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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2016年2月29日 (月)

Bonnie Raittの新譜がすこぶるよい。

"Dig in Deep" Bonnie Raitt(Redwing)

Dig_in_deep昨今はApple Musicで試聴してからCDを購入するということが随分増えた私だが,それでも新譜情報を入手すると無条件に発注/入手してしまうミュージシャンもいる。Bonnie Raittもそんな人である。一時期,私が彼女への関心を失っていたのも事実なのだが,前作"Slipstream"の出来もよく,またまた彼女への信頼度が私の中で上がったこともあり,このアルバムを発注したのも,ネットに新譜情報がアップされた直後のことであった。

そして,デリバリーされたアルバムを早速聞いてみたのだが,これがロック心溢れるナイスなアルバムであった。前作でも4曲をプロデュースしたJoe Henryプロデュースによる1曲を除いてBonnie Raitt自身がプロデュースしているが,前作に増してロックを感じさせるのである。

私はTedeschi Trucks BandのSusan TedeschiとBonnie Raittの声に近しいものを感じているが,Tedeschiを更にハスキーにした感じのBonnie Raittが,Tedeschiよりはるかに年長にもかかわらず,よりロックしているのが何とも心地よかった。ルーツ・ロック的と言ってもよいが,非常にパワフルなのである。60代も半ばを過ぎたとは思わせない姉御ぶりの前では,Susan Tedeschiがまだまだ小娘に思えてくる(爆)。

終盤2曲はしっとり歌い上げて,余韻を残す作りというのもよく出来ていて,私は前作同様もしくはそれ以上に評価したくなってしまう作品である。いつものようなフレーズで恐縮だが,アメリカン・ロック好きならば,間違いなくこのアルバムは気に入るはずである。星★★★★☆。

Personnel: Bonnie Raitt(vo, g), George Marinelli(g, mandolin, vo, perc), Joe Henry(g), Bill Frisell(g), Greg Leisz(g), Mike Finnigan(p, org, key), John Clearly(key, vo), Patrick Warren(p, el-p, org), James ”Hutch" Hutchinson(b), David Pilch(b), Ricky Fatar(ds), Jay Bellrose(ds), Arnold McCuller(vo), Maia Sharp(vo), Paul Brady(vo)

2016年2月28日 (日)

祝再発!Niels Lan DokyとBob Bergの共演ライブ。しかも1,080円って...。

The_truth昨今は,こんなものまでというようなアルバムが続々と廉価でリリースされ,大人買いをしている人も結構いるのではないかと思うが,正直言って,いいものもあれば駄盤もあるというのは当たり前である。だが,本当に内容は素晴らしいのに,市場から消えていたアルバムが再発されるというのであれば,それは大変結構なことである。Niels Lan Dokyの"The Truth: Live at Montmartre"なんてその最たる事例だ。

以前,私はこのアルバムについての記事をアップしたことがある(記事はこちら)が,私はこのアルバムが欲しくてたまらなかったのだが,なかなか手に入らなくて,まずはダウンロード音源で入手し,その後中古盤をゲットしたのであったが,それが1,080円で手に入るのだからいい時代である。ダウンロード音源も結構高かったし,中古盤も相応の価格でゲットした身としては,まさに微妙なのだが,それでもこのアルバムが多くの人の耳に触れるのであれば,喜ばしいことである。

私としては,今回の「ストーリーヴィル・オリジナル・アルバムズ・ストレイト・リイシュー・シリーズ」ではこれが目玉だと言ってもいいぐらいだ。

ということで,さぁ,皆さん,このアルバムは買いましょう。そしてBob Bergの吹く"I Thought About You"に痺れましょう(笑)。3/23リリースをお楽しみに。

2016年2月27日 (土)

Apple MusicでGonzalo RubalcabaによるCharlei Hadenトリビュートを聞く。

"Charlie" Gonzalo Rubalcaba (5 Passion)

Charlie一昨年亡くなったCharlie Hadenとの共演歴を持つGonzalo Rubalcabaは,昨年Blue NoteでもCharlie Hadenに捧げるライブ演奏を行っているが,ダウンロード・オンリーながら,同主旨のアルバムもリリースしていたようである。昨年の後半リリースなので,新譜扱いとさせてもらおう。

この作品,Charlie Hadenのオリジナルをメランコリックに演奏していて,Charlie Hadenを偲ぶという印象が強く表れたものとなっている。詳細のメンツに関するクレジットはないが,ネット上での情報によれば,来日メンバーであるWill Vinson,Matt Brewer,Marcus GilmoreにAdam Rogersを加えたものらしい。せっかくいいメンツで,いい演奏をしているんだし,ジャケにはナイスなポートレートを使っているんだから,フィジカルな媒体で出せばいいのにと思ってしまうが,彼には彼の考え方があるのだろう。

いずれにしても,"Blue in Green"を除く全曲をCharlie Hadenの曲で構成し,かつ"First Song"で始まり,"Silence"で締めるって展開にはしびれるねぇ。とにかく試聴環境のある方は,一度お聞きになる価値ありの音源だと思う。クレジットは必ずしも正しいかはわからないが,上の情報が正しいとすれば,Charlie Hadenの代役としてのMatt Brewerの活躍は光っているし,いい音を出している。ダウンロードだけなので星はつけないが,見逃すには惜しい,かなりいい作品である。

Personnel: Gonzalo Rubalcaba(p),Will Vinson(as), Adam Rogers(g), Matt Brewer(b), Marcus Gilmore(ds)

2016年2月26日 (金)

非常にユニークなワインの話

Photo_3私はワイン通でもなんでもないのだが,しょっちゅうお邪魔している新橋のテナーの聖地,Bar D2で月例のワイン会に参加させて頂いていると,摩訶不思議なワインに出会うことがある。以前,このブログでも取り上げたシチリア産の"MAGMA"が今までで最もインパクトが強かったものと言ってよい(記事はこちら)が,今度は白ワインで,まさに何じゃこれは?というワインをご紹介頂いた。

今回は,新潟のワイナリー,l'escargotのシャルドネだったのだが,MAGMAが出汁のような感覚を与える赤ワイン(笑)だったとすれば,これは梅干しについてくる紫蘇風味と言えばよいだろうか?とにかく一口飲んだ瞬間,私は「何じゃこりゃ~」と松田優作モードになってしまったのだが,とにかくびっくりしたというのが正直なところである。同ワイナリーのWebサイトによれば,「当社のシャルドネは果実が鼈甲色になった頃収穫することでトロピカルな印象の仕上がりになっております」ってことだが,とにかく私には紫蘇の感覚が芽生えてしまったが最後,トロピカルなんて印象(あるいは一般にシャルドネに期待するような感じ)は皆無で,紫蘇としか思えなくなってしまったのであった。実はMAGMAは昨年末に二度目の経験をさせて頂いていて,初回のようなびっくり感は薄れていたところにこれだったので,正直驚いてしまった。

だからと言って,それが悪いと言っているのではない。これがはまってしまうのである。例えとしては適切ではないかもしれないが,北海道産のじゃがいも焼酎を飲んだ時の一杯目は強烈でうっとなるのだが,二杯目以降はどんどん進んでしまうのと似たような感覚があった。いやぁ,国産ワインにもいろいろあるねぇと感心してしまった私である。ってことで,今日は完全な番外編モード(笑)。いやぁ,それにしてもワインの世界もジャズ同様奥深いねぇ...。

2016年2月25日 (木)

RCAからリリースされたManfred Eicherプロデュース,Keith Jarrett伴奏によるヘンデルのリコーダー・ソナタ

"Handel: Recorder Sonatas" Michala Petri & Keith Jarrett(RCA)

