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カテゴリー「ジャズ(2017年の記事)」の記事

2017年4月30日 (日)

またも出た。Dayna Stephensの豪華メンツによるバラッド・アルバム。

"Gratitude" Dayna Stephens(Contageous Music)

_20170426Dayna StephensがBrad Mehldauらのメンツを集めて,バラッド・アルバムをリリースしたのがほぼ3年前ということになるが,あれはスペシャル・プロジェクトだったんだろうなぁと思っていたら,なんと,同じメンツを集めてのアルバムが新たにリリースされた。詳しいレコーディング・データはないが,プロデューサーも同じ,レコーディング・スタジオも同じ,エンジニアも同じということで,前作の残りテイク集ということになるのかもしれない。そうでなければ,これだけのメンツを集めるというのはなかなか考えにくい。

今回も選曲は凝っていて,Aaron ParksやPat MethnyにBilly Strayhornが同居して,非常にユニークなものになっていると言える。いずれにしても,味わい深い演奏という表現が適切であり,これはなかなかいい。バラッド・アルバムとは言っても,相応のダイナミズムも感じられ,ちょっと聞いた感じでは,前作"Peace"よりもいいように感じられる部分もあると思う。

Pat Metheny作の"We Had a Sister"ではDayna StephensがEWIを吹いており,いいアクセントになっているのも評価したい。ということで,これはメンツ買いはもちろん,メンツ買いでなくても満足できるアルバム。星★★★★☆。

Personnel: Dayna Stephens(ts, bs, EWI, synth, b), Julian Lage(g), Brad Mehldau(p, tack-p), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds)

2017年4月27日 (木)

夜遅くにECMのアルバムを聞いて思ったこと。

私はそこそこのECMレーベルの音楽好きだということは,このブログにECMというカテゴリーがあることや,記事,あるいは推薦盤の多さからわかって頂ける読者の方が多いと思う。だが,近年のECMレーベルは,もの凄い数の新譜がリリースされており,正直言って全部追えるわけではない。特に,ECM New Seriesの一部は,私にとっては全くの関心外なのだ。逆に言えば,ブログのお知り合いの910さんが,ECMレーベルの全ての新譜をフォローされていることがいかに大変かということの裏返しと言ってもよい。

これだけ新譜のリリースが多いと,繰り返しプレイバックをする機会にはなかなか恵まれないということにもなるのだが,それと同時に,ある程度CDやレコードの保有枚数が増えれば,「いつ聞くねん?」という質問には正直答えにくいのが実態だ。だから,私もECMレーベルのアルバムに関して相当数を保有していたとしても,繰り返し聞くことはまれになるのも当然なのだ。

しかし,夜遅くにたまたまECMのアルバムをプレイバックしていて,一聴してECMの音だとわかったとしても,「誰の」,「どの」アルバムかまで言い当てられるかと聞かれれば,全く自信がなくなってしまった。もちろん,CDプレイヤーにのせる前に,自分でアルバムを選んでいるのだから,誰のアルバムかはわかって聞いているのだが,やはり聞き方が足りない。もちろん,ECMでも「ケルン」とか「クリスタル・サイレンス」とか,一発でわかるものもないわけではないが,例えば,ジョンアバのアルバムが鳴っていて,ジョンアバのギターとわかっても,それがどれだかわからないなんてのは十分あり得るわけだ。

中学生とか,高校生の頃,月1枚LPを買うのが精一杯だった頃を思えば,こういうのは絶対よくないと思わざるをえず,極力手持ちのアルバムの魅力を再確認すべきなのだろうと思ってしまったのも事実である。特にECMのアルバムであれば,深夜にプレイバックしても,顰蹙を買うようなアルバムは,従来からも,最近も比較的少ないと思うので,温故知新モードもいいかもしれないなぁと思ってしまった。

