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2014年11月 5日 (水)

John Surmanとノルウェーのビッグバンド共演作

Another_sky "Another Sky" John Surman / Bergen Big Band(Grappa)

CDショップをうろついていて,ちょっとECMライクなジャケが目に入ってきたので,よくよく見てみると,おぉっ,John Surmanではないか。でもECMではない。しかもビッグバンドとの共演なので,若干の躊躇がなかったわけではないが,まぁ値段も手頃だったので買ってきたのがこのアルバムである。

冒頭のタイトル・トラックのオープニングからして,ディレイの効いたギターが聞こえてきて,いかにもって感じの響きである。やはりこれは普通のビッグバンドのアルバムと思って聞いていはいかんという感じの出だしである。ある意味,ECM的なムードも醸し出しているが,ミキシングはRainbow Studioだし,ミキシング・エンジニアはJan Erik Kongshaugであるから,それもまぁそうなっちゃうだろうなぁって考えることも可能である。

Monk作の"Ruby My Dear"を除けばJohn Surmanのオリジナルで占められているが,John Surmanがライナーに書いているように,このアルバムはソロイストとしてのJohn Surmanのバックにビッグバンドがいるという形態ではなく,アンサンブルを重視したものであるから,Surmanのバリトンやソプラノが激しく炸裂するって感じではないので,そうした要素を期待すると裏切られる。だが,モダン,あるいはコンテンポラリーなビッグバンド作としては相応に聞きどころもあるように思える。ただ,私が聞く限りにおいては,このアルバムの弱点は,"Ruby My Dear"が一番よく聞こえてしまうことではないかと思える。John Surmanのアレンジもまとも,彼のソロもまとも,ビッグバンドのメンツのソロもまともにもかかわらず,である。

やはりこれはJohn Surmanに何を期待するかということではないかと思えるのだが,もう少し激しさがあってもよかったように思う。「綺麗にまとまっている」っていう感覚なのである。だから非常に聞き易いサウンドであるが,印象が希薄になってしまっているのが残念である。そうは言いながら,"Spending My Time"のように,ヴァイブを交えた演奏は決して悪くないのだが...。だが,私にとってはこのアルバムは"Ruby My Dear"ってことになってしまうのは,やはりもったいないように思える。

だが,激しさはないとしても,ECMにおけるJohn Surmanの諸作を好きなリスナーはある程度気に入る演奏ではないかと思う。ということで,ちょいとアンビバレントな感じが文面からも漂っているが,星★★★☆って感じだろう。アンサンブルを重視したのはわかるが,ソロイストとしてのSurmanのパワーを発揮するべきところも多々あったように思う。

Recorded on October 21-23, 2013

Personnel: John Surman(bs, ss), Olav Dale(as, fl), Jan Kare Hystad(as, fl), Ole Jakob Hystad(ts, cl), Zoltan Vinsze(ts), Vidar Johnson(bs, b-cl), Nils Jansen(cl, fl, al-l), Martin Winter(tp, fl-h), Svein Henrik Giske(tp, fl-h), Are Ovesen(tp, fl-h), Tancred Huso Heyerdal(tp, fl-h), Sindre Dalhaug(tb), Oyvind Hage(tb), Pal Roseth(tb), Kjell Erik Huson(b-tb), Dag Arnesen(p), Loe Thomsen(g), Magne Thormodsater(b), Frank Jakobsen(ds), Stein Inge Brakhus(perc), Ivar Kolve(vib)

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