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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2017年4月30日 (日)

またも出た。Dayna Stephensの豪華メンツによるバラッド・アルバム。

"Gratitude" Dayna Stephens(Contageous Music)

_20170426Dayna StephensがBrad Mehldauらのメンツを集めて,バラッド・アルバムをリリースしたのがほぼ3年前ということになるが,あれはスペシャル・プロジェクトだったんだろうなぁと思っていたら,なんと,同じメンツを集めてのアルバムが新たにリリースされた。詳しいレコーディング・データはないが,プロデューサーも同じ,レコーディング・スタジオも同じ,エンジニアも同じということで,前作の残りテイク集ということになるのかもしれない。そうでなければ,これだけのメンツを集めるというのはなかなか考えにくい。

今回も選曲は凝っていて,Aaron ParksやPat MethnyにBilly Strayhornが同居して,非常にユニークなものになっていると言える。いずれにしても,味わい深い演奏という表現が適切であり,これはなかなかいい。バラッド・アルバムとは言っても,相応のダイナミズムも感じられ,ちょっと聞いた感じでは,前作"Peace"よりもいいように感じられる部分もあると思う。

Pat Metheny作の"We Had a Sister"ではDayna StephensがEWIを吹いており,いいアクセントになっているのも評価したい。ということで,これはメンツ買いはもちろん,メンツ買いでなくても満足できるアルバム。星★★★★☆。

Personnel: Dayna Stephens(ts, bs, EWI, synth, b), Julian Lage(g), Brad Mehldau(p, tack-p), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds)

2017年4月29日 (土)

GW休みの初日に見た映画:「ワイルド・スピード ICE BREAK」

「ワイルド・スピード ICE BREAK("The Fate of the Furious")」('17,米,Universal)

The_fate_of_the_furious監督: F. Gary Gray

出演: Vin Diesel, Jason Statham, Dwayne Johnson, Michelle Rodriguez, Tyrese Gibson, Ludacris, Nathalie Emmanuel, Chalize Theron, Kurt Russell, Scott Eastwood, Helen Mirren

このシリーズも8作目となり,大体話は予想はつくし,相当くだらないとはわかっているものの,スピード感を求めて,ついつい見に行ってしまう。今回も例にもれず,休みの初日と公開初日が重なったので,早速見てきたのだが,まぁよくぞここまでって感じの壊しっぷりである。

Paul Walkerを事故で亡くし,シリーズが存続できるか心配した私だったが,何のことはない。全然問題なくやっているし,前回は悪役に徹していたJason Stathamが善玉に転じるという,ある意味掟破りまでやってしまった。

主役のVin Dieselは不死身か?と突っ込みを入れたくなるし,Dwayne Johnsonはアホみたいに強く,私はあまりのアホらしさ加減に,途中でゲラゲラ笑ってしまったのだが,この映画に関しては,小難しいことを言うこと自体,全く無意味である。とにかく,車を壊して,壊して,壊しまくるって感じである。

ストーリーはさておき,Chalize Theronは悪役を憎らしく演じ,Scott Eastwoodは父,Clint Eastwoodそっくりの風貌でびっくりさせ,かつ,ゲスト出演(クレジットなし)でHelen Mirrenまで登場してしまうのだから,これはどんどん出演者が増えるって感じである。既に次作は2年後の公開が予定されているようだが,一体いつまで続くのやら。

まぁ,笑えるぐらいの映画だが,正直言って,映画としてはかなり無茶苦茶なものである。この無茶苦茶さ加減には星★★☆で十分だろう。まぁ,いいんだけど(爆)。次はもう少しシリアスな映画を見に行こう。

2017年4月28日 (金)

Paul McCartney@東京ドーム参戦記

Paul_at_td1_2

今年もやってきたPaul McCartneyを見るために,東京ドームに行ってきた。相変わらずの優れたエンタテインメント性を感じさせるライブだと思ったが,ここ数年で3回目ともなると,やはり以前見た時のような高揚感は得にくくなっているのも事実ではあるが,Paulが74歳だということを思えば,やっぱり凄い老人だと言わざるをえない。

正直に言ってしまえば,これまで見た中では最も喉の調子が良くなかったように思えたが,それでも映像を含めた演出を考えれば,スタジアム級のライブのやり方を本当によくわかっている人たちである。

これは前にも書いたことだが,ライブの演奏を5人の近年不動のバンドで,テクノロジーに依存することなく聞かせるのは本当に立派だし,ロック・バンドというのはそういうものだという矜持を感じさせるものであった。ネットによれば,今回のセット・リストは下記の通り。

01. A Hard Day’s Night
02. Junior’s Farm
03. Can’t Buy Me Love
04. Letting Go
05. Temporary Secretary
06. Let Me Roll It
07. I’ve Got a Feeling
08. My Valentine
09. 1985
10. Maybe I’m Amazed
11. We Can Work It Out
12. In Spite of All the Danger
13. You Won’t See Me
14. Love Me Do
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. Queenie Eye
19. New
20. The Fool on the Hill
21. Lady Madonna
22. FourFiveSeconds
23. Eleanor Rigby
24. I Wanna Be Your Man
25. Being for the Benefit of Mr. Kite!
26. Something
27. Ob-La-Di, Ob-La-Da
28. Band on the Run
29. Back in the U.S.S.R.
30. Let It Be
31. Live And Let Die
32. Hey Jude
encore
33. Yesterday
34. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
35. Hi, Hi, Hi
36. Birthday
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. The End

お馴染みのナンバーが多い中で,改めて"My Valentine"は曲の素晴らしさを感じさせた。BeatlesやWingsのナンバーの演奏は,予定調和だと言われればその通りかもしれないが,一緒に歌える幸せを感じられればそれでいいのである。しかも,こっちは約2.5時間超立ちっぱなしなだけで,膝や腰が痛いとか言っているのに対し,ショー全体を通して歌い通す,74歳のPaulはいやはや立派としか言いようがないとずっと思っていた。今回も,いつもの演出だと思いながらも,"Something"を聞いて,ウクレレ・パートから"Abbey Road"的な演奏に移行する瞬間と,そのバックに映るGeorgeとPaulの姿に涙し,"Live and Let Die"の炎の熱量に圧倒されて帰ってきた私であった。ということで,その2枚の映像をアップしておこう。

Live at 東京ドーム on April 27, 2017

Personnel: Paul McCartney(vo, b, g, p, ukulele), Rusty Anderson(g, vo), Brian Ray(g, b, vo), Paul Wickens(key, hca, vo), Abe Laboriel, Jr.(ds, perc, vo)

Paul_at_td2

2017年4月27日 (木)

夜遅くにECMのアルバムを聞いて思ったこと。

私はそこそこのECMレーベルの音楽好きだということは,このブログにECMというカテゴリーがあることや,記事,あるいは推薦盤の多さからわかって頂ける読者の方が多いと思う。だが,近年のECMレーベルは,もの凄い数の新譜がリリースされており,正直言って全部追えるわけではない。特に,ECM New Seriesの一部は,私にとっては全くの関心外なのだ。逆に言えば,ブログのお知り合いの910さんが,ECMレーベルの全ての新譜をフォローされていることがいかに大変かということの裏返しと言ってもよい。

これだけ新譜のリリースが多いと,繰り返しプレイバックをする機会にはなかなか恵まれないということにもなるのだが,それと同時に,ある程度CDやレコードの保有枚数が増えれば,「いつ聞くねん?」という質問には正直答えにくいのが実態だ。だから,私もECMレーベルのアルバムに関して相当数を保有していたとしても,繰り返し聞くことはまれになるのも当然なのだ。

しかし,夜遅くにたまたまECMのアルバムをプレイバックしていて,一聴してECMの音だとわかったとしても,「誰の」,「どの」アルバムかまで言い当てられるかと聞かれれば,全く自信がなくなってしまった。もちろん,CDプレイヤーにのせる前に,自分でアルバムを選んでいるのだから,誰のアルバムかはわかって聞いているのだが,やはり聞き方が足りない。もちろん,ECMでも「ケルン」とか「クリスタル・サイレンス」とか,一発でわかるものもないわけではないが,例えば,ジョンアバのアルバムが鳴っていて,ジョンアバのギターとわかっても,それがどれだかわからないなんてのは十分あり得るわけだ。

