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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2015年1月31日 (土)

Mole:直感を信じて購入したアルバムだが,これは微妙。

Mole_rgb "RGB" Mole(RareNoise Records)

これはどこかのショップのサイトで見て,ジャケの雰囲気やらも含めて,何となく気になっていたものである。そして,ネットでちょっと試聴してみて,あぁこれならよさそうだなぁという直感に基づいて購入したのだが,これが若干微妙である。必ずしも直感は正しく機能しないというのは当たり前のことだが,音楽としては悪くないとは思う。私にとって,このアルバムで誤算だったのは,音があまりよろしくないということである。この音ではトリオ編成による演奏のニュアンスが伝わらないのが痛い。私は音質がどうこうで,音楽を評価するタイプではないが,意図的にローファイにしているのかと言いたくなるようなくぐもった音のように思えて,おい,おいとなってしまうのだ。

Moleというバンドはメキシコ出身のピアニスト,Mark Aanderudと,アルゼンチン出身で,現在はメキシコ在住のドラマー,Hernan Hechtから構成され,デュオで演奏することもあれば,今回のようにゲストを迎えてトリオ,あるいはクァルテットでも演奏をすることもあるようである。そして,今回彼らに加わっているのが武石務(Stomu Takeishi)である。武石務はエレクトリック・ベース,かつMoleの二人もエレクトロニクスを使うということで,まぁ普通のピアノ・トリオの演奏になる訳はないのだが,いかにもという感じの変拍子満載の,超現代的なトリオと言ってよいように思う。

音楽としてはアンビエント的なものから,ハードなものまであって,この手の音が好きなリスナーにはOKと思える演奏だと思うのだが,新しいアルバムなのに,なぜこの程度の音でしか録れなかったのかというのがそこが残念である。冒頭の"Sub-All"からして,そうした音の問題を感じさせてしまうので,聞き進めるモチベーションが高まらないのである。せっかくいけている音楽を作っているのだから,もう少し音にもこだわりを持ってもよかったのではないか。後半の曲は比較的音は改善するように聞こえても,第一印象が悪いのはいかんともしがたい。だからこそもったいないのである。ということで,星★★★。

ところで,2曲目の"Reasons"という曲は,どこかで聞いたようなメロディ・ラインを持つのだが,それが何なのか,どうしても思い出せない。やっぱり年だなぁ(苦笑)。

Personnel: Mark Aanderud(p, key, electronics), Hernan Hecht(ds, electronics, effects), 武石務(b)

2015年1月30日 (金)

Antonio Sanchezによる話題の映画音楽

Birdman "Birdman or (the Unexpected Virtue of Ignorance): Original Soundtrack" Antonio Sanchez (Milan)

今年のオスカーの有力候補となっている「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のサウンドトラックである。この映画,実はこのAntonio Sanchezによるオリジナルのドラムス・スコアも相当話題となっている。なぜならば,全てが基本的にSanchezによるドラムス・ソロで構成されているからである。但し,この作品,一部にクラシックの音源を使っているからという理由で,オスカーのノミネーション対象から外されてしまったことに,アカデミーの保守性が表れていると批判を浴びている。しかし,映画の中でどういう風に使われたのかはわからないが,Sanchezのソロは30分弱に及んでおり,映画との合致度はわからないとしても,オリジナルのスコアとして評価してもよかったのではないかと思えるものである。

だが,ここで展開されるSanchezのドラムスを聞いていると,非常に音楽的なものであると感じられる。鋭い切れ味はいつも通りだが,若干のシンセ音(?)以外はドラムスだけだというのに,ついつい引き込まれてしまう魅力がある。ドラムス・ソロでアルバムを作ってしまったのはMax Roachぐらいのものだと思うが,そうした領域に挑んだと言ってよい力作。

正確な評価は映画を見てからしかできないとしても,これが一聴に値する作品であることには私としては何ら疑念がない。アルバム後半に収められたクラシック曲はここで評価する必要はないと思うので,あくまでもSanchezのオリジナル部分についてということになるが,彼のチャレンジする姿勢と,ミュージシャンシップが如実に出た作品と思う。

これは単体ではそれほど売れるアルバムではないであろうこともあるし,これをオスカーのノミネーションからはずしたアカデミーへの批判もこめて,星★★★★★としてしまおう。本当に立派な仕事だと思う。尚,ご参考までに,YouTubeを検索してもらえば,ここでのSanchezの音源を全部聞くことができるので,興味のある方はどうぞ。

Personnel: Antonio Sanchez(ds)

2015年1月29日 (木)

今夜は限界...

今夜も仕事の後,飲みに行ってしまい,本来書くべきはずの記事は先送り。ってことで,またサボってしまう私である。反省します。

2015年1月28日 (水)

素通りしていたSteve Reichの新作

Reich_radio_rewrite "Radio Rewrite" Steve Reich(Nonesuch)

本作は昨年の9月にリリースされていたようだが,全く私が意識していなかったものである。日頃からReich好きだなんて言っている割には,この体たらく!と言われても仕方がない。まぁ,国内盤はこれからリリースのはずなので,新譜としてもよかろう(と開き直る)。今回は,何と言っても,タイトル・トラックがRadioheadの曲をモチーフにしているということが話題になるだろうが,それに加えて,冒頭にはそのRadioheadのJohnny Greenwoodによる"Electric Counterpoint"が収められていることも注目に値する。

そもそも"Electric Counterpoint"はPat Methenyによって初演されたものであるが,それがギタリストが変わるとどう変化するのかに興味が湧く。やはりロック界からのJohnny Greenwoodだけにギターの音がソリッドな感じが強く,個性の違いは出るものだなぁとついつい思ってしまう。

それに続く"Piano Counterpoint"は旧作"Six Pianos"をVincent Corverという人が,ピアノの多重録音に編曲したものであるが,これがReichらしいピアノのつづれ織りのような音がして,ついついうっとりしてしまった私である。多重録音という意味では"Electric Counterpoint"のピアノ版のような趣もある。

そして,これらの旧作(及び旧作のアレンジ)に加えて発表されたのが,タイトル・トラックである。ライナーによれば,RadioheadはSteve Reichの影響を受けたとのことだが,私が彼らのちゃんとした聞き手ではないということがあったとしても,こうした指摘には「へぇ~」としか言えなかった。元ネタは"Fast"パートが"Jigsaw Falling into Place"("In Rainbows"所収),"Slow"パートが"Everything in Its Right Place"("Kid A"所収)だそうである。これはちゃんとRadioheadの演奏も聞き直してみなければと思ってしまう私である。

Reichはこの曲に関して,「曲に『ヴァリエーション』をつける意図はなく,曲に秘められたハーモニーや,メロディの断片を引き出し,自作の中に入れ込む」(私の拙訳御免)ことを図ったと書いている。そう言われれば,尚更オリジナルをちゃんと聞かなければならないと感じる。曲はエレクトリック・ベースも入っていることもあって,いつものReichよりもポップな感じがするし,ヴァイブの音を聞いていると,Gary Burtonがこういう曲をやるのもありではないかと思えるような曲調である。いずれにしても,ReichはどうやってもReichなのだが,私にとっては何とも心地よい音楽である。好きな音楽にはついつい点も甘くなり,星★★★★★。やっぱりReichはええですわ~(笑)。

