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2015年5月31日 (日)

イケイケな感じではないが,なかなかいいAl Di Meolaの新作

Elysium"Elysium" Al Di Meola(Inakustik)

Al Di MeolaがPledgeMusicで本作に関する情報を発信していたのは知っていたのだが,まぁ輸入盤が入ってきてからでもよかろうということで,PledgeMusicではなく,日本の通販サイトでゲットしたものである。Al Di Meolaは前作のBeatles集が非常に良い出来だったので,今作も期待できると思っていた。だが,ここのところ,伝わってくるのは"Elegant Gypsy And More"ツアーと題されたエレクトリックをバリバリに弾くライブの模様ばかりであり,ここでもそういう感覚が出てくるのかなと思っていた。

だが,クレジットを見ると,全編ベース・レスなのに加え,ドラムスが入っているのも1曲だけなのである。これでは先述のツアーのような感じにはなるまいと思ったのだが,確かにビートを効かせた感覚はなくとも,Di Meolaはエレクトリック・ギターをかなり激しく弾いていて,実はこれが結構よい。

感覚的に言えば,静と動をうまくバランスさせた感じと言えばよいだろうが,その中に,Di Meolaらしい個性が非常によく出ているのである。フレージングは誰がどう聞いてもDi Meolaであり,永遠のワンパターンと言ってしまえばその通りであるが,それでもいいと思ってしまうのが,ファンというものだろう。正直言って,私にとってのDi Meolaの最高傑作は"Elegant Gypsy"のままであることには変わりはないのだが,それでも低迷期は完全に脱し,Di Meolaの復調を強く感じさせる一作だと思う。ベース・レス,そしてドラムスの関与が少ない中で,よくこれだけのアグレッシブな演奏を作り上げたものである。そして,更に褒めたいのが,打ち込みに依存していないところである。そういう点も評価して,ちょっと甘いかなぁと思いつつ,星★★★★☆としてしまおう。

結局何だかんだと言いながら,Di Meola好きがばれる私であった(笑)。まぁ,タイトルのように"Elysium(極楽浄土)"に誘われるか?って感じではあるが,十分に楽しめる作品。

Personnel: Al Di Meola(g,perc),Philippe Saisse(key, marimba), Barry Miles(key), Mario Parmisano(p, key), Peter Kaszas(ds), Rhani Krija (per)

2015年5月30日 (土)

どうしてもフリッツ・フォン・エリックを思い出してしまうEric von Schmidt(爆)。

Eric_von_schmidt"2nd Right, 3rd Row" Eric von Schmidt (Poppy→Tomato)

フリッツ・フォン・エリック(Fritz von Erich)と言えば「鉄の爪」である。私の年代は往時のプロレスに血湧き肉踊らせた人が多いと思われるが,日本選手に対する敵役としてのフリッツ・フォン・エリックのアイアン・クローやフレッド・ブラッシー(Fred Blassie)の噛みつき攻撃を覚えていないわけがない(笑)。なんでフリッツ・フォン・エリックの話が出てくるかと言えば,今日の主題であるEric von Schmidtと聞くと,どうしても私は名前が似たような響きを持つフリッツ・フォン・エリックを思い出してしまうのだ(爆)。これは幼児体験に基づく条件反射みたいなものである(きっぱり)。

だが,Eric von Schmidtの音楽はプロレスのもたらす興奮とは対極にあるような渋いものである。Bob Dylanはこのアルバムに”He can separate the men form the boys, and the note from the noise. The bridle from the saddle and the cow from the cattle."なんていう含蓄に富んだコメントを寄せている(これは一部で,コメントそのものはもっと長い)が,若き日のDylanにも影響を与えたらしいというのもうなずける話である。

世の中では"Inside Llewin Davis"のような映画も公開され,こうした音楽のリバイバル傾向がないわけではないが,好きでこの手の音楽を聞く人間というのは,やはり相応の年齢層ってことになってしまうのかなぁと思う。それほど渋く,今の若い人には刺激も乏しいかもしれないが,それでもこうした取り組みがあって,今の音楽は成立してきているということを考えれば,これもまたよしである。もちろん,SSW/フォーク系のアルバムには本作よりずっと出来の良いものがあると思うが,それでもいかにもBearsvilleスタジオで録りましたというようなメンツの名前を見たり,Ben Keithのドブロの音が聞こえてくるだけで嬉しくなっている私である。やhり,たまにはこういう音も必要であるということを改めて感じた私である。大名作とは思わないが,星★★★★にしてしまおう。

ちなみにアコーディオンでCampo Malaquaとクレジットされているのは,The BandのGarth Hudsonである。

Personnel: Eric von Schmidt(vo, g, kazoo, el-p), Geoff Muldaur(vo, g, cl), Maria Muldaur(vo, perc), Amos Garrett(vo, g, b-tb), Ben Keith(dobro), Campo Malaqua(accor), Paul Butterfield(hca), Billy Mundi(ds, perc), Munc Blackburn(ts), Stu Brothan(tuba), Harry Reed(cl), Jim Rooney(vo), Jim Colfgrove(b), Greg Thomas(perc), Jules Feiffer and Gerald Weales(ping pong)

Fve_2ということで,必ずこの人を思い出してしまうフリッツ・フォン・エリックの写真も貼り付けてしまおう。いつもこういうパターンでの攻防をやっていたよねぇ。アイアン・クローの攻めどころは顔面か,胃袋あたりであるが,今回は顔面を防御する馬場さんと攻めるエリック(笑)。

2015年5月28日 (木)

John PatitucciをCotton Clubで聞いた。

_20150528 新作を出したばかりのJohn Patitucciがレコーディング・メンバーを引き連れて来日した。メンツがメンツだけにどうしても気になっていたのだが,私は病み上がりということもあって,行こうか行くまいか悩んでいたのだが,参戦前日にやっぱり行きたいということで予約した私であった。

今回はElectric Guitar Quartetということで,Adam RogersとSteve Cardenasの2ギターに,JPのエレクトリック・ベース,そしてBrian Bladeのドラムスという好き者なら確実に反応するだろうというメンツである。しかし,リリースされたばかりの新譜を聞いて,もう少しはじけた感覚があってもいいのではないかなんて思っていた私は,一抹の不安を抱えてCotton Clubに参戦したのであった。

だが,そんな不安は1曲目の"Evidence"で解消である。"Evidence"のような曲において,CDでは聞けなかったようなMilesバンドを彷彿とさせる重いファンクをぶちかましたのには,驚きつつも身体が反応してしまった私である。時に重いファンク,時にソウルフル,そして時にリリカルにということで,変幻自在の演奏を展開した彼等だったが,John Patitucciのベースはもちろんよかったが,このバンドの肝はBrian Bladeが握っていると思っていた私である。とにかくどのような曲調でも完璧にこなすのだ。これは凄いやと思っていた私である。そして,アンコールのFreddie Kingの"Hideaway"なんて,盛り上げ方を知っている人たちである。

Jp_and_i_mosaicギターはAdam Rogersの方が私個人としては馴染みのある人だが,今回のライブに限って言えば,Steve Cardenusのフレージングの方が魅力的に聞こえた。もちろん,Rogersも,まるでRhodesのような音で伴奏を展開した"Evidence"はよかったが,ソロの瞬間になるとSteve Cardenasの方が魅力的だったように思う。

だが,色々な曲をやっても,聴衆を楽しませる術を身につけた優秀なミュージシャンの集まりであることは間違いなく,確実に楽しめたライブであった。ということで,何枚か今日の戦利品の写真と,いつもように「JPと私」の写真をアップしておこう。

久しぶりにライブに行ったが,やっぱり楽しかったねぇ。健康第一とつくづく思ってしまった私(笑)。因みに今回のセット・リストは多分次の通り。曲順は違うかもしれないが,演奏したのは間違いないと思う。

1. Evidence

2. Watch-man

3. Band of Brothers

4. House of Jade

5. Monk's Dream

6. Dugu Kamelemba

7. Hideaway(Encore)

Live at Cotton Club東京 on May 28, 2015,2ndセット

Personnel: John Patitucci(b), Adam Rogers(g), Steve Cardenas(g), Brian Blade(ds)

_20150528_2_2

久しぶりにAdam Holzmanを聞いた。

_20150524"In a Loud Way" Adam Holzman(Glass House/Pioneer LDC)

たまに,iTunesに格納したアルバムを見直したり,CDラックの整理をしていると私もいろいろなCDを保有しているものだと思ってしまうことがある。これなんかもそうした1枚だが,パイオニアが,レーザー・ディスクでもうけた分を音楽に投資するなんていうバブル末期的な発想でグラスハウス・レーベルを立ち上げたのが92年のことだったはずである。

同レーベルが一体何枚リリースしたのかはよくわからないのだが,バブル経済崩壊とともに自然消滅した感じがする。そもそもリリースされたCDのバック・インレイを見ていると,毎月1枚とか出していたのではないだろうか。そのうち,私が保有しているのは本作と,デニチェン,そしてJimi Tunnellの3枚である。基本的にはMiles Davisのバンド関係者,あるいはそれに近い感じの人を集めて,ハードなフュージョンをやってしまうって感じである。デニチェンはさておき,Jimi TunnellはNYC在住中に見たBlue NoteでのSteps Aheadでの演奏が気になって購入したはずだが,Adam Holzmanはどうして買ったのかを記憶していない。おそらく中古で買ったものと思うが,まぁいいや(爆)。

それでもって,ここに収められた音楽はメロディ・ラインを楽しむよりも,ビートやファンクを楽しむべきものであろう。後期のMilesバンドもそういう感じの部分があったが,それに近い感覚を想起させる。そして,ここで何よりも刺激的なのは,ほぼ全面参加のデニチェンのドラムスと言ってもいいかもしれない。そう意味では,身体を揺らしながら聞く分には相当いい線に行くように思える。サウンド的にはMilesバンド的な部分やWeather Report的な部分が顔を出し,微笑ましいと言えばその通りであるが,オリジナリティっていうところでは,これがHolzmanって感じではないだろう。まぁ,Adam HolzmanはMilesバンドにおいても,黒子のような存在だったと言ってもいいように思えるので,そんな個性を発露するっていうよりも,メンツの力を利用しながら,グルーブを成立させるって捉えると,この音楽はまさにそういう感じである。

いずれにしても,このアルバムの白眉は2曲目"Road Town"におけるデニチェンのドラムスだと思う。久しぶりに聞いたが,結構いい感じで楽しめてしまった。最後をピアノ・ソロで締めるってのはいかにもありがちな演出だが,ハード・フュージョンとしては相応に楽しめる作品である。だが,バカテクとかキメキメとかのテクニカルな部分は感じられないので,あくまでもビートによるグルーブを感じればいい作品と言えるだろう。懐かしさ含めての星★★★★。

