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2015年おすすめ作

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2014年12月31日 (水)

皆さん,よいお年をお迎え下さい。

Echezeaux_2 いよいよ大晦日である。今年はヴァケーションに出掛けるわけでもなく,静かな年末を迎えた私である。

今年一年を振り返ってみれば,特に際立ったイベントや出来事に欠ける「没個性」な一年だったという気もするが,それはよいこともないかわりに,特に悪いこともないということの裏返しであり,それはそれで問題ないように思える。だが,そうした中で特筆すべきは,新橋のテナーの聖地,Bar D2でよくご一緒させて頂くMさん,Yさん,そしてマスターのおかげで,私だけでは決して接することのなかったであろうワインの逸品のご相伴にあずかる機会を頂いたことであったかもしれない。まさしく,世の中,レベルが違うものがあるよねぇと思わされる瞬間であった。皆さん,ありがとうございました。

ということで,こんなしょうもないブログにアクセスして頂いた皆さん,改めてありがとうございます。今年は従来に比べて,記事をアップできない日が増えましたが,来年もきっと同じような感じになるんだろうなぁと予想しつつ,ボチボチとやっていきたいと思いますので,来年も是非ご愛顧のほどよろしくお願い致します。ということで,皆さん,よいお年をお迎え下さい。

Red_wines

2014年12月30日 (火)

2014年の回顧(その4):ジャズ編

今年の回顧シリーズも本日が最後である。昨日も書いたが,今年はCDの購入枚数はボックスものが結構あったので,かなりの枚数となっているが,点数という意味では従来よりも減ったはずである。ボックス・セットは所謂大人買いってやつだが,昔よりは情報量が減少している(というよりも情報を収集する意欲の減退だったり,リアル・ショップへ行く回数の減少)こともあって,そっちに走っているって話もある。

そうは言いながら,私が今年「新譜」カテゴリーでアップした記事は90件近くあるし,買っても記事をアップしていないアルバムも結構あるので,少なくとも月10点ぐらいは買っている感じにはなるだろうなぁ。家人に言わせれば,これでも異常ってことになるだろうが,まぁ趣味ですから(笑)。

Three_times_three 閑話休題。今年のジャズ・アルバムの中で,何を選ぼうかというのは,実は聞いた瞬間から決めていた。それはAntonio Sanchezの"Three Times Three"である。これこそジャズという音楽の持つ「スリル」を見事に体現したアルバムであって,3種類の異なるトリオで見事な演奏を聞かせたAntonio Sanchezにはまさに脱帽であった。Antonio Sanchezについては,彼が音楽を担当した"Birdman"のSanchezによるドラムスのスコアが,オスカーの音楽部門の候補に該当しない等とアカデミーから決定が下されるというひどい仕打ちを受けているが,そのような不幸があったとしても,彼が"Three Times Three"という傑作をモノにしたという事実は一切揺るがない。私としては,近年最も興奮して聞いたジャズ・アルバムだと言ってもよいぐらいである。

Spark_of_life 実のところ,Antonio Sanchezのインパクトが強過ぎて,ほかのアルバムがかすんだとさえ思えるのだが,それに対抗しうる印象を与えたのは,音楽的な質は全く違うが,Marcin Wasilewskiの"Spark of Life"である。彼のトリオに今回はJoakim Milderのテナーが一部に加わるが,彼の持つ美学に一切揺るぎはなかったと言える。Wasilewskiトリオが客演したJacob Youngの"Forever Young"もよかったので,合わせ技一本って感じである。やはりこの人たちは私を裏切らないなぁと思わされた。

Pat_metheny_unity_group そして,本年最も期待させ,そして期待に応えたアルバムはPat Metheny Unity Groupの"KIN(←→)"だと思う。私はこのアルバムを聞いた時の興奮をブログにも書いているが,その時にはこれを今年のナンバー1に据えてもいいぐらいだと思っていた。その後の来日公演も非常に楽しめるものであり,今年を代表するアルバムの1枚だとは思うが,"Three Times Three"と比べると...って感じになってしまう。

それにしても,今年はAntonio Sanchezである。このほかにも,Enrico Pieranunziとの"Stories"という傑作もあったし,"Birdman"のスコアの件も含めて,"Jazzman of the Year"はAntonio Sanchezをおいてほかにないと言える。本当に大した人である。

Hamburg72 番外編としては,Keith Jarrett Trioの"Hamburg '72"の素晴らしさを改めて書いておかねばなるまい。ECMの蔵出し音源はえてして強烈なものが多いが,まだまだあるんじゃんと言いたくなるような出来であった。いずれにしても,Charlie Hadenが亡くなった後のManfred Eicherの対応はこれまでにないようなものであり,彼がECMレーベルにおいて,あるいはManfred Eicherという人にとって,どういうポジションにあったのかということを痛切に感じさせるものであった。

このほかではVijay Iyerの"Mutations"やTord Gustavsenの"Extended Circle"等,やはりECMの作品は私の心を捉えたものとして記憶に残る。Fred Herschの"Floating"も,来日公演の記憶とともに忘れられない佳作だが,Herschにはこれよりもいい作品があると思った。そして,Brad Mehldauの問題作"Taming the Dragon"というのもあったが,これは来年3月のMehlianaとしての来日公演を目撃してから,改めて考えることになりそうな作品と思っている。総じて,今年も充実したジャズ作品に恵まれたとは思うが,若干小粒だったかなぁという気もする。しかし,いい作品はいい作品として,それぞれに光るものがあり,来年以降も優れた作品と出会いたいなぁと思わせるには十分であった。

2014年12月29日 (月)

2014年の回顧(その3):音楽編(ジャズ以外)

いよいよ年の瀬も押し迫ってきたので,今日は今年のジャズ以外の音楽に関する回顧である。

正直言って,以前よりも,アルバムの購入枚数は減ったという実感が強い私である。これはリアルのショップに出没する頻度が低下したため,新譜や中古盤との接点が減少したからだと言ってもよいと思うが,それでもブログのお知り合いの皆さんの記事や,ネット情報を参考としながら,購入を進めてきた。そうした中で,ジャズ以外の音楽で,私の印象に残ったものを挙げておきたい。実を言えば,ジャズ以外のカテゴリーにおいて,今年聞いたアルバムでは決定的なアルバムというのが簡単に思い浮かばないというのが実態なのだが,そうは言っても記憶に残る作品もそれなりにあったと思う。

Hendra まずはロックであるが,今年何と言っても嬉しかったのはBen Wattが31年振りにリリースした"Hendra"である。この人の持つ瑞々しさは何年経っても健在であった。しかもライブでもサマソニ,そして単独公演と1年に2回も来日していることにも驚かされた。残念ながら,そのライブに行きそこなったのは私には痛恨事であったが,まぁ,それはそれで仕方がない。このアルバムを改めて聞き直しているが,やっぱりこれはいい作品である。