Personnel: Johnny Greenwood(g), Vicky Chow(p), Alarm Will Sound<Alan Pierson(cond), Erin Lesser(fl), Elisabeth Stimpert(cl), Chris Thompson(vib), Matt Smallcomb(vib), John Orfe(p), Michael Harley(p), Courtney Orlando(vln), Caleb Burhans(vln), Nathan Schram(vla), Stefan Freund(cello), Miles Brown(el-b)

2015年1月27日 (火)

ジャズ不毛の地(?),フィンランドからの快作(笑)

Aki_rissanen_jussi_lehtonen_quartet "Aki Rissanen// Jussi Lehtonen Quartet with Dave Liebman"(Ozella)

フィンランドと言えば北欧である。ジャズ界において,北欧と言えば,ノルウェーかスウェーデンと相場が決まっていて,正直フィンランドの影はこの2カ国と比べると,相当薄いというのが実態だろう。ノルウェーやスウェーデンは北欧と言っても,これまたジャズの盛んなデンマークと海峡をはさんで近い距離にあるが,フィンランドは昔で言えば東欧文化圏に属していたと考えれば,まぁ仕方がないことなのかもしれない。よって,このアルバムに参加した現地のミュージシャンについても,名前も聞いたことがない。

そのような私が,このアルバムを買うに至った理由は,偏にDave Liebmanである。毎度おなじみ新橋のテナーの聖地,Bar D2において,マスターから紹介されて(煽られて?)購入したものである。なんせフィンランド盤なので,一旦買い逃すと,次はいつ買えるかわからないという危惧があったのも事実であり,仕事帰りに新宿に立ち寄ってゲットしたものである(残っていてよかったわ~)。

オープニングから,動的なイントロが聞こえてきて,そこにLiebmanのソプラノが切れ込むさまはなかなかよい。こういうのを聞くと,こっちが知らないだけで,世界にはいろいろなミュージシャンがいるのだなと思わせる(当たり前だが...)が,音楽的には少なくともノルウェーの感じとは異なるし,スウェーデンとも異なるように思える。私の感覚では,やや先鋭性を感じさせるノルウェー,暖かさを感じさせるスウェーデンって感じなのだが,ここでの音楽はスウェーデン寄りながら,よりハイブラウでダークなアプローチと言ってもいいかもしれない。まぁ,それはDave Liebmanが持ち込んだトーンかもしれないが,なかなかフィンランドも侮れないと思わせるに十分である。

そして,このアルバムを聞いていて,私はLiebmanのテナーの好調さをより顕著に感じてしまったのだが,それはソプラノがいけていないということでは決してない。テナーが殊更いいので,3曲目の"Internal Affairs"で出てくるLiebmanのテナーに,ついつい耳を奪われてしまった私である。4曲目"Point Marie"で聞かせるテナーによるバラッド表現もこれまた素晴らしい。8曲目"In the Corner"のテナーなんて,完全にColtrane化しているしなぁ。う~む,Liebman,絶好調ではないか。フリー的なアプローチが強まっても変わらないってのも凄いねぇ。Dave Liebmanは多作であるが,全編ゲストとしてワンホーンで通すというのもなかなかない中で,本作はこっちの期待に応えてくれた演奏だと言ってよい。私としてはLiebmanにはこういう感じでどんどんやって欲しいなぁと思っているのだが,とにかくフットワーク軽いからなぁ(苦笑)。

いずれにしても,私がフィンランドのジャズに触れる機会を作ってくれただけでも価値があったと思わせる一枚。主題の「不毛の地」は取り消させて頂こう。フィンランドの皆さん,大変失礼しました。まぁ,もう少しLiebmanが煽られるぐらいでもいいような気がするが,それは望み過ぎか?ってことで星★★★★。それにしても,ベースがいい音を出していると思うのは私だけ?

Recorded on April 25 & 26, 2013

Personnel: Aki Rissanen(p), Jussi Lehtonen(ds), Jori Huhtala(b), Dave Liebman(ts, ss, wooden-fl)

ちなみに,ネットに彼らのライブの映像があったので,貼り付けておこう。まぁ,こういう雰囲気ってことで。

2015年1月26日 (月)

昨日の山下洋輔に続いて,今度は坂田明だ!

Pochi "POCHI" 坂田明トリオ(Better Days/日本コロムビア)

昨日,山下洋輔トリオ+1の復刻盤を取り上げたばかりだが,今日は同じシリーズで出た本作である。私は以前,本作と同じメンツで録音された"Dance"というLPを保有していたはずだが,とうの昔に売り払ってしまい,手許にはもうない。だが,大学1年の時だったと思うが,西荻窪の「アケタの店」で見た彼らのライブはよく覚えている。1stでは聴衆が結構おとなしかったので,2ndでは先輩と私で結託して「盛り上げ」モードに入ったことも懐かしい。そう言えば,"Dance"に収録された「ラジオのように」もやっていたはずである。

それはさておきであるが,本作は坂田明が山下トリオから独立して結成した自己のトリオのデビュー・ライブ・ツアーからの実況盤である。そもそも坂田明も山下洋輔トリオ出身ということもあり,フリーでありながら小難しい感じがしないところが大変よい。坂田明は多作だし,正直昨今の動向まではフォローできていない私だが,山下トリオ独立後のこの頃の坂田は,越境型ミュージシャンのはしりみたいな活動ぶりだったのも懐かしい限りである。

そうした越境型の活動の中で,このトリオはそのボトムラインを構成するものであり,坂田の本質的な部分はこのトリオでの演奏に最もよく出ていたように感じるのは私だけだろうか。私は本作を聞いたのは今回が初めてであったが,吉野,藤井という有能なリズム・セクションを得て,坂田がこちらの期待する吹きっぷりを聞かせていて嬉しくなってしまう。ワン・パターンと言われようがなんだろうが,いいものはいいのである(きっぱり)。

山下洋輔同様,今の時代のリスナーにこの音楽がどのように受け容れられるのかはよくわからないが,私にとっては前後に身をよじりたくなる音楽(笑:わかる人にだけわかってもらえばよい)であり,山下洋輔同様,私にはある意味爽快感をもたらす音楽である。LP時代の収録時間の限界もあり,一部フェード・アウトやフェード・インっぽいところがあるのは残念だが,これもカタログに残しておいてもらいたいという希望も含めて星★★★★☆にしてしまおう。こうなったら,"Dance"も最近流行りの1,000円シリーズで再発してくれないかな。ついでに言っておくと,山下トリオ+1も本作も,もう少し廉価がよかったなぁ,日本コロムビアはん(爆)。

