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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2017年10月31日 (火)

Gerry Mulliganによるまさに「夜のアルバム」

"Night Lights" Gerry Mulligan(Mercury)

_20171029_3このアルバムを聞くのは何年ぶりのことだろうか?久しく棚に収まったままであるが,一軍の位置をはずしたことはない。

このアルバムが日本のリスナーにとって思い出深いのは,ショパンのプレリュードをアダプテーションした"Prelude in E minor"ゆえのことであることは間違いないだろう。油井正一が司会を務める「アスペクト・イン・ジャズ」は私もジャズを聞き始めの頃によく聞いていた番組である。そのオープニングがこの曲だったわけだが,よくもまぁこういう渋い選曲をしたものだと今更ながら感心してしまう。しかし,放送されていたのは深夜1時からだったはずであるから,そういう時間にはぴったりという感じで,この選曲のセンスにはうならされる。

甚だ余談であるが,「アスペクト・イン・クロスオーバー」って番組もあったが,アドリブの安藤和正(だったかな?)と司会をしていたのが,初代は幸田シャーミンという凄い事実。二代目は現中川ヨウのはずである。そんな時代もあったわけだが,今日のテーマと全然関係ない余談である。

閑話休題。このアルバムを聞けば,アルバム・タイトル通り,夜をイメージしたアルバムであることは間違いない。ノイジーな部分は皆無。ジャズはノリが肝心だと思っている人には,全く面白く感じられないだろうと言わざるをえないが,こういう落ち着きに満ちた音楽を必要とする時もあれば,必要とする人もいるはずである。そうした意味で,夜,遅い時間に小音量で聞くのにこれほど適したアルバムはないのではないかと言いたくなる。

CDにはボーナス・トラックとして65年録音の"Night Lights"が収録されているが,ここではMulliganがクラリネットを吹いているのも珍しくも,これが何とも味わい深い。地味と言えばその通りだし,歴史的な意義などとは無縁のアルバムだが,これはこれで本当にナイスなアルバムだと思う。久しぶりに聞いて,ついつい和んでしまった(笑)。星★★★★☆。

Recorded in September 1963 and 1965

Personnel: Gerry Mulligan(bs, p, cl), Art Farmer(tp), Bob Brookmeyer(tb), Jim Hall(g), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds), and on track 7: Pete Jolly(p), Jond Gray(g), Jimmy Bond(b), Hal Blaine(ds) with strings

2017年10月30日 (月)

High NoteからのWoody Shawの未発表ライブ音源の第2弾なのだが...。

"The Tour Volume Two" Woody Shaw / Louis Hayes(High Note)

_20171029High Noteレーベルからの未発表ライブ音源第2弾である。1曲が77年の録音である以外は,76年春先の音源が集められている。第1集がシュツットガルトでの演奏でまとめられているのに対し,同時期のハンブルク,グラーツ,ブレーメン,ブルクハウゼン,ベルギー,そして77年はミュンヘンという欧州楽旅の模様を収めた音源であるが,メンツは第1集とほぼ同じなので,今回も期待を込めて購入したが,結果はやや微妙である。

Woody Shawについて記事を書く時には,彼が別の時代に生きていたら,もっとジャズ界でも認められる存在となっていたことは間違いないと思う。それだけの熱量をこの音源は持っている。しかし,音源として致命的なのはライブ音源なのにフェードアウトされる曲があるということである。そして,演奏があまりにも荒い。興奮度は高まるかもしれないが,さすがにこれは荒っぽすぎると言わざるをえないのは残念である。第1集も久しく聞いていないが,録音ももう少しよかったような気がするのだが,音も聞けるレベルではあるものの,決してクリアな音とは言えない。

確かにエキサイティングな演奏であると言えばその通りであろう。そして,Woody Shawのフレージングは見事なものだ。だが,私はこのアルバムを聞いていてちょっとさめてしまったというのが正直なところである。それはバンド演奏としての瑕疵が多いように感じるからだが,こうなると,高く評価した第1集ももう一度冷静に聞き直してみる必要があるのではないかとさえ感じる。

おそらくそう感じさせるのは,私はLouis Hayesのバスドラのうるささゆえではないかと思っているが,現場で聞いていれば燃えてしまう演奏でも,こうやって聞いてみると,やり過ぎ感が強いと思わせる典型のように思う。決して嫌いではないが,どうにも違和感があって没入できないこともあり,星★★★ぐらいでがいいところ。