Deacon_blue001 瑞々しさっていう点ではDeacon Blueの"A New House"も同様に優れた作品であった。前作"The Hipsters"からの好調が持続されていて,これも本当によかった。どうも流通がよくないのか,あるいはそもそも日本で人気がないのかよくわからんが,このアルバムがほとんど話題にものぼらないってのはどういうことなのか?この音楽のよさをより多くの人に知って頂くためにも,改めてご紹介しておきたい。尚,写真は私がPledge Musicで取り寄せたサイン入りのアルバムのもので,通常盤にはこういうサインは入っていませんので,念のため。

Billy_childs 次に,これはどのカテゴリーに入れるか悩んだのだが,基本はジャズ的でありながら,Laura Nyroに捧げた大音楽絵巻として,Billy Childsの"Map to the Treasure: Reimagining Laura Nyro"をポップ部門で挙げることにしよう。私はこのアルバムに関する記事において『トリビュート作にありがちなとっ散らかった印象がなく,作品として一本筋が通っていることである。優れたオムニバス映画を見るかのような趣と言うか,多数の登場人物により物語を精妙に作り上げた「トラフィック」や「ナッシュビル」のような映画に通じると言えるかもしれない。そこに通奏低音のように流れているのが,私はBilly ChildsのLaura Nyroの音楽を愛する心だとさえ思ってしまった。』と書いたが,その印象は時間が若干経過した今でも全く変わらない。まさに愛に溢れた作品。

Leon_ware ソウルはLeon WareとD'Angeloが2強ということになるが,全体的な評価としてはD'Angeloが上ということになるだろうが,私の好みからすれば,Leon Wareを取りたい。これは完全に好みの問題であるが,74歳にしてこのスウィートさ加減ってのはまさに驚異的である。心地よいグルーブとはまさにこれのことである。12月になって,Leon WareとD'Angeloの2人のアルバムが出たことは,まさに音楽的なお歳暮であったと言いたい。

Antonio_loureiro ブラジル音楽については,大した数を聞いているわけではないが,聞いた瞬間には今年もMaria Ritaで決まりだと思っていた。しかし,そこに突如として割って入ってきたのが,Antonio Loureiroの"In Tokyo"である。日本人ミュージシャンとのセッション・アルバムという性格にもかかわらず,ここまで出来のよさを確保できるのは,Antonio Loureiroの音楽の質そのものが高いからだと思わざるをえない。私のMaria Ritaへの信頼はゆるがないが,今年はAntonio Loureiroを取ることにしよう。こういう作品が日本で作られたことは実に誇らしい。

Photo 最後にクラシックであるが,今年も大して枚数は買っていないが,AbbadoのRCA/Sonyボックス,同じくAbbadoの韓国で集成されたグラモフォンでのマーラー・ボックス,超弩級85枚組のSeonボックス,更にはLazar Bermanのドイツ・グラモフォンへの録音の集成ボックスなど,箱モノで精一杯みたいな感じであった。しかし,枚数が枚数なだけに,まだ全然聞けていないというのが実態なのだ(爆)。そうした中で,Myung-Whun Chungのピアノ小品集は疲れた身体を癒すには最適な音楽であった。だが,音楽的な感覚では児玉桃の"La Vallee Des Cloches"の印象が最も強い。もちろん,年末に出たFrançois-Xavier Roth / Les Sièclesによる「春の祭典」も忘れ難い作品であるが,そっちはレコードアカデミー大賞受賞で一気に世間の注目を浴びること必定なので,ここでは児玉桃を私のベストとしておこう。尚,蛇足ながら,Abbadoのマーラーは,再録よりも70~80年代に吹き込んだものははるかに素晴らしいものであったと言っておきたい。

それにしても,私も相変わらず何でもありだなぁと思いつつ,いい音楽は生活に潤いを与えるものとして,このスタンスは来年以降も変わらないだろうなぁ。

2014年12月28日 (日)

今年最後の大物(?),D'Angelo,14年振りの新作

Black_messiah "Black Messiah" D'Angelo and the Vanguard(RCA)

先日,Leon Wareの記事をアップした時に,今年最後の大物として書いたアルバムがデリバリーされた。私自身はD'Angeloの"Voodoo"は保有しているものの,彼の大ファンってわけではない。だが,巷では今回の復活劇は大騒ぎになっていて,レビューというレビューが絶賛の嵐である。本当にそうなのか?天邪鬼の私は斜に構えつつプレイバックしてみた。

一聴して,同じソウルでもLeon Wareとは対極にある音楽だと言ってもよいように思う。Leon Wareがスイートだとすれば,D'Angeloはドライである。それもヒリヒリするぐらいのドライさである。だから最初は取っつきにくい印象を与えるし,特に冒頭からの緊張感は聞いていて疲れる。個人的な嗜好からすれば,ソウル・ミュージックとしてはこれはLeon Wareの方が好きだなぁと思わせてしまう部分があったことは告白しておかなければならないだろう。

だが,聞き進めていくうちに,このアナログなサウンドから聞こえてくるのは,サウンドに比べてウルトラ・モダン・ソウルとも言うべき音楽のように思えてくるのである。バックは?uestolove,James Gadson,Chris Dave, Pino PalladinoやRoy Hargrove(RH Factor系のRoy Hargroveと考えるべきだろう)が支えているのだから,古臭いサウンドにならないのは容易に想像できるが,それにしてもである。

サウンドからしても,プロダクションからしても,全く甘いところのない(音的にも甘くなければ,脇の甘さも見当たらない)作品なので,こりゃ~すげぇやと思いつつ,ライブではどうするんだろうなんて心配になってしまうようなアルバムである。モダン過ぎて,私の音楽的な好みからはちょっとはずれるソウル・ミュージックだとしても,好き嫌いは別にして,これはちゃんと評価しなければならないと思わされた。私はダメなものはダメと結構はっきり言うタイプだが,この強力さには私も抗えなかったってところである。これは星★★★★★だな。ファンにとっては14年待った甲斐があったと思えるものだろう。

尚,アルバムは前半5曲がSide A,後半7曲がSide Bとなっているが,ご丁寧に5曲目と6曲目の間には針の上がる音と,落とす音が入っている。

Personnel: D'Angelo(vo, p, org, key, synth, g, b, sitar), Isaiah Sharkey(g, sitar), Jesse Johnson(g), Spanky Alford(g), Mark Hammond(g), Pino Palladino(b, sitar), Ahmir "Questlove" Thompson(ds), James Gadson(ds), Chris Dave(ds), Roy Hargrove(tp, cor, fl-h), Kendra Foster(vo), Jermane Holmes(vo), Ahrell Lumzy(vo), Gina(vo) with strings and horns