Michala_petri随分前のことになるが,このブログでKeith Jarrettが弾くヘンデルの鍵盤組曲をほめたことがある(記事はこちら)。そこに聞かれるのは軽快な感じのヘンデルであって,こういうのってなかなかいいよねぇと思っているのだが,そのアルバムを聞く契機になったのが実は本日ご紹介のアルバムであることはそっちの記事にも書いた。

そもそも私はヘンデルの音楽がかなり好きなクチなので,大概はOKみたいになってしまうのだが,ここでの演奏の心地よさは抜群である。Keith Jarrettのハープシコードが出しゃばらないで,楚々とした伴奏に徹しているのも心地よい。そして,ここでも感じられる軽快さは,デンマーク出身のMichala Petriがモダン・リコーダーを吹いているからという気がしないでもない。いずれにしても,クラシック音楽のファンでなくても,この心地よさは理解してもらえるはずである。

このアルバムを私が改めて(かつ唐突に)取り上げるのは,(前々からわかっていたことなのだが,)RCAレーベルへの吹き込みであるにも関わらず,ECMの総帥,Manfred Eicherがプロデュースしているからである。EicherがECM以外でどれぐらいプロデュース経験があるのかはわからないのだが,今ならECM New Seriesで出しているはずのこうしたレコーディングが,RCAから出たのは非常に不思議な感じがする。そもそも,このアルバムがリリースされた時にもNew Seriesはあったはずである。もちろん,Michala Petriが当時RCA専属だった(であろう)からという理由もあるかもしれないが,それでも敢えてEicherがプロデュースしたということは,Eicherが彼女を相当高く評価していたからだと考えるべきではないかと思えてくるのだ。そして,録音されたのはKeith Jarrettの個人スタジオであることを考えれば,Keith経由で彼女を知ったEicherがプロデュースも買って出たってところか。

いずれにしても,現在であれば,間違いなくECM New Seriesから出ても何の不思議もない演奏である。そして,すこぶる出来がよく,ここでのKeith Jarrettの伴奏のうまさは特筆ものである。彼とヘンデルは相性がいいのかもなぁと改めて思った一枚である。私のヘンデル好きともマッチしてこれはかなり好きだなぁってことで,星★★★★☆。

Recorded on June 1-3, 1990

Personnel: Michala Petri(recorder), Keith Jarrett(harpsichord)

2016年2月24日 (水)

なんだかんだ言いながら買ってしまう上原ひろみなのだが...。

"Spark" 上原ひろみ(Telarc)

Sparkいきなりではあるが,私は上原ひろみを全面的に支持しているわけではない。彼女が「参加」したStanley Clarkeのアルバムがグラミーを受賞した際に,アホなメディアに踊らされて,あたかも自分が受賞したかのような調子でインタビューに答えているのには辟易とさせられた時の印象が悪いってこともあれば,アルバムも大体買うものの,いつもの調子って感じの一本調子感は否めないので,別に私は彼女の音楽には思い入れはほとんどないと言ってもよいのだ。だったらなんでわざわざCDを買うのよという反応が返ってくることは間違いないが,メンツを固定したTrio Projectの演奏においては,いつものように私はSimon Phillips買いなのである。

今回も,変拍子ビシビシの強烈な演奏が繰り広げられていて,あぁ,いつものTrio Projectだねぇと思うわけだが,"Alive"でも同じようなことを書いたように,もはやこれってプログレの世界だよなぁと今回も思ってしまった。相変わらずリスナーを圧倒するテクニック,スピード感は彼女ならではの魅力と言ってもよいし,これならばロック好きのリスナーも囲い込めると思うのは事実である。私のような雑食系音楽リスナーはロックであろうが,なんだろうがわけ隔てがないので,こういう音楽も全く問題なく受け入れられることは間違いない。だが,いつも思うのは,どうしても私は上原ひろみの没入することができないということだ。あぁ,今回も凄いのねぇと思うわけだが,高揚感をおぼえることはまずないと言ってもよいだろう。これだけの音楽を聞いていても「燃えない」のである。

これはもはや私の音楽的な嗜好とのアンマッチなんだろうなぁと言わざるをえず,例えば,どうしてもTigran Hamasyanが好きになれないのと同じ感覚である。Tigran Hamasyanほどの拒絶感はないが,上原ひろみの音楽にはやっぱりのめり込めないというのは今回も同じであった。まぁ,よくやるわぁ,うまいわぁ,激しいわぁという感覚はあるから,感心はしているのだが,もうお腹いっぱいって感じである。私はTigran Hamasyanのアルバムはもう買わないと決めた(だから,彼がECMからアルバムをリリースしても,それは買っていない)が,上原ひろみもこれで打ち止めかなと思ってしまう。でもなぁ,結局Simon Phillipsとやっている限り買い続けてしまうのかもしれないが...(苦笑)。星★★★☆。

Recorded on October 9-12, 2015

Personnel: 上原ひろみ(p, key),Anthony Jackson(b), Simon Phillips(ds)

2016年2月23日 (火)

出張中に見た映画(16/01-02編):その3は国の恥部を告発する「顔のないヒトラーたち」

「顔のないヒトラーたち("Im Labyrinth des Schweigens")」('14,独)

Photo監督:Giulio Ricciarelli

出演:Alexander Fehling,André Szymanski,Friederike Becht,Johannes Krisch

出張中に見た映画の3本目がこれである。往路は今回は珍しくも3本だけであったが,こういう重苦しい映画を見てしまうと,複雑な心境になってしまったことは間違いない。この映画はアウシュビッツにおけるナチスによる戦争犯罪を裁く裁判に至る経緯を描いたドラマであるが,終戦からある程度の期間がたち、人々の関心が「アウシュビッツの悲劇」ですら薄れてしまうことを描いている。ある意味「のど元過ぎれば何とやら」って感じで,「記憶の風化」は避けられないとしても,それを忘れてはならないということをテーマにしている。

これは実話に基づく話であるから,検察官が受ける圧力等が本当にあったことを思うと恐ろしい一方,その重々しさは半端ではない。2本目に見た「テッド」との落差が大きすぎて(苦笑),一層にそういう風に感じてしまった部分もあるが,普通の状態で見てもどっと疲れが出る映画だと言ってもよい。

非常にまじめに作られていて,いかにもドイツらしいって気もするが,いずれにしても,過去に起こった犯罪,それも同胞によって引き起こされた犯罪であっても,それを風化させてはならないというメッセージは明確。どこかの国の政治家に見せてやりたいと思うのはきっと私だけではあるまい。映画の持つメッセージ性を評価して,ちょっと甘めの星★★★★。但し、機内エンタテインメントにはちょっと不似合いであり,何回も見たいと思う映画ではないなぁ

2016年2月22日 (月)

またまたブート音源の話:Pat Metheny Groupのリハーサル音源?

"Tokyo Garage" Pat Metheny Group(So What!)

