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2014年10月30日 (木)

Eddie Condonの日本でのライブ:私にはかなり意外に思えようが,実は好きなレコード。

Eddiecondonallstarsinjapan_2 "Eddie Condon All Stars in Japan" Eddie Condon (Chiaroscuro)

このブログに書いているような,日頃の私の音楽的な嗜好からは全く離れているように見えるのだが,実は結構好きなアルバムがこれである。もともと,私の亡くなった父がこのLPを持っていて,それを耳にしていて,たまにはこういうの(スイング感の強い,いわゆる「中間派」ジャズである)もええなぁなんて思っていて,一人暮らしをするようになって,自分も欲しいなぁと思って買ってしまったレコードである(今でもまだ売らずに持っている)。

Eddie_condon だが,LPを滅多に聞かない現在の環境においては,なかなか耳にする機会もなくなっていたのだが,めでたく中古CDでゲットである。それにしても,このジャケの違いは何なのかって気もするが,今日はまずは予告編ってことで,LP(上)とCD(下)のジャケだけアップしておこう。いずれにしても,このCDのジャケでは購買意欲は全く上がらない(苦笑)。

なんで,このアルバムが好きかは,LPならD面に収まっていたJimmy Rushingの歌が何とも好きだったからという,誠におかしな高校生の私であった。音楽についてはまた改めて書くが,それにしてもいいメンツなのである。たまにはこういうのもええでっせ(笑)。だが,こういう作品をCreamの次に取り上げるって,私も変態である(爆)。

2014年10月29日 (水)

改めて"White Room"を聞いて,Jack Bruceを追悼する。

White_room Jack Bruceの訃報を聞いて,改めてCreamの音源を聞いて,彼を追悼していたのだが,"White Room"を聞いていて,ついつい昔のことを思い出してしまっていた私である。この曲を初めて聞いた時は,CreamというバンドがJack Bruce,Eric Clapton,Ginger Bakerから構成されるなんてことは全然知る由もなく,純粋にラジオから聞こえてきた"White Room"という曲が無茶苦茶カッコいい曲だなぁなんて思っていたはずである。余談ではあるが,それはおそらく,私が深夜放送を聞き始めた小学校5年生ぐらいのことで,更に具体的に言えば,朝日放送でやっていた「ABCヤングリクエスト」でのことだったはずである。

この番組,キダタロー先生作曲の番組テーマ曲(私が聞いていた頃は岡本リサ版)は今でも歌えるぐらいよく聞いていたのだが,確か歌謡曲と洋楽が交互に流れる中で,私は"White Room"を聞いて,これはいいと直感したのである。それは"Sunshine of Your Love"でも"I Feel Fine"でも"Crossroads"でもなく,"White Room"だった。イントロからして,子供ごころにカッコいいと思えたのである。

てなことで,話は私の昔話のようになってしまったが,"White Room"という曲は,洋楽に触れて,これっていいなぁと思わせてくれた原体験の一つであり,今更ながら,その後の私の音楽鑑賞生活を考えれば,非常に重要な曲の一つだったのだと思えるのである。

今でもClaptonはライブで"White Room"をやっているが,それはそれでいいとしても,改めて"White Room"を聞いてみて,これはJack Bruceの声での方がフィットしているなぁなんてことを今更ながら思ってしまった。

そんなことを考えると,Jack Bruceに対しては,改めて追悼の意を表するとともに,私のその後の嗜好に少なからず影響を与えたという意味において,この場を借りて感謝しておきたいと思う。

Jack Bruceに対しては,先日R.I.P.とここに書いたので,今日はP.I.P.(Peace in Paradise)と言っておこう。

2014年10月28日 (火)

今日も記事を書けず。

いろいろあって記事が書けない状態である。音楽もまともに聞いていない。昨日はJack Bruceの訃報を伝えたので,通勤途上ではCreamの再結成ライブを聞いてはいたものの,とても全部は聞ききれずだった。あのライブも,前は緊張感に乏しいように思っていたのだが,Jack Bruceの訃報に接した後だけに,ついつい襟を正すような聞き方をしていた私である。

だが,記事にするにはまだ聞き方が足りないので,近々改めて記事にしたいと思う。ということで本日は開店休業である。

2014年10月27日 (月)

追悼,Jack Bruce。

Jack_bruce Jack Bruceが亡くなったそうである。今年"Silver Rails"という新譜をリリースしたばかりだったので,この突然の訃報には驚かされたが,特にCreamにおける彼の業績を否定する人はいまい。またも惜しい人を亡くしたが,10年振りのアルバムは彼の置き土産だったってことだろうか。

Living Colourが今回の訃報を受けて,次のような追悼コメントを出している。"Every guitarist should pick up their guitar and play the opening riff to Sunshine Of Your Love before the sun goes down today."

ということで,私もあのリフを弾いて追悼することにしたのであった。R.I.P.