2014年12月27日 (土)

昨日で仕事納め

昨日で年内の仕事は終了で,今日から休みに入った私である。今年の12月の飲み会続きはマジできつかったが,だったら飲まなきゃいいじゃんと言われそうである。ということで,あとは年末の掃除と,今年のベスト盤選びが待っているってことで。でもなぁ,まだ後者については全然考えてない。今夜あたりから考えて,年内ギリギリに記事にしよう。

2014年12月26日 (金)

2014年の回顧(その2):映画編

Photo 今年は昨年よりも劇場で見た映画も,飛行機のエンタテインメントで見た映画も随分と減ってしまった。昨年は劇場24本,機中24本だったのに対し,今年は劇場17本,機中7本という大幅減である。まぁ,海外出張そのものが減っているんだから仕方がないが,その分は劇場は前年並みを維持したかったという思いが強い。この程度の本数しか見ていない中で,回顧なんてできるのかと言いたくもなるが,まぁそれはよかろう。

ということで,今年見た中で,一番面白かったのは「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」だったと思う。超お下劣ゆえにR18+となってしまったのは痛かったが,確かにこれは子供には見せられないしねぇ(笑)。

そのほかに,今年印象に残っているのはそのほかに「ネブラスカ」,「インサイド・ルーウィン・デイビス」,「プリズナーズ」,「ジャージー・ボーイズ」,「インターステラー」,そして「アナ雪」。

今年中に見たいと思って果たせなかったのが「ゴーン・ガール」と「6才のボクが,大人になるまで。」。これはまた来年に改めてってことで。

Photo_2 そして,番外編として山田宏一,蓮實重彦による「トリュフォー,最後のインタビュー」は「ヒッチコック 映画術」のトリュフォー版,あるいは同書へのオマージュとして紹介しておきたい。これは実に面白い本であり,映画好きならワクワクしながら読めるものである。多くは既発の情報らしいのだが,こうして一冊にまとまっているところが「映画術」的で私は大好きである。

ということで,今年はあまり映画を見た~って感じではないが,来年は目標の24本をクリアすべくペースを上げていきたいと思う。

2014年12月25日 (木)

ジャズ・ギタリスト,John Scofieldが楽しめるライブ盤

Pablo_held001 "The Trio Meets John Scofield" Pablo Held (Pirouet)

先日,ショップをうろついていて,気になって購入した一枚である。正直言って,私は昨今のJohn Scofieldの活動にそれほど関心がある方ではなく,私の中では今でもデニチェンとのバンドが最高だったと思っている。だから,MSMWの第2作も購入していないぐらいなのだが,それでも,来年にはAllman BrothersのWarren Haynes率いるジャム・バンドGov't Muleとの共演作"Sco-Mule"のリリースが控えており,「ロックだぜぃ」的なノリを期待する私は間違いなく購入するだろう。

そのJohn Scofiledがドイツの若手ピアニストPablo Heldのトリオに客演するという,極めてジャズ的なセッティングでのライブ盤である。こういう感じの編成でのジョンスコというのは久しぶりのような気がして,ついつい購入してしまうのだから,結局好きなんじゃん(笑)。

編成が普通だからと言って,ジョンスコが普通のフレーズを弾くわけではなく,相変わらずのウネウネ・フレーズを弾き倒しているが,セッション的な演奏だったとしても,これはなかなか悪くないアルバムである。これはリーダーのトリオが,演奏をレギュラーで継続して,コンビネーションがある程度出来上がっているところが大きいのではないかと思う。そこにゲストにジョンスコが加わったからと言って,通常の彼らの演奏ぶりに影響が出ていないところはなかなか立派である。まぁ,3曲目の"Nocturn"前半部のようなアプローチがジョンスコに合っているとは言い難い部分もあるし,ジョンスコらしいところは抑制されているようにも感じるが,全体を通して聞けば,これはなかなかの力作だと思う。

4曲目の"Imaginary Time"はジョンスコのオリジナルにしてはジャズ・フレイバーが強いが,これってBlue Note時代のJoe Lovanoとのクァルテットでやっていたんだねぇ。さもありなん。これが入った"What We Do"って保有していたかどうかもよく覚えていないが,買ってないかもなぁ(苦笑)。

そして,最後はJoni Mitchellの"Marcie"であるが,アルバム"Song to a Seagull"からの渋い選曲。何,ジョンスコがJoni Mitchellを弾くのか?と思ってしまうが,これはアンコール・ピースらしく,ジョンスコはテーマとアドリブを楚々とした感じで弾いているようなものだが,美しくアルバムを締めるには丁度よい選曲だったと思う。こういうのもできるんだねぇと妙な感心の仕方をしてしまった。ということで,星★★★★。

Recorded Live at Philharmonic Hall, Cologne on January 31, 2014

Personnel: Pablo Held(p), Robert Landfermann(b), Jonas Burgwinkel(ds), John Scofield(g)

2014年12月24日 (水)

Leon Ware,74歳にしてこのセクシーさ。凄い。そしてエロい(笑)。

Leon_ware "Sigh" Leon Ware (Kitchen)

Leon WareのWebサイトにすらまだ情報が出ていない彼の"Moon Ride"以来となる6年振りの新作が,日本大先行発売だそうである。私は値段の関係で,輸入盤を買うことが多いのだが,輸入盤がいつリリースされるかわからない状態なので,珍しく国内盤の購入となった。

前作はStaxレーベルからのリリースであったのに対し,今回はWare自身のKitchenレーベルからのリリースとなっているようであるが,そんなことはまぁどうでもよい。Leon Wareの「メロウ大王(笑)」としてのポジションはレーベルがどこであろうが,齢74歳になろうが全く不変であり,我々リスナーはこの心地よいメロウ・グルーブにどっぷりと浸ればいいのだ(きっぱり)。

こういう音楽の前に多言は無用。74歳の老人の創造力に脱帽した私である。何度でもリピートできるこの心地よさには星★★★★★しかないわ。く~っ,たまらん。子供には絶対わからない(わからなくていい)世界である。

今年の年末にはD'Angeloの新譜という大物が控えているが,順当に行けば,それと今年のベスト・ソウルを争うであろうことは確実(だからベスト作の選定に入れない...)。

Personnel: Leon Ware(vo), Rob Bacon(g), Ronald Bruner(ds), Stephen Bruner(b), David Foreman(g), Codany Holiday(vo), Nikki Grier(vo), Taura Stinton(vo), Taylor Graves(key), Wayne Linsey(key), Dwayne "Smitty" Smith(b), Freddie Washington(b), Kamasi Washington(sax)