中学生とか,高校生の頃,月1枚LPを買うのが精一杯だった頃を思えば,こういうのは絶対よくないと思わざるをえず,極力手持ちのアルバムの魅力を再確認すべきなのだろうと思ってしまったのも事実である。特にECMのアルバムであれば,深夜にプレイバックしても,顰蹙を買うようなアルバムは,従来からも,最近も比較的少ないと思うので,温故知新モードもいいかもしれないなぁと思ってしまった。

_20170423_3_2ということで,これも全くのきまぐれながら,温故知新を続けてもいいなぁと思っているのだが,私にこんなことを感じさせた罪なアルバム(笑)はMisha Asperinの"North Story"である。よくよく見れば,Tore Brunborgがテナーを吹いているし,ベースはTerje Geweltだ。このアルバムがリリースされた頃は全く意識していなかったようなミュージシャンの名前に,このアルバムのライナーで改めて出会って,好きだ,好きだと言いながら,何にもわかってないじゃん,と大いに反省した私であった。アルバムのジャケの印象すらほとんど記憶になかったのだから,何をかいわんやである。まぁ,ECMは似たようなジャケのアルバムも存在するので,仕方ないんだと開き直ることも可能だが...(笑)

いずれにしても,気まぐれとは恐ろしいとは思うが,気まぐれゆえに再発見することもあるということで,ECMの古いアルバムや,ちゃんと聞いていないアルバムを聞く気満々になった私であった。ところで,最近はMisha Asperinの名前は,あまり聞かなくなったが,何をしてるんだろうねぇ。

さて,次は何を聞く?(爆) 実に悩ましいところだ。

2017年4月26日 (水)

John Mayerの約4年ぶりの新譜。不思議なリリース形態である。

"The Search for Everything" John Mayer(Columbia)

_20170423_2_2John Mayerの"Paradise Valley"に続く新作である。前作が2013年のリリースであるから,約4年ぶりということになるが,その間に来日したり,ほかのミュージシャンのアルバムに客演したりしているから,久しぶりという感覚はあまりしなかった。 

その感覚のもう一つの要因は,本作に収められている12曲のうち,8曲は既に"The Search for Everyting:Wave One/Wave Two"として,ネット上でEP扱いながらリリースされていたからにほかならないが,昔に比べると,John Mayerは渋い路線になったなぁと思わせることは本作でも同じである。

いずれにしても,12曲中8曲を先にリリースして,フル・アルバムをリリースという形態は非常にユニークなものではあるが,予告編としてのEPとして,期待を盛り上げるやり方ってのはあるだろうなぁと思わせた。しかし,2/3もさらしてしまっては,フル・アルバムの売れ行きが心配になるのは余計なお世話か(笑)。

本作の音を感覚的に捉えると,前作のフォーク路線というよりは,"Continuum"のソウル的路線に若干近いように思えるが,いずれにしても,バリバリとギターを弾きまくるという感じではなく,レイドバックした感覚が勝っている。私としてはよりロック的なアプローチのJohn Mayerを聞きたい気もするが,アラフォーにしてはどんどん枯れた味わいを増しているのはどうしてなんだろうかと思ってしまう。しかも基本のメンツはPino PaladinoとSteve Jordanとのトリオなのである。

まぁ,それでもやはりこの人の歌やギターには相応の魅力はあるわけで,今回もそれなりに楽しんだ私である。星★★★★。しかし,このジャケはなぁ...。

Personnel: John Mayer(vo, g), Pino Paladino(b), Steve Jordan(ds, perc), Larry Goldings(key, org), James Fauntieroy(key), Greg Leitz(pedal steel, dobro), Mike Elizondo(b), Jim Keltner(ds), Aaron Sterling(perc), Davide Rossi(strings), Gary Grant(tp), Chuck Findley(tp), Andy Martin(tb), Daniel Higgins(sax), Al Jardine(vo), Matt Jardine(vo), Tiffany Palmer(vo)

2017年4月25日 (火)

知らぬ間にリリースされていたJeff Lorber Fusionの新作を聞く。

"Prototype" Jeff Lorber Fusion(Shanachie)

Jlf_prototype昨年,久々に来日ライブを行い,ファンに随喜の涙を流させた(笑)Jeff Lorber Fusionであるが,昨年のライブにも同行していたAndy Snitzerを新メンバーに加えた新作をリリースしたので,早速の購入である。私はたまたまFacebookページで本作のリリースを知ったのだが,どうせならもっと告知をすればいいのになんて思ってしまった。まぁ,知らないのは私だけか。

Jeff Lorber Fusionは2010年の"Now Is the Time"で復活以降,順調なペースで新作をリリースし続けているが,彼らの演奏には突出したところはなくても,絶対的安定感があるところは,本作でも全く変わらない。

私はCDがデリバリーする前,Apple Musicで本作を聞いていたのだが,ややスムーズ色が強いかなとも感じたのだが,改めてアルバムを聞いてみると,そういう曲もあるが,ちゃんとタイトなフュージョンもやっていて,やはりバランスが取れている。新メンバーとしてのAndy Snitzerはライブの時から違和感なくやっていたので,今回も問題はないが,アルトを吹くとちょっとSanbornっぽくなっちゃうなぁというのは,まぁ昔からだから仕方ない。

今回の新作を聞いて,改めて思ったのが,Jeff Lorberのキーボード・プレイのカッコよさである。エレピで聞かせるソロのフレージングは,いつものパターンと言ってしまえばそれまでだが,これこそフュージョン,もしくはフュージョンにおけるキーボード・ソロかくあるべしと思わせるに十分なものであり,私が彼らの音楽に惹かれる大きな理由の一つはこれだなと改めて思う。

本作もいつも通り,ゲストは迎えているが,ほぼ固定的なメンツでやっているので,ライブにおいても,これに準じた編成が組まれると思うが,昨年のライブが楽しかったので,また新作を引っ下げて,来日して欲しいと思うのは私だけではあるまい。特に来日に同行したGary Novakは本作では全面参加である。ってことはほぼレギュラーだな。ということで,今回も抜群の安定感に対し,星★★★★。ちょいとしたおまけでジャケの内側に使われている写真もアップしておこう。

Personnel: Jeff Lorber(p, el-p, key, g), Jimmy Haslip(b), Andy Snitzer(ts, as, ss), Gary Novak(ds), Michael Thompson(g), Larry Koonse(g), Paul Jackson, Jr.(g), Chuck Loeb(g), Jarius Mozee(g), Dave Mann(horn)

Jlf

2017年4月24日 (月)

ECMからリリースされたDominic Millerのアルバム。

"Silent Light" Dominic Miller (ECM)

_20170423このアルバムのリリースが告知された時,「へぇ~,Dominic MillerがECMなんだ」と思ったのが正直なところである。私の中では,Dominic Millerと言えば,長年,Stingのバックを務めてきたイメージが強いが,そんな彼がECMからアルバムをリリースするというのは正直意外であった。だが,ECMは最近はそうでもないが,初期のアルバムにはギタリストのアルバムが多数あったし,Manfred EicherがDominic Millerの演奏に,レーベルとのフィット感を見出だしたということであろう。

そして,このアルバムであるが,難しいところはなく,極めて聞き易く,その一方で美的な感覚もあるアルバムとなっている。こういう音楽は昼間に聞くよりも,夜が更けてから,タイトル通り,"Silent Light"に照らされながら,静かに聞くのがぴったりという感じの曲が並んでいる。曲はStingの"Fields of Gold"を除いて,Dominic Millerのオリジナルであるが,"Baden"なんて曲からして,Baden Powellに因んだものと思わせるボサノバ・タッチを聞かせるところもあり,,これはECMファンならずとも,訴求力の高いアルバムだと思わせる。

このアルバムがECMレーベルにとって,珍しいなぁと思わせるのが,StingとPaul Simonがライナーにコメントを寄せていることだろう。それがDominic Millerのこれまでのキャリアを示していることにもなるが,その一方で面白いのが,Dominic Millerが最初はEgberto Gismontiの"Solo"とPat Metheny Groupの"Off Ramp"の中間を行くような音楽を最初は作りたいと思っていたらしいことである。ライナーによれば,EicherとMillerでいろいろなメンバー構成を考えていたらしいのだが,スケジュールが折り合わないとかの理由により,結局,ソロ+αのような構成に行きついたということだが,静謐な中に,オーバーダビングも含めて,トリオ編成で演奏される"Chaos Theory"を聞くと,現在,トリオ編成で来日している演奏も気になってくるところだが,私はスケジュールが合わず,見に行けないのが残念である。