_20160220_2昨日,Carrefour Saxophone QuartetのMetheny集の記事をアップしたばかりのところで,本家Pat Methenyについてである。しかしながら,先日のKeith Jarrettに続いて,またまたブート音源の話で申し訳ないのだが,これは最近ゲットしたPat Metheny Groupによるスタジオ録音音源である。

この音源,どこで録られたか不明となっているが,日本国内のスタジオで繰り広げられたライブのリハーサル音源と思われる。調べてみると,PMGは1980年4月にECM10周年記念コンサートという名目で来日しているので,それに向けてスタジオでリハーサルしたって感じであろう。そのためか,ライブに向けたかなりマジな演奏が展開されていて,実際のライブ音源と比べても全く遜色がないばかりか,各楽器がライン録音されていて,極めてまともな音質である。収録時間こそ35分程度と短いが,これはPatファンにとっては見逃せない音源と言ってもよいように思う。

だが,ブートはブートなんで,あまり大手を振ってご紹介できるものではないのは承知した上で,36年前に録音された割には,テープの状態が完璧と思える。そして,長年のファンにとっては結構懐かしい"(Cross the) Heartland"みたいな曲が入っていて,更には公式にはレコーディングがされていないはずのKeith Jarrettが書いた"The Windup"も入っている。私がPMGのアルバムを初めて買ったのはECMの"Pat Methenyy Group"だったが,ライブに初めて行ったのは大学に入ってからの1983年だったはずである。その時にはMark Eganは抜けていたが,Mark Egan入りのPMGはそれなりの魅力があったと思っているから,ここでの演奏は"PMG"から"American Garage"を想起させて本当に懐かしい感じなのである。リズムのカウントとかも昔はそうだったよねぇっ思ってしまった。

私とPat Methenyの音楽との付き合いも長くなったものだと思うが,やっている音楽には変遷はあったとしても,第一線での活躍を続けているってのは凄いことだなぁと改めて思ってしまった。ということで,よいこの皆さんにはお勧めしないが,知っておいて損はない(きっぱり)。

Recorded on April 20, 1980

Personnel: Pat Metheny(g), Lyle Mays(p, key), Mark Egan(b), Dan Gottlieb(ds)

2016年2月21日 (日)

サックス・クァルテットによるPat Metheny集というユニークかつ面白い取り組み

"Have You Heard?:Plays the Music of Pat Metheny" Carrefour Saxophone Quartet

_20160220新潟ジャズ界のパトロン(笑),スズニカ伯爵夫人ことSuzuckさんが強烈にプッシュするCarrefour Saxophone QuartetによるPat Metheny集である。このジャケを見た時には,思わず「おぉっ!」となってしまったが,まぁ私にはこのショッキング・ピンクは似合わないなぁと思いつつ,なかなかにおしゃれである。しかも大判サイズ(昔のシングル盤サイズだな)だし。

それはさておきである。この人たちは広島在住らしいのだが,このアルバムを引っ下げて現在ツアーをやっていたのはスズニカ伯爵夫人からの情報でもわかっていた。だが,ライブだとどんな感じなのかなぁと実はこのアルバムを聞いていて思っていた。アルバムではヴォーカル,ピアノ,ドラムスをアドオンして,相応の調整が図れるが,ライブの場ではそうはいかないはずだからである。むしろライブでの演奏の方がはるかにチャレンジングなのではないかと想像してしまった。いずれにしても,これは非常に面白い取り組みである。

そもそもPat Methenyの書く曲が魅力的だとは言え,サックス4本でそれを演奏してしまうという発想は凄いことである。だが,アルバムを聞いていても,全然違和感がないっていうのは大したものだと思った。サックス4本と言うと,私はWorld Saxophone Quartetってことになってしまうが,サックス4本でも全く違った(と言うかジャケも含めてWSQとは対極だな...)個性が生まれるというのが実に面白い。ジャズは奥深いよねぇ(笑)。

そして,35分強という収録時間があっという間に過ぎるように思えるのも,長時間収録のCDに辟易とするLP世代の私みたいなのには丁度いい感じである。選曲もいけてるし。"For a Thousand Years"のような曲を引っ張り出してくるところに,この人たちのこだわりを感じるし,ドラムスを加えた"The Epic"で賑々しく終わらせるのもインパクトがあってよかった。スズニカ伯爵夫人のご紹介なかりせば聞いていなかった音楽だと思うが,私としては予想以上に楽しめたアルバムであった。そして,Pat Methenyによるオリジナルを改めて聞きたくなるという副次的効果もある作品である。

いつもお世話になりっぱなしであるが,改めてスズニカ伯爵夫人に感謝することとしよう。

Personnel: 宮田 麻美(ss, ts),久保田麻里(as),藤井政美(ts, ss),前田悠貴(bs, as),因幡由紀(vo),Juan Ortis (p), 山口圭一(ds)

2016年2月20日 (土)

非常に楽しめたJohn Tropea Bandのライブ

John_tropea_band

今年に入って,NYCではライブに3本行ったものの,国内でライブに行くのはこれが初である。ということで,John Tropeaのバンドであるが,これが懐かしのMikell'sでのライブ盤(記事はこちら)を思い出させる結構豪華なメンツであった。そしてノリもこっちが期待するものと大差なく,これが大いに楽しめた。

何よりも驚かされるのがメンツの元気さである。リーダーJohn Tropeaが70歳ってのには驚きっていうか,随分若々しいねぇと思わせるが,Steve Gaddも70過ぎだとはとても思えないタイトなドラミングぶりで,このバンドのグルーブを支えていたと言えるだろう。そもそもブイブイ言わせていたホンセクも全員70過ぎなんて一体どうなっているんだ?

Ronnie Cuberがもう74歳なんてのも信じられないが,野太いバリトン・サックスの音はまさに強烈,Randy Brecker 70歳,そしてLou Marini 70歳とはとても思えぬフレージングっぷりには驚かされながらも大いに楽しんでしまった(トロンボーンのLarry Farrellは歳がわからんが...)。いやいやアメリカの老人は凄いわ。と言うより彼らにとっては70代はまだ老人ではないってことか。爺さん軍団にまんまと乗せられてしまった私であった。でも楽しかったわ~。まぁ,もう少しテンポを上げた曲があってもよかったように思うが,それはないものねだりってことで。

でもこの人たち,似たようなメンツで来月にはOriginal Blues Brothers Bandで来日である。稼ぐねぇ(笑)。でもそっちも行きたくなってきたなぁ。

Live at Blue Note東京 on February 19, 2ndセット

Personnel: John Tropea(g), Randy Brecker (tp), ‟Blue”Lou Marini (ts), Larry Farrell (tb), Ronnie Cuber (bs), Rusty Cloud (org),  Neil Jason (b), Steve Gadd (ds)

2016年2月18日 (木)

Keith Jarrett,武道館ライブの記録

ブログのお知り合いのkenさんがこの時の音源がYouTubeにアップされているという記事を拝見して,おぉっ,そう言えばこれのブートレッグが発売されているとかいう情報があったなぁと思って,久しぶりに渋谷は宇田川町のブートの迷宮(笑)に迷い込んでしまった。今回のねらいはこれだけではなかったので,それらは追って何らかのかたちでご紹介することとしたいが,まぁブートはブートなんで,あまり大きな声では言えない(爆)。

それにしても,武道館でピアノ・ソロをやってしまうという企画が凄いし,12,000人の聴衆を集めたってのも凄いと思うが,そう言えば,後年,Herbie HancockとChick Coreaがピアノ・デュオを武道館でやったとも記憶している。いずれにしても,この音源は1978年12月ということで,私がジャズを聞き始めてから大して時間も経っていなかったし,Keith Jarrettのことなんか全く理解しておらず(「ソロ・コンサート」ぐらいは聞いていたかなぁ...),関西在住ではこんなことをおぼえていなくても当たり前である。しかし,当時のスウィング・ジャーナル等には取り上げられていたはずだから,私もそう言えばそんなことも...ぐらいの感じである。

しかし,後年になってKeithに目覚めてしまった私は,やっぱりこの音源が気になるということで入手したものだが,よくよく調べてみたら名古屋のブート屋ではプレスCDを売っているではないか(ちょっと高いが...)。まぁ,そちらの音の状態は不明だが,宇田川町はそのソースのよさを謳っているだけにそこに惹かれてしまったのである。