2014年12月23日 (火)

今頃になって上原ひろみの"Alive"を聞く。

Hiromi_alive "Alive" Hiromi(Telarc)

ブログのお知り合いの皆さんの評価もかなり高いこの作品がリリースされたのは,もう随分前のことなので,これを新譜と呼んでしまうことには抵抗がないわけではないのだが,年末のベスト盤チョイスに向けて,やっぱり聞いておいた方がよかろうということで,はるばるカナダから飛ばしたものである。ということで,私の購入したのはCD単体で,DVDは付帯していない。

私はこれまでも彼女のアルバムは何枚か買っているが,疾走感溢れる凄いピアノを弾く人だなぁとは思うのだが,正直言ってどうにも苦手である。ファンの皆さんの理解はきっとえられないだろうが,私にとってはいつ聞いても,何を聞いても"Too Much"感が強いのである。今回も,冒頭のタイトル・トラックからリスナーをねじ伏せるような強烈な演奏である。こういう演奏を生で聞かされたら多分燃えるだろうなぁとは思うのだが,全部を聞いていて,やはり私にはお腹いっぱいって感じなのだ。どんなに美味い食事や酒でも,適量を越せば,胸焼けがしてくるようなものっていう印象がどうしても残ってしまう。結局のところ,こうなってくると,好き嫌いの問題も結構影響があるように思えるが,苦手なものは苦手なのである。だから,このアルバムを聞いていて,ほっとできるのは"Firefly"ってことになってしまうのだ。

もちろん,このTrio Projectの緊密度はますます増し,ジャズって言うより,もはやプログレだろうって感じになっているから,ロック好きにも受け入れられるだけのものと言ってよいだろうし,Simon Phillipsのドラムスも期待通りの素晴らしさである。にもかかわらず,私は本作を聞いていて,やっぱりちょっとやり過ぎではないのかと思えてしまった。私は,"Voice"が出た時,シンセは使わず,ピアノに徹した方がいいのではと書いた(ちなみに"Move"は買っていない)が,今回は彼女はピアノに徹していて,その点はよかったのだが,それでもやはり私の琴線には完全に触れることがなかったと言っておこう。決して悪く言う必要はないと思うし,よく出来たアルバムであるが,結局は私の嗜好からはちょっとずれているってことである。まぁそれでも星★★★★には相当するとは思うが...。

本音を言えば,私はSimon Phillipsの"Protocol II"の方がずっと好き。ファンには喧嘩を売っているようなもんだなぁ(爆)。

Recorded on February 5-7, 2014

Personnel: 上原ひろみ(p), Anthony Jackson(b), Simon Phillips(ds)

2014年12月22日 (月)

"The Art of McCartney":これってトリビュートのあるべき姿なんだろうか?

Art_of_mccartney "The Art of McCartney" Various Artists(Arctic Poppy)

これは豪華なメンツによるPaul McCartneyへのトリビュート・アルバムだと思うのが人情だが,多くの曲が現McCartneyバンドにより,Paul歌唱の際の伴奏と思しきアレンジで歌われるので,豪華な歌手がカラオケでPaulの曲を歌いましたって感じになってしまうところに猛烈な違和感を覚える。

もちろん,それだけ魅力に溢れた曲であるがゆえに,できるだけ忠実に再現することはオプションとして考えられないわけではない。だが,これだけ豪華なメンツであるからこそ,彼らなりの解釈で,Paulの曲を聞かせるというのが筋ではないかと思える。だから,私は聞いていて,なんだかなぁという感じがぬぐえないのである。もちろん,皆,それなりの歌手ばかりなので,ちゃんと歌っているが,全然面白いと思えなかったというのが実感である。まぁ,こういうのを中途半端なアルバムって言うのである。金だけ掛かっても失敗は失敗(きっぱり)。ダメなプロデュースの典型みたいなものである。星★★☆。こんなんで,Paulは喜ぶのか?って思うのはきっと私だけではあるまい。

2014年12月21日 (日)

Marko Churnchetz:ショップをうろついて出会ったなかなかナイスなアルバム

Devotion "Devotion" Marko Churnchetz(Whirlwind Recordings)

ショップをうろついていると,直感的によさそうだと思ってCDを購入して,大成功のこともあれば,大失敗に終わることもある私である。結局,メンツ,もしくは編成を見て,ジャケの雰囲気を合算して購入するかしないかを決めることが,実は結構ある。

このアルバムは全然知らないスロベニアのピアニスト,Marko Churnchetzによるアルバムだが,メンツ4人の中で名前を知っているのはMark Shimだけであるから,今回はメンツで決めたのではない。テナーのワンホーンで,エレクトリック楽器も採用しているという編成と,ジャケで購入した私である。ジャケの写真だけ見ていると,ジャズっていうより,ロックみたいな感じもするしねぇ。

それでもって,結果はどうかって言うと,これは当たりである。このサックスの感じ,誰系なのかなぁってことで,新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスターに聞いてもらったら,これはBranford系ですかねぇとおっしゃる。そう言えば,私は最近,Branfordの音楽を聞いていないので,認識していなかったのだが,言われてみればそういう気がしてくるから,私もいい加減なものである(苦笑)。

だが,そんなことはさておき,これは非常にコンテンポラリーな感覚も強く,リズミックなアプローチも面白い作品であった。まぁ,今風と言えばその通りであるが,一部シンセのように聞こえるのはMark ShimのテナーをMIDIにつないだ音であろうし,ベースもアコースティック,エレクトリックの両刀使いであるから,まぁ私の好きな音であることは間違いなのだが,変拍子を使ったオリジナルをスリリングに展開していて,これはなかなか燃える。まさに直感を信じて買って正解であった。星★★★★☆。

よくよく調べてみたら,ブログのお知り合いの松岡さんがとっくにこのアルバムを取り上げられていたのだが,私のアンテナに引っ掛かるには随分時間を要したとしても,これはまだまだ新譜として扱わせて頂くことにしよう。

Recorded on April 18, 2012

Personnel: Marko Churnchetz(p, el-p, key), Mark Shim(ts, MIDI), Christopher Tordini(b, el-b), Justin Brown(ds)

2014年12月20日 (土)

忘年会シーズンにつき

Rainbow_bridge_2 連日連夜の飲み会続きで,とてもではないが,帰宅後にブログの記事をアップする余裕がなく,更新が滞ってしまった。来週も,忘年会,出張,納会ときつい生活が続くので,できるだけ,週末に記事をストックせねば(苦笑)。