Recorded in May, 1991

Personnel: Adam Holzman(key, synth, p), Kenny Garrett(as, ss), Jimi Tunnell(g), Darryl Jones(b), Steve Logan(b), Dennis Chambers(ds), Mino Cinelu(perc)

2015年5月27日 (水)

Joe Walsh:体調もだいぶ回復してきたので,久々にロックのアルバムでも。

Joe_walsh"You Can't Argue with a Sick Mind" Joe Walsh (ABC)

手術をしてから,結構時間も経過し,患部の状態も改善してきたので,久々にクラシック・ロックのアルバムを取り上げることにしよう。新橋のテナーの聖地でご一緒させて頂くMさんには,いつももっとロックについて記事をアップするようご依頼を頂くのだが,ここ暫くは,身体に響く音を受け付けない状態だったと言ってもよく,ご期待に添えない状態が続いていたが,まぁもう大丈夫だろうってところまではきた。

それでもってJoe Walshだが,もはやEaglesのJoe Walshになってしまって,彼がJames Gangやソロで演奏していたことを知る人は,今やベテランしかいないって感じかもしれないなぁと思いつつ,選んだのがこの作品である。

これはJoe WalshがEaglesに加入する直前ぐらいに吹き込まれたもので,本作にもDon Felderが全面参加するほか,Henley,FreyのオリジナルEaglesチームもゲストで参加している。私はJoe WalshがEaglesに持ち込んだロック的なフレイヴァーが嫌いではないが,そうしたJoe Walshの特性がよくわかるアルバムだと言えるのではないか。ここにはアメリカ的なロックの特徴が強く感じられるものであり,ライブらしいノリのよい演奏が展開されていて,相当楽しめる。

伴奏陣もいいメンツを揃えている(Willie WeeksとAndy Newmarkの名コンビも入っている)ところからしても,まぁはずれはないと思わせるが,私がJoe Walshの「声」がいまいち好きになれないことがあって,彼がヴォーカリストとしてもう少し魅力的であれば,もっと高く評価したのになぁと思っている。私は,ファンには申し訳ないが,Joe Walshはギタリストを主として活動した方がいいと思っているクチなので,そこのところは仕方ないのである。だが,ロックのアルバムとして評価すれば,決して悪い作品ではなく,十分星★★★★には値するものと思う。ツイン・ギター,ツイン・キーボード,ツイン・ドラムスなら音が分厚いのも当たり前だな。

いずれにしても,懐かしさ半分で聞いた私であった。今の若い人には,これでも刺激が少ないのかもしれないが,私のようなオッサンにはこれぐらいが丁度ええわ(笑)。

Personnel: Joe Walsh(vo,g), Don Felde(g, vo), Jay Ferguson(p, vo), David Mason(org, el-p), Willie Weeks(b), Joe Vitale(ds, perc, org, fl, vo)Andy Newmark(ds, perc), Kwasi Rocky Dzidzornu(perc), Don Henley(vo), Glenn Frey(vo)

2015年5月26日 (火)

12年間熟成させた(?)近藤等則のスタンダード集

Photo"You Don't Know What Love Is: Toshinori Kondo Plays Stadards" 近藤等則(Plankton)

近藤等則と言えば,基本的にフリーな音楽を思い浮かべることが多いわけだが,その近藤がなんじゃこれは!?と言いたくなるような大スタンダードばかり演奏したアルバムをリリースすると聞いて,スノビッシュな心を刺激されてしまった私である。別に私は近藤等則のファンでもなんでもないが,エレクトリック・トランペットでスタンダードを吹くというところに大いに関心が湧いてしまったのだ。しかもこのジャケだ。Venusかと思ったぜ(笑)。

そして,このアルバムを聞いてみると,確かにスタンダードばかりやっているが,当然のことながら真っ当な4ビートとか,コンベンショナルな響きとかとは無縁の世界である。例えば,NYCのEast Villageの小じゃれたバーで掛かっていそうな雰囲気といえばいいだろうか。ある意味アンビエントと言ってもよい響きすら感じさせる。穏やかでありながら,打ち込みを基本としたバックに,近藤のエレクトリック・トランペットが乗ってくると,何とも言えないムードを醸し出すから面白い。

そんな音楽であるから,刺激は少ないのだが,これが街中の店でプレイバックされていたら,おぉっ,センスいいねぇとか言いたくなるような感じである。最近は,飲み屋だろうが,蕎麦屋だろうが,カフェであろうが,モダン・ジャズを掛けておけば小じゃれていると考えられているのではないかと思えるほど,色々なところでジャズが掛かっていて,私はむしろ辟易としてしまっているのだが,同じジャズでも,ありがちなBGM選択とは対極にあると言ってもいいような音楽である。

それにしても,この選曲は...って感じがしないでもないが,逆にここまで行くと新鮮に感じてしまった。だが,最後の"What a Wonderful World"が2014年に録音されたものである以外は,2003年に録音されたものというのが不思議である。10年ひと昔とは言うが,ここでの演奏には古めかしい感じはない。たとえばモダン・アートの展覧会のバックで小音量で掛かっていても悪くないなぁなんて思ってしまった。

もちろん,ジャズ原理主義者にとっては,受け入れがたい音楽かもしれないが,私は逆に「いいじゃん,これ」,なんて思っている。やっぱり私はスノッブだな(爆)。星★★★★☆。6月末にはリリース記念ライブもやるらしいので,行ってみてもいいなぁなんて考えてしまった。ちなみにメンツやミキシングにクレジットされているChannel Kって近藤のことか?何を演奏しているのか書かれていないこの不思議さ(笑)。

Personnel: 近藤等則(el-tp),Eraldo Bernocchi(g),Channel K

2015年5月25日 (月)

久しぶりに見た映画はずっと見たかった「セッション」。このタイトルだけは何とかならんものか?

Whiplash「セッション(”Whiplash")」(’14,米,Bold Films)

監督:Damien Chazelle

出演:Miles Teller, J.K. Simmons, Paul Reiser, Milissa Benoist

手術のせいで,同じ姿勢を長時間取ってはならないという医師の指示により,遠距離出張も,映画も控えてきたわけだが,手術からほぼ4週間を経過したということで,久しぶりに映画を見に行った。本来ならば,入院/手術前に見に行きたかったのがこの映画である。

架空の音楽院を舞台に,プロ・ドラマーを目指すMiles Teller演じるAndrew Niemannと,音楽院におけるJ.K. Simmons演じる鬼講師,Terence Fletcherの対峙を描くこの映画は,ジャズのビッグバンドがテーマになっており,その手の音楽に興味がない聴衆にとっては厳しいところがあるかもしれないが,ドラマとして見ているだけでも十分評価に値する映画であった。

この映画は多数の演奏シーンが含まれてはいるが,同じビッグバンドを描いていても,「スイング・ガールズ」とは全然違うし,テンションが違う。正直言って,シナリオにはやや無理がある部分もあるし,こんな奴いないだろうと思わせるところもあるので,完璧とは言えないのだが,それでもJ.K. Simmonsの怪演もあって,緊張感に溢れた作品となった。これを見れば,J.K. Simmonsがオスカーを獲得したのも納得できるってものである。

ストーリーについては詳しく書かないが,この映画に関して菊地成孔が痛烈批判をしていることには,正直私は違和感を覚える。所詮,この映画はフィクションである。それを,菊地は無理やりジャズ側からの論点で語ろうとしているように感じられるからである。私はジャズを生業とはしていないものの,ジャズが音楽の中で最も好きな人間だが,菊地が言うほど,目くじらを立てるほどのものかと思うのだ。菊地には菊地の言い分があるのは当然だが,菊地の論点がすべての人に適用されるわけではないし,理解されるものでもなかろう。私は映画は映画,音楽は音楽でいいと思っている。よって,私はこの映画を見ていて,楽しむことはあっても,菊地のような怒りをおぼえることはなかったということは言っておかねばなるまい。

もちろん,この映画にはデフォルメされたところも多々あるが,私にとっては一本のよく出来た映画という評価であり,シナリオには気に入らない部分があったとしても,やや甘めと思いつつ,星★★★★☆としてもいいだろう。

最後に言っておきたいのだが,この映画に「セッション」という邦題をつける意味が全くわからない。映画の本質的なストーリーラインをぼかすだけのタイトルとしか言いようがない。まじでセンスないわ。これなら原題"Whiplash"の方がずっと雰囲気がわかろうというもの。だからと言って,適当な邦題を私が思いついているわけではないが(爆)。

2015年5月24日 (日)

今井美樹の新作は心地よいメロウ・グルーブで通して欲しかったところ。

Photo"Colour" 今井美樹(Virgin)

オリジナルとしては6年ぶりだそうである。私は今井美樹は結構好きだと思っているが,全部買おうなんてタイプではない。前作のYuming集は買ったし,7人のピアニストとの共演盤も買った。どっちもよかったが,それ以外で持っているのは"Ivory II"だけである。だから,今回も別に買わなくてもいいのだが,Yuming集"Dialogue"におけるメロウ・グルーブ的なノリが気持ちよかったので,ついつい今回も買ってしまった(笑)。

なので,本作でも冒頭から聞こえてくるそうしたメロウ・グルーブは非常に心地よい。私としてはこういう路線で通してもらえば更にいいのだが,中盤には何だか映画のエンディング・テーマのように聞こえる「ひまわり」や「窓辺」のような曲が聞こえてくると,やっぱりこういうのも入れないといかんのかなぁと思ってしまう。だが,私みたいな邪な聞き方をする人間にとっては,グルーブが感じられなくて,なんだかなぁとなってしまう。もちろん,曲や歌が悪いわけではないのだが,いかにもって感じのプロダクションが気になってしまうのである。

全体としては悪くないとしても,これはもう好みの問題である。非常にゴージャスなつくりがされていて,音楽的なクォリティは高いので,これは売れて然るべきアルバムであるが,私としては中途半端な感覚が残った。オマケのDVDはロンドンでのライブであるが,ピアノとストリングスだけをバックにしっとり歌い上げていて,そっちはそっちでコンセプトがはっきりしているから納得もいくが,CDの方はそうした一貫性がないから気に入らない部分があるんだろうと思っている私である。DVD含めて星★★★☆とするが,これはやっぱりプロダクションの問題だと思う。結局私が好きなのは"Dialogue"や"I Love a Piano"のようなコンセプト・アルバムだったってことである。

パーソネルは省略。クマ原田が何曲かで演奏しているのが私にとっては意外であったが,今井美樹のツアーとかに参加してたのねぇ。へぇ~(笑)。

2015年5月23日 (土)

追悼,Louis Johnson

Louis_johnson

Louis Johnsonが亡くなったそうである。最近は噂を聞かなくなっていたが,今回の訃報に接し,最近の映像を見ると,非常に体重が増えてしまって,これは身体に悪そうだという感じであった。

Louis Johnsonは「Brothers Johnsonの」と言ってもよいが,私にとってはセッション・ワークでの鋭いベース・ラインが印象的な人であった。おそらく最初に意識したのは,Earl Klughの"Finger Painting"に収録されていた”Dance with Me"あたりだったと記憶している。Michael Jacksonの諸作においてや,Quincy Jonesの武道館ライブでの演奏も印象深い。だが,ミュージシャンとしては,Marcus Millerの登場によって,セッション・ワークでその名前を聞く機会も減ったように思う。だが,彼の鋭いスラッピングから生み出されるファンクっぽさが,当時の音楽には求められていたのだろうと,今にして思う。まだ60歳ということで,早過ぎる死である。全盛期と言ってよい1980年のベース・ソロの映像があった(画像が暗いのが惜しいが...)ので,ここに貼り付けて,彼を偲ぶことにしよう。

R.I.P.

