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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2015年8月31日 (月)

3日も更新をさぼってしまったが,気を取り直してLP聞き...。

The_crossing"The Crossing" Sheila Jordan (Black Hawk)

このブログを始めてから,3日更新を滞らせた記憶はないが,忙しさにかまけて,ついつい記事の更新を怠ることになってしまった。ってことで,気を取り直してってことになるのだが,今日は珍しくもLP盤である。

私の家のLP再生環境が決してよいものではなかったのは,オーディオ・セットをリビング・ルームに置いていたからであるが,どうせリビングでは音楽は真っ当に聞かないということで,アンプとスピーカーを自室に移動し,アナログ・プレイヤーもがたが来ていたので,実家からこちらに送り,ようやく接続完了である。環境を変えても,大音量で再生できるわけではないので,スピーカーもBOSEの101Italianoという随分軽い構成である。それでも,自室でLPが聞けるようになることで,聞く音楽の幅は広がったことは大変めでたい。と言っても,LPは結構処分してしまったので,手許に残っているのは300枚ぐらいだと思うし,かなりのものはCDでも保有しているので,枚数としては本当に大したことはないのだ。だが,それでも久しく聞いていなった音源に接することができるというのは非常に嬉しいことである。ということで,今日はSheila Jordanである。

ジャズ・ヴォーカルをほとんど聞かない私が,このアルバムを購入したのは偏にバックの魅力的なメンバーによるところが大きい。別にSheila Jordanに私は思い入れはないし,決して私の好みの声ではない。だが,Kenny Barronを筆頭とするピアノ・トリオにTom Harrellを迎えるというメンツは結構魅力的である。そうは言っても,ジャズ・ヴォーカルを愛する人間でない私であるから,大してこのアルバムも聞かないまま放置していた。

やっぱりSheila Jordanの声や歌唱には癖があって,どうなのよってところはあるが,それでもここで聞くべきはTom Harrellのソロであり,それがあればいいやって気がしてしまった。もちろん,そんなに悪い音楽だとは思わないが,結局は好みの問題である。なんでこれを買ったのかと聞かれれば,やっぱりバックのメンツだったのよねというのを,このアルバムをかなり久しぶりに聞いて思った次第である。

ということで,今後は思い出したように家にあるLP盤についても記事を書くこと(の楽しみ)が増えていくだろうが,ということであれば,やはり今回の選択は成功だったということだろうなぁ。

Recorded on October 1 & 2, 1984

Personnel: Sheila Jordan(vo), Kenny Barron(p), Harvie Swartz(b), Ben Riley(ds), Tom Harrell(fl-h)

2015年8月27日 (木)

今日も記事を書けない...。

出張続きの状態がまたも復活である。移動中音楽を聞けないわけではないが,全然集中できないので,人様にお見せするような記事は書けそうにない。

まぁ,通常でもそうじゃね〜と言われたら反論の余地はないのだが(笑)。ということで,本日も開店休業の私である。

2015年8月25日 (火)

Rachael Yamagataから届いた自筆の歌詞フレーム。

Rachael_yamagata_5
前作に続いて,Pledge Musicで資金を募って新作を制作中のRachael Yamagataであるが,私は彼女を相当強くプッシュしていることもあって,今回もノベルティとして発注していた,彼女の手書きの歌詞を収めたフレーム。それがアルバムに先立ってデリバリーされた。正直言って,結構高かった(送料込みだったが,送料だけで$35.50もかかっている)のだが,いいのである,ファンなんだから(笑)。ちなみに,書いてもらう歌詞については,どの曲を選んでもいいということで,私が選んだのが"The Reason Why"である。

こういうのを眺めながらニヤニヤしている私は変態か(笑)?と思いつつ,部屋の模様替えをして,どこに飾ろうかなぁなんて考えている。我ながらミーハーだが,それが何か...?(爆)

それにしても,彼女はアジア公演はやっているのに,どうして日本はスキップするのか。また日本にも来て欲しいと思っているのはきっと私だけではないはずである。

2015年8月24日 (月)

Lee Ritenourの"Twist"シリーズは,今度は自分の音楽だ(笑)。

Twist_of_rit"A Twist of Rit" Lee Ritenour(Concord)

本作は結構早い時期にApple Musicで聞くことができて,1曲目を聞いた瞬間,私は「これは買いだな」と思って,即,ネットで発注をしたものの現物がデリバリーされた。

Lee Ritenourの"A Twist of ..."シリーズはJobim,Bob Marley,Motownと続いてきたが,ここに来て,今度のテーマは自分自身である。今回のアルバムのために召集されたスペシャルなメンツであるRitenour,小曽根,Kennedy,Wecklの面々による2曲とタイトル・トラック以外は旧作からのレパートリーのようだが,その中でも,初リーダー作,"First Course"からの選曲が4曲と突出している。それ以外は"Earth Run","Stolen Moments","This Is Love","Rit","Friendship"ほかからの選曲となっている。

そもそも"Firist Course"がリリースされたのは1976年であるから,約40年前ということになるが,その間,Lee Ritenourの音楽性は,一時期AORへの傾斜を示しつつも,極端に大きく変わることはなかったし,高いクォリティを維持してきたと言ってもよい。だからこそ,私も結構な枚数のリーダー・アルバムがリリースされても,それなりに追い掛けてきたわけである。とか言いつつ,"First Course"は保有していないのだが,そのうちの何曲かは,Epic時代のベスト・アルバムで聞いたことはあった。正直どちらかと言うとEpic時代の演奏は,私にとっては印象は薄い感じなのだが,冒頭の"Wild Rice"のリメイク版を聞いて,「買い」だと思ってしまうのだから,Ritenourのここでの目論見は成功していると言ってもよいだろう。

