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2015年11月30日 (月)

全然音楽を聞いている暇がなかった...。

中国から帰国した後,地方出張をこなして,週末を過ごしていたのだが,CDは届いているものの,残念ながら音楽を聞く余裕を見つけられなかった私である。

だからと言って,週が明けても結構多忙な日々が続くのはわかっているので,ちゃんと記事がアップできるか心配をしている。まぁ,もうすぐ師走だからという言い訳で乗り切ることにするかなぁ。それにしても,Weather Reportの4枚組ライブはさっさと聞かないと。さていつになれば聞けるのか(笑)。

2015年11月29日 (日)

出張中に見た映画(15/11編:その1):まぁしょうもないって言えば,これほどしょうもない映画もない「ファンタスティック・フォー」

Fantastic_four「ファンタスティック・フォー("Fantastic Four")」('15,米/独/英/カナダ,FOX/Marvel)

監督:Josh Trank

出演:Miles Teller, Kate Mara, Michael B. Jordan, Jamie Bell, Toby Kebbell

毎度のことながら,海外出張の時の移動時には映画を見るのが私の「掟」である。今回は中国出張ということで,行きの北京便はさておき,帰りの上海便はフライト時間が短いので,正直映画が1本見られるかも微妙であったが,結局往復で3本見た私である。相変わらずよくやるわと思いつつ,今回は正直チョイスには困ったと言っておこう。

往路の1本目に見たのがこれなのだが,これが実にくだらない。Marvelのアメコミ映画化については,続々とリリースされていて,まぁまぁ楽しめるものもあれば,全然ダメなものもあるって感じである。私なんかは意外と「キャプテン・アメリカ」なんて面白いと思ったが,本作は全く見るに値しない映画だった。主演のMiles Tellerはどこかで見たことがあると思っていたのだが,「セッション」でドラムスを叩いていた彼ではないか。こういう予算の掛かった映画に出るのは,低予算の「セッション」のような映画に出演していたMiles Tellerにとっては,ある意味出世なのかもしれないが,逆にこんな映画に出ているようでは「セッション」での頑張りが無駄になるという考え方もありだろう。

とにかくこの映画の難点は,ストーリーの無茶苦茶さである。そもそもテレポーテーションされる先が常に同じとか,突然ブラックホールが生み出されたりとか,マンガなんだからいいだろうというレベルを越えた無茶苦茶具合である。だから,見ていて冷めること甚だしいのである。まぁ,こんな映画を選んだ私がバカだったのだが,とにかくいい加減な映画である。CGに関しても金の無駄遣いとしかいいようがなく,まぁこれのシリーズ化は無理だろうねぇと言っておく。それは興行収入からしても明らかだろうが。Marvelの総帥,Stan Leeも金儲けばっかり考えてはいかん(笑)。

いずれにしても,機内エンタテインメントでなければ絶対見ていなかっただろうが,駄目なものはどうやっても駄目なのだ。何にもいいところなし。こんな映画は星★で十分である。先に予告しておくと,2本目に見たのも似たようなもの。はぁ~(嘆息)。そちらについてはまた改めて。

2015年11月28日 (土)

遅くなったが,Fred HerschのCotton Clubでのライブの模様を。

_20151128先日,Fred Herschのライブに,中国からの帰国後すぐに駆けつけたのは既にご報告の通りであるが,その時の模様について,少し時間が経ってしまったが振り返ってみたい。実は帰国後翌日から泊りでの地方出張が入っていて,記事にする暇がなかったのだが,それでもあの時の演奏のイメージは強烈に頭に残っている。

登場するなり,マイクを握って,Jobimの曲をやると言って始めたのが,最新作"Solo"の冒頭にも入っている"Olha Maria / O Grande Amor"のメドレーだったはずだが,これがアルバムに聞かれるのと同様の非常に美しいタッチで,まず心を鷲掴みにされた私である。Herschはいつもライブにおいて結構丁寧に曲の紹介をしてくれるが,一部曲名を言わなかったものもあるものの,演奏したのはほぼ下記のようなものである。(?)をつけている曲はDuke Ellington,Thelonious Monkの曲をやると言って弾いたもので,ちょっと自信はないのだが,まぁこんな感じだったと思って頂ければいいだろう(違っていたらごめんなさい)。

"Olha Maria / O Grande Amor"
"Down Home / West Virginia Rose"
"Whirl"
"Both Sides Now"
"After You've Gone"
"Pretty Girl / U.M.M.G."
"Mood Indigo"(?)
"Work"(?)
Encore 1: "Valentine"
Encore 2:"Doce de Coco"

2曲目にやった"Down Home"はBill Frisellのために書いたと言っていたが,この曲は結構いろいろなライブで弾いているし,メドレーで演じられた"West Virginia Rose"はHerschが母に捧げて書いたもので,これも結構よくやるレパートリー。そして,今回の"Solo"にも収められた”Whirl"は曲そのものがやはり素晴らしいと思わせた。"Whirl"だけでも更にまいってしまった私だったのだが,それに追い打ちをかけたのがJoni Mitchell"の"Both Sides Now"であった。一言でいえば,深い。原曲よりもゆったりしたテンポで演じられたこの曲をソロ・ピアノで聞かされることによって紡ぎ出される深遠さには心底驚かされた。「青春の光と影」の別の一面を炙り出したと言ってもよいかもしれない。そして,"After You've Gone"を軽くこなして,今年が生誕100周年を迎えると言って弾いたBilly Strayhornの2曲,特に"Pretty Girl"(またの名を"Star Crossed Lovers")がよかった。そして,Ellington,Monkとつないで,アンコールは"Valentine"を短くも美しく聞かせた後,もう1曲が"Doce de Coco"という演目であった。

この日は演奏は1セットだけだったので,アンコールにも2回応えてくれたのだろうと思うが,Herschの体力的な問題というよりも,今回の客入りを見ていると,2セットやってもそれほど集客力がないという判断もあったかもしれない。しかし,これほど優れた演奏を聞く機会を逃してしまうとは本当に惜しいことだと言わざるをえない。だが,終演後,トイレに行こうと思って別のテーブルの横を通り過ぎた時に,そこに座っていたオッサンが「なかなかいいねぇ」とか言っていたのを聞いて,実は内心憤慨していた私である。「なかなかいい」なんてレベルではない。これだけの演奏が聴けること自体が稀なことだということが理解されていないこと自体がもったいないのである。