尚,ジャケは本当にアルトを吹く坂田明のレントゲン写真だそうだ。笑えるねぇ。

Recorded Live in August, 1980

Personnel: 坂田明(as, a-cl),吉野弘志(b),藤井信雄(ds)

2015年1月25日 (日)

懐かしの山下洋輔トリオ+1による欧州ライブ完全盤

1 "In Europe 1983(Complete Edition)" 山下洋輔トリオ+1(PANJA/日本コロムビア)

永らくの間,廃盤状態にあったアルバムが未発表曲も追加して,めでたく復活である。山下洋輔がトリオ(+1)名義でリリースしたものとしてはこれが最後となるものである。

そもそも,学生時代,私が所属していたサークルで,まさにこのメンツによる面々を大学祭に招いたことも懐かしいということもあるが,その時の打ち上げもおかしかったなぁと遠い目になる私である。今は亡き武田和命の寡黙ぶりが打ち上げでも顕著だったのが印象に残っている。いずれにしても,このメンツでの音源が限定的ということもあり,今回のリリースは本当に貴重である。

山下トリオには数々のライブ盤があって,その中では私は"Montreux Afterglow"への思い入れが最も強いとしても,やはりこの人たちの本質はライブでこそ発揮されるし,ライブだからこそ面白いと思える。打ち上げでは寡黙な武田の"Alone Together"での咆哮ぶりとのギャップには笑えるが,それにしても全編に渡って,彼ららしい熱い演奏が収められていて嬉しくなってしまった。

フリー・ジャズであるにもかかわらず,山下洋輔の音楽に感じられるこの爽快感は,唯一無二の存在であると改めて認識させられたアルバムである。よくぞ再発してくれましたってことと,懐かしさも含めて星★★★★★。こういう作品は,できればずっとカタログに残しておいて欲しいものだが,そんなに売れるとも思えないので,好き者はあるうちに買っておきましょう(笑)。

Recorded Live at Heidelberger Jazztage on July 8, 1983

Personnel: 山下洋輔(p),武田和命(ts),小山彰太(ds)+林栄一(as)

2015年1月24日 (土)

今年最初のライブは10CC!

10cc_live_at_blt_2 日本代表とUAEのアジア杯クォーター・ファイナルの成り行きを気にしながら,今年最初のライブとなったのは10CCである。ライブ開演前に,PK戦まで持ち込まれた段階で心配していた通り,日本代表はUAEに敗れて,フラストレーションのたまりまくる中でのライブとなってしまったが,10CCには全く責任はない(当たり前だ!)。

だが,そういう日本代表の敗戦で淀んだ私の感情を,彼らの演奏は払拭してくれたと言ってもよいように思う。目新しいことは何もないし,これって日本国内で言えば,年取ったグループ・サウンズの音楽を聞いているようなものだと言われてしまえばその通りである。だが,いいではないか。私にとっては懐かしい曲ばかりだし,一緒に歌えること自体が貴重である。終演前にはPaul Bergessを除く4人で,最初のシングル曲だと言って"Donna"をアカペラで歌っているのを聞いて,Four Seasonsか?みたいに思いつつ,歌がうまいねぇと感心していた私である。

今回はEric Stewartは不在だったが,Mick WilsonがまるでEric Stewartのような声で歌っていたのが印象的であった。メンツを選ぶ時にもちゃんと考えてるってことの証だが,それにしても楽しいライブであった。正直,Graham Gouldmanって,ワイルドワンズの鳥塚しげきみたいだとずっと思っていた私だが,音楽のレベルは全然ちゃうわ(笑)。だって1曲目が"Wall Street Shuffle"だもんねぇ。ということで,写真は撮れる範囲で撮ったが,今日アップしているのは"I'm Not in Love"演奏中の彼らである。当たり前だがやっぱり歌ってしまった。隣にいらしたイタリア・ジャズの女神さまことライブ・メイトの姫には顰蹙を買ってたかもなぁ。まぁいいや。

いずれにしても,10CC,いい曲ばっかりじゃん。歳は取っても,名曲は不滅なのだ(笑)。ということで,大いに楽しんだ私であった。

Live at ビルボード・ライブ東京 on January 23, 2015, 2ndセット

Personnel: Graham Gouldman(vo, b, g), Rick Fenn(g, b, vo), Mick Wilson(g, vo, perc), Keith Hayman(key, g, vo), Paul Burgess(ds, perc)

2015年1月22日 (木)

サボりぐせはいかん!

と言いつつ,記事を書くだけの体力が残存していない。明日には何とかしたいなぁ。マジで体力の限界,って言うより飲み過ぎでアルコール耐性の限界を超えただけなのだが。

2015年1月20日 (火)

Jack DeJohnetteの新譜は襟を正して聞きたくなるシカゴ派正調フリー・ジャズ

Jack_dejohnette_made_in_chicago_2 "Made in Chicago" Jack DeJohnette(ECM)

今回デリバリーされたECMのアルバムの中で,これが最も硬派なアルバムであることはわかっていたのだが,それにしても,これだけの重鎮揃いのアルバムであるから,襟も膝も正して聞くべきものであることは言うまでもない。何てったって録音時の年齢はMuhal Richard Abrams:82歳,Roscoe Mithchell:73歳,Henry Threadgill:69歳,Jack DeJohnette:71歳(ベースのLarry Grayは年齢不詳)なのである。このメンツは,ニッチなフリー・ジャズという世界における人間国宝みたいな人の集まりなのだ。まずはよくもこれだけのミュージシャンが集結したものだと考えざるをえない。

そうした中で展開されるのは,シカゴ派の王道のフリー・ジャズである。フリーと言っても,破壊的な力はないのだが,それでも王道は王道なのである。Jack DeJohnetteはきっちりビートを刻むシーンが多く,混沌とした感覚はそれほど強くはないが,ホーン陣はかなり自由度が高いので,これはやっぱりフリーなのである。だってRoscoe MitchellとHenry Threadgillだもんなぁ。自由でないはずがない(笑)。そして,最年長のMuhal Richard Abramsの元気なこと。これこそまさに驚きである。矍鑠としたジャズマンは多いが,80を過ぎてこんな音楽をやっているこの人,まさに化けものである。冒頭の"Chant"こそ,タイトル通り「詠唱」のような感じで始まるが,このメンツでそのまま終わるはずはないと思っていたら,案の定であった(笑)。どんどん,演奏が熱を帯びていくところからは,彼らの年齢は全く感じさせないのだから,大したものと言わずに何と言う?ってところである。

この企画,できそうでいて,なかなか実現の難しそうなところを,よくぞこのメンツを集めたってところに非常に意義があると思えるが,だからこそ,ECMには珍しく,MCまでフルフルで収録しているのではないかと感じさせる。Manfred Eicherの美学を封印してでも,ドキュメンタリーとしての価値を重視したってことかもしれないし,それほどのイベントだったってことだと思う。この時代に,この音楽がどのように受け入れられるのかってのは微妙な部分もあるが,シカゴの聴衆は熱狂している。これが地域の特異性なのかなぁってのを改めて感じさせられたこともあり,非常に面白かった。もちろん,演奏の立派さがあってのことではあるが...。