いずれにしても,しびれるような美学という感じではないが,多くの人に抵抗なく受け入れられることが可能であろうと思わせる佳作。星★★★★。

Recorded in March 2016

Personnel: Dominic Miller(g, el-b), Miles Bould(perc, ds)

2017年4月23日 (日)

Sonny Stittのアルトが歌う"Pen of Quincy"

"Sonny Stitt Plays Arrangements from the Pen of Quincy Jones" Sonny Stitt(Roost)

Pen_of_quincy私は結構Sonny Stittが好きである。彼のアルバムはCDよりLPの方が多いかもしれないが,滅多にLPを聞いていない私でも何となくプレイバックしてしまうアルバムが多い。大概聞くのは"Tune Up!"やら"Blows the Blues"のようなコンボのアルバムなので,本作はそんなに聞くわけではない。しかし,久しぶりに聞いてみて,何とも軽快である。こういうのを「歌う」アルトと言うと思ってしまった。

まぁ,冒頭の"My Funny Valentine"からのスタートってのはどうなんだろうねぇと思う部分もあったが,Quincy Jonesのアレンジに乗せて,朗々と歌い上げるSonny Stittは極めて魅力的に響く。そして,バックを支える面々も凄い。あくまでも主役はSonny Stittだが,こんなバックで吹けば,気合も入るわ。ジャケットを見れば,Sonny StittとQuincy Jonesのコラボ・アルバムという色彩ははっきりしていると思うが,後のプロデューサーとしてのQuicny Jonesとは全く違う,アレンジャーとしてのQuincy Jonesの手腕もはっきりするってものだろう。これだけのミュージシャンを集められること自体に,StittとQuincyのミュージシャンとしての位置づけが表れていると思うのは私だけではあるまい。

久しぶりに聞いてみて,Sonny Stittのソロイストとしての魅力を再認識させられた,そんな一枚。星★★★★☆。

Recorded on September 30 & October 17, 1955

Personnel: Sonny Stitt(as), Thad Jones(tp), Joe Newman(tp), Jimmy Nottingham(tp), Ernie Royal(tp), Jimmy Cleveland(tb), J.J. Johnson(tb), Anthony Ortega(as, fl),Seldon Powell(ts),Cecil Payne(bs), Hank Jones(p), Freddie Green(g), Osar Pettiford(b), Jo Jones(ds), Quincy Jones(arr, cond)

2017年4月22日 (土)

ストレート・アヘッドなMike Sternもまたよしってことで。

"High Standards" Steve Slagle(Polydor)

High_standardsこのアルバムは懐かしい。Mike SternがMiles Davisのバンドで,一躍シーンの前線に出てきたときに,やれデブだ,やれイモだと言われていた頃に,突如,Carla Bleyのプロデュースにより,吹き込んだストレート・アヘッドな作品である。聞けばわかることだが,マイキーはちゃんとジャズだって弾けるってことが明らかになった作品である。

アルバム・ジャケットでは,当時Carla BleyのバンドにいたSteve Slagleがトップに来ているので,彼のリーダー作ということにしておくが,5人のミュージシャンが連記されているので,バンドとしてのセッション・アルバムと言ってもよいだろう。

私は,今やマイキーのかなりのファンであるが,出てきた当時からカッコいいギターだとは思っていた("The Man with the Horn"の1曲目,"Fat Time"は今聞いてもしびれる)だが,本当に目覚めたのはずっと後になってからのことである。やっぱり55 Barで生に接した経験は大きかったと思っている。

そんな私でも,このアルバムは結構早い時期に入手して,長年聞いてきたアルバムである。本作は一度もCD化されたことがないと思うが,埋もれさせるには実に惜しい作品と言わざるをえない。コンベンショナルなモダン・ジャズ的なセッティングにおけるMike Sternのギターに触れることができたのは,多分これが最初の機会だったはずで,今にして思えば,買っておいてよかったと思える,快調そのものの演奏なのである。

特にB面なんて,"I Hear Rhapsody"~"I Thought About You"~"Speal Low"って並びだしねぇ。正直言ってたまりません。マイキーは相変わらずのマイキーなのだが,本作では当然(?),ディストーションは使っていない。マイキーらしい,コーラスを掛けたサウンドで4ビートを演じているのだ。後にジャズ的な編成やらスタンダードを演じたアルバムもリリースしたマイキーだが,この頃からうまかったってことを改めて認識させてくれる作品である。

ある意味,お気軽に作った感じがしないわけでもないが,やっぱり好きってことで,希少度込みで星★★★★★としてしまおう。

Recorded on September 27 & 28, 1982

Personnel: Steve Slagle(as), Mike Stern(g), Ted Saunders(p), Harvey Swartz(b), Victor Lewis(ds)

2017年4月21日 (金)

全盛期からはずれたBud Powellもまたよしってことで。

"Bud Plays Bird" Bud Powell(Roulette)

_20170415_3Bud Powellの全盛期は1940年代後半から50年代の初頭ぐらいってことは誰もがわかっていることではあるが,その頃の演奏はテンションが高過ぎて,早々しょっちゅうは聞きたいと思わないというのも事実である。だから,私の知り合いにも,ちょっと枯れた味わいの"Bud Powell in Paris"あたりがいいという人が多いのも,実はうなずける話である。

このアルバムは,Bud Powellが1957年後半から58年初頭にかけて録音していながら,ずっと未発表となっていた音源を発掘したものだが,特徴はタイトル通り,Charlie Parkerゆかりの曲ばかりが演奏されていることである。Bud Powellの全盛期同様,Charlie Parkerの演奏も,聞き流すことを許さない雰囲気があるのだが,ここでの演奏は,Parkerゆかりの曲をやりながら,Parkerに顕著なスピード感というよりも,総じてテンポはゆったりやっていて,結構なレベルのリラクゼーションを感じさせるところが心地よい。

Parkerの音楽に聞かれる凄みのようなものは感じさせないとしても,これはこれで十分レベルが高いと思わせるが,それがリズムの二人がGeorge DuvivierとArt Taylorという,どちらかというと穏健(笑)な人たちだったからという気がしないでもない。丁度いい感覚と言ってわかって頂けるだろうか。それでも,そこかしこにBud Powellの手癖のようなものが顔を出すので,当たり前のことだが,Bud PowellはどうやってもBud Powellであったということを認識させられる。

あまり注目されることのないアルバム(そう思っているのは私だけ?)であるが,聞き逃すには惜しい作品と思える。星★★★★。

Recorded on October 14 & December 2, 1957 and January 30, 1958

Personnel: Bud Powell(p), George Duvivier(b), Arthur Taylor(ds)

2017年4月20日 (木)

お約束通り,今日は"Massacre"である(笑)。

"Killing Time" Massacre(Recommended Music/Celluloid)

_20170416_2昨日,The Golden Palominosを取り上げて,そこに次はMassacreでも聞くか,と書いてしまったので,お約束通り(笑)のMassacreである。

メンツからすれば,Material一派ということになるが,このハードなインプロヴィゼーションは,Bill Laswell主導のファンク・フレイヴァーもあるMaterialより,Fred Frithの音楽系統ということになるだろう。思い返せば,大学のサークルのアヴァンギャルド好きの先輩が,部室でこれを掛けていたのを記憶しているが,当時はなんじゃこれは?と思っていたが,今でもその感覚は大して変わらない(爆)。もともとのMassacreは短命なバンドだったが,後に,ドラムスをCharles Haywardに交替して,90年代後半に再編しているが,さすがにそこまでは追っていない。だってなんじゃこれは?なんだもん(笑)。

いずれにしても,MaterialやGolden Palominos同様,フリー・ジャズ的な要素は表れてくるが,ファンク度が低い分,更に実験的な色彩が強くなる。CDの盤面には"Play It Loud"なんて書いてあるが,我が家でこれを大音量で聞いたら,それこそ家人の大顰蹙を買うこと必定なので,地味なヴォリュームで聞いている私である。

このCDはオリジナルの音源に,ライブ音源なんかも加えたものだが,今でもカタログに残っているから,ニーズはあるんだねぇ。私もよくもまぁ,こんなもんまで持っているもんだと,逆の意味で感心してしまったが,これも聞く頻度は極めて低いアルバム。それでも,まぁ,あの頃のアヴァンギャルド感を思い出させるということで,面白いと言えば面白いんだが...。まぁ,今の感覚で言えば,Golden Palominosの方が私にとっての聞きやすさを持っており,星★★★ぐらい。ボーナス・トラックはロック的なところも感じられてなかなか面白いが,さて,これも次に聞くのはいつになるのやら(苦笑)。

しかし,Fred Maherって,MaterialやMassacreからScritti Polittiへ軸足を移すって,どういう頭の構造や?と思うのは私だけ?