Recorded Live at Various Locations on March 4, 11, 21, 26 & April 5, 1976 and in April 1977

Personnel: Woody Shaw(tp), Junior Cook(ts except on track 4), Rene McLean(ts on track 4 only), Ronnie Matthews(p), Stafford James(b), Louis Hayes(ds)

2017年10月29日 (日)

Tangerine Dreamの新作:亡きEdgar Froeseが遺したもの。

"Quantum Gate" Tangerine Dream(Eastgate)

_20171028私の中ではTangerine Dreamはあまりにも孤高の世界(と言うか,リスナーを突き放す感覚さえある)に行ってしまっている"Zeit"のイメージがある(記事はこちら)のだが,その後のVirginレーベル時代にもう少しわかりやすくなったと思っている。その後のTangerine Dreamの音楽はフォローしていない(私が保有しているのはライブ盤"Encore"だけのはず)が,Tangerine Dreamの音楽的支柱,Edgar Froeseが2015年に亡くなり,Tangerine Dreamの音楽がどうなるのかは興味深いところである。

本作はEdgar Froese在命中の音源を,残されたメンバーで完成させたものと考えられるが,一聴してTangerine Dreamの音楽はこんなに聞き易かったかと思ってしまったのは"Zeit"ゆえであるが(苦笑),それにしてもこれは聞いていて心地よい音楽である。ビートも結構はっきりしているし,私はこれを決してアンビエント・ミュージックだとは思わないが,リスナーとの間に決して壁を立てるような音楽ではなく,リピート・モードでずっとプレイバックされていても,何の問題も感じないであろう。それがアンビエントの基本だって言われればその通りだが。

私が本作を購入したのはPledge Music経由であるが,実はジャケット・デザインと同じTシャツが欲しくて,音源も残された3人のメンバーのサイン入りというCDをゲットしたわけだが,ここに収められた音楽を聞くと,改めてTangerine Dreamが展開していた音楽を聞きたくなってしまった。

私の中ではエレクトロニカのジャンルでは,ポップな感覚のあるKraftwerkと,よりハイブラウなTangerine Dreamという感覚だったのだが,このアルバムを聞いて,Tangerine Dreamはアンビエント度は増しながら,気持ちのよい音を出し続けるバンドだなぁなんて思ってしまった。まぁ,私が不勉強なだけとは言え,いいものを聞かせてもらった。身体を揺らしたくなる感覚に溢れていたと言っては,私の変態がバレバレか。いずれにしても,今は亡きEdgar Froeseの遺志は十分に引き継がれたと思う。甘いの承知で,星★★★★★としてしまおう。

ということで,本作から"Tear Down the Gray Skies"がYouTubeにアップされているので,貼り付けておこう。

Recorded between August 2014 and June 2017

Personnel: Edgar Froese(synth), Thorsten Quaeschning(synth, g), Ulrich Schnauss(synth), 山根星子(vln)

2017年10月24日 (火)

出張中に見た映画(17/10)編:復路は1本だけだったが,拾い物だった「22年目の告白 -私が殺人犯です-」

「22年目の告白 -私が殺人犯です-」(’17,日,Warner Brothers)

22監督:入江悠

出演:藤原竜也,伊藤英明,仲村トオル,夏帆,岩城滉一,岩松了,平田満

今回の出張では,時差ボケの解消に失敗し,帰りの日にはほぼ徹夜状態でフライトに臨んだため,映画は多分そんなには見られないだろうなぁと思っていた。ということで,何を見ようかと思っていて,チョイスしたのが本作であった。韓国映画「殺人の告白」のリメイクらしいのだが,実はこの映画を見た後,そのオリジナルも見ようと思ったのだが,睡魔には勝てなかった。というよりも,陰鬱な画面構成から見る気が失せたってのも事実なのだが(苦笑)。

それでもってこの映画だが,見ていて結構よくできていると思った。後半に向かっては「へぇ~」って感じのシナリオであるが,こういう役をやらせると藤原竜也はうまいねぇと思わせるところが印象的であった。

詳しくはネタバレになってしまうので書けないが,狂気が何から生まれるのかということを描いて,ある程度納得させる話になっているのは評価していいだろう。まぁ,無茶苦茶と言えば無茶苦茶なのだが,それを比較的サイコ・スリラー的な文脈の中で描いており,納得のいく出来映えだと評価したい。これはキャスティングに負うところも多くて,比較的リアリティのあるキャスティングを施したところが成功要因だろう。その中で,特に中盤まで突出しているのは藤原竜也だと言えると思う。