繰り返しになるが,彼らのような人間国宝級のミュージシャンの芸を楽しませてもらえただけで,ありがたや~と思うべきアルバムである。もちろん,音楽的な観点からすれば,万人に勧められるものではないが,これはこれで一聴の価値のある貴重な記録として星★★★★★。聞いていて,私はまじで背筋が伸びた(笑)。

Recorded Live at Chicago Jazz Festival on August 29, 2013

Personnel: Henry Threadgill(as, b-fl), Roscoe Mitchell(sopranino, as, ss, baroque-fl, b-recorder), Muhal Richard Abrams(p), Larry Gray(b, cello), Jack DeJohnette(ds)

2015年1月19日 (月)

ECMの新譜シリーズはちょっとお休みして,今日はOtis Brown III。

Otis_brown_iii "The Thought of You" Otis Brown III(Blue Note/Revive)

ECMの新譜としてJack DeJohnetteのシカゴでのライブ盤もデリバリーされているのだが,あちらは聞くのに相応の覚悟がいる(笑)ってことで,ちょっと息抜き(?)に昨年リリースされたこのOtis Brown IIIのアルバムを遅ればせながら取り上げることにしよう。

このアルバム,冒頭の音が出てきた瞬間,おぉっ,Robert Glasper的!と思わせるのだが,Glasper全面参加に加えて,プロデュースもOtis Brown III本人に加えて,Glasperの盟友Derrick Hodgeが務めているから,さもありなんって感じではある。だが,Robert Glasperのアルバムよりも新主流派的なサウンドが濃厚で,ややソウル/R&B色が強いGlasperがダメでも,こっちならいいっていうリスナーも多そうに思える。

いずれにしても,昨今の優秀なドラマーが多いジャズ界において,またも才能に溢れるドラマーのリーダー作が生まれたと言っても過言ではない。もちろん,この人脈ゆえの音づくりって気がしないでもないが,リーダーの書くオリジナルもなかなかに魅力的であり,これは見逃すには惜しい作品である。Gretchen Parlatoをフィーチャーした"You're Still the One"なんて,彼女のアルバムに入っていても全く不思議ではないトーンで,こういうムードが好きなリスナーは間違いなく気に入るであろうし,比較的静的なイメージを持ちながら,よき時代の新主流派的な響きを濃厚に感じさせるところも,私は結構好きな作品である。Gretchenともどもフィーチャーされるヴォーカリスト,Nicki Rossはやや声のトーンが細いかなと思うが,ソウルという観点なら問題はそんなに感じないかな。ということで,やや甘めの星★★★★☆。

尚,本作は昨年の作品ではあるが,リリースから半年も経過していないということで,新譜扱いとさせて頂く(但し,今年のベスト盤対象とはしない)。

Personnel: Otis Brown Ⅲ (ds, perc), John Ellis (ts, b-cl), Keyon Harrold(tp), Robert Glasper(p, rhodes), Shedrick Mitchell(org), Ben Williams(b), Nir Felder(g), Bilal Oliver(vo), Gretchen Parlato(vo), Nikki Ross(vo), Derrick Hodge (perc)

2015年1月18日 (日)

優秀な友人たちに囲まれて作り上げたKenny Wheelerのラスト・アルバム

Kenny_wheeler_songs_for_quintet

"Songs for Quintet" Kenny Wheeler(ECM)

昨年9月に惜しくもこの世を去ったKenny Wheelerによるラスト・アルバムである。情報によれば,ほかのミュージシャンと共演したのもこの時が最後ということである。共演者はKenny Wheelerの健康状態を理解した上で,このアルバムのレコーディングに臨んだであろうことが想像される演奏である。

既にこの時,Kenny Wheelerの健康状態は完璧ではなかったと思われ,ここで聞かれるKenny Wheelerのフリューゲル・ホーンには正直言って力強さは感じられない。だが,逆にそうしたトーンによるリリカルさと,おそらくはこれ以上はこのメンツからは考えられないであろう素晴らしい助演ぶりによって,このアルバムは「静かな感動」を呼ぶものとなっている。もちろん,真っ当に評価すれば,本作を最高のアルバムと呼ぶことはできないだろう。だが,助演陣4人がKenny Wheelerを静かに鼓舞しながら演奏を展開するさまは,彼らのよきミュージシャンシップを感じさせるものと思う。そして,そうした演奏を展開させたのは,Kenny Wheelerその人へのリスペクトだったように思えるのである。特に,Stan SulzmannとJohn Parricelliの好演が光る。

敢えて本作を,本来ならばKenny Wheelerが85歳になるはずであった彼の誕生日近くにリリースし,更にECMとしてはおそらく初のデジパック仕様としつつ,Kenny WheelerのECMのカタログまで付けたところには,Manfred EicherのKenny Wheelerへの強い追悼の心持ちすら感じてしまう。そうした要素を踏まえれば,私としてはこのアルバムに星をつけることに躊躇を感じる。むしろ,静かにこのアルバムを聞きながら,Kenny Wheelerを追悼することこそ,本作への正しい接し方のように思う。

R.I.P.

Recorded in December 2013

Personnel: Kenny Wheeler(fl-h), Stan Sulzmann(ts), John Parricelli(g), Chris Lawrence(b), Martin France(ds)

2015年1月17日 (土)

Oscarシーズン到来!本年の結果やいかに?

2/22(日本時間2/23)のアカデミー賞に向けて,ノミネーションが発表され,受賞レースの予想が喧しくなっているが,作品賞はおそらく「6才のボクが、大人になるまで。」と「バードマン」が2強というのが大方の見方ではなかろうか。後者は日本公開が春先なので未見だが,メディアのトーンからするとそう間違ってはいないはずである。監督賞もおそらくこの2作の争いだろうが,前者の12年に及ぶ制作期間というところが,私は投票者の心をくすぐって,努力賞込みで勝つように思える。その分,「バードマン」はMichael Keatonの主演賞でバランスを取るように思える。

まだ前者しか見ていない私だが,助演賞候補のEthan HawkeとPatricia Arquetteにも賞を取らせたいところだが,Patriciaは間違いないとして,Ethanがどう評価されるかだな。本命は"Whiplash"のJ.K. Simmonsとされているが,こういうところでアカデミーのバランス感覚が働いてしまいそうな気もして,Ethan Hawkeは難しいかもしれない。

いずれにしても予想は予想なので,下馬評なんてどうでもいいことだが,映画に関するお祭りなので,楽しみに結果を待ちたい。それにしても公開直後にもかかわらず,「アメリカン・スナイパー」が作品賞にノミネートされているって,Clint Eastwood,まさに完全に巨匠の領域ってことか。2月公開のこの映画も早く見たいねぇ。

2015年1月16日 (金)

Vijay IyerのECM第2作も素晴らしい出来。

Break_stuff

"Break Stuff" Vijay Iyer Trio(ECM)