Recorded in April, June, July and August, 1981

Personnel: Fred Frith(g, vo, cassiotone), Bill Laswell(b, pocket-tp), Fred Maher(ds, perc)

2017年4月19日 (水)

これも引っ張り出してきた"The Golden Palominos"

"The Golden Palominos" (Celluloid)

_20170416これもクロゼットにしまったまま,なかなか聞かないアルバムである。本作は中古番屋でMaterialと一緒に買った(笑)ものである。Materialにしても,このGolden Palominosにしても,時代の徒花と言ってしまえば,その通りだが,1980年代ってのはこういうのが結構もてはやされたこともあったのである。今にして思えば,ちょっと笑ってしまうが。

このアルバムもMaterial同様,ファンクとフリー・ジャズの融合みたいな感じがするが,参加しているメンバーを見れば,さもありなんって感じである。ここでもBill Laswellが共同プロデュースを行っており,こういう音楽を仕切っていたのがLaswellであることがはっきりするわけだが,この音楽をジャズとして捉えることには抵抗のあるリスナーも多いだろうなぁ。

しかし,このアルバムの5曲目"Cookout"を聞いていると,これが明らかにHerbie Hancockの"Future Shock"で聞かれたスクラッチやリズム・フィギュア導入に向けての実験だったという気がしてくる。その一方,このアルバムが,ある一定の筋のリスナーに訴求するのは,Arto Lindsayの参加によるところが大きいと思う。私は,プロデューサーとしてのArto Lindsayは評価しているが,ミュージシャンとしては,ノイズをまき散らすよりも,Ambitioous Loversのような音楽の方が好きである。だが,やはり,Arto Lindsayのヘタウマ・ヴォーカルと,ノイジーなギターは個性を発揮していて,Material的ファンクに乗っかっても,別のグルーブを与える要因にはなっていると思う。

まぁ,しょっちゅう聞こうという気にはならないが,今を去ること,35年ほど前にはこういう音楽もあったのだということを改めて振り返るために,保有することには相応の意義はあるが,でも次に聞くのはいつになるのやら...(苦笑)。でもこういうのも結構好きなわたしもかなりの変態ってことで(爆)。星★★★★。それにしても,Slap HappyのPeter Blegvadがヴォーカル・コーチとしてクレジットされているのはどういうこと?(爆)

こうなったら,次は"Massacre"でも聞くか(笑)。

Personnel: Anton Fier(ds, perc, synth),Arto Lindsay(vo, g), Fred Frith(g, vln, vo), Nicky Skopeltis(g), Michael Beinhorn(synth, b-ds), Bill Laswell(b, p, turntable), Jamaaladeen Tacuma(b), David Moss(perc), John Zorn(as, cl, game calls), M.E. Miller(vo, turntable), Thi-Linh Le(vo), Roger Trilling(records)

2017年4月18日 (火)

Allan Holdsworthを偲んで,彼の東京ライブを聞く。

"All Night Wrong" Allan Holdsworth (Sony→Favored Nations)

_20170417Allan Holdsworthが亡くなった。私が彼のライブをビルボードライブ東京で見たのが2014年9月30日のことだったが,その時,"Farewell Tour"と称していたので,ライブ活動からは引退するものと思っていた。しかし,今年の7月にはNYCのIridiumにAllan Holdsworth Band featuring Virgil Donati, Steve Hunt & Evan Marienで出演すると告知されていたので,ライブに復帰するんだと思っていた矢先の訃報である。

ビルボードで見た時も,ブログに記事をアップして「引退するほど腕は衰えていなかったが。とにかく指はよく広がっていたなぁ。」と書いている(記事はこちら)ぐらいで,演奏そのものはハードなままであった。そんなAllan Holdsworthの突然の訃報に接し,今日は別の記事をアップするつもりでストックしていたのだが,予定変更である。

日本にもファンの多かったAllan Holdsworthのことであるから,今日は彼を追悼するために,Holdsworthが公式には初めて吹き込んだライブ盤である本作をチョイスした。前にも書いたが,私はHoldsworthの熱心な聞き手だったとは言えないが,Bill BrufordやChad Wackermanのアルバム,あるいはU.K.や彼自身のアルバムで接してきてはいた。そんなHoldsworthのキャリア初のライブ盤が,亡くなった今となっては,日本で吹き込まれたことが非常に誇らしく思える。そして,いかにもAllan Holdsworthらしいフレーズ,音がこのアルバムには溢れている。とにかくよく指が動くものだと感心してしまうが,誰が聞いてもAllan Holdsworthとわかってしまう,まさに唯一無二の個性であったと言いたい。

私が彼のライブに接したのは前述のビルボードライブのみであったが,1度だけでもライブに接するチャンスがあったことを今はラッキーだったと思いたい。私は決して彼のいい聞き手ではなかったかもしれないが,それでもAllan Holdsworthが稀代のスタイリストであったということは理解しているつもりである。ライブへの復帰を決めながら,ステージに立たずに去ったAllan Holdsworth。惜しい人を亡くしたものである。

R.I.P.

Recorded Live at 六本木ピットイン on May 5, 2002

Personnel: Allan Holdsworth(g), Jimmy Johnson(b), Chad Wackerman(ds)

2017年4月17日 (月)

Anders Bergcrantz:これを聞いたのは何年ぶりか?記憶にない(爆)。

"Live at Sweet Basil" Anders Bergcrantz Quintet (Dragon)

_20170415このブログにもよく書いているが,保有していることはわかっていても,全然聞いていないCDなんていくらでもある。だからあんたはアホなんだと家人の顰蹙を買うのは仕方ないとしても,よほどのことがないと,私はCDを処分することがないので,基本的にCDの数は増え続けるわけである。その一歩で,結構な数のアルバムはリッピングしているが,最近はApple Musicという便利なものがあるので,リッピングをすることも減ってしまった。そうした中で,リッピングすらしていないCDを聞く頻度は当然下がる。

このアルバムも保有していること自体は記憶しているが,クロゼットにしまい込んでいたので,聞く機会がほとんどなかったものであるが,久しぶりに引っ張り出して聞いてみた。少なくとも今の家に引っ越してからは一度も聞いたことはないはずである。だから,演奏は記憶の彼方である。このアルバムはまだカタログに残っているようなので,今でも入手は難しくはないようだが,私がこれを購入したのは,偏にメンツゆえのことであったはずだ。リズムがRichie BeirachとRon McClureのQuest組に,Adam Nussbaumという面々,そしてフロントには,Rick Margitzaが加わるのでは,リーダーのことを知らなくても気になる(笑)。そして,曲も,メンバのオリジナルに加え,"Invitation","Body And Soul",更には"Stella"なんかをやられては,やっぱり気になる。

_20170415_2_2このアルバムが録音されたのは今はなきSweet Basilである。私は大学の時に初めてこの店に行き,Gil Evans Orchestraを聞いたほか,在米中にもよく行ったものである。今にして思えば,雰囲気もよいいいクラブであった。このアルバムのブックレットの裏に,演奏時の写真が載っているので,そちらもスキャンしてアップするが,そうだったよねぇって感じの郷愁に浸る私である(苦笑)。

このアルバムが録音された時には,私はNYCに住んでいたので,このメンツであれば,行くことを考えてもよかったはずだが,どこかにスキーにでも行っていたのかもしれない。当時はインターネットもない時代であるから,クラブの情報はもっぱらVillage VoiceかNew York Timesで仕入れていた私だが,このライブに関しては,情報を見た記憶もない。

それはさておき,スウェーデン出身のリーダーが米国遠征して,こうしたメンツを集められるっていうのは素晴らしいことだが,演奏も相応のレベルには達していると思う。まぁ,これだけのメンツであるから,おかしなことになることはないと感じさせるが,ライブらしい「熱」を発散していて結構楽しんでしまった。こういうこともあるから,ちゃんと在庫もチェックしないといかんということだ。Sweet Basilというヴェニューの懐かしさも含めて星★★★★。

Recorded Live at Sweet Basil on February 19 & 20, 1992

Personnel: Anders Bergcrantz(tp), Rick Margitza(ts), Richard Beirach(p), Ron McClure(b), Adam Nussbaum(ds)

2017年4月16日 (日)

