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2017年9月10日 (日)

全然ECMっぽくないが,極めてスリリングなVijay Iyerの新作

”Far from Over" Vijay Iyer Sextet(ECM)

_20170910_2デリバリーからちょっと間が空いてしまったが,Vijay Iyerの新作である。どうも私はこの人のアルバムはデリバリーされても暫く間を置いてしまって,後々になって,もっと早く聞いておきゃよかったといつも反省している感じだ。前作のWadada Leo Smithとのデュオもそうだったし,今回もそうである。全く懲りていない(苦笑)。

本作でECMからは第4作となるVijay Iyerであるが,今回は3管入りのセクステット,それもSteve LehmanやらTyshawan Soreyやらの強面(笑)メンツを揃えているということで,どういうことになるのかという不安もあって,聞くのが遅くなったというところもあるのだが,これがECMらしさとはちょっとかけ離れた非常にスリリングなアルバムになっている。ライナーにはManfred Eicherがプロデューサーとしてクレジットされているし,ミキシングも,エンジニアのJames Farber,Vijay Iyer,そしてEicherの共同となっているので,ちゃんと制作には関わっていると思われるが,それでもいつものECMの感じではない。まさにこれは現代ジャズのスリルを体現したアルバムと言ってよく,ECMがどうこうという観点は意識する必要ないぐらいの出来である。

静謐な部分を感じさせる部分には,60年代後半以降のエレクトリック期のMiles Davis的な部分も感じさせるが,それらはインタールード的に響き,このアルバムのキモはあくまでも3管によるアンサンブル/ユニゾンの部分とそこから生まれるジャズ的興奮にこそあると思われる。聞きものはそうした興奮度を生み出すVijay Iyerの作曲にもあるが,サウンド的にはフロントではテナーのMark Shimが強烈であり,更にそれを煽るTyshawn Soreyがえげつない。私がこういう興奮を覚えたところで記憶にあるのは,Antonio Sanchezのアルバムであるが,本作は少なくとも私にとっては今年一番の興奮度をもたらしたと言ってもよい。

Antonio Sanchezも新作のリリースを控える中で,年末には私はどちらを高く評価しているかが楽しみになってくるが,とにかくこれは現代のジャズ・シーンってのはこういうものよってことを見事に体現したアルバムと言ってよい。このアルバムがもたらした興奮度に喜んで星★★★★★としてしまおう。まじで痺れた。

Recorded in April, 2017

Personnel: Vijay Iyer(p, el-p), Graham Haynes(tp, cor, electronics), Steve Lehman(as), Mark Shim(ts), Steve Crump(b), Tyshawn Sorey(ds)

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コメント

なかなかスゴいアルバムが、しかもECMからあらわれたっていう感じですね。やっぱりスゴ腕のミュージシャンはやりたいようにやらせてくれるっていう風潮がいいと思います。彼はおとなしいよりはこれぐらいでなければ。

TBさせていただきます。が、今また入らないようなので、少し時間を置いてまたトライします。

910さん,おはようございます。TBありがとうございます。

メンバーからして,ハイブラウな出来は想像していましたが,これほどのスリリングな出来には,本当に驚かされました。Vijay Iyer恐るべしです。

閣下、トラバをありがとうございます!

3管セクステット!痺れまくりました。
インプロヴァイズの神さまたちの集団でした。
ECMのひんやりと静謐といったイメージはほとんどなく、
時折、爆発する場面の多い熱い演奏でした。。
いや、素晴らしかった!

こちらからも、トラバいたしますね。

Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。

そうですよねぇ。この3管,私もしびれました。ECMってこうして聞いていると,間口が広いですよね。日頃は静謐系を聞きたくて,買っているのが実態ですが,これは作品そのものが凄いこともあって,レーベルは関係なしですね。

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