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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2016年12月31日 (土)

皆さん,よいお年をお迎え下さい。

今年も大晦日となった。振り返ってみれば,若干の仕事の変化により,これまでの地方出張続きから転じて,海外出張が増えてしまった一年であった。そのおかげで,いろいろなところに行けたことは決して悪いことではないのだが,寄る年波には勝てず,体力的にはどんどん厳しくなっているのは間違いない。大体,ロンドン2泊4日とか無理してはいかんのだ(笑)。そうは言っても,NYCに2回行ったおかげで,現地での夜遊びもしているんだから文句は言えた筋合いではないが...。

来年の生活がどういう感じになるかはまだ全然見えていないが,家庭内事情もあれば,仕事でも国内外の出張が続くであろうから,決して余裕のある生活は送れそうにないが,音楽を楽しみながら何とか乗り切っていきたいものである。

ということで,本年一年の皆さまからのアクセスに感謝しつつ,来年が皆さんにとってもよい年になることを祈念します。では皆さん,よいお年をお迎え下さい

2016年12月30日 (金)

2016年の回顧:ジャズ編

今年の回顧もこれが最後である。恒例に従い,今年も最後はジャズで締めることにさせて頂こう。

Charles_lloyd今年もいろいろなアルバムが出た中で,私の中でECMレーベルの作品が大きな位置を占めていることは間違いないが,実はECM以外の作品が私の中では今年の第1位である。それはCharles Lloydの"I Long to See You"である。私はこのアルバムを聞いた瞬間,電撃のようなものが走ったと言ってもよいぐらいなのだが,このアルバムに込められたメッセージ性が私を大いに感動させてくれたと言える。その感覚が忘れられない。このアルバムを吹き込んだメンバー(Greg Leiszを除く)で来日することがアナウンスされた時,私はすかさず予約したのであった。ライブでどういう演奏を繰り広げるのかも楽しみであるが,このアルバムで聞かせてくれた世界を再現してくれることが今から待ち遠しい。

I_wish_i_knew感動度という観点では,五十嵐一生と辛島文雄のデュオ作"I Wish I Knew"を忘れてはならない。このアルバムを聞いて,私はこのブログに「激しさはないが,その代わりに,何とも言えない滋味,味わいがある。闘病中の辛島を気遣う五十嵐というところもライナーからは感じられたわけだが,辛島文雄が生み出す音楽は,ミュージシャンとしての気魄を感じさせるものとなっていて,それが感動を誘うと言いたい。」と書いたが,あまりに感動してライブも見に行ってしまったぐらいである。ライブも素晴らしかったが,今年,最も印象に残っているアルバムの一枚と言ってよい傑作。

Carla_bleyそして,ECMレーベルである。私のブログの右側には★★★★☆以上の新譜を推薦盤として掲示しているが,ここにどれだけECMレーベルの作品が載っているかを見て頂ければ,私のこのレーベルへの信頼度がわかるというものである。裏を返せば,ECMがApple Musicのようなストリーミングに対応していないので,ディスクを買わざるを得ないということもあるわけだが,それでもこれだけ上質な音源を出されては文句はない。

その中でも特に感動的だったのがCarla Bley~Andy Sheppard~Steve Swallowの"Andando el Tiempo"と菊地雅章の"Black Orpheus"の2枚である。前者については,同じメンツによる前作"Trios"も高く評価した私であるが,本作はそれさえ上回ると思わせた深遠な美学を大いに評価したい。

Kikuchi菊地雅章の"Black Orpheus"は,亡くなった菊地雅章をManfred Eicherが追悼する意味を込めてリリースしたと思っているが,実際の菊地のピアノの音からECM色に染まったものとしていることに批判もあるのは承知で,記事にも書いたように,『超スロー・テンポで演じられるタイトル・トラックの「黒いオルフェ」の放つ音の深みを聞けば,身じろぎもせずにこの音楽に対峙しなければならないと思わされてしまう。』という感覚を与えるに十分な感動作である。私はむしろECM的な音響処理によって,音楽としての訴求力は高まったと考えているクチである。

Multitude_of_angels今年のECMではこの2作がダントツだと思っているが,Tord Gustavsenの"What Was Said"も素晴らしかったし,Vijay IyerとWadada Leo Smithのデュオ"A Cosmic Rhythm with Each Stroke"も優れた作品だった。そして忘れてならないのはKeith Jarrettが病魔に倒れる前に残していた音源集"Multitude of Angels"である。これらの作品はECMレーベルの凄さを感じさせるに十分なものであった。とにかく,出てくる音源の質の高さは驚異的であり,当然のことながら"Label of the Year"はECMをおいてほかにない。

加えて,今年,私にとって嬉しかったのはBrad Mehldauのアルバムが2枚リリースされたことである。トリオ作"Blues and Ballads"は,まぁこの人たちとしては水準の出来とは思うが,求めるレベルが違うだけに彼らも大変である(笑)。アルバムの質としてはJoshua Redmanとのデュオ作"Nearness"に軍配が上がると思うが,ほぼ同質の演奏を東京のライブでも聞かせていたのだから,やはりこの人たちはレベルが高い。そのほかにもWarren WolfやWolfgang Muthspielのアルバムへの客演が聞けたので,Mehldauの追っかけとしてはかなり充実した1年だったと言えるかもしれない。来年早々には,Punch BrothersのChris Thileとのデュオ作が控えており,来年もBrad Mehldauからは目が離せない。

今年は発掘音源にも,Jim Hall~Red Mitchell,Stan Getz,Bill Evans等,いいものが多かったし,新作でもFred Herschが相変わらず優れた作品を届けてくれて,なんだかんだ言いながら充実した1年だったように思う。Fred HerschはCotton Clubにおけるライブが素晴らしかったのもいつも通り。また来年(次はソロだな...)も来てくれることを祈りたい。

こうして見てみると,今年の私のチョイスにはあまり刺激的な音源が入っていないことがわかるが,私はそっち方面は完全にライブで補っているってことで...(笑)。来年3月のChick Coera Elektric Bandのライブに行こうとしているのはその証。

 

2016年12月29日 (木)

2016年の回顧:音楽編(ジャズ以外)

今年の回顧の3回目。今回はジャズ以外の音楽である。このブログにも何度も書いている通り,Apple Musicのようなストリーミング・サービスを利用することによって,CDを買うこと自体が減っているのは事実である。よほどひいきにしているミュージシャンは別にして,基本的には,Apple Musicで試聴してから購入するということにしているので,失敗の数は減っている。その結果として,新譜として紹介したものの中でも,推薦に値する★★★★☆以上の作品の比率が非常に高くなってしまっている。逆に言えば,Apple Musicで試聴して,全然魅力を感じなかったものについては,このブログにもアップしていない。今年,新譜としてこのブログにアップしたものは80枚程度ではないかと思うが,結局それでも100枚以上は購入していることにはなるはずなので,普通の人に比べれば,まだまだ買っている方だということにはなろうが,以前に比べれば,かなり減ったという感覚が強い私である。

Blackstarそんな中で,今年の音楽を回顧する場合,多くの有能なミュージシャンがこの世を去ったということが私の意識には強く残存している。その代表が新作"★"のリリース直後(2日後)に亡くなったDavid Bowieである。そのタイミングにあまりに驚かされ,そしてショックを受けたことは1年近く経った今でも変わらない。ある意味ではカッコよ過ぎるが,遺作となった"★"も枯れたところを全く感じさせなかっただけに,その死への驚きが増してしまうのである。Bowieの死のインパクトが強過ぎて,Glenn FreyやPrinceも亡くなったという重大な事実がかすんでしまうところに,David BowieのDavid Bowieたる所以がある。

Leonard_cohen同じように,新作をリリースして間もなく亡くなったLeonard Cohenも同様である。彼の音楽は決して取っつきやすいものではないと思うが,彼が亡くなったというニュースに接して,彼の新作のタイトル・トラック,"You Want It Darker"をネットで試聴して,そこに宗教的なものを感じてしまった私が,そのアルバムを購入し,更に強烈な印象を受けたことは事実である。死期を悟った人間が作った2枚のアルバムが今年を代表するものというのもいかがなものかと思わせるが,それでもこの2枚に関しては,私はどうしても優劣はつけられないのである。"★"については,前作"The Next Day"の方が上だと書いた私でも,Bowieの死と結びついた段階で,評価を越えてしまった。ということで,今年を代表する2枚は"★"と"You Want It Darker"ということにせざるをえない。