まぁ,実を言ってしまえば,私は"Countdown"のリメイクに期待していたのだが,"Rit"をオリジナルとするこの曲には,武道館ライブという決定的なバージョンをここでは凌駕していないのは惜しい。むしろ,オリジナルと同様のテンポでやっているし,結構アレンジも踏襲しているように思えるから,そういうプロダクションだったのだと思う。だが,小曽根たちとやった"W.O.R.K.n' IT"のなんとカッコよいことか。私は小曽根真がオルガンを弾いた時の魅力を,Mike Sternたちとのライブの場で体感しているので,これも期待していたのだが,期待以上のグルーブを生み出しているのが素晴らしい。

ライブの時の記事に,私は次のように書いている。「小曽根がオルガンを弾いて,マイキーがディストーションを踏んだ段階で,そこにはハード・ロック的な感覚が生まれたことは面白い。(中略) 考えてみればDeep Purpleにおいても,Jon Lordが弾いていたのはオルガンなのだ。あの感覚を私は客席で感じていたと言えばおわかり頂けよう。そういう意味では小曽根はオルガンを主にした方がライブとしての熱はもっと上がったはず(後略)」。そうなのである。あの時のメンツも今回の4人からギターがMike Sternに代わっただけなのだが,あの時体感したグルーブが再現されているようで嬉しくなってしまった。

いずれにしても,豪華なメンツを集めて,旧作を演じたと言っても,懐古的なところは微塵も感じられない。還暦を過ぎても,Ritenourはまだまだいけていると再認識させられたアルバムである。どうせなら小曽根入りバンドで一枚作ってはどうかとさえ思った私であるが,十分楽しませてもらったと思っている。星★★★★。

Personnel: Lee Riternour(g), Mechael Thompson(g), David T. Walker(g), Wah Wah Watson(g), John Beasley(p, key, synth), Dave Grusin(p, org, synth, vib), Patrice Rushen(el-p, clavinet), 小曽根真(p,org), Melvin Lee Davis(b), Tom Kennedy(b), Dave Weckl(ds), Chris Coleman(ds), Ron Bruner, Jr.(ds), Paulinho Da Costa(perc), Ernie Watts(ts), Bob Sheppard(fl, bs), Rashawn Ross(fl-h, tp), Wendell Kelly(tb), Tom Luer(ts), Adam Schroeder(bs), Tony Pusztai(g)

2015年8月23日 (日)

チェコのミュージシャンによるCDのレビュー・シリーズ(1):Pavel WlosokのRhodesが魅力的なライブ盤

_20150822"Jubilee Suite: Live at the Grey Eagle" Pavel Wlosok/Mike McGuirk/John Riley(New Port Line)

先日も書いた通り,チェコのレーベル,New Port LineのプロデューサーPetr MalekからいただいたCDについて,順次レビューの記事をアップしていくことにしたい。まず1枚目はPavel Wlosokのトリオによるライブ・アルバムである。John RileyはVanguard Jazz Orchestraでドラムスを叩いているので,ある程度名前は知られているが,そのほかの二人は私は初めて名前を聞いた。ベースのMike McGuirkはSmalls等にも出ているようだが,このブログで取り上げるのは初めてになるはずである。

Ashville_poster1Pavel WlosokのWebサイトによると,彼は現在,米国をベースに活動をしているようだが,その中で,教育者としての活動が結構な比重を占めているように思える。現在はノース・キャロライナ州のWestern Carolina Universityで教鞭を取っているようである。この大学,同州のアッシュビル(Asheville)から車で1時間ぐらいのところらしいが,アッシュビルという街には,私の知人が住んでいて,私も一度訪問したことがある。こじんまりとしているのだが,芸術とビールに溢れているって感じのナイスなところであった(ビールの街なのは右の笑えるポスターを見て頂ければわかるだろう)。因みにRoberta Flackはアッシュビル出身らしい。そんなアッシュビルにあるGrey Eagleというヴェニューで本作は録音されている。

本作が録音されたのは2006年だが,リリースされたのは2012年になってからのことである。しかし,時間が経っていたとしても,リリースする価値のある音源だったと思える演奏である。そもそも本作は私の好物であるRhodesに徹したピアノ・トリオであり,それだけで結構ポイントが高いわけだが,演奏だけでなく,Pavel Wlosokの書くオリジナルも魅力的に響くところがよい。本作の後半に収められたタイトル・トラック,"Jubilee Suite"は4曲から構成される組曲であるが,それに留まらず,前半4曲も魅力的な曲揃いであり,リーダーのコンポーザーとしての力量がわかるわけだが,それらがRhodesを用いたトリオで演奏されるのだから,Rhodes好きには堪えられないのだ。そして,テンポの速い,遅い関係なく,どの曲も非常に心地よく聞けるのはレベルが高い証拠である。

一般的な感覚で言えば,Pavel Wlosokという名前は日本ではほとんど知られていないと思われるし,米国においても,教育系ではある程度知られていたとしても,一般的な知名度もそんなに高くないだろう。換言すれば,ローカル・ミュージシャンのような位置づけになるわけだが,そうしたミュージシャンがこういうCDを吹き込んでいるところが,ジャズという音楽の懐の広さってところかもしれない。知らないからと言って侮ってはならないという好例。Rhodesの響きもよく,星★★★★☆。ご関心のある方はApple Musicを使って試聴してみて頂ければと思う。

因みに,私がアッシュビルを訪れたのは今から4年ほど前になるが,懐かしいので,その時撮影した風景写真も蛇足ながらアップしてしまおう。これはバーでビールを飲むのに立ち寄ったOmni Grove Park Innという結構ナイスなホテルのテラスから撮影した写真のはずである。まじでいいところなのである。また行けるかなぁ...。

Recorded Live at the Grey Eagle Music Club on April 23, 2006

Personnel: Pavel Wlosok(rhodes), Mike McGuirk(b), John Riley(ds)

Ashville

2015年8月21日 (金)