写真は先日の忘年会で乗った屋形船からのレインボー・ブリッジ。船外は寒かったが,空気が澄んで綺麗であった。それにしても屋形船って楽しいよねぇ(笑)。

2014年12月17日 (水)

4度目のBand Aid

Band_aid "Do They Know It's Christmas?(2014)" Band Aid 30 (Virgin)

早いもので,初代Band Aidから30年が経過してしまったが,最初のBand Aidによるこの曲がリリースされた時は,キラ星のごときブリティッシュ・ロック/ポップのスターたちの登場するMVに目が釘付けになったものである。その後,米国ではUSA for Africaが出てきて,音楽的な嗜好としては米国の方が強い私にとっては,"We Are the World"のミュージシャンたちは更に刺激的に映ったことも懐かしい。

当時はインターネットもない時代であり,チャリティやファンド・レイジングの手段は限られていたので,それらはそれらで時代としての意義はあったと思う。だが,時代は変わって,何もこうした音楽によらずともチャリティはできるので,最初のBand Aidの頃の熱狂は,今回は感じられないように思える。更に,こうした活動そのものに賛否両論があるのも事実だろう。そもそも,今回買ったEPでBand Aid II,Band Aid 20の演奏も初めて聞いた私であるが,こうしたCDを購入することで,何らかの貢献ができるのであれば,それはそれでよしとすればいいだろう。東日本大震災の後には,"Music for Japan"というチャリティ・コンピレーションもあったのと同じことである。

だが,今回出演のミュージシャンの名前を聞いても,半分ぐらいしか知らないってのが実態で,昨今の英国系の音楽をあまり聞いていないことを今更ながら感じる私である。正直言って,やっている曲も毎回,基本的に同じなのだから,そんなに大きな変化もないように思えるし,そもそも歌っている歌手の声の違いを認識できないってのがきついなぁ。

まぁ,こうしたミュージシャンの活動に目くじらを立てる必要もないし,主旨に賛同する人は購入すればいいし,賛同しない人は黙殺すればいいのである。チャリティってのはそういうものだと私は思う。私にとっては本作は音楽的な評価の対象ではないので,星もつける必要はないが,時代の変化により,やはり30年前とは役割とか意義は大きく変わったよなぁと思わざるをえない

2014年12月16日 (火)

2014年の回顧(その1):ライブ編

Wayne_shorter_in_tokyo 今年もだいぶ押し詰まってきたので,そろそろ本年の回顧も行う時期になってきた。CDはこれからも届くものも若干残っているし,映画もこれからもう1,2本は見るかもしれないので,まずはもう年内の予定が入っていないライブの回顧からである。

今年はブログの記事を見直してみると,結局22本のライブに行っている。私としては結構な数である。しかも11月,12月はライブに行っていないのだから,10月までは月2本以上のペースってかなりである。2013年も16本で,私としては記録的だったのだが,更に上乗せしたってのは私としては相当である。Ben Wattを見逃したのは惜しかったが,結構充実したライブ生活であったと言えるだろう。

そうした中で,今年,私に最も強烈なインパクトを残したのはWayne Shorter Quartetのライブ@オーチャード・ホールであった。4人という人数,そしてテクノロジーに依存することなく,あれだけ物凄い演奏を聞かされてしまったのでは,何も言えなくなってしまう。テンションが高過ぎて,本当にしびれたっていう感じだが,あれは本当に凄かった。今,思いだしても身体が震える。

Wayne Shorterのインパクトが強過ぎたのは仕方ないが,そのほかでは昨年の約束通り,今年トリオで来日してくれたFred Herschの演奏は素晴らしいものであった。トリオとしての完成度,緊密度は年々高まっていると言ってもよい。私はソロの方がしっくりくると記事には書いているが,それでもこのトリオの演奏への評価は下がらないし,今でも強く印象に残っている。

そして,Pat Metheny Unity Groupも素晴らしい演奏を聞かせてくれた。あまりに完成度が高過ぎて,驚かされるようなイメージすらあるが,とにかく全員のレベルが半端ではない。Giulio Carmassiについてはもう少し活躍の余地もあったのではないかと思えるのだが,それでもUnity Bandからの活動も成熟した4人はまじで強烈であった。

今年はそのほかにもStones,Jeff Beck,John McLaughlin,そしてTOTOのようなベテランたちのライブも観たわけだが,彼らはやはりプロである。聴衆を納得させる術を身につけていると言わざるをえない。そうした中で,エンタテインメントという観点では,Eric Marienthalも立派,そしてDean Brownも立派であった。プロは手を抜かないってことがよくわかるのである。何?Keith Jarrettはどうした?Steve Grossmanは?という声も聞こえてきそうだが,総じて今年のライブは満足度が高かった。一部のライブにおいて,アホな聴衆に辟易とさせられる瞬間はあったが,ミュージシャンには本当に楽しませてもらった。

来年も10CC,Mehliana,Wayne Krantz等,注目のライブ案件が目白押しである。来年は一体何本行くのか?財布には厳しいが,人生は短い。ライブも楽しまねば(爆)。

2014年12月15日 (月)

コレクターはつらいよ(17):"The Broadway Lullaby Project"にBrad Mehldauが1曲だけ参加。

Over_the_moon "Over the Moon" The Broadway Lullaby Project(自主制作盤)

ショップをうろついていたら,全く知らないアルバムに,Brad Mehldau参加というポップを発見してしまった。2枚組なのに,1曲しか参加していないとは承知しながら,ここはコレクターたる者見逃すわけにはいかんということで,早速購入である。ジャケにはBrad Mehldauの文字はないが,ポップを信じて購入である。確かにDisc 1の5曲目"How Much Love"において,Audra McDonaldという歌手のバックでMehldauらしい楚々としたピアノを弾いている。演奏の感覚としては,先日取り上げたRenee Flemingのアルバムでの演奏ぶりに近い。Audra McDonaldの歌いっぷりからしてもそれはまぁそうなるねって感じである。

このアルバムは2012年にリリースされていたものらしいのだが,そもそもは乳がん撲滅のためのチャリティ・アルバムで,ブロードウェイで活躍する歌手が子守唄を歌うという企画ものである。これではなかなかレーダーには引っ掛からないなぁと思いつつ,まぁ出会うことができたことを喜ぶべきであろう。このアルバム,Brad Mehldauだけでなく,Fred Hersch,Julian Lage,Gil Goldstein,Taylor Eigsti,Kevin Hays,Scott Colley,James Genus等の面々も参加しているから,「好き者」は注目してよいだろう。

この時期に,こういう「子守歌」を聞いていると,何とも落ち着いた気分になってしまうが,曲も結構バラエティに富んでいて,Brad Mehldauの参加とか関係なく,なかなか楽しめるアルバムである。だが,歌手陣がミュージカルの人であるから,ジャズ的な感覚は希薄なので念のため。

