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2017年5月12日 (金)

"Virtuoso":このアルバムも久しぶり過ぎていつ以来なのかわからない。

"Virtuoso" Joe Pass (Pablo)

Joe_pass私はこのアルバムをジャズを聞き始めてまだ間もない頃に買っている。その時の感想は「よくわからん」というものだったのが正直なところである。ギターのテクニックとしては凄くうまいんだろうなぁってのは感じていたものの,ここに収録されている大スタンダード曲(1曲だけJoe Passのオリジナル・ブルーズが入っているが...)もほとんど,原メロディすらちゃんと認識できていない身にとっては,これはちょっと背伸びが過ぎたかもしれない。今となっては,このアルバムは原曲を認識した上で聞かないと,その魅力は多分掴み切れないと思える。今ならば,「ほぉ~,そうやる?」みたいな感想も出てくると思えるが,当時の私では到底そんな感慨すらなかった。

そして,もう一つ,当時の私にとって違和感があったとすれば,ほとんどの曲で,多少の増幅はあっても,ギターの生音に近い音で録音されていることだろう。電気を通して,いかにもジャズ・ギターっていう音がするのは"Here's That Rainy Day"ぐらいなのである。言い訳がましいかもしれないが,キャリア浅かりし私が,なんとなく「所謂」ジャズ・ギターとイメージが違うって思うのも無理はないのである。更に,増幅した音を拾っている訳ではないので,いろいろなノイズ(例えば,ボディに触れる音とか)も拾ってしまうところに,何とも言えない違和感があったのも事実である。今にして思えば,無知とは恐ろしいが,ティーンエイジャーのジャズに関する経験も浅い中ではそういうこともあったということである。

久しぶりに本作を聞いてみて思ったのは,ソロ・ギターでアルバムを一枚吹き込んでしまうってのは,もの凄くチャレンジングだったろうなぁってことである。今となっては,相応の名盤として認識されているとは言え,これがリリースされた時,多くのリスナーはどう思ったのかってのは非常に興味深い。ムーディな感覚やスウィンギーな感覚が同居しているが,これだけやってしまうJoe Passも凄ければ,やらせてしまうNorman Granzも大胆だったなぁと言わざるをえない。

だが,正直に言ってしまえば,本作にケチをつけるつもりはないが,こういう演奏はLPのA面,B面というかたちで聞くのが適切だと思える。CDとして1枚これを聞き続けるっていうのは,どうしても満腹感が勝るような気がする。Joe Passの業績と革新的なアルバムだったということは評価できても,アルバムとしては星★★★★ぐらいでいいと思う。

Recorded on August 28, 1973

Personnel: Joe Pass(g)

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