確かに,これはFM音源(懐かしの「ゴールデン・ライブ・ステージ」と思われる)用のマスター・テープから落としたものではないかと思えるもので,かなり状態はいいものであった。音も,「あの頃」のKeithって感じなので,これは買って損はなかったなぁと思わせる。しかし,ディスク2のPart 2とアンコールで演じられた"My Song"の順番を間違えてディスクに書き込むという失態(裏ジャケのクレジットは合っているのだが...)は,この演奏の音楽的な高揚と余韻を楽しもうとした場合,相当痛いものと言えるものだが,プログラムして聞けばいいだけの話であるから,まぁ許す。そもそもブートレッグなんだからしゃあないと言えばしゃあないのである(苦笑)。

最近はApple Musicのおかげ(?)で,CDを買う前に試聴がきっちりできるようになって,購入枚数は減少傾向だが,Apple Musicに絶対上がらない音源はブートあるいはネットワーク上でゲットするしかないのである。またそういう心理につけ込んで,ブートの迷宮からは絶妙なお誘いが掛かってきてしまうのである。あぁ,無駄遣いと思いつつ,こういう貴重な音源であるがゆえに,それもまぁよしとして開き直ることにしよう。

しかしながら,こういう音源であるから,ECMで聞かれるような絶妙なるエコー感はなく,かなり「素」に近いピアノの音である。そこには若干の違和感はあるものの,それがブートってもんでしょう。尚,下の写真は内山繁氏が撮影したものであるが,おそらくこの時の来日時に撮られたものと思われる。勝手ながら拝借して貼り付けたが,そのうち消す羽目になるかもなぁ(苦笑)。

Recorded Live at 日本武道館 on December 12, 1978

Personnel: Keith Jarrett(p)

Keith_2

2016年2月17日 (水)

出張中に見た映画(16/01-02編):その2は超お下劣な「Ted」。

「テッド("Ted")」('12,米,Universal)

Ted監督:Seth MacFarlane

出演:Mark Wahlberg,Mila Kunis,Seth MacFarlane

今年2回目の米国出張の往路で見た2本目の映画がこれである。「マイ・インターン」の記事でも書いたが,正直字幕で見られるものが少ない中で,これは例外的だったし,これまで見たこともなかったので,2本目としてチョイスしたものである。

まぁ,これはお下劣な映画である。このお下劣さゆえに,日本でもR15+指定となったのは当然と思えるが,お下劣であるがゆえに笑えるというところもあり,私は結構ゲラゲラ笑いながら見ていた。お下劣で笑えるという点では「オースティン・パワーズ」に通じるところがあるかもしれない。まぁ,下らないって言えば,これほど下らない映画もないが,逆に目くじら立てるほどのものでもないので,一過性の笑いを楽しんでいればいいだろう。続編は興行成績も大して振るわなかったようなので,このシリーズは2本で終了というところだろうが,たまにはこういうバカバカしい映画を見るのもストレス発散には必要かもなぁ。まぁ,その程度の映画ってことで,星★★★。飛行機で笑ってる分には何の問題もなかったってことで。

2016年2月16日 (火)

Alessandro Galatiのアルバムがようやく到着。何とも美しい。

"On a Sunny Day" Alessandro Galati Trio (VVJ)

Alessandro_galati本作はブログのお知り合いの皆さんが既に取り上げられていて,私も気になってApple Musicで試聴して,これは買わねばと思った1枚である。Alessandro Galatiについては2010年7月に彼の"Traction Avanti"をこのブログで取り上げている(記事はこちら)が,その時にも抒情的なピアノを聞かせる人だと思った。その後も彼のソロ・アルバムなどは購入したものの,このブログには記事をアップしていない。だが,久しぶりに彼の名前を皆さんのブログで拝見して,気になってApple Musicで聞いてみたら,これが素晴らしいのである。「抒情的で静謐で美しい音楽」とはまさにこのアルバムに収められた音楽であると言ってもよい。

"In Beijing"のような曲ではやや現代音楽的なアプローチも交えていると言ってもよいかもしれないが,基本的にはこの美的なサウンドに身を委ねるべきアルバムだと思える。但し,"Traction Avanti"の記事にも書いた通り,この人は美しい音楽だけに留まる人ではなく,やはりどこかちょっとした毒を秘めているという感じを今回もおぼえながらも,やはり美学がそれを上回る(と言うか,うまく包み隠す)のだ。実のところ,どこから切り取っても美しいと思えるアルバムはなかなかないと思えるが,これは例外と言ってもよい作品なのだ。

このアルバムを試聴するのと同じような感覚で,Thierry LangのアルバムもApple Musicで聞いたものの,あちらもいいアルバムだとは思いつつ,Langのアルバムは買わないのに,こちらは買ってしまうところに私の音楽的な嗜好との合致度がはっきりすると思って頂ければよいだろう。

私は常々ジャズはスリリングなものもあれば,美的なものもあってよいと思っているが,一般的なジャズ的スリルというものは感じないとしても,ここまで美的にやられてしまっては全く文句のつけようがないのである。メロディ・ラインもアドリブもどうやっても美しくなってしまうというのがこの人の凄いところである。愛すべきピアノ・アルバムとして,ちょっと甘いかもしれないが,星★★★★★としてしまおう。

それにしても,ライブでこんな演奏されたら,私はどうなってしまうのだろうか...。身を捩ること確実だろうなぁ(爆)。

Personnel: Alessandro Galati(p), Gabriele Evangelista(b), Stefano Tamborrino(ds)

2016年2月15日 (月)

週末に楽しむには凄くいいと思えたRoberta Sá(週末じゃなくてももちろんいいが...)。

"Delírio" Roberta Sá(Som Livre)

Roberta_sa最近,ブラジル系のアルバムを購入する機会に恵まれていなかった私だが,直感的にこれはよさそうだということでゲットしたのが本作である。私はブラジル音楽は結構好きだとしても,情報はブログのお知り合いの皆さんの情報に依存していることがほとんどだが,本作はジャケの感じでピピッと来たものだ(笑)。だっていかにもよさげな,ナイスなポートレートなんだもんなぁ。

正直言ってしまうと,一聴してこの人の声は私にはやや清楚に過ぎるかなって気がしないでもなかったのだが,繰り返し聞いていると,伴奏の心地よさ,そして曲の魅力により,このアルバムには彼女の声こそ相応しいと思えてくるから不思議なものである。

こういう音楽はサンバ・ノヴァと呼ぶそうだが,私にとってはMarisa Monte的な,私の好きなブラジル音楽,所謂MPBって感じである。結局私が好きなブラジル音楽っていうのは,Marisaはじめ,Maria Rita,Paula Santro,そしてAdriana Calcanhotto等の魅力的な女性ヴォーカルが多いが,彼女,そしてこのアルバムも完全にその系列に入ってしまった。

こういう音楽は週末の昼下がりに冷えたワインでも飲みながら,まったりしながら聞くと,丁度よいって感じかもしれないが,もちろんこれはいつ聞いても魅力的な音楽であることには間違いない(きっぱり)。昨年10月ぐらいのリリースなので,新譜扱いとさせて頂くが,直感を信じて買ってよかったと思えるアルバム。星★★★★★。いやぁ,ええですわ。