_20170423_3_2ということで,これも全くのきまぐれながら,温故知新を続けてもいいなぁと思っているのだが,私にこんなことを感じさせた罪なアルバム(笑)はMisha Asperinの"North Story"である。よくよく見れば,Tore Brunborgがテナーを吹いているし,ベースはTerje Geweltだ。このアルバムがリリースされた頃は全く意識していなかったようなミュージシャンの名前に,このアルバムのライナーで改めて出会って,好きだ,好きだと言いながら,何にもわかってないじゃん,と大いに反省した私であった。アルバムのジャケの印象すらほとんど記憶になかったのだから,何をかいわんやである。まぁ,ECMは似たようなジャケのアルバムも存在するので,仕方ないんだと開き直ることも可能だが...(笑)

いずれにしても,気まぐれとは恐ろしいとは思うが,気まぐれゆえに再発見することもあるということで,ECMの古いアルバムや,ちゃんと聞いていないアルバムを聞く気満々になった私であった。ところで,最近はMisha Asperinの名前は,あまり聞かなくなったが,何をしてるんだろうねぇ。

さて,次は何を聞く?(爆) 実に悩ましいところだ。

2017年4月25日 (火)

知らぬ間にリリースされていたJeff Lorber Fusionの新作を聞く。

"Prototype" Jeff Lorber Fusion(Shanachie)

Jlf_prototype昨年,久々に来日ライブを行い,ファンに随喜の涙を流させた(笑)Jeff Lorber Fusionであるが,昨年のライブにも同行していたAndy Snitzerを新メンバーに加えた新作をリリースしたので,早速の購入である。私はたまたまFacebookページで本作のリリースを知ったのだが,どうせならもっと告知をすればいいのになんて思ってしまった。まぁ,知らないのは私だけか。

Jeff Lorber Fusionは2010年の"Now Is the Time"で復活以降,順調なペースで新作をリリースし続けているが,彼らの演奏には突出したところはなくても,絶対的安定感があるところは,本作でも全く変わらない。

私はCDがデリバリーする前,Apple Musicで本作を聞いていたのだが,ややスムーズ色が強いかなとも感じたのだが,改めてアルバムを聞いてみると,そういう曲もあるが,ちゃんとタイトなフュージョンもやっていて,やはりバランスが取れている。新メンバーとしてのAndy Snitzerはライブの時から違和感なくやっていたので,今回も問題はないが,アルトを吹くとちょっとSanbornっぽくなっちゃうなぁというのは,まぁ昔からだから仕方ない。

今回の新作を聞いて,改めて思ったのが,Jeff Lorberのキーボード・プレイのカッコよさである。エレピで聞かせるソロのフレージングは,いつものパターンと言ってしまえばそれまでだが,これこそフュージョン,もしくはフュージョンにおけるキーボード・ソロかくあるべしと思わせるに十分なものであり,私が彼らの音楽に惹かれる大きな理由の一つはこれだなと改めて思う。

本作もいつも通り,ゲストは迎えているが,ほぼ固定的なメンツでやっているので,ライブにおいても,これに準じた編成が組まれると思うが,昨年のライブが楽しかったので,また新作を引っ下げて,来日して欲しいと思うのは私だけではあるまい。特に来日に同行したGary Novakは本作では全面参加である。ってことはほぼレギュラーだな。ということで,今回も抜群の安定感に対し,星★★★★。ちょいとしたおまけでジャケの内側に使われている写真もアップしておこう。

Personnel: Jeff Lorber(p, el-p, key, g), Jimmy Haslip(b), Andy Snitzer(ts, as, ss), Gary Novak(ds), Michael Thompson(g), Larry Koonse(g), Paul Jackson, Jr.(g), Chuck Loeb(g), Jarius Mozee(g), Dave Mann(horn)

Jlf

2017年4月24日 (月)

ECMからリリースされたDominic Millerのアルバム。

"Silent Light" Dominic Miller (ECM)