中年音楽狂の国際親善?(笑) チェコからアルバムが届く。

Photo 先日,驚くべきことにジャズ界のオンドレ君こと,Ondrej Stveracekが単身来日し,神戸でクリニックとライブ演奏をしていったことを知っているのは,限られた人ではないかと思うが,どうして東京に来てくれないのかと思いつつ,Facebookにも書き込みをしてしまった私である(笑)。そんな彼の最新作"The Form"は,同作のプロデューサーであるPetr Malekに直接コンタクトして手に入れたのだが,先日,そのPetr Malekからメールが来て,CDを送るからレビュー書いてよって依頼が舞い込んできた。こっちは"OK"ってことで,CDのデリバリーを待っていたら,なぜか日本国内からゆうパックでCDが到着である。察するにPetr Malekがオンドレ君にデリバリー・ボーイをやらせたのではないかと思われるが,ご苦労なことでした,オンドレ君。そして,国内でCDを送って下さったTさんにはお礼のショート・メールを送ったのだが,届いているかわからないので,ここで改めてお礼を述べておきたい。

そして届いたのが6枚もある。うち1枚は"The Form"なので,今回のレビュー対象は5枚ってことになるが,それが上に掲示したものである。ピアノのPavel Wlosokのリーダー作が3枚,そしてギターのLibor Smoldasのリーダー作が2枚である。前者はJoel Frahm(左から2番目のアルバム),Donny McCaslin(真ん中のアルバム)を迎え,後者はBobby Watson(右から2番目のアルバム),Jay Anderson,Adam Nussbaum(一番右のアルバム)等の米国組を迎えての作品となっているが,これだけのメンツが揃っていても,日本国内ではディストリビューションが確立していないため,非常に手に入れにくいアルバムであり,私も今回送ってもらうまでは存在すら知らなかったものばかりなのだ。だが,こうしてプロデューサーの厚意で送ってもらったりすると,これは大いに楽しみである。そしてちゃんとレビューせねばって気持ちにもなる。

ということで,まずはそういう依頼を受けて,国際親善モードとなった中年音楽狂であるが,これからアップする記事をご覧になって,入手されたいという方は,今のところチェコの通販サイトに行ってもらうしかないのだが,これからゆっくり聞かせてもらって,時間を掛けてでもきっちりレビューさせてもらうことにしよう。

2015年8月19日 (水)

初めてM.I.シリーズを見た私(笑)

Image 「ミッション・インポッシブル:ローグ・ネーション("Mission Impossible: Rogue Nation")」('15,米/香港/中)

監督:Christopher McQuarrie

出演:Tom Cruise, Jeremy Renner, Simon Pegg, Rebecca Ferguson, Sean Harris, Alec Baldwin

夏休み中に観た映画を遅ればせながらアップである。これは家族で「ジュラシック・ワールド」を観たのと同じ日に,それに先立って私一人で観に行ったものである。本作でシリーズ5作目となるが,実を言うと私は「ジュラシック・ワールド」同様,このシリーズも全く見たことがない。それは劇場,DVD,機内エンタテインメント含めてなのだから徹底しているのである(笑)。

それでもって,今回,このシリーズの作品を初めて見たのだが,その後に観たのが「ジュラシック・ワールド」だったこともあって,結果的に随分好感度が上がってしまった。なぜならば,CGは使っているとしても,それが主となっていないからである。ストーリーこそ荒唐無稽なところはあるものの,肉体派(笑)Tom Cruiseの真骨頂と言うべきか。どこまで本当に自分でやっているのかはわからないのだが,とにかくよくやるわって感じである。まさに息もつかせぬ連続アクションだが,これこそスターとしての対応だよねぇと妙な感心の仕方をしてしまう私であった。

だが,本作を観ても,こっちも続編作る気満々じゃんと思わされるのだが,これぐらいのクォリティを保ってくれれば,また見に行ってもいいのでは思わされるなかなかに面白い映画であった。それにしてもやっぱりよくやるわ,Tom Cruise(笑)。星★★★★。中国/香港資本も入って,今後も予算は問題ないってことで、お後がよろしいようで。Alec Baldwinも次作に出る気満々だろうねぇ。

2015年8月18日 (火)

Freddie Hubbard,最後の輝き?

_20150719"Live at Fat Tuesday's" Freddie Hubbard(MusicMasters)

晩年のFreddie Hubbardは唇の怪我や病気によって,全くと言っていいほど,精彩を欠いてしまったわけだが,唇の怪我をしたのが1992年らしいので,真っ当に吹けたFreddie Hubbardのかなり最後期の演奏を収めたのがこのアルバムだと思う。時は1991年12月であるから,私はまだNYC在住中のことである。よって,行こうと思えば行けたはずのライブであるが,なんで行かなかったのかと思っても後悔先に立たずである。

Fourmostこのアルバムが吹き込まれたFat Tuesday'sももうなくなってしまって久しいが,私も何度か足を運んだことがある。非常にステージと客席の距離が近いクラブで,テーブルの間隔が狭いとも思えたが,逆にインティメートと言えば,その通りと言ってもよいクラブであった。どれぐらいの感覚かと言えば,横に掲げるJimmy Smithのアルバムのジャケを見て頂ければお分かり頂けるはずである(ちなみに,ここには私の大学院の同級生と,私の背中と思しき姿が写っている,と少なくとも本人は思い込んでいる)。そんな場所でこんな演奏をされてはのけぞらざるをえないが,それぐらいNYCの寒い冬を吹き飛ばすような熱い,熱い演奏である。そもそも1曲目からして"Take It to the Ozone"だもんなぁ(笑)。冒頭から突き抜けてしまっている。

全編を通して勢いのある演奏なのは,バンド・メンバーに比較的若いメンツを集めていることも影響しているだろう。最年長は当時32歳のTony Reedus,ベースのChristian McBrideに至ってはまだティーンエイジャーである。以前にもこのブログにも書いたことがあると思うが,私が初めてChristian McBrideを見たのは1990年の暮れあたりに,今は亡きBradley'sに出ていた時である。その時は,まだ18歳だったMcBrideに度肝を抜かれたというのが正直な感想だった。ここでの演奏はそれから約1年後の演奏のはずだが,やはり凄い人は凄いのだということを思い知らされる演奏である。そしてそれを迎え撃つFreddie Hubbard,53歳。一歩も引いてないわ。