2014年10月25日 (土)

遅くなったが,先日のJohn Abercrombieのライブを振り返っておこう。

Gateway001 John_abercrombie_at_cotton_club 今回,John Abercrombie 4のライブを見るためにCotton Clubに行った私だが,先日の記事にも書いた通り,私をこのライブに足を運ばせる決定的な要因はMarc Coplandだったのだが,終演後,ジョンアバともMarc Coplandとも話ができたのはよかった。大量CD持ち込みで,ライブにご一緒させて頂くことの多いイタリア・ジャズの女神さまの苦笑を誘っていたが,まぁそれはそれってことで。

それでもって今回のライブであるが,ジョンアバはピックを使わず,親指でのプレイであったのがまず発見。ギターのネックから,左手の親指はほとんどのぞくことはなく,高音弦の方を中心にプレイしているように見受けられた。時折,エフェクターで音をゆがませていたが,それはあくまでも効果音みたいなもので,ほとんどはクリーンなトーンで通していたように思える。私がジョンアバのライブを見るのは,今回が初めてだったので,過去の演奏ぶりとの比較はできないが,ちょっと年齢を感じさせるかなぁっていう気がした。もちろん,破綻はほとんどないので,安心して聞けるのだが,スリリングって言うよりはリリカルと言うべき演奏であったと思う。私が見に行っている時には,若干小節数を間違えたかと思わせるような瞬間もあったし,フレージングも怪しくなったようにも思えたが,最新作"39 Steps"からの曲を中心とした選曲は安心して聞けるものだったと思える。だが,ベース・ソロのバッキングなんかはもう少し地味目に抑えた方がよいように感じられたのも事実である。

一方,私のお目当てと言ってよいMarc Coplandであるが,これが非常に繊細なタッチで,あぁ,こういう感じで弾いていたのかと妙な感慨に浸っていた私である。ゴリゴリ感はゼロ。あくまでもタッチはソフトで,音も決して大きくならない。その一方で,ドラムスのAnthony Pinciottiが相当無遠慮にドラムスを叩くので,ピアノとのバランスが崩れていたのが残念だった。正直なところ,Anthony Pinciottiはうるさ過ぎであったが,途中でブラシに持ち替えた時は真っ当にやっていたのだから,やればできるなら,もう少しニュアンスを活かす伴奏をして欲しかったように思える。だが,それでもMarc Coplandのピアノについては,フレージングもよく,私は大いに満足していたのであった。

また,ベースのPhil Donkinという人は馴染みのない人であったが,英国出身の人らしい。結構なソロ・スペースを与えられていたが,なかなかの好演ぶりであったと思う。

ということで,初のジョンアバのライブということではあったが,Marc Copandは見られたし,ジョンアバの奏法も確認できて,まぁよかったんじゃなかろうかって感じである。熱くなるって感じの演奏ではなかったので,やや緩いなぁと思ってはいたが,文句は言うまい。ってことで,今日は戦利品の"Gateway"の写真をアップしておこう。

Live at Cotton Club東京 on October 20, 2nd Set

Personnel: John Abercrombie (g), Marc Copland (p), Phil Donkin (b), Anthony Pinciotti (ds)

2014年10月24日 (金)

記事のアップを失念していたClaudio FarinoneによるRalph Towner集

Claudio_farinone "Claudio Farinone Plays Ralph Towner" Claudio Farinone(Abeat Aria)

以前,このブログで,全曲Ralph Townerの曲を演奏したRandall Aversの"Man in the Moon"を取り上げたことがあるが,記憶が曖昧ながら,その後に出た別のギタリストによるRalph Towner集が本作である。同じRalph Towner集でありながら,随分雰囲気が違うというか,Avers盤が非常にアーティキュレーションが感じられる演奏であるのに対し,こちらは残響感を活かしたライブ感覚を重視した作品のように感じられる。

Claudio Farinoneという人についてはよくわからないのだが,ヴォーカリストのバックでギターを弾くこともあれば,アコーディオンとのデュオを演じたりするということから,クラシック畑というよりも,クラシックの奏法を身につけたギタリストっていうことになるように思える。私としてはアルバム全体のクォリティとしてはRandall Avers盤の方に軍配を上げたいが,これはこれで,Ralph Townerの書く曲の美しさと,いい感じのエコーも捉えたギターの響きを楽しめるアルバムである。

本作ではTownerのオリジナルに加えて"Waltz for Debbie"をやっているが,全てTownerのアレンジに基づくものとなっているところは徹底している。だが,Townerが"Open Letter"で聞かせた"Debbie"に比べると,随分この人の"Debby"は訥弁に聞こえる。一方,即興部分はFarinoneによるものということになっているが,Townerの曲って,どこまでが書かれていて,どこからが即興なのか難しい部分もあるが,ここでの"Debbie"にはアドリブ・パートがないのは力量の差が露骨に出てしまうことを本人がわかっていたからのような気がする。ということで,嫌いではないのだが,ギタリストとしてはまだまだTownerには及ばないってことで,星★★★☆。

尚,Claudio Farinoneは8弦ギターとバリトン・ギターを使っているが,主楽器たる8弦ギターの効果がそれほどでもないところは勿体ないのではないかと思える。

Recorded in 2012

Personnel: Claudio Farinone(8-string g, baritone-g)

2014年10月23日 (木)