Personnel: Roberta Sá(vo), Alberto Continetntino(b), Jorge Heider(b), Armando Marcal(perc), Luis Barcelos(mandolin), Marcos Susano(perc), Rodrigo Campello(g, cavaco), Jon Luz(cavaquinho), Arthur Dutra(vib), Rodrigo Tavares(org), Leandro Braga(p), Everson Moraes(tb), Jaques Morenbaum(cello), Bernardo Couto(g), Ricardo Cruz(b), Chico Buarque(vo), Martinho Da Vila(vo), Antonio Zambujo(vo), Xande De Pirales(vo, banjo), Cacilia Spyer(vo), Anna Ratto(vo), Antonia Adnet(vo), Joao Cavalcanti(vo), Pedro Holanda(vo)

2016年2月14日 (日)

今回も安心して聞けるTedeschi Trucks Bandの新作。来日に期待が高まる。

"Let Me Get by" Tedeschi Trucks Band(Fantasy)

Letmegetbyalbum_2春先に来日が決まっているTedeschi Trucks Bandの新作がリリースされた。私がDerek Trucksについて初めてこのブログに書いたのは,ブログ開設から9日目のことであるから,Derek Trucksに対する注目度は当時から高かったことがわかって頂けるかもしれない(記事はこちら)。そのDerek Trucksが奥方のSusan TedeschiとTedeschi Trucks Bandとして活動を始めてこれが4作目ということになるはずだが,いつも通り安心して聞ける作品と言える。

冒頭からDerek Trucksのスライドが炸裂して,彼のファンはそれだけで嬉しくなってしまうが,スライドに乗ると,なんだかSusan Tedeschiの声がBonnie Raittのように聞こえてきてしまったから不思議なものだ(笑)。いずれにしても,彼らの演奏を聞いていると,絶対外すことはないと思わせるものであり,アメリカン・ロックのファンなら気に入る演奏だと思う。

Derek TrucksはAllman Brothers Bandにおける演奏に終止符を打ち,これからはこのバンドがメインで活動するということもあり,今回は彼のプロデュースによるアルバムとなっていて,それなりに力を入れて制作したものだろうということは想像に難くない。それはちゃんとアルバムの成果として表れているのだが,これもいつも彼らのバンドにありがちなのだが,もう少しロック・フレイヴァーを強くしてくれるとなおよいのになぁと思ってしまうのである。リスナーなんて贅沢なものだが,それでもそう思えるのは事実である。例えば,Derek Trucksも参加したFrogwingsのアルバムの冒頭に収められた"Kick n Bach"に聞かれるようなバトル感覚みたいなものがあると,私は更に燃えると思うのだ。

Let_me_get_by_deluxe私が今回購入したのは2枚組のデラックス・エディションであるが,その後半に収められたライブ音源なんて凄くいいと思ってしまうのだ。この人たちはおそらくはライブのグルーブを体感すると更に魅力が増すバンドだと思う。だからこそ,スタジオ盤だけでは捉えきれない部分が出てきても仕方がないのである。もちろん,Derek Trucksのスライドはいつも通りに聞きものだが。彼らの名誉のために言うと,これもいいアルバムであることには間違いないのだが,やはりライブを見るべき人たちだと思ってしまった。それでも星★★★★には十分値するアルバムだが。

尚,このデラックス・エディション,ボックス,ジャケ,ライナーもちゃんと個別に作ってあるし,ボーナス・トラックをちゃんと聞かせるものにしようという意思がMatt Mattisonのライナーからも感じ取れる。そうした彼らの姿勢を含めて評価すれば,デラックス・エディションは星★★★★☆としてしまおう。

いずれにしても彼らの武道館ライブを心待ちにする私である。Derek Trucks Bandはリキッド・ルームとかでやっていたはずだが,そこから渋谷公会堂,そして武道館へ出世の階段を上っているねぇ。長年応援してきたかいもあるってもんだ(笑)

Personnel: Susan Tedeschi(vo, g), Derek Trucks(g, ds, perc, harmonium), Doyle Bramhall II(g, b, ds, perc, vo), Kofi Burbridge(p, key, org, fl, harmonium), J.J. Johnson(ds, perc), Tyler Greenwell(ds, perc), Tim Lefebvre(b), Mike Mattison(vo), Mark Rivers(vo), Alecia Chakour(vo), Kebbi Williams(sax), Maurice Brown(tp), Saunders Sermons(tb, b-tb), Jonathan Dinklage(vln, vla), Anja Wood(cello)

2016年2月13日 (土)

コンベンショナルな響きのSteve Kuhnもまたよし。

"At This Time" Steve Kuhn Trio (Sunnyside)

At_this_time_2Steve Kuhnという人は面白い。耽美的なピアノを聞かせたと思えば,コンベンショナルでスインギーなピアノを聞かせることもある。どちらもKuhnの個性であることは間違いないが,このアルバムは完全に後者に属するものである。冒頭の"My Shining Hour"から絶好調というか,何ともジャズ的な響きのSteve Kuhnの演奏が楽しめる。

Steve Kuhnは今年の3月で78歳になるわけだが,先日紹介のCharles Lloydといい,Steve Kuhnといい,全く「老い」を感じさせないのはまさに驚異的としか言いようがない。Steve Swallowだって75歳だし,彼らに比べれば若いと思えるJoey Baronだって,もはや還暦を迎えているのだ。恐るべし。

Steve Swallowはいつも通り,エレクトリック・ベースを弾いているが,一般的な4ビートの演奏スタイルでベースを弾いていて,確かに音はエレクトリックではあるが,フレージングとしてはジャズ・ベースの王道に従ったものって感じで弾いている。KuhnとSwallowは共演経験も多いから,よほど相性がいいのだろうが,ここでもJoey Baronのプッシュを得て,ナイスな演奏を展開しているのが何とも嬉しい。2012年に同じメンツでECMに吹き込んだ"Wisteria"がトリオとしての初共演だったらしいが,同じメンツで吹き込むということはやはり感じるところがあったのだろうし,それがちゃんと演奏としての成果につながっていると思える。中でも私がしびれてしまったのがQuincy Jonesが書いた映画「質屋」のテーマである"The Pawnbroker"である。ここで繰り出されるKuhnのフレージングが何とも心地よく,ジャズ・ピアノかくあるべしとさえ言いたくなるような気品に溢れた演奏である。

Steve Kuhnの多様性を無視して,耽美的な彼のピアノが好きなリスナーにとっては,ややコンベンショナルに過ぎる部分もあるようには思えるが,これも彼の一面なのである。Birdlandでのライブを経て,レコーディングに至った本作は,ライブで培ったコンビネーションがそのままいいかたちで表れた結果,レコーディングは3時間とか3時間半とかで終わってしまったらしい。やっぱり大したもんだよねぇ。星★★★★☆。とにかく心地よく約1時間を過ごすことができるナイスなアルバムである。

Recorded on August 7, 2015

Personnel: Steve Kuhn(p), Steve Swallow(el-b), Joey Baron(ds)

2016年2月12日 (金)

出張中に見た映画(16/1-2月編)その1は気楽に見られた「マイ・インターン」

Image 「マイ・インターン("The Intern")」(’15, 米,Warner Brothers)

監督:Nancy Meyers

出演: Robert De Niro, Anne Hathaway, Rene Russo, Anders Holm, Josh Kushner

海外出張,それも遠距離の場合,楽しみは機内エンタテインメントで映画を見まくるってことなのはこのブログの読者の皆さんはよくおわかりと思う。だが,1月の頭にシカゴに出張したばかりの私に残された選択肢は少なかったのが,1月2回目の米国出張の往路の実態である。見られる映画は少ないわけではないのだが,吹替えを好まない私にはやはり限定的なチョイスだったと言えるだろう。だから,往路は珍しくも3本しか見ていない(十分?)。