まぁ,全編に渡って疾走感のある演奏なので,唯一のバラッドである"But Beautiful"でホッとするぐらいで,さすがにこれはやり過ぎではないかとも思えないこともない。だが,そうだからこそFreddie Hubbardらしいとも言えて,楽しめるアルバムである。勢いがあり過ぎて,しょっちゅう聞きたいと思うものだとは思わないが,たまにこういうのを聞くと嬉しくなるのも事実である。星★★★★。

Recorded Live at Fat Tuesday's on December 6 & 7, 1991

Personnel: Freddie Hubbard(tp, fl-h), Javon Jackson(ts), Benny Green(p), Christian McBride(b), Tony Reedus(ds)

2015年8月17日 (月)

Joni MitchellとHerbie Hancockのデュオとは貴重な音源だ。でもブートに毛の生えたようなものなので注意。

Bread_and_roses_festival"Bread & Roses Festival, 1978" Joni Mitchell with Herbie Hancock(Iconography)

健康状態が心配されるJoni Mitchellであるが,憶測情報は飛び交うものの,リアルな情報が伝わってこないところがますます不安を掻き立てる。とにかく,彼女の快復を祈る私である。

そんなところに,ネットをうろついていて見つけたのがこの音源である。これはFM放送音源をCD化したものであり,ある意味ブートまがいと言ってもいいようなものである。だが,Joni MitchellとHerbie Hancockがデュオで演奏したなんてことは聞いたこともないわけで,これは非常に貴重な音源と言ってよい。

そもそもJoni Mitchellがライブでの演奏を聞かせたのは"Last Waltz"の時以来だったらしいから,米国の聴衆にとっても非常に久しぶり,かつ珍しいセッティングでの演奏だったと言える。まぁ,そうは言っても,テープの保存状態は完璧ではないので,音揺れを感じる瞬間もあるし,決して多くを望んではいけない。だが,やはり貴重なものは貴重なのである。ただ,JoniとHerbieのデュオは2曲で聞けるだけなのは惜しいけどなぁ。ちなみに"The Circle Game"でピアノを弾いている可能性もあるが,それがHerbieかどうかはわからない。ラジオのDJのアナウンスからすると,Herbieも参加しているようではあるが。ついでに,オマケで追加されたHerbie Hancockがホストを務めたケーブルTVの番組の1987年の音源では間違いなく共演している。こっちはWayne Shorter,David Sanborn,Bobby McFerrinにLarry Kleinも参加して,なんじゃそれはっていう音源である。ドラムスとパーカッションは不明。オマケの音源はYouTubeから拾ったものではないかと思しきもので,その映像を発見したので貼り付けておこう。ドラムスはほとんど姿が見えないし,パーカッショニストも誰と判別できない(私が無知なだけだが...)。

一方,本作がブートまがいなのは,ライナーにも表れていて,ほとんどの記述が"JoniMichell.com"からのコピペなのである。まぁ,こういうところはいかがなものかって思ってしまうが,Joni Mitchellのファンとしてはそれでも聞きたいというのが本音なのだ。しかも"The Dry Cleaner from Des Moines"なんて,アカペラで歌っているし。

ってことで,よほどの物好きにしか薦められないが,ファンにとってはこれはこれで価値のあるものであることは間違いない。だが,このジャケは...って感じで,ブートまがいだろうが,もう少し趣味よく作って欲しかったねぇ。

2015年8月16日 (日)

続けてのECM聞きはMiroslav Vitousのベース・ソロ

Emergence"Emergence" Miroslav Vitous (ECM)

本作は中古でゲットしたまま,ちゃんと聞いていなかったアルバムである。私は昔からMiroslav Vitousのアルコの過剰にギコギコした音を苦手としていて,Chick CoreaとRoy HaynesでやったLive under the Skyでの演奏なんて正直辟易としていた。そんなVitousのソロ・アルバムとあっては,以前の私なら食指も動かないところであるが,中古でECMのアルバムを見つけるとついつい買ってしまうという悪い癖(笑)が出て,入手したものである。

だが,ここでの演奏を聞いていると,これが全然悪くない。というよりむしろ私は感心してしまったのである。ピチカートとアルコを交えて演奏されるベース・ソロは,この楽器の奏者としてのMiroslav Vitousの実力を示している。もちろん,私の趣味に合わない全くアルコ音が出てこないわけではない。それでも,それを上回る演奏面での魅力を感じさせる。

私はMiroslav Vitous在籍中のWeather Reportの演奏は好きだし,全面的にVitousを毛嫌いしているわけではないのだが,普通のリスナーにとっては,ベース・ソロでアルバム一枚を聞き通すことも大変なところに,あの音を想像してしまっては,なかなか手が出なかったというのが正直なところである。だが,先述の通り,このアルバムはこういう音楽に耐性のないリスナーにはどうやっても無理だろうが,ECMレーベルにおける特異な編成に抵抗がなければ,全然問題なく聞けてしまうのである。また,アルバム後半にGershwinの"Here Come de Honey Man"へのオマージュや,スタンダード"Alice in Wonderland",そして「アランフェス」等が収録されているのも比較的聞きやすくなっている要因だと思える。

今までの私が食わず嫌いでこのアルバムに接してこなかったのは間違いだったなと思わされた一枚。ということで,反省も込めて星★★★★☆としてしまおう。それでもやっぱり音としてはアルコよりピチカートの方が好きだが(笑)。この音楽がなっている間は,猛暑を忘れることができたような気もする。そんな副次効果があったことも書き添えておきたい。

Recorded in September 1983

Personnel: Miroslav Vitous(b)

2015年8月15日 (土)

新譜でもなんでもないが,ECM未聴盤聞き:Giovanni GuidiのECM第1作

City_of_broken_dreams"City of Broken Dreams" Giovanni Guidi Trio (ECM)

私はECMレーベルのそこそこのファンだが,買ったはいいが,全然聞けていないアルバムが実は結構残っている。このアルバムは彼らのECMでの第2作"This Is the Day"がよかったので,その後買い足したものだったと思う(あるいは先に買っていたかもしれない...)が,それを記事にしたのが5月の半ばだった(記事はこちら)から,もう3か月も経過しているではないか。どうも最近は購入したものの,音楽を聞く時間が十分にないのはいかんなぁと思いつつ,遅ればせながらの記事のアップである。同じようなことを前述の記事にも書いていて,全く私のブログにも芸がないと反省せざるをえないが,まぁそれはさておきである。