まぁ,それはさておき,終演後のサイン会においては,"Welcome Back!"の私の一言に機嫌よく反応してくれたHerschであった。先日紹介した戦利品3枚のほかにもう1枚,Maybeckでのライブ盤を持って行ったら,「おぉ,これは最初のソロ・アルバムだな」と言ってサインしてくれたのが上の写真である。この人はサインの仕方にも人柄がにじみ出るというか,どうすればいい感じのサインになるかを考えながらしてくれるところに,本当のいい人ぶりが表れていると思う。私が最新作に加え,Jobim,Strayhornのアルバムを持って行ったことには,相好を崩していたと思う。そして,来年はまたトリオでの来日だねと言ったら,力強く"Yes!"と答えてくれたFred Herschであった。やはりFred Herschは素晴らしいピアニストであり,そして素晴らしいライブであったと改めて言っておきたい。

Live at Cotton Club東京 on November 25, 2015

Personnel: Fred Hersch(p)

2015年11月26日 (木)

Fred Hersch@Cotton Club:今日は取り急ぎ戦利品だけ。

_20151126_3_2
_20151126_2_2

ということで,昨日Cotton ClubでFred Herschのソロを聞いてきたのだが,それは素晴らしい演奏であった。詳しく書くには,昨日帰国したばかりの私には体力が残っていなかったが,それはまた別の機会に。ってことで,本日は戦利品の画像アップのみ。昨日はJobimもStrayhornもやったので,我ながらいいチョイスであった(自画自賛)。わざわざCDを中国まで持って行った甲斐があった(爆)。

2015年11月25日 (水)

出張終了。疑問を感じながら帰国の途につく私である。

出張も本日で終了だが,今回は旅程の変更もあったりで,かなり疲れるものとなった。やはり,以前に比べると体力が落ちたなぁと痛感する私である。あと,これは自己責任だが,私は中国語がほとんどできないため,様々な点でローカル・スタッフのお世話にならなければならず,英語が通じるところなら,自分で何とかできることも,何ともならないという現実が私を更に疲弊させていると思う。

自分では今回の出張はちゃんと仕事をしたつもりでいるのだが,今回の出張においてはこの国のレベルをリアリティを以って体感したことが,私を更に疲れさせたと思っている。決定的だったのが,ありとあらゆる点でのホスピタリティの欠如である。先日の飛行機が欠航した時のキャリアや空港のスタッフの対応然り,飲み屋などでのサービスとは何かを全く理解していない対応然りである。相応のサービスを提供してくれた店もあったので全てではないが,まだ大多数ではクライアントにそう感じさせる程度のサービスしか提供できていない。

そんなことは前からわかっていることだと言われればその通りであるが,何も学習していないところには本当に腹が立つ。あるいはそういうものだと受け入れられない私が狭量なのかもしれない。だが,今後先進国の仲間入りを果たそうとする国がこの程度では問題だろう。単に私とこの国の相性が悪いだけなのかもしれないが,やはり納得がいかない。そんな気持ちを抱きながら帰国しなければならないのは残念であるが,食の奥深さ等を考えると,何だかもったいないと思うのはきっと私だけではないはずである。仕事だから来るが,仕事以外で再訪する気が全くなくなってしまったというのが正直な思いである。

こんなことを敢えて書く私って頭が固いのかなぁ(苦笑)。でも本当のことなのだから仕方ない。

2015年11月23日 (月)

中年音楽狂,怒り心頭に発す。

Image

本来ならば,北京から上海へ移動するはずだった私なのだが,北京は大雪に見舞われ,空港も大混乱に陥っていた。天気予報も雪だったので,早めの移動を心掛け,予定ボーディング時間の2時間前には空港に着いていた。

だが,ゲートに着いても,待てど暮らせど飛ばない。機材が到着していないならまだわかる。しかし,機材は到着しているのに,我々が搭乗すべき飛行機は動きを示さない。そして何のアナウンスもない。地上係員は「準備中」を繰り返すのみ。まぁ,こういうこともあるよねと思ってはいたのだが,待つこと5時間にして,突然の欠航通知である。後から考えれば最初から欠航にするつもりだったんだろうと言いたくなる。

更に,その後便の変更をしようとしたら,窓口はご覧の通りの大混雑。それも一切の案内も誘導もなしである。一体,どういうオペレーションなんだと怒り心頭に発した私であることは言うまでもない。全くこの国にはホスピタリティの概念が存在しないと改めて思った今回の出張となったが,欠航便の翌日の最速の代替フライトが18:30とか言われては,もう陸路での移動を選択せざるを得ない。

海外出張では色々酷い目に遭っているが,サービスという観点では本当になっていないと思わされたのは久しぶりであった。ふざけている。マジでふざけている。そしてこの国の人間に待ち行列の概念は存在しないことは分かっていたが,もう少し何とかしないと決して一流の国とは見なされないとつくづく思った。

心底頭にきた1日だったが,徒労に終わるという表現は今日の私のためにあったと言っておこう。自然には逆らえないが,人的努力で乗客のストレスは下げられたはずであったにもかかわらず,そうした努力の形跡が見られないから,余計腹が立つのである。あぁ不愉快。責任者,出て来やがれ!

2015年11月22日 (日)

まだまだ続く中国出張

今日の北京は朝から結構な雪で,フライトのでディレイも確実な状態である。現在の気温は0℃前後だが,移動先の上海は18℃ぐらいらしい。まぁこの程度の気温差なら大したことはないが,それでも疲労もあって,老体にはきつい出張である。

まぁ出張も後半に入るので,何とか乗り切りたいものである。

2015年11月21日 (土)

レベルの違う北京ダック

Image_3

出張中の楽しみはうまい食事しかないと言ってもよいが、今回食した北京ダックはマジでうまかった。皮の部分には砂糖をつけて食べるのだが、口の中で溶けたという感覚である。あんなのは初めての経験であった。中国四千年の歴史はだてじゃないねぇ。その一方ですでにお疲れモードの私。きついわぁ。

2015年11月20日 (金)

中年音楽狂,中国出張中。

久しぶりに中国出張中の私である。前回が1月だったので、結構間が空いてしまった。前回からの間に,こちらでも注文が取れ,今回は現地化を進めるための打合せと,顧客訪問のためであるが,25日までと結構長い。

北京に入り,週末に上海に移動するというスケジュールで25日に帰国予定。今日の北京は雪。週末は真冬日らしい。ってことで,体調管理も大変なのだが,今夜も白酒飲んで暖まろう(爆)。

2015年11月19日 (木)

Apple Musicで聞いたForeignerのベスト盤。懐かしいねぇ。

Records"Records" Foreigner(Atlantic)