武道館ライブを思い出させるTedeschi Trucks Bandの新作ライブ盤。

"Live from the Fox Oakland" Tedeschi Trucks Band(Fantasy)

Ttb_oaklandTedeschi Trucks Bandの新作はまたもライブ盤である。ほぼ年1作のペースでアルバムをリリースしているが,"Everybody's Talkin'"というライブ盤もあったので,バンドとして5作目にして2作目のライブというのは,どこかライブ盤が多いAllman Brothers Bandを彷彿とさせる。

この人たちのライブは,昨年の武道館でもそうだった(記事はこちら)が,非常に楽しめるものであり,ジャム・バンド的な要素もあるから,アルバムもライブ盤を出したくなるのかなぁって気もするが,今回も安心して聞ける。まぁ,いつも通りということではあり,どれを聞いても同じだという感覚は今回も残っているのだが,それでもLeonard Cohenの"Bird on the Wire"とか,George Harrisonの"Within You Without You"なんかもやっていているし,"I Want More"のアウトロには,Santanaの"Soul Sacrifice"なんかを入れているのが面白い。更には,Miles Davisの"Jack Johnson"ボックスに入っていた"Ali"なんてのもやっている。

ここでも,演奏は快調そのもの。1曲当たりの演奏時間が長いのも,ジャム・バンド的彼らの体質を反映したものと言えるだろう。やはり,彼らの演奏を聞いていて,私の耳を捉えて離さないのはDerek Trucksのスライドの技である。ここでも弾きまくっていて,彼のギターを聞いているだけでも満足度が高い。バンドがタイトにまとまっていたのは,武道館同様であるが,ツアーを重ねて更にまとまりが増しているように感じる。

まぁ,正直言うと,Susan姉さんの声にはちょっと飽きてきたかなぁって気がしないでもなくて,強力な男性ヴォーカリストとのバンドを,Derek Trucksには組んで欲しいような気がしないでもないが,仲よきことは美しきことなりってことで,まぁ許す(爆)。ということで,いつも彼らには甘いなぁと思いつつ星★★★★☆としてしまおう。

本作が録音されたFox Theaterってのはキャパ2,800人のホールらしいが,下の写真のように,見るからにいい感じである。彼らにはこれぐらいの箱の方がフィットしていると思うのは私だけではないだろう。映像は未見だが,そのうちよくチェックしてみよう。

Recorded Live at Fox Theater, Oakland on September 9, 2016

Personnel: Susan Tedeschi(vo, g), Derek Trucks(g), Kofi Burbridge(p, key, org, fl), J.J. Johnson(ds, perc), Tyler "Falcon" Greenwell(ds, perc), Tim Lefebvre(b), Mike Mattison(vo), Mark Rivers(vo), Alecia Chakour(vo), Kebbi Williams(sax), Elizabeth Lea(tb), Ephraim Owens(tp), Alam Khan(sarod)

Fox_oakland

2017年4月15日 (土)

これが未発表だったとは信じられないぐらいよい,Miles色濃厚なJohn Surmanのアルバム

"Way Back When" John Surman(Cuneiform)

_20170414毎度おなじみテナーの聖地,Bar D2で聞かせてもらって,一発でしびれてしまい,即発注(笑)したアルバムである。但し,John Surmanなので,テナーのアルバムではないが...。

このアルバムは1969年に録音されながら,マスター・テープが行方不明になり,数少ないテスト・プレス盤を除いて,幻化していた音源なのだが,そのマスター・テープが2003年に見つかって,めでたくリリースされたものである。但し,最後の"Out And About"はテープに収録されていなかったため,テスト・プレス盤から音源を起こしたものだが,正直,そんなことはどうでもよいと思えるほど,これがカッコいいサウンドなのだ。

冒頭のJohn Taylorのエレピが聞こえてきた瞬間から,私は「おぉっ,Miles的!」と思ってしまったのだが,録音された日付から考えれば,彼らが影響を受けていたのは"In a Silent Way"か,ロスト・クインテットのライブ演奏ってことになるだろう。その手のサウンドが好きならば,間違いなくこれは「買い」のアルバムである。

ライナーによれば,本作はJohn Surmanが"The Trio"としての活動開始前に,一種の「さよならセッション」として行われたものらしいのだが,センチメンタルな要素はゼロ(爆)。あくまでもハイブラウな演奏が展開されていて,これはまじでよい。こんな音源が埋もれていたこと自体が信じられないし,更にはよくぞ発掘してくれたと言いたい。かつ,こんな音源を紹介してくれるBar D2のマスターには感謝するしかない。

サウンド的にはMiles的と書いたが,その一方で,Lalo Schifrinが書く「ダーティ・ハリー」のような映画音楽的に響く部分もあって,時代の音と言えば,そう言える部分はある。しかし,ジャズ的なスリルに溢れ,聞く者を興奮させること間違いなし。"Owlshead"でのバリトン。・サックスなんて最高だしねぇ。いやいや,これはまじでいいわ~。星★★★★★。

Recorded on October 7, 1969

Personnel: John Surman(ss, bs), John Taylor(el-p), Brian Odgers(el-b), John Marshall(ds), Mike Osborne(as)

2017年4月13日 (木)

Tommy LiPumaを偲んで,Michael Franksを聞く

Tommy_lipuma

"Sleeping Gypsy" Michael Franks(Warner Brothers)

_20170409_4先日,名プロデューサーとして知られるTommy LiPumaが亡くなった。LiPumaと言えば,George Bensonの"Breezin'"やBob JamesとDavid Sanbornの"Double Vision"など,幾多のアルバムをプロデュースしたが,私にとってLiPumaと一番結びつくのはMichael Franksのアルバムではないかと思う。前作"Art of Tea"に続いてプロデュースしたこのアルバムは,Michael Franksにとっても,"Signature Songs"の集まりのようで,代表作の1枚となっていることは間違いのない事実だろう。

Tommy LiPumaには本作でもそうだが,都会的なイメージが強い。本来フォーク的な響きを持っていたEverything But the Girlをシティ・ポップ的に変貌させた"The Language of Life"もTommy LiPumaのプロデュースだったことを考えれば猶更である。都会的なサウンドに,適切なブラジル的なフレイヴァーを加えた本作も,まさにTommy LiPumaあっての作品だと言ってよいように思う。そして,誰が聞いても魅力的なMichael BreckerとDavid Sanbornのサックス・ソロ。これぞセンスのよさ炸裂である。

一方,Dave Masonの"Alone Together"なんかもプロデュースをしているところからして,非常に間口の広い人だったとも言えるが,やはり信頼に値する名プロデューサーだったことは間違いない。

Tommy LiPumaは亡くなったが,彼が残したアルバムは不滅の魅力を放つものであることは言うまでもない。R.I.P.

Tommy LiPumaのことばかり書いて,アルバムについてほとんど触れていないが,今聞いてもやっぱりこれはいいわ。何度でもリピートできるのが,本作の魅力の証左。LiPumaへのリスペクトも込めて星★★★★★。

Personnel: Michael Franks(vo), Michael Brecker(ts), David Sanborn(as), Joe Sample(p,el-p), Joao Donato(p), Larry Carlton(g), Helio Delmiro(g), Wilton Felder(b), John Guerin(ds), Joao Palma(ds), Ray Armando(perc)

2017年4月12日 (水)

久しぶりに聞いたTony Williams

"Civilization" Tony Williams (Blue Note)

_20170409_3保有はしていながら,なかなか聞かないCDっていうのはいくらでもあるが,これを聞くのも相当久しぶりって気がする。

私がこのCDを購入したのは,記憶に間違いなければ,1988年のロンドン出張中のことである。当時はロンドンにもレコード/CDショップがたくさんあって,休みの日に買い物ついでに立ち寄った時に購入したものである。私は1988年9月から1989年1月の期間のうち,都合2回,約8週間を仕事のためロンドンで過ごしたのだが,仕事のピーク時は大変だったものの,今にして思えば,結構余裕のある出張だったと思う。ライブもクラシックを中心に,初回の出張ではRobert Palmerとかも見に行っている。

そんな時期に,ショップに立ち寄ったら,バーゲン品の中に本作が含まれて嬉しくなってしまったのであった。その時にほかに買ったのは,Wes MontgomeryとかOTBとかのアルバムだったはずである(我ながらつまらないことをよく覚えている)。そうしたアルバムが確か,当時のレートで1枚700円とか800円とかいう値段で売っていたのだから,びっくりしたついでの購入である。