”This Is the Day"同様,本作はECMを好むリスナーにとってはフィット感抜群のアルバムではないだろうか。甘美なメロディ・ラインを持つ曲と,若干フリーなアプローチを取った曲が混在していて,まさにこれってECMっぽいよねぇという音であり,この2作は非常に近い印象を持っているように思う。これがManfred Eicherのプロデューサーとしての個性であり,手腕であると思うが,次に出るアルバムが同一路線で来るか,何らかの変化を示すかは今から興味深いところである。いずれにしても,比較的短いインターバルで2作がリリースされているところに,この人への期待が示されているように思えるし,それも当然と思えるサウンドである。

いずれにしても,Giovanni Guidiというピアニストが,今後もECMレーベルで活躍していくことはまず間違いないと思わされる作品であった。星★★★★☆。このGiovanni Guidiといい,Stefano Battagliaといい,Vijay Iyerといい,ECMレーベルは期待できるピアニストの宝庫という位置づけを確保しているなぁ。加えて,Marcin WasilewskiもTord Gustavsenもいるって凄いことであるが,それだけManfred Eicherという人が磁力を持つということの証左と言えよう。

ちなみに今度はTigran Hamasyanまで出るみたいだが,私はあの人は苦手なんで,ECMとは言え,買わないかもなぁ(笑)。

Recorded in December 2011

Personnel: Giovanni Guidi(p), Thomas Morgan(b), João Lobo(ds)

2015年8月14日 (金)

「ジュラシック・ワールド」はMX4Dでなければきっと面白くもなんともなかっただろう。

Image

「ジュラシック・ワールド("Jurassic World")」('15, 米,Universal)

監督:Colin Trevorrow

出演:Chris Pratt, Bryce Dallas Howard, Irrfan Khan, Nick Robinson, Ty Simpkins

世界でヒットしている映画である。だが,私はこのシリーズ,今まで劇場でもレンタルでも見たことがない。あるいは第1作だけはDVDで見たかもしれないが,大して印象に残っていない。ただ,いろいろなところでプロモーション映像は見ているので,そちらの印象は強烈に残っている。では,そんな私がなぜこの映画を観に行く気になったかと言えば,映画館の新システムであるMX4Dを体験するにはいいかもしれないと思ったからである。このMX4Dとは『映画のシーンに合わせて、客席のシートが前後、左右、上下に動くとともに、風、ミスト、香り、ストロボ、煙や振動など五感を刺激する特殊効果が11種あり、これらが連動することによって、通常のシアターでは決して味わえない「アトラクション型の映画鑑賞スタイル」を実現』するとされている。だとすれば,恐竜が出てくるこの映画なんて最適ではないかと思ったのだ。

結果からすれば,映画そのものはCG技術の進歩には目を見張らされるものがあったが,シナリオには驚きはないし,ラスト・シーンなんてリメイク版「ゴジラ」のようではないかと噛みつきたくなってしまった。だが,そういう不満を払拭するにMX4Dというシステムが貢献していたように思えた。逆にこれを2Dで見ていたら,印象は相当違うものであるように思える。

MX4Dは昔で言えばディズニーランドのスター・ツアーズみたいなもんだと思うが,今回は土っぽい匂いまでするのが,さらに進化したってところか。だが,それはアトラクションとしての魅力であって,映画の魅力ではないところが問題である。結局,私にとっては大したことないって感じの映画なのだが,制作サイドは続編を作る気満々なのもなんだかなぁって気がする。やはり私はCG偏重の映画に厳しいってことだと思うが,MX4Dは結構笑わせてくれたのでまぁいいか。とは言え,MX4Dの効果を込みにしても星★★★が限界。続編ができても行くとは思えないというのが正直なところ。ちなみに3Dはほとんど効果がないと思えたので念のため。

2015年8月13日 (木)

ジャケ買いした記憶が鮮明に残っているAfghan Whigs

Gentlemen_2"Gentlemen" Afghan Whigs(Elektra)

このCDを買った時のことは妙に鮮明に覚えている。本作がリリースされたのは1993年だが,私がこのアルバムを購入したのは米国出張中,NYCにおいてのことだった。場所は,今はもうなくなってしまったが,Columbus CircleとLincoln Centerの中間ぐらいにあったTower Recordsだったはずである。

私がこのアルバムを試聴もせず購入したのは,偏にこの印象的なジャケットのせいである。ロックのコーナーに置いてあったから,ロックのアルバムだということはわかっていたが,どんな音楽かは全く承知していなかった。そんな私を,このジャケ写真が「おいで,おいで」していたのである(笑)。表ジャケ,裏ジャケ,ライナーに写るこの少年の写真に強烈な訴求力を覚えた私だが,ジャケ写真にはタイトルもグループ名も書かれていない。このアルバムの名前とAfghan Whigsという名前は,CDの背から知ることができただけである。バンド名も知らなかった私だが,そんな私に買わせてしまうのだから,これはアートワークの勝利と言わず何と言うべきか。と言っても,保守的な人から見れば,このジャケットは問題があるように映るかもしれない。Linda Ronstadtがこのジャケを見て怒り狂ったとかいう逸話も伝わっているが,私にはいいセンスに見えるけどねぇ。超リベラルな私らしい(笑)。

そして音楽を聞いてみると,グランジに分類されるのではないかと思えるが,アメリカのバンドにしてはウェットな感覚が妙に気に入って,買ってからしばらくは結構聞いていたように思う。リリースから21年後の2014年には"Gentlemen at 21"としてリイシューされているから,それなりに評価されているアルバムだったのだろうと言えると思う。日本ではAfghan Whigsなんてのは決してメジャーな存在と言えないかもしれないが,私の中ではこのジャケだけで一生頭から離れることはないという不思議なアルバム。決して私の嗜好に完全にフィットする音楽ではないのだが,そういうアルバムがあってもいいと思う。星★★★★☆。