私はVijay IyerのECM第1作,"Mutations"も高く評価したが,前作から1年も経過しないという短いインターバルで新作が届けられた。これは,Manfred EicherのVijay Iyerに対する評価や期待値の裏返しと考えてもよいように思えるが,まさにそれを裏付けるかのような快作である。

前作が,Vijay Iyerの作曲家としての表現に力点が置かれていると感じさせたのとは異なり,今回は彼のレギュラー・トリオによる作品であり,ジャズ的なアプローチに徹したものとなっている。そして,Vijay Iyerの知性を感じさせる理知的な響きと,ジャズの持つスリリングな部分が丁度いい具合にリンクし,これが素晴らしい出来。このトリオは既に11年のキャリアになるようであるが,緊密度も十分。そして,彼らの音楽を捉えた優れた録音とも相俟って,これには年初早々興奮させられたと言ってしまおう。先日取り上げたクリポタもよかったが,私はディスクとしては,こちらを更に高く評価してしまう。

本作はVijay Iyerのオリジナルに加えて,Monkの"Work",Billy Strayhornの"Blood Count",そしてColtraneの"Countdown"をやっているが,それらの曲が見事にオリジナルに溶け込んでいるのだ。そして,非常に面白いと思ったのが"Hood"なのだが,これがレーベル・メイトであるNik Bärtschにも通じるミニマル・ファンク的な響きを聞かせるところが,Nik Bärtschも好きな私にはポイントが高かった。そして,これが本当にスリリングなのである。いずれにしても,年の初めからこんなに優れたアルバムを聞けて,まじで幸せって感じである。これには星★★★★★を喜んで謹呈しよう。

それにしても,今年聞いた新譜はどれも出来がよい。こいつは春から縁起がいいわい(笑)。

Recorded in June, 2014

Personnel: Vijay Iyer(p), Stephan Crump(b), Mrcus Gilmore(ds)

2015年1月14日 (水)

Chris Potter Underground Orchestra:新年早々強力な注目作の登場!

Imaginary_cities "Imaginary Cities" Chris Potter Underground Orchestra(ECM)

1月に入って最初にデリバリーされたのが,ECMレーベルの作品群(今回は4枚)なのだが,その中でも今回私が最も期待し,注目していたのがこの作品である。Chris Potter Undergroundはクァルテットという編成の中で,超絶変態的ファンクを聞かせるバンドとして,私はこれまでもこのブログで大いにプッシュしてきたし,彼らのライブにも足を運んでその興奮を伝えてきたつもりだ。だが,今回はChris Potter Underground Orchestraとなり,Craig Tabornが復帰するだけでなく,編成はストリングスも入れて,大幅に拡大されている。こうした編成や出てくる音を考えれば,これはUnderground系というよりも,Chris Potter 10の路線と考えた方がよいように思える。

Chris Potterについては,そのChris Potter 10による"Song for Anyone"において,ウインドやストリングスを交えた編曲能力にびっくりさせられたものだが(記事はこちら),今回はウインドはクリポタ自身のホーンのみとなっているものの,大編成バンドのアレンジメントとしては相当精緻に作られていると言ってよい。もちろん,"Imaginary Cities 2 Dualities"のクリポタのソロのように,Underground的な響きが感じられる局面がないわけではない。だが,これは明らかにUndergroundとはコンセプトが異なる作品として聞かないと,イメージの違いに戸惑うリスナーが出てきても仕方がない。

その一方で,ECMというレーベルのカラーを考えると,この作品は,おそらくは総帥Manfred Eicherの考える方向性に合致したものと言えるものであり,そうした点を踏まえてリスナーは本作に対峙すべきであろうと思う。かく言う私にとっては,ジャズ的な快楽と,現代音楽的な快楽が交錯するようなアルバムであり,そういうもんだと思って,聞き手側も懐を広くして聞いた方がよい音楽と言える。当然,こういう音楽であるから,好き嫌いは大きくわかれるはずであるが,私はクリポタの持つ極めて深い音楽的な素養に対して,改めて感服した次第である。そうは言いながら,今これが私がクリポタに求める音楽かと聞かれれば,ちょっとアンビバレントな感覚もあるということは正直に告白しておかなければなるまい。

いずれにしても,本作はChris Potterのトータルな音楽性を聞くためにあるようなアルバムであるが,もう一つ特筆しておかなければならないのが助演陣の好演である。総じてクリポタ以外のソロイストもいい演奏を繰り広げていると思う。また,ベースにはScott ColleyとFima Ephronがそれぞれアコースティックとエレクトリックで参加しているが,ちゃんと使い分けも考えられていることは言うまでもない。ということで,星★★★★☆。それにしても,Pat Metheny Unity Groupの裏でこんな活動をしているなんてことが一番の驚きである。

Recorded in December 2013

Personnel: Chris Potter(ts, ss, b-cl), Adam Rogers(g), Craig Taborn(p), Steve Nelson(vib, marimba), Fima Ephron(el-b), Scott Colley(b), Nate Smith(ds), Mark Feldman(vln), Joyce Hammann(vln), Lois Martin(vla), David Eggar(cello)

2015年1月13日 (火)

ECMの新譜のデリバリー前にCecilio & Kaponoってなんでやねん?(笑)

Night_music "Night Music" Cecilio & Kapono(Columbia)

今年に入って,まだCDは購入していないし,デリバリーもされていないが,間もなくECMレーベルの注目作が届くはずである。それは改めてレビューすることにしたいが,その前に聞いているのがCecilio & Kaponoである。昨日のBostonといい,今日のCecilio & Kaponoといい,私の気まぐれもとんでもない状態である。これを正月ボケ,あるいは中国ボケと言うのであろうか(苦笑)。

それはさておきである。Cecilio & KaponoはKalapanaと並んで,ハワイのサーフ・ロック(?)が一時期流行って,その代表格と言われる人たちであるが,このアルバムを聞いていると,完全にAORである。まぁ,本作はLA録音なので,ウエスト・コースト的なテイストが強調されるのもの当然と言えば当然なのだが,ハワイ的な感覚は希薄のように思える。コーラスなんて,CSN&Y的なところもあるのだが,ことさらハワイということにこだわらずに,良質なAORとして聞けば別に大きな不満もない。

しかし,このむさいオッサン2人が向かい合うジャケはなんやねんと思いつつ,このむさい見た目とは全く違う音が出てくるって感じで,随分と懐かしい思いで聞いてしまった私である。寒い冬空のもとには全然合致していないが,まぁそれはそれで私の気まぐれってことで。Alan Pasquaがセッション・ミュージシャンとしてのお仕事として,きっちりバックを支え,Nick DeCaroのストリングス・アレンジが美しいことも評価して,ちょっと甘めの星★★★★。

Personnel: Cecilio(vo, g, hca), Kapono(vo, g), Randy Lorenzo(vo, b), Artie Alinikof(ds), Alan Pasqua(p, el-p, synth), Tom Scott(sax, fl), Kevin Calhoun(perc)

2015年1月12日 (月)