この映画が日本で結構ヒットした要因って何なのかなぁとも思うが,純粋に映画として面白かったってことにしよう。眠気を催さなかったことも評価して,星★★★★としておこう。

2017年10月23日 (月)

たまったCDを聞かねばってことで,きょうはダニグリの新作。

"Remembrance" Danny Grissett(Savant)

_20171022出張に行っている間にも,いろいろCDがデリバリーされていて,それらをさっさと片付けねばならない。最近はApple Musicのおかげで,新譜についてはほとんど試聴できるようになってから,購入するCDの枚数はかなり減った私だが,無条件に発注してしまうものもある。このダニグリもそんな一枚である。

今回,Criss CrossからSavantレーベルに移籍しての第一作だが,本人にそれによる気負いのようなものは全くないようである。だって,前作"The In Between"とフロントのWalter Smith IIIがDayna Stephensに代わった以外のリズムのメンツも一緒だし,レーベルが変わったからと言って,目新しいことをやらねばならないという意識はダニグリにはないと思える。だが,それは決して悪いことではないし,自分の音楽に対する自信の表れだと言ってもよいだろう。Dayna Stephensにしても,Brad Mehldauたちとバラッド集を出してしまうような人なので,まぁ,ダニグリとやることには違和感ないしねぇ。どちらかと言えばソフトなサックスのトーンもここでの音楽に合っていると思う。

そして,常々私がダニグリに抱いている「ノーブル」というイメージは今回も全然崩れていない。本当に上品な演奏をする人である。この人の音楽においては「コテコテ」なんて言葉は全く無縁である。とにかく端正である。それは冒頭の"Woody'n You"から最後の"Detour Ahead"まで一貫している。ある意味,熱くならないところに不満を覚えるリスナーもいるかもしれないが,私にはこの上品な感じも捨てがたい魅力に映るのである。やはりこの人の音楽は非常に質が高いと今回も思わせるに十分な作品であった。ちょいと甘いかなと思いつつ,星★★★★☆。

Recorded on April 19, 2017

Personnel: Danny Grissett(p, el-p), Dayna Stephens(ts,ss),Vicente Archer(b), Billl Stewart(ds)

2017年10月22日 (日)

眠れるというのは素晴らしいことだ。

A_nigh_in_toronto
昨日,日本に帰国して,家に帰って食事をしたら,猛烈な睡魔が襲ってきた。それに逆らわず寝たら,なんと8時間,一度も目を覚ますことなく眠り続けた私であった。更にもう一度寝て,結局11時間も寝てしまった。

まぁ,帰りの飛行機の中でも,ほぼ徹夜で移動していたにもかかわらず,眠りは浅いものだったのは座席をアップグレードできなかったので仕方ないところだが,それにしてもよく寝た。家に帰った安心感と家人には伝えることにして(笑),やっぱり疲れがたまっていたということだろう。

その後,選挙の投票に出掛けた私だが,この身体のだるさは,やはり多少は時差ボケしているということかもしれない。いずれにしても,体力が落ちているのは加齢ゆえ仕方ないとしても,どんどん海外出張が辛くなる私である。

今回の出張は,出席したイベントの会場とホテルの往復がほとんどで,出掛けたのは現地に到着した初日と,2日目の夜だけである。現地の食を楽しむのも出張者の役得なのだが,今回は地味なものである。しかし,2日目に行ったScaramoucheはなかなかいいレストランであった。私がいただいたのは豚であったが,軽くスモークしてある豚なのだが,皮がクリスピーに焼けていて,実に美味しかった。しかし,このレストラン,食事も素晴らしいが,上の写真のように,何ともゴージャスな夜景が楽しめるところが,レストランとしての価値を高めていると思えた。仕事で行くところではないって感じだろう。まぁ,いいんだけど(笑)。トロントに行かれる方は試すに値するレストランである。そして席は選びましょう。

Scaramouche_2

2017年10月20日 (金)

出張はつらいよ in トロント

今回ほど時差ボケに苦しんだ出張も珍しい。私の調整能力が低下していることの証左だが、全く時差ボケを解消できないままの帰国である。

今回、夜の酒量が足りなかったことが一番の原因と思っている。私にしては信じられないことだが、3日目以降全くアルコールを摂取していない。いつもなら酒の力でぐわ〜っと寝てしまうのが普通だが、今回はそれがないのである。