通勤途上で何を聞こうかなぁと思って"For You"を見ていたら,これが出てきてしまった。このレコード持ってたなぁなんて思いながら聞いてみると,結構歌えてしまった(笑)。

改めて聞くと,いい曲ばかりではないかと思わせる人たちであった。私にとってはこのあたりまでで終了って感じのバンドではあったが,それでも彼らが残した曲は売れて当然と言ってもよい佳曲揃いだったと思う。

今でも現役というのは凄いが,私にとっては彼らの現在進行形には全く興味を持てないので,これを聞きながら,高校から浪人中,そして大学ぐらいの時代を懐かしむってのが私のこのアルバムの聞き方である。でもやっぱり歌えるってのは,それだけ聞いていたってことだよねぇ。まぁ流行ったしなぁ。

それにしても,全米で700万枚売れたってのも今となっては凄いねぇと思えるが,それだけ売れても私は納得してしまうな。このアルバムが出たのは33年前の11月っていうのに時の流れを感じつつ,懐メロにひたる中年音楽狂であった。ELOとかForeignerとかなんだかんだ言って好きなのだ。

2015年11月18日 (水)

素晴らしかったLizz Wrightのライブ@Cotton Club

Lizz_wright_cotton_club今年出たアルバムの中で,Lizz Wrightの"Freedom & Surrender"は私にとっては屈指の好盤の一枚である。そんな彼女が来日して,ライブをやると聞いたからには行かないわけにはいかない。ということで,Cotton Club東京に駆けつけた私であるが,どうにも客入りがよくない。半分ぐらいしか埋まっていないって感じだろうか。

だが,そんな客入りをものともせず,彼女たちが繰り広げた演唱はまさに「深い」。有無を言わさぬ感動を呼ぶとはこういうのを言うのだと言いたくなってしまった私である。ゴスペルとソウルとジャズをミックスさせた感覚はアルバムと同様であるが,彼女がオフマイクで入れる合いの手,彼女が叩くタンバリンやパーカッション,そして彼女の声そのものがディープでありながら,Cassandra Wilsonほど重くならず,それでも十分なソウルを感じさせて,本当に感動的なのである。

私の感動は2曲目に歌ったNeil Youngの"Old Man"からもはや明らかであったが,ライブ全編を通して,Lizz Wrightが一級の歌手であることを痛切に認識させられたライブであった。どこかの国には「ゴッドねぇちゃん」なんて呼ばれたえせソウル・シンガーがいるが,Lizz Wrightの歌を聞けば本当のソウル,本当のゴスペル,本当の歌とはどういうものかを思い知らされると言ってしまおう。レベルがそもそも違うのである。

バック・バンドもそれなりにソロのスペースを与えられて,気持ちよさそうに演奏していたが,中でもShedrick Mitchellのオルガンのソウルフルなプレイには,少ない聴衆も歓声を上げていた。私にとっては,これが今年17本目のライブであったが,間違いなく3本の指に入る感動を与えてくれたと言いたい。返す返すも聴衆の少なさが残念。できればサイン会もやって欲しかったが,魂込めて歌った後の彼女に多くを求めるのは酷ってことにしておこう。それを差し引いても素晴らしいライブであった。願わくば,Lizz Wrightという素晴らしい歌手への注目度が上がって欲しいものである。

ちなみに今回,バックでベースを弾いていたNicholas D'AmatoにはWayne Krantzとの共演作があって,そっちは変態ファンクだった(記事はこちら)のだが,今回は結構楚々としたベースを弾いていた。全然ちゃうやんけ(笑)。

最後に繰り返す。Lizz Wright最高である。これを聞かずに今年のライブは語れないぜ(きっぱり)。

尚,演奏したのは下記のはず。一度も袖に引っ込むことなく,ステージで歌い続けたLizz Wrightであった。

1.  Fellowship
2.  Old Man
3.  Somewhere down the Mystic
4.  The New Game
5.  Real Life Painting
6.  Stop
7.  Freedom
8.  Walk with Me, Lord
9.  The First Time Ever I Saw Your Face
10. (I've Got to Use My) Imagination

Live at Cotton Club東京 on November 17, 2015, 2ndセット

Personnel: Lizz Wright(vo, perc), Shedrick Mitchell(p, org), Chris Rosser(g), Nicholas D'Amato(b), Brannen Temple(ds)

2015年11月17日 (火)

Carsten Meinert:これは全く知らなかったが,濃い~アルバムである。

Carsten_meinert"To You" Carsten Meinert Kvartet (M.S.Records→Frederiksberg)

このアルバム,今年になって再発されたものだそうである。オリジナルは強烈に入手が困難な私家盤(プレス数は500枚らしい)であったとのことである。最近は新譜のチェックも必ずしも十分でない私なので,存在すら知らなかったわけだ。しかし,新橋のテナーの聖地,Bar D2に寄せて頂いた時に,常連のGさんから,「これ知ってる?」みたいな感じで聞かれた上に,マスターは私は聞いたことがあるはずとおっしゃる。しかし,絶対に私は聞いた記憶がない。ということで,ちょっと悔しいということもあり(笑),その場で発注である。しかし,このCD,プレス枚数も少ないのかもしれないが,既に入手が結構難しい。その場で探してみても,結構値段が高いのだが,もともと高かったらしいので,まぁしゃあないということで,某サイトで発注である。

お店で聞いた段階で,なんじゃこれはというぐらい,John Coltraneのイタコ状態である。こういう音楽がデンマークで生まれてしまうところには驚きを隠せない私であるが,Coltraneイタコ盤は以前,このブログでも取り上げたChrsitian Vander盤等もあるが,やはりColtraneの影響力の強さというのは本当に凄いものなのだと思ってしまう。

いずれにしても,このアルバム,マジで強烈というか,相当に暑苦しい。6/8みたいな拍子の選択からしてもJohn Coltraneっぽいということもあり,サウンド的には完全に往年のJohn Coltrane Quartetのような感じである。ジャケだけ見ている限りはこういう音だとは想像できない部分もあるが,聞いてびっくりみたいなアルバムであったということは言っておきたい。

こういう音楽は小音量で聞いては駄目なので,家族の顰蹙を恐れず,できるだけ音量を上げて聞きましょう(きっぱり)。おそらく再発されたことだけでも奇跡的と言われるんだろうが,それが値段にも表れているわ(笑)。希少度も込みにして星★★★★★としてしまおう。尚,CDの8-11曲目は初収録音源らしいので,今度はいつ聞けるかわかったものではないだろうねぇ。

