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2014年11月29日 (土)

テナーの聖地でワイン会

Zinfandel いつも寄せて頂いている新橋のテナーの聖地ことBar D2では,毎月月例のワイン会が開催されている。毎月ワインのテーマを決めて,マスターの料理とともにワインを頂くというそれは楽しい集いである。私もここ数年,ほぼレギュラーとして参加させて頂いているのだが,こういう機会を通じて,自分の好みのワインを見つけることができることは誠にありがたい。そもそも,私は蘊蓄を傾けるほど,ワインについて造詣は深くないのだが,いい,悪いはだいぶわかるようになったのも,このワイン会のおかげである。

それでもって今回のテーマはZinfandelである。基本的にZinfandelはカリフォルニア・ワインってことになるわけで,実は私は米国出張になると,分厚いステーキとZinfandelを頂くというバカの一つ覚え的な食事を必ず一回はするぐらい,Zinfandelが好きなのだ。まさに「ブドウ!」って感じの濃い~味わいは好みが分かれるかもしれないが,このアルコール度数高めの濃い~ワインはまさに私にジャスト・フィットであった。写真はAlexander Valley VineyardのZinfandelのシリーズで,名前が「誘惑(Temptation)」,「罪悪(Sin)」,「贖罪/救済(Redemption)」という凄い名前のワインである。これらは確か14.5%,14.4%,14.8%というアルコール度数だったと思うが,やっぱり濃いっ!昨日はこれだけでなく,Zinfandelをあと2本,そして最後にいつもお世話になっているMさんからイタリアンのマグナム・ボトルを頂くというめまいがしそうなワイン会であった。Mさん,いつもすみません。

ってことで,普通なら二日酔いになりそうなものだが,今日は全く二日酔いもなく,やっぱりいいワインは悪酔いしないねぇなんて思ってしまった。さて,来月は今年最後のワイン会になるが,何が出てくるのか?

ということで,ご馳走様でした。

2014年11月28日 (金)

"Hamburg '72":凄過ぎるECMの蔵出し音源

Hamburg72 "Hamburg '72" Keith Jarrett / Charlie Haden / Paul Motian (ECM)

これまでにもびっくりするような蔵出し音源をリリースしてきたECMレーベルである。Keithの"Sleeper"然り,Majicoの"Carta de Amor"然りである。そして今回はKeith~Haden~Motianのトリオである。本作は今年亡くなったCharlie Haden追悼の意味合いが強いと思われるが,それにしてもこれまた凄い音源が登場したものである。まぁ,この音源は既にブートやら"NDR Jazz Workshop '72"やらでリリースされたことがある音源のはずであるが,だからと言って,本作の価値が下がることは決してない。何と言っても,今回リマスターされたらしいここでの音が非常に生々しく,40年以上前の音源とはとても思えないからだ。Charlie Hadenは亡くなったが,彼の作りだしたレガシーがこうしてより多くの人の耳に触れる機会ができたことに彼の人徳を感じざるをえないし,亡くなったことの不幸はさておき,我々はHadenに感謝しなければならない。

冒頭の"Rainbow"のピアノが聞こえてきた瞬間にこれは凄いことになるだろうと直感させるような響きである。あまりに美しい響きに陶然とさせられる思いである。更に,演奏が進んでいくと,これは美しさとともに,ジャズという音楽を越えたテンション,そしてスリルも持ち合わせた作品だということが明らかになってくる。いまやKeithはピアノ専門となっているが,ここではフルート,ソプラノ・サックス,そしてパーカッションも演奏しているところに時代を感じさせるが,ピアノを弾いていないからと言って,Keithの趣味だけでやっているものではなく,演奏としての必然性を感じさせるものである。もちろん,ピアノだけの方がいいという意見もあろう。だが,私には違和感なくこの演奏が入ってきたし,これはこれで非常にいいと思えるのだ。

この演奏が録音された時にはKeithは27歳,Hadenが35歳,Motianが41歳という年齢であったわけだが,既にミュージシャンとしては3人とも完成している。むしろ,極論に聞こえるかもしれないが,今のKeithよりも私にははるかに魅力的なピアノを弾いているように聞こえてしまうぐらいである。決して若さゆえの勢いだけではなく,このピアノの美的な感覚は既に誰しもが平伏すぐらいの魅力に溢れている。そして,この時代らしいフォーク的な響きも聞かれて,これが実によい。また,その名も"Piece for Ornette"でKeithはソプラノを吹いているが,Keithの音はOrnetteとは違っていても,Hadenの伴奏がOrnetteっぽさを増幅させているように思わせるのが面白い。

とにかく,この時の演奏はどこから聞いても楽しめるし,Keith Jarrett,Charlie Haden,Paul Motianのファン,ECMレーベル好きはもちろん,ありとあらゆるジャズ・ファンに一聴を勧めたくなる傑作。とにかくよく出してくれたと改めて言いたい。これには星★★★★★しかない。何っ?興奮し過ぎ?そう言われても結構,と開き直る中年音楽狂(爆)。聞けばわかるのだ。

世はまさにThanksgivingであるが,私は改めてCharlie Hadenの偉業に今一度感謝を捧げ,この音源を聞きながら彼のご冥福を祈りたい。

Recorded Live at the NDR Jazz Workshop on June 14, 1972

Personnel: Keith Jarrett(p, fl, ss, perc), Charlie Haden(b), Paul Motian(ds, perc)

2014年11月27日 (木)

出張中に見た映画:14/11編の一本目は「猿の惑星:新世紀(ライジング)」

Photo 「猿の惑星:新世紀(ライジング) ("Dawn of the Planet of the Apes"」('14,米,FOX)

監督:Matt Reeves

出演:Andy Serkis, James Clarke, Gary Oldman, Keri Russell

今回の中国出張で往路に見たのがこの映画である。「猿の惑星」のリブート版の一作目がなかなか面白かったので,これも劇場に見に行こうと思っていたのだが,タイミングを逃していたので,今回見られたのはよかった。

だが,機内エンタテインメントの限界なのだが,暗い画面の再生には機内エンタテインメントは適していない。この映画,非常に画像の暗いシーンが多いため,細部までちゃんと見られたかというと必ずしもそうではなく,そうした要素が印象を弱めている部分があるように思える。この映画,結構評価が高いのだが,それは猿と人間,猿と猿,あるいは人間と人間の対立を描いていることに,世情をオーバーラップさせることができるからかもしれない。