ということで、最終日はもはや意図的にほぼ徹夜をし、これから空港に向かう私である。現在、現地時間10/20(金)の午前5時を回ったところである。きついねぇ。

2017年10月17日 (火)

トロントに来るのは久しぶりだ

トロントに来るのは久しぶりだ。来るのは多分4度目だが,前回来てから10年ぐらい経っていると思う。久しぶりに来てみて,古いものと新しいものが共存していると感じる。写真は古い方の代表みたいな旧市庁舎。新しいものも改めてアップできればと思う。 Bd49b1512a19449299ebade6c1ec53c8


2017年10月16日 (月)

出張中に見た映画(17/10)速報。

何も速報するほどのものでもないが,今回の出張の往路で見たのは次の3本。

「スパイダーマン ホームカミング」

「ワンダーウーマン」

「ベイビー・ドライバー」

感想はそのうちアップできればとと思うが,「ワンダーウーマン」のちょっと暗い感じのコスチューム・プレイが結構面白かった。「ベイビー・ドライバー」は知り合いも面白いと言っていたが,いろいろ出てくる音楽も楽しい拾いもの。それに比べて,「スパイダーマン ホームカミング」は大人が見るにはどうよ?って感じであった。Marvel対DCは今回はDCの勝ち。

2017年10月15日 (日)

本日より出張につき...。

今日からカナダ、トロントに出張である。トロントに行くのはかなり久しぶりのことになるが、シカゴ経由の長旅はきつい。

しかも、シカゴ便はてっきり羽田発と思っていたら、成田発で焦った。まぁ間に合うからいいようなものだが、精神的に出足悪しってところだ。

ということで、最近滞りがちの記事の更新も、出張でさらに滞る可能性あり。とか言いながら「出張はつらいよ」シリーズが復活したりして。折を見て現地の様子もアップできればと思うが、どうなることやら。

2017年10月12日 (木)

幻の名盤というのは評価が難しいと思わせる”Ray Bryant Plays"

"Ray Bryant Plays" Ray Bryant(Signature)

_20171009LP時代には稀少度が高く,「幻の名盤」と言われたものも,CDの時代になるとぐっと入手が容易になり,「幻度」が下がった時に,どう評価するかというのはなかなか微妙な問題だと思う。CDの時代になっても稀少度の高い音源は存在するが,それもストリーミングで聞けたり,デジタル化されてダウンロードできるものもあり,もはや「幻の名盤」という表現すら意味をなさなくなったのではないかとさえ思える。

そうした中で,久々にこのアルバムを聞いて,若干首を傾げてしまった私である。LPの時代には超高値で流通していたらしいのだが,確かにリラックス感に溢れていて,悪くはないアルバムであることは認めよう。だが,ピアノ・トリオのアルバムとして考えれば,本作より優れた作品はいくらでもあるし,本作の選曲がいかにものものであることも,私はどうなんだろうと思ってしまった。

結局のところ,入手が困難だからこそ珍重されていたのであって,普通に聞けるようになれば,ごく普通のピアノ・トリオの佳作程度の評価でいいはずである。だからと言って,このアルバムのオリジナル盤の価値を下げるつもりはないし,全編に横溢するブルージーな感覚は捨て難い部分があるとしても,この程度であれば,ほかに聞くべきアルバムがあるだろうと言いたくなる。Ray Bryantなら私はこの作品より,モントルーでのソロ・ライブの方がずっと好きなのだ。

先述の通り,佳作という評価をすることには躊躇はないとしても,私にとっては痺れるような作品ではない。全体に響きが軽く感じるが,特に"Blue Monk"の軽さはいただけなかった。粘っこさが感じられないのである。ということで,全体としては星★★★☆で十分だろう。

Recorded on October 29, November 5 & 6, 1959

Personnel: Ray Bryant(p), Tommy Bryant(b), Oliver Jackson(ds)

2017年10月11日 (水)

渋さの極致とはこれのこと:J.J. Caleのライブ盤

"Live" J.J. Cale(Delabel/Virgin)

_20171008_2J.J. Cale,渋いお人である。Eric ClaptonあるいはMark Knopflerに明確な影響を及ぼしてはいるが,本人自体は渋い道を歩み続けた人と言ってよいだろう。今日は彼のライブ盤が急に聞きたくなった。