Recorded in Fall, 1968

Personnel: Carsten Meinert(ts), Ole Mathiessen(p), Henrik Hove(b), Ole Streenberg(ds)

2015年11月16日 (月)

久しぶりに映画館に行った:観たのは「エベレスト 3D」だが,重い映画である。

Everest「エベレスト 3D("Everest")」('15,米/英/アイスランド,Universal)

監督:Baltasar Kormákur

出演:Jason Clarke, Josh Brolin, John Hawkes, Robin Wright, Emily Watson, Keila Knightley, Sam Worthington, Jake Gyllenhaal

しばらく映画館に行っていなくて,最後に行ったのは8月ということで,なんと3か月ぶりの劇場通いとなった。しかし,久々感がないのは,9月のNYC出張で9本映画を見て,それに関する記事をアップしていたせいだろうなぁと思いつつ,今の状態では年間24本劇場に行きたいという年初の目標達成は極めて難しくなってしまった。

それはさておきである。この映画は1996年のエベレストにおける大量遭難事故に基づいて描かれた映画であり,登場人物の名前やその生死については事実ベースになっている。よって,ドキュメンタリー的な部分も存在するが,そのほとんどがエベレストのシーンで占められているのがこの映画の特徴である。その自然の脅威を描くために3Dにしているものと思われるが,実を言うと,一般的な3D映画のようなギミックを施していないため,どこが3Dなのかと思っていた私である。しかし,おそらくは奥行き感を出していたのではないかと想像しているのだが,正直なところ,あまり3Dっぽくないなぁと思っていた私であった。それでもエベレストを映した映像は「荘厳」と言ってもよいものであったことは強調しておかねばなるまい。

だが,映画のストーリーは,悲惨な事故の模様を描くだけに,なかなか救いどころのないままあ終局を迎える。そういう意味ではエンタテインメント優先ではなく,事実ベースで,なぜこの悲劇が起こったかを真面目に描いた映画と言ってよい。映像に映し出されるエベレストの「荘厳」さの裏で起こる悲劇には,この事故に関わった人間のエゴも存在していたことを如実に示していて,馬鹿げているとは思いつつ,そうまでしてでも登頂を目指す人々の気持ちもわからないわけではないという複雑な思いを生じさせるものであった。だが,この映画を見ていて,この事故は自然災害でもあるが,「人災」という側面もあったのだということを痛切に感じさせられた。結局参加者が登山を行うために支払った大金や、そのために費やされたた時間によって,山頂に対する執着が強くなり,それが事故の原因だったということなのだから。

劇場を出る時に,決して爽快感を得られるわけではないが,これはドラマとしてはある程度評価したい映画ではあったと思う。但し,登場人物も相応に多いし,みんなひげ面だったり,酸素マスクをしていたりで顔も隠れているシーンも多いので,誰が何を演じているかは,2回ぐらい見ないと整理がつかない部分もあるかもしれない。その中ではSam Worthingtonがもうけ役ってところかな。星★★★☆。

2015年11月15日 (日)

天気の悪い午後に聞いたStan Getzの"Cool Velvet"。しみるねぇ。

Cool_velvet_and_voices"Cool Velvet" Stan Getz(Verve)

天気の悪い日は出掛けるのも億劫なのは誰もが共通だと思うが,そういう時には部屋で落ち着いて聞ける音楽に身を委ねたいと考えた時に,何を聞くかは迷うところである。クラシックでもいいのだが,こういう日はついつい渋めのチョイスをしてしまう私である。

そんな私が,土曜の昼下がりに聞いていたのが本作である。私がStan Getzに目覚めるまでには随分時間が掛かったわけだが,年齢を重ねるごとにこの人のやっている音楽がどんどん魅力的に響いてくる。私は彼の生は見たことがないが,日本公演はやれ手抜きだなんだと評判の悪かったStan Getzだが,彼の残した欧州でのライブ盤などを聞いていると,この人に手抜きなんて概念はないだろうと思えるだけに意外な気もするが,それはさておきである。

Cool_velvetこのアルバムはStan Getzによる"With Strings"ものであるわけだが,私が保有しているのは後の"Voices"とカップリングされた徳用盤であるが,私は正直前半の"Cool Velvet"の部分しか聞かないと言っても過言ではない。"Voices"が悪いという訳ではないが,私にとっては"Cool Velvet"の方がはるかに魅力的なのである。

一般に"With Strings"ものは原理主義的ジャズ・ファンからは目の敵にされることも多いわけだが,Getzのように歌心に溢れたテナーが,ストリングスをバックに気持ちよさげに吹くこのアルバムに文句を言う人とは私は絶対話が合わないだろうなぁなんて思ってしまう。確かにスリルとかテンションとは対極にあるような音楽だから,そっち方面のジャズとは違うだろうが,これだってれっきとしたジャズの一つだと思わなければならない。途中"Born to Be Blue"の野暮なフェード・アウトとかあるものの,Getzのテナーを楽しめるという点では結構いいと思える。

Getzのアルバムにおいては,必ずしも世評が高いものとは言えないかもしれないが,この気持ちよさはグルーミーな昼下がりにぴったりだったと思っている。ということで,あまりのフィット感に半星オマケで星★★★★☆。ちなみに写真は上が私が保有している2in1盤,下がよく見るジャケ。どっちがオリジナルかはわからないのだが,ネガを使ったジャケの方はどうなんだろうねぇ。少なくとも私の趣味ではないな(笑)。だからと言って,上のジャケがいいという気もないが...(爆)。

Recorded in March, 1960

Personnel: Stan Getz(ts), Blanchie Birdsong(harp), Dave Hildinger(vib), Jan Johansson(p), Freddie Dutton(b), Sperie Karas(ds), Russ Garcia(arr, cond), with strings

2015年11月14日 (土)

更新をサボってしまった。

Photo出張続きでヘロヘロの私である。今週は月曜~木曜,九州方面にいたので,現地でうまいもの食べまくりはいいのだが,そこにはかならずお酒がついてくる。でもって,ついつい飲み過ぎるのだが,仕事は決して楽ではないということで,今週はかなりきつかった。

加えて,家に戻っても,PCのBlu-rayが原因不明のまま再生がうまくいかなかくなって,メーカーに問合せをしながら対応していたら,ソフトウェアの更新に異常に時間が掛かり,PCも触れない状態だったというのが実態で,ブログの記事を更新するどころではなかったのである。結局原因はよくわからないのだが,USB DACがBlu-rayの再生に影響しているようだというのはわかった。これに対する解決策があるのかどうかはわからんが,取り敢えずはこの状態でしのぐことにしよう。