Believersこれらの2枚の前で,ほかのアルバムがどうしても分が悪いものとなってしまうのは仕方がないが,私の印象に残っているものとして,瑞々しさという意味でDeacon Blueの新作,"Believers"を挙げたい。どうしてこんないいアルバムがほとんど話題にならないのか,私にとっては不思議で仕方がないが,Ricky Rossのポップ職人としての技は,もはや匠の領域としか言いようがない。ここのところ,彼らの新作("The Hipsters","A New House",そして本作)が出るたびに,私はその年のベスト盤に選んでいるが,私の琴線をとことんくすぐってくれるバンドである。より多くの人に聞かれるべき音楽として,改めて強く推薦したい。

Fever_dreamそして今年,Deacon Blueと並ぶ瑞々しさを感じさせたのがBen Wattの新譜"Fever Dream"である。ライブの回顧でも取り上げたBen Wattであるが,一時期のDJ三昧の生活から,ミュージシャンとしての生活に軸足を移してくれたことは本当に歓迎すべきことである。前作"Hendra"も2014年のベスト盤に選んでいるし,その年にはDeacon Blueの"A New House"も選んでいて,いつもお前のチョイスは変わらないではないかと言われるかもしれないが,いいものはいいのである(きっぱり)。私としては"Hendra"よりも"Fever Dream"の方が更にいい作品だと思っている。ライブとの合わせ技もあり,今年もBen Wattを選出である。

Otis_reddingソウルやクラシック,そしてブラジル音楽は今年はあまり縁がなかった年であった。クラシックでは年末にAndras Schiffのベートーベンのピアノ・ソナタ・ボックスもリリースされているが,あれは純粋新譜ではないので,ここには選びづらい。現代音楽では今年の新譜ではないが,Kate Mooreの"Dances and Canons"を演じた Saskia Lankhoornのアルバムが印象に残った。そして,ソウルは新作はあまり聞いていない中で,Corrine Bailey Raeの久々の新作もよかったのだが,それを上回るインパクトを持っていたのはOtis Reddingの"Live at the Whisky a Go Go: The Complete Recordings"の6枚組である。Corrineには申し訳ないが,Otisと比べられてはこっちを取らざるをえない。ブラジル音楽ではRoberta Saぐらいしか購入していないが,彼女の"Delírio"は実にいいアルバムだったと言っておきたい。

そのほかにもRachael Yamagataの新作もよかったし,King Crimsonのライブ2作品は,彼らが現役バリバリであることを実証したものであった。そのほかにも印象に残るものは多々あるが,私としては順当なチョイスってところだろうな。

2016年12月28日 (水)

Bob Martinの次はJohn Hartfordである(笑)。

"Morning Bugle" John Hartford (Warner Brothers→Rounder)

Hartford_morning_bugleBob Martinに続いて取り上げるのがJohn Hartfordである。これもBob Martin同様1972年ごろの録音であるが,毛色はだいぶ違う。John Hartfordはブルーグラス系のバンジョー奏者なので,一般的なシンガー・ソングライターのアルバムとは響きが異なるが,カテゴリーとしては今回はSSW/フォークにしてある。

このアルバム,私が保有しているのはRounderレーベルからの再発盤であるが,今や日本でもこれが廉価盤で簡単に購入できるというのが凄い。だが,聞いてもらえばわかるが,一体どれぐらい売れるのやらと思えるようなアルバムである。しかし,バックを支えるメンツは強力で,ギターは名手Norman Blake,そしてベースはなんとDave Hollandが弾いているのだ。しかもプロデュースがJohn Simonと来ては,その筋の方はピクピク反応してしまうこと必定だろう。

この頃のこの手のアルバムではジャズ系のミュージシャンがバックを務めることは,決して珍しいことではない。例えば,Eric Justin Kazの"If You're Lonely"ではGrady Tate, George  Duvivier, Richard Davisなどが参加している。しかし,現在のDave Holland,あるいはMilesのバンドで激しくやっていたDave Hollandと比較すると,このアルバムが異色なものに思えることは仕方ない。

いずれにしても,基本バンジョー,ギター,ベースに歌という編成での演奏なので,刺激なところはないのだが,これもBob Martin同様,結構いい曲が揃っているし,Dave Hollandのプレイぶりも非常に面白い。どんな音楽をやっても,この頃からちゃんとベースが主張している。

今の時代に,こうした音楽がどのように捉えられるのかは全く疑問であるが,それでも,たまにこういうのを聞いていると本当に和むのである。私もやっぱり年だなぁと思う年末である(苦笑)。星★★★★☆。

Personnel: John Hartford(vo, banjo, fiddle, g), Norman Blake(g, mandolin), Dave Holland(b)

2016年12月27日 (火)

Bob Martin:せわしない時期だからこそこういう音楽も。

"Midwest Farm Disaster" Bob Martin(RCA→Riversong)

Bob_martinBob Martinって言っても,今や知っている人の方が少なかろうが,あの「ブラックホークの99枚」に選出されているアルバムであるから,その筋の方はみんな知っている(笑)。

師走のせわしない時期に,家の片づけをしながら,突然聞きたくなったアルバムだが,オリジナルは1972年にリリースされ,CDは2007~8年ごろリリースされたもので,今でもCD Babyなどで購入可能である。まぁ,典型的SSWというか,フォーク・シンガーのアルバムである。

このジャケだし,まぁ売れるものではないと思うが,この人の書く曲は結構魅力的なものが多いのだが,残念ながら声は私の好みとは必ずしも合致しない。私はもう少し渋い声のシンガーの方が好きかもなぁと思う。

それでも,いい年をこいたおっさんが"Good Old Days"に思いを馳せながら,懐古的な気分に浸るためのものだと思ってもらえばいいのである。こういう音楽を聞いて和みたいと思うのも,私,あるいは私の年代ってことで開き直らせてもらおう。

このCDそのものはおそらく音源はLP起こしだし,ジャケも一枚っぺらで,歌詞なんて読めないような微細なサイズであるが,音が聞けるだけでもよしとしないといけないだろうなぁと思う。同じ「ブラックホークの99枚」でも,私の好みのアルバムと比べると一段落ちる印象だが,それでも決して悪いアルバムではない。星★★★★

Personnel: Bob Martin(vo, g, hca), David Briggs(key), Norbert Putnam(b), Kenny Butrey(ds), Bill Sanford(dobro, g), and others

2016年12月26日 (月)

2016年の回顧:映画編

Spotlight年末も押し迫ってきたので,ライブに続いての今年の回顧は映画である。毎年,劇場で24本を見たいといいながら,正直実現は難しいのだが,ライブの本数が増えれば,当然映画を見ている余裕もなくなるってことなので,まぁ仕方あるまい。今年は劇場ではなんと10本しか見ていないので,どれが一番いいかなんていう資格もない気がする。映画そのものはAmazon Primeやら機内エンタテインメントやらで50本近くは見ている私だが,機内エンタテインメントでかかる新作を入れても新作の数はせいぜい17-8本ってところだろう。仕事の繁忙度が高まってしまったので,仕方がないところはあるが,ここ数年で劇場に行った回数は一番少なくなってしまったのは反省しなければならないなぁ。振り返れば私の劇場通いは2012年から24→22→17→20→10本となっているから今年の少なさはやはり突出しているのである。

Big_short_2それだけ厳選して見た(あるいは本当に見に行きたいと思ったものに行った)ということにもなるかもしれないが,今年見た映画で何がよかったかを振り返れば,映画的に一番好きだと思ったのが「スポットライト 世紀のスクープ」,面白さでは「マネー・ショート」,やっぱりいいよねと感じさせるのが「ハドソン川の奇跡」の3本になるだろう。「スポットライト 世紀のスクープ」はオスカーで作品賞,「マネー・ショート」は脚色賞を取っているから,それなりに世評も高い映画だったとは思うが,やぱり,シナリオのしっかりしている映画は面白いと思わせる。それは「ハドソン川の奇跡」にも言えることで,私はこの映画が来年のオスカーの脚本賞もしくは脚色賞にノミネートされると思っている。そして,オスカーには関係ないかもしれないが,Clint Eastwoodの熟練の技は本当にいつ見ても見事としか言いようがない。いずれにしても,いかにもというチョイスになってしまったが,そもそも本数を見ていないのだから仕方ない。

Sullyところで,今年の映画界を振り返れば,「君の名は。」のメガ・ヒットが話題になるわけだが,あれはあれで結構楽しめる映画だと思うし,非常に細密な背景など見るべきものも多いと思えるが,TVの「逃げ恥」の盛り上がりと同じような感覚もあるように思える。話題が徐々に広がり,大きなヒットにつながるという感じは似ている気がする。まぁ映画界にとってはあれだけのヒットってのは朗報ではあるが,その一方で見逃された映画も多いように思える。私も劇場で10本しか見ていないんだからどうこう言えないが,来年はもうちょっと見たいねぇ。来年の1本目は「ローグ・ワン」あたりかなぁ。

2016年12月25日 (日)

遅くなってしまったが,やっぱり凄いや,Otis Redding!