一方で,リブート版第1作から多少時間が経過した状態を描いているにしては,そうした要素を踏まえた場合,説明が成り立たないのではないかと思わせる部分があり,シナリオには弱点があることも事実である。私としてはその部分の落とし前がまだついていないのだが,2年後に公開されるらしい,リブート版最終作できっちり決着をつけてもらいたい。いずれにしても,私としては細部がよく見えないことへのフラストレーションが大きかったという印象が最も強いので,この映画を正当にレビューする資格はないなぁって感じである。しかし,CG技術の進歩は目覚ましいと感じさせるが,オリジナル「猿の惑星」におけるJohn Chambersによる特殊メイクも懐かしいって思っているのは年寄りだけ?(笑)

それにしても,この邦題は一体何なんだろう...。

2014年11月26日 (水)

いきなりのアフリカン・フレイヴァーにびっくりする"Virgin Beauty"

Virgin_beauty "Virgin Beauty" Ornette Coleman &Prime Time(Epic)

私はそこそこOrnette ColemanのCDも保有しているが,大ファンってわけでもないものの,ジャズ史の中で,重要な位置づけにある人だという認識はしている。だが,基本的にはそれまでになかったスタイルを打ち出したことにこし意義があるのであって,何でもかんでもいいというつもりもない。だが,エレクトリックな構成になっても,一種独特な味を醸し出す人であることは間違いないところである。

そんな私がこのアルバムを買ったのは,完全な気まぐれである。本当は"Of Human Feelings"を買うつもりだったのではないかと思うのだが,そっちがなかなか見つからないので,こっちを買ったって感じである。まぁ,DeadのJerry Garciaが参加していることも興味あったし...。

そしてアルバムを聞いてみると,素っ頓狂な(笑)感じの"3 Wishes"で幕が開くのだが,このアフリカ的なフレイヴァーはジャケに見られるような感じとイメージが合致するなぁって感じなのだが,そうしたフレイヴァーはこの1曲だけで,その後はどちらかというとファンクっぽさが強くなり,違和感なく進んでいく。Ornetteはここでは2ギター,2ベース,2ドラムスというバックを従えているが,編成から想像されるような音の重さは感じられないのが,Ornette Colemanらしいと言えばその通りだろう。この人の音楽はある意味での土臭さは感じさせるが,ヘヴィーだと思ったことはないのだが,何とも軽い感じのファンクである。

注目のJerry Garciaの参加であるが,3曲に留まるが,明らかにPrime Timeの2人のギタリストとはフレージングが違うので,すぐにわかってしまう。やっぱりGariciaはロックな感覚が強いのだ。そういう意味ではOrnetteが異分子と混ざるとどうなるのかってところに興味が湧くわけだが,Garciaの出番はあくまでも控えめなものなので,シナジーが効いているってところまでは行っていないと思う。一方で,80年代のポップ/ロックみたいな感覚を感じさせるところもあって,やっぱり時代だねぇなんて思ってしまった。

まぁ,それなりに面白いアルバムだと思うが,Ornette Colemanを聞くならこれからってことではないって感じである。星★★★☆ぐらいってところにしておこう。

Recorded in 1988

Personnel: Ornette Coleman(as, tp, vln), Denard Coleman(ds, key, perc), Calvin Weston(ds), Jerry Garcia(g), Bern Nix(g), Charles Ellerbie(g), Al MacDowell(b), Chris Walker(b)

2014年11月25日 (火)

中国弾丸出張完了

昨日の一便で上海へ向かい,更に新幹線で常州に移動し,現地で仕事をこなして,本日帰国である。ほとんど国内出張のノリであったが,中国国内の場所による気温差は身体にこたえるってのが,ちょっと日本国内とは異なる。昨日の上海はかなり暖かく,汗ばむほどの陽気であったが,移動後の常州の夜はしんしんと冷えていた。今日,上海に戻ると,昨日よりは結構クールな感じだったが...。

それにしても,往復ともにJALの機内エンタテインメントに不具合が生じ,システムをリブートしていたのは一体どういうことなのだろうか?往復ともに10分程度サービスが中断はしたものの,映画は何とか見終えることができたからよかったが,ちょっと情けないなぁ。まぁ,機材が古いってのも要因かもしれないが,それにしてもなってない。こんなことをしているようでは,客に愛想を尽かされても文句は言えないよなぁ。私が見ている画面上は何ら問題がなかっただけに,トラブルの原因(あるいはどんなトラブルだったか)がはっきりしないことにも,フラストレーションがたまってしまった。

ちなみに,今回は往復で1本ずつ。映画の感想はまた改めて。ってことで,若干お疲れ気味の中年音楽狂であるが,どうもまた12月には行かねばならないような...。次はもう少し余裕を持って行きたいものである(仕事だから無理か...)。

2014年11月24日 (月)

Bryan Ferryの新作:最大1曲に9人のギタリストが...

Avonmore "Avonmore" Bryan Ferry(BMG)

Bryan Ferryの新作がリリースされた。Ferryの前作はジャズ・アレンジによるFerryの曲集である"The Jazz Age"であるが,その手の企画に興味の持てない私は未聴である。よって,この手の路線のアルバムとしては4年前の"Olympia"以来ってことになる。

"Olympia"の時も「分厚い音」と表現した私だが,このアルバムは更に大変なことになっている。2曲目の"Midnight Train"にはなんとギタリストが9人も参加しているのである。確かによくよく聞いてみると,違う音色で違うフレーズを弾かせているようにも思える。"Olympia"からそういうところはあったが,最近はBryan Ferryはこういう芸風になったということなのかもしれないが,「お金掛かってるねぇ」と思う一方,その効果って100%出てるんだっけとも言いたくなってしまう。その一方で,最後のLeonard Cohenオリジナルの"Johnny And Mary"はTodd Terjeにプロダクションの大部分を任せた作りで,新たな部分も聞かせる。

だが,全体を通してみれば,音楽的には"Avalon"的なところも感じさせ,やっぱりBryan Ferryだと思わせる。冒頭なんて感覚的に"While My Heart Is Still Beating"かと思ってしまうぐらいである。いずれにしても,これはBryan Ferryのファンが聞けば,この世界に満足してしまうであろうことは間違いない。私は"Olympia"よりは,こっちのアルバムの方が曲のクォリティとしてはいいと思えるが,それは"Avalon"あるいは"Boys And Girls"の残り香のようなものを感じさせたからかもしれない。換言すれば,"Olympia"が新しいサウンド・プロダクションを狙った部分を感じさせたのに対し,Ferryの王道(?)に戻ったように感じさせる,私のようなある程度歳を食ったオーディエンスへのフィット感ゆえかもしれない。ってことで,伝統芸能のような安心感にも溢れた佳作と言ってもよい作品。星★★★★。