ってことで,あまりサボり癖をつけたくないので,取り敢えずの記事のアップだが,やっぱりバテバテである。歳を感じるわ(苦笑)。とつまらない事ばかり書いていても何なので,FBには既にアップ済みだが,出張中に福岡でいただいた物凄い鯖の写真を改めてアップである。こいつは脂が乗っていて,まじでうまかったぜい。

2015年11月11日 (水)

もう1枚のDave Liebman入りRH Factor(笑)。

_20151108"If I Only Knew" Reuben Hoch and the RH Factor(L+R)

先日,ライブ盤を取り上げたReuben HochのバンドであるRH Factorだが,もう1枚アルバムがあるのはこの前の記事にも書いた通りである。だが,先日アップしたKnitting Factoryでのライブ盤がかなりよかったので,もう1枚も気になってゲットしたものである。こちらもDave Liebmanほぼ全面参加と言ってよいが,それにこれまた先日記事にしたばかりのLeni Sternが何曲かで加わるというメンツである。

だが,前作がライブだったのに対し,今回はスタジオ作で,随分と雰囲気が違う。端的に言えば,フュージョン的な要素が強くなってしまい,これはかなり緩いと言わざるを得ない。Liebmanのこういうタイプの演奏が聴けるのは非常に珍しいわけだが,それだけでは本作を評価する気にはならないというところだ。Leni Sternも自作よりもはるかに軽くてどうもいかん。

ということで,前作ライブ盤を高く評価した立場としては微妙ではあるが,これはイマイチだなぁってことで星★★★。

Recorded in August and September 1995

Personnel: Reuben Hoch(ds), Dave Liebman(ss), Christoph Spendel(key), Leni Stern(g), Vic Martinez(g), Hans Glawischnig(b), Jeff Andrews(b)

2015年11月10日 (火)

久しぶりに聞いたHampton Hawes。いいねぇ。

Hampton_hawes"This Is Hampton Hawes:The Trio Volume 2" Hampton Hawes(Contemporary)

久しぶりにこのアルバムを聞いた。Hampton Hawesの音楽というのは,突出した感じは全くないのだが,身を委ねると何とも心地よいピアノだと思える。後年のCharlie Hadenとのデュオでは深遠な世界も描き出したHampton Hawesであるが,やはりこういう小粋なスイング感っていうのがこの人の真骨頂のような気がする。

言ってしまえば,何の変哲もないピアノ・トリオ・アルバムなのだが,それが非常に魅力的に響くのは,私が最近こういう音源を聞く機会が減っているからではないかとさえ思ってしまう。幅広い音楽を聞くことはそれはそれなりにいいことなのだが,こうした音源を忘れ去ってはいかんなぁと改めて思ってしまった1枚。2曲のオリジナルを除いて,有名曲で占められているが,そういう選曲がまたまた好ましく思えてしまった。でも決してカクテル・ピアノではないのである。

やっぱりたまには温故知新は重要なのだと思う私である。星★★★★☆。超弩級の名作とは言わずとも,誰からも愛されるピアノ・アルバムと言ってよいだろう。

Recorded on June 18, and on December 3, 1955 and on January 25, 1956

Personnel: Hampton Hawes(p), Red Mitchell(b), Chuck Thompson(ds)

2015年11月 9日 (月)

Matthew SweetとSusanna Hoffsのカヴァー・アルバム集大成ボックスは未発表音源多数!

Completely_under_the_covers"Completely under the Covers" Matthew Sweet & Susanna Hoffs(Edsel)

Matthew SweetとSusanna Hoffsによるカヴァー・アルバムはVol.1~Vol.3として,2006年,2009年,2013年に各々リリースされていて,それぞれ60年代,70年代,80年代の曲をカヴァーするという一貫したつくりで,かつこの2人らしいポップな出来で私は結構愛聴してきたと言ってよいだろう。そのアルバムに多くのボーナス・トラックを加えた4枚組として再リリースである。これまでの3枚をすべて保有している立場としては微妙だったのだが,それでも70年代をカヴァーしたVol.2がPart 2として丸々1枚CDが追加されているのでは買わないわけにいかなかった。

そこでカヴァーされているのが,Blondie,Television,Ramones,Badfinger,Buzzcocks,Brinsley Schwarz,James Taylor,Allman Brothers Band,Queen,Gram Parsonsとあってはこれまた目配りが広いわ。

彼らのアルバムが売れたって話はあまり聞かないが,このポップ感覚はこの時代において非常に魅力的に響くと思ってしまうのは,私が歳を取ったせいかもしれないが,こういうアルバムを聞いていると,日頃の憂さを忘れてしまえるようにも思う。尚,Vol.2だけでなく,Vol.1,Vol.3にもボーナス・トラックが入っていて,そちらは前者がKinks, Who,後者にはClash,Marshall Crenshaw,そしてPrinceがカヴァーされている。

こういう企画は,日本でも日本の曲でやろうと思えば不可能ではないと思うが,この感覚はやはり洋楽の方がいいかなぁって気もする。今回のボートラで驚いたのは,Televisonの"Marquee Moon"を10分以上に渡ってやっていることだろうが,それはオリジナルに忠実ってことにもなって,この人たちの曲への愛着みたいなものを感じてしまった。それはQueenの"Killer Queen"でも全く同じなのである。

私はこのブログにはVol.2しかアップしていないが,その時は星★★★★という評価をしたのだが,今回のこうした集成盤に関しては喜んで星★★★★★としてしまおう。だって楽しいんだもん(笑)。

参加者多数なので,Personnelは省略。しかし,Susanna Hoffsは私より年上なのに,相変わらず可愛い。萌え~となってしまう私は病気?(爆)

2015年11月 8日 (日)

ん?Dave Liebman入りRH Factor?(笑)

_20151107"Live in New York" The RH Factor(L+R)

Rh Factorと言えば,Roy Hargroveのファンク・バンドと相場が決まっている(それにしても彼らのライブは強烈であった。記事はこちら。)が,RH Factorで検索するとこのアルバムがヒットすることがあり,よくよく見るとDavid Liebmanなんて書いてある。まさかLiebmanがあのRh Factorに?と思ってしまうが,そんな訳はない(きっぱり)。その謎が先日,新橋のテナーの聖地,Bar D2で判明である。何のことはない。Reuben Hochというドラマーのバンド名らしいのだが,これが思わぬカッコよさなのである。

