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2016年12月30日 (金)

2016年の回顧:ジャズ編

今年の回顧もこれが最後である。恒例に従い,今年も最後はジャズで締めることにさせて頂こう。

Charles_lloyd今年もいろいろなアルバムが出た中で,私の中でECMレーベルの作品が大きな位置を占めていることは間違いないが,実はECM以外の作品が私の中では今年の第1位である。それはCharles Lloydの"I Long to See You"である。私はこのアルバムを聞いた瞬間,電撃のようなものが走ったと言ってもよいぐらいなのだが,このアルバムに込められたメッセージ性が私を大いに感動させてくれたと言える。その感覚が忘れられない。このアルバムを吹き込んだメンバー(Greg Leiszを除く)で来日することがアナウンスされた時,私はすかさず予約したのであった。ライブでどういう演奏を繰り広げるのかも楽しみであるが,このアルバムで聞かせてくれた世界を再現してくれることが今から待ち遠しい。

I_wish_i_knew感動度という観点では,五十嵐一生と辛島文雄のデュオ作"I Wish I Knew"を忘れてはならない。このアルバムを聞いて,私はこのブログに「激しさはないが,その代わりに,何とも言えない滋味,味わいがある。闘病中の辛島を気遣う五十嵐というところもライナーからは感じられたわけだが,辛島文雄が生み出す音楽は,ミュージシャンとしての気魄を感じさせるものとなっていて,それが感動を誘うと言いたい。」と書いたが,あまりに感動してライブも見に行ってしまったぐらいである。ライブも素晴らしかったが,今年,最も印象に残っているアルバムの一枚と言ってよい傑作。

Carla_bleyそして,ECMレーベルである。私のブログの右側には★★★★☆以上の新譜を推薦盤として掲示しているが,ここにどれだけECMレーベルの作品が載っているかを見て頂ければ,私のこのレーベルへの信頼度がわかるというものである。裏を返せば,ECMがApple Musicのようなストリーミングに対応していないので,ディスクを買わざるを得ないということもあるわけだが,それでもこれだけ上質な音源を出されては文句はない。

その中でも特に感動的だったのがCarla Bley~Andy Sheppard~Steve Swallowの"Andando el Tiempo"と菊地雅章の"Black Orpheus"の2枚である。前者については,同じメンツによる前作"Trios"も高く評価した私であるが,本作はそれさえ上回ると思わせた深遠な美学を大いに評価したい。

Kikuchi菊地雅章の"Black Orpheus"は,亡くなった菊地雅章をManfred Eicherが追悼する意味を込めてリリースしたと思っているが,実際の菊地のピアノの音からECM色に染まったものとしていることに批判もあるのは承知で,記事にも書いたように,『超スロー・テンポで演じられるタイトル・トラックの「黒いオルフェ」の放つ音の深みを聞けば,身じろぎもせずにこの音楽に対峙しなければならないと思わされてしまう。』という感覚を与えるに十分な感動作である。私はむしろECM的な音響処理によって,音楽としての訴求力は高まったと考えているクチである。

Multitude_of_angels今年のECMではこの2作がダントツだと思っているが,Tord Gustavsenの"What Was Said"も素晴らしかったし,Vijay IyerとWadada Leo Smithのデュオ"A Cosmic Rhythm with Each Stroke"も優れた作品だった。そして忘れてならないのはKeith Jarrettが病魔に倒れる前に残していた音源集"Multitude of Angels"である。これらの作品はECMレーベルの凄さを感じさせるに十分なものであった。とにかく,出てくる音源の質の高さは驚異的であり,当然のことながら"Label of the Year"はECMをおいてほかにない。

加えて,今年,私にとって嬉しかったのはBrad Mehldauのアルバムが2枚リリースされたことである。トリオ作"Blues and Ballads"は,まぁこの人たちとしては水準の出来とは思うが,求めるレベルが違うだけに彼らも大変である(笑)。アルバムの質としてはJoshua Redmanとのデュオ作"Nearness"に軍配が上がると思うが,ほぼ同質の演奏を東京のライブでも聞かせていたのだから,やはりこの人たちはレベルが高い。そのほかにもWarren WolfやWolfgang Muthspielのアルバムへの客演が聞けたので,Mehldauの追っかけとしてはかなり充実した1年だったと言えるかもしれない。来年早々には,Punch BrothersのChris Thileとのデュオ作が控えており,来年もBrad Mehldauからは目が離せない。

今年は発掘音源にも,Jim Hall~Red Mitchell,Stan Getz,Bill Evans等,いいものが多かったし,新作でもFred Herschが相変わらず優れた作品を届けてくれて,なんだかんだ言いながら充実した1年だったように思う。Fred HerschはCotton Clubにおけるライブが素晴らしかったのもいつも通り。また来年(次はソロだな...)も来てくれることを祈りたい。