1週間ぶりの音楽記事はなぜかBoston(笑)。

Boston "Boston" Boston (Epic)

新年早々中国に出張していたので,音楽について書く余裕もなく(聴く余裕もなかったが...),1週間ぶりの音楽の記事であるが,それがなんでBostonやねん?と聞かれれば,単なる気まぐれである(笑)。

昨年,なんと35年振りの来日を果たした彼らであるが,とにかくこのデビュー・アルバム(及び第2作の"Don't Look Back")はよく売れたよなぁってのが私の印象である。彼らがデビューした頃は私は中学生であったが,こういう音楽にも目配りはしつつも,当時一番好きだったのはプログレ,あるいはよりオーセンティックなアメリカン・ロックだったりしたので,ちゃんと聞いたことは実はなかった。これまでもリアル・タイムでアルバムを買ったのは"Third Stage"ぐらいで,もっぱらベスト盤で彼らの音楽を聞いていたので,決して彼らのファンではない。このアルバムだって,何年も前に買ったものだが,まともに聞いた記憶がなかった。だが,"More Than a Feeling"については,昔からいけていると思っていたのも事実である。だが,それもコンピレーション"FM"や彼らのベスト盤で聞いていたというのが実態なのである。

だが,今回,真っ当にこのアルバムを聞いて,へぇ~って思ったのが"Foreplay / Long Time"におけるオルガン・プレイであった。Bostonと言えば,Tom Sholzのギター・サウンドが語られることが多いように思うが,ここでのオルガンはかなりプログレ的と言えるのが非常に興味深かった。今にして思えば,インダストリアル・ロックと言われるかもしれないが,今から40年近く前にやっていた音楽でも,決して悪いと思わない。あるいはむしろこのメロディアスな感覚って重要なのではないかと思えてしまった。こういうことがあるから,たまには古い音楽も聞かなければならんと思ってしまう。わかったようなふりをして,まだまだ触れていない音楽は多数あるのである。新しい音楽を聞くことも重要だが,まさに温故知新という感じがしてしまった。

ただ,言い訳になるが,私がBostonのアルバムに関して,どうしても購入意欲がわかなかったのは彼らのアルバムのジャケのセンスの悪さゆえである。これがもう少しまともだったら,私も若い頃から彼らの音楽に積極的に関与していたかもしれないし,去年のライブにも行っていたかもしれないなぁ(苦笑)。まぁ,今聞いても星★★★★ぐらいには評価できるとは思うが,クラゲのできそこないのようなデザインのジャケは今でも最悪だと思っている(きっぱり)。

Personnel: Tom Scholz(g, clavinet, org, b), Brad Delp(vo, g), Sib Hashian(ds), Jim Masdea(ds), Barry Goudreau(g), Fran Sheehan(b)

2015年1月11日 (日)

出張中に見た映画(2015年1月編:その2):予想通りのアホくささだった「エクスペンダブルズ3」

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「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション("The Expendables 3")」(’14,米/仏/ブルガリア,Lionsgate)

監督:Patrick Hughes

出演:Sylvester Stallone, Jason Stathum, Harrison Ford, Arnold Schwarzenegger, Mel Gibson

出張の復路で見た映画である。帰りは上海便だったので,短いフライトゆえに,必ずしも見たい映画が観られるわけではない。本当なら別の映画を見てもよかったのだが,二日酔いでの判断の誤りもあって,こんな映画をチョイスしてしまった。そもそも,わたしはこのシリーズの第1作も酷評しているのだから,よせばいいのにって感じであるが,とにかく見てしまったものは仕方ない。

正直言って,やはりくだらない映画であった。まぁ,ロートル・アクション・スター大量出演ってのは従来通りだが,今回はロートルに加えて,若手メンツが加わるのが新機軸なのかもしれないが,若手衆に魅力が足りないこともあって,結局はロートル軍団大活躍である。いずれにしても誰もやられないってのはおかしいだろうって感じだが,まぁ二日酔いのどよ〜んととした頭で見ているのか,見ていないのかわからないような状態だったので,まぁいいや。

ってことで,全く評価に値しない映画だったのは第1作同様。例外はMel Gibsonの敵役ぐらいだな(笑)。

2015年1月10日 (土)

出張終了,これから帰国。

今回の中国出張は移動が結構きつく,中国の国土の広さを実感させられたが,やはり体力的にはかなりきついものがあり,年齢をつくづく感じさせられてしまった。

以前であれば,アメリカの東海岸から西海岸へもっと厳しい移動を伴う出張をしていたことを思えば,やはりこれは歳のせいである。もちろん,クライアントとの飲み会において白酒,紹興酒を飲み過ぎだろうってのも事実ではあるが,今回はマジでバテバテである。

現在は空港のラウンジで搭乗待ちであるが,どよ〜んとした気分が続いており,かなり辛い。こういう時は気分を高揚させるためにってことで,聞いているのがStanley Clarkeのベスト盤。丁度今なっているのは"Hello Jeff"。さらに気分を盛り上げるには"Rock 'n' Roll Jelly"だな(笑)。

ってことでこれから帰国。あ〜,疲れた。

2015年1月 9日 (金)

夜の風景に出る土地柄(笑)

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空港のライティング(上)や,銀行のサイン(下)にもお国柄が出るが,一昨日〜昨日と訪れた太原という街は,LED恐怖症?(笑)みたいになっている。招商銀行なんて七色に変化するんだから強烈。

ちなみに現在,上海から蘇州へ移動中。今日を乗り切れば明日は帰国である。今回は短期だがマジで移動がきついわ。年齢を感じる私。

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2015年1月 7日 (水)

出張中に見た映画(2015年1月編):ほとんど「必殺」シリーズの「イコライザー」

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「イコライザー("The Equalizer")」(’14,米,Columbia)

監督:Anotoine Fuqua

出演:Denzel Washington, Marton Csokas, Chloë Grace Moretz, David Harbour, Haley Bennett, Bill Pullman, Melissa Leo

夜も更けてきたし,流石に移動の疲れも出てきたので,今日は手短に。

中国出張の往路で見た映画がこれである。私は不勉強で知らなかったのだが,80年代のTVシリーズのリメイクらしい。はっきり言ってしまえば,アメリカ版「必殺」シリーズみたいなものである。よって,あくまでも勧善懲悪であるが,いずれにしてもDenzel Washingtonがカッコよ過ぎと言うか,強過ぎなのには笑える。そして悪役はあくまでも憎々しく描くのも,「必殺」シリーズそのものである。

まぁ,こういう映画はエンタテインメントとして見ていればよいので,私としても小難しいことを言うつもりはないし,時代劇好きの,そしてひそかに「必殺」シリーズ好きの私としては相応に楽しんでしまった。しょうもないと言えばまさにその通りだが,まぁこれはこれでいいんじゃないってことで。

それにしても,今日は北京で一仕事した後,太原と言う街に来たのだが,ここの空気の汚さは尋常ではなく,鼻水が止まらなくなってしまった。明日の仕事はここから車で2時間の炭鉱町らしい。さらに悪化したら労災だな(爆)。