Personnel: Greg Dulli(vo, g), Rick McCollum(g), John Curley(b), Steve Earle(ds), Harold Chichester(p, key), Barb Hunter(cello), Marcy Mays(vo), Jody Stephens(vo)

2015年8月12日 (水)

久々のECM聞き:David Tornの新作はハードル高いかもなぁ。

David_torn_4"Only Sky" David Torn(ECM)

私はECMレーベルの作品は結構買っている方だが,ここのところ,レーベルからのリリース数が多過ぎて,注文しても積んどく状態になっていることが多いのも事実である。未聴のままになっているCDは結構な枚数があると,ここでは告白せざるをえまい。

そんな中で,David Tornの新作であるが,David Tornについては,先日,Tony Levin~Alan Whiteという強力リズムとの共演盤についてこのブログにも記事をアップしている(記事はこちら)が,本作はそれよりも前にデリバリーされていながら,これまで聞いていなかったもの。どれだけ放置していたのか?と突っ込まれても仕方がないが,まぁそういうことも...(苦笑)。

そして,このアルバムを聞いて,これはハードルが高いと思ってしまった私である。ビートなしで繰り広げられる音楽は,ややノイズ系のアンビエントと言ってもよいかもしれないし,インプロヴァイズド・ミュージックと言ってもよいかもしれない。いずれにしても,ジャズのカテゴリーで捉えるのはかなり難しい作品と言わざるをえない作品である。先述のLevin~Whiteとのアルバムとの落差が大きく,リスナーとしてはどっちが本質なんだと戸惑ってしまうのも事実である。

David TornのアルバムはECMレーベルとしては異色のものが多いと思えるが,これがまたまた異色中の異色と言ってもよい出来であり,ECMレーベルの作品としても,レーベル・ファンも驚いてしまう作品。私としては,こういう音楽にはそれほど抵抗はないと思っているが,それでもLevin~Whiteとの共演盤と本作のどっちが好きかと聞かれれば,間違いなく前者と言ってしまうだろう。そういう作品である。やっぱりビートはある程度あった方がいいと思うけどねぇ。星★★★。

Recorded in February, 2014

Personnel: David Torn(g,el-oud)

2015年8月11日 (火)

Gal Costaの新作:多才さを示していても,ちょっとこれはとっ散らかり過ぎに感じる。

Gal_costa"Gal Estratosférica" Gal Costa(Sony Music)

Gal Costaのアルバムは,私は大して保有していないが,持っているアルバムについては結構気に入っているので,やはり気になる人である。ここでも今年で古希を迎えるとは思えない若々しい声を聞かせている。

アルバムの冒頭から,想定外のロック・サウンドが響き,思わずのけぞった私である。本作は,ブラジルの有名どころがおそらくは彼女のために書いた曲を歌っていると想定されるが,それはGal Costaというシンガーの,ブラジルにおける人間国宝的(?)ポジションを示していると思うが,彼女をリスペクトするであろう書き手がバラバラだけに,アルバムとして一本筋を通すのが難しいように思える作品となった。

正直に言ってしまえば,各々の曲で聞かれるGal Costaの歌は,彼女の多彩さ,多才さ,多様性を実証していると思うが,次から次へといろいろなタイプの出てくるので,悪く言えば出来のイマイチのコンピレーションを聞かされるような気分になってしまい,落ち着かないのである。ブラジル音楽に私が求める要素と違うっていうところが,そうした気分を生み出すのは間違いないので,それはあくまでも個人的な感覚だとしても,私にはやはりどうも居心地が悪かった。

逆に言えば,こうした作品は歌手としては非常にチャレンジングなものであると思えるが,Gal Costaの進取の精神で仕上げた作品として評価はしなければならない部分もある。だが,やはり私としては求めるサウンドとの乖離が大きく,ちょっと残念な作品。Gal Costaの責任というより,プロデューサーであるKassinとMoreno Velosoの手腕が不足しているって感じだろうな。星★★★。

Personnel:Gal Costa(vo), Guilherme Monteiro(g), Kassin(b, g, synth), Pupillo(ds, perc), Andre Lima(key, org), Armando Marcal(perc), Moreno Veloso(g, cello, ukulele, vo), Joao Donato(rhodes) & Others

2015年8月10日 (月)

Dan Penn & Spooner Oldhamのデュオ・ライブのデラックス・エディション現る

Dan_penn_spooner_oldham"The Complete Duo Recordings" Dan Penn & Spooner Oldham (Proper)

このアルバムの元ネタである"Moments from This Theatre"については2007年の12月に記事にしている(記事はこちら)が,そこでも私は彼ら2人の演唱にしびれまくっていることを書いているわけだが,今頃になって,そのデラックス・エディションが登場である。但し,このバージョン,CD版"Moments from This Theatre"はそのままで,オマケにDVDが付いているのがポイントである。しかもCDには収録されていない曲が7曲入っている。

よくよく見てみると,DVDが収録されたのはロンドンのSt. James's Churchという教会であるが,この演奏そのものはCDとは全く異なり,2006年に改めて収録されたものである。CD版と同じ並びで曲が入っているが,演奏は別物であることが重要なのである。

それにしても,Dan Pennのアコースティック・ギター(Martin D-45だろう)とSpooner Oldhamのエレピ(Wuritzer)だけで演奏される映像は渋過ぎである。もともと音からして渋いのに,映像が更に輪を掛けて渋い。と言うより地味と言ってもよいぐらいである。だから,何回も見るようなものではないかもしれないが,それでもこれには一見,一聴の価値があると思える。かつこのライブが収録されたSt. James's Churchという場所のアンビエンスが非常に魅力的である。この教会,よくコンサートを開催しているようであるが,雰囲気という点ではこのデュオにぴったりである。本作のプロモーション用の映像があったので貼り付けておくが,私の言っていることはこの映像を見て頂ければお分かり頂けよう。