"Live at the Whisky a Go Go: The Complete Recordings" Otis Redding(Stax)

Otis_reddingデリバリーされてから随分と時間が経っているが,やはりこれを記事にしないわけにはいかないということで,Otis ReddingのWhisky a Go Goにおける3日間のライブを集成した6枚組である。

私はOtis Reddingのアルバムをそんなに保有しているわけではなく,持っているのは4枚組ボックス"Otis!"と,"Otis Blue",そして"Live in London and Paris"ぐらいだろう。よって,私がOtis Reddingについてどうこう語るのはおこがましいのだが,私とOtisの出会いは多分Monterey Pop Festivalにおける彼の歌唱シーンを収めたLaser Discだったはずである。あのディスクは正直Jimi Hendrixのために買ったようなものだったが,そこに入っていたOtisの演奏シーンは短かったにもかからわらず,私に強烈な印象を残し,ちゃんと聞かないといかんと思わせたのであった。

そのOtis ReddingがWhisky a Go Goに出演したのが1966年4月8日から10日のことであった。既にこの時の模様は2枚のアルバムとしてリリースされているが,その完全版がこれである。3日間,毎日2セットを6枚のCDに収めるというわかりやすい構成である。まぁ,同じ曲を何回もやるので,相当なコアなファンにしか薦められないって話もあるが,私はこの音源に接したこともなかったし,値段も手頃だったので購入ってことになった。

結果としては,これは強烈以外の何ものでもなかった。こういう歌を聞いていると,Otis Reddingは不世出のソウル・シンガーだったということを改めて感じざるをえない。こんな感じで眼前でやられていたら,失神確実って感じの音源である。今年のリイシュー盤の中でもトップを争うものと言ってよいだろう。星★★★★★以外の評価はない(きっぱり)。

こんな人があっさり飛行機事故で26歳で亡くなってしまったのは,世界にとって大きな損失だったと改めて思わざるをえない。

Recorded Live at the Whisky a Go Go on April 8-10, 1966

Personnel: Otis Redding(vo), James Young(g),  Ralph Stewart(b), Elbert Woodson(ds), Robert Holloway(sax), Robert Pittman(sax), Donald Henry(sax), Sammy Coleman(tp), John Farris(tp), Clarence Johnson, Jr.(tb),

2016年12月24日 (土)

超久々に聞いたB-52's。このアホっぽさ加減がいいのよねぇ。

"Cosmic Things" The B-52's(Reprise)

Cosmic_thing今どき,B-52'sと言っても,どれぐらいの人が反応するか全くわからないのだが,私がアメリカに在住している頃,よく"Love Shack"がMTVで放映されていたなぁなんて,懐古モードに入る私である。

私が彼らのアルバムで保有しているのはこれだけだが,まぁ"Love Shack"で盛り上がりたくて買ったようなものである。これ以外の音源は聞いたことがないので何とも言えないが,もとはニューウェイブのバンドだったと言われる彼らである。しかし,このアルバムに収められている曲を聞いていると,ニューウェイブって感じは全然しない。私にはポップなロック・バンドである。

今回,久しぶりにラックから取り出してみて,驚いてしまったのだが,本作のプロデュースはNile RogersとDon Wasが分け合っているではないか。そこに乗ってくるKate PiersonとCindy Wilsonの女性ヴォーカル陣と,何ともバカっぽい(いい意味で)Fred Schneiderの歌を聞いていると,世の中の憂さなんて存在するのかと思いたくなるほどの軽さである。やっぱりその中で"Love Shack"だろう。日本語にすれば,「ラブホ」と言い換えてもよい2語を連呼するこの歌の能天気さ,軽薄さがたまらん。とにかく笑える。

そして,ずっと笑いながら聞いていればいいと思えるアルバムである。歌もアホなら,ビデオもアホだが,同じアホなら踊らにゃ損,損。ときたもんだ(笑)。星をつける必要もないって感じだが,さぁみんなで"Love Shack"で盛り上がろう!ってことで,ビデオを貼り付け。ほんまにアホや~。

2016年12月23日 (金)

ジャズ界の若年寄,Scott HamiltonのFamous Door作。懐かしいねぇ。

"Swinging Young Scott" Scott Hamilton(Famous Door)

_20161222Scott Hamiltonと言えば,1970年代後半というフュージョン全盛期に現れた,モダン・スウィングの救世主みたいに言われたものである。デビュー時は22,3歳だったはずで,サウンド的にはまさに「若年寄」と呼ぶのが適切なものであった。Famous Doorから出た本作と,Concordから出た"Is a Good Wind Who Is Blowing Us No Ill"とどっちが本当の初リーダー作なのかは不明だが,そんなことはどうでもええわと思わせる軽快なスウィング・アルバムである。

私がジャズを聞き始めた頃に,Scott Hamiltonはシーンに登場してきた訳だが,当時はモダン・スウィングの魅力を理解するには私は若過ぎた。しかし,年齢を重ねると,こういう音楽に対する愛着が湧いてくるのである。そもそも私の好きなFamous Doorレーベルだし,ドラムスはButch Milesが叩いているのだから,悪いはずがないのである。

出てくる音楽は,「ほんまにこの人,この時22,3?」みたいな若年寄感が満載であるが,共演者の好演もあって,非常に楽しめるアルバムだが,それにしてもScott Hamiltonである。どうやったらこの年齢でこの音楽性が身につくのかと思えるほどの渋さである。

まぁ,私はこのアルバムはLPも保有しているのだから,わざわざCDで買わなくてもよかったのだが,やはり気軽にプレイバックできるのと,ボートラに魅かれての購入であったが,それにしても軽妙洒脱とはこのことだと改めて思った。ジャズの楽しさってのを認識できるアルバムであって,小難しい顔をしながら聞くような音楽ではない。甘いの承知で星★★★★☆としてしまおう。再発されたのも今年なので,ついでに新譜扱いとさせて頂こう。しかし,こんなものまで再発してしまう日本って凄いよねぇ(笑)。

Recorded in 1977

Personnel: Scott Hamilton(ts), Warren Vache(tp), John Bunch(p), Michael Moore(b), Butch Miles(ds)

2016年12月21日 (水)

せわしない年の瀬を和ませるRumerのBacharach~David曲集。悪いはずなし。

"This Girl's in Love: a Bacharach & David Songbook" Rumer (eastwest))

RumerRumerがデビューしたときにBurt Bacharachを魅了したという話がある。よって,RumerがBacharachの曲を歌うというのはある意味必然なわけだが,これがあまりにはまり過ぎていて,びっくりするやら,嬉しくなるやらの私である。彼女の前作"Into Colour"は購入していない私でも,これにはすぐに飛びついてしまった。私はBurt Bacharachの音楽も大好きなのである。

彼女の声そのものが素晴らしいが,このアルバムを聞いていて,Bacharachは彼女にKaren Carpenterに通ずるものを感じていたのではないかと思えてしまう。この素直さというか,ストレートな歌唱ぶりは聞けば聞くほど,私にはKarenを想起させるものである。