Tracey Thornの新譜はEPなのに値段が結構高い(苦笑)。

Songsfromthefalling"Songs from the Falling" Tracey Thorn(Strange Feeling)

Tracey Thornの新譜EPがリリースされた。これは映画"The Falling"のサウンドトラックとして制作されたもののようであるが,全8曲,17分にも満たない作品ながら,結構な価格で流通している。ファンとしてはついつい買ってしまうわけだが,いくら円安だからと言って,もう少し何とかならないかなぁ。

彼女一人でレコーディングされたと思しき本作は,映画のサウンドトラックということもあって,収録されている曲は特定のモチーフのバリエーションのようにも聞こえるし,インストの曲も入っていて,非常に内省的にさえ響く。まぁ私としては,彼女の声が聴きたくて買っているのだから文句はないとしても,この作品は相応のファン向けのものと考えてよいように思う。ということで,万人には薦めにくいが,Tracey Thornのあの声はここでも健在であることは間違いない。

だからと言ってEBTGの諸作や,これまでの彼女のアルバムよりプレイバックの回数が増えるかと言えば,そんなことはないだろうという,その程度の作品である。星★★★☆。もちろん,悪くはないんだけど...。

Personnel: Tracey Thorn(vo, p, g, alto-recorder, perc, bass-ds)

2015年5月22日 (金)

メンツ/レーベル買いしたChristof Lauer盤

Christof_lauer"Christof Lauer" Christof Lauer(CMP)

先日の病院帰りに中古盤屋に立ち寄って仕入れてきたアルバムである。私もめっきりリアル・ショップに出掛ける機会が減ってしまっているが,最近は病院の検査のついでに,ちょこっと立ち寄ってCDを漁ることが何回かあった。本作は何の気なしに見た棚にあったので,手に取ってみたところ,凄いメンツではないかということで,ゲットしてきたものである。

では,私がなぜこのChrisitof Lauerという名前も知らない人のアルバムを手に取ろうと思ったかと言えば,これがCMPレーベルの作品だったからである。CMP(Creative Music Productions)は90年代初頭に結構尖った作品をリリースしていたレーベルだ。私が今でも保有しているのはJoachim Kuhn,Chad Wackerman,Trilok Grutu,David Tornあたりだろうが,コンテンポラリーなサウンドを追求したレーベルとして印象深いレーベルなので,本作も背表紙のCMPの名前に引っ掛かったというのが実態である。だがよくよく見れば,なんだこのリズム・セクションは!という感じだったのである。だって,Joachim Kuhn,Palle Danielson,Peter Erskineという表記を見て,反応しない方が野暮である。リーダーについては全く知らないものの,結構高いなぁと思いつつ,これを逃すとなかなか見つかるまいということで購入してきた私である。

そして聞いてみると,冒頭の"Descent"からぶちかまし状態である。おぉっ,これはなかなかいいねぇと思わせる立ち上がりである。全編を通して,フリー的なアプローチを示しつつ,なかなかいい出来のアルバムだと思う。若干,録音のせいか,音が軽く聞こえる部分があって,音楽からすれば,もう少しへヴィな音の方がいいように感じる部分はあるのだが,これは真っ当なボリュームで聞いてみないとわからない。いずれにしても,こうしたある意味暑苦しい音楽に快感を覚えることがあるのも事実であり,私としては結構好きな部類の音楽である。Joachim Kuhnも相当の弾きっぷりで,Kuhnのファンであれば,これは聞いておいても損はないと思わせる作品である。

まぁ,いかにもドイツのレーベルらしい音楽だと言えば,その通りかもしれないが,無視するにはもったいないし,改めてCMPレーベルという不思議なレーベルの音楽を再評価するうえではいいアルバムのように思う。そうは言っても,最後のLauerとKuhnのデュオで演奏される"Harlem Nocturn"という選曲にはびっくりしてしまうが(苦笑)。星★★★★。

Recorded in April, 1989

Personnel: Christof Lauer(ts), Joachim Kuhn(p), Palle Danielson(b), Peter Erskine(ds)

2015年5月21日 (木)

さらば,Late Show,さらば,David Letterman。

アメリカの夜の人気番組"Late Show with David Letterman"が遂に最終回を迎えた。私がアメリカにいた頃は,まだNBCで"Late Night with David Letterman"として,”Tonight Show"の後に放送されていたが,その後,CBSに引き抜かれ,"Tonight Show"の裏番組として,夜のトークショーの二強としてしのぎを削っていた。私はJohnny Carsonが出ていた頃の"Tonight Show"が嫌いだったわけではないが,その後に放送される"Late Night with David Letterman"の方が好きだった。と言うより,西海岸で収録されている"Tonight Show"よりも,NYC在住だった私にとっては,番組の持つ「棘」のような感覚が,NYCという街にフィットするように感じていたと言ってもいいだろう。

音楽のゲストも,メジャーからマイナーまで,多彩なミュージシャンを迎えていたし,それを支えるPaul Shafferをバンマスとするバンド(Sid McGinnis,Will Lee,Anton FigはNBC時代からの付き合い)もタイトでよかった。以前はDavid Sanbornもよく吹いていたのも懐かしいが,やっぱり好きな番組であった。こうした番組が終了してしまうということは,日本でいえば「笑っていいとも!」が終わった時の感覚に近いのではないかと思えるが,最終回に向かって,YouTubeにアップされる番組を見て,私は相変わらずこの番組が好きなんだなぁと思っていた。

番組には"Top 10 List"という名物コーナーがあったが,最終回はゲスト10人による"Top 10 Things I've Always Wanted to Say to Dave"というもので,それぞれのゲストが笑いの中に,Lettermanを送る心情が見えて,私にとっては非常に感慨深かった。昨今,私はアメリカへの出張機会も少なくなってしまったので,出張中にこの番組を見ることも少なかったが,今後,アメリカに行く機会があって,夜TVをつけても,もうそこにDavid Lettermanの姿はないと思うと,これは寂しいと言わざるをえない。

あの"9/11"後の最初の放送でのDavid Lettermanのモノローグを先日見たが,とても彼とは思えないトークをしていて,非常に印象深かったので,それを貼り付けることも考えた。だが,今日は賑々しく最後のTop 10 Listをここに貼り付けて,この番組に別れを告げることにしたい。

David Letterman,あんたはマジで最高だったぜ。

来日目前,J.D. Southerの新譜はタイトル通りのソフトな仕上がり。

Tenderness"Tenderness" J.D. Souther(Sony Masterworks)

6月に来日することが決まっているJ.D. Southerの新譜がタイミングよくリリースされた(と言うよりも,リリースに合わせての来日か...)。J.D. Southerが25年ぶりの新作として"If the World Was You"をリリースした時には酷評した私であるが(記事はこちら),それに続く"Natural History"でJ.D.の復調を確信し,そっちはかなり好きだった(記事はこちら)。今回は本作のリリースが発表されて,2曲目の"Something in the Dark"の映像がプロモーションとしてネット上で公開されたのを見て,これも買いだと思っていた私である。

今回はプロデュースは昨今,プロデューサーとしての仕事ぶりが目立つJoni Mitchellの元ダンナのLarry Kleinであることも,本作への期待を高めた。Larry Kleinと言えば,昨年,私がベスト作の1枚に挙げたBilly ChildsのLaura Nyroトリビュートの仕事があまりにも素晴らしかったからである。そして,このアルバム,タイトルの"Tenderness"に偽りなく,大人向けのヴォーカル・アルバムになっていると言ってよい。随分ソフトな感じが強いが,音楽は刺激が強けりゃいいってものではない(笑)。

J.D.はソングライターとしての業績が歌手としてのそれを上回っている気がするが,それでも,彼の声で聞くナイスな曲群は,それはそれなりの楽しみがある。なんだかんだ言って,私は彼のアルバムは全部保有しているわけだが,作品のクォリティにバラつきはあっても,彼の声の魅力は不変なのである。

今回も控えめな伴奏をバックにしながら,彼の魅力的な声を聞かせているが,さすがに今年で70歳ということもあり,以前のような瑞々しさというよりも,枯れた味わいが強くなっているが,それはそれで魅力的に響く。正直言って,我々の年代のような生活感が感じられる人間にとっては,何とも落ち着きをもたらす音楽である。ちょっと地味かなぁとも思えるが,それでもこれはなかなかいいと思う。星★★★★。共演者ではTill Brönnerのトランペットが効果的。CDの”Something in the Dark"には私が贔屓にしているLizz Wrightが華を添えているのもいいねぇ。ということで,そのプロモ・ライブ・ビデオも貼り付けておこう。

Personnel: J.D. Souther(vo, g), Patrick Warren(el-p, key, org), Chris Walters(p), Larry Klein(key), Billy Childs(p), Dean Parks(g), David Pilch(b), Jay Belrose(ds, perc), Sam Bacca(perc), Lizz Wright(vo), Till Brönner(tp), Jeff Coffin(ss), Mark Robertson(vln), Alyssa Park(vln), Luke Maurer(vla), Matt Nelson(vla), Vannessa Freebaim-Smith(cello)

2015年5月20日 (水)

Cassandraが変化球なら,これは正調Billie Holidayトリビュートと言いたいJosé James盤

Jos_james"Everyday I Had the Blues" José James(Blue Note)