それにしても,ジャケに写るBryan Ferryの横顔,カッコいいよねぇ。69歳にして見事なダンディズム。私も十数年後かくありたいと思うが,まぁ無理だろうなぁ(爆)。

Personnel: Bryan Ferry(vo, key), Johnny Marr(g), Nile Rogers(g), Neil Hubbard(g), Oliver Thompson(g), David Williams(g), Steve Jones(g), Jeff Thall(g),  Chris Spedding(g), Jacob Quistgaard(g), Mark Knopfler(g), Paul Beard(key), Colin Good(p), Todd Terje(prog, synth), Marcus Miller(b), Guy Pratt(b), Neil Jason(b), Chris Lawrence(b), Tom Wheatley(b), Tara Ferry(ds), Andy Newmark(ds), Cherisse Osei(ds, perc), Frank Ricotti(perc), John Moody(oboe), Richard White(sax), Iain Dixon(sax), Robert Fowler(sax), Maceo Parker(as), Fonzi Thornton(vo), Laura Marin(vo), Emily Panic(vo), Hannah Khemoh(vo), Jodioe Scantlebury(vo), Bobbie Gordon(vo), Ronnie Spector(vo), Sewuses Abwa(vo), Shar White(vo), Michelle John(vo), Hanne Hukkelberg(vo)

2014年11月23日 (日)

コレクターはつらいよ(16):Renée Flemingのホリデイ・アルバムに2曲参加。

Christmas_in_new_york "Christmas in New York" Renée Fleming (Decca)

久しぶりのこのシリーズである。Brad Mehldau参加のアルバムを意地になって集めている私であるが,だからと言って,ブートやら既発音源を含んだコンピレーションまで蒐集しているわけではない。それでも,1曲しか参加していなくても,それが公的な音源である限りは,手に入る限り入手をするというスタンスは貫いている。本作については,結構時間が掛かってしまったが,ようやくカナダから到着したもの。主役はクラシックのソプラノ歌手,Renée Flemingであるが,そこにBrad Mehldauが2曲参加し,楚々としたピアノを聞かせてくれる。

Renée FlemingとBrad Mehldauと言えば,既に"Love Sublime"という作品を残している縁があるから,今回のゲスト出演にも違和感はない。そして,ここでやっているのがSandy Dennyの"Who Knows Where The Time Goes"とPaul Simonの"Love and Hard Times"というのが渋いねぇと思ってしまった。典型的かつ有名なホリデイ・ソングではないのだが,冬を感じさせるに十分な曲目である。特に前者の曲のよさには心底まいってしまった私である。多くの歌手にカバーされるのも当然という感じの名曲である。この2曲に関しては,Renée Flemingはクラシックぽさを控え目にしていて,その辺りも違和感なく聞ける理由である。いかにもソプラノ,ソプラノしていると引いてしまうだろうが,クラシックに抵抗のあるリスナーでも,この演奏ならまぁ問題ないだろう。

ってことで,こういう音源を追い掛けるのも大変ではあるが,それなりの楽しみもあるってことにしよう。いよいよホリデイ・シーズンが本格化したってことに,時間の経過の早さを感じる今日この頃である(苦笑)。

2014年11月21日 (金)

たまにはこういうことも。

Image見る人が見ればわかる世界ってことで。私には過分なボトルたち...。Mさん,大変ありがとうございました。

2014年11月20日 (木)

取り敢えずの記事アップ

訳あって数日東京を離れていたのだが,その間にも家には続々とCDがデリバリーされていて,聞いている時間が足りない。ブログに記事をアップしようとして,音源には触れているのだが,データもはっきりしない部分もあって,結構苦労している。

そんな中,ようやく家に戻ってきて,今日はBryan Ferryの新譜を聞いているのだが,音楽そのものはFerryの音楽そのものなのだが,音が結構ローファイな感覚があるのが不思議である。これが私の気のせいなのかは,もう少しちゃんと聞いてみないとわからないが,彼のことだから意図的なんだろうなぁ。ってことで,ちゃんと記事をアップできないままだが,まぁ,こういうこともあるってことで...。それにしても我ながら取り敢えず感に溢れてるなぁ。

2014年11月18日 (火)

Billy Childsによる素晴らし過ぎるLaura Nyroトリビュート。

Image"Map to the Treasure: Reimagining Laura Nyro" Billy Childs (Sony Masterworks)

ピアニスト,Billy Childsが今は亡きLaura Nyroの曲を現在の時間軸で再構築した本作は,適材適所のミュージシャンの配置だけでなく,素晴らしいアレンジメントも楽しめる傑作トリビュート作である。

Laura Nyroはシンガーとしてよりも先に,作曲家として評価された人であったが,彼女が亡くなってからもう17年以上の時間が経過しても,彼女が残した曲が現代においても極めて魅力的なものであり続けていることを,本作は雄弁に実証したものだと言える。今聞いても古臭さなど皆無である。それが何よりも素晴らしいが,ここでは曲本来の魅力に加えて,Billy ChildsのLaura Nyroへのリスペクトに満ちた対応,Larry Kleinによる絶妙なプロデュース,そして参加ミュージシャンによる最高と言える演奏,歌唱に支えられていることは強調しておかなければならない。

私が感心してしまったのは,こうしたトリビュート作にありがちなとっ散らかった印象がなく,作品として一本筋が通っていることである。優れたオムニバス映画を見るかのような趣と言うか,多数の登場人物により物語を精妙に作り上げた「トラフィック」や「ナッシュビル」のような映画に通じると言えるかもしれない。そこに通奏低音のように流れているのが,私はBilly ChildsのLaura Nyroの音楽を愛する心だとさえ思ってしまった。

私はLaura Nyroのファンでもあるが,本作は彼女の業績を改めて振り返りたくなるに十分な作品である。世の中,ミュージシャンへのトリビュート・アルバムは多々あれど,その中でも私が聞いた中では最高の出来と言いたくなる作品である。これはまさに奥深くも奥ゆかしい感動的な音楽の捧げ物である。"Reimagining"の看板に偽りなし。見事なイマジネーションに対し、星★★★★★。どこから聞いても楽しめるってのがさらに素晴らしい。いやぁ,これはいいわ。

Personnel: Billy Childs(p, key), Renee Fleming(vo), Yo-Yo Ma(cello),  Becca Stevens(vo), Lisa Fischer(vo), Esperanza Spalding(vo), Wayne Shorter(ss), Rickie Lee Jones(vo),  Chris Potter(ts), Ledisi(vo), Susan Tedeschi(vo), Steve Wilson(as), Shawn Colvin(vo), Chris Botti(tp), Dianne Reeves(vo), Alison Krauss(vo), Dan Tyminski(vo), Jerry Douglas(dobro), Dean Parks(g), Carol Robbins(harp),  Scott Colley(b), Carlitos del Puerto(b), Brian Blade(ds), Vinnie Colaiuta(ds), Jay Bellerose(perc), Mark Robertson(vln), Jen Choi Fischer(vln), Alyssa Park(vln), Luke Maurer(vla), Vanessa Freebairn-Smiith(cello)