全編,スロー,ミディアム,もしくはミディアム・スローぐらいのテンポで演奏されるので,刺激的なところは全くない。だが,これは当然のことながら刺激を求めるための音楽ではない。くつろぎながら素晴らしい音楽に耳を傾けるためのアルバムなのである。

世の中は師走で,何ともせわしない雰囲気が漂っている中,こうした音楽に接すると,本当に心が和む。本当にいいタイミングで素晴らしいアルバムをリリースしてくれたと言いたい。Carpentersのアルバム同様,英語の勉強にも最適と思えるほど美しいディクションである。私は彼女のカバー・アルバム"Boys Don't Cry"について,Art Garfunkelと同様の歌い手としての資質を感じたが,そこにも書いてあるように,やっぱりKaren Carpenterとの同質性は指摘されていたんだなぁと思う(記事はこちら)。

いい歌手がいい曲を歌えば,いいアルバムができることを実証するお手本のような作品。ちょっと甘いが星★★★★★としてしまおう。プロデューサー,アレンジャーはRumerのパートナーであるRob Shirakbariであるが,彼はBurt Bacharachの音楽監督も務めていた人なので,アレンジが的確なのも当たり前ってところであるが,まじでこれはいいわ。御大も1曲で客演。年末,年始のBGMとしてプレイバックし続けてもいいぐらいの作品。

Personnel: Rumer(vo), Rob Shirakbari(p, el-p, b, g, vib, perc, vo), Burt Bacharach(p, vo), Jay Bellrose(ds, perc), Larry Ciancia(ds, perc), Ash Soan(ds), Shawn Pelton(ds), Ian Thomas(ds), Renato Brasa(perc), Grecco Buratto(g), Dean Parks(g), Troy Dexter(g), Matt Backer(g), Josh Lopez(g), Greg Leisz(g, pedal-steel), Diego Rodriguez(b), Kevin Afflack(g, ukulele), Scrote(ukulele), Julie Wolf(accor), Tollak Alstead(hca), Stephanie Bennett(harp), Tom Boyd(oboe), Arturo Solar(tp, fl-h), Susan Harriott(vo) with horns and strings

2016年12月19日 (月)

2016年の回顧:ライブ編

年の瀬もだいぶ押し詰まってきて,そろそろ今年の回顧をしなければならない時期となった。今年,もう行く可能性がないのはライブなので,まずはライブの回顧からしたいと思う。

ここ数年,私がライブに出掛ける回数が増えていて,一昨年,昨年は22本ずつ行ったが,今年はそれを上回る25本ということになった。これはNYCに2回出張して,各々3回ずつライブを見たのが大きいと思うが,それにしても月2本以上行っていることになるから,結構な頻度なのは間違いない。まぁ,その分,CDを買う枚数は大きく減少しているから,まぁいいってことにしよう。

そして,今年もいろいろなライブに行ったわけだが,回数からすれば,Wayne Krantzである。NYCで2回,東京で1回の都合3回見ているわけだから,私も好きだなぁと思うが,いつも興奮させてくれるので,Krantzは見るに値する人なのである。東京での客入りの悪さは本当に同情したくなるレベルだったが,その分,NYCでの大人気ぶりを見て,安堵した私である。そして,今年最後のライブとなった55 BarにおけるKrantz~Lefebvre~Carlockの凶暴なライブは,出張先での最後の夜を記憶に残るものにしてくれた。ということで,MVPはWayne Krantzである。

一方,今年最高のライブと思えたのはPatti Smithのビルボードでのライブであろう。私は従来からPatti Smith教の信者であると書いてきたが,彼女の歌の持つパワーは半端ではなく,ライブの場で本当に涙してしまったのである。そして,彼女と一緒に歌った"People Have the Power"の記憶は今でも鮮明だ。今,思い出しても,感激に打ち震えるだけのライブだったと思う。

それに次ぐのがBen Wattだろうか。非常にインティメートな環境で聞くBen Wattの音楽は非常に瑞々しく,バンドもタイトな演奏で楽しめるものであった。

もちろん,このほかにもFred Hersch Trio,Joshua Redman~Brad Mehldau,Billy Childs,Jeff Lorber Fusion,五十嵐一生~辛島文雄,Pat Metheny,Mike Stern,Egberto Gismonti等,素晴らしいライブは何本もあった。しかし,いろいろな点を考慮して,どれがよかったかと言えば,Patti Smith,Ben Watt,Wayne Krantzってことになると思う。さすがにPatti SmithのBillboardでの映像はないが,ノーベル賞のセレモニーで歌った"A Hard Rain's A-Gonna Fall"の映像(歌詞を忘れるPatti様)と,私がスマホで撮影したWayne KrantzとBen Wattの映像を貼り付けておこう。Krantzは不完全ながら結構激しい(このKeith Carlockを見よ!),Ben Wattの方は,ほぼ1曲"Nathaniel"を完全に撮影できている。こちらは当ブログでは初公開のものだが,お楽しみ頂ければ幸いである。

2016年12月18日 (日)

出張中に見た映画(16/12編)

毎度毎度のことであるが,出張で海外に行く機会があると,機内エンタテインメントで映画を見るのが私の「掟」である。今回は往路での体調が特に悪く,復路もイマイチ感が残る中での機内であったので,あまり本数は稼げないかなぁと思いつつ,都合7本も見ているではないか。相変わらずよくやるわ。

しかし,今回,体調もあって,完全に通しで見た映画は半分ぐらいで,残りは一部居眠りをしながらの夢うつつ状態でのものとなっている。見た順番に列挙すると:

①「ジェイソン・ボーン」
②「スーサイド・スクワッド」
③"Cold War2"(未公開)
④「海街diary」
⑤"The Infiltrator"(未公開)
⑥「シン・ゴジラ」
⑦「グランド・イリュージョン」

ってな感じである。①~③が往路,④~⑦が復路で見たものだが,また「シン・ゴジラ」見てるじゃないかと指摘されるかもしれないなぁ。今回は細部に注目してだけ見ていたようなものということで,ちょっと言い訳。

実は一番期待していたのが「ジェイソン・ボーン」だったのだが,アクション・シーンの質はいいとしても,敢えてまたリブートする理由があったのかはやや疑問。最低だったのが「スーサイド・スクワッド」であるが,やっぱりアメコミ映画化にはもう限界があると思わざるをえない一本。前回の出張で見た「ターザン: REBORN」でジェーンを演じていたMargot Robbieが本作で演じるHarley Quinnと,ジェーンとのイメージの落差だけは笑えたが...。ちなみに,Suicideはカタカナ的に書けば「スーィサイド」と発音すべきだが,これで発音を間違える受験生がいたら,配給会社の責任だな(笑)。

未公開の2本のうち,"The Infiltrator"は事実は小説より奇なりということで,「アルゴ」のパターンを踏襲したものと言えるが,映画的にはまぁまぁ面白いんだが,いかんせん「アルゴ」の二番煎じ感が強過ぎる。

Photo_2ということで,正直言ってしまえば,今回はわくわくするような出来の映画には出会うことができなかったが,まぁ機内エンタテインメントだから...。そういうことで,今回は一本,一本について書くのはやめて,これだけにしておく。そんな中で一番よかったのは「海街diary」の長澤まさみだな(爆)。ってことで,その長澤まさみの画像を貼り付けておくことにしよう。可愛いよねぇ。

2016年12月17日 (土)

Rolling Stonesによる真正ブルーズ・アルバム

"Blue & Lonesome" Rolling Stones(Rolling Stons/Polydor)

Blue_lonesomeブルーズがロックの源流であることは間違いない事実であり,Rolling Stonesにとってもその事実は当てはまる。もはやベテランと呼ぶのもおこがましいRolling Stonesがその音楽的ルーツと言ってよいブルーズに真正面から取り組んだアルバムである。

ライナーにMick Jaggerはこう書いている。"We could have done this album in 1963 or '64 but of course it would not have sounded like this. It's the interesting thing about a record that is made really quickly. It reflects a moment in time, a time and a place."