1本目に見たのがこれだが,実に他愛のないコメディで,軽い気持ちで見るにはちょうどよかった。Robert De Niroの出る映画はシリアスなものが多いが,これは私が見た彼の映画の中でも最も気楽に見られたものって気がする。それは悪いことではなく,70歳を過ぎて,De Niroもそういう境地に達したのだと考えれば,むしろいいことだと思うし,この好々爺的なDe Niroも魅力的であった。ついでに言うと,歳はとっても,Rene Rossoっていいオンナだと感じさせるところがよかった。好きだなぁ,ああいうヒト(爆)。ってことで星★★★☆。

2016年2月11日 (木)

Fred Herschのチャリティ・デュオ・アルバムをゲット。

"The Duo Album" Fred Hersch(Classical Action)

Fred_hersch_duo_albumFred Herschは1986年にHIVポジティブという診断を受けているが,その後,Performing Arts Against AIDSの名のもと,チャリティ・アルバムを何枚か制作していて,これはその1枚。既に廃盤ではあるが,中古品ならば海外のサイトで購入は可能で,私もそうしたクチである。そして,海外に発注してでも入手する価値がある作品である。

デュオのメンツも豪華であるが,彼らと素晴らしいインタープレイを繰り広げるFred Herschが素晴らしい。Gary Burton,Joe Lovano,Diana Krall,Tommy Flanagan,Andy Bey,Tom Rainey,Lee Konitz,Jim Hall,Drew Gress,Kenny Barron,Tom Harrell,Janis Siegelというデュオの相手はFred Herschの音楽を考えれば,なるほどと思わせる面々ではあり,そうしたメンツとの相性は推して知るべしというところだろう。

これは通常のFred Herschのアルバムと同列に捉えるべきではないかもしれないが,非常に優れた企画によるナイスなアルバムだとは間違いなく言えると思う。Fred Herschのファンであれば,絶対に入手した方がよいと言っておこう。

Recorded on July 22, August 7,August 22, and September 5, 1997

Personnel: Fred Hersch(p), Gary Burton(vib),Joe Lovano(ts),Diana Krall(vo),Tommy Flanagan(p),Andy Bey(vo),Tom Rainey(snare ds),Lee Konitz(as),Jim Hall(g),Drew Gress(b),Kenny Barron(p),Tom Harrell(fl-h),Janis Siegel(vo)

2016年2月10日 (水)

Tord Gustavsenの新譜はSolveig Slettahjellとのホリデイ・アルバムを想起させた。

"What Was Said" Tord Gustavsen (ECM)

Whatwassaid_2直近でリリースされたECMレーベルのアルバムの中で,多くの人がそうであったであろうし,私も最も期待していたのがこのTord Gustavsenのアルバムだと言っていいだろう。私は彼のピアノ・トリオのアルバムは常に高く評価してきたが,彼のアルバム全部が全部素晴らしかった訳ではないというのも事実である。今回のアルバムも私はトリオ・アルバムだと思って喜び勇んで発注したのだが,ベースの代わりにヴォーカルということで,これはどうなるのかと実は聞くのを躊躇していた私である。

しかしである。私はこのアルバムを聞いていて,Tord GustavsenがSolveig Slettahjellと吹き込んだホリデイ・アルバム(記事はこちら)との同質性を強く感じていた。それは悪い意味では決してない。件のアルバムはブログのお知り合いのSuzuckさんからご紹介頂いたものだが,この世に存在するホリデイ・アルバムの中でも屈指の素晴らしさだと思っている作品なのだ。それと同様の感覚をおぼえさせるってことは悪いどころか,こっちとしては大歓迎である。

全編を通して静謐な雰囲気の中でアルバムは進行するが,このアルバムが私を捉えたのは今一方の主役と言ってよいヴォーカルのSimin Tanderの素晴らしい声である。よどみもくせも何もない。それこそ美しいヴォイスと言わずして何と言おう。これは前述のSolveig Slettahjellと同じなのだ。クラシック音楽の観点からすれば,決して超美声ではないだろう。だが,ポピュラー・ミュージックという観点からすれば,これほど魅力的な声にはなかなか出会うことはできないはずだと言いたくなる。とにもかくにも心地よいのである。

そこにTord Gustavsenのリリカルなピアノが絡んできて,これが悪いはずはない。ストレスフルな生活を送っていると,こういう音楽がまさに福音のように響いてくる。絶対に一般受けする音楽ではないと思うが,こういう音楽に癒される私のような人間もいるのである。これはTord Gustavsenの勝利でもあるが,Simin Tanderを使ったことが最大の勝因だと思わざるを得ない。

こういう音楽を好きだと言い切ってしまう自分もどうかと思うが,いいものはいいのである。逆にこれが嫌いだと言う人とは仲良くなれないってことで(爆)。Simin Tanderの声の魅力も加味して星★★★★★。それがなにか?(笑)

Recorded in April, 2015

Personnel: Tord Gustavsen(p, electronics, synth-b), Simin Tander(vo), Jarle Vespestad(ds)

2016年2月 9日 (火)

やっぱりこういうJeremy Peltがいいよねと思わせる彼の新作。

"#JIVECULTURE" Jeremy Pelt (High Note)

Jeremy_pelt_2前作ではワンホーンに2ドラムスという変わった編成ながら,ストレート・アヘッドな演奏を聞かせるとともに,私にSimona Premazziという女流ピアニストの存在に気づかせてくれたJeremyPeltの新作である。今回はドラムスはBilly Drummondだけとなったが,またもワンホーンである。そしてライナーによれば,今回の肝はRon Carterとの共演ということであるが,正直Ron Carter嫌いの私は,新作情報をゲットして,えぇ~,Ron Carter?と思っていたのだが,まぁJeremy Peltの方が聞きたいという欲が勝って,今回も購入である。

Jeremy Peltは以前,JD AllenやDanny Grissettを擁するナイスなクインテットを率いていたが,その後,エレクトリックに傾いたりしてどうもフォーカスがぶれた活動期もあった。エレクトリックが悪いと言っているのではなく,アルバムとしての半端な感じがどうにも納得いかなかったのである。しかし,私にとってはこの人はMilesのそっくりさんと言われようが何しようが,ストレートなジャズの方が似合っていると思えるのである。今回はDanny Grissettも復帰して,冒頭からおぉっ,新主流派的響き!と思わせて,かなり嬉しくなる出来である。懸念されたRon Carterの音も,いつものようなひどい増幅感なしで録られていて安心した。

今回もPeltのワンホーンなので,彼の聞かせどころは多いが,それに加えてDanny GrissettがまるでHerbie Hancockのように聞こえてしまう瞬間があるのは,Jeremy PeltにMiles的な要素が多いからと言えるかもしれないが,決して全編Milesのクローンってわけではないので念のため。でもミュートを使うとやっぱりそれっぽいが(笑)。いずれにしても,Billy Drummondの煽りも結構効いていて,これはなかなか楽しめるストレート・アヘッド・ジャズ・アルバムである。リーダーのオリジナルにCarterのオリジナル,Cole Porter,Dave Grusinを交える選曲もいいと思う。Dave GrusinがBarbra Streisandのために書いた(?)"A Love Like Ours"なんていいバラッドになっているしねぇ。

ジャケを見ていると,何じゃこれはと思いたくもなるが,本人としてはにんまりしたくなる出来だったと考えるようにしよう。ってことで,私がラッパのワンホーン好きってこともあり,ちょっと甘いかもしれないが星★★★★☆としてしまおう。

Recorded on September 9, 2015

Personnel: Jeremy Pelt(tp), Danny Grissett(p, rhodes), Ron Carter(b), Billy Drummond(ds)