2014年11月17日 (月)

Antonio Loureiroの東京ライブが素晴らしい。マジで最高だ。

Image_2

"Live in Tokyo" Antonio Loureiro (NRT)

私はこのブログにAntonio Loureiroのことを書いたことはないはずだ。だが,彼のアルバムはダウンロード音源やら,CDやらでひそかに聞いてきた。この人,非常にいい曲を書く人で,コンテンポラリーなブラジル音楽を語る上で,かなり重要な人だと思っている。だが,このアルバムが録音された際の来日情報なんて全くフォローできていなかったのだから,その認識も怪しいものである。

このアルバムもリリースされていることは承知していながら,注文もしていなかったのだが,ブログのお知り合いのkenさんが取り上げられていて,おぉっ,そうだ,買わねばということで慌てて発注したものだが,これがまたなんともしびれる出来である。曲の良さはもちろん,日本人のバックとの共演ぶりも素晴らしく,急造セッションとは思えぬクォリティの高さである。そして何よりもAntonio Loureiroの魅力的なヴォイスに酔わされる。あまりにも心地よい響きである。ある意味,これは私にとってブラジル男性歌手の理想のようなものにさえ感じさせるのだ。

心地よいと言ってもイージー・リスニングという意味ではない。どこを切っても魅力的な声,ピアノ,そして曲である。こういう演奏は,プレイバックの無限ループ化を生む。こういう音楽はなかなか出会うことが難しいと思えるほどだ。同じような経験をしたのは同じブラジルのPaula Santoro以来ではないか。Paula Santoroよりはずっとウェットかつ激しい感覚があるが,私の音楽的嗜好にぴったり。まさに私にジャスト・フィットなのである。返す返すもこのライブの場にいなかった自分の不明を恨みたくなるそんな一枚。喜んで星★★★★★としてしまおう。

私はブラジル音楽は概して女性歌手志向が強いと思うが,女性に限らず,ちゃんとフォローすべき人はちゃんとフォローせねばと改めて痛感させられた一枚である。

Recorded Live at WWW, Tokyo on August 29, 2013

Antonio Loureiro(p,vo), 芳垣安洋(ds), 鈴木正人(b), 佐藤芳明(accord)

2014年11月16日 (日)

ホリデイ・シーズン到来!? Paolo Fresuのホリデイ・ミュージックなのだが...。

Jazzy_christmas81ha7f6c7l_sl1500_ "Jazzy Christmas" Paolo Fresu Quintet(Tuk Music)

11月も半ばを過ぎると,巷はホリデイ・シーズンに向けて,やれイルミネーションだ,なんだかんだと喧しいが,音楽についてもシーズンに向けていろいろな音楽がリリースされている。Brad Mehldauが一部で参加したRenée Flemingのアルバムは現在,カナダから日本に飛ばしているところで,まだ到着していないが,それに先立って,(一部の人にとっては)今年の目玉の一つであろうPaolo Fresuのアルバムがデリバリーされた。

本作は2012年の12月18日というまさにホリデイ・シーズンもピークに達しようというタイミングで吹き込まれたライブ盤である。ライブで,こういう音楽をやってしまうというのも凄いことだが,吹きも吹いたり,演りも演ったりって感じの曲が並んでいる。メンツはFresuの長年活動する自身のクインテットにバンドネオン奏者Daniele Di Bonaventuraを迎えるという布陣である。

演奏としてはホリデイ・シーズン気分を盛り上げるものなのだが,このCD,トラック間に一瞬の空白が入っており,再生時に拍手がぶつ切りになるような感覚を生むという難点がある。拍手だけならまだしも,一部の曲ではイントロのピアノが切れてしまっている("Have Yourself a Merry Little Christmas"で明らか)のである。iTunesにリッピングしてもおかしければ,通常のCDプレイヤーで再生しても同じなのだから,これはどうしようもない。これが私のCDだけの問題なのかどうかはわからないが,なかなか楽しめるアルバムだけに,この作りはどうしても納得がいかない。何とも野暮に聞こえるだけでなく,ムードをぶち壊しにしてしまうのだから,これはまじで残念と言わざるをえない。音楽の評価以前に,CDのプレスそのものに関して問題がある以上,これは星のつけようがないとだけ言っておこう。

期待が大きかっただけに全く残念だが,納得のいくはずもなく,現在,メーカーに問合せ中の私である。

2014年11月15日 (土)

Brand XのボックスからBBC音源を聞いてみた。

Brand_x_nuclear_burn "Nuclear Burn" Brand X(Virgin)

先日リリースされたBrand XのCharisma/Virginレーベルの集成盤には5枚のアルバム音源に加え,4曲のBBCセッションの模様が収められている。私はこの音源が未発表なのか,どうなのかわからないのだが,ブートレッグでは出回っていたもののようである。アルバム音源は改めて書くとして,今日はこのBBCセッションについての記事である。

ここに収められた4曲はいずれも1976年に収録されているが,この時期,このバンドがBBCに結構出演していたのはブートレッグのデータからもわかっている。こういうバンドが放送に出るってところに英国の奥深さを感じてしまう。ライブでの彼らの演奏能力の高さは"Livestock"でもわかっていたことであるが,改めてこういう音源を聞いてみると,1976年の段階でバンドとして完璧に出来上がっていることがわかる。いやぁ,それにしてもスリリングな演奏である。あまりのカッコよさに悶絶してしまった私である。メンツははっきりしないが,オリジナル・メンバーが主体であることは間違いないところであろう。それにしても凄いバンドであった。

次は久しぶりに"Moroccan Roll"でも聞くことにしよう。

2014年11月14日 (金)

Pink Floydの新譜は映画音楽?アンビエント?それともプログレ?って感じである。

Endless_river "The Endless River" Pink Floyd(Columbia)

以前,私はこのブログに「Pink FloydはAORだ」と書いたことがある(記事はこちら)。それは決して悪い意味ではなく,大人向けのロックということを,刺激には乏しいかもしれないが,良質な音楽だという意味を込めて書いたつもりである。そして,久々に発売され,そして,Pink Floydとしては最終作と言われているこの新作を聞いても,その気持ちには変化はない。むしろ,これはもうロックというカテゴリーに入れることも難しいのではないかとも思えてしまった。