表層的にブルーズをプレイすることは50年以上前にもできただろうが,音楽の成熟があってこそこのサウンドになったというMickの自信の表れと捉えてもいい発言だろうが,Stomesがブルーズ・バンドとしても一流であるということを実証した作品になっているのは実に大したものである。

彼らがこれだけのどブルーズを演奏するのは"Love You Live"のC面以来と言ってよいと思うが,全然枯れたところがなく,聞き手を興奮させるに十分な演奏。そして,演奏される曲は50年代から70年代初頭にかけての古い曲ばかりであるが,全然古びたところがないのがブルーズの魅力ってところだろう。ゲストで加わるEric Claptonの余裕のプレイぶりも楽しい。やっぱりスライドうまいよねぇ。

ということで,彼らにとっての温故知新かもしれないが,本当に強力なパワーを持つアルバムとなっている。もちろん,彼らの最高傑作と言うつもりはないが,ブルーズ・アルバムだからと言って決して侮ってはならない作品。こういうのが3日でできてしまうってのもブルーズ的(笑)。星★★★★☆。

Recorded on December 11, 14 & 15, 2015

Personnel: Mick Jaggar(vo, harp), Keith Richards(g), Ronnie Wood(g), Charlie Watts(ds), with Darryl Jones(b), Chuckk Leavell(p, org), Matt Clifford(el-p, org), Eric Clapton(g), Jim Keltner(perc)

2016年12月16日 (金)

ECM「積んどく」シリーズの4枚目はFerenc Snétberger。

"In Concert" Ferenc Snétberger(ECM)

Ferenc_sntbergerちょっと間があいたECM未聴盤の掘り起こしシリーズの4枚目。Ferenc Snétbergerって記憶にある名前だと思っていたら,Enjaから出たベスト盤は保有しているはずだが,現在行方不明(爆)。件のアルバムは,店頭かどこかで聞いて購入したものの,一軍を張るまでは行かず,今や二軍にも入っていないのだから,私の審美眼もいい加減なものである。

それはさておきである。本作はFerenc Snétbergerがブダペストにおいて,ライブ・レコーディングしたソロ作であるが,アルバムの曲名が"Budapest Part I-VIII"となっているところからすると,Keith Jarrettのように完全即興で臨んだ作品と考えていいのだろう。ついでにアンコールが"Over the Rainbow"ってところからしても,Keithの世界をギターでやろうとしたように思える。だが,Keith Jarrettのような緊張感というよりも,より開放的な感じで,曲調も親しみやすいものとなっているのが特徴的。

非常に聞きやすいアルバムなので,Keith Jarrettのアルバムと同列に扱うことはできないし,ある意味,この人の出自を考えれば,これぐらいは楽勝でできてしまうのではないかという感覚があるのも事実である。ということで,高く評価することはないとしても,悪いアルバムだということでは決してない。逆にこんなに即興的に弾けてしまうということに,なんちゃってギタリストの私としてはジェラシーを感じざるを得ないと言っておこう。星★★★☆。

Recorded Live at Liszt Academy, Budapest in December 2013

Personnel: Ferenc Snétberger(g)

2016年12月15日 (木)

Elton Johnのベスト盤。これを聞くのは一体何年ぶりのことか(笑)。

"Greatest Hits 1970-2002" Elton John(Universal)

Elton_johnNYCでの興奮も冷めやらない私だが,普通の記事も書かねばってことでこれである。2002年にリリースされたElton Johnのこのベスト・アルバムは,彼の2002年までのキャリアを総括するベスト・アルバムとして,非常に重宝するものだと思う。私が保有しているのは米国盤のボーナス・ディスク付きのバージョンだが,今にしても思えば,英国盤の方がボーナス含めて魅力的にも思えるが,それでもこのアルバムの価値が下がることはないと思う。

とにかく,曲がよいのだ。どこから聞いても名曲揃いとしか言いようがない。Elton Johnは今でも現役ではあるが,やはり彼の音楽のピークは90年代までかなぁと思わせる。私にとっては,Elton Johnは"Reg Strikes Back"における"A Word in Spanish"あたりが,リアルタイムでElton Johnに魅かれた最後になるかもしれない(その後もアルバムは何枚か買っているが...)が,それからもう30年近くの時が経過しているというのも驚きである。その曲は,ここには収められていないが,そんなことは問題にならないぐらいの名曲選である。

振り返ってみれば,私が初めてElton Johnというミュージシャンを意識したのは,深夜放送で聞いた"Saturday Night's Alright for Fighting(土曜の夜は僕の生きがい)"だったはずだから,私が小学6年の頃である。その次が多分"Yellow Brick Road"で,そこから"Your Song"とか,"Daniel"を聞いたと思う。そういう意味では,もう40年以上,彼の音楽とは付き合ってきたわけだが,やっぱり凄い歌手であり,作曲家だと思わせる。今でもアルバム"Yellow Brick Road"はたまに聞きたくなるし,本作のボーナス・ディスクに収められたGeorge Michaelとの共演による"Don't Let the Sun Going Down"によって,カラオケでこの歌を唸るようになってしまったのである(爆)。

今となっては,彼の音楽を定常的に,熱心に聞いているとは言えない私だが,私の音楽鑑賞において,あるいは洋楽好きの性向を強めさせた理由として,Elton Johnが存在することは否定できない事実だと思う。そうした点も考慮すれば,やっぱりこれは星★★★★★しかないと思う。こういう音源をたまに聞くと,温故知新も大事だとつくづく思う。

2016年12月14日 (水)

中年音楽狂のNYC夜遊び日記(番外編):クリポタとの遭遇

Chris_potter_and_i_mosaic本日は番外編として,偶然Chris Potter(クリポタ)と遭遇した時の話である。それは12/7のBlue NoteでのChick CoreaとJohn McLaughlinのデュオがはねて,さてタクシーでホテルに帰るかと外に出て,6th Avenue側に向かった時のことである。

私と一緒にいた友人が「クリポタ,クリポタ」と前に歩く男性2人の右側のサックス・ケースを下げた男性の方を指さす。確かにサックス・ケースには,Dave Hollandとの新作"Aziza"のジャケット・デザインのキーホルダーのようなものが下がっている。私は半信半疑だったのだが,聞くのはただ(笑)ってことで,まずは"Hey, Chris"と声を掛ける。その男性が反応したので"You are Chris Potter, Right?"とすかさず聞くと,おぉっ,確かにクリポタではないか。何たる偶然。

それでもって,なんで今頃こんなところを歩いているのかと,"Did you play somewhere tonight?"と聞いたら,"Bar Next Door just around the corner."と言うではないか。事前に情報収集に余念のなかった私は,当然??となったわけだ。その時ははっきり覚えていなかったが,当日のBar Next DoorはJonathan Kreisbergのトリオが出演とWebに書いてある。何も行くものがなかったら,Kreisbergは見るに値すると思っていたが,Chick CoreaとJohn McLaughlinのデュオを予約済みであったので,そちらは今回はノーマークだったわけだ。おそらくは急きょのゲスト出演だったと思うが,それにしても惜しかったなぁと思わされた一瞬である。

ってことで,せっかくのチャンスなので,クリポタとの2ショット写真を撮影である。ついでに,"Why don't you visit Japan once again with Underground?"と言ったら,"If someone invites us."と言っていた。最近はUndergroundでの活動は抑制気味のクリポタであるが,別のバンドでも何でもいいから呼んでくれる人間はいないものか?と思ってしまった一瞬であった。

いずれにしても,クリポタで道にばったりなんてのが,いかにもNYCらしいところである。撮影場所は知っている人は知っているだろうが,West 3rdと6th Avenueのコーナーにあるバスケット・ボール・コートの前である。私の顔にはモザイクをかけるが,いい顔で笑っているわ。それにしても,クリポタが小柄なのには驚いた。どうやったらあんなにパワフルなプレイができるのやら...。

2016年12月13日 (火)

中年音楽狂のNYC夜遊び日記(3):最後の夜はWayne Krantz@55 Bar。

Wk_at_55_bar

NYC出張中のジャズ・クラブ行脚も最終回である。55 Barという店は,なかなかWebサイトを更新してくれないので,誰が出るのかなかなかわからない状態が続いていたのだが,出張1週間ぐらい前になって,ようやくサイトが更新され,帰国前日の12/8にWayne Krantzが出演することがわかり,小躍りしていた私である(爆)。しかもメンツはTim Lefebvre,Keith Carlockの最強,最凶トリオなのだ。これは何を置いても行かねばならない。