Scott Henderson,Billy Cobhamとハードな路線が続いたので,ここはちょっと落ち着いた音楽ということで,本日はJosé Jamesである。国内盤は結構早く出ていたが,輸入盤のリリースを待っていたら,時間が経ってしまったが,まぁよかろう。

今年はBillie Holiday生誕100周年ということで,Cassandra Wilsonもトリビュート盤をリリースし,あれはあれで素晴らしい出来であったが,ほぼ同時期に出たJosé James盤を,入手が少し遅れてしまったが,ようやくちゃんと聞くことができた。Cassandra Wilson盤はあれはあれで高く評価した私であるが,Cassandraがどちらかというと変化球という色彩もある中,このJosé James盤は,極めて正統的なジャズ・ヴォーカルとして,きっちりトリビュートした感覚が強いアルバムで,とにかく渋い出来である。正直言って,Cassandra盤とどっちが好きかと聞かれたら,こっちと言ってしまいそうな気がする。このブルージーな感覚,真正ブルーズ・シンガーをも凌駕すると言っては言い過ぎか。それほどしびれるアルバムなのである。

ここで聞かれるJosé Jamesの声もよければ,伴奏の3人も素晴らしい。相当落ち着き払った演唱とも言えるので,刺激が少ないと感じる向きもあろうが,これはBilly Holidayの音楽を,José Jamesの正統的解釈で現代によみがえらせるという意味で,大成功していると思えるのである。私にとっては,これは文句のつけようのないヴォーカル・アルバムであり,数あるJosé Jamesのアルバムの中でも最も高く評価したい逸品。とにかく,これは真剣かつ真面目なトリビュート・アルバムである。滅多にジャズ・ヴォーカルを買わない,あるいは聞かない私であるが,これは別格として評価したい。星★★★★★。私の感覚では,今年のベスト盤の一角を担うと思っている。それぐらいの作品である。こんなアルバムに仕上げたプロデューサーとしてのDon Wasの手腕も見事。さすがだ。

Personnel: José James(vo), Jason Moran(p, rhodes), John Patitucci(b), Eric Harland(ds)

2015年5月19日 (火)

濃い~メンツによる"Spectrum"40周年記念ライブの実況盤

Billycobhamspectrum40live"Spectrum 40 Live" Billy Cobham(Creative Multimedia Concepts)

ジャズ界の千手観音,Billy Cobhamが初リーダー作として"Spectrum"をリリースしたのは1973年のことである。それから40年を経過した2013年秋口に,Billy Cobhamは全米各地のヴェニュー,及び欧州のジャズ・フェスにおいて40周年記念ライブを敢行したようである。それから約1年半を経過して,ライブ盤として聞けるようになったのは実にめでたい。

Billy Cobhamはご承知の通り,Mahavishunu OrchestraやMilesとの共演を経て"Spectrum"を初リーダー作としてリリースしたわけだが,その後も結構な数のリーダー作をリリースしていて,ドラマーとしてはかなりその数が多い方ではないかと思う。もちろん,それはニーズがあるからってことだと思うが,やはり人気ドラマーであることは間違いない。だが,このアルバムが録音された2013年には69歳になっていたBilly Cobhamが往時のような猛爆ドラミングを聞かせられるのか不安を感じる向きもあろう。それがやっぱり猛爆なのだ。どういう体力をしているんだと言いたくなるような叩きっぷりなのである。

もちろん,本人の体力も凄いが,メンツもそうなるよねぇって感じだから,相乗効果は働いていると考えてもいい。だが,これはやはりBilly Cobhamの強靭な肉体があって成り立った音楽である。ただでさえ激しい"Spectrum"の曲の数々を軽々とこなしているって感じがするから凄いや。40周年記念を謳うだけあって,"Spectrum"からの曲を中心に曲が構成されているが,ライブだけあって,長尺の演奏になっているのは当然である。そしてほぼ毎日,こんな演奏を相当の距離を移動しながら各地で展開していたって,まじでこの人化け物である。一体どんなものを食っているのかと言いたくなるのは私だけではあるまい。

そして,全編に渡って聞かれるBilly Cobhamらしい演奏の数々に,私は口をあんぐりさせながら,この音を聞くだけであった。だが,これはやはり生で聞くべきものってことで星★★★★とするが,それにしてもよくやるわ。ディスクで聞いているから,まだ冷静でいられるが,こんなものをライブで聞かされたら,私は大変なことになっていただろうと言いたくなるような熱~いライブ盤。

Recorded between September and October, 2013

Personnel: Billy Cobham(ds), Dean Brown(g), Gary Husband(key), Ric Fierabracci(b)

2015年5月18日 (月)

Scott Hendersonの新譜は相変わらずのカッコよさ。

Vibe_station"Vibe Station" Scott Henderson(自主制作盤)

私がTribal TechでScott Hendersonにはまったのが在米中の91年頃のことであるから,もう四半世紀前である。セルフ・タイトルの"Tribal Tech"を買ったのは,今はもうなくなってしまったWest 4thのTower Recordsだったと思う。そこのTowerは,City HallそばにあったJ&R Music Worldのような店に比べると値段は高いものの,クラシックの売り場も異常に充実しており,J&Rで見つからないと,友人の寮に遊びに行く(食事に行く,飲みに行く,あるいはジャズ・クラブに行く等,主目的は様々:笑)ついでに,よく立ち寄ってはCDをゲットしていたのも懐かしい。

そんな時期からかなりの時間が経過したわけだが,Scott Hendersonのやっている音楽はちっとも変わらない(笑)。だが,それがこっちが求める姿なのだから,ワン・パターンと言われようが何しようが,全然問題はない。今回の新作はレーベル名等の記載がないので,Scott Hendersonの自主制作と考えてよいだろうが,国内においてはデジタル音源として販売されているだけで,ディスクは入ってきていないようである。だが,現物主義の私はやはりCDの方がいいということで,Abstract Logixのサイトで現物を購入したものである。CDの値段はそんなに高くないにもかかわらず,送料が高いのには正直言って辟易とするが,それでも私のような年代の人間には,どうしても現物の方がいいに決まっているから仕方がないのである。

今回のアルバムはScott Henderson+ベース,ドラムスという編成なので,いつも以上にScott Hendersonの弾きまくりモードが楽しめると想像していたが,案の定の弾き倒しである。Scott Hendersonはこうでなくてはならん!(笑)。今回ベースを弾くのはLarry Carltonの息子のTravis Carlton,そしてドラムスはAlan Hertzという人だが,この人は多分初めて聞くのではないかと思う。なかなかネットで調べても詳しいバイオが出てこないが,Kai EckhardtやFareed HaqueらとGaraj Mahalというジャム・バンドを組んでいたらしい。Travis Carltonについては親父とのパリでのライブ盤で聞いたことはあるが,今となってはそれほど記憶に残っていない。しかし,今回のアルバム,ギタリストとしてはLarry Carltonとはかなり毛色が違うScott Hendersonとやっているのだが,何だかこっちの方がいいように思えてしまう。親父がいないとより自由度が増すって感じか(爆)。

プロデュースはScott Henderson本人が行っているが,Executive Producerとして,Mark Varneyの名前が...。Mark Varneyと言えば,ハード・フュージョン専門みたいなTone Centerレーベルのオーナーであり,それ以前で言えば,Mark Varney Projectの名のもと,Allan HoldsworthとFrank Gambaleを共演させてしまった人であるが,そういうフォーメーションを考えれば,このアルバムがどういう音かはわかろうってものである。もちろん,そんなことを考えなくたって,Scott Hendersonと聞けばこういう感じだろうって音がしてくるこの安心感よ(笑)。因みに,ドラムスのHertzがエンジニアリングも行っていて,家内制手工業的な色彩も感じられて微笑ましい。曲についてはハード・ドライビングな曲もあれば,チェンジ・オブ・ペース的なミディアム・テンポの曲(それでも弾きまくりであることには変わりはないが)もあって,バランスは取れていると思う。そうは言っても最後の極めてまともに弾かれる"Chelsea Bridge"には面喰うが(笑)。

こういうアルバムがダウンロードでしか手に入らないというのはいかがなものかと思えるが,まずは私としてはその存在を皆さんに知ってもらわねばならんということもあるし,やっぱりこれはカッコいいと思うので,星★★★★☆。はっきり言ってScott Hendersonのファンは買わねばならん(きっぱり)。

Personnel: Scott Henderson(g), Travis Carlton(b), Alan Hertz(ds)

2015年5月17日 (日)

私が行った紀尾井ホールの音源も入ったKeith Jarrettの新作

Creation"Creation" Keith Jarrett(ECM)

Keith Jarrettももう70歳だそうである。それを記念してBartok等が入ったクラシック盤と同時リリースされたピアノ・ソロだが,複数のヴェニューでの演奏を収録したソロは久しぶりではないか。ただし,今回のように小曲のみで構成されつつ,複数の収録地というのは初めてのはずである。中でも私が嬉しかったのは,大枚はたいて行った紀尾井ホールでの演奏が2曲収められていることである。

約1年前の2014/5/9の紀尾井ホールでの演奏を聞いて,二部の演奏が特によかったなんて書いている私(記事はこちら)だが,今回収められた2曲がどのタイミングで演奏されたかは実はよくわかっていない(爆)。だが,演奏の雰囲気からすると二部で演奏された曲だと考えて間違いないと思う。いずれにしても,そこに私もいたってことが重要なのである。我ながらミーハーだとも言えるが,オーチャード・ホールの音源も2曲(収録日は別)入っていて,同じように感じている日本の聴衆も多いのではないかと思う。

昨今のKeithのライブは,昔のような長大なソロ演奏はなくなり,今回収められているような長さの曲を複数演奏するというのが通常のアプローチとなっている。だが,私が聞いた際には,序盤は非常に現代音楽的なアプローチを感じさせるものが多かったのだが,紀尾井ホールで聞いた時も同じような感覚であった。しかし,第二部では非常にメロディアスな演奏を聞かせており,このアルバムもライブの場で言うならば,第二部の演奏を集めたって感じではないだろうか(ローマでのPart VIIIはやや現代音楽的だが...)。そういうわけで,このアルバムには聞きにくさは全くないと言ってもよい。むしろ,メランコリックなメロディも交えながら,非常に美しい作品となっており,近年のソロ活動は"Rio"あたりから,ライブの構成がこういう路線を取っているようにも感じるが,全編こういうピアノを聞かされては,またまたしびれるリスナーも多いことだろう。もちろん,これをKeithの最高傑作というつもりはないが,それでも非常に訴求力の高いアルバムとなっていることは間違いない。星★★★★☆。