新年早々中国出張。

本日より、新年早々中国に出張である(この記事のアップ時はまだ日本にいるが...)。到着後の極寒中継はまた改めて。

2015年1月 6日 (火)

よく出来ているんだけど,正月には不向きな「ゴーン・ガール」

Gone_girl 「ゴーン・ガール("Gone Girl")」('14,米,FOX)

監督:David Fincher

出演:Ben Affleck,Rosamund Pike,Kim Dickens,Tyler Perry,Carrie Coon,Neil Patrick Harris

私は監督のDavid Fincherの映画デビューとなった「エイリアン3」が全く評価できず,その後,「ソーシャル・ネットワーク」で彼を見直すまで,彼の作品とは全く縁がなかったと言ってもよい。それは,子供が生まれたりして,私が映画から遠ざかっていたということもあるが,「エイリアン3」での第一印象が悪過ぎた(苦笑)。だが,「ソーシャル・ネットワーク」はすこぶるよく出来た映画であり,本作も世評が高いので,正月休みの最終日を使って観に行ったものである。

この作品はGilian Flynnの書いたミステリーを,原作者自らが脚色したものであり,おそらく,原作もこういうトーンなんだろうなぁと思わせるが,正直言ってかなり陰鬱でかつ後味が悪い。だからこそ,映画としては正月には不向きだし,劇場もほとんど観客がいないような状態(まじでスカスカだったのだ。1,000人近いキャパの劇場に,観客は100人いなかったと思う)でも仕方がなかろうと思わせる。しかし,それはこの映画が悪いと言っているのではなく,観るタイミングの問題である。私としてはうまく脚色してあると思うし,演出,演技陣も手堅い。その後味やストーリーもあって,「いい映画」とは言えなくても,「優れた作品」ではあるって感じである。

本作についてはストーリーに触れれば触れるほどネタバレになってしまうので,これ以上内容について書くことは控えるが,何と言ってもこの映画はRosamund Pikeである。彼女なくして,この作品は成り立たないとさえ思わせる。この映画がオスカー・レースにおいて作品賞や監督賞を受賞する可能性は,この作品の性格上低いだろうが,Rosamund Pikeが主演女優賞を取る可能性はあるだろう。少なくとも,ノミネートはされるのではないかと思わせる。それがなぜかは観て頂く必要ありだが,相変わらずのクール・ビューティぶりには驚かされる。

ともあれ,映画としての好きか嫌いかは別にして,よく出来た作品として星★★★★。それにしても,今年になって音楽に関しても取り上げるものの落差が激しいが,この映画も,先日取り上げた映画「6才のボクが、大人になるまで。」とギャップでか過ぎであろう。まぁ,このバラバラ感が私らしいが(苦笑)。

2015年1月 5日 (月)

The Thing + Thurston Moore:新年からの大轟音(笑)。

The_thing "Live" The Thing & Thurston Moore (The Thing Records)

新年早々これほど不適切なアルバムもないのではないかと思えるほどの轟音フリー・ジャズである。欧州のフリー・ジャズ・トリオ,The Thingに加わるのがSonic YouthのThurston Moore,しかもライブ盤となれば,出てくる音は推して知るべしという気がしないでもないが,こちらの予想をはるかに上回る大轟音に,実は嬉しくなってしまった私である。

2013年のロンドンにおける演奏を収めたこのライブ盤だが,収録されている時間は32分強という極めてコンパクトなものであり,EPと言ってもいいぐらいだが,こっちの集中力を維持するにはこの程度の演奏時間で丁度よいと思いたくなるような演奏である。

冒頭から,おぉっ,これはフリーな予感!と思わせる音が出てくるが,比較的静謐な展開から入って,気が付けば大轟音になっているという,この手の音が好きな人間にはたまらない展開である。私はThe ThingについてはNeneh Cherryとの共演盤を聞いたぐらいだが,そちらのアルバムに不完全燃焼を感じていた。だが,これならば全く文句なしである。フリーってのはこうじゃなくてはいかんのである(笑)。

繰り返しになるが,新年に聞くようなアルバムではないかもしれない。しかし,今後,フラストレーションがたまった時に,それを解消するにはこれを大音量でかければいいのだと思いたくなるようなどフリー・アルバム。この爆発的なエナジーに対して,大甘承知で星★★★★★。まじでいいねぇ(爆)。なんて言っている私は今年も変態ってことで(笑)。我ながら,一昨日アップしたMax Ionata/Dado Moroniと落差あり過ぎである。

このアルバムを購入する際には,予め強烈な音が襲ってくると思って買って下さい。そして出てくる轟音には私としては一切責任は持てませんので,念のため。

Recorded Live at Cafe Oto, London, on February 10, 2013

Personnel: Matts Gustafsson(ts), Ingebrigt Haker Flaten(el-b), Paal Nilssen-Love(ds), Thurston Moore(g)

2015年1月 4日 (日)

「6才のボクが、大人になるまで。」:これは企画の勝利と言ってもよいが,作り上げたスタッフが立派。

Boyhood 「6才のボクが、大人になるまで。("Boyhood")」('14,米,Universal)

監督:Richard Linklater

出演:Ellar Coltrane,Patricia Arquette,Ethan Hawke,Lorelei Linklater

今年のオスカー・レースを,日本公開はこれからの「バードマン」と争うと言われている作品である。Ellar Coltrane扮するMasonの6才から18才までの"Boyhood",即ち少年時代の成長を通じて,家族の姿を描く映画で,それならば大河ドラマと言ってもよいものだが,12年間の時間の流れの中で,それぞれの役柄を演じる役者が同じというのが凄い。企画しても,実現は難しいだろうと思われるこうした作品を,よくぞ撮り上げたというのが実感である。これならば,高い評価を受けるのも当然と言える。

話は家族の情景,あるいはその家族に起こることを淡々と描くに過ぎないのだが,それが12年分積み重なることによる情感に満ちており,誰しもが「既視感」を抱くのではないかというストーリー展開が,何とも言えない感動を誘うように思えるのだ。特にラスト近くのPatrica Arquetteの台詞には子を持つ親(巣立っていく子を送りだす親)の情感に満ちており,自分自身に投影してしまう観客が多かったのではないだろうか。私はこの映画で涙を流すことはなかったが,私の隣のご婦人が後半,鼻水ずるずる状態だったのは,おそらくはこうしたシーンに琴線を刺激されたものと思っている。

いずれにしても,ギミックも大袈裟な仕掛けもなく,時の移り変わりの中で映画を製作し,それがまたよく出来ているのだから,私には何の文句もない。監督,役者,j脚本,編集,撮影のどれがも立派。これは天邪鬼の私でも,万人に勧めたくなる佳品である。ということで,本作には喜んで星★★★★★を謹呈しよう。いや~,見に行ってよかった。こうなると,「バードマン」もさっさと公開して欲しいなぁ。

2015年1月 3日 (土)