そして,改めて本作を聞いてみると,Tony Williamsのアルバムだけに,ドラムスが前面に押し出されている感覚はまぁ仕方ないって感じだが,バンドをドライブするTony Williamsのドラムスを楽しめるものとなっている。全曲がTony Willamsのオリジナルってのも凄いが,バンドのメンバーにも恵まれて,ネオ・ハードバップ的な演奏を聞かせていている。昨今は作曲能力,リーダーシップに優れたドラマーが多いが,Max Roachあたりを源流とし,Tony Williamsはその発展形として,現在のドラマーたちの基準となっていたということになるだろう。

このハード・ドライヴィングな展開こそ,Tony Williamsという気もするが,バックのメンツではMulgrew Millerが特にいい仕事をしていると思う。もちろん,フロントの2人も,ベースのCharnette Moffettもリーダーの煽りに乗って,激しくやっていて,聞いている方はついつい燃えてしまうのであった。このバンド,やっぱりいけている。ってことで星★★★★☆。ほかのアルバムも聞こうっと(笑)。

Recorded on November 24-26, 1986

Personnel: Tony Williams(ds, ds-machine), Wallace Roney(tp), Billy Pierce(ts, ss), Mulgrew Miller(p), Charnette Moffett(b)

2017年4月11日 (火)

懐かしいねぇ:増尾好秋の「サンシャイン・アヴェニュー」

"Sunshine Avenue" 増尾好秋(Electric Bird)

_20170409_2このアルバムがリリースされたのは1979年のことである。私は高校3年だったってことになるが,これってLP買ったなぁ。

私がジャズを聴き始めたのは高校1年ぐらいで,正直,ジャズと言っても,クロスオーバー/フュージョンが主体だったと言っても過言ではない。もちろん,例外もあったが,私がジャズという音楽の本質を理解したのは,浪人中にジャズ喫茶に入り浸って,本ばかり読んでいた頃なので,1979年ぐらいはまだまだロック的なテイストを持っている音楽に惹かれていたのは事実である。もちろん,その当時はLPを買う余裕もそんなになかったので,色々な音楽に接していた訳ではなかったから,まだまだ私も音楽については知識も豊富ってことはなかった。本作を買ったのも,スウィング・ジャーナルで高い評点が付いていたからだと記憶している。少なくとも,前作"Sailing Wonder"より評価は高かったはずである。

そうした本作が廉価盤としてリリースされたのは,2014年末だったようである。その時に改めて購入して,このアルバムを聞いたのは,本当に久しぶり(少なくとも25年以上ぶり)だったが,それをまたまた今頃になって棚から引っ張り出して聞いてみた。

一言で言えば,懐かしいサウンドである。タイトル・トラックにおけるT.M. Stevensのベースは,あの頃のディスコ・サウンドのような趣があり,そういう時代だったのだと思わせる。アルバムとしてはロック・フレイヴァーとソフトな曲がいい具合に混在していて,今聞いてもなかなか楽しめるアルバムであった。

今にして思えば,このアルバムにおいては,キーボードのVictor Bruce Godseyが持ち込むファンクあるいはソウル的な感覚が,非常に魅力的に響く。彼のエレピを聞いていると,HummingbirdにおけるMax Middletonを想起してしまうのである。1曲で聞かれる彼のヴォーカルもソウルフルだしねぇ。

この頃は盛んに日本人ミュージシャンが,外国人ミュージシャンと組んだアルバムがリリースされていた頃だが,さすがNY生活の長い増尾だけに,当時は無名でもいいメンツを選んでいると感じさせる。その後,Jazz Cityレーベルのオーナーとして,多くの佳作(大傑作とは言わないが,どれもが結構味わい深い)をプロデュースする増尾好秋の才覚が,そんなところにも表れているように思えた。懐かしさも含めて星★★★★としてしまおう。

Personnel: 増尾好秋(g, synth, perc), Voctor Bruce Godsey(p, el-p, key, vo), T.M. Stevens(b), Robbie Gonzales(ds), Papo "Conga" Puerto(perc), Jorge Dalto(p), Charles Talerant(perc), Shirley Masuo(perc), Michael Chimes(hca)

2017年4月10日 (月)

Venusレーベルは嫌いだが,これならまぁ許す:Giovanni Guidiの初リーダー作?

"Tomorrow Never Knows" Giovanni Guidi(Venus)

_20170409基本的に私はVenusレーベルが嫌いである(きっぱり)。妙な増幅感のあるサウンドを好みとする人もいるだろうが,Fred Herschのピアノさえ下品に聞こえさせてしまうあの音場は,どうしても許し難い。かつ,このレーベルによく見られる訳のわからんエロ・ジャケットを見るだけで,購買意欲が失せる。

そんなレーベルなので,私は基本的にVenusのアルバムを毛嫌いしているところがあって,基本的には買わない。だが,ECMから美的なアルバムを出す,Giovanni Guidiのおそらくは初リーダー作がVenusから出ていたことは意外であり,ジャケも本人のポートレートなので,中古で値段も安かったし,まぁいいかってことで購入したのも随分前のことである。

冒頭のKrzysztof Komeda作の"Sleep Safe and Warm"からつかみはOKという感じで,前々からこの人はこういう感じだったのねぇと思わせる出だしである。まぁ,そうは言っても,現代のピアニストらしく,幅広いレパートリーをやっていて,ややとっ散らかった感覚があるのも事実である。Komeda,Ornette,Eno,Radiohead,Bjork,そしてBeatles,更にはHampton Hawesまでが同居しているってのはさすがに行き過ぎかなぁって気がする。演奏も曲ごとにかなり個性が異なるため,初リーダー作における欲張り感が勝ってしまっているようにも思う。

そうは言っても,現在に至るGuidiの実力はある程度捉えられていて,当時から有望だったということは十分にわかる作品と言ってよい。まぁ,ほとんど原曲の姿をとどめないタイトル・トラックとかどうなのよという突っ込みは入れたくなるのも事実だが,初リーダー作だけにちょっとカッコつけちゃったかなぁってことにしておこう。

私としては,当然ECMでのトリオ作の方が圧倒的に好みではあるが,こういう道のりを歩むことも必要だろう。曲ごとの出来のばらつきが気になり,星★★★ぐらい。悪くはないけどね。

Recorded on January 5 & 6, 2006

Persoonnel: Giovanni Guidi(p), Francesco Ponticelli(b), Emanuele Maniscalco(ds)

2017年4月 9日 (日)

目黒川の桜:随分満開になるのに時間はかかったが,今年もこの季節。

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桜の季節になると,目黒川と言えば,中目黒界隈の無茶苦茶な人出が話題になるが,何も目黒川の桜は中目黒だけが美しいのではない。中目黒から,五反田,大崎方面に歩いてくれば,非常に美しい桜並木が毎年楽しめる。

今年は当初の東京の満開予定は4/1だったのだが,寒の戻りで,開花が随分遅れたこともあり,私の家の地元の目黒川の桜はこの週末にようやく満開となったという感じである。相変わらず綺麗なものだと思うが,見ごろも今日あたりから数日が最後かなって気がする。もちろん,葉桜は葉桜で風情はあるのだが,この桜並木には本当に毎年癒される。

ということで,近所で撮影した桜の写真の露出等をいじったものをアップするが,少しでも皆さんの目の保養になれば幸いである。

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2017年4月 8日 (土)

Electric Miles Band@Billboard Live Tokyo参戦記

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Miles Davisのバンドに在籍したメンバーが集って,エレクトリック期のMilesナンバーを演奏するという企画自体はわからないわけではない。私もエレクトリック期のMilesのアルバムはブートレッグを含めて,相当量聞いているので,興味もあるところでライブに参戦してきた。

結論から言えば,演奏自体には全く破たんはないし,メンバーそれぞれにスポットライトを当てるというのはこうしたバンドとしては当然のことだろう。だが,演奏を聞いていて,どうにもゆるい。より端的に言えば,緊張感に乏しいのである。典型的な「昔の名前で出ています」的な演奏と言えばいいだろうか。先日のLevel 42の演奏が,現役感バリバリで,かつエンタテインメントだったのに対し,どうも「お仕事」的な感覚が強い。

正直言って,客入りも芳しくはない中,演奏に対する受けが悪いのは,聴衆が期待するようなテンションを発露できなかったからだと思う。各々のソロとかに問題があるというわけではない。結局のところ,Milesのにらみが効いていなければ,同じようなメンツで,同じような曲をやっても全然違うものにしかならないという,当たり前と言えば当たり前のような事象が発生していたのである。結局,私はライブの間,Milesは偉大だったと思わざるを得なかったというのが正直なところである。