エレクトリックなセッティングの中で,ハイブラウな演奏が展開されている本作はKnitting Factoryでのライブであるが,いかにも演奏もKnitting Factoryらしいって感じがするものだ。私はオリジナルのKnitting Factoryは在米中に一度だけ行ったことがある(その時は確かJohn Lurieが出ていたはず)が,普通のジャズ・クラブとは明らかに違うし,客層も違っていたのをおぼえている。そんなヴェニューでのライブであるから,まぁ尖った感じは想定できる。

そうしたイメージ通りというか,Dave Liebmanがこういうセッティングで演奏すること自体が最近では珍しいとは思うが,それでもLiebmanはどうやってもLiebmanであるということを如実に示した作品である。ここではソプラノに徹しているが,音楽の質からしても,テナーよりもソプラノの方が合うだろうなぁというような音である。だが,こういうセッティングにおいても,あくまでもDave Liebmanはマイペースっていうところだが,バンドの音自体が私の好みと結構合致するところもあって,これはやはり見逃せないのであった。ということで,Bar D2で聞いた瞬間,即発注といういつものパターンにより海外に発注をしていたものがデリバリーされて,改めて家で聞き直しても,これはやっぱりいいだろうと思えるものであった。

Libeman以外のメンツで言えば,Jeff Andrewsが一番名前は通っていそうだが,プロデュースを兼ねるChristoph Spendelは相当数のアルバムをリリースしている人だし,ギターのKevin McNealにもリーダー作があり,それなりのメンツである。だが,やっぱりこれはLiebmanに耳が行ってしまうのは仕方がないところ。だが,リーダーのためにも言っておくが,これはもちろんLiebmanのファンが注目せねばならないものとしても,それだけに留めるのはもったいない気がする。今やRH Factorというバンド名称で損をしてしまっている気もするが,これはこの手の音好きにとっては見逃せない作品と思う。星★★★★☆。

尚,このバンド(もちろんLiebman入り)によるアルバムはもう1枚あるようなので,中古の安いのを見つけて発注してしまった私。なんだかねぇ。まぁ,安いからいいんだけど。

Recorded Live at the Knitting Factory on February 21, 1993

Personnel: Reuben Hoch(ds), Dave Liebman(ss), Christoph Spendel(key), Kevin McNeal(g), Jeff Andrews(b)

2015年11月 7日 (土)

Lee Ritenour / Dave Grusin@Blue Note東京参戦記

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このコンビが揃うライブを見たのは多分武道館での「ドリーム・オーケストラ」以来のことではないだろうか。だとすれば33年ぶりってことになるが、Lee Ritenourは完全なオッサン体形、Dave Grusinは81歳の後期高齢者となってしまった。そういう私も54歳のオッサンなのだから月日の流れは当然である。

それはさておきである。先日のDeodatoのヨイヨイぶりに失望させられた私であったが、今回のDave Grusinの矍鑠たる演奏ぶりには本当に嬉しくなってしまった。年齢を全く感じさせないのはWayne Shorter同様と言いたくなるような、極めてタイトな演奏を展開していたのには感動すら覚えてしまった。演奏はと言えばフュージョンの王道とでも呼ぶべき響きで、元々彼らのファンであった私であるから嬉しくならないわけがない。

私は元来、Bob JamesよりもDave Grusinだと言っていたし、今でもその評価には変わりはない。アルバムのクォリティも高いものが多かった。だから今でも"One of a Kind"や"Mountain Dance"を愛聴し続けているのだ。そうした私の思いに応えてくれたライブと言ってよい。もちろん、Daveだけでなく、他のメンバーも快演で、Lee Ritenourのキレのあるギターも素晴らしかった。

今回はいつもライブでご一緒させて頂く「イタリア・ジャズの女神さま」のご厚意もあり、このライブに参戦したのだが、まさにありがたやって感じのライブであった。

Live at Blue Note東京 on November 5,2015,2ndセット

Personnel: Lee Ritenour(g), Dave Grusin(p, key), Melvin Davis(b), Will Kennedy(ds)

2015年11月 6日 (金)

またまた「眠狂四郎」を見てしまった。

Photo「眠狂四郎 無頼剣」('66,大映)

監督:三隅研次

出演:市川雷蔵,天地茂,藤村志保,工藤堅太郎

Amazon Fire TV StickでAmazonプライムのビデオをTVで見られるようになったのをいいことに,暇さえあれば結構映画を見まくっている私である。実は,先日も「新幹線大爆破」を見たのだが,それは別の機会に記事にするとして,今回も「眠狂四郎」シリーズである。私も好きだなぁとつくづく思うが,市川雷蔵の魅力には勝てないのである(笑)。

この映画,多分見たのは初めてだと思うが,いつもの「眠狂四郎」シリーズのような感じがしないのは,脚本を時代劇の巨匠,伊藤大輔が書いているからだと思える。テロを背景としながら,市川雷蔵と天地茂を二枚看板にしたような構造の映画であり,いつものように市川雷蔵のワンマン映画ではないのである。ある意味,天地茂の存在感が強いからこそ成り立つ映画であり,しかもエロもグロもないし,ラスト・シーンもその後はどうなるんだと考えるときりがなくなるという「眠狂四郎」シリーズらしからぬ展開なのである。

なぜ天地茂が目立つかと言えば,円月殺法に円月殺法で挑むというほとんど反則技のような展開,更に黒基調の雷蔵の衣装に対し,白基調の天地茂という,これまた対立軸を明確にした展開なのである。だからと言って「陰と陽」でも「光と影」でもなく,「陰対陰」みたいなところが「眠狂四郎」っぽいところであるが,それでもこれは真っ当で正統的な時代劇のように思えてしまった。

だからと言って悪いという訳ではなく,市川雷蔵の魅力は十分に発揮されているし,藤村志保の和風美人度は先日アップした「勝負」より上がっている。そして天地茂である。ある意味,あの目は病的だと思わせるほどで,ファナティックなテロリストという感じを出しているのが非常に印象深い。まぁ,ここでの眠狂四郎のセリフにはニヒリズムが抑制されていることもいつもとの違いって気もするが,80分足らずの尺を大いに楽しんだ私であった。こんなもんを夢中になっている親父の姿を見て,娘がどう思ったかはよくわからんが,ちょっと恥ずかしいって気もしながら,一気に見てしまった私であった。あぁ面白かった。

Amazonプライムで無料で見られるこのシリーズは今のところあと2本あるので,またそのうち見ようっと(笑)。

2015年11月 5日 (木)