本当にいい曲を書く人たちである。DVDでも改めてその素晴らしさを堪能させてもらったので,今一度星★★★★★としてしまおう。CD収録に近い時期にBBCで放送された映像もあったので,ついでにそっちも貼り付けておく。どっちにしてもやはり渋いですなぁ。

2015年8月 9日 (日)

Antonio Faraoの新作は新主流派的な響きが濃厚だが,かなりよい。

Boundaries"Boundaries" Anotnio Farao(Verve)

最近,ブログにもしょっちゅう書いているが,昨今はApple Musicで聞けるものは,聞いてからCDを買うようになりつつあるので,ショップで直感的に(あるいは勢いで)CDを買うってこと自体が少なくなっている私だが,これはApple Musicでも聞けるにもかかわらず,その場で買ってしまったアルバムである。

私はAntonio Faraoはこれまでにも何枚か聞いているが,どのアルバムを聞いても,非常にレベルの高く,かつハイブラウな演奏を聞かせる人だと思っているから,新作が出れば聞いてみたいよねぇって感じで,今回も購入である。とか何とか言いながら,前作"Evan"については聞いたのに,記事もアップしていないとはどういうことだっ!と言われても反論のしようがない(爆)。

それでもって今回のアルバムだが,冒頭から新主流派的なサウンドが顕著である。ある意味ダークな世界と言ってもよいが,こういうサウンドを好物とする私にとっては非常に楽しめるものとなった。基本テナー+ピアノ・トリオのワン・ホーンで演奏されるが,2曲でアルトが加わっても,トーンそのものには変化がなく,これはいいねぇと思わせる。ジャズ的なスリリングな感覚を濃厚に漂わせつつ,ソロイストとしての技量も整った人たちが揃っており,極めてレベルの高いサウンドだと思えるのだ。一般的なジャズ好きと言われるオーディエンスで,こういう音楽が駄目だって言う人はいないだろうと思わせるアルバムである。"Maiden Voyage"のような有名曲はHerbie Hancockの演奏のイメージが強過ぎる中,この人たちの解釈でちゃんと聞かせたのも立派。

現代という時間軸の中で,このアルバムがどう評価されるのかってのは難しいところもあるが,ジャズという音楽で捉えれば,非常にいいアルバムだと思う。星★★★★☆。ただねぇ,ジャケでこんなに強面ぶりを発揮しなくてもいいようにも思うけどなぁ...(笑)。

Recorded on April 21 & 22, 2015

Personnel: Antonio Farao(p), Mauro Negri(ts, ss), Martin Gjakonovsky(b), Mauro Beggio(ds), Luigi Di Nunzio(as)

2015年8月 8日 (土)

中年音楽狂,遂に完治す。

今年のGWに,手術のため10日間の入院を余儀なくされたことはこのブログでも既に書いた通りである。その後も,1週間に1度から始まり,隔週,月一回と頻度は下がりながらも,検査を続けてきたのだが,今回の検査を以て,「もう来なくていいですよ」との医師からのお墨付きを得た。

3月にマジでやばいと言うことで病院に検査に行ってから約5か月,退院してからもう3か月も経過しているが,それにしても長かった。術後の状態は極めて安定していて,もういつ切れるかわからないという不安なしに生活できることが,これほど楽なことなのかと思い続けている私である。まさにありがたや,ありがたやなのである。同じ病を抱えてらっしゃる皆さんは,とにかく早く検査,治療を受けられることを改めてお勧めしたい。

そんな私は,飲酒はとっくに解禁しており,出張続きで,出張先での暴飲暴食のせいか,最近,また体重が増えてきているのが誠に悩ましいが,今般の完治宣言を受けて,またダイエットのために走り出そうかなぁなんて思っている私である。ただ,ここのところの猛暑では,とても走る気にもならないが。早朝もしくは夕方になってからのファスト・ウォーキングから始めることにしよう。

ということで,これでもう病気のネタとはしばらくおさらばしたいと思う。でもなぁ,いろいろまだ抱えてるんだよなぁ(爆)。

2015年8月 6日 (木)

Seamus Blakeのライブは楽しめたんだが,その一方でやや微妙。

Image

ほぼ一月半ぶりのライブに行ってきた。今回はSeamus Blakeのエレクトリック・バンドである。今回,私がこのライブに足を運ぼうと思ったのは,ドラムスがChris Potter UndergroundのNate Smithであることと,キーボードのScott Kinseyの参加であった。

結果的にはハイブラウなファンク・フュージョンだったわけで,ライブとしては私は大いに楽しんだのだが,実は疑問もその一方で感じていた。今回,Seamus Blake & Super Conductorということで,Seamus Blakeがリーダーであるにもかかわらず,ライブの場を仕切っていたのは間違いなくScott Kinseyのように感じられたことである。 そして,実は私の視線を釘付けにしていたのがNate Smithなのでは, 誰がリーダーなのかわからないのだ。

これから今回のバンド名義での新譜リリースを前にしたSeamus Blakeなのだが,こういう感じなので,ちょっと心配してしまうのである。まぁ,ライブとレコーディングは違うってことで,実際にどうかはわからないとしても,今回はScott Kinseyに華を持たせ過ぎた気もする。楽しんだのは事実だが,バンドとしてのまとまりを示すところまでは行ってなかったってのが今回の演奏だろう。

だが,Nate Smithの生み出したグルーブは最高だった。逆に言えば,8ビートを叩かせるのがもったいない感じさえしたぐらいである。変拍子だろうが何だろうが,この人が叩き出すビートは快感以外のなんでもなかった。やっぱりいいねぇ,Nate Smith。

Live at コットンクラブ東京 on August 5, 2015, 2ndセット

Personnel: Seamus Blake(ts, EWI), Scott Kinsey(key), Matt Clohesy(b), Nate Smith(ds)

2015年8月 5日 (水)

GRP 10th Anniversary Collectionのオマケの8㎝CD:この音源を聞くのは何年振りか?