より今日的な部分を示そうと思えば,DJ Logicをもっとフィーチャーするということもできたはずだが,DJ Logicについてはほとんど見せ場もなく,一番可哀そうだったのは彼だと思えた。バックで,ゆるゆるにターンテーブルを回しているだけでは,DJとしての力は全然発揮のしようがなかったというところである。ここにDarryl Jonesがいたことは驚きではあったが,Rolling Stonesの仕事がない時はこういう演奏をしてるってことかもしれないが,それにしても,昔のようなファンク・フレイヴァーをもっと聞かせてもよかったと思う。

ということで,ライブが全部が全部当たりになることはないが,これははっきり言って残念ながらはずれの演奏であった。ライブ終了後,つくづくMiles本人の演奏が聞きたくなっていた私である。

Live at Billboard Live東京 on April 7, 2017

Personnel: Vince Wilburn Jr.(ds), Munyungo Jackson(perc), Blackbyrd McKnight(g), DJ Logic(turntable), Robert Irving Ⅲ(key), Greg Spero(key), Antoine Roney(ss, ts, b-cl), Darryl Jones(b), Debasish Chaudhauri(tabla), Etienne Charles(tp)

2017年4月 7日 (金)

ECMにおけるGary Burtonの未CD化作品:別に悪くはないんだけどねぇ。

"Easy as Pie" Gary Burton Quartet(ECM)

Gary_burton_quartet_easy_as_pie_covECMレーベルには未CD化の作品が残っているが,最近はCD化されても,廃盤状態化したものはダウンロード音源化するか,ボックス・セットで復活させるって感じがするが,デジタル音源化にはあまり熱心とは思えないというのが実態である。

まぁ,中にはCD化する必要もないって作品がある一方で,なんでこれがってのも結構ある。今はボックス化して入手ができるようになったが,Richie Beirach入りのJohn Abercrombie作品が最たる事例だろう。これはRichie BeirachとManfred Eicherがもめた結果ということらしいが,Gary BurtonやSteve Kuhnにさえ未CD化のアルバムがあるというのは,なんでなんだろうと思ってしまう。本作もその一枚。まぁ,Gary Burtonの作品はカタログには載っていても,入手困難化しているものもあるが,できるだけ入手はできるようにしておいて欲しいと思うのが人情だろう。

そんな中で,このアルバムであるが,いつものGary Burtonと言えばそうなのだが,違和感があるとすれば,Jim Odgrenのアルト・サックスと言えないこともない。OdgrenはGary BurtonとBerkleeでの同僚と言うことになるのだろうが,朗々と吹くのはいいのだが,ECMのカラーとはちょっと違うのではないかと思わせる。まぁ,それでもChick Coreaとのチューリッヒでのライブでもやった"Tweak"をやっていたり,Ellington~Staryhornの"Isfahan"とか,”Blame It on My Youth"とかやっていて,なかなか面白い選曲なので,CDとして出してもよかったんじゃないの?と思うのは私だけではないだろう。

そうは言っても,ECMレーベルの新譜ラッシュを見ていれば,旧譜のカタログを維持することよりも,新作のリリースに軸足を置いているのは明らかで,逆に言えば,廃盤化しないうちに,欲しいと思ったらECMの作品はゲットしておいた方がいいってことになるんだろう。

いずれにしても,私にとっては,Gary Burton作品としてはもっといいものもあるってことで,星★★★☆ぐらいが適当かなってところ。

Recorded in June 1980

Personnel: Gary Burton(vib), JimOdgren(as), Steve Swallow(el-b), Mike Hyman(ds)

2017年4月 6日 (木)

Level 42@Billboard Live東京。彼らはまじでライブ・バンドであった。

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私はこれまでLevel 42の音楽を聞いたことがなかったのだが,今回お誘いを受けて,Billboard Live東京のライブに行ってきた。

私はBillboard Live東京というヴェニューではほとんど例外なくカジュアル・シートに座っているが,今回もカジュアル・シートである。まぁ,天井桟敷のようなものだが,音楽だけ楽しむのであれば,この席で十分だし,ワンドリンクもついているので,割安感があるのだ。ついでに言えば,写真も上のように撮り放題みたいなもんだしねぇ。

今回,ライブに行く予習として,彼らのベスト盤をApple Musicで聞いていたのだが,私は彼らはフュージョン・バンドだと思っていたのに対し,聞こえてきたのは,ほとんどヴォーカル入りのポップ・フレイヴァーの強い演奏であった。しかも,決して歌は上手いとは言えない。こんな調子ではライブは一体どうなるのだろうと思って,現地に赴いたのだが,ライブにおける彼らの演奏は,ファンク度が高く,演奏の間,身体を揺らし続けていた私である(笑)。

今回の演奏は,間違いなくApple Musicで聞いた演奏よりも楽しめたし,聴衆を乗せる術を心得たバンドだと思えた。とにもかくにもMark Kingのスラッピングが心地よい。更にそれを支えるドラムスのPete Bigginがタイトなリズムがまたまた興奮度を高めるものだったと思う。彼らはライブでこそ光るバンドだと確信していた私である。

ライブを見ていて,エンタテインメントだなぁと思っていたが,ここまでグルーブさせてくれば,十分元は取ったと思った私である。ついでに言っておけば,踊り狂う聴衆の姿を見て笑っていたのも事実なのだが,彼らが踊りたくなるのもわかるような気がしていた。

いずれにしても,あまりにMark Kingのスラッピングがカッコよかったので,私もエレクトリック・ベースを弾きたくなってしまったではないか。買おうかな(爆)。

Live at Billboard Live東京 on April 5, 2ndセット

Personnel: Mark King(vo, b), Mike Lindup(key, vo), Nathan King(g, vo), Pete Biggin(ds), Sean Freeman(sax, vo), Daniel Carpenter(tp, vo), Nichol Thomson(tb, vo)

2017年4月 5日 (水)

Blue Man Group,Tiny Desk Concertを乗っ取る(笑)

Blue_man_group

Blue Man Groupは長年に渡って,NYCはイースト・ヴィレッジにあるAstor Place Theaterをベースにいろいろなところでパフォーマンスを展開しているが,日本でも2回,足掛け4年近くのロングラン公演をやっていたから,彼らのライブを見たことがある人も多いと思う。私も六本木でライブを見た時は大笑いさせてもらったが,そんな彼らが米国の公共ネットワーク,NPRの人気プログラム"Tiny Desk Concert"に出演している映像があった。

"Tiny Desk Concert"はNPRのオフィスにミュージシャンを招いて,狭いオフィスでライブをやらせてしまうという企画だが,結構凄いミュージシャンが出演しているのである。Tedeschi Trucks Band然り,Chick Corea~Gary Burton然り,Joshua Bell然りと様々なジャンルのミュージシャンがここには登場している。そこにBlue Man Groupの名前を見つけて,「おい,おい,大丈夫なのか?」と思ってしまったが,久しぶりに彼らのパフォーマンスを見たが,やっぱり笑えるし,面白い。機会があったら,またライブをポンチョをかぶって見たいもんだと思ってしまった(笑)。

ということで,Blue Man Groupがそれこそ"Tiny Desk Concert"を乗っ取った時の映像が,NPRからYouTubeにもアップされているので,貼り付けておこう。見れば見るほど面白いし,受けまくっている。いいねぇ。

2017年4月 4日 (火)

Bill Evansの未発表音源をApple Musicで聞く。

"On a Monday Evening" Bill Evans(Concord)

On_a_monday_morningBill Evansが亡くなってもう37年になるが,世界(そして特に日本)での人気ぶりには全く衰えるところがないのには驚かされる。昨年もResonanceから強烈な未発表音源がリリースされたが,今回はライブである。この調子でいくと,まだまだ未発表音源は出てきそうだが,今回はまずはApple Musicで聞いた。

今回のアルバムの注目ポイントは,ドラムスがEliot Zigmundってことだろう。アルバム"You Must Believe in Spring"を聞いたリスナーであれば,Zigmundというドラマーが結構Bill Evansにはフィットしていたことと感じることが多いと思うが,ライブ音源は少ないだけに,今回も気になるところではある。しかし,私は以前,このトリオによるスイスにおけるライブ音源をきいている(記事はこちら)ので,新しいとか稀少とかと言えば,必ずしもそうではない。昔だったら,リリース即購入となっていただろうが,今やApple Musicで試聴して,欲しければ買えばいいというスタンスになっているのだから,私も変わったものだ。ちなみに,上述のスイスの音源もApple Musicで聞けるのだから,いい時代である(笑)。