2016年2月 8日 (月)

祝祭的/儀式的な響きさえ感じさせるTinariwenのライブ。これははまる。

"Live in Paris 2014" Tinariwen(Anti)

Tinariwen

私がTinariwenの音楽に初めて触れたのは2009年8月に彼らの"Aman Iman"を取り上げた頃ってことになるので,もう6年半近くの時間が経過している。その後リリースされたアルバムは入手しているし,そのどれもが彼ららしいグルーブに満ちていて,私は彼らの音楽に結構はまっていると言ってよいだろう。とにかく所謂「砂漠のブルース」と呼ばれる彼らの音楽は本当に私の魅惑するグルーブに満ちている。

本作は彼らの前作"Emmaar"の付随するツアーの音源として,パリで録音されたものであるが,まず最初に聞いて驚かされるのが,Lalla Badi(75歳だそうである)のヴォイスによって導かれる儀式的な"Tinde"である。ギターが加わらないので,いきなり強烈な民族的な響きには面喰うが,これをプレリュードに,2曲目以降はいつものTinariwen的な音楽になっていく。そして,中盤にインタールード的に,更に最後にもLalla Badiが登場することには明確なメッセージというか,明確なライブとしての構成を感じざるをえない。意図的にやっているのである。

それにしても,彼らの音楽が生み出すサウンドに私がどうしてここまで魅かれてしまうのか。歌っている歌詞の意味は全くわからないのだから,サウンドとヴォイスの魅力にやられているということになるだろうが,これはとにかく先入観なしに聞いてもらうしかないのである。彼らの音楽にはメロディ・ラインの振幅はあまりないので,ミニマルだとさえ思える部分もあるのだが,私にとっては複数のギターによって生み出される強烈な音と,ベースとパーカッションというシンプルなバックの生み出す心地よいビートに身体と心を揺らしていると言ってもいいかもしれない。

これは座ったまま聞く音楽ではなく,オール・スタンディングで身体を(私の感覚では「左右」に)揺らしながら聞くのが最も心地よいと思わせる音楽である。とにかくこれは気持ちよ過ぎる音楽である。ちょっとオマケして星★★★★★としてしまおう。だってまじで気持ちいいんだもん(爆)。

Recorded Live at Theatre Des Bouffes Nord on December 13, 2014

Personnel: Ibrahim Ag Alhabib (g, vo), Abdallah Ag Alhousseyni (g, vo), Hassane Ag Touhami (vo, g, handclaps), Iyad Moussa Ben Abderahmane(vo, g), Elaga Ag Hamid (g, vo),Eyadou Ag Leche (b, vo), Said Ag Ayad(perc, vo), Lalla Badi(vo, tinde), Tagmar Bad(vo, clap), Toulou Kiki Bilal(vo, clap)

2016年2月 7日 (日)

Charles Lloydの新譜は編成がキモと言ってもよいアルバムだが,これが素晴らしい出来である。

"I Long to See You" Charles Lloyd & the Marvels(Blue Note)

Charles_lloyd_2ブログのお知り合いのSuzuckさん,monakaさんが取り上げられていて,猛烈に気になってApple Musicで試聴,そしてこれは買いだと確信したアルバムである。

実を言うと,私がCharles Lloydをこのブログで取り上げたのは2010年の"Mirror"に遡る。"Mirror"はその年のベストの1枚にも挙げたぐらいなのだが,その後のアルバムはどうもしっくりこないというか,ちゃんと聞かずにスルーしていたような気もする。その結果,Blue Noteへの移籍第1作も買っていないのである。ではそんな私がなぜこれを聞きたいと思ったかであるが,Suzuckさん,monakaさんのご推奨ということもあるのだが,私がもう一点どうしても気になったのがGreg Leiszの参加だったのである。Greg Leiszはルーツ・ミュージック系の音楽には欠かせないペダル・スチール奏者であるが,彼がCharles Lloydと共演というのが実に興味深かった。そして結果は大正解である。

ジャケだけ見ると,誰がリーダーなのかよくわからないような写真になっていて,Bill Frisellが一番でかく写っているのが面白いが,このアルバムはそういう意味でも,Bill Frisellが一方の核でありながら,私はGreg Leiszが果たした役割はかなり大きいと思っている。もちろん,Frisellだけでも,相当レベルの演奏になったと思うが,このアルバムの持つトーン/サウンドはGreg Leiszによるところ大に聞こえるのである。それにより,ECMレーベル時代とは明らかに違ったCharles Lloydの音楽が生まれ,とても今年の3月で78歳になるとは思えない演奏を展開させたと言ってもいいのではないか。

そもそも何てったって,冒頭からBob Dylanの「戦争の親玉("Masters of War")」なのだ。更にトラッドが3曲,更にはWillie NelsonやNorah Jonesまで迎えてしまうのだから,Charles Lloydの視線にはルーツ・ミュージックというテーマがあったはずだと思わせるに十分である。そしてそれが完璧なまでに演じられ,これはたまらない出来だと思った。私が最初に聞いたのはApple Musicでのストリーミングだったが,その段階でこのバンドの相性は間違いないと思わせたし,改めてCDで聞き返してみても,この味わい深さが素晴らしいのである。ジャズ的なスリルとは別の世界かもしれないが,この音楽の持つ魅力はジャズ的な要素の若干の希薄さを補って余りある。これは私が昔からアメリカのシンガー・ソングライター,それも「ど渋い」,今はなき渋谷ブラックホークでかかっていたような音楽を偏愛してきたこともあるかもしれないが,そんなリスナーでなくとも,この音楽の魅力はわかるはずだと言い切ってしまおう。

これはCharles Lloydにとって,特別編成のアルバムかもしれないが,私は"Mirror"以来の感動を覚えてしまったのであった。Willie NelsonとCharles Lloydという全く想定外の組み合わせさえ,古い反戦歌"Last Night I Had the Strangest Dream"にこれほどフィットしたものはないと思わせるに十分なのだ。ルーツ・ミュージックへの取り組みだけだけでなく,Charles Lloydによる平和,あるいは反戦への思いを痛切に感じさせることも感動を倍増させる。素晴らしい。まじで素晴らしい。ということで,このアルバムには星★★★★★こそ相応しい。いずれにしても,本作はCharles Lloydが全く枯れていないということを強烈に感じさせてくれた。

Charles Lloydの気持ちを代弁することになるかどうかは別にして,どこかの国の宰相に「戦争の親玉」と"Last Night I Had the Strangest Dream"の歌詞をよく読めよってことで,歌詞を掲載してしまおう。まぁ,彼にはこれを読みこなす英語力はなかろうし,そもそもこんなブログにアクセスすることはありえないが...(笑)。下記は「戦争の親玉」の2番と"Last Night I Had the Strangest Dream"の1番の歌詞である。ベルリンの壁が崩壊した時に,東側の子供たちが後者を歌っていたという実に象徴的な歌だということを思いを馳せながら,改めてこのアルバムの素晴らしさを称えたい。おそらく私にとっては,本作が今年忘れられないアルバムの1枚となることは確実である。

"Masters of War" (Bob Dylan)
You that never done nothin’
But build to destroy
You play with my world
Like it’s your little toy
You put a gun in my hand
And you hide from my eyes
And you turn and run farther
When the fast bullets fly

"Last Night I Had the Strangest Dream"(Ed McCurdy)
Last night I had the strangest dream
I ever dreamed before
I dreamed the world had all agreed
To put an end to war
I dreamed I saw a mighty room
Filled with women and men
And the paper they were signing said
They'd never fight again

