これも中古でゲットしたChico FreemanのIndia Navigation盤。
"Chico" Chico Freeman(India Navigation)
今にして思えば,India Navigationというレーベルは,現在だからこそ見直すべきレーベルのように考えられる。70年代後半の空気感を切り取りながら,今聞いても結構尖がりつつも,魅力的なサウンドとなっているのは立派だと思える。なので,私は中古でこのレーベルを見つければ買うというのが原則であり,Hamiet Bluiett然り,Arthur Blythe然りであるが,今回はChico Freemanである。ジャケがサイケだねぇ(笑)。
Chico FreemanのIndia Navigation盤については"The Outside Within"と"Spirit Sensitive"を保有しているが,どちらも素晴らしい出来だっただけに,このアルバムを中古盤屋で見つけた時はうれしくなってしまった。なぜかバックイン・レイ側に黄ばみがあるものの,そんなことはまぁ気にしていられない(笑)。ということで,中古CDとしてはちょいと高かったのだが,ゲットした私である。
本作がIndia Navigationレーベルでは第1作となるはずのChico Freemanであるが,それにしては制作方針がチャレンジングである。1曲を除いて,Chico FreemanとCecil McBeeとのデュオ,そしてラストの1曲はクインテットによるライブ音源なのだ。これはかなり野心的な作りだと言ってよいが,それでもChico Freemanの魅力は十分に捉えられていると言ってよいと思う。決してフリーではないが,だからと言ってコンベンショナルでもないという線で,絶妙なバランスを保ちつつ,やはりどちらかと言えば先鋭的なサウンドになっていると言ってよい。それが非常に刺激的に響くのである。
そうは言っても,"The Outside Within"や"Spirit Sensitive"と比べるとどうなのよと言われると,それらには及ばないかなぁって気もするが,それでも十分魅力的なChico Freemanの演奏を聞くことができるし,Cecil McBeeの音がまたいいねぇ。ということで,ちょっと甘めの星★★★★☆。
Personnel: Chico Freeman(ts, b-cl, fl), Cecil McBee(b), Muhal Richard Abrams(p), Steve McCall(ds), Tito Sampa(perc)
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最近, india navigationは見かけたら買うようにしています。
これも入手しましたが、聴いていないような。。。
>Hamiet Bluiett然り,Arthur Blythe然りであるが,今回はChico Freemanである。
同感ですね。リアルタイムに買えなかったレコードが多かったですね。
投稿: ken | 2017年5月28日 (日) 09時34分
kenさん,続けてこんにちは。
India Navigation盤って,今だからこそ価値が再認識されるレーベルなのかもしれませんが,逆に言えば,当時は進み過ぎていたのかもしれませんね。それでも今聞いても全然問題がないところは,ある意味凄いですよね。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年5月28日 (日) 12時37分