Recorded in 東京(2014/4/30,5/6,5/9),Toronto(2014/6/25),Paris(2014/7/4), Rome(2014/7/11)

Personnel: Keith Jarrett(p)

2015年5月16日 (土)

400円で仕入れたPat Martinoとギタリストたちの共演盤

All_sides_now"All Sides Now" Pat Martino(Blue Note)

これも久々の中古盤屋立ち寄りの際に購入したものである。私はPat Martinoは結構好きな方だと思うが,全部買うってほどのファンではない。だから本作のように存在は知っていても,ずっと買わずにいた作品も多々あるわけだが,中古盤屋で400円で売っていたので,ついつい財布の紐も緩んだ私である(それほど大げさな金額ではないが...)。

この作品はPat Martinoが7人のギタリストとCassandra Wilsonをゲストに演奏を繰り広げたものであるが,共演するギタリストによって,随分感じが変わってしまうのが面白い。特に浮いているのは完全にロックのままのJoe Satrianiと,我が道を行くLes Paulだろうが,そのほかの面々は自分の個性も出しながら,前述の二人まではいかず,比較的穏健な(?)共演ぶりである。

こういうアルバムはえてして総花的になりがちであるが,主役としてのPat Martinoの色が相当濃厚に出ているので,筋は一本通っているということで,聞き通しても違和感がないのは立派なことである。Pat Martinoのギターは誰がどう聞いても彼のものであり,そこにほかのギタリストが加わったところで,MartinoはMartinoである。その徹底ぶりがある意味心地よい。

私としては,それほど期待していなかったアルバムだったのだが,実のところ,これは結構楽しめてしまったし,客演者ではマイキー(Mike Stern)が2曲弾いているところは,マイキー好きの私としては更に嬉しかった。肩ひじ張らず聞ける一方,Pat Martinoの技も楽しめる結構お得なアルバムと思った。星★★★★。尚,Martinoの伴奏だけで,Cassandra Wilsonが歌うJoni Mitchell作"Both Sides Now"は彼女らしいディープな歌いっぷりで,これも非常に嬉しかった。それにしても,冒頭で聞かれるCharlie Hunterはどう聞いてもオルガンに聞こえてしまう。8弦ギターって凄いねぇ(笑)。

Recorded between June, 1996 and January, 1997

Personnel: Pat Martino(g), Charlie Hunter(g), Tuck Andress(g), Kevin Eubanks(g), Les Paul(g), Joe Satriani(g), Mike Stern(g), Michael Hedges(g, ds), Cassandra Wilson(vo), Lou Pollo(g), Paul Nowinski(b), Scott Colley(b), Scott Amendois(ds), Ben Perowski(ds), Jeff Hershfield(ds)

2015年5月15日 (金)

追悼,B.B. King

Bb_king

B.B. Kingが亡くなった。既に糖尿病を悪化させ,在宅ホスピスに入っていたということからして,本人も,そして私も死期が近いことはわかっていたはずだが,ついに巨星墜つという感じである。

私はB.B.の音楽をそれほど真面目に聞いてきたわけではないが,U2の東京ドームのライブで前座をやったり(あれは席が遠かった...),ClaptonとCDを作ったり,あるいはCrusadersの"Royal Jam"なんて楽しいアルバムも出したりということで,彼のオリジナル作品には縁がなくても,音楽に触れる機会は随分あったと思っている。一発でB.B.とわかるギターの音色,そしてあの声がもう聞けないのは残念だが,十分な業績を残したものと思う。いずれにしても,素晴らしいブルーズ・プレイヤーであった。

R.I.P.

スルーしていた私がアホだったと思えるJoni Mitchellの素晴らしきコンピレーション

Love_has_many_faces"Love Has Many Faces: A Quartet, A Ballet, Waiting to Be Danced" Joni Mitchell (Rhino)

先日もJoni Mitchellが参加したSealのアルバムを取り上げたばかりだが,現在,入院中で状態が心配される彼女のコンピレーション・アルバムである。去る5/8にはSFJazzから功労賞を受賞することになっていながら,主役の不在という結果になってしまったのは残念だが,そうした不安や無念も,このアルバムを聞けば雲散霧消するようなものである。それほど素晴らしいのだ。

実を言えば,私は本作を新たなベスト盤のように思っていて,音はリマスターされていても,つい先日まで購入をためらっていたのだが,それがいかに馬鹿げた判断だったかを思い知らされてしまった。この4枚組,必ずしもヒット曲や有名曲が収められているわけではない。キャリア全体を俯瞰するかたちにはなっていても,"Night Ride Home"からの選曲が目立つなど,意外な部分も見られるのである。元々はバレエでの上演を意図して,1枚のコンピレーションを作り上げるのが命題だったものが,大きく方向性が変わった結果として生まれた作品集だが,まさに一篇のストーリーを見せられるようなかたちになっている。

そこで気づかされるのが,彼女のキャリアを通じて実証された曲のクォリティの高さだろう。私としては久しぶりに聞く曲も収められているのだが,それのどれもが全然古びたものとならず,私に新鮮な驚きを与えてくれたのである。誇張なしでこれには心底驚いた私である。これこそ彼女の楽曲により織り上げられた音楽的タペストリーだと言ってもよい(Carole Kingかっ!)。

いずれにしても,本作の前では多言は無用である。ただ聞けばよい。どこから聞いても彼女の才能がほとばしっている。やはり凄いミュージシャンである。ということで,星★★★★★以外にはない。そして,Joniが寄稿したライナーが面白過ぎる。これだけでも買う価値があったと言っては大げさだが,彼女のファンを自認する私にも,彼女の音楽を改めて見直す機会を本作は与えてくれたと思う。ありがたや,ありがたや。

尚,本作は昨年11月にリリースされたもので,本年の新作とするには若干抵抗があるが,この素晴らしさを皆さんにも知ってもらいたいと思うので,敢えて今年の推薦作扱いとしてしまおう。まじで最高である。

2015年5月14日 (木)

Giovanni Guidiの甘美なピアノの響き。

Giovanni_guidi"This Is the Day" Giovanni Guidi Trio(ECM)

私は結構ECMレーベルの音楽が好きな方だと思っている。だから,新譜が出ると,自分の嗜好に合いそうなアルバムはできるだけ買うようにしているが,最近のリリース・ペースが非常に上がっているので,鑑賞が追いつかないというのが実態である。なので,結構な枚数が積んどく状態になっており,本作もデリバリーされて結構な時間が経っているにもかかわらず,ようやく聞いたという感じである。言い訳になるが,PCを買い替えて,iTunesの移行に難儀していたというのも,新譜に手が伸びなかった理由である。それでもやっぱりもう少しタイムリーに聞かないといかんなぁと反省する今日この頃である。因みに,Giovanni GuidiについてはECMでの前作"City of Broken Dreams"も買ってあるのだが,まだ封も切っていない(爆)。

それはさておきである。冒頭から甘美なピアノの響きが流れてきて,もうこれで完全につかみはOK状態である。そして,全編を通じて,静謐な中にも,美的な音楽が展開されて,ECMレーベルのファンであれば,決して文句は出ないであろうという感じのピアノ・トリオ・アルバムとなっている。こういうサウンドに対して,"Quizas quizas quizas"のような有名ラテン曲のチョイスが意外かつ面白いが,もちろん,この人たちの演奏が一般的なラテン・ビートになるはずもなく,彼らなりのバラッド表現になってしまうところが,何とも面白いというか,徹底している。もちろん,このメンツで普通のラテン・ビートを刻むはずもないが...(笑)。甘美な感覚は古い小唄と言ってもよい"I'm through with Love"のような曲でも変わらない。一貫しているのである。

加えて,甘い音楽だけでなく,ややフリー,あるいは現代音楽的なアプローチもある(と言っても破壊的なフリーという感じではないので,これは現代音楽的と言った方がわかりやすいだろう)が,全編を貫いているのはあくまでも美しいピアノの響きである。やっぱりそれもECM的と言えば,ECM的である。これまでもManfred EicherはMarcin WaslewskiやTord Gustavsenのような有望なピアニストを発掘してきているが,また新たなピアニストがそのラインアップに加わったという感じである。もちろん,Eicherの眼鏡に適うようなピアノと言ってもよいが,それにしてもレーベルの個性が色濃く反映されたアルバムである。星★★★★☆。

こうなったら,前作"City of Broken Dreams"もさっさと聞かねば(笑)。ついでに言っておくと,PCで聞いていても,特筆ものの音のよさであり,それがピアノの響きの美しさを増幅させ,Thomas Morganのベースの音も原音に近い感覚で録られていて,心地よい。巷で何かと話題のエンジニア,Stefano Amerioの技を感じさせる出来と言ってよいと思う。

Recorded in April 2014

Personnel: Giovanni Guidi(p), Thomas Morgan(b), João Lobo(ds)

2015年5月13日 (水)

EBTGのEPでくつろぐ時間の至福。

Ebtg_eps_3

私は長年のEverything but the Girlのファンである。彼らのアルバムが好きなのはもちろんだが,彼らのEPって,未発表音源のライブが入っていたり,ベスト盤に追加収録された曲がEPで出たりと,結構見逃せないものなのだが,また,どれを聞いても心地よいというのが正直な私の思いである。特に93~94年頃にBlanco Y Negroレーベルから出た4枚のEPってどれを聞いてもゆったりしていて,気持ちよくなってしまう。

彼らの音楽はその後,どんどんエレクトロ・ポップ化していって,私としてはちょっと違うのではないかと思っていたのも事実なので,私にとってのEBTGは80年代後半から90年代半ばぐらいが一番好きな時期である。だからこそ,これら4枚のEPには結構な愛着がある。例えば休日の午後にコーヒーでも飲みながらリラックスしたり,リゾート地のビーチやプール・サイドで聞いたりしたら,これほど気持ちのよい音楽はなかろう。とにかく,私はこの時期の彼らの音楽を偏愛していると言っても過言ではない。最高である。全部まとめて星★★★★★。

2015年5月12日 (火)

なぜか突然のSealである。

Seal"Seal"  Seal(ZTT)

これは入院前に中古で300円で仕入れたまま,聞くチャンスを逃していたものである。このアルバム,96年のGrammyでRecord of the Year, Song of the Year, Best Pop Male Vocalの3冠に輝いた"Kiss from a Rose"によって記憶に残るものとなっているが,私にとってはJoni Mitchellが1曲参加していることが重要であった。しかし,このアルバムを恥ずかしながら,初めて通しで聞いてみると,曲のクォリティの高さに驚かされる。これならば,Joni Mitchellが参加していようがいまいが,いいアルバムであることには間違いない。