そもそもが,本作はRichard Wrightが存命中に録音された音源に手を加えたものであり,純粋な新作と呼ぶには無理があるところであることに加え,歌は1曲だけ,ほかはインストという構成がそう思わせる理由となっているようにも思える。私がざっとこのアルバムを聞いて思ったのが,「悠久」というイメージを与える映像を喚起させるようなものであり,まるで映画音楽を聞いているかのようだということであった。あるいは「狂ったダイヤモンド」の焼き直しみたいな感じもする部分もあって,アンビエント的なところもあれば,ロックを感じさせる瞬間もあった。だが,やっぱりこれはもはやプログレッシブ・ロックと言うには無理があるなぁというのが率直な見解である。

だが,それは決して悪い意味ばかりではない。出てくる音はどう聞いても彼らの音である。曲も悪くない。だからこそ,ファンには訴求するだろうが,一体このアルバムを買うのはどういうセグメントなのだろうかなんて余計な心配をしてしまう。結局は長年,彼らの音楽を聞いている特定年齢以上の人間の関心しか喚起しないのであれば,こういう音楽でも十分ありだと思える。一方でロック的な祝祭的な部分,高揚感等とは関係のない世界である。まぁ,パッケージを見れば,どういう音楽が出てくるかは想定できそうだとも言えるが,それにしてもである。

私としては決して嫌いな音ではないのだが,敢えて新作,あるいは最終作としてリリースする必要があったのかなぁという疑問は残る。あくまでもRichard Wrightを追悼し,彼の音楽を残すためにやるという目的ならば,それはそれでOKであるし,パッケージを含めた総合的な作品として評価に値するということも認めよう。だからこそアンビバレントな感想になってしまうのだが,何だかんだと言って,やっぱり好きは好き(どっちやねん?)。まぁ,BDに入っている映像を見たら,感覚も変わるかもねぇ。ということで,星★★★★ぐらいにしておくか(いい加減...)。

Personnel: David Gilmour(g, b, org, vo, effects), Nick Mason(ds, perc), Richard Wright(p, key, synth, org), Bob Ezrin(key, b), Damon Iddins(key), Jon Carin(synth), Andy Jackson(b), Guy Pratt(b), Gilad Atzmon(ts, cl), Youth(effects), Durge McBroom(vo), Louise Marshall(vo), Sarah Brown(vo), Stephen Hawking(voice sample), Escala(strings)

2014年11月13日 (木)

更新が滞っているうちに...

2日ほどの出張やら何やらで更新が滞ってしまったが,そうしているうちに,大物がデリバリーされて一体いつ聞くんだと思っている私である。

直近で届いたものがAllman BrothersのFilmoreライブ集成盤6枚組,Pink Floydの新譜,Brand XのVirgin (Charisma)音源集成盤4枚組,そしてOndrej Stveracek入りのFree Tenorsのアルバムである。Brand Xのアルバムは無理矢理4枚に詰め込んでいるので,アルバム単位に整理しようとすると,リッピングが面倒くさいことこの上ないが,まぁそれはそれで仕方ないってことで。音楽シーズンも本番となって,これからもどんどんアルバムが届いてしまう。正直言ってやばいねぇ(笑)。ってことで,今日は取り敢えずのご報告だけ。

2014年11月10日 (月)

David MurrayのBlack Saintボックス到着。今日はそこから"The Hill"である。

David_murray_the_hill "The Hill" David Murray Trio (Black Saint)

前々から気になっていたDavid MurrayのBlack Saintレーベルのアルバムの集成盤(Vol.2の方)を買ってしまった。このVol.2はトリオあるいはクァルテット等の編成で,比較的コンベンショナルな演奏をしている盤を集めており,いつかは買うだろうと思っていたのだが,先日,新橋のテナーの聖地Bar D2で本ボックスに収められた"I Want to Talk About You"を聞かせて頂き,こりゃ~ええわということで,買うタイミングが早まったと言うか,背中を押されてしまったかたちである。まぁ,そうは言いながら,そうしたトリガーがないと優柔不断なままだったとも言えるわけで,それはそれでよかったということにしよう。

David Murrayという人は多作な人であり,一般には激しい演奏をする人というイメージがあるが,私がこのボックスの中で唯一保有していた"Morning Song"はこの人のコンベンショナルな一面を捉えたナイスなアルバムだと思っていた。だからこそ,このボックスに食指が動いていたわけだが,7枚のうち,それ以外の6枚は聞いたことがなかったはずである。今日はその中からMurray~Richard Davis~Joe Chambersというありそうなのかどうかわからないような組合せのトリオによる"The Hill"を早速聞いているのだが,ここにはコンベンショナルなMurrayとアバンギャルドなMurrayの組合せが感じられる演奏となっていて,いいねぇなんてひとりごちている私である。まぁリズム隊は新主流派と言ってよい人たちだから,それこそコンベンショナルとアバンギャルドの中間を行っていたのだから,Murrayがこういうトリオで録音したところにもそういう意図があったと言ってもよいのではないか。

演奏そのものは,決して万人向きのものとは思わないが,この手の演奏が好きな人間には何の抵抗もなく受け入れられるし,保守的なジャズ・ファンでも,これぐらいならまだ大丈夫だろうっていう線には収まっていると思う。ちなみに私は全然問題なし。「いいねぇ」なのである。正直なところ,もっと激しくてもいいぐらいだが,Murrayが吹く"Take the Coltrane"が聞けるだけで,ここは満足しなければならないと思える。

その一方で,David Murrayの音源っていうのは今までもそうなのだが,歴史に残る超名盤っていうものではないにもかかわらず,ジャズ好きな人間に訴求する力が結構強いように思える。この音源を聞いていて,無茶苦茶久しぶりに"Shakill's Warrior"なんてのも聴きたくなってしまった。いずれにしても,7枚組で3,000円なら買っても損はしないよねと思わせるボックスであるとともに,このアルバムも相応に楽しんだ私であった。但し,Richard DavisのアルコはMiroslav Vitousを上回る悪趣味な音なので,それだけは勘弁して欲しいなぁ。MurrayとDavisのデュオで演奏される"Herbie Miller"がこのアルバムへのハードルをより高くしてしまっているのが惜しいねぇ。最後のJoe Chambersのヴァイブが渋い"Chelsea Bridge"とギャップ大き過ぎである(笑)。ってことでトータルでは星★★★☆ぐらいかなぁ。

Recorded on November 29, 1986

Personnel: David Murray(ts, b-cl), Richard Davis(b), Joe Chambers(ds, vib)

2014年11月 9日 (日)

Led Zeppelin絶頂期のライブ

Song_remains_the_same "Song Remains the Same" Led Zeppelin (Swan Song)