_20170423このアルバムのリリースが告知された時,「へぇ~,Dominic MillerがECMなんだ」と思ったのが正直なところである。私の中では,Dominic Millerと言えば,長年,Stingのバックを務めてきたイメージが強いが,そんな彼がECMからアルバムをリリースするというのは正直意外であった。だが,ECMは最近はそうでもないが,初期のアルバムにはギタリストのアルバムが多数あったし,Manfred EicherがDominic Millerの演奏に,レーベルとのフィット感を見出だしたということであろう。

そして,このアルバムであるが,難しいところはなく,極めて聞き易く,その一方で美的な感覚もあるアルバムとなっている。こういう音楽は昼間に聞くよりも,夜が更けてから,タイトル通り,"Silent Light"に照らされながら,静かに聞くのがぴったりという感じの曲が並んでいる。曲はStingの"Fields of Gold"を除いて,Dominic Millerのオリジナルであるが,"Baden"なんて曲からして,Baden Powellに因んだものと思わせるボサノバ・タッチを聞かせるところもあり,,これはECMファンならずとも,訴求力の高いアルバムだと思わせる。

このアルバムがECMレーベルにとって,珍しいなぁと思わせるのが,StingとPaul Simonがライナーにコメントを寄せていることだろう。それがDominic Millerのこれまでのキャリアを示していることにもなるが,その一方で面白いのが,Dominic Millerが最初はEgberto Gismontiの"Solo"とPat Metheny Groupの"Off Ramp"の中間を行くような音楽を最初は作りたいと思っていたらしいことである。ライナーによれば,EicherとMillerでいろいろなメンバー構成を考えていたらしいのだが,スケジュールが折り合わないとかの理由により,結局,ソロ+αのような構成に行きついたということだが,静謐な中に,オーバーダビングも含めて,トリオ編成で演奏される"Chaos Theory"を聞くと,現在,トリオ編成で来日している演奏も気になってくるところだが,私はスケジュールが合わず,見に行けないのが残念である。

いずれにしても,しびれるような美学という感じではないが,多くの人に抵抗なく受け入れられることが可能であろうと思わせる佳作。星★★★★。

Recorded in March 2016

Personnel: Dominic Miller(g, el-b), Miles Bould(perc, ds)

2017年4月23日 (日)

Sonny Stittのアルトが歌う"Pen of Quincy"

"Sonny Stitt Plays Arrangements from the Pen of Quincy Jones" Sonny Stitt(Roost)

Pen_of_quincy私は結構Sonny Stittが好きである。彼のアルバムはCDよりLPの方が多いかもしれないが,滅多にLPを聞いていない私でも何となくプレイバックしてしまうアルバムが多い。大概聞くのは"Tune Up!"やら"Blows the Blues"のようなコンボのアルバムなので,本作はそんなに聞くわけではない。しかし,久しぶりに聞いてみて,何とも軽快である。こういうのを「歌う」アルトと言うと思ってしまった。

まぁ,冒頭の"My Funny Valentine"からのスタートってのはどうなんだろうねぇと思う部分もあったが,Quincy Jonesのアレンジに乗せて,朗々と歌い上げるSonny Stittは極めて魅力的に響く。そして,バックを支える面々も凄い。あくまでも主役はSonny Stittだが,こんなバックで吹けば,気合も入るわ。ジャケットを見れば,Sonny StittとQuincy Jonesのコラボ・アルバムという色彩ははっきりしていると思うが,後のプロデューサーとしてのQuicny Jonesとは全く違う,アレンジャーとしてのQuincy Jonesの手腕もはっきりするってものだろう。これだけのミュージシャンを集められること自体に,StittとQuincyのミュージシャンとしての位置づけが表れていると思うのは私だけではあるまい。

久しぶりに聞いてみて,Sonny Stittのソロイストとしての魅力を再認識させられた,そんな一枚。星★★★★☆。

Recorded on September 30 & October 17, 1955

Personnel: Sonny Stitt(as), Thad Jones(tp), Joe Newman(tp), Jimmy Nottingham(tp), Ernie Royal(tp), Jimmy Cleveland(tb), J.J. Johnson(tb), Anthony Ortega(as, fl),Seldon Powell(ts),Cecil Payne(bs), Hank Jones(p), Freddie Green(g), Osar Pettiford(b), Jo Jones(ds), Quincy Jones(arr, cond)