こうして見てみると,今年の私のチョイスにはあまり刺激的な音源が入っていないことがわかるが,私はそっち方面は完全にライブで補っているってことで...(笑)。来年3月のChick Coera Elektric Bandのライブに行こうとしているのはその証。

 

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コメント

チャールス・ロイドの新譜、ピーター・バラカン氏もベスト3にどこかのWebであげていました。私もベスト10までやっていたら、入っていただろうと思います。

ベスト3だと私の場合、ECMはもれがちになるのですが、今年は次点でドカッと出てしまいました。全部追っかけをそろそろやめにしたい今日この頃ですけど、クォリティの高さに救われている面はあります。来年はどうなるか楽しみでもあります。

来年もよろしくお願いします。

910さん,おはようございます。TBありがとうございます。

Charles Lloydは最初に聞いた時の印象がずっと強くて,それがこの結果につながっているという気がします。それにしてもECMは凄いレーベルですよねぇ。なんでもありみたいな気がする一方,一定のクォリティを下回ることはまずないというのはまさに恐るべしです。

ということで,本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。よいお年を。

ジャケが出ている5枚のうち2枚が未聴でした。

Keith Jarrettの4枚組はけっこうそそられています(未購入)が、
五十嵐一生と辛島文雄のデュオ作は、あまりしっかりチェックしていなかったのですが、試聴すると凄みを感じるものがありますねぇ。


TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
来年もよろしくお願いいたします。

oza。さん,こんにちは。TBありがとうございます。

皆さんのベスト作を拝見していると,ブロガーの皆さんの個性って出てくるなぁって思えます。今年の私のチョイスはガツンとくるタイプの音楽がないのが特徴的ですね。入れるなら"Aziza"あたりだと思いますが,私のLionel Louekeアレルギーもあり,ベストには選出しませんでした。でも星★★★★☆はつけていますけど...(笑)。

ということで,来年もよろしくお願いします。よいお年を。

閣下、トラバありがとうございます。

キース以外は最後まで迷ったアルバムです。
この中でダントツに良いと思うのはチャールス・ロイドです。
なぜに残らなかったのかはわかりませんが。

わたしは、、年々、CDが増えてるんですよ。
ジャズと呼ばれる音楽に垣根がなくなったことが原因の気もしますが、、
でも、その辺はあまり買ってない気もするんですね。

来年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
普段は重なるのに面白いように違いましたね。そしてどちらを選んでもおかしくないような違い、ロイド大好きです。これから聞きます。
TBさせえいただきます。
来年もよろしくお願いします。

音楽狂さん、こんにちは。

今年は新譜をほとんどチェックできていませんが、音楽狂さんをはじめ皆さんの記事を拝見していると、スタイルの進化より、作品としての深みが増した作品が多かったように感じます。中でも辛島さんのは過去の作品にはないある境地に達せられたもので感動的でした。

今年もありがとうございました。2017年もよろしくお願いします。

Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございます。

Charles Lloydはもう少し皆さんの評価が高いかなぁなんて思っていましたが,まぁ感覚的な違い,その折々の感覚っていうのもありますよね。私はあくまでも第一印象重視でした。

それにしても,CDが増えているというのは凄いです。私は最盛期に比べれば購入枚数はかなり減っていると思えますが,今までが買い過ぎだったってことにしたいと思います。そもそもショップにも行かなくなっていますので,皆さんの情報をもとに,極力厳選する,あるいはApple Musicで試聴してから決めるというスタンスで臨みたいと思います。と言いつつ,ショップに行くとついつい買っちゃうんですが(笑)。

ということで,本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。よいお年を。

monakaさん,こんにちは。TBありがとうございます。

本当に今年は選盤に結構違いがあって面白かったです。Pat Methenyは実は映像すらまだ見ていませんでした(封も切っていません:笑)。って言うより,映像ってあまり見ないですよね。ってことで,慌ててCDを買ってしまいました(爆)。

私の場合,Charles Lloydはアルバムのコンセプトに惚れちゃったんだと思いますが,いかにもアメリカ的な音もあり,私のツボでした。

ということで,本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。ライブ会場でお会いするのを楽しみにしております。よいお年を。

とっつぁんさん,こんにちは。

今年は皆さんとベスト作があまりかぶらないというのは,今までにないことでしたが,それでも自分の中では納得のチョイスと思っています。おっしゃる通り,私が選んだアルバムは「深み」を感じさせるアルバムが多いのが目立ち,ジャズ的な興奮とはちょっと違う世界に行っているなぁって感じですね。

ともあれ,今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。よいお年を。

今年も宜しくお願い致します。
チャールズロイド私も聞いて良いアルバムだと思いました〜
これがベスト1でしたので、嬉しくなって書き込みしました

takeotさん,こちらこそ本年もよろしくお願いします。

このCharles Lloydのアルバムは演奏そのものもそうですが,アルバムのコンセプトが素晴らしかったと思っています。来週には来日するLloyed一行ですが,どういう演奏を聞かせてくれるか非常に楽しみです。

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