55_bar_3ということで,ライブは22時過ぎからなので,余裕を見て私が店の前に着いたのが21時ぐらいだったはずだが,その段階で長蛇の列ができているではないか。前回,NYCに来た時もKrantzのライブは見ているが,その時も人気ぶりには驚かされた(記事はこちら)。あれは決して偶然ではなかったのだ。そして,今回は若干出遅れたと見え,結局1stには入ることができず,店の外で寒風に耐えながら,かすかに聞こえてくるリズムに合わせて足を動かし,身体を温めていた私である。

そして外で待つこと約2時間(マジで寒かった),店内に入って,今回はテーブルをゲット。待っている時間に,立ち話をしていた現地のベーシスト,Jamesと一緒に演奏に臨んだのだが,まさに最強,最凶。今回のNYC滞在におけるハイライトはこの時の演奏だったと断言できる強烈さであった。相変わらずの突然のリズム・チェンジ,メロディ・チェンジの連発,三者三様の暴れっぷりに,もはや私は待っている間の寒さも忘れ,興奮の坩堝へと導かれたことは言うまでもない。こんなライブを眼前でやられれば,人気が出るのが当たり前だと言っておきたい。

Wayne_krantz_i_mosaicTim Lefebvreは最近はTedeshi Trucks Bandのベーシストを務めていて,通常は彼らのツアーに同行しているのだが,TTBの年内ツアーが終了して,こっちに参加できるタイミングに遭遇したのはラッキーだった。Wayne Krantzは最近55 Barのレギュラー出演を再開(一時期,全然出ていなかったはず)していて,だいたい毎週木曜日に出るのが通常パターンである。今回も告知はなかなか出かったが,日本にいるときから,もしかしたら...と期待していたのが,実際見られたというのは本当に嬉しかったし,最高であった。願わくば1stから入りたかったところだが,Rockfeller Plazaのツリー写真を撮りに行って,時間を使ってしまったのは失敗だったかなぁと思いつつ,まぁ聞けただけでもよしとする。

Keith_carlock_i_mosaic_4実は,今回もWayne KrantzのCDを持って行っていたのだが,ホテルに置き忘れるという失敗をしてしまった私だが,せっかくなので,Wayne KrantzとChris Carlockのそれぞれとの2ショット写真を撮ってもらった。モザイクで隠しているが,特にKrantzとのショットは我ながらいい笑顔である。演奏を聞いての満足感が如実に表れているな。ついでにその時に,先日の東京でのライブの話もしたのだが,あまりの客入りの悪さに気を悪くしていないか聞いたのだが,まぁあれはあれで仕方ないよと言ってくれたのにはほっとした。私からは「わかっている人にはわかっているから,あれに懲りずにまた来てね」と言っておいた。

だが,Wayne Krantzという人は,日本のこじゃれたライブ・ハウスで見るよりも,NYCに来て,55 Barで聞くのが一番いいのだということを改めて痛感した私である。そうは言っても,それが難しいのはわかっているので,Krantzが来日したら必ず行くというスタンスは維持し,少しでも彼の音楽をサポートしたいと思った私である。NYC最後の夜を飾るに相応しい夜であった。最高以外の表現が思い浮かばない。その気持ちは下の映像を見たもらえばわかるはずだ。

結局,Krantzたちとの立ち話もしていて,ホテルに帰り着いたのは午前2時,その後の記憶は朝までない(笑)。

Live at 55 Bar on December 8, 2016, 2ndセット

Personnel: Wayne Krantz(g), Tim Lefebvre(b), Keith Carlock(ds)

2016年12月12日 (月)

中年音楽狂のNYC夜遊び日記(2):Chick Corea &John McLaughlinデュオ@Blue Note

Chick_and_john_at_blue_note今回のNYC出張中のライブで,事前に予約をして行ったのがこれである。12/6付の記事にも書いた通り,本当ならば,12/8のReturn to Forever Meets Mahavishnuというエレクトリック・プログラムの方に行きたかったのだが,その時点でそちらはソールド・アウトとなっていた。よって,まだ空きがあったこちらの2ndセットを予約していったのだが,結果的に見れば,12/8に行けていたとしたら,Wayne Krantzが見られないことになってしまっていたから,それはそれでよかったということにしたい。

この2人は5 Peace Bandでの活動もあったし,デュオも以前リリースされたJohn McLaughlinのモントルーのライブ・ボックス(17枚組)の一部として音源は存在するが,なかなかない組み合わせだけに,当日のBlue Noteも開場を待つ長蛇の列が形成される人気ぶりであった。私は比較的早い時間に到着したので,待ち行列では7-8番目ぐらいだったが,ちょっと遅れていたら大変なことになっていた(笑)。

実は私がNYCのブルーノートに行くのはかなり久しぶりのことである。前回行ったのがいつなのかも覚えていない。私はこの店の「商売っ気」や運営ポリシーが嫌いで,できることなら行きたくない店なのだが,今回は例外と捉えてもらえばよい。だが,今回も店に入って,どうしてここまでテーブルの間隔が狭いのか理解できないほどの詰め込みぶり,更にはMusician's Guestsを優遇し過ぎの座席案内等,全然"First Come First Served"ではないではないかと思わせ,全く運営は改善できておらず,やっぱりよほどのことではないと「行きたくない」店だと改めて思ってしまった。まぁ,それはChick Corea~John McLaughlinの責任ではないとしても,やっぱりこの店,嫌いである。同じブルーノートでも東京の方がはるかにましである。ちなみに,私たちの案内されたテーブルに隣接する4人用のテーブル(ステージ側)はChick Coreaのゲスト用テーブルであったが,結局2人しか来ず,私としては視界を邪魔されなかったのはよかったが,それでもやっぱりなってない。ウェイトレスは比較的まともなだけに,もう少し何とかならないものかと敢えて言っておこう。

それはさておきである。Chick CoreaとJohn McLaughlinのデュオなので,私としては当然,McLaughlinはアコースティックでプレイするものと思っていたが,当日はエレクトリックで登場したのは意外であった。そして更に意外だったのが,演奏したのがほとんどがスタンダードだったということである。例外はMahavishnu Orchestraの"Inner Mounting Frame"からの"A Lotus on Irish Streams"だけだったのは本当に意外としか言いようがない。まぁ,これなら正直リハーサルしなくてもできるよなって感じだった。冒頭は"On Green Dolphin Street"からスタートであるが,正直言ってどうもルースな印象がして,まずはウォームアップって感じが強かったが,徐々に調子が出てきたって感じか。当日のセットリストは下記のようなものだったはず。これを見れば多くの人も意外だと思うだろう。

1. On Green Dolphin Street
2. Stella by Starlight
3. All Blues
4. Naima
5. A Lotus on Irish Streams
6. Bemsha Swing
7. My Foolish Heart
8. Solar
9.(Encore) Someday My Prince Will Come

最後の"Someday My Prince Will Come"にはChickの奥さん,Gayle Moran Coreaもジョインしての演奏となったが,スタンダードを弾いても,随所にMcLaughlinの彼らしいフレーズが現れてしまうのが結構笑えた。しかし,どうもこういう曲では,McLaughlinらしいハードな感覚は得にくいとしても,もう少し緊張感があってもいいだろうと思えた。演奏にはほぼ満足しつつも,一方でやや残念に思っていた私である。今,私は前述のモントルーでのデュオ・ライブ(1981年)を聞きながらこれを書いているが,美的な感覚においても,緊張感においても,そちらの方が上に感じてしまったのは告白しておかねばなるまい。

まぁ,今回の演奏はChick Coreaの生誕75周年記念のライブ・シリーズの一環としてのお祭り企画であるから,固いことは言うまい。見られただけでOKと言うべきものということにしよう。と言いつつ,私としては来年3月のElektric Bandでの来日により期待を掛けているってのが正直なところだが(苦笑)。

Live at Blue Note NYC on December 8, 2016, 2ndセット

Personnel: Chick Corea(p), John McLaughlin(g), Gayle Moran Corea(vo)