2017年4月22日 (土)

ストレート・アヘッドなMike Sternもまたよしってことで。

"High Standards" Steve Slagle(Polydor)

High_standardsこのアルバムは懐かしい。Mike SternがMiles Davisのバンドで,一躍シーンの前線に出てきたときに,やれデブだ,やれイモだと言われていた頃に,突如,Carla Bleyのプロデュースにより,吹き込んだストレート・アヘッドな作品である。聞けばわかることだが,マイキーはちゃんとジャズだって弾けるってことが明らかになった作品である。

アルバム・ジャケットでは,当時Carla BleyのバンドにいたSteve Slagleがトップに来ているので,彼のリーダー作ということにしておくが,5人のミュージシャンが連記されているので,バンドとしてのセッション・アルバムと言ってもよいだろう。

私は,今やマイキーのかなりのファンであるが,出てきた当時からカッコいいギターだとは思っていた("The Man with the Horn"の1曲目,"Fat Time"は今聞いてもしびれる)だが,本当に目覚めたのはずっと後になってからのことである。やっぱり55 Barで生に接した経験は大きかったと思っている。

そんな私でも,このアルバムは結構早い時期に入手して,長年聞いてきたアルバムである。本作は一度もCD化されたことがないと思うが,埋もれさせるには実に惜しい作品と言わざるをえない。コンベンショナルなモダン・ジャズ的なセッティングにおけるMike Sternのギターに触れることができたのは,多分これが最初の機会だったはずで,今にして思えば,買っておいてよかったと思える,快調そのものの演奏なのである。

特にB面なんて,"I Hear Rhapsody"~"I Thought About You"~"Speal Low"って並びだしねぇ。正直言ってたまりません。マイキーは相変わらずのマイキーなのだが,本作では当然(?),ディストーションは使っていない。マイキーらしい,コーラスを掛けたサウンドで4ビートを演じているのだ。後にジャズ的な編成やらスタンダードを演じたアルバムもリリースしたマイキーだが,この頃からうまかったってことを改めて認識させてくれる作品である。

ある意味,お気軽に作った感じがしないわけでもないが,やっぱり好きってことで,希少度込みで星★★★★★としてしまおう。

Recorded on September 27 & 28, 1982

Personnel: Steve Slagle(as), Mike Stern(g), Ted Saunders(p), Harvey Swartz(b), Victor Lewis(ds)

2017年4月21日 (金)

全盛期からはずれたBud Powellもまたよしってことで。

"Bud Plays Bird" Bud Powell(Roulette)

_20170415_3Bud Powellの全盛期は1940年代後半から50年代の初頭ぐらいってことは誰もがわかっていることではあるが,その頃の演奏はテンションが高過ぎて,早々しょっちゅうは聞きたいと思わないというのも事実である。だから,私の知り合いにも,ちょっと枯れた味わいの"Bud Powell in Paris"あたりがいいという人が多いのも,実はうなずける話である。

このアルバムは,Bud Powellが1957年後半から58年初頭にかけて録音していながら,ずっと未発表となっていた音源を発掘したものだが,特徴はタイトル通り,Charlie Parkerゆかりの曲ばかりが演奏されていることである。Bud Powellの全盛期同様,Charlie Parkerの演奏も,聞き流すことを許さない雰囲気があるのだが,ここでの演奏は,Parkerゆかりの曲をやりながら,Parkerに顕著なスピード感というよりも,総じてテンポはゆったりやっていて,結構なレベルのリラクゼーションを感じさせるところが心地よい。

Parkerの音楽に聞かれる凄みのようなものは感じさせないとしても,これはこれで十分レベルが高いと思わせるが,それがリズムの二人がGeorge DuvivierとArt Taylorという,どちらかというと穏健(笑)な人たちだったからという気がしないでもない。丁度いい感覚と言ってわかって頂けるだろうか。それでも,そこかしこにBud Powellの手癖のようなものが顔を出すので,当たり前のことだが,Bud PowellはどうやってもBud Powellであったということを認識させられる。