本作は映画のサウンドトラックとしてリリースされたものであるが,長きに渡って,Led Zeppelinの唯一の公式ライブ音源として聞かれてきたアルバムである。その後,いろいろなライブ音源がリリースされたし,これだけでは満足できないリスナーはブートに走っていたと思うが,遅れてきたZeppelinリスナーである私は2007年に出た「最強盤」リリース時に初めてこのアルバムを聞いたのであった。

今回,新橋のテナーの聖地,Bar D2でよくご一緒させて頂くロック好きのMさんのご要望により,本作を取り上げることとしたが,Zeppelinだったら何がいいですか?とお尋ねしたところ,本作をご指定頂いた。最近はリマスター盤のリリースで,オヤジたちの財布をいじめているZeppelinであるが,私は28,000円もした究極ボックスを買っているので,買い直すつもりはない(きっぱり)。本作については,そのボックスリリース前に,私はDVDとCDのバンドル版を買ったはずだ(つまりCDは2セット持っている)。しかし,映像はまだ見た記憶がないし,どこにあるかもわかっていない(爆)。まぁ,映像を通しで見るのは時間も掛かるし,家族の手前,なかなか2時間以上のDVDをプレイバックをするのは心理的負担が大きい(苦笑)。なので,もっぱら私はCDでこの音源を聞いているわけだが,そもそも映画とはテイク違いも結構あるようである。まぁ,そんなことは正直言って,私は全く気にしていないのだが,コレクターにとっては大変なことなんだろうなぁ。

時期としては1973年の「聖なる館」リリース後の米国ツアーの時期だろうから,人気は絶頂期だろうが,アルバムとしては76年までリリースされなかったので,曲としては「聖なる館」までの曲しか入っていない。まぁ,それはそれで全然問題なく,Zeppelinの絶頂期のライブがいかに強烈だったかがよくわかるものである。「聖なる館」から5曲が収録されているのは時期からして当然であるが,それにしてもヘビーなバンドである。

そして,これは前々から思っていたのだが,John Paul Jonesの弾くキーボードは非常にカッコいい。ライブの場では,キーボード演奏時は,ベース・ラインは足で弾いているそうだが,本作ではオーバー・ダビングされているかはわからない。しかし,Jonesの弾くRhodesの響きはこのバンドの魅力を増幅させるに十分だと思っている。もちろん,Plantのヴォーカル,Pageのギター,そしてBonzoのドラムスが揃ってのZeppelinであることは当然だとしても,このJonesの貢献度は今一度見直してもよいのではないかと思ってしまった。いずれにしても,大したバンドである。

それにしても,ディスク2は70分近い収録時間に5曲しか入っていない。これって演奏能力の裏返しってことになるんだろうなぁ。"How the West Was Won"とどっちがいいと言われれば,あっちと答えてしまうだろうから,星★★★★☆とするが,それでもLed Zeppelinというバンドが物凄いものであったことは十分に感じられる作品。

Recorded Live at the Madison Square Garden between July 27 and 29, 1973

Personnel: Robert Plant(vo), Jimmy Page(g), John Paul Jones(b, key), John Bonham(ds)

2014年11月 8日 (土)

いきなりプログレ?と思わせたWayne Escoffery

Wayne_escoffery "Live at Firehouse 12" Wayne Escoffery Quintet (Sunnyside)

本作は買ったまま,結構長いこと放置していたアルバムであったが,通勤の際,iPodで何を聞こうか悩んでいて,たまたまヒットしたものである。リッピングしてんだから,もっと早く聞けや!という声が聞こえてきそうだが,まぁそういうこともあるってことで(笑)。

Wayne Escofferyと言えばTom Harrell Quintetでの活躍が記憶に新しいところであるが,最近はHarrellは同バンドを解散させたのかどうかはわからないが,個別の活動が目立って,メンツも独自の路線を歩き出しているように思える。ダニグリ然り,Johnathan Blake然りである。ということを考えると,Tom Harrellのバンドのメンツのクォリティにはびっくりさせられてしまうが,Wayne Escofferyも同様の実力者であることは間違いない。

だが,このアルバムのキモは,Rachel ZとOrrin Evansの二人の鍵盤奏者を擁したクインテット,そしてRachelは全編で電化系楽器を弾いていることだろう。Wayne Escofferyはコンテンポラリーな感覚も有するサックス奏者だと思うが,それがRachel Zが入ることでどんな感じになるのかというところに注目が集まるところであろう。そして,冒頭の"ZWE1"からして,おぉっ,プログレか?と言いたくなるような出だしであり,穏やかながら,現代的な感覚溢れる演奏を聞かせる。とにかく,冒頭のキーボードの響きには驚くが,それだけでは終わらないので安心してよい。2曲目の"Gulf of Aqaba"は転じて,モダンでスリリングな感覚を持つジャズ・フレイヴァーを強く打ち出し,こっちがまぁEscofferyのあるべき姿ってことになるだろう。1曲目で目立っていたRachel Zはこちらではバックアップ的なサウンド・メイキングに変化し,Orrin Evansのソロを目立たせており,鍵盤奏者同士で見せ場を分け合っている感じがする。奇数曲でRachel Zがスペイシーな感覚で目立ち,偶数曲でOrrin Evansがモダンな感覚で目立つっていう構成は3曲目,4曲目でも同様である(後半の方がより顕著)。

このアルバムはライブであるにもかかわらず,40分弱の演奏となっているのは,今日の感覚で言うと非常に珍しいことではあるが,最近のCDは演奏時間が長過ぎるよなぁなんて思っている私にとっては,リピートして聞くには丁度いい長さである。そうした短い中にも,Wayne Escofferyの実力は感じられるフレージングは確実に捉えられており,特に偶数曲は大いに燃えるリスナーも多いのではないか。Rachel Zのキーボードが入ったことで,コンテンポラリーな感覚は増しているのは事実だが,フュージョンまでは行っておらず,極めて真っ当な「現代のジャズ」という気がする。

ツイン・キーボードの効果が完璧に出ているとは思えない部分もあるので,評価としては星★★★★ぐらいが適当と思うが,この作品を聞いていて,今年,David Kikoski入りでCotton Clubに出たWayne Escofferyを見に行かなかったのは失敗だったなぁと思ってしまった。ついでに言っておくと,最後の"Blue Monsoon"って哀愁帯びたなかなかの曲である。結構いいねぇ(笑)。

ところで,このアルバムが録音されたFirehouse 12ってNew Havenなのねぇ。へぇ~って思ってしまったが,今でもConneticutってちゃんと発音できるかなぁ(笑)。

Recorded Live at Firehouse 12 on April 26, 2013

Personnel: Wayne Escoffery(ts), Rachel Z(key), Orrin Evans(p), Rashaan Carter(b), Jason Brown(ds)

2014年11月 7日 (金)

Jim HallとCharlie Hadenによる円熟の対話

Charlie_haden_jim_hall "Charlie Haden Jim Hall" Charlie Haden & Jim Hall(Impulse!)