尚,Brad Mehldauが参加した"How Much Love"は本プロジェクトのWebサイト(http://www.overthemoonbroadway.com/)で試聴可能。まぁ,CDを買わなくても,メーリング・リストに登録をすれば,MP3音源は入手できるようだが,コレクターはそれだけでは駄目なのである(苦笑)。

2014年12月14日 (日)

Alan Hamptonの新作は今のところダウンロード・オンリー

Alan_hampton_origami_for_the_fire "Origami for the Fire" Alan Hampton (Ash Productions)

Gretchen Parlatoとも共演しているAlan Hamptonはベース奏者としてだけでなく,シンガーとしてもいけているということは,彼のアルバム"The Moving Sidewalk"についてこのブログに書いた時にも強調した私である(記事はこちら)。"The Moving Sidewalk"については,昨今話題(?)の書籍"Quiet Corner"にも紹介されているから,まぁその筋の音楽なのだ(笑)。そのAlan Hamptonの第2作が11月にリリースされたのだが,時代を反映してってことにもなるんだろうが,現在のところ,ダウンロード・オンリーである。Alan Hamptonのライブ会場ではフィジカルな媒体も売っているらしいのだが,まぁ彼が日本に来るのはなかなか期待できないので,まずはデジタル音源を入手した私である。私はもともとフィジカル媒体派なので,ダウンロード音源はあまり買わないのだが,今回は,それぐらい彼の音楽を気に入っていることの証左である。

この作品においても,この人の持つ繊細さは十分に表れていて,シンガー・ソングライター的な魅力は本作でも健在である。必要最低限の伴奏に乗せて,こういう声で歌われたら,昔のMichael Franksが好きなオーディエンスにも受けはいいだろうと思わせる。それにしても,ジャズ・ベーシストとしての活動と並行してこういう音楽をやってしまうところに面白さがあると思うのは私だけではないだろうが,本作にも参加しているはずのAndrew Birdのような人のバックもやるんだから,ジャズ・ベーシストとして捉えてはいけないのかもしれない。

デジタル音源なので詳しいデータがないが,彼のサイトによれば,Andrew Bird,Pete Rende,Bill Campbell,Christina Courtin,Ryan Scottといった面々が参加しているようである。デジタル音源でもライナーだけはちゃんと整備して欲しいなぁと思ってしまう私だが,音楽については文句はない。やけに忙しい12月の生活の中で,一服の清涼剤のような効果をもたらす音楽である。星★★★★☆。

2014年12月13日 (土)

祝来日,Wayne Krantzが強力トリオで3月にやってくる

来年の3月にWayne Krantzの来日が決定した。メンツはAnthony Jackson,Cliff Almondという面々。このメンツと言えば,Abstract Logixレーベルの面々が揃ったライブ,"The New Universe Music Festival 2010"で1曲だけ演奏が聞けた組合せだが,誰がどう見たって手数は多いよなぁ(笑)。しかし,久々のKrantzである。行かぬ手はない!Cotton Clubにて3/13(金),14(土)の両日。よくよく考えたら,件のフェスのDVDを持っているのに,見たことないなぁ(爆)。ちなみにKrantzとAlmondのデュオがYouTubeにあったので,貼り付けてしまおう。ここにJacksonが加われば,まぁ,どういうことになるかは見えてますなぁ。

2014年12月11日 (木)

話題沸騰なんだろうなぁ:オリジナル楽器による「春の祭典」

Franois_xavier_roth_les_sicles 「ストラヴィンスキー:春の祭典/ペトルーシュカ」 François-Xavier Roth / Les Siècles(Actes Sud)

この秋口に出たばかりのアルバムであるが,今年度のレコード・アカデミー大賞を受賞してしまった話題沸騰盤である。なんせ,「春の祭典」の初版を,それが初演された当時の(フランス製の)楽器で演奏してしまうという念の入りようであり,確かにほかの「春の祭典」と聞き比べてみると響きが違うことがわかる。

何がどう,どこがどうって言えないのが私のいい加減なところだが,私がこの曲をよく聞く,Colin Davis盤やSimon Rattle盤と比べて,曲のヘヴィーさは一緒でも,演奏の軽やかさが全然違うように思えるのだ(言っていることがやや矛盾しているようにも感じる...)。おそらくは今まで聞いたことがない感覚が,多くのクラシック・リスナーには衝撃を与えるのではないかと思うのだが,そうでなければ,「レコ芸」12月号に掲載されたCDが翌月号発表のレコード・アカデミー賞で大賞を取るなんてなかなか考えられないように思ってしまう。もちろん,出たばかりで,批評家たちの記憶がビビッドだってこともあったかもしれないとしても,これはやはり今までの「春の祭典」と概念が違っていたように思える。

逆に言えば,この演奏を認める人と,認めない人は明確に分かれるのではないか。認めないとすれば,ガチガチにコンベンショナルなクラシックのリスナーのような気がする私である。例えは変かもしれないが,ジャズ界で言えば,Ornette Colemanに対する最初の反応に近いようなものを生むのではないかとも思える。であるから,このアルバムの評価が固まるのは,これからってことになるかもしれないが,それにしても,この聞いたことない感覚って,私には新鮮かつ面白く響いたと言っておこう。これはいい演奏が,いい音で録られて,よい評価を受けるという珍しい事例かもしれない。ということで,クラシックに抵抗のない方は,まぁ騙されたと思って聞いてみて下さいな。この演奏に感じられる軽やかなダイナミズムを評価して,星★★★★★にしてしまおう。

それにしても,ライナーには事細かに,演奏に使われた楽器情報まで書いてあるから,ここでの演奏は,わかった上での確信犯とでも言うべきものでありながら,リスナーとしては,こんな演奏を聞かされたら,大概は評価しちゃうよねぇ(笑)と思わざるをえない傑作と思う。

2014年12月10日 (水)

ギャグのようなタイトルだが,中身はなかなか面白いJames Farmの第2作

Jamesfarmcityfolk "City Folk" James Farm(Nonesuch)

Joshua Redman,Aaron Parks,Matt Penman,Eric Harlandという強力なメンツを揃えたJames Farmの第2作がリリースされて,記事をアップできないうちに,そこそこ時間が経過してしまった。この牛が4頭並んだ写真に"City Folk(町の人々)"ってギャグかっ?と突っ込みたくなるのは私だけではなかろうが,まぁそれはさておきである。