本作はいろいろな場所での演奏を収録しているが,何曲かはあの音楽の殿堂,カーネギー・ホールでの録音である。カーネギーという会場にJ.J. Caleがいたということ自体がある意味信じがたいところがあるが,逆の感慨を生むことも確か。見てみたかったなぁ。

私がJ.J. Caleの音源を買っていたのは"Number 8"ぐらいまでで,その後に購入したのはこのライブと,Claptonとの共演作"Road to Escondido",そして未発表音源を集めた"Rewind"ぐらいだろう。そこにClaptonとの共演ライブも加わったが,あれはあくまでもゲスト出演である。ライブという意味では本作を聞くのが筋ということになろう。

このアルバムもそんなにしょっちゅう聞くわけではないのだが,J.J. Caleのキャリア全体を見通した曲が聞けるので,彼のアルバムの中でのプレイバック回数は多い方だと思う。そして,カーネギーだろうが,ロンドンのハマースミス・アポロであろうが,当たり前のことではあるが,音楽は何も変わらない。気負いなどゼロである。これこそある意味究極のレイドバックって気もするが,Claptonが魅かれたのはこういうJ.J. Caleの姿勢であり,音楽だったのだと思う。ただ,ロンドンの聴衆の盛り上がり方は尋常でないのは,やっぱりClaptonの影響かもしれないなぁ。

ということで,やっぱりこの人の音楽はいいですわ。2013年に亡くなってしまったのは惜しいが,彼の音楽はちゃんとこうして残っていることに感謝しよう。星★★★★☆。

Recorded Live at Various Venues between 1990 and 1996

Personnel: J.J. Cale(vo, g), Christine Lakeland(vo, g), Jimmy Gordon(hca), Steve Douglas (sax), Rocky Frisco, Spooner Oldham(key), Doug Bell, Tim Drummond, Bill Raffensperger(b),  Jim Karstein, James Cruce(ds, perc)

2017年10月10日 (火)

久々に聞いたらヒーリング効果抜群だったIvan Lins曲集

"A Love Affair; The Music of Ivan Lins" Various Artists(Telarc)

_20171008このアルバムを聞くのはかなり久しぶりである。無性にブラジル音楽が聴きたくなって,ブラジル音楽が収まっているラックを漁っていて,久しぶりに聞いてみるかってことになった。

そもそもメロディアスなIvan Linsの曲をいろいろな人がやっているのだが,これがヒーリング効果抜群というか,相当和める(笑)。これほど音楽が気楽に聞けるのも久しぶりって感じである。まぁ,Chaka Khanみたいに,やっぱり自分色に染めてしまう人も入っているが,そっちが例外的であり,全体的にはゆったりした感覚でIvan Linsの曲のアダプテーションが楽しめるって感じである。

曲の出来はそれぞれ多少の良し悪しはあるとは思うが,こういうアルバムなので,目くじらを立てるほどではない。そうした中で,これはいいねぇと思ったのがLisa FischerとJames "D-Train" Williamsによる"You Moved Me to This"である。この二人の声が何ともこの曲にマッチしている。Dianne Reevesのバックで楚々としたピアノを聞かせるJoe Sampleもいいねぇ。

そして,Jason Milesのプロデュースのもと,集められたミュージシャンは下記の通り,相当に豪華で,Ivan Linsも歌だけでなく,キーボード,エレピで一部の曲に参加している。やっぱりいい曲を書く人だと思わせた。こういう企画アルバムは評価が難しいが,一本筋が通っているとまともな作品になるし,この心地よさにはついつい点も甘くなり星★★★★。

Personnel: Sting(vo), Vanessa Williams(vo), New York Voices: Peter Eldridge, Lauren Kinhan, Darmon Meader, Kim Nazarian(vo), Chaka Khan(vo), Lisa Fischer(vo), James "D-Train" Williams(vo), Brenda Russell(vo), Freddie Cole(vo), Dianne Reeves(vo), Ivan Lins(vo, key, el-p), Michael Brecler(ts), Bob Berg(ts), Dave Koz(as), Jay Beckenstein(as), Grover Washington, Jr.(ss), Jim Pugh(tb), Jason Miles(key, org,prog), Rob Mathis(key, prog), Oscar Hernandez(key,p), Joe Sample(p), Jan Folkson(prog), Dean Brown(g), Romero Lubambo(g, cavaquinho, vo), Chuck Loeb(g), Marcus Miller(b), Will Lee(b), Mark Egan(b), Vinnie Colaiuta(ds), Marc Quinones(perc), Cyro Baptista(perc), Pamela Driggs(vo)

