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2014年11月28日 (金)

"Hamburg '72":凄過ぎるECMの蔵出し音源

Hamburg72 "Hamburg '72" Keith Jarrett / Charlie Haden / Paul Motian (ECM)

これまでにもびっくりするような蔵出し音源をリリースしてきたECMレーベルである。Keithの"Sleeper"然り,Majicoの"Carta de Amor"然りである。そして今回はKeith~Haden~Motianのトリオである。本作は今年亡くなったCharlie Haden追悼の意味合いが強いと思われるが,それにしてもこれまた凄い音源が登場したものである。まぁ,この音源は既にブートやら"NDR Jazz Workshop '72"やらでリリースされたことがある音源のはずであるが,だからと言って,本作の価値が下がることは決してない。何と言っても,今回リマスターされたらしいここでの音が非常に生々しく,40年以上前の音源とはとても思えないからだ。Charlie Hadenは亡くなったが,彼の作りだしたレガシーがこうしてより多くの人の耳に触れる機会ができたことに彼の人徳を感じざるをえないし,亡くなったことの不幸はさておき,我々はHadenに感謝しなければならない。

冒頭の"Rainbow"のピアノが聞こえてきた瞬間にこれは凄いことになるだろうと直感させるような響きである。あまりに美しい響きに陶然とさせられる思いである。更に,演奏が進んでいくと,これは美しさとともに,ジャズという音楽を越えたテンション,そしてスリルも持ち合わせた作品だということが明らかになってくる。いまやKeithはピアノ専門となっているが,ここではフルート,ソプラノ・サックス,そしてパーカッションも演奏しているところに時代を感じさせるが,ピアノを弾いていないからと言って,Keithの趣味だけでやっているものではなく,演奏としての必然性を感じさせるものである。もちろん,ピアノだけの方がいいという意見もあろう。だが,私には違和感なくこの演奏が入ってきたし,これはこれで非常にいいと思えるのだ。

この演奏が録音された時にはKeithは27歳,Hadenが35歳,Motianが41歳という年齢であったわけだが,既にミュージシャンとしては3人とも完成している。むしろ,極論に聞こえるかもしれないが,今のKeithよりも私にははるかに魅力的なピアノを弾いているように聞こえてしまうぐらいである。決して若さゆえの勢いだけではなく,このピアノの美的な感覚は既に誰しもが平伏すぐらいの魅力に溢れている。そして,この時代らしいフォーク的な響きも聞かれて,これが実によい。また,その名も"Piece for Ornette"でKeithはソプラノを吹いているが,Keithの音はOrnetteとは違っていても,Hadenの伴奏がOrnetteっぽさを増幅させているように思わせるのが面白い。

とにかく,この時の演奏はどこから聞いても楽しめるし,Keith Jarrett,Charlie Haden,Paul Motianのファン,ECMレーベル好きはもちろん,ありとあらゆるジャズ・ファンに一聴を勧めたくなる傑作。とにかくよく出してくれたと改めて言いたい。これには星★★★★★しかない。何っ?興奮し過ぎ?そう言われても結構,と開き直る中年音楽狂(爆)。聞けばわかるのだ。

世はまさにThanksgivingであるが,私は改めてCharlie Hadenの偉業に今一度感謝を捧げ,この音源を聞きながら彼のご冥福を祈りたい。

Recorded Live at the NDR Jazz Workshop on June 14, 1972

Personnel: Keith Jarrett(p, fl, ss, perc), Charlie Haden(b), Paul Motian(ds, perc)

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コメント

全く同感で、足すことも、引くこともありません。
まったく完全な音源だと思います。
アイヒャーによる編集が入っているか、どうか、そこに関心があります。なければ、ライヴであっても本当に完璧な構成。作品の良し悪しとは関係ありませんが、野次馬的興味がわきました。
(先週土曜に入手しましたが、海外出張でお預けでした)

kenさん,こんにちは。TBありがとうございます。返事が遅くなってすみません。

これは非常に素晴らしい演奏ですよねぇ。こんな演奏がまだまだあるってことを思い知らされますが,とにかくこれは文句なしの快演ってことでしょうね。最高です。

追ってこちらからもTBさせて頂きます。

閣下、これは、強力でしたね。
若さと才能の爆発ですかね。
一粒にキースがぎゅぎゅっと詰まってました。
アヴァンギャルドで絞めておいて、美旋律で解放して。。
もてあそばれましたよねえ。。嬉しっ。

トラバありがとうございました。

Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。

アバンギャルドなものと美的なものが,これほどうまく共存するというのは驚きです。全く恐ろしい音源ですよねぇ。

すいません、PCの入れ替えのため、名前が空欄になってました。

このアルバムをアトランティックのようなミックスで聴いてみたいなあとも思うのですが、ECMリミックスでも十分よかったです。ECMが’70年代の録音を発掘して発売することは珍しいと思いますが、こういうのだったら、どんどんやってほしいですね。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

はい。おっしゃる通りで,こういうのは出し惜しみせずどんどん出して欲しいですよねぇ(笑)。

この頃のKeith Jarrettってあまりしっかり聴いていなかったので、
こんなことやってたんだという驚愕も実はあったんですが。。(^^;;
凄い音源であることは実感いたしました。

過去に幻の音源ということで有名だった"NDR Jazz Workshop '72"
が世に出たというのが驚愕です。
この分だと、今後もいろいろな古い音源が出てくるんじゃないかと
期待しています。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。

幻の音源として認知されていたものとの関係性は,実はよくわからない部分もあるのですが,それにしても見事な演奏でした。

まだまだ調べれば,更にとんでもない音源が出てきそうで,それはそれで恐い気も...。もちろん,歓迎しちゃうんですけどね(笑)。

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