このメンツが揃っていれば,リスナー側としては,期待してしまうのが筋とは思うが,2011年の第1作から3年以上経過しての,満を持しての第2作ってことだろう。以前にも書いたが,私はJoshua Redmanがあまり得意でない中,このバンドはほかの3人に注目が行き,それがいい感じで機能していて,前作も相応に評価した私である。その後,Aaron Parks,Eric Harlandはリーダーとしてもいい仕事をこなしての再集結であるから,更にバンドとしての魅力も高まろうというものである。レパートリーもJosuaRedman,Aaron Parks,Matt Penmanが各々3曲ずつ,Eric Harlandが1曲と分け合っており,やはりバンドとしての意識が強いということがわかる。

冒頭のMatt Penman作曲による"Two Steps"は不思議な感じの曲調に面食らうが,2曲目のAaron Parksによる"Unknown"で私としては,「おぉっ,これ,これ」って感じになる。そしてHarlandの"North Star"でその魅力に拍車が掛かるってな具合であるから,私がプロデューサーだったら曲順を変えたかもなぁなんて思ってしまうが,それでも続々と出てくる快演には嬉しくなってしまう。決してこれはコンベンショナルな音楽ではなく,現代のジャズだよなぁと思わせてくれる演奏集であり,かつレベルが高い。

どうせなら,よりエレクトリックな感覚を持ち込んでも面白かったのではないかと"Aspirin"でのParksのRhodesを聞いていると思ってしまう(正直,Aaron Parksは効果音的にかなり細かくエレクトリック楽器を交えていてもである)が,これはやはりなかなかによく出来たアルバムである。Parksの楽器の使い分けのニュアンスを聞き取るためには,もう少し音量を上げて聞いた方がよかったかなぁとも思うが,それは環境が許さないというのも事実である。今度,通勤途上でボリューム上げて聞いてみますか(笑)。曲によって,魅力にバラツキがあるように思えるので星★★★★。

Recorded between January 4 and 7, 2014

Personnel: Joshua Redman(ts, ss), Aaron Parks(p, el-p, synth, vo), Matt Penman(b), Eric Harland(ds, perc, dulcimer)

2014年12月 9日 (火)

見たかった「インターステラー」をようやく観に行った

Interstellar 「インターステラー("Interstellar")」('14,米,Warner Brothers/Paramount)

監督:Christopher Nolan

出演:Matthew McConaughey, Anne Hathaway, Jessica Chastain, Michael Caine, John Lithgow, Ellen Berstyn, Matt Damon

今年の初めから今年最も見たいと思っていた映画が本作である。そもそもChristopher Nolanの作りだす世界は,エンタテインメント的な要素と,哲学的とも思える要素,あるいは人間の心の暗部等が混然となって,いつも私をしびれさせてくれるから,自然と期待値も高まる。今回の作品も予告編が公開された段階から,本当に期待していた作品である。だったら,公開早々から見に行けや!という声も飛んできそうだが,出張続きでそうも行かなかったのである(苦笑)。だが,ここに来てようやく家族ともども見に行くことができた。

結論から言えば,非常にNolanらしい作品である。サイエンス・フィクションとしてのダイナミズム,輪廻のようにさえ感じさせる不可思議なシナリオ,そして今回の映画における決定的な要素としての親子愛等が相俟って,今回も非常に優れた作品となったと思う。昨年の「ゼロ・グラビティ」と似たような映像がないわけではないので,その視覚効果に大きな驚きはないとしても,映像としては勝るとも劣らないものと思える。

役者は地味なのか豪華なのかわからない布陣であるが,私にはEllen Berstynが非常に懐かしかった。また,10歳の娘,Murphを演じるMcKenzie Foyを含め,特に私を泣かせてくれたのは親子の描写である。家族の手前,号泣とは行かなかったが,秘かに何度か涙していた私である(苦笑)。いずれにしても,どんな映画にも賛否両論はあるとしても,この映画を嫌いだって人はそうはいないだろう。私は十分に元を取ったと思っているし,これだけの映画はなかなか作りたくても作れない。ということで,星★★★★☆。Christopher Nolanという人は信頼に値する作り手だと改めて思った私である。

それにしても,昨年同様,1年に24本は映画館に映画を見に行きたいと思っていた私だが,12月も過ぎたこの段階でまだ17本である。これでは到底目標には到達できないが,せめて年内にあと1本は見に行きたいなぁ。

2014年12月 8日 (月)

仙台にて食したもの

Photo_2 先日の東北出張では,仙台でうまいものを食べさせてもらってしまった。これが半端ではないのだが,その前段のランチは山形の「庄司屋」さんでいただいた板そばである。この店,前にもお邪魔したことがあるのだが,相変わらずそば好きにはたまらん。しかし,「庄司屋」さんがプレリュードに過ぎないようになってしまったのが,仙台でその夜に食した様々な食材である。そもそも,日本酒もうまかったのだが,それに合わせて出てくる料理がうまいので,ついつい酒量も増えてしまった。そもそも今回いただいた宮城の地酒はすっきり系が多く,どんどん入ってしまうのである。今回お邪魔したお店は「明神丸」さんと「阿古」さんの2つのお店であるが,どちらの店も,地元の通はもちろん,多くの人に愛されて当然と思わされるような店である。

1_2 一次会でお邪魔したのが「明神丸」さんであったが,先日ご紹介した鶏つみれのスープがお通しで出てきてまずびっくり。私が出張した際,仙台~山形間は車で移動したのだが,峠はほとんど吹雪という状態だったので,冷えた身体を温めるにはこれほど適したお通しはないよなぁって感じである。そして,その後にいただいたのが金華サバの酢〆である。これがサバの新鮮さに加えて,酢の効き具合が日本酒にピッタリって感じなのである。

2_3 その後,鮭のハラス焼き(これもうまかった!)を経て出てきたのが,とこぶしの肝バター・ソースだったのだが,ほとんどフレンチの乗りである。思わず「く~っ」と唸ってしまった私であった。この品が出てきて,これじゃ痛風の発作が出ても仕方ないよなぁなんて思っていたのだが,発作を恐れて,うまいものとうまい酒をスルーするなんてことは私にはできないのだ(きっぱり)。根が食いしん坊だからねぇ。

2_4 そして,場所を変えてお邪魔したのが「阿古」さんであるが,この店,結構有名らしい。ここでいただいたのが鴨セリ鍋である。セリなんて東京では七草がゆに入れるぐらいだが,ここでは大量に,しかも根っこ付きのセリを投入するのである。どんな味がするのかと言えば,想像されるような土っぽさはなく,何とも絶品であった。鴨はセリの下に沈んで全く見えないような状態であるが,この鴨から出るうまみと,それを引き立てる何とも言えぬ出汁の甘さが最高である。最後はこれでおじや(しかもカレー風味!)を作ってしまうんだから,これはもう...絶句であった。