あまり注目されることのないアルバム(そう思っているのは私だけ?)であるが,聞き逃すには惜しい作品と思える。星★★★★。

Recorded on October 14 & December 2, 1957 and January 30, 1958

Personnel: Bud Powell(p), George Duvivier(b), Arthur Taylor(ds)

2017年4月20日 (木)

お約束通り,今日は"Massacre"である(笑)。

"Killing Time" Massacre(Recommended Music/Celluloid)

_20170416_2昨日,The Golden Palominosを取り上げて,そこに次はMassacreでも聞くか,と書いてしまったので,お約束通り(笑)のMassacreである。

メンツからすれば,Material一派ということになるが,このハードなインプロヴィゼーションは,Bill Laswell主導のファンク・フレイヴァーもあるMaterialより,Fred Frithの音楽系統ということになるだろう。思い返せば,大学のサークルのアヴァンギャルド好きの先輩が,部室でこれを掛けていたのを記憶しているが,当時はなんじゃこれは?と思っていたが,今でもその感覚は大して変わらない(爆)。もともとのMassacreは短命なバンドだったが,後に,ドラムスをCharles Haywardに交替して,90年代後半に再編しているが,さすがにそこまでは追っていない。だってなんじゃこれは?なんだもん(笑)。

いずれにしても,MaterialやGolden Palominos同様,フリー・ジャズ的な要素は表れてくるが,ファンク度が低い分,更に実験的な色彩が強くなる。CDの盤面には"Play It Loud"なんて書いてあるが,我が家でこれを大音量で聞いたら,それこそ家人の大顰蹙を買うこと必定なので,地味なヴォリュームで聞いている私である。

このCDはオリジナルの音源に,ライブ音源なんかも加えたものだが,今でもカタログに残っているから,ニーズはあるんだねぇ。私もよくもまぁ,こんなもんまで持っているもんだと,逆の意味で感心してしまったが,これも聞く頻度は極めて低いアルバム。それでも,まぁ,あの頃のアヴァンギャルド感を思い出させるということで,面白いと言えば面白いんだが...。まぁ,今の感覚で言えば,Golden Palominosの方が私にとっての聞きやすさを持っており,星★★★ぐらい。ボーナス・トラックはロック的なところも感じられてなかなか面白いが,さて,これも次に聞くのはいつになるのやら(苦笑)。

しかし,Fred Maherって,MaterialやMassacreからScritti Polittiへ軸足を移すって,どういう頭の構造や?と思うのは私だけ?

Recorded in April, June, July and August, 1981

Personnel: Fred Frith(g, vo, cassiotone), Bill Laswell(b, pocket-tp), Fred Maher(ds, perc)

2017年4月19日 (水)

これも引っ張り出してきた"The Golden Palominos"

"The Golden Palominos" (Celluloid)

_20170416これもクロゼットにしまったまま,なかなか聞かないアルバムである。本作は中古番屋でMaterialと一緒に買った(笑)ものである。Materialにしても,このGolden Palominosにしても,時代の徒花と言ってしまえば,その通りだが,1980年代ってのはこういうのが結構もてはやされたこともあったのである。今にして思えば,ちょっと笑ってしまうが。

このアルバムもMaterial同様,ファンクとフリー・ジャズの融合みたいな感じがするが,参加しているメンバーを見れば,さもありなんって感じである。ここでもBill Laswellが共同プロデュースを行っており,こういう音楽を仕切っていたのがLaswellであることがはっきりするわけだが,この音楽をジャズとして捉えることには抵抗のあるリスナーも多いだろうなぁ。