それはさておき,ここでも安心,安定のBill Evans節が聞けて,満足度は高い。しかし,"Time Remembered"や"All of You"のEddie Gomezのアルコ・ソロは正直取っていただけない。私はアンチEddie Gomezのような人間なので,ただでさえベースの音が気に入らないところにこのアルコの音では何をかいわんやである。しかし,Evansのピアノを聞いている分には,問題ははない。だからこそ惜しいとも言えるのだが(苦笑)。Eliot Zigmundは助演に徹していながら,"All of You"で聞かせる4小節交換なんか,結構いい線行っていると思わせる。そして,最後を"Some Other Time"で締めるところは泣かせるねぇ。

デジタル音源がこれだけ普及してしまうと,現物を買うか買わないかはBill Evansだけに大いに迷う部分もあるが,これはデジタルで聞いていればいいかなぁって感じである。前述のスイスのライブも久しく聞いていないので,また聞いてみようかと思わせる効果は間違いなくあったが(笑)。ということで,星★★★★には十分相当すると思う。

Recorded Live at University of Winconsin on November 25,1976

Personnel: Bill Evans(p), Eddie Gomez(b), Eliot Zigmund(ds)

2017年4月 3日 (月)

ようやく到着:"All Things Must Pass"のアナログ盤。

"All Things Must Pass" George Harrison(Apple)

All_things_must_pass_1970_cover何も言うことのないGeorge Harrisonの代表作であり,傑作である。今回,Georgeのアルバムがアナログで復刻されるに際して,全アルバム集成ボックスはさすがに高くて手が出なかったが,CDも持っているんだから何も購入しなくてもよい本作を改めて購入してしまったのには訳がある。

私が現在,保有しているのは30周年記念盤のCDであるが,あっちはあっちでいいのだが,Apple Jamの順番がオリジナルと変わっていたり,ディスク1最後へのボーナス・トラックの挿入によって,どうも流れが分断される感覚があったのも事実である。やはり,このアルバムはアナログで聞いた方がいいのだと思ってしまったのである。

そもそも私は以前,このアルバムをアナログで保有していたのに,今にして思えばCD(30周年記念盤ではない,それ以前のヴァージョン)を購入した際に売ってしまったのは,残念というか惜しいという感じだが,それをまた買っているのだから,私も相当のアホである(苦笑)。

改めてアナログで聞いてみて,作品の素晴らしさは言うまでもないが,アナログの質感というか,オリジナルのボックスを細かく再現した新ボックスとして保有することの嬉しさを改めて感じてしまった。だから家人からも馬鹿にされるわけだが,やはりこれは最高である。

値段の高さ(送料込みで8,000円強)とデリバリーの遅さ(アメリカから飛ばしたので仕方ないが...)には辟易としたが,若かったころ,初めてこのアルバムを聞いた時の感覚を,ボックスを眺めながら思い出していた私である。本当にいい曲が揃っていて,George Harrisonというミュージシャンの実力が完全に発揮されていると思う。どの曲も好きだが,特に"Beware of Darkness"って最高だなぁって思っていた。Georgeのファンで改めてよかった至福のリスニング。当然,星★★★★★。

Personnel: George Harrison(vo, g), Ringo Starr(ds, perc), Jim Gordon(ds, perc), Alan White(ds, perc), Klaus Voorman(b), Carl Radle(b), Gary Wright(key), Bobby Whitlock(key), Billy Preston(key), Gary Brooker(key), Pete Drake(pedal steel), Eric Clapton(g), Dave Mason(g), Bobby Keys(ts), Jim Price(tp), Mal Evans(tambourin), George O'Hara Smith Singers(vo), John Barham(arr)

2017年4月 2日 (日)

Julia Hülsmann:ECMらしい静謐なピアノ・トリオ

"Sooner And Later" Julia Hülsmann Trio(ECM)

_20170401私はこの人のアルバムは購入しているものの,昨今のECMのリリース・ラッシュに圧倒され,購入後積んどく状態になっているものがある。2011年リリースの"Imprint"なんて,ジャケは印象に残っているのだが,どうしても見つからない。ってことは購入していないのか?(爆)

というような状態で,このブログにもこの人のアルバムは"The End of a Summer"をアップしているだけである(記事はこちら)。ということで,本ブログでは久々のJulia Hülsmannということになるが,いかにもECMらしい静謐系ピアノ・トリオの音には,このレーベルの音楽を愛好するリスナーなら嬉しくなってしまうこと必定である。

やはりこの系統の音楽はECMの代表みたいなところがあって,昨今,ピアノ・トリオのアルバムが続々とリリースされるECMレーベルでは,大体こういう感じが多い。そして大概,私の場合はやられてしまうのである。もはや中毒性の音楽と言ってもよい。美的な音楽であり,基本的には静謐なサウンドであるが,本作においてはビートを効かせた曲もあって,難解なところは何もない。だからこそ,ほかのECMレーベルの作品よりも,一般的なリスナーにも訴求するのではないかと思える。

例えば,"Soon"のような曲では,シンセサイザーかエレピを使うと,更に面白い効果が得られるようにも感じられるが,そこは総帥Manfred Eicherが許さないってところか(笑)。いずれにしても,昨今のECMのピアノ・トリオにははずれは少ないが,本作にも大いに満足させられた私である。Benedikt Jahnelといい,このトリオといい,いいねぇ。ってことで,評価もついつい甘くなり星★★★★☆。

Recorded in September 2016

Personnel: Julia Hülsmann(p), Marc Muelbauer(b), Heinrich Köbberling(ds)

2017年4月 1日 (土)

大いに楽しめるImpossible Gentlemenの第3作

"Let's Get Deluxe" The Impossible Gentlemen(Basho)

_20170330これは昨年の6月にリリースされていたようだが,全く認識していなかったことは以前にも書いた。しかし,第1作,第2作ともに結構高く評価してきた私(記事はこちらこちら)としては,このリリースを知ってしまえば,買わないわけにはいかない。当初はApple Musicで聞いて,間違いないのはわかっていたが,ようやく届いた現物で改めて聞いてみると,やはりこのバンド,レベルが高い。

前の2作ではベースはSteve Swallowだったが,今回はSwallowに代わって,Pat Metheny GroupのSteve Rodbyが参加している。Rodbyは第2作のプロデュースもしていたので,そうした縁もあってのことと思うが,バンドの演奏とは完全にフィットしている。まぁ,Gwilym Simcockは現在はPat Methenyのバンドで演奏しているので,同質性はあったということだろうが,今回のようなコンテンポラリーなサウンドには,Steve Rodbyってのは結構フィットするってことであろう。更に,今回はリード奏者,Iain Dixonの名前もメンバーに加わっているが,全面参加ではなく,ゲスト的な扱いのように思える。

このバンドは,本質的にはGwilym SimcockとMike Walkerの双頭バンドという位置づけだと思うが,Mike Walkerはジャズだけでなく,ロック的なフレイヴァーも打ち出せるフレージングの能力を持っていて,Gwilym Simcockの多彩さとも相俟って,今回もいけている音楽を聞かせる。Iain Dixonの参加に加えて,一部ストリングスも加わって,バンドとしての色彩感は従来に増したものとなっているが,それを支えているのがGwilym SimcockとMike Walkerの作曲能力とアレンジメント能力と言っても過言ではない。

賑々しく始まるタイトル・トラックに続いて演じられる"It Could Have Been a Simple Goodbye"はライブではJohnn Taylorを偲んで演じているらしい美しいバラッドである。こういう演奏こそ"Tribute"として演じられるに相応しいと思える。こうした曲調のバランスを含めて,今回もよくできたアルバムである。星★★★★☆。それにしても,Gwilym Simcockのマルチ・インスト奏者ぶりは,Pat Methenyとのバンドでもいつか披露されるに違いないと思うのは私だけだろうか?大した才能である。

リリースは昨年だが,注目度を上げるため,新譜扱いとしてしまおう。

Personnel: Mike Walker(g, dog whistle), Gwilym Simcock(p, key, fr-h, fl-h, accordion, vib, marimba, perc), Iain Dixon(ss, ts, cl, b-cl., fl, a-fl), Steve Rodby(b), Adam Nussbaum(ds)

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