Recorded on April 27 & 28, 2015

Personnel: Charles Lloyd(ts, fl), Bill Frisell(g), Greg Leisz(steel-g), Reuben Rogers(b), Eric Harland(ds), Willie Nelson(vo, g), Norah Jones(vo)

2016年2月 6日 (土)

久しぶりにCD音源の記事をってことで,Peter Erskineの新作

"Dr. UM" Peter Erskine(Fuzzy Music)

Peter_erskine出張やら何やらで,ライブについて以外で音楽について記事をアップするのは久しぶりである。そもそもCDを購入するのも久しぶりって気がするが,今回はECMの新譜等も含めて結構な枚数が到着である。ストリーミングに依存することが多い昨今では珍しくなってしまった。本当に人間,変われば変わるねぇ(笑)。

今回のPeter Erskineの作品は当初からフュージョンだと宣言されていたはずであり,現代版のWeather Reportのような感じという話もあった。確かにWeather Reportを感じさせる曲もあるが,全面的にWeather的って感じではない。特にギターが入る曲ではWeatherらしさが極端に弱くなる。Zawinulが書いた"Borges Buenos Aires"より,Erskineが書いた"Hawaii Bathing Suit"の方がはるかにWeatherっぽいのは面白い。私はむしろWeather云々よりも,このアルバムを通して聞かれる比較的ゆるいグルーブに身体を揺らしていたって感じである。

皮肉な言い方をすれば,緊張感に溢れた音楽ではないが,テンションが高けりゃいいってもんでもない。グルーブとは適度に身体を揺らせるところにこそその本質があると私は思っている。そして,突然アルバム中盤に挿入されるマーラーの「リュッケルト詩曲集」からの「私はこの世に忘れられて」にはびっくりしてしまったが,決してアルバムのバランスを崩していないところがいい。これはJohn Beasleyのアレンジの勝利って気もするが,BeasleyとJanek Gwizdalaのショウケースとしてもナイスな感じである。Erskineが彼らに花を持たせるために入れた印象と言っては言い過ぎか。

ベースで参加するJanek Gwizdalaは渡辺香津美とも共演しているが,私にとってはロンドンで見たWayne Krantzとのライブが記憶に新しい(その時の記事こちら)。私が聞いた日はGary Husbandがドラムスを叩いていたが,翌日はPeter Erskineが叩いたはずだから,今回の共演も突然変異ってことではない。だが,今回の演奏はどちらか言えばメロディアスな線も打ち出していて,ライブの時に覚えた感覚との違いがあったのは面白かった。

このアルバムにおいて主軸を成す3人+Bob Sheppardは3月に来日を控えているが,ライブではこのアルバムのような緩いグルーブと,激しい音楽を交えてくるのではないかと思わせるが,一体どうなるのか楽しみである。繰り返すが,テンションは決して高くはないが,結構楽しめるアルバムである。星★★★★。

Personnel: Peter Erskine(ds, perc), John Beasley(key, synth), Janek Gwizdala(b),Bob Sheppard(ts),Jeff Parker(g), Larry Koonse(g), Aaron Serfaty(perc), Jack Fletcher(vo)

2016年2月 5日 (金)

出張中に見た映画(16/1編):その7にして最後は「トランスポーター」シリーズ

Transporter「トランスポーター イグニション("The Transporter Refueled ")」(’15,仏/中)

監督: Camille Dramarre

出演: Ed Skrain, Ray Stevenson, Loan Chabanol, Gabriella Wright

先日のNY出張でも結局機内で往復7本映画を見た私だが,それについて記事を書く前に,1月初旬の出張時に見た映画の最後の映画をアップしなければってことでこの映画である。このシリーズは私は見たことがないのだが,Jason Stathamがオリジナルだとすれば,まぁ推して知るべしの内容なのだが,今回は主役がStathamからEd Skrainに代わっての第4作である。

正直言って,話としては実にくだらない。また,カー・チェイスのシーンはそれなりに迫力はあっても,その必然性や展開には疑問を感じることばかりである。こういうのを見てスカッとする人もいるだろうが,この都合の良すぎる脚本には私は辟易としていた。出てくるネェちゃんたちもあまり魅力的じゃないしねぇ(爆)。

主役の交代はJason Stathamがギャラでゴネたって話もあるが,彼もB級映画で稼いでいるからねぇ。Stathamだったらもう少し違う感じになるだろうなぁとは思うが,それでもこのシナリオではねぇ。ってことで,時間つぶしにはなったが,全く感心できなかった一作。星★★で十分だろう。

2016年2月 2日 (火)

出張ほぼ終了。

Image_3

今回の出張もほぼ終了である。今回は現地5泊の中で,前半は時差ボケに悩まされたが,ジャズ・クラブ通いの効果もあり(?),前回のシカゴ,前々回のNYCほどはひどくなかった。しかし,週末に別件でNorth Carolinaに移動があったため,体力的にはかなりきつい出張であった。

だが,ライブに3本行けたのは収穫だったし,家族のリクエストにも大方応えることができたので,まぁよしとしよう。但し,金銭的な負担は結構大きかったが(爆)。仕事は別にして,今回の滞在中のハイライトはWayne Krantzのライブだったことは間違いない。彼にはまた日本に来て欲しいものである。

ともあれ,この記事がアップされる頃には私は機上の人となっているはずだが,次は日本からってことで。ついでに不夜城,Times Squareの写真もアップしておこう。これはBirdlandからの帰りの午前0:30頃撮影したもの。やっぱり不夜城だ(笑)。

2016年2月 1日 (月)

NYC最後の夜に見たMack Avenue Super Band

Image

今回の出張もあとは帰国するだけとなった。週末はNorth Carolinaで一仕事こなし,先ほどようやくJFKに戻り,空港そばで一泊し,あとは飛行機に乗るだけである。とは言っても現地時間でも間もなく日付が変わろうとしているので,結構バテバテなのだ。

ともあれ,今回は仕事が結構きつかったにもかかわらず,NYC(マンハッタン)に3泊し,3日ともクラブに行ってしまった。我ながらよくやるが,最終日はさすがにダウンタウンまで出かける気力もなく,ホテルの近場でってことで,行ったのがBirdlandである。やっぱり55 Barとは違うねぇ(笑)。出演していたのがGary BurtonやChristian McBrideが参加するMack Avenue Super Bandである。彼らは昨年のデトロイトでのライブ音源はリリースしているが,私は未聴であった。Gary Burtonが管と共演というのはどうなのかと思っていたのだが,ライブを見て食わず嫌いはいかんと思ってしまった。実にいい演奏だったのだ。ハード・バピッシュだろうが,バラッドであろうが関係なく楽しめた。

Gary Burtonがいいのは当たり前だが,2管のFreddie HendricksとTia Fullerも実力十分,そしてバックを支えるChristian McBrideトリオのレベルの高いことよ。3人揃ってすごい実力だが,McBrideが聞かせたロング・ソロには本当に唸らされた。思い起こせば私がMcBrideを初めて知ったのは90年代初頭の在米中のことであり,まだティーン・エイジャーだったにもかかわらず,物凄いと思ったのだが,更に凄みを増したようにさえ思えた。これはトリオによるライブ盤を買わないといかんなぁ(苦笑)。

演奏時間がやや短めだったのは残念だが,$45のチャージの元は完全に取ったって感じである。つくづくNYCは素晴らしいと思った出張であった。

Live at Birdland Jazz Club on January 29, 2nd Set

Personnel: Gary Burton(vib), Freddie Hendricks(tp, fl-h), Tia Fuller(as, ss), Christian Sands(p), Christian McBride(b), Carl Allen(ds)

 

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