2016年12月11日 (日)

中年音楽狂のNYC夜遊び日記(1):Nir Felder@55 Bar

Nir_felder_at_55_bar

今回のNYC出張では,初日は渡航前からの風邪で具合がイマイチで,本当は狙っていた55 BarでのAdam Rogersを見逃したものの,2日目から4日目は仕事が終わってから,クラブへ駆けつけるというパターンとなっていた。

今回は宿泊先が珍しくもブルックリンだったので,そうなると当然,クラブもミッドタウンよりもダウンタウンということになり,今回は3夜連続のヴィレッジ通いとなった。その一発目に選んだのが,ギタリストNir Felderの55 Barでのギグである。最近,注目度が上がっているNir Felderとは言え,今回,私がチョイスした理由が,Felderには悪いが,バックを支えるのがAri HoenigとMatt Penmanだということである。実はこの日の55 Barは19時からのアーリー・セットにはBen Monderがトリオで出ていて,こちらも興味津々だったのだが,どうしても時間的に無理なので,22時からのNir Felderのトリオに参戦したのであった。

この日のチャージは$10で,2セット続けて聞いても追加のチャージはないという格安ライブなのだが,55 Barの場合,2ドリンク・ミニマムなので,ドリンク合わせても$35ぐらいで済んでしまうのだ(私はこの日はウイスキー3杯)。チャージの設定からして,Nir Felderの現在のポジションがわかるってもんだが,アルバムを出していても,この値段で聞けてしまうのだから,いい街である。聴衆は,1stセットが30人いたかいないか,2ndは20人ぐらいって感じだと思うが,その程度聴衆でも,一切手抜きはなしである。

_20161210今回,彼らのライブに行くことはほぼ確実と思っていたので,日本からCDを持参していた私である。相変わらず,そういうところはマメなのだが,予習のつもりで日本でこのCDを聞いていた感覚と,ライブの感覚では結構違いがあったように思える。アルバム自体は悪いとは思わないのだが,もう少しダイナミズムがあってもいいかなと思える部分もあった。しかし,ライブではAri Hoenigの煽りが効いていた部分もあるが,私にはアルバムよりはるかによく聞こえていた。大半はアルバムからのオリジナル中心だったと思うが,それらはいかにも現在のNYCらしい,変拍子を多く含んだ曲が多い。楽譜と首っ引きでもちゃんと叩くアリホニに感心しながら,そのタイトさには興奮していた。そこに挟まって演奏されるバップ・チューンがまた普通ではないのである。何せアリホニですから,普通になるわけはないのである(笑)。

_20161210_2Nir Felderは作曲も,フレージングも面白いのだが,それに加えてカッティングの切れ味がいいなぁと思っていた私である。ライブ後にちらっと話をしたところ,風邪をひいているらしく,体調はイマイチだったようだが,そんなことを感じさせない演奏だったと思う。それを支えるMatt Penmanも,アコースティック・ベースでよくもまぁ,あの変拍子や8ビートを弾きこなすものだと感心しきりの私であった。そして,アリホニである。まじでタイトかつ強烈。ドラムス・ソロなんて本当に凄かった。

ということで,本日は当日のライブの模様の写真と,戦利品の写真をアップする("Gloden Age"にはFelderとPenman,James FarmにはPenmanのサイン)が,やっぱり聞ける音楽のレベルが高いよねぇとつくづく思わされたライブであった。そして,Nir Felderのナイス・ガイぶりには本当に嬉しくなってしまった(サインを見てもらえればわかる)。

Live at 55 Bar on December 6, 2016,1st & 2ndセット

Personnel: Nir Felder(g), Mat Penman(b), Ari Hoenig(ds)

2016年12月10日 (土)

中年音楽狂のNYCナイト・ライフ(笑)

Img_6035

今週1週間は今年2度目のNYC出張であった。最近は海外より,国内対応が多く,以前ほど海外に出ることは少なくなった私だが,今年は年初のシカゴから始まり,NYC,ジュネーブ,ロンドン,シンガポール,そしてNYCと6回も渡航するとは思ってもみなかった。

仕事は仕事としてこなした私だが,今回は渡航前に風邪をひいてしまい,咳が止まらず最初はどうなることかと思った。初日は体調がすぐれず,夜遊びは封印し,食事もせずに,デスクワークをこなしながら,部屋で寝ているという状態で,狙っていたAdam Rogersを聞けなかったのは残念であった。しかし,2日目からは55 Bar〜Blue Note〜55 Barと夜な夜な繰り出した私である。

各々見たのは,Nir Felder with Matt Penman & Ari Hoenig,Chick Corea & John McLaughlin,そしてWayne Krantz with Tim Lefebvre & Keith Carlockというラインアップであったが,それぞれについては別途記事にすることにするとして,びっくりしたのはBlue Noteの演奏が終わって帰ろうとしたら,ギグが終わって帰るところのChris Potterにばったり遭遇したことである。こういうことが起こるのがNYCらしい。クリポタが出演するのを知っていたら,そっちも絶対行っていたのにと思ったが,本人に聞いたところによると,Bar Next Doorに出ていたということだったが,その日はJonathan Kreisbergのトリオの出演予定としか書かれていないから,飛び入りのシットインだったってことだろう。

もう一つのびっくりはWayne Krantzの大人気ぶりである。1月に来た時にも感じたことだが,KrantzのNYCでの人気は日本では想像できないレベルである。おかげで,私は1stセットには入れず,寒風吹きすさぶ中,外で2時間待つということになってしまった。それでも待つに値する演奏を聞かせてもらったので,よかったと思っている。

ということで今日はWayne Krantzのギグの模様をアップしよう。やっぱりNYCは最高の街だと改めて思った4日間であった。ということで,次は日本から。

2016年12月 6日 (火)

中年音楽狂,またもNYCへ向かう。

この記事がブログがアップされる頃には,私はNYCに到着しているはずだ。今年は結構海外出張の機会が多かったなぁと思えるが,まさか年に2回NYCを訪れるとは思わなかった。

もちろん,仕事での出張なので,仕事は仕事であるが,せっかく師走のNYCを訪問するのだから,ロックフェラー・センターのツリーは見に行くだろうし,それよりも何よりも夜はジャズ・クラブ行脚する気満々の私である(爆)。

完全に今回の出張中は「ギタリスト週間」ということになりそう(っていうか,もう狙いは定まっている)だが,それについては改めてご報告させて頂くこととしよう。その中で,既に予約を済ませているのは12/7のChick Corea~John McLaughlinのデュオ@Blue Noteである。本当ならば,その翌日のエレクトリック・セット("Return to Forever Meets Mahavishnu")に行きたかったのだが,出張が決まった段階で既にソールド・アウトだったので,まだ空きがあったこっちにした。まぁこんなデュオを聞けるのも滅多にないことなので,思い切り堪能してきたいと思う。もちろん,仕事優先で...(笑)。ほんまか?(爆)。ってことで,次はNYCからのレポートをアップできればと思う。

2016年12月 5日 (月)

Chris Thile & Brad Mehldauのデュオ・アルバムに関する情報

Chris_thile_brad_mehldauNonesuchレーベルのWebサイトを見ていたら,Punch Brothersのマンドリン奏者,Chris ThileとBrad Mehldauのデュオ・アルバムに関する告知が出ているのだが,そこにLP版にはFiona Appleの"Fast As You Can"がボーナス・トラックとして収録と書かれている。となると,Brad Mehldauのコンプリートを目指す私としては,これはLPを入手しないといけないってことだなぁ。おそらくCDも買ってしまうだろうが,無駄遣いだと思いつつ,こればかりはやめられないのである。

このアルバム,現状では"Scarlet Town"の一部がWebサイトで試聴できるだけだが,そこではBrad Mehldauが歌っているのが明らかになっている。彼らの演奏の映像を見れば,Mehldauが歌っているのはわかっていたが,本当にいろいろやるなぁ。改めて,彼らのブート音源でも聞いて,来年1月27日のアルバム・リリースを待つことにしよう。

尚,"Scarlet Town"については,Nonesuchの公式映像があるので,そちらも貼り付けておこう。

2016年12月 4日 (日)

