねぇ。Azimuthのバンド・メイト,John Taylorに,ドラムスはBill Evansの最後のトリオを支えたJoe LaBarbera,そしてベースは名手,Furio Di Castriではまぁ悪いはずはない。

アルバムとしては静的な部分と,動的な部分が混在するものとなっているが,Kenny Wheelerのラッパも彼らしく響く。そうした中で,このアルバムの魅力は冒頭の"Phrase One"のTaylorのイントロからしてはっきりしている通り,明らかにJohn Taylorのピアノにある。美的なサウンドから,スリリングなソロまで,このアルバムのテクスチャーの根幹を築いているのは,John Taylorだと言いたい。

そもそも私はトランペットのワン・ホーン・アルバムを結構好むので,そうした嗜好に合致していることもある。ライナーを書いているのはなんと,Evan Parkerだが,Evan Parkerによれば,Kenny Wheelerのワンホーン・アルバムは,ECMでの"Gnu High"以来とのことである。ワンホーン・アルバムとしての要素と同時に,やはり私にとってはJohn Taylorである。"Mark Time"のピアノ・ソロのなんと素晴らしいことよ。Kenny Wheelerのトランペットはやや鋭角的に響く部分があって,音の好き嫌いがわかれるかもしれないが,John Taylorのピアノは誰にでも受け入れられるものと思う。

久しぶりに聞いてみて,このアルバムは,John Taylorを聞くためのものということにしておきたい。星★★★★。尚,ライナーではEvan Parkerは"Kind of Bill"がJoe LaBarbera作とし,クレジットでは"Nontheless"がJoe LaBarbera作となっているが,どっちが正しいのか?私は"Kind of Bill"をBill Evansと"Kind of Blue"にかけて説明したEvan Parker説を取りたいと思う。

Recorded on Octorber 31 and November 1, 1993

Personnle: Kenny Wheeler(tp, fl-h), John Taylor(p), Furio Di Castri(b), Joe LaBarbera(ds)

2017年7月10日 (月)

実にユニークなCharlie Parkerトリビュート盤。

"The Passion of Charlie Parker" Various Artists (Impulse)

_20170708これは実にユニークなCharlie Parkerへのトリビュート・アルバムである。プロデューサーのLarry Kleinが書いているように,現代にCharlie Parkerが生きていたら,こういう演奏をしたのではないかというかたちでのインタープリテーションを施し,Charlie Parkerの人生を辿るという趣旨の作品である。よって,典型的なビ・バップ表現で演じられるものではない。

ほぼ全曲でヴォーカリストが加わるとともに,伴奏陣はかなりコンテンポラリーな布陣である。そして作詞を手掛けているのが,懐かしやDavid Baerwaldである。David Baerwaldと言って,わかる人はもはや少ないかもしれないが,David Rickettsと組んだDavid + Davidというバンドでの"Boomtown"という結構いいアルバムや,その後のソロ・アルバムにはJoni Mitchellが1曲だけ参加した"Bedtime Stories"があった。"Bedtime Stories"はLarry Kleinが一部でプロデュースを担当していたから,随分長い付き合いの末の,今回の作詞家としての参加ってことになる。

Charlie Parkerの曲と言えば,バップ・テイストってのがお決まりのパターンなのに対し,ここでの演奏はどちらかと言えば,ソフトでけだるい感じを打ち出していて,結構ムーディだと言ってもよい。この伴奏陣からすれば,もう少し激しい演奏があってもよさそうなものだが,ここは意図的にそういうかたちにしていると思える。それがプロデューサー,Larry Kleinの狙いであり,それは成功していると言ってよいだろう。Billy ChildsによるLaura Nyroトリビュート,"Map to the Treasure: Reimagining Laura Nyro"でも素晴らしいプロデュースぶりだったLarry Kleinの見事な手腕もあり,非常に楽しめる作品となった。

これは普通のトリビュートではないが,こういうのも絶対ありだと思わせるに十分な作品。いいねぇ。星★★★★☆。尚,クレジットでMark Guilianaの名前のスペルがGiulianaと間違って記載されているのはご愛敬。でもそう思っちゃうのも納得なんだよねぇ(苦笑)。

Personnel: Madeleine Peyroux(vo), Barbara Hannigan(vo), Gregory Porter(vo), Jeffrey Wright(vo), Luciana Souza(vo), Kurt Elling(vo), Kandace Springs(vo), Melody Gardot(vo), Camille Bertault(vo), Donny McCaslin(ts), Ben Monder(g), Craig Taborn(p, el-p, org), Scott Colley(b), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds), Mark Guiliana(ds)

2017年7月 8日 (土)

Larry Coryellの遺作(?)はなんと11th House名義。

"Seven Secrets" Larry Coryell's 11th House(Savoy Jazz)

_20170706惜しくもLarry Coryellが亡くなったのが今年の2月のことであった。そのLarry Coryellの遺作と思しき作品が先頃リリースされたのだが,なんと懐かしや11th House名義である。しかもドラムスはこれまた昨年の12月に亡くなったAlphonse Mouzonである。更にフロントにはRandy Brecker,そしてベースはこれまた懐かしやJohn Leeに,Coryellの息子,Julianを加えた布陣によるハードなフュージョン・アルバム。

Julian Coryellを除くメンバーの平均年齢は60代後半となるはずだが,それにしてはやっている音楽は激しい限りである。ロック調あり,ファンク調あり,更にはアコースティック・ギター・ソロありと,曲はバラエティに富んでいるが,基本的には相当熱い(暑苦しい)音楽と言ってもよいが,この手の音楽が好きなリスナーのツボに入るタイプの音楽と言ってよいだろう。ここでの音楽を聞いている限り,このバンドからLarry CoryellとAlphose Mouzonが鬼籍に入るとは全く信じがたいような演奏群である。

曲はメンバーの持ち寄りであるが,Larry CoryellとAlphonse Mouzonが4曲ずつ,Randy Breckerが2曲,そしてJohn Leeが1曲(Dennis Haklarとの共作)と言った具合であり,プロデュースもバンド・メンバー全員によるものというかたちで,しっかりグループとしての表現を志向している志は認める必要があるだろう。正直言って,曲は玉石混交とは思うが,演奏としては予想以上に楽しめるものとなっている。それだけにライブも見てみたいと思わせる作品だったが,Larry CoryellとAlphonse Mouzonが亡くなってしまっては,それも夢のまた夢ってことになってしまった。

だが,亡くなる前に,これだけのフュージョン・アルバム,そして11th Houseという懐かしい名前でアルバムを制作していたことだけでも,彼らに感謝せねばならないだろう。Larry CoryellとAlphonse Mouzon追悼の気持ちも込めて,普通なら星★★★☆~★★★★ぐらいのところ,甘いのを承知で星★★★★☆としてしまおう。

Personnel: Larry Coryell(g),Julian Coryell(g), Randy Brecker(tp), John Lee(b), Alphonse Mouzon(ds)

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