Grp記事の更新が滞ってしまった。出張,飲み会,出張,法事みたいな生活だったので,移動の道すがらに音楽は聞いていても,家でブログを更新する体力が残っていなかった。

ってことで,今日の記事だが,CDの棚を漁っていて,そう言えば,"GRP 10th Anniversary Collection"の国内盤には,オマケの8cmCDが付いていたなぁなんて思い出して,どんな曲だっけってことで久々のリッピングである。

収録されているのはBrecker Brothersの"Big Idea"の"Longwave Version",そしてPatti AustinがJ-WAVEのために書き下ろしたオリジナル"Together",そして,New York Voicesが車のCM用に書き下ろした"Persona"の3曲である。これって結構貴重な音源なのかなぁなんて改めて思った次第。このアルバムを買ったのがもはや四半世紀近く前のことになり,私は相当このコンピレーションは聞いてきたが,この8cmCDのことはすっかり失念していたのであった。そもそも8cmCDって存在を忘れがちだから仕方がない。Gil Evans Orchestraと共演した"Up from the Skies"が入ったStingの8cmCDや,Bill Evansの"Conseclation"のオマケの8cmCDもどこかにあったはずである。棚あるいはクロゼットを探せば出てくるはずだが,いずれにしても,今回はなんかちょっと得した気分である。まぁ,昨今は私は国内盤を買うことはほとんどないわけだが,こういうのなら歓迎である。

2015年8月 2日 (日)

「教団X」とは全く毛色が違う中村文則の警察小説

Photo「あなたが消えた夜に」 中村文則(毎日新聞出版)

このブログに本のことを書くことも非常に少なくなってしまったのは,通勤時間に本を読めなくなったことが大きく影響していることは前にも書いた通りであるが,前回,このブログに取り上げたのは同じ中村文則の「教団X」であった。あのような強烈な本が,今かなり売れているということには非常に驚いているわけだが,今回は毎日新聞の夕刊に連載されていた警察小説で,随分前作とは毛色が違う。

この本は,警察小説という体裁を取っていても,エンタテインメントと呼ぶにはやや難しいところがある。小説は三部構成になっているが,第三部になって,非常に重々しくなってしまうところは,純文学的な部分と言ってもよいかもしれないが,それをよしとするか否かによって,大分感触が違うはずである。とにかく,これは重苦しい。ある意味「陰気」,「沈鬱」,あるいは「辛気臭い」と言ってもいいぐらいの感覚を与える。だが,人間の「性(さが)」というものを踏まえて書かれていて,いい加減さは全くないのだが,それにしても重苦しいのである。

そういうことを踏まえれば,警察小説にエンタテインメント性を求める読者にはなんじゃこれはと思われても仕方がないが,これは純文学的な人が,題材を警察に取ればこういうかたちはあっても不思議ではない。ただ,端的に言えば,「負の連鎖」的なものが描かれているから,それが非常に暗くて重い印象を与えてしまうのである。そこをどう評価するかだと思うが,私は重々しさを覚えながら,出張の道すがらに結構なスピードで読了したのであった。これは悪くないと思うし,こういうのもありだと思う。但し,ちょっと重いだけである。星★★★★。

それにしても,「教団X」のAmazonのユーザ・レビューを見ていると,ぼろくそに書いている人が多いが,私は比較的好意的な捉えているのはこのブログにアップした記事(記事はこちらの通りである。

2015年8月 1日 (土)

なでしこ二軍の惨状を憂える。

東アジア・カップの北朝鮮戦でのなでしこの戦いぶりを見ていて,本当に情けなく感じていた私である。今回のメンバーは正直言って二軍レベルだが,スピードはない,パスの精度は悪い,無駄なバック・パスばかり目立ち(特に5番高良はひどい),かつ単純なカウンターに簡単に失点するというディフェンスの惨状は許し難い。そもそもパス・スピードが遅いし,そこにパス・ミスまで加わるようでは勝てるわけがないのである。かつ,司令塔の不在,サイド・バックの上がりの欠如ぶりは否定できない事実である。

私は,これまでもなでしこの世代交代については心配してきた(去年書いた記事はこちら。)が,若手は結局何も進歩していない。一点目を決めた増矢は有望だし,杉田の二点目のシュートは見事であった。杉田は二点目の得点でそれまでのミスを帳消しにしたようなものだが,それでも杉田の前半のパスの精度の低さには,交代,交代と言い続けていた私である。

期待するからこそ,手厳しくもなるが,今回の戦力では来年のリオ五輪では通用するわけもなく,結局,先般のW杯メンバーが中心とならざるをえなくなることは必定であろう。その一方で,なでしこのディフェンスの弱体ぶりに助けられたところもあるだろうが,カウンターからの得点機にきっちり点を入れる北朝鮮の決定力は,敵ながらあっぱれである。

あと二戦,同じような戦いをするようでは,まじでなでしこの先が思いやられる。佐々木監督はどういう手を打つのだろうか?東アジア・カップを若手育成の場とするならば,誰を主力に育てようとするのか,はっきりさせた方がいいだろう。少なくともあのディフェンス陣はないと言っておく。

男子はもう少しまともに戦って欲しいものである。

なんとも言えぬ心地よさを提供してくれるEnoとHarold Budd

Image"Ambient 2: The Plateau of Mirrors" Brian Eno & Harold Budd(E.G.)

ここのところ出張続きでバテバテなところに,この酷暑では,とてもではないが暑苦しい音楽を聴こうって気にはならないのが人情である。そんな時にiPodでチョイスしたのが本作である。しばし,街の喧騒や,とんでもない暑苦しさから解放されるにはこれほど適した音楽はないって感じである。

Harold BuddのピアノとEnoのトリートメントのみで構成された音楽は,何も考えずに身を委ねることができる,まさにアンビエント・ミュージックの極致である。こういう音楽に関しては,音楽的価値を云々するよりも,身を委ねることのできる心地よさこそ重要だと言いたい。まさにアンビエントの快楽である。いや〜,一時的にでも酷暑から解放された気がしてしまった。最高である。環境にも左右されるだろうが,今の私にとっては星★★★★★である。

Personnel: Harold Budd(p, el-p), Brian Eno(treatments)

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