David Virellesの10インチ盤:なぜこれが突然ECMからリリースされるのか,全くの謎だ。

"Antenna" David Virelles(ECM)

Antennaブログのお知り合いの工藤さんが情報をアップされていて,そのリリースを知ったDavid Virellesの10インチEPである。6曲,22分しか収録されていないこのアルバムについては,これがなぜECMからリリースされるのかは全くの謎である。

プロデュースはDavid Virelles自身とアルバムにも参加しているAlexander Overingtonが行っており,Manfred EicherもSun ChungもSteve Lakeも一切関わっていない。そして,このジャケット・デザインである。全くECMらしくないのである。また,David VirellesのECM初リーダー作である"Mboko"とも全く雰囲気が違っていて,私としては戸惑ってしまったというのが正直なところである。

音楽としても,かなりアバンギャルドあるいは実験的な感覚が強く,そうした音源が,わざわざ10インチEPという,現在では極めて特殊なフォーマットでECMからリリースされる理由が理解できないのだ。まぁ,これは保有していることに意義があるって感じなのかもしれないが,ECMとしては極めて異色のリリースと言わざるをえない。ただ,通常のECMリリースとのギャップが大き過ぎて,正直あまり評価できない。星★★ぐらいで十分だろう。

Antenna_labelちなみに,本作の製造は米国で行われていて,Distributed and Marketed by ECM Recordsとある。かつ,レーベル・デザインも通常のECMとは異なっているので,ますます謎は深まるばかりである。まぁ,何らかのコネがあったんだろうとしか言いようがない。

尚,クレジットにパーカッションとして記載されているLos SeresとはDavid Virellesによりプログラミングされた架空のパーカッション・アンサンブルなので,念のため。

Personnel: David Virelles(p, org, el-p, prog, sample), Alexander Overington(electronics, sample, cello), Henry Threadgill(as), Román Díaz(vo), Marcus Gilmore(ds, MPC), Rafiq Bhatia(g), Etián Brebaje Man(vo), Mauricio Herrera(perc), Los Seres(perc)

2016年12月 3日 (土)

出張中に見た映画(16/11編):最終回は「二つ星の料理人」

「二つ星の料理人("Burnt")」('15,米)

Burnt監督:John Wells

出演:Bradley Cooper,Sienna Miller,Daniel Brühl,Uma Thurman,Emma Thompson,Alicia Vikander

先日のシンガポール出張の復路(深夜便)で見た2本目(都合4本目)の映画である。正直,あまり見たい映画がない中でチョイスしたこの映画,見るからに地味な感じはするが,レストランの裏側を描いていて,期待しなかっただけに,面白く見られた。話はありがちである。挫折したシェフが捲土重来を期すが,その過程で生じる軋轢,恋愛,料理,そしてレストラン業界の裏側を描いている。そういう意味ではこれほどありがちなシナリオもあるまいと思えるが,Bradley Cooper演じるAdam Jonesがロンドンに出てくる前に,100万個の牡蛎むきを自分に課すところは笑えた。

この映画,Bradley Cooperは達者にやっていると思えるが,実は脇を固める役者の方が私には魅力的に映った。Bradley Cooperの元カノを演じるAlicia Vikanderなんて,出番は少ないが,実は結構な儲け役だし,レストランのオーナーを演じるDaniel Brühlなんて,よくできた造形だと思える。それに比べると,Bradley CooperやSienna Millerがやや平板な感じがしてしまうのだ。

ミシュランのくだりは,本当にそうなのかねぇと思わせる部分もあり,これが事実だとしたら,すぐにばれるじゃんなんて思っていた。まぁ,これはフィクションってところだろうが,いずれにしても,レストランの厨房が戦場のようなものであることは,とある学生時代のバイト経験(敢えてその内容は秘すが,決して怪しいバイトではない:きっぱり)で承知していたが,ここまでは激しくなかったような気もするなぁ。

いずれにしても,深夜の寝ぼけ眼で見た割にはきっちりエンド・ロールまで見てるんだから,私も好きだねぇと思わざるをえない。まぁ助演陣を評価して,星★★★☆ぐらいとしておこう。

ということで,来週にはまた海外出張を控える私だが,今度は何本見るのか?(笑)

今度は更に長距離だから,往復で最低6本がノルマだな(爆)。

2016年12月 2日 (金)

ECM「積んどく」シリーズの3枚目はMarkus Stockhausen & Florian Weber。

"Alba" Markus Stockhausen & Florian Weber(ECM)

AlbaECMの未聴盤掘り起こしシリーズの3枚目である。春ごろに出たアルバムを今頃取り上げているのもなんだかなぁ...。それはさておき,Markus StockhausenはECMにも何枚かアルバムを残しているが,ECMからのリリースは2000年に出た"Karta"以来のことだから,随分と久しぶりになったものだ。

今年出たECM作品では同じ編成でのWadada Leo SmithとVijay Iyerのデュオってのがあったが,随分と感じが違うと思わせるのが,いかにもECM的である。静謐と躍動をうまくミックスしながら,想定以上にメロディアスだったのが新鮮であった。Karlheinz Stockhausenの息子だけに,こっちが身構えているだけって話もあるが(笑),こんなラッパだったっけ?と思ったのも事実である。

しかし,それ以上に効いていると思わせるのが,Florian Weberのピアノである。この人の名前はどこかで聞いたことがあるが,このブログの記事にはしていないので,勘違いかもしれないが,なかなかのテクニックを持った美しいピアノを弾く人である。タッチもクリアで,この人の実力は侮れないと思った。

いずれにしても,これって典型的なECMサウンドと言ってもよい作品であり,昔からのファンでもこれは結構嬉しくなる作品である。せっかくだからMarkus Stockhausenの作品を聞き直してみるか。いかに自分がちゃんと聞いてないかバレバレになりそうでこわい...。いずれにしても,抒情性もあって,これは好きだなぁ...。もっと早く聞いておけばよかった(爆)。星★★★★☆。

Recorded in July, 2015

Personnel: Markus Stockhausen(fl-h, tp),Florian Weber(p)

 

2016年12月 1日 (木)

心和ませるLars Janssonのセルフ・カヴァー集(新曲もあり)。

"More Human" Lars Jansson Trio(Spice of Life)

_20161126_2_2先日記事をアップしたJim HallとRed Mitchellのデュオ盤を仕入れようと思って,ショップに行ったときに併せて購入したアルバムである。Lars Janssonが自作を再演した新作ということで,これは間違いないということで迷うことなく購入した。

ジャケを飾るのはJanssonの孫のHildaちゃんの絵,バック・カヴァーにはそのHildaちゃんが絵の制作中の写真となっているが,こんな可愛い孫では,Janssonが「ジジバカ」ぶりを炸裂させるのも当然と言いたくなる。マジで可憐だ(笑)。

_20161126_3そんな愛に溢れたアルバムであるが,演奏はやはりというか,Lars Janssonの素晴らしくも美しいオリジナルに思わず心も和む作品となっている。ライナーにJanssonが"I thought it would be a challenge and fun to make a ballad CD with some songs my listners have liked throughout the years."と書いているように,基本的にミディアム・テンポ以下で演奏されるが,リスナーの心を理解した選曲ってことになると言える。とにかくいい曲を書く人だと改めて思わされる。収録曲では"Window Towards Being"からが4曲と一番多く,私はそのアルバムは保有していないはずだが,これを聞いたら欲しくなってしまうこと必定ではないか(笑)。

それにしても,心温まるというか,緊張感などとは全く対極にある音楽であり,ここまでいくとヒーリング効果が期待できるのではないかとさえ思ってしまう。おそらく,こういう音楽を受け入れがたいジャズ・ファンってのも世の中にはいるだろうが,大多数の音楽のリスナーには何の抵抗もなく受け入れられるであろう作品である。BGMとしてもいいし,ちゃんと鑑賞してもいい音楽であり,様々なシチュエーションにフィットしてしまう音楽である。これを聞いて嫌いな人ってあまりいないだろうと思わざるをえない佳品。星★★★★☆。

Recorded on March 26 & 27, 2016

Personnel: Lars Jansson(p), Thomas Fonnesbaek(b), Paul Svanberg(ds)

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