だが,まずはJoni Mitchellの参加した"If I Could"から聞いてみよう。Joni Mitchellは現在入院中であり,様々な憶測情報も流れ,健康状態が心配されているが,彼女の快復も祈りつつ聞いたが,中盤を過ぎた辺りで出てくるJoniのヴォーカルは,この曲の価値を高めるものであることは間違いない。ゲストというよりも,この部分だけを聞くとデュオと言ってもいいぐらいであり,ファンにとっては満足度が高い。私はこの曲だけのためにこのアルバムを買っても正解だと思ったぐらいだ(しかも300円でだ)。これは"Turbulent Indigo"の"How Do You Stop"にSealが客演したことへの返礼だったのかもしれないが,それにしてもこれはよい。

しかし,先述の通り,これ1曲で終わるアルバムではない。冒頭からへヴィなビートが出てきてびっくりするが,それで面喰ってはならない。聞けば聞くほど,佳曲が並んでおり,このアルバムがリリースされたときになぜ聞いていなかったのかと反省したくなるほど優れた作品だと感じた。策士Trevor Hornのプロデュースだけに,売れる仕掛けが施されているという考え方も可能だが,本作はそうしたうがった見方をしてしまってはもったいないぐらいのアルバムである。Sealがソウルの有名曲を歌った"Soul","Soul II"は決して悪いアルバムではなかったし,特に後者は結構好きだったが,本作はその両作をはるかに越えた出来だと聞いた。

もちろん,大ヒットした"Kiss from a Rose"は素晴らしい曲だが,そのヒットが映画"Batman Foreever"に部分的にでも依存することは間違いない。だが,これならば曲だけでも十分魅力的であり,その後,多くのミュージシャンによってカバーされるのも当然と思える出来。私にとってはECMでのJulia Hülsmannによるカバーが記憶に残っているが,これからも多くのミュージシャンがカバーするに違いない佳曲である。だが,それに加えてアルバムに収録された曲のクォリティは半端ではない。これって凄いアルバムだったんだねぇと今頃になって気づく私である。Trevor Hornのプロデュースを含めて大いに評価したい。このアルバムを無視していた自分への反省も込めて星★★★★★にしてしまおう。

尚,参加ミュージシャンの記載はあるが,詳細がわからないので,パーソネルは省略。Jeff Beckは一体どこに入ってるねん?(笑)。それにこれほどカテゴリーに悩むアルバムはないなぁ。ソウルではないし,ロックでもない。だけどポップスってのも変かなぁ...。

2015年5月11日 (月)

ECM45周年で続々と旧譜がリリースされる中で,今日はSteve Kuhn。

Ecstasy"Ecstasy" Steve Kuhn (ECM)

本国のカタログではCD化されていないものでも,日本でだけリリースされているものがある。本作も随分前に一度CD化されたものだが,当時,LPを保有している私は敢えて買う必要もないかなぁなんて買い逃していた。だが,LPの再生環境が必ずしもよくない現在においては,やはりCDで買いたくなっていたのも事実だが,入手困難となっていた。現在では3枚組ボックスの一部として入手可能であるが,それもスルーしていた私である。だが,今回,レーベル45周年を記念して日本国内において再リリースされることとなり,今回ようやく購入したもの。

そもそも"Ecstasy"なんてタイトルからしてECM的だと思ってしまう私だが,ソロ・ピアノで展開されるこの耽美的な世界は,まさにECMである。Steve Kuhnはその後,保守的な方向への転換も図りつつも,アルバムを多数リリースしているが,ECMで出る彼のアルバムは,別のレーベルの作品とは一線を画しているように思えるから面白い。とにかく,いかにもECM的な響きを発散しており,この手のサウンドが好きなリスナーにとってはたまらない出来である。

聞く人が聞けば,こんなもんジャズちゃうわという文句が聞こえてきそうだが,別にいいのである。ECMレーベルの音楽というのは,その響きに身を委ねていればいいという考え方も成立するわけで,そういう意味では鑑賞音楽として成立する一方,アンビエンスとしても成り立ってしまうってことだと思う。だからこそ,ECMの音楽は"the Most Beautiful Sound Next to Silence"と称されるわけだ。甚だ私見ではあるが,ECMレーベルの音楽に魅かれるリスナーというのはそうした聞き方をしている人が多いのではないかと思っているが,いずれにしても,ECMというレーベルのカラー,換言すれば,Manfred Eicherという人の方向性と合致している感覚が非常に強い作品だと思う。よって,ECMレーベル好きという私の嗜好もあり,星★★★★☆。

その一方で,Steve Kuhnについては,Sheila Jordanとやったバンドのアルバムは"Playground"がボックスでリリースされたものの,"New Year's Waltz"が未CDなのはプロデュースがEicherじゃないせいかなぁ。でもそれを言ったら"Playground"も同じか。う~む。謎だ。

2015年5月10日 (日)

またも興奮させられたぜい!: Simon Phillipsの新譜はロックだねぇ。

Protocol_3"Protocol III" Simon Phillips(Phantom Recordings)

昨年,Simon Phillipsが来日した時の演奏には興奮させられた私であったが,早くも新作がデリバリーされた。輸入盤はいつ出るかわかったものではないので,Amazonのポイント等を利用してゲットしたものである。昨年来日する前に出た"Protocol II"からわずか1年のインターバルで新譜が出るとは思わなかったが,よほどこのバンドでの成果に自信があったということになるかもしれない。前作と全く同じメンツというのも,そうしたSimon Phillipsの意思の表れではないだろうか。このアルバム,入院前にはゲットして,何回か聞いていたのだが,病院で聞くことは憚られたので,本日の記事のアップとなったが,改めて聞き直しても,Simon Phillipsだねぇと思わせてくれる。

冒頭からタブラの音が聞こえてきて,「おい,おい,おい」って感じで身構えるが,すぐにこっちが期待するトーンに変わるから心配は無用である。相変わらず,ロックとフュージョンのはざまを行くハードなサウンドに私は身を委ねることとなった。そうは言っても,これって予定調和的な心地よさでもあって,別に驚きはない。だがいいのである。リスナーの期待値を満たすというのは重要なことであって,「ミュージシャンの野心が,求められもしない問題作を生んで,リスナーの心を離れさせる」等といったパターンとは真逆である。だから,ここはこのハードなサウンドに心地よく乗ってさえいればいいように思える。

ここでは,この手のサウンドによくあるように,変拍子が炸裂する場面があるが,変拍子を変拍子と感じさせないのもミュージシャンの腕だよねぇと感じさせる。もちろん,リーダーSimon Phillipsの生み出すへヴィーなグルーブは心地よく,メンツも手堅い演奏を聞かせる。中ではAndy Timmonsの見せ場(聞かせどころ)が多く,ギター・インスト好きが聞いても納得のいくアルバムだと思う。だからと言って,これが「最高っ!」となるような音楽かと言えば,水準以上の楽しめるアルバムだとしても,今年屈指のとか,後世に残るとかそういうものだとは思っていない。だから,評価としては星★★★★が妥当と思うが,それでもライブでこういう演奏を聞かされれば,確実に燃える,そういう音楽である。アルバムとしては例えば私を前回のCotton Clubのライブで悶絶させた"Space Boogie"のような,もう少しぐわ~っと攻め倒す曲があってもいいようには思えるが,これでも十分と言えば十分である。

やっぱりこれは来月のライブには行ってしまうだろうなぁ。そう思わせるに十分な演奏であることは間違いない。

ということで,またこのCDを持ってCotton Clubに駆けつけることにしよう。

Personnel: Simon Phillips(ds), Andy Timmons(g), Steve Weingart(key), Ernest Tibbs(b), Satnam Singh Ramgotra(tabla)

2015年5月 9日 (土)

「教団X」:入院中に読むにはどうなのよ(笑)。

X「教団X」 中村文則(集英社)

買ったまま「積んどく」状態だった本を入院に合わせて病院に持ち込んでいた私である。しかし,600ページ近い大作なので,病床で読むには結構しんどかったし,内容も結構しんどかったなぁと思わせる作品である。

ストーリーはさておき,私がこの本を読んでいて感じたのは,著者中村文則による現政権への危機感ではなかったかと思わせる。言葉の端々にそういうトーンを感じてしまうのは私だけではないと思う。私はいつも言っている通り,リベラルな人間であり,現政権に対して徹底的に批判的な態度を取る人間であるから,そうした記述には首肯できる部分が多いのだが,いかんせん,小説としてはここまでの大冊としなくても書ける内容であるようには思う。そうしたところがアンビバレントな感覚を生み出す。ついでに言うと,カルト教団Xにおける信者たちのエロ・シーンはなんじゃそれはというレベルに達しているが,それも今の社会の風潮をデフォルメしているものだという気がするとしても,ちょいと行き過ぎではないかと感じるのも事実である。

そうは言っても,読後に振り返ってみれば,中村文則としては小説のかたちを取りながらも,書かずにおけなかったというのが正直なところではないか。登場人物の関係性等,とっ散らかった印象もあるが,それでもこれはこれである程度は評価したいと思った作品である。ただ,やっぱりちょっと長いかなぁ。星★★★★。

最後に,これは万人には薦められないし,上記のような観点で読めば,確実に賛否がわかれるところであることは承知している。それでも物言わぬメディアよりは,ずっと健全だと思う。いずれにしても,ネット上で「だけ」お盛んなネトウヨくんたちの論理に楔を打ち込むような感覚が,彼等にはきっと気に入らないだろうねぇ(苦笑)。

2015年5月 8日 (金)

このジャケは...なのだが,コンテンポラリーなセッティングでのJerry Bergonziが聞けるアルバム。

Sonora"Sonora Meet Jerry Bergonzi #2" Sonora Art Quartet (VVJ→Caution Jazz)

毎度お馴染みテナーの聖地,新橋Bar D2で聞かせて頂いたアルバムである。これも先日ご紹介したDave Santoro盤同様,全く知らなかったアルバムであるが,イタリアのSonora Art QuartetにJerry Bergonziが客演した作品。このSonoraというバンドも全く知らない私であったが,編成としてはPaolo Fresu AngelもしくはDevil Quartetと同じで,ラッパ+ギター+ベース+ドラムスというものである。そうした中で,ベースはエレクトリックを多用していて,かなりコンテンポラリー感が強い。Bergonziがこういうセッティングで吹くこと自体珍しいことだと思う(私が知らないだけで,マスターからはそんなことはないですと言われるかもしれないが...)のだが,これがやはりいけているアルバムなので,今回ご紹介することとしたい。