リリースからは随分経つのに,全然我が家にはデリバリーされずにイライラさせられたアルバムである。そもそも新生Impulse!レーベルのCDは紙スリーブ仕様だと思っていたのだが,私のところに来たのはプラケース入りの米盤であった。内容は同じだからいいのだが,紙スリーブの方が雰囲気はいいねぇなんて思ってしまった。まぁ,それはさておきである。

昨年亡くなったJim Hallと今年7月に亡くなったCharlie Hadenが1990年のモントリオールで行ったデュオ・ライブが今頃になってリリースされたのだが,ライナーにはCharlie Hadenも謝辞もあるので,Hadenの存命中からリリースは決まっていたということであろう。いずれにしても,この両巨匠がまだ50代の頃の演奏であるが,もはや円熟期に入ったベテラン同士の対話が収められたアルバムである。Jim HallにはRed MitchellやRon Carterとのデュオがあるし,Charlie Hadenには何と言っても印象深いChristian Escoude盤というギターとのデュオ・アルバムがあり,編成自体はお手の物って気もするし,選曲もスタンダード,モダン・ジャズ・オリジナル,そしてご両人のスタンダートと,まさにありがちと言えばその通りである。だが,この二人ならではの感覚もあり,非常に面白く聞けた。

まず冒頭の"Bemsha Swing"からして誠に渋い。そして,それに続くHadenの名曲"First Song"で普通は心を鷲掴みにされてしまう。それに続くのがOrnetteの"Turnaround"とあっては何をか況やである。しかも後半には懐かしや"Big Blues"も入っているしねぇ。しかし,ライブの会場にいたオーディエンスはどういう風にして聞いていればよかったんだろうかと余計な心配もしたくなってしまう。ライブ・ハウスならこれもありだろうが,コンサート・ホール向きの演奏という気はしない。なんだか身じろぎもせずに聞いていなければならないような雰囲気もあり,これは私はCDで聞いた方がいいだろうなぁ。

音としてはJim Hallはいつも通りのJim Hall(リズム・カッティングなんて誰がどう聞いてもJim Hallである)だが,Charlie Hadenはいつにもまして音がディープなような気がする。その辺りもこの演奏の印象に影響している気がしないでもないが,それでもこれはこれで優れた演奏集だと思う。この二人にしては意外な雰囲気を醸し出すJim Hallのオリジナル"Down from Antigua"が曲としては特に面白かった。最後の"In the Moment"は「う~む」って感じではあるが,この亡き両巨匠を偲ぶ意味も込めて,オマケして星★★★★☆にしてしまおう。

Recorded Live in Montreal on July 2, 1990

Personnel: Jim Hall(g), Charlie Haden(b)

2014年11月 6日 (木)

ブラームスのよい聞き手ではない私だが,Thielemannの全集はいいのではないかと感じている。

Thielemann_brahms "Brahms Symphonies / Piano Concertos / Violin Concerto" Christian Thielemann / Staatskapekke Dresden (Deutsche Grammophon)

昨今はあまりクラシックのCDを買っていない(Seonの85枚組という大物はあったが...)が,たまにはってことで。

私はクラシックもそこそこ聞くが,ブラームスとは相性が悪いと言うか,全然その魅力がわからないまま,この歳になってしまった。何度聞いてもピンとこないのだから,これは仕方がない。そんな私がなんでこの全集を買う気になったのかは,全くの気まぐれである(笑)。PolliniととのP協の映像も付いているし,値段も高くないし,こういうのを買わないと,一生ブラームスとは縁がないままで終わると思ったのかもしれない。

ということで,まだ交響曲の1番,4番しか聞いていないのだが,Carlos Kleiberで聞いてもダメだったブラームスで初めてピンときてしまった。これにはびっくりしたが,なぜなのかはよくわからない。ほかの演奏と聞き比べたわけでもないが,オーセンティックなドイツの響きって感じなのかなぁなんて思ってしまった。そもそもドレスデンって,私の中ではもっともっさりした印象があるオケなのだが,本作を聞く限りは全然そういう感じがしないのだ。それもThielemannゆえだとすれば,それはそれで凄いわ。

これはちゃんと2番も3番も聞かねば,そして,DVDもちゃんと見なければと思わせてくれる1番,4番の演奏であった。ブラームスに関する審美眼は正直私にはないが,それでも私はこの演奏が好きなんだと思えた。全然抵抗ないもん(笑)。これが本当のブラームス開眼?

2014年11月 5日 (水)

John Surmanとノルウェーのビッグバンド共演作

Another_sky "Another Sky" John Surman / Bergen Big Band(Grappa)

CDショップをうろついていて,ちょっとECMライクなジャケが目に入ってきたので,よくよく見てみると,おぉっ,John Surmanではないか。でもECMではない。しかもビッグバンドとの共演なので,若干の躊躇がなかったわけではないが,まぁ値段も手頃だったので買ってきたのがこのアルバムである。

冒頭のタイトル・トラックのオープニングからして,ディレイの効いたギターが聞こえてきて,いかにもって感じの響きである。やはりこれは普通のビッグバンドのアルバムと思って聞いていはいかんという感じの出だしである。ある意味,ECM的なムードも醸し出しているが,ミキシングはRainbow Studioだし,ミキシング・エンジニアはJan Erik Kongshaugであるから,それもまぁそうなっちゃうだろうなぁって考えることも可能である。

Monk作の"Ruby My Dear"を除けばJohn Surmanのオリジナルで占められているが,John Surmanがライナーに書いているように,このアルバムはソロイストとしてのJohn Surmanのバックにビッグバンドがいるという形態ではなく,アンサンブルを重視したものであるから,Surmanのバリトンやソプラノが激しく炸裂するって感じではないので,そうした要素を期待すると裏切られる。だが,モダン,あるいはコンテンポラリーなビッグバンド作としては相応に聞きどころもあるように思える。ただ,私が聞く限りにおいては,このアルバムの弱点は,"Ruby My Dear"が一番よく聞こえてしまうことではないかと思える。John Surmanのアレンジもまとも,彼のソロもまとも,ビッグバンドのメンツのソロもまともにもかかわらず,である。