Photo 私は仕事柄,地方出張が多く,地場のうまいものは結構食べさせて頂いていると思うが,仙台という場所は出張頻度が低く,実はここまでとは思っていなかった。知らぬこととは言え,まさに脱帽である。この2軒をご紹介頂いたT課長には大感謝である。また,仙台に泊まりで呼んでもらおうっと(爆)。

2014年12月 7日 (日)

超お買い得のQuestによるライブ音源

Testament "Testament - Live in Stockholm 2012" Quest(Vaju Production)

本作は今年の秋口にダウンロード音源としてリリースされたもののようなのだが,Dave LiebmanのWebサイトにすらまだ記述がないので,新橋のテナーの聖地「Bar D2」のマスターに教えてもらわなければ,絶対に認識できていなかったであろうものである。

ストックホルムにおける2012年のライブというのはタイトルからわかる通りであるが,詳しいデータがないので,ヴェニューや録音日等は不明である。だが,そんなことはどうでもいいと思えるぐらい,Questらしい緊張感に溢れた素晴らしい演奏を聞くことができる。しかも全10曲,2時間を越えるのだから,おそらくはライブ・ハウスにおけるファースト,セカンド・セットを完全収録したものであろう。そんな演奏が某サイトでは900円で買えてしまうのでは,これはお買い得を通り越して,「ありがたや~」と叫びたくなってしまったのは私だけではあるまい。

Questは2007年に"Redemption"をリリースして復活後,音源は結構リリースしている,先日はNYCのBirdlandにも出ていて,ライブ活動は続けているようだが,来日は難しいだろうなぁと思わせるだけに,こういう音源だけでも出してくれるだけでもありがたい。そして,音はどこから聞いてもQuestらしいスリリングでハイブラウな音楽である。こういう音楽が売れるとは思えないが,ジャズという音楽のテンションを感じさせるだけでなく,この4人のミュージシャンの資質の高さを見事に実証したライブ音源だと思う。

私は常々,最近はそば屋でもBGMがジャズだぜなんて皮肉を言っているが,決してそうしたBGMにはならないジャズもある。耳触りのよいものだけがジャズだけでなく,こうした演奏にはちゃんと対峙することも必要なのだと強く感じてしまう。演奏のクォリティに加え,値段も含め星★★★★★としてしまおう。素晴らしい。

実際のデータはわからないので,あくまでもFacebook上等のデータからの推測だが,多分この演奏が行われたのはFasching Clubというところで,2012/10/30だった模様。

Recorded Live in Stockholm in 2012

Personnel: Dave Liebman(ts, ss), Richie Beirach(p), Ron McClure(b), Billy Hart(ds)

2014年12月 6日 (土)

結局今週は...

出張続きというのは既に書いたが,結局今週はオフィスに顔を出したのは月曜の朝だけで,現在は名古屋である。

こんな生活をしていると,移動時間がボディブローのように効いてきて,身体にも負担が掛かってくる。これから東京に戻るが,酒の飲み過ぎもあってどよ〜んとしたままの私である。

帰りには新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスターに教えてもらった,Questの2012年のライブのダウンロード音源を聞くことにしよう。余計疲れたりして(笑)。

2014年12月 4日 (木)

仙台にて。

Photo_2 私自身がそうだったのだが,仙台って言えば牛タンだろうってなりがちである 。だがそれは絶対間違いだと認識させられた一夜である。だってこれがお通しでっせ。ありえないでしょ(笑)。食ったもの全部うまかったっす。仙台に感謝。詳しくはまた改めて。

2014年12月 3日 (水)

出張続きで...

世の中,師走である。私もご多聞にもれず,貧乏暇なし状態である。今週はすでに群馬,千葉と出歩いているが,今日はこれから仙台経由山形。関東は抜けるような青空だが,山形は雪らしい。日本は広いねぇ。

ということで,厚手のコート持参で山形へ向かう私である。こんな状態では音楽について書く余裕はない(きっぱりと開き直る)。ちなみに現在,iPodから聞こえてくるのはEric JohnsonとMike Sternの"Ecletic"。ロックだねぇ(笑)。

2014年12月 2日 (火)

今更ながらShazamの能力に驚く。

いつも寄せて頂くテナーの聖地,Bar D2でかかる音楽は決してメジャーなものばかりではない。そういう環境でShazamって本当に機能するんだっけって思うのは自然なことだと思うが,そこで能力を試したくなってしまう私も相当意地悪だと言われればその通りである。

しかし,実際に試してみてびっくりしてしまったのだが,え~って思うような音源まで認識してしまうのにはまじで驚いた。普通,私の偏愛するJukkis UotilaのBob Berg~Mike Stern入りのライブはさておき,彼の初ソロ作であろう"Introspection"まで見事に認識するばかりか,Steve Grossmanの"Way Out East Vol.2"まで完璧に把握していたのである。さすがにブート音源や,直近でリリースされたマイナー盤はダメだったとしても,これは凄いことである。

どういうロジックで認識しているのかはわからない(まじでわからん)が,今までShazamなんて大したことはないだろうと思っていた自分の不明を大いに恥じた次第である。それにしても恐るべきテクノロジーの進化。いろいろこれからも試してみる必要はあるとしても,これから大いに使わせてもらうことにしよう(笑)。

2014年12月 1日 (月)

出張中に見た映画:14/11編の2本目は「ルーシー」

Lucy 「ルーシー("Lucy")」('14,仏)

監督:Luc Besson

出演:Scarlett Johansson, Morgan Freeman, Amr Waked, Choi Min-Suk

先日の中国出張の復路で見たのがこの映画である。日本のテレビでも結構この映画のCMが流れていたが,実に訳のわからん話である(苦笑)。Luc Bessonらしいアクションもあるものの,この映画の決定的な難点は,この訳のわからなさである。一瞬Terence Malickの"The Tree of Life"を見ているような感覚になるシーンもあったが,どっちも訳のわからなさでは一緒である(爆)。

正直言って,SFのような,スリラーのようなって感じがあって,この辺りがこの映画の印象を曖昧にしているように思える。特に私のようにLuc Bessonに対して思い入れのない人間にとってはそうである。かいつまんで言えば,「クスリ」の力で超人的な能力を発揮してしまうのがScarlett Johanssonであるというところが,この映画のキャスティング上のポイントなわけだが,それはそれでいいとしても,最終的にこの映画のテーマは一体何だったのか,結局よくわからないままであった。悪役が韓国ってのもなんでやねんって感じだしねぇ。まぁ,機内エンタテインメントだからいいんだけど。やっぱりよくわからんわ(笑)。

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