2017年10月 9日 (月)

Lizz Wrightの新作がまたまた素晴らしい。

"Grace" Lizz Wright(Concord)

_20171007_2Lizz Wrightが新作を出すと聞いてはついつい期待が高まってしまうほど,私は彼女を評価している。前作"Freedom & Surrender"も高く評価し,その年のジャズ以外でのベストにも選んでいるし,しかも今回はプロデューサーにJoe Henryを迎えるとあっては,更に期待が高まる。そして,こちらの期待値を軽々と越してしまったと言ってしまおう。

前作がソウル・フレイヴァーが強いものだったとすれば,今回はアメリカーナ&ゴスペルである。それをLizz Wrightのディープな声で聴かされてはこれはまいるしかない。今回の作品を聞いて,私にとってはLizz WrightはCassandra Wilsonを越える存在になってしまったと言っても過言ではない。それほど素晴らしいのである。

タイトル・トラックは同じくJoe HenryがプロデュースしたRose Cousinsのアルバムから取られているのが面白い(そのアルバムに関する記事はこちら)が,冒頭の曲もJoe HenryがプロデュースしたBirds of Chicagoというバンドの曲らしい。類は友を呼ぶって感じもするが,2曲目はNina Simoneも歌った曲だし,そのほかにも,Allen Toussant,Ray Charles,Bob Dylan,k.d. Lang等が並んでは,まじで痺れてしまう。そこにフォーク・タッチの「アラバマに星落ちて」が入ったりすると,しみじみとした感覚も与える。そして最後に収められたLizz Wrightの唯一のオリジナル"All the Way Here"が実にいい曲なのである。これは本当に嬉しくなるような傑作である。

2年前に来日した時のCotton Clubでのライブは客入りも芳しくなかったが,日本でのポピュラリティがその程度に留まっているのが何とももったいないと言わざるをえない歌手である。この人の音楽は非常に質も高いし,多くの人に訴求する力を持っていると確信し,喜んで星★★★★★とする。Joe Henryのプロデュース含めて最高である。

Personnel: Lizz Wright(vo), Jay Bellerose(ds, perc), David Piltch(b), Chris Bruce(g), Marvin Sewell(g), Kenny Banks(p, org) with Patrick Warren(key), Marc Ribot(g, vo), Valorie Mack, Cathy Rollins, Artia Lockeff(soprano), Angela Jenifer, Sheree-Monique, K. Heshima Whito(alto), Ted Jenifer, Kevin O'Hara(tenor)

2017年10月 8日 (日)

久々の映画鑑賞:凄いものを見てしまったって感じの「ダンケルク」

「ダンケルク("Dunkirk")」(’17,英/蘭/仏/米, Warner Brothers)

Dunkirk監督:Christopher Nolan

出演:Fionne Whitehead, Mark Rylance, Tom Hardy, Kenneth Branagh, John D'arcy, Jack Lowden

劇場で映画を見るのは久しぶりである。最後に見たのはゴールデン・ウィーク中であるから,なんと劇場に行くのは5カ月ぶり。そして見たのが公開時から見たいと思っていた「ダンケルク」である。

Christopher Nolanの撮る映画は総じて面白い。バットマン・シリーズ然り,「インセプション」然り,「インターステラー」然りである。だからこの映画にも期待していたが,これは凄い映画である。とにかく,全編に渡って感じられるテンションが凄い。上映時間のほとんど,全く息をつく余裕を与えてくれないぐらいの緊張感である。だから終わった時にどっと疲れが出る。しかし,それは心地よい疲労である。

そして,ダンケルクの陸海空の視点から描き,それを収束させていくシナリオも見事なものである。そして,カッコよく描かかれる人物と,その対極のカッコよくない人物との描写の対比も面白い。前者はMark Rylance,Kenneth Branagh,そしてTom Hardyである。後者はFionne Whitehead,そしてCillian Murphyってことになるが,その描き方も上手く,単なるアクションだけの戦争映画にせず,人間ドラマの印象を与えるところも見事なのだ。そして,最後は目頭を熱くさせるこの映画には本当に唸らされてしまった。