Max IonataとDado Moroniで今度はStevie Wonder集だ。これが相当楽しめる。

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"Two for Stevie" Max Ionata & Dado Moroni(Jando Music)

昨年来日して,イタリア文化会館でライブを聞かせてくれたご両人は,"Two for Duke"というDuke Ellington集をリリースしているが,彼らが今度の素材に選んだのはStevie Wonderである。昨今のStevieについては私はなんの感慨も抱いていないが,"Talking Book"から"Songs in the Key of Life"ぐらいの時期においては,誰も抗うことのできない音楽的魅力を放っていたことを否定できる人はそうはいるまい。天才的だったと言ってもよいはずである。

このアルバムにもそうした時期の曲が多く収められているが,改めてこの作品を聞いて,Stevie Wonderの曲の魅力を再認識した私である。企画としては昨日取り上げた"Celebrating the Dark Side of the Moon"に近いもののようにも感じさせるが,印象は全然違う。リスペクトは示しながらも,あくまでもこの二人は曲を素材として扱い,彼らのボキャブラリーの中で演奏しているし,演奏していることの楽しさがヴィヴィッドに伝わってくるのが嬉しい。

そして演奏もイタリア的な大らかさがStevie Wonderの音楽的な魅力を表現するのにピッタリって気がする。本作は歴史的名盤とか,今年のベスト盤とかに選定されるような作品ではないかもしれないが,音楽の楽しさを感じさせるという点においては,新年に相応しいという気がする。こっちを新年最初のディスクとして取り上げた方が良かった,なんて思っても後悔先に立たず(苦笑)。カクテル・ジャズ的な感じはあるものの,これってやっぱり楽しいなぁってことで,ついつい評価も甘くなり星★★★★☆。

一部の曲でDado Moroniはベースを弾いているが,来日時同様ここでもベースでも達者なところを聞かせる。Max Ionataは一部でエフェクターを通しているが,これはなくてもよかったかななんて思わなくもないが,ここはこの二人によく合った素材を選択したことの勝利。そして,この二人によるデュオだからこそ出せたくつろぎ感と言っておこう。

Personnel: Max Ionata(ts, ss), Dado Moroni(p, el-p, b)

2015年1月 2日 (金)

今年最初の音楽の記事のテーマは"The Dark Side of the Moon"

Celebrating_the_dark_side_of_the_mo "Celebrating the Dark Side of the Moon" Nguyên Lê with Michael Gibbs and NDR Big Band(ACT)

何を唐突に「狂気」なのかと思われるかもしれない主題である。何もPink Floyd本体の名作について,改めて記事にしようという意図はない。昨年になるが,ACTからNguyên Lêによる「狂気」へのトリビュート・アルバムがリリースされたのだが,ネットでもアホみたいな価格がついていて,なかなか手が出なかったのだが,ようやく「許せる(それでも決して安くない)」価格になってきたので,ようやく入手したものである。

「狂気」と言えばBillboard 200に741週連続でチャート・インしたという超ロング・セラーであるが,それは音楽の持つ質の高さも伴うものであることに異論のある人はいないだろう。だが,告白してしまえば,私は若い頃はPink Floydのよさってのを全然理解していなかったので,全く偉そうなことは言えないとしても,今となっては彼らのロック・グループとしての魅力は十分に理解したつもりでいる。私ですらそうなのだから,昔からのファンにとっては,十分思い入れのある作品となってしまうとも言えるわけである。そうした作品のアダプテーションに取り組むってのは結構勇気のいる話で,私は未聴だが,以前Seamus Blakeらによる"Jazz Side of the Moon"ってのもあったはずである。そして,今回はビッグバンドによるアダプテーションとあっては,注目すれども,やっぱり斜に構えてしまうというのが人情である。

結論から言えば,Nguyên Lêも,バンドの面々もよく頑張ったという印象が強い。非常に難しいテーマであったと思うが,Pink Floydに対するリスペクトは十分感じられる。だが,これを面白いと感じられるかどうかは,リスナーによって大きく違うはずである。今回,この記事を書くために久々に本家「狂気」も聞いてみたわけだが,結局のところ,アダプテーションはアダプテーションでしかないのである。Nguyên Lêらによる音楽がつまらないというわけではない。だが,私には敢えて本家ではなく,こっちを聞きたくなるというモチベーションは高まらないというのが実感である。

そもそも,Pink Floydの音楽はロックと言っても,リズムそのものは先鋭的ではないので,ビッグバンド化しても,リズムの点では問題にならないように思える。そのため,素材としては活かすことができるとしても,やはり私にはこれを聞いてる暇があるんだったら,本家「狂気」を聞いてればいいではないかと思ってしまうのである。よって,Nguyên Lêらの果敢なるチャレンジ精神は認めつつも,私にとっては「ふ~ん」程度の反応しか示せなかった。

裏を返せば,本家"The Dark Side of the Moon"を聞いていれば私はOKであることがはっきりしただけで,本作に対しては文句はないとしても,私の中では本作は一過性のものにしかならないということである。まぁ,難しい素材によく挑みましたってことで,星★★★にはしておくが,これから本作を聞こうって人は,そういうもんだと思って下さいってことで。新年早々ちょっと辛辣だったかなぁ(笑)。

Recorded on December 2-6, 2013

Personnel: Nguyên Lê(g, electronics), Youn Sun Nah(vo), Gary Husband(ds), Jürgen Attig(b), Michael Gibbs(orchestration)  with NDR Big Band Conducted by Jörg Achim Keller: Thorsten Benkenstein, Benny Brown, Ingolf Burkhardt, Claus Stötter, Reiner Winterschladen(tp), Fiete Felsch, Peter Bolte(as, fl), Christof Lauer, Lutz Büchner, Sebastian Gille(ts, ss), Marcus Bartelt(bs, b-cl), Dan Gottshall, Klaus Heidenreich, Stefan Lottermann(tb), Ingo Lahme(tuba, b-tb), Vladyslav Sendecki(p, synth), Marcio Doctor(perc)

2015年1月 1日 (木)

あけましておめでとうございます。

Newyear2015greetingcards
皆さん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。昨年はライブ生活はかなり充実していたものの,劇場での映画鑑賞は当初の目標に届かずということで,念頭に今年の目標を。

1. 劇場で映画を24本以上見る
2. ライブに18本以上行く
3. 保有しているCDを今一度整理し直し,売却対象をちゃんと選ぶ
4. ギターをもう少しちゃんと練習する
5. 三線をもう少しちゃんと練習する

そのほかに,皆さんに申し上げるような話ではない課題をどうクリアするかという問題もありますが,まずは上記5点,特に1~3はちゃんとやりたいと思います。ついでにスペイン語もまた勉強してみようかなぁ...(ほんまか?)。本ももう少し読まないとなぁ。

ということで,今年の暮れにはこれらの目標がどうなったかもちゃんとご報告したいと思います。尚,順当に行けば,2月には当ブログの3,000本目のエントリーが行われる予定です。今から何について書こうか考えようっと(笑)。

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