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2017年1月 9日 (月)

ソロとしてこなれて,結構よくできていると思わせるDavid Sanbornの"Voyeur"

"Voyeur" David Sanborn(Warner Brothers)

Voyeur久しぶりにこのアルバムを聞いた。私にとって,David Sanbornのソロ作における最高傑作は"Straight to the Heart"以外にはありえない(記事はこちら)のだが,なんだかんだ言って,ほかのアルバムも結構保有しているのだ。結局好きなのである(笑)。

David Sanbornが"Taking Off"でソロ・キャリアを開始したのが1975年。ソロとして,サウンドもだいぶこなれてきたのが"Heart to Heart","Hideaway"あたりではないかと思うが,今聞くとそれらが時代を感じさせるのも事実である。そんなDavid Sanbornが1981年にリリースしたアルバムが本作である。邦題としては「夢魔」なんていう凄いタイトルがついている(甚だ余談だが,昔「夢魔」というオカルト映画があったねぇ。)が,これもまだまだ時代を感じさせるとは言え,結構いいのではないかと改めて思ってしまった。この次の"As We Speak(邦題「ささやくシルエット」)"は今にして振り返れば,Sanbornとしては相当の異色作だと思うが,実はそっちの方がサウンド的には現代にも通じるところがあるように思える(実は"As We Speak"も結構好きだ)ものの,本作は曲のよさもあって,Sanbornの比較的初期のリーダー作としては好きな部類に入ってしまうように思う。

本作の収録時間は30分にも満たないものであるが,この短さが丁度よいと思わせるところもある。そして,本作の特徴としてMarcus Millerがかなり重要な役割を担っているところがあると思える。アルバム収録の7曲中,後半3曲はMaucus Millerのオリジナル,もう1曲,Sanbornとの共作もあり,ミュージシャンとしてのMarcus Millerが前面に出てきているところを感じさせる。まぁ,1981年と言えば,Marcus MillerがMiles Davisのカムバック・バンドに参加した年であるから,彼にとっての飛躍の年であったということだと考えてもいいのだろうと思う。この頃,Marcus Millerは21歳とか22歳ぐらいであるから,いかに彼が早熟なミュージシャンであったかがわかろうというものである。

ここには後にアルバム"Straight to the Heart"で再演される"Run for Cover"のオリジナル・ヴァージョンが聞けるが,"Straight to the Heart"の演奏には全然及ばないものの,やっぱりかっこいいオリジナルであることがよくわかる。そのほかに"It's You"のようなSanbornの代表的なオリジナルのうちの一つも入っていて,聞き直していてそのよさに改めて気づかされたってところだろう。だから,たまにはこういう温故知新も大事なのだ。星★★★★。

Personnel: David Sanborn(as, saxello, el-p, perc), Marcus Miller(b, p, el-p, g, ds, synth, perc), Buzzy Feiton(g), Hiram Bullock(g, perc), Michael Colina(synth), Steve Gadd(ds), Buddy Williams(ds, perc), Lenny Castro(perc), Ralph McDonald(perc), Tom Scott(fl, ts), Valerie Simpson(vo), Patti Austin(vo), Kacey Cisyk(vo), Lani Groves(vo), Diva Gray(vo), Gordon Grody(vo), Hamish Stewart(vo)

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