やはりこれはJohn Surmanに何を期待するかということではないかと思えるのだが,もう少し激しさがあってもよかったように思う。「綺麗にまとまっている」っていう感覚なのである。だから非常に聞き易いサウンドであるが,印象が希薄になってしまっているのが残念である。そうは言いながら,"Spending My Time"のように,ヴァイブを交えた演奏は決して悪くないのだが...。だが,私にとってはこのアルバムは"Ruby My Dear"ってことになってしまうのは,やはりもったいないように思える。

だが,激しさはないとしても,ECMにおけるJohn Surmanの諸作を好きなリスナーはある程度気に入る演奏ではないかと思う。ということで,ちょいとアンビバレントな感じが文面からも漂っているが,星★★★☆って感じだろう。アンサンブルを重視したのはわかるが,ソロイストとしてのSurmanのパワーを発揮するべきところも多々あったように思う。

Recorded on October 21-23, 2013

Personnel: John Surman(bs, ss), Olav Dale(as, fl), Jan Kare Hystad(as, fl), Ole Jakob Hystad(ts, cl), Zoltan Vinsze(ts), Vidar Johnson(bs, b-cl), Nils Jansen(cl, fl, al-l), Martin Winter(tp, fl-h), Svein Henrik Giske(tp, fl-h), Are Ovesen(tp, fl-h), Tancred Huso Heyerdal(tp, fl-h), Sindre Dalhaug(tb), Oyvind Hage(tb), Pal Roseth(tb), Kjell Erik Huson(b-tb), Dag Arnesen(p), Loe Thomsen(g), Magne Thormodsater(b), Frank Jakobsen(ds), Stein Inge Brakhus(perc), Ivar Kolve(vib)

2014年11月 4日 (火)

唐突ながら,Kenny Drew, Jr.が亡くなっていたようである。

The_flame_within "The Flame Within" Kenny Drew, Jr. (Jazz City)

私がこの作品を保有しているのはBob Bergの参加ゆえであるが,久しぶりに本作を聞いて,記事でも書こうかなぁとネタを探すために,ネットを徘徊していたら,なんとKenny Drew, Jr.は今年の8月に亡くなっていたようである。知らぬことだったとは言え,56歳とは若過ぎる死である。

私にとって,Kenny Drew, Jr.は決して縁の深いミュージシャンではない。本作もBob Berg目当てだし,Jack Wilkinsとの"Keep in Touch"だって,Wilkins聞きたさに買ったようなものである(ちなみに後者はどこかにしまい込んでしまって,見つかっていないが...)。以前は国内レーベルからアルバムも結構出していたものの,結局はメジャーにはなれず,人気,実力ともに父を凌駕することはなかったように思える。だが,初リーダ作であるはずのこのアルバムを聞いてみれば,モダンな感覚と,コンテンポラリーな感覚を共存させていて,決して悪いものではないと思えた。ただ,何でも出来てしまうことは,裏を返せば「器用貧乏」と言われるリスクもあるわけで,例えば,Chick Corea作の"Matrix"からJacoの"Three Views of a Secret",そしてMonkの"We See"に至る流れなんて,演奏は悪くないとしても,この人の本質がどこにあるのかわからなくなってしまうようなのだ。

まぁ,そうは言いながら,30歳になる前からこうした技術を身につけていたということはよくわかるアルバムではある。それでもやっぱり私の注意はBob Bergに向いてしまうのだが,3曲しか参加していないからねぇ。Bob Bergは冒頭のタイトル・トラックが一番いいように思う。ということで,アルバムとしては星★★★~★★★☆ってところだろう。そんなに悪くはないのだが,これ以上の評価もできないってことである。

Recorded in November, 1987

Personnel: Kenny Drew, Jr.(p), Charnett Moffett(b), Al Foster(ds), Bob Berg(ts)

2014年11月 3日 (月)

Jochen Rueckert:またもよく出来たドラマーのアルバムが登場

Jochen_rueckert_2 "We Make the Rules" Jochen Rueckert(Whirlwind Recordings)

私にとって,Jochen Rueckertと言えば,Marc Coplandとのトリオ作が何と言っても印象深いわけだが,リーダー作を買うのはこれが初めてである。昨今はドラマーによる優れたリーダー作が多いので,メンツもいいので,今回の購入となったが,これがまたなかなかよく出来ている。

Jochen Rueckertの前作はPirouetから出た"Somewhere, Meeting Nobody"ってことになるのだろうが,そちらも気にはなりつつ,購入には至っていなかったのだが,本作はギターがBrad ShepikからLage Lundに代わっただけで,編成は前作と同じである。私の心変わりをそそったのはLage Lundってことになるが,これが極めて現代的,あるいは典型的とも言うべき最近のジャズの香りをかなり醸し出している。まさにコンテンポラリーなジャズって感じなのである。

メンツがメンツなので,熱くなる感じの演奏ではない。かなりクールな感覚を持つアルバムであり,このあたりは好みがわかれるところではないかと思うが,まぁ,Marc Coplandとやるような人なので,当然,こうした響きになることもうなずけるわけではあるが,結構半端ではないクールさと言ってもよいかもしれない。例えるのであれば,私にとってはドラマーとしてはAntonio Sanchezの対極に位置すると言いたくなるような感じ,と言えばおわかり頂けるのではなかろうか。

いずれにしても,演奏の質としては非常に高いと思うし,これはより多くの人に注目されてもいいアルバム。やや甘いかなぁと思いつつ,星★★★★☆にしてしまおう。しかし,クレジットに録音した時間まで書いてあるのは珍しいねぇ。だが,録音時間から想像されるような感覚というより,これはどう聞いても「夜向きの音楽」である(笑)。

Recorded on February 10th, 2014 between 11AM and 7PM

Personnel: Jochen Rueckert(ds), Mark Turner(ts), Lage Lund(g), Matt Penman(b)

2014年11月 2日 (日)

ブログの更新が滞ってしまった。

できるだけ,ブログの更新は続けるようにしているのだが,どうしてもままならないこともある。今回の理由は,接待含めた飲み会続き(その他の理由もあり)ってことになるが,それにしても,落ち着いて音楽も全然聞けていなかったのも事実である。

ってことで,久しぶりにPCに向かう時間ができたので,この記事をアップしているのだが,今度はPCがバックグラウンド処理に時間が掛かって,全く動かない時間が30分以上では,記事を書く気も失せる...。

現在のPCにして,結構な時間が経過しているので,もうそろそろ買い替え時なのかもしれないが,決して安い買い物ではないからねぇ。迷うところではあるが,こうなったら娘に便乗して買い替えるかなぁ(笑)。

いずれにしても,今夜あたりは音楽の記事をアップしたいところである。

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