今までのChristopher Nolanのような「なんだこれは?」的な映像ではないかもしれない。しかし,これは映画として非常に素晴らしく,本年見た映画ではナンバーワンに位置づけられると言ってよい大傑作。星★★★★★以外はありえない。今年,これを上回る作品に出会うことはないだろうなぁ。いやいや,それにしても疲れた。

2017年10月 6日 (金)

これまた激しいJohn McLaughlinの新作ライブ。

"Live at Ronnie Scott's" John McLaughlin & the 4th Dimension(Abstract Logix)

Jm_at_ronnie_scotts私はなんだかんだと言って,John McLaughlinのアルバムを相当数保有していて,持っていないリーダー作の方が少数である。なので新譜が出るとほぼ間違いなく買ってしまうのだが,これは4th Dimensionによる新作。前作"Black Light"をはさんで,"The Boston Record"もライブ盤だったので,結構な頻度でのライブ盤のリリースと言ってよい。それは彼らがライブ・バンドであることの証でもあると思う。

だが,John McLaughlin,今年で75歳になったとは信じられない音を出している。昨日のBruce Cockburn,72歳で驚いてはいかん。それをはるかに凌駕する恐るべき老人である。一体何を食って生きているのか?(笑)

今回はロンドンのRonnie Scott'sにおけるライブであるが,注目はMahavishnu Orchestraナンバーの再演であろう。全9曲中4曲がMahavishnuの曲である。そのほかはほぼ"Black Light"からのレパートリーであるが,ここで聞かれる演奏の激しさから,McLaughlinを知らない人間に彼の年齢を推量せよと言っても多分無理だろう。メンバーにもソロ・スペースは与えているが,やはりこのバンドはMcLaughlinのバンドである。とにかくギター弾きまくり。11月以降の米国ツアーがJohn McLaughlinにとっては最後のアメリカでのパフォーマンスだという説があるが,引退を考えるような演奏では決してない。

相変わらずRanjit Barotのドラムスと口タブラみたいなの(Konokolというのがこれだそうだ)は好きになれないが,うるさいながら,これまでのアルバムよりは真っ当に聞こえるのは救いである。そうした点もあり,彼らのアルバムの中でも高く評価したいアルバムである。星★★★★☆。

ワンパターンと言われれば,その通り。しかし,それが何か問題でも?と言いたくなる激烈作。燃えますわ。

Recorded Live at Ronni Scott's, London, in March 2017

Personnel: John McLaughlin(g), Gary Husband(key, ds), Etienne M'Bappe(b), Ranjit Barot(ds, Konokol)

2017年10月 5日 (木)

Bruce Cockburn,72歳。音楽やるのに年齢は関係ないねぇ。

"Bone on Bone" Bruce Cockburn(True North)

Bone_on_bone私は昔から渋いシンガー・ソングライターのアルバムを偏愛していると言ってもよいが,今回取り上げるBruce Cockburnもその系統に入る人である。数は少ないが,このブログでも彼のアルバムを取り上げたことがある。

Bruce Cockburnはカナダのシンガー・ソングライターである。カナダと言えば,Neil Young,Joni MitchellやThe Bandの面々が思い浮かぶが,彼らは別格として,そのほかにもGordon Lightfootとか,Murray McLauchlanとかもいる。結構私の趣味に合致するシンガー・ソングライターが多いのである。

その中で,Bruce Cockburnはそのギターの腕,更にはその渋い声で,私に訴求してくる人なのだが,前作"Small Source of Comfort"は購入していないから,大したファンとは言えないかもしれない。しかし,今回はCockburnの自叙伝”Rumours of Glory: A Memoir"のコンパニオン・ディスク・ボックス(8CD+DVD)との併せ買いという大人買いをしてしまった。このボックス,シリアル・ナンバー付き3,000セット限定,Cockburnのサイン入りというもので,どれぐらいの人がこのボックスに関心を示すかはわからないとしても,せっかくなので購入と相成った(ちなみに私のは190/3,000)。物好きと言われれば,反論の余地はないし,大体いつ聞くの?って感じであるが,まぁ老後の楽しみってことで(爆)。

それでもって,今回のアルバムであるが,相変わらずのギターの腕前に加え,佳曲が揃い,そしていつものように渋い出来である。今の時代にこういう音楽が,特に若い聴衆にアピールするとは思えないが,それでも私のような好き者にとっては,やはりこういう音楽が落ち着くし,ついついいいねぇと独り言ちてしまうのである。