しかし,このアルバムの5曲目"Cookout"を聞いていると,これが明らかにHerbie Hancockの"Future Shock"で聞かれたスクラッチやリズム・フィギュア導入に向けての実験だったという気がしてくる。その一方,このアルバムが,ある一定の筋のリスナーに訴求するのは,Arto Lindsayの参加によるところが大きいと思う。私は,プロデューサーとしてのArto Lindsayは評価しているが,ミュージシャンとしては,ノイズをまき散らすよりも,Ambitioous Loversのような音楽の方が好きである。だが,やはり,Arto Lindsayのヘタウマ・ヴォーカルと,ノイジーなギターは個性を発揮していて,Material的ファンクに乗っかっても,別のグルーブを与える要因にはなっていると思う。

まぁ,しょっちゅう聞こうという気にはならないが,今を去ること,35年ほど前にはこういう音楽もあったのだということを改めて振り返るために,保有することには相応の意義はあるが,でも次に聞くのはいつになるのやら...(苦笑)。でもこういうのも結構好きなわたしもかなりの変態ってことで(爆)。星★★★★。それにしても,Slap HappyのPeter Blegvadがヴォーカル・コーチとしてクレジットされているのはどういうこと?(爆)

こうなったら,次は"Massacre"でも聞くか(笑)。

Personnel: Anton Fier(ds, perc, synth),Arto Lindsay(vo, g), Fred Frith(g, vln, vo), Nicky Skopeltis(g), Michael Beinhorn(synth, b-ds), Bill Laswell(b, p, turntable), Jamaaladeen Tacuma(b), David Moss(perc), John Zorn(as, cl, game calls), M.E. Miller(vo, turntable), Thi-Linh Le(vo), Roger Trilling(records)

2017年4月18日 (火)

Allan Holdsworthを偲んで,彼の東京ライブを聞く。

"All Night Wrong" Allan Holdsworth (Sony→Favored Nations)

_20170417Allan Holdsworthが亡くなった。私が彼のライブをビルボードライブ東京で見たのが2014年9月30日のことだったが,その時,"Farewell Tour"と称していたので,ライブ活動からは引退するものと思っていた。しかし,今年の7月にはNYCのIridiumにAllan Holdsworth Band featuring Virgil Donati, Steve Hunt & Evan Marienで出演すると告知されていたので,ライブに復帰するんだと思っていた矢先の訃報である。

ビルボードで見た時も,ブログに記事をアップして「引退するほど腕は衰えていなかったが。とにかく指はよく広がっていたなぁ。」と書いている(記事はこちら)ぐらいで,演奏そのものはハードなままであった。そんなAllan Holdsworthの突然の訃報に接し,今日は別の記事をアップするつもりでストックしていたのだが,予定変更である。

日本にもファンの多かったAllan Holdsworthのことであるから,今日は彼を追悼するために,Holdsworthが公式には初めて吹き込んだライブ盤である本作をチョイスした。前にも書いたが,私はHoldsworthの熱心な聞き手だったとは言えないが,Bill BrufordやChad Wackermanのアルバム,あるいはU.K.や彼自身のアルバムで接してきてはいた。そんなHoldsworthのキャリア初のライブ盤が,亡くなった今となっては,日本で吹き込まれたことが非常に誇らしく思える。そして,いかにもAllan Holdsworthらしいフレーズ,音がこのアルバムには溢れている。とにかくよく指が動くものだと感心してしまうが,誰が聞いてもAllan Holdsworthとわかってしまう,まさに唯一無二の個性であったと言いたい。

私が彼のライブに接したのは前述のビルボードライブのみであったが,1度だけでもライブに接するチャンスがあったことを今はラッキーだったと思いたい。私は決して彼のいい聞き手ではなかったかもしれないが,それでもAllan Holdsworthが稀代のスタイリストであったということは理解しているつもりである。ライブへの復帰を決めながら,ステージに立たずに去ったAllan Holdsworth。惜しい人を亡くしたものである。

R.I.P.

Recorded Live at 六本木ピットイン on May 5, 2002

Personnel: Allan Holdsworth(g), Jimmy Johnson(b), Chad Wackerman(ds)

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