もともとは94年にVVJレーベルからリリースされたものであるが,私が今回入手したのはCautionn Jazzレーベルからの再発盤である。こうしたアルバムが再発されること自体,驚きだが,確かに埋もれさせるには惜しいアルバムであることは間違いないと思った私である。

もちろん,どのようなセッティングであっても,BergonziはBergonziなのだが,このバンドとのフィット感が高く,非常にスリリングな演奏が全編を通じて楽しめてしまうのだ。私はこの手のサウンドが結構好物なので,お店で聞かせてもらって即発注という,いつものバカの一つ覚えのような行動パターンを示してしまったのだが,そう思わせるぐらいこの演奏は私の嗜好にはまってしまった。もちろん,サウンドとしてはコンテンポラリーだとしても,ビート的にはコンベンショナルな部分もあり,決してフュージョン・ライクにはなっていない。コーラスを使ったギターの響きはMike Stern的(フレージングは違うが)なので,Bergonziのアルバムでは"Vertical Reality"に近いかなぁとも思っているが,"Vertical Reality"の方がはるかにコンベンショナルに響くのが面白い。

ついでに言っておくと,最もコンベンショナルな響きを持つ"Swing in the Morning"ではBergonziが達者なピアノを聞かせている。クリポタといい,Bergonziといい,有能なミュージシャンは何でもできるねぇなんて思ってしまうが,余芸の域を越えていると言っておこう。

唯一,このアルバムにケチをつけるとすれば,このジャケである。私はこういうセンスのないジャケが一番好かん!内容がよくても,購買意欲をそぐようなジャケにしてしまっては,Sonora 'Art' Quartetの看板に偽りありだと言いたくなる。ジャケと聞こえてくる音楽にギャップがでか過ぎだろう。それを差し引いても,この演奏は好きなので星★★★★☆としてしまおう。だが,絶対このアルバムはこのジャケで損をしているな。

Personnel: Marco Sannini(tp, fl-h), Pietro Condorelli(g), Dario Deidda(b), Pietro Iddice(ds), Jerry Bergonzi(ts, p)

2015年5月 7日 (木)

The Return of 中年音楽狂(笑)と最初のお題は...

Return_of_bb"The Return of the Brecker Brothers" The Brecker Brothers(GRP)

ということで,ようやく退院した私である。しょうもない「入院日記」を書き続けるほど暇にしていた私であるが,当然のことながら,それ以外は入院中は節制した生活を送る羽目になっていたことは言うまでもない。通常,私は血圧が高い方で投薬治療を続けているのだが,薬は飲み続けていたとは言え,115/75なんて信じられないような数値が出て,入院食(減塩食)は偉大だと思っていた。こうした血圧状態を続けることが重要だが,さて,いつまで続けられるか(笑)。とは言いつつ,あと4日間,自宅で療養しながら,来週からの社会復帰を図る予定である。そうは言っても,自宅でも時間はあるので,こうしてブログの記事を書いている。ということで,私も相当の好き者であるが,GW明けで既にお仕事中の皆さん,ごめんなさい。

ということで,娑婆に戻ってきた私としては,最初の記事に上記のような主題をつけたくてうずうずしていたわけだが(爆),そのかたわらにも同様のタイトルがついているアルバムということで,懐かしのBrecker Brothersの「最初」のリユニオンである。Michael亡き今,本当のBrecker Brothersのリユニオンは果たせぬ夢であるが,このアルバムが90年代にリリースされた時は多くの人の期待を集めたことは言うまでもあるまい。私は往時,彼らのファンだったわけではないが,それでもこのリユニオンに当たってはMike Stern,Dennis Chambersという強力なメンツのバックアップもあって,注目していたのは事実である。私の「帰還」が彼らほどの期待を集めるわけではないことは当たり前であるが,それでも,せめて「いなくても何も変わらなかった」ってことにならないようにはしたいものだ(笑)。

それはともあれ,久しぶりにこのアルバムを聞いたのだが,発売された当初から,私は完璧な出来だと思ったことはない。もちろん,悪くないのだが,"Above And Below"のような曲をより期待していたリスナーが多かったのではないかと思える。彼等もそれはおそらく承知していて,同時期に出たLDでのライブでの冒頭では"Above And Below"を演奏してように記憶する(違うかもしれないが)。いろいろな音楽を吸収した結果がこれと言ってしまえばその通りかもしれないが,やや散漫な印象を与えるのも事実だと思っていたし,今聞いても,その印象は変わらない。そうは言っても,次作"Out of the Loop"よりはずっといいかなと思っている私である。

時代を感じさせるヒップホップ的なノリもあり,今となっては微笑ましいとさえ思えてしまうが,やはりそれは彼らに対する期待ではなかったのではないか。彼らのライブ音源はJazz Doorから出ていて,私も保有しているはずだが,ちょっとそっちが聞きたくなっている私である。でも容易には見つからないことはわかっているのだが(爆)。お尻の様子とも相談しながら,休みの間に探してみるか(笑)。ということで,このアルバムを今評価するとすれば星★★★☆が精一杯かなって思う。

ってことで,私の「帰還」も皆さんの期待を裏切らないようにしたいものである。

Personnel: Michael Brecker(ts, ss, EWI, key, synth), Randy Brecker(tp, fl-h, vo), Mike Stern(g), Armand Sabal-Lecco(b, vo), Max Risenhoover(synth, prog), George Whitty(key), David Sanborn(as), Dean Brown(g), Veera(vo), Robby Kilgore(key, b), Maz(key), James Genus(b), Dennis Chambers(ds), Bashiri Johnson(per), Will Lee(b, vo), Malcolm Pollack(vo), Don Alias(perc)

2015年5月 6日 (水)

中年音楽狂の入院日記:最終回

長かったのか短かったのかわからない入院生活もいよいよ終わりである。退院を控えて,今回の入院生活を改めて振り返ってみよう。

長年騙し騙し過ごしてきた私のお尻の具合に,明らかな異常が発生したのは昨年秋口のゴルフの場であった。ラウンド中に,パートナーから「おい,おい,音楽狂(もちろん,その時は私の実名)君,お尻から血が出てるぞ」と耳打ちされたのが振り返れば発端であった。全く想定外だったので,心理的ダメージが大きく,ゴルフにも大きく影響した(嘘。ただ腕が悪いだけ)。その後,出張中の大量出血で駅のトイレを30分近く占拠したり,それからも出血を繰り返すことで,私も諦めて,まずは掛かりつけの医者の受診をしたところ,「いや〜,音楽狂さん,5時,7時,11時の3方向で立派に育ってますねぇ。これはサード・ステージですので手術が必要ですね。専門医をご紹介します。」と言われ,今回入院することとなった病院を受診したのが3月初旬である。

その際,診察を受けて「はい。これは手術ですね。『二郎(笑)』もあるので,入院期間は10日ぐらいと思っていて下さい。」と言われ,「えぇっ,10日も...」と結構精神的なショックを被った私であった。そうは言っても,それだけの入院をするならGWに合わせるしかないということで,家人の了解も得ず日程を決めてしまったものだから,その後一悶着あったが,こればかりは仕方ないということで,納得してもらった。

その後,大腸の内視鏡検査等を経て,4/27に入院,翌4/28に手術となったが,手術そのものは麻酔も効いているので,痛みもなくあっという間に終了した。な〜んだ,楽勝じゃんと思っていた私である。しかし,麻酔が切れてきて様子が一変する。とにかく眠れない。何らかのはずみでお尻に力が入ると,その痛みで目が覚めてしまい,本人としてはほとんど一睡もできなかったような気がする。

そして,その痛みに加えて,次なる問題として痛み止めの麻酔のせいで尿が出ない。しかし,膀胱に尿は溜まって行くので尿は出さねばならないが,それがどうしても出ない。その結果,尿道にカテーテルを突っ込んで吸引である。術後の痛みも嫌だったが,今回の入院で最も精神的ダメージが大きかったのはこれだろう。そもそもT字帯をつけているだけでも恥ずかしいわけだが,処置を受けている時はそのT字帯もはずされているのだから,情けないやら,痛いやら...。そしてあの吸引される瞬間の違和感は一生忘れることはないだろう。その後自力でできるようになって,2回目のカテーテルは回避できたが,それでも自力でした時も同じような違和感があった。あれはマジで辛かった。

その後は便通がうまく行くかどうかの不安はありつつ,術後の経過はほぼ順調に推移しているが,その中で坐浴が治療の一環として取り入れられており,患部を温めることの重要性を再認識した私である。とにかく気持ち良い。更に風呂に入れるようになって,ジャクージで患部を優しく刺激することはまさに極楽であった。因みに,今回の病院の風呂は個室になっていて,人の目を気にする必要がないこともポイントが高かった。

先週の土曜日には病気に関する講習会があったのだが,そこで見せられた数々の写真はショッキングで,「夢に出そうだ」と思ったのはきっと私だけではあるまい。自分も同じようなものだったのかと思うと暗澹たる思いを強くしたのであった。

そのほかは痛みはあっても,とにかく暇を持て余していたというのが実感だが,痛みゆえに原則横になる姿勢を取っているため,読書は辛いということで,もっぱらiPodで音楽を聞いていた私である。以前,私が別の病気で入院した時はポータブルCDプレイヤーで音楽を聞いていたことを思えば,便利になったものである。そして,新しい音楽がなくても,全然問題ないと思っていた。もちろん,環境がそう思わせる部分もあろうが,手持ちのCDももう少し聞き込んだ方がいいんじゃないのかなんて考えてしまった。とかなんとか言いながら,退院したら,舌の根も乾かぬうちにネットで発注を始めるに決まっているのだが(爆)。

何れにしても,病気はいかんと痛感させられた入院期間であったが,病院食のおかげもあって,日頃高い血圧も超健康な人みたいな数値になっている。当面は禁酒に加え,遠距離の出張も禁止なので,安定した節制生活を送るものと思う。ということで,従来の生活には6月ぐらいにならないと戻れないだろうが,少しは自制心を持った生活を送るようにしよう(ほんまか?)。

家族,職場,そしてお知り合いの皆さんにご心配をお掛けしたが,ようやく娑婆に出ようとしている私である。とにかく今言えることは,自覚(痔核?)のある人はさっさと専門医に診てもらうことを強くお勧めすることだが,ひとまずこれを以って私の入院日記を終了としたい。

2015年5月 5日 (火)