確かに音楽としては渋いが,それでもこれが72歳の老人から生み出された音楽と考えれば,まだまだ若々しいと言えるのではないか。年齢不詳のミュージシャンは多いが,クリエイティビティを失わなければ,若さは保たれるということか。いずれにしても,まだまだ現役で頑張って欲しい人である。星★★★★☆。

Personnel: Brice Cockburn(vo, g, hca, perc, bones), John Dymond(b), Roberto Occhipinti(b), Gary Craig(ds, perc), Colin Linden(g, mandolin, vo) John Whynot(org), John Aaron Cockburn(accor), Ron Miles(cor), Brandon Robert Young(vo), Ruby Amanfu(vo), Mary Gautier(vo), The San Francisco Lighthouse Chorus(vo)

2017年10月 2日 (月)

またも激しいSimon PhillipsのProtocolによる新作

"Protocol 4" Simon Phillips(Phantom)

Protocol_4先日,Mike Sternと来日し,見事なまでに煽るドラミングを聞かせたSimon Phillipsであるが,自身のバンド活動でも来日して,多くのリスナーを興奮させてくれた。Protocolによる前2作も楽しめただけに,この新譜のリリースにも期待していた私である。

本作では2名のメンバー・チェンジがどういう影響を与えるかが注目である。これまでバンドのフロントを支えたギターのAndy TimmonsとキーボードのSteve Weingartが抜けたのは意外であったが,彼らからGreg HoweとDennis Hammへのスイッチはどうだったのかということになる。

私としてはこのバンドは,Simon Phillipsのタイトなドラミングがあってこそ成り立つと思っているので,今回のメンバー・チェンジはそう大きな影響を与えているとは思わないが,Andy Timmonsはもう少しポップな感じがあったかなって感じか。それでもテクニカルな感覚なハード・フュージョンは聞く者を燃えさせるに十分。私はこれなら大いに満足である。それにしても,Simon Phillipsはカッコいい曲を書くねぇ。ドラムスだけでなく,作曲面も大したものである。

このバンドはCDリリース後のライブで,NYCのIridiumに12月に出演することになっているが,私の12月のNYCへの出張日程とは合わず,見られないのは残念。しかし,ライブに触れたら燃えてしまうこと必定。来日を期待しよう。但し,Simon PhillipsのWebサイトでは,ProtocolのメンバーとしてキーボードはOtmaro Ruizがクレジットされているのだが,ライブではDennis HammとRuizのどっちが出るんだろうか?と行けもしないのに,そんなことを気にしている私である。

いずれにしても,今回もSimon Phillipsのタイトなドラミングは十分に堪能できる作品として,大いに楽しんだ。甘いの承知で星★★★★☆。

Personnel: Simon Phillips(ds), Greg Howe(g), Dennis Hamm(key), Ernest Tibbs(b)

2017年10月 1日 (日)

やっぱりカッコよかった"Purple Rain"

"Purple Rain" Prince and the Revolution(Warner Brothers)

Purple_rain私はPrinceのアルバムを何枚か保有しているが,このPrinceが本当にブレイクしたアルバムを敢えて聞かずにこれまで過ごしてきた。これはNirvanaを聞くまで相当の時間を要したのと同じで,無茶苦茶売れたアルバムは敢えて避けるという,完全に天邪鬼な私の性格ゆえである。

しかし,今回,3CD+DVDというヴァージョンが発売されるに当たってもすぐ飛びついた訳ではなかったが,付属のDVDは,昔レーザー・ディスクで保有して,大いに楽しんだ映像で,Princeが嫌いな訳ではないのである。本当の天邪鬼に過ぎないのだ。

だが,こうして聞いてみると,このアルバム,売れて当然と思わせるし,無茶苦茶カッコよかった。30年近く前,映像をレーザー・ディスクで見ながら,結構燃えていた頃を思い出してしまった。曲も粒ぞろいで,やっぱりPrinceは素晴らしいミュージシャンであったということを今更ながら再認識。星★★★★★。ボーナス・ディスクはゆっくりと楽しむことにしよう。

Personnel: Prince(vo, g, etc), Lisa Coleman(key, vo), Wendy(g, vo), Bobby Z(perc), Brown Mark(b, vo), Matt Fink(key, vo)

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