"The In-Between":やはりDanny Grissettの実力は大したものである。

Danny_grissett"The In-Between" Danny Grissett(Criss Cross)

Danny Grissettのリーダー作は"Stride"しか保有していない私だが,Tom HarrellやJeremy Peltのバンドでの仕事っぷりもよく,2013年には彼の武蔵野でのライブにも行った私である。この人のピアノは極めて上品であるということは以前にもこのブログに書いたが,現在はウィーンに住んでいるっていうことも,そうした私の感覚を裏付けるもののような気がする。当たっているかどうかは別にして,きっちりとピアノのレッスンを受けて,クラシックの道を選択することもできただろうが,ジャズを選んだって印象を与える人である。

そのDanny Grissettの新作はテナーのWalter Smith III(昨年リリースのリーダー作もなかなかよかった)を加えたワンホーン編成,ドラムスがBill Stewartということもあり,これはかなり期待できるという思いもあって,久々のアルバム購入となった。Apple Musicで試聴してからでもよかったのだが,多分大丈夫だろうという思いもあったのは事実である。結果的には私の想定は間違っていなかったと言ってよい。

オリジナルとスタンダード,そして最後の曲である奥方によるオリジナル曲をバランスよく配置し,現代的な響きと,美しい響きを両立させているところが好感度が高い。"Stablemates"をビルスチュとのデュオで聞かせてしまうセンスも只者ではないと思わせる。しかもそれがデュオというセッティングから予想されるような決して「熱い」だけではなく,クールな感覚を失っていないところが非常にいいのである。こういう曲がHenry Mancini作の"Dreamsville"のような美しい演奏の後に収まっているところにもセンスの良さを感じるのは私だけではないだろう。

今回,久々にこの人のリーダー作を聞いても,やはり"Noble"という表現しか思いつかない私の想像力の貧困を感じてしまうが,それでもやはりそれがこの人の個性なのだと思う。下品さと対極に位置するジャズってのもおかしい表現だが,それでもカクテル・ジャズに堕することは全くないという非常に魅力的な演奏。熱くならないWalter Smith IIIとの相性もいいように思えた。星★★★★☆。

Recorded on April 29, 2015

Personnel: Danny Grissett(p), Walter Smith III(ts), Vicente Archer(b), Bill Stewart(ds)

2015年11月 4日 (水)

中古で拾ってきたLeni Stern盤:なかなかいいねぇ。

Ten_songs"Ten Songs" Leni Stern(Lipstick)

先日,中古盤屋をうろついていて,David Muurayのソロ・ライブ盤と一緒に買ったアルバムである。全然音楽のタイプが違うやんけと指摘されればその通りだが,全方位主義の私らしいと言えば私らしい(きっぱり)。Leni Sternのアルバムは決定的とは言えないまでも,結構魅力的なアルバムが結構あって決して侮れないのだが,本作もそういう印象である。

そもそも私がこのアルバムを購入する気になったのは,プロデュースにWayne Krantzの名前がクレジットされていたからである。Leni SternとWayne Krantzはデュオ・アルバム"Soul Cages"を制作しているぐらいなので,因縁浅からぬ仲ではあるが,このアルバムは私は全然知らなかったこともあり,値段も安かったので購入と相成った。

メンツはLeni Sternのアルバムではほぼお馴染みの面々が揃っていて,彼女らしいというか,あるいはLipstickレーベルらしいとも言うべきハードなフュージョンが展開されている。冒頭の"Miss V"でLeni Sternがクラシック・ギターを弾いていて一瞬面喰うが,やっているうちにいつもの調子になっていくのは微笑ましい。特にBob Malachのテナーが入る曲では,まるでMichael BreckerあるいはBob BergのようなBob Malachのフレージングに笑ってしまうが,やっぱりこういう路線がLeni Sternの基本路線だろうねぇと思いたくなる。Leni Sternがスライドを多用しているのは結構特徴的だが。

だが,そういうハードな路線に加えてドラムレスの曲ではしっとり聞かせる展開もあり,アルバムとしてはなかなかよくプロデュースされているって感じがする。LPの時代で言えばA面とB面でリズム隊を変えているのも意図が明確で,これはこれでなかなかいいアルバムではないかと思っている私である。星★★★★。

そう言えば,彼女の"Secrets"も1,000円の廉価盤で出たのを新古で買ってきたのだが,全然聞けていないねぇ。さっさと聞かねば(苦笑)。

Personnel: Leni Stern(g), Wayne Krantz(g), Bob Malach(ts), Billy Drews(ss), Gil Goldstein(key), Lincoln Goines(b), Alain Caron(b), Dennis Chambers(ds), Rodney Holmes(ds), Don Allias(ds, perc), Badal Roy(perc)

2015年11月 3日 (火)

Deodato@ビルボード東京:正直言ってガックリきた。

Deodato_live2_1_2私は常々Deodatoの生み出すグルーブ感が心地よいと思っているし,このブログにも彼に関する記事をアップしてきた。だから,彼が来日してビルボードでライブをやると知って,一回は見ておきたいという気持ちから今回,福岡の日帰り出張から六本木へ直行という無理なスケジュールの中で現地に駆けつけた。

今や,Deodatoなんて過去の人だと言われればその通りであるし,今回の客入り(見たところ6割程度)もそういう感じだと思える程度だった。だが,誰が何と言っても,Deodatoが生み出すグルーブについては,本当に心地よいと思っているから結構期待してのライブだった。

しかしである。結論から言えば,あれだけ"Best of Deodato"のような選曲で演奏しながら,イタリア人のリズムの2人は頑張っているにもかかわらず,Deodatoのキーボードが私の期待するグルーブを生み出せていなかったのである。どうも本人の体調も芳しくなかった節はあるのだが,Deodatoのキーボードに全く覇気(というか力強さと言ってもよい)が感じられなかったのである。だから,私が期待するようなグルーブはあまり感じられなかったというのが正直なところである。それは聴衆の反応にも表れていて,熱狂からは程遠い感じの反応しか得られなかったというのが実感である。そもそもなぜ「ツァラトゥストラ」をオープニングとアンコール前の2回演奏するのかも理解できないし,MCも最初はポルトガル語で通すという,何を考えているのかわからん対応も疑問であった。途中から英語でMCをやるようになったが,その英語も何を言いたいのかさっぱりわからないって感じだったのである。そうした点もオーディエンスの反応に少なからず影響を与えていたはずである。