中年音楽狂の入院日記:その7 iPodをシャッフルで聞いていた。

術後の経過は順調ということで,予定通り退院できる見込みとなった。患部の痛みは残るが,いつまでもこんな生活は続けていられないので,社会復帰に向けた準備をせねば。まずは刺激的な音楽にも身体を慣らそうってことで,iPodをシャッフルで聞いていた私である。シャッフル・モードなので何がかかるかわからないわけで,強烈な音楽がプレイバックされても,スキップしないつもりで臨んだ私である。ってことで,下記が5/4の昼間にプレイバックされた曲である。こんなものを全部メモしていることからしても,私がいかに暇かご理解願えよう(笑)。それにしてもよくやるわ。

最後に賑々しくWoody Shawがプレイバックされても嬉しくなってしまった私であるが,意外とバラツキが少ない気もするのは気のせい? ちなみに今日使ったiPodには17,000曲以上入れているが,複数プレイバックされたミュージシャンも何組かあったしねぇ。まぁ,結構新鮮でした。

1. "Butterfly (Live)" Corrine Bailey Rae

2. "Get up Jake" Roger Tillison

3. "Winter in" Gene Clark

4. "Verdulac" Art Lande & Jan Garbarek

5. "The Wizard" Albert Ayler

6. "Ping-Pong" Art Blakey & the Jazz Messengers

7. "Cigano (for the Gypsies)" Steve Winwood

8. "When the Ship Comes in" The Clancy Brothers

9. "Closer" Paul Bley

10. "Domino" Thomsz Stanko

11. "Three Reflections" Marcin Wasilewski

12. "Hi De Hi, Hi De Ho" Kool & the Gang

13. "Audrey" Paul Desmond

14. "Loving Arms" Irma Thomas

15. "33-20 Blues" Robert Johnson

16. "Rocks" Caetano Veloso

17. "I Don't Need Another Love" Dionne Warwick with the Spinners

18. "Salz" Berlin Contemporary Jazz Orchestra

19. "You're Only Lonely" J.D. Souther

20. "Rita-San" Art Pepper

21. "Battling Joe" Yves Montand

22. "Prelude to Afternoon of Faun" Deodato

23. "Key to the Highway" Derek Trucks Band

24. "Body And Soul" Joshua Redman

25. "Gary's Theme" Bill Evans

26. "Beauty" Chick Corea Elektric Band

27. "Compute".Pat Metheny & Ornette Coleman

28. "Denver" Ronnie Milsap

29. "Rock Steady" Aretha Franklin

30. "Resole" Ricardo Villalobos / Max Loderbauer

31. "Sweet And Lovely" Chick Corea

32. "What a Bringdown" Cream

33. "Mexico (Live in Rio)" James Taylor

34. "Mrs. Robinson (Live)" Simon & Garfunkel

35. "Firenze" Antonio Sanchez

36. "Seu Corpo" Maria Bethania

37. "Autumn Nocturne" Sonny Rollins

38. "Everyday People" Sly Stone with Ann Wilson

39. "Remembering Tomorrow" Steve Kuhn

40. "So Long, Farewell" The Sound of Music O.S.T.

41. "Soho" Brand X

42. "Voce Disse Nao Lembrar (Live)" Adriana Calcanhotto

43. "Stood up" John Hiatt

44. "Phantasm" MTB

45. "All Things Being Equal Are Not" Woody Shaw

46. "I Got It Bad (And That Ain't Good)" Thelonious Monk

47. "Too Marvelous for Words" Paul Desmond

48. "Meiga Presenca" Elizeth Cardoso

49. "I'll Always Be There" Victoria Clark

50. "Meadows" Joe Walsh

51. "Ultrahang (Live at Ronnie Scott's)" Chris Potter Underground (Bootleg)

ー52. "Stone Free" Gil Evans 'British' Orchestra

53. "Psychedelic Pill" Neil Young & Crazy Horse

54. "Gaby Reprise" Wayne Krantz

55. "Ariorr" Oregon

56. "La Renaissance Africaine" Gilberto Gil

57. "Spain Drumdendum" Chick Corea

58. "Don't Take All Night" Me'shell N'degeocello with Senead O'Conner

59. "All of You" Fred Hersch

60. "Funk's Oats" Jimmy Smith

61. "Blue Motel Room" Joni Mitchell

62. "A Ship without a Sail" Paul Desmond

63. "Betcha by Golly, Wow" Pat Metheny

64. "Who Did You Think I Was" John Mayer

65. "Jadelyn's Song" Anika Noni Rose

66. "Sister Cheryl" Herbie Hancock (Boot)

67. "Ain't Wastin' Time No More" Allman Brothers Band

68. "Wood Beez" Scritti Politti

69. "Nightlake" John Abercrombie

70. "Business as Usual" Eagles

71. "Good Hope (Live at North Sea)" Chris Potter Underground (Bootleg)

72. "Smackwater Jack" Carole King & James Taylor

73. "Inutil Palsagem" Paul Winter

74. "I Don't Believe You (She Acts Like We Have Never Met)" Bob Dylan & the Band (from Last Waltz)

75. "So Amazing" Dionne Warwick

76. "To Kill a Brick" Woody Shaw


2015年5月 4日 (月)

中年音楽狂の入院日記:その6 5/3のプレイリスト

Image 相変わらず暇を持て余す私は,5/3も懲りずに,FB上で鑑賞音楽実況中継をやってしまった。

5/3のプレイリストは下記の通りであるが,ややビートの効いたアルバムも入ってきている。それでも,ハード・ロックやハード・フュージョンはまだ入ってこないが...。まだそういう気分には至っていないのだ。

1. Fourplay "The Best of Fourplay"

2. Doug Hall Trio "Three Wishes"

3. Elvis Costello with Burt Bacharach "Painted from Memory"

4. 五十嵐一生 "Tokyo Moon"

5. Various Artists "Endless Love: 15 of Motown's Greatest Love Songs"

6. Stan Getz "Stan Getz Quartet"

7. Neil Young "Time Fades Away"

兄貴の"Time Fades Away"は先ごろ発表されたRolling Stone誌の50 Greatest Live Albums of All Timeの37位にランキング(因みに"Weld"は43位)されてるんだから,再発してもいいんじゃないのかねぇ。プレイリストばかり上げていても芸がないので,今度はシャッフルで色々な音楽に触れることにしよう。

2015年5月 3日 (日)

中年音楽狂の入院日記:その5 こんな音楽を聞いていた。

Image 入院生活も後半に突入である。身体の自由はきくし,患部の痛みもだいぶおさまってきたが、いろいろな面で,日常生活に復帰するにはまだ無理があると実感している。詳細については書かないが,今後どう対処すべきか考えてしまうことがあるのだ。う〜む。

そんな中,病院で暇を持て余している私はFB上で鑑賞音楽実況中継みたいな状態になっていた。本来ならTwitterでやればいいようなしょうもない近況の投稿をしていた私である。

ってことでこれが私の5/2のプレイリストである。やっぱり比較的穏やかなチョイスなのは病人ゆえか。

1. Michael Franks "The Art of Tea"

2. Richard Beirach "Hubris"

3. John Stowell "The Banff Session"

4. Carly Simon "Playing Possum"

5. Chris Botti "Slowing Down the World"

6. Duke Jordan "Flight to Denmark"

この中では比較的知られていないのはJohn Stowell盤であろうが,基本StowellのギターとDon Thompsonのベースのデュオで演奏され,3曲にDave Liebmanがソプラノ・サックスで加わるというもの。その3曲が"Milestones","Bye Bye Blackbird",そして"Nardis"。それらはどんな曲をやってもLiebmanはLiebmanであることを明確に示すものである。

さて次は何にするかねぇ(笑)。

2015年5月 2日 (土)

中年音楽狂の入院日記:その4

Image_2 私の入院期間も予定通りならば折り返し点である。時間の過ぎるのが早いのか遅いのかは全くよくわからないが,痛みは残るものの,快復過程に入っているのは間違いないところである。そうは言っても暇を持て余していることも事実であり,こんな時には日頃できないことをやろうってことで,今日はオペラの全曲聞きである。

既に書いたとおり,今回私が選んだのが「トリスタンとイゾルデ」であるが,それもスロー・テンポで知られるBernstein盤である。ただでさえ長大なワーグナーのオペラだが,この盤では全曲聞き通すのに266分も掛かるのだ。私が本作を購入してから四半世紀近く経過しているが,これまで一気に聞き通したことがないのもある意味当然である。それができてしまうってのもある意味怪我の功名である。

入院中にこんな濃厚な音楽を聞いて,身体にいいんかい?と聞かれれば返す言葉がないが,それでも改めてこの演奏に通しで触れることができたのはいい経験であった。そもそも本作は幕毎に別の日に録音されていて,そうでもないと演っている方も体力が持たんだろうと思わせるような濃密さである。逆に言えば,聞いてる方にもそれなりの覚悟が必要だってことであるが,私は夢と現の狭間で聞いていたような感じなので,いい加減なものだが(苦笑)。

ってことで次は何に取り組もうなんて考えている私である。

2015年5月 1日 (金)

中年音楽狂の入院日記:その3

暇を持て余しているからこそできることがある。日頃だったらできない音楽の聞き方はその代表だが,家にいる時や通勤途上で決してできないことをやっている私である。それはiPodに落としてあるSteve Reichの連続聞きである。Reichの音楽であれば,刺激はそれほど強くないし,病室というある意味ミニマル(?)な空間とも親和性が高い(ほんまか?)。そうは言っても「砂漠の音楽」の親和性は低かったが(笑)。

そこでNonesuch5枚組からスタートし,結構な時間をReichとともに過ごした私である。次はオペラの全曲一気聞き。時間を掛けるなら"Ring"だが,iPodに入れていないので,代打トリスタン(爆)。マジっすか?暇を持て余して頭もおかしくなりつつある(元からおかしい?)私である。

入院中に聞いている音楽

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"This Is New" Ed Bickert & Lorne Lofsky (Concord)

入院中に限らず,病に臥せっている時はあまり騒々しい音楽を聞く気にはなれないので,今回チョイスしたのがこれ。私はPaul Desmondとやっている時から,Ed Bickertを贔屓にしてきたが,このスウィンギーでインティメートな雰囲気はEd Bickertならではである。これはカナダの後輩ギタリスト,Lorne Lofskyとの双頭アルバムだが,くつろぎ感に溢れ,病人の心も弾ませてくれるわ。こんなナイスなアルバムが廃盤って惜しいねぇ。

Personnel: Ed Bickert(g), Lorne Lofsky(g), Neil Swainson(b), Jerry Fuller(ds)

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