人間のやることであるから,演奏においてミスタッチがあるのは仕方がないが,Deodatoの生命線はグルーブなのであって,それが生み出せないのであれば,元来ピアニスト(あるいはソロイスト)として認められているわけではないDeodatoにとっては,それは凡百のミュージシャンと変わらないってことを意味することになってしまう。アンコール後,ステージ前のオーディエンスはスタンディング・オベーションを送っていたが,彼らがどう感じようが勝手だとしても,私にとっては全く期待外れの演奏だったと言わざるをえないのである。演奏中から「こんなはずではなかった」という感じで,私の頭の中に?が飛び交っていたと言っておこう。

私の隣に座っていたおじさまは,演奏の途中にいつの間にかいなくなっていたのだが,途中で席を立ちたくなっても仕方ないと思わせた演奏であった。但し,Deodatoの名誉のために言っておけば,彼の演奏は通常ならもう少しましなはずである。やたらにドラムスにソロ・スペースを与えていたのも体調の悪さの裏返しだということだろう。でも今回がこれでは次に来日しても行くことはないなと思ってしまった一夜。彼の音楽は今後はCDで楽しめばいいやってことにしておこう。

ライブについては当たりはずれがあるのは仕方がないとしても,今回はやっぱりいただけないできだったということははっきり言っておきたい。

Live at ビルボードライブ東京 on November 2, 2015, 1stセット

Personnel: Deodato(key), Pierluigi Mingotti(b), Stefano Paolini(ds)

2015年11月 2日 (月)

Vein + Dave Liebman:ジャケに食指は全く動かないが,内容はいいねぇ。

Jazz_talks"Jazz Talks" Vein Feat. David Liebman (Unit)

記事のアップに随分と時間が掛かってしまったが,ようやくのアップである。今年になってのリリースなので,まだ新譜扱いとさせて頂くが,リリースからは正直かなり時間が経過している。

本作は毎度お馴染みテナーの聖地,新橋のBar D2で聞かせて頂いて,その場で発注しながら,ちゃんと聞いてレビューしていなかった作品である。Bar D2のマスターはDave Liebmanについて極めて高度な情報収集能力をお持ちで,こんなものまでというような音源を聞かせて頂くことが多々あるわけだが,そんな中でもこういうアルバムを聞かされてしまうと,即刻発注したくなってしまうそういう作品である。

Dave Liebmanという人は,極めて多作の人なので,私のような半端な人間は,Bar D2で音を聞かせて頂いて気に入ったものを発注するというスタンスで十分だと思うが,それにしてもこれはLiebmanのリーダー作と言ってよいほどのアルバムである。だいたいがDave Liebmanなので,やわな演奏になるわけはないのだが,これまたいつものようなハイブラウなDave Liebmanが聞けるではないか。それがスタンダードにオリジナルを交えるという,これまた私が反応したくなるようなパターンである。但し,ここで演じられるスタンダードは超有名曲(なんてたって,"All the Things You Are"やら「枯葉」やら『パリの4月」やら「あなたと夜と音楽と」やらなのだ!)ばかりでありながら,やはりLiebmanがやるとこうなってしまうのねぇという感じを強く受けてしまうのである。一筋縄ではいかない。あるいは普通にはやらないってところであるが,それが私のようなへそ曲がりの人間には丁度いいのである。やっぱりLiebmanはLiebmanなのだ。しかも家人が出掛けた間隙をぬって,結構音量を上げて聞いていたものだから,またまたそのよさが感じられてしまうのだが...(爆)。

Dave Liebmanの話ばかりしていてはいかん。彼と共演しているVeinというトリオはスイスのバンドである。スイスの音楽シーンというのはよくわからないが,モントルーで大ジャズ・フェスティバルが開催されているのだから,ある程度は盛んなことは想像できるが,スイスのミュージシャンと言われてもFranco AmbrosettiとThierry Lang以外にはすぐに名前が出てこないのが実態である。しかし,ここでのVeinの演奏を聞いていると,実力は十分,それこそQuestと同じような感じの演奏を展開してしまうという印象がある。そうした音だからこそ私は魅かれてしまうわけだが,これはハイブラウなジャズってのはこういうもんだぜと思わせるに十分な作品。録音も極めて良好に思えるのは,真っ当な音量で聞いたからか?(笑) やっぱりたまには家でもこういう音量で聞かないといかんねぇとつくづく思わされてしまった。

決して万人に優しい音楽ではないが,スリリングな展開を求めるリスナーにはフィット感が強いのではないかと思う。いずれにしても私はこういうのは好きだなぁ。そうは言ってもジャケはやっぱりいただけないが。そこは惜しいんだよねぇ。星★★★★☆。

Recorded on December 5, 2013

Personnel: Michael Arbenz(p),Thomas Lahns(b), Florian Arbenz(ds), Dave Liebman(ss, ts,wooden recorder)

2015年11月 1日 (日)

最近出たPat Methenyの放送音源:これって"Blue Asphalt"だよねぇ。

Phase_dancer"Phase Dancer... Live, '77" Pat Metheny Group(Hi Hat)

いかにも怪しげなジャケットでリリースされたライブ音源であるが,ショップでは「かつてPolydor Recordsが「LIVE IN CONCERT」と題し米国内ラジオ放送局向けに製作した非売品のプロモ盤を再リリース!」なんて新譜情報を謳って消費者を煽っているが,よくよくデータを確認してみれば,これは以前,ブートで出た"Blue Asphalt"と同じ音源ではないか。"Blue Asphalt"については1977年8月31日のGreat American Music Hallでのライブとなっているはずだが,こちらは3曲目の"San Lorenzo"だけがSeattleでの録音となっているものの,ちゃんと比較したわけではないが,おそらくは同じ音源だと思っている私である。

そんなことはショップだって百も承知のはずだが,そういう事実は一切示さずに売らんかなという姿勢を見せることは極めて感じが悪い。

音源としては,まだまだテクノロジーにも依存しない「素」のPMGって感じで微笑ましい限りだが,古臭さはやはり否めない。ということで,よほどのファンにしかお勧めしないが,このアルバムについては「ブートでも出たアルバムの焼き直し」であるという事実を認識した上で購入すべきだと思う。ということで,皆さん気をつけましょう。

いずれにしても,ちゃんと確認せず,こんなもんに手を出した私のミスでもあるが,やはりショップや販売サイトの姿勢には文句を言っておきたいと思う。やっぱり不愉快である。

Recorded Live at Great American Music Haa on August 31, and at Seattle Opera House on August 4, 1977

Personnel: Pat Metheny(g), Lyle Mays(p, key), Mark Egan(b), Dan Gottlieb(ds)

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