Brian Enoが描く「宇宙」。はまり過ぎである。

Apollo "Apollo: Atmospheres & Soundtracks" Brian Eno(Virgin)

Brian Enoという人は正直言って掴みどころのない人である。私の中では"801 Live"やRoxy Musicのロック的なイメージと,アンビエント・ミュージックを推進するイメージが両極化していて,どっちもEnoだってのはわかっていても,よくもまぁこれだけ違う音楽ができるもんだと常々感心している。その一方で,U2やTalking Headsをプロデュースするとロックになっちゃうしねぇ。いずれにしても尖った人である。

そんなEnoによるアンビエント・ミュージックについては,私も何枚か持っていて,昔はこれってどういう人が聞くのか?なんて思っていたのだが,人間変われば変わるものである。まぁ,Tangerine Dreamも似たような感じって話もあるが,身体がこういう音楽を欲する時もあるのだと最近感じる私である。

ここでの音楽は,ある意味「宇宙という静寂空間」そのものだって気もする。この音楽が使われた映画そのものは未見なので何とも言えないが,いかにもって感じの音楽であり,これはまさにぴったりって感じであることに疑問の余地はない。逆に言えば,これって音楽なのか?って声も聞こえてきそうだが,「静寂」を表現するにはこうでなければならなかったっていう気がする。ところが,8曲目の"Silver Morning"から音像が一転し,アンビエント的な要素が一旦希薄化するのだが,これはどういうシーンでこの音楽が使われたのかを理解する必要があるように思える。これはいいか悪いかというよりも,合っているか合っていないかっていう問題のように私には思えるからである。LPで言えばA面に収められていた音楽が,「宇宙の静寂」を示す無機的な感覚が強いのに対し,"Silver Morning"から"Always Returning"までの流れは,ヒューマンな感覚が強まっていることには何らかの意味があったはずである。そういう意味で,私はそれらの曲は,アンビエントというより,ヒーリング・ミュージック的なところを感じたというのが正直なところである。

では私はこの音楽をどう評価するかと言えば,これは鑑賞音楽としてはう~むとなってしまうかもしれないが,バックエンドで流れていれば,これっていいのではないかと思える,そういう音楽である。つまり,音楽を意識しなくていいという観点では,それこそアンビエント・ミュージックなのだということで,私はBrian Enoの狙った通りの反応を示しているのかもなぁって気がする。このアルバムに星を付けることにどれほどの意味があるか全くわからないが,私は結構好きとだけ言っておこう(笑)。

尚,私のブログにはこの音楽にフィットするカテゴリーがないので,「現代音楽」としておくが,全然難解ではないので,念のため。

Musicians: Brian Eno, Roger Eno & Daniel Lanois

2014年10月22日 (水)

祝来日,Marc Coplandってことで,ミーハー炸裂の中年音楽狂(笑)。

Marc_copland003_2

Marc_copland004

Marc_copland_and_i_2 我ながらミーハーだ。でも好きなんだもん,Marc Copland(爆)。一応,Cotton Clubでのライブはジョンアバがリーダーだったので,演奏終了後のサイン会では,敬意をはらって,ジョンアバに先に声を掛けて,ECM4作("39 Steps","Gateway"2作と"Arcade")にサインはしてもらったのだが,リーダー以上に,私はMarc Coplandのファンなのだ。ということで,持って行ったCoplandのアルバムはこの4枚。Ralph Townerとのデュオとか,New York Recordingsも持って行けばよかったかなぁ。となるとやり過ぎだと思って4枚にしたのだが,それでも普通の人からすれば行き過ぎなんだろうなぁ。FBには既にアップしたMarcと私の写真だが,後ろ姿でも幸福感がにじみ出してるねぇ。ちょっと恥ずかしくもあるが,笑ってしまうなぁ。

2014年10月21日 (火)

John Abercrombieライブの戦利品(取り敢えず)。

39_steps001_2 John AbercrombieがCotton Clubに出演するのは久し振りのことのようである。ライブの会場においても,確かに老けたなぁって気がしたが,もう70歳近いのだから当たり前と言えば当たり前である。次はいつかもわからない(あるいはもう来れない?)ということもあって,今回の参戦となったが,ジョンアバだけだったら行っていたかどうか...。今回の私の参戦へのモチベーションを高めたのは,ジョンアバには悪いが,Marc Coplandだったのだ。

今日は夜も更けたので,ご両人のサイン入り最新作"39 Steps"のジャケのアップだけにして,ライブの模様については改めてご報告とするが,正直なところ,かなり危なっかしいところもあったジョンアバであった(苦笑)。だが,彼の生を見ることは,それはそれで意義があったと言っておこう。彼が親指弾きってのがわかっただけでも価値があるってもんだ。それにも増して,Marc Coplandである。なるほど,こういうタッチだったのかと思っていた私だが,詳しくは改めて。でもやっぱり好きだなぁ,Marc Copland。ナイス・ガイだったし(笑)。

2014年10月20日 (月)

長年音楽を聞いていても,縁のなかったGary Burtonの"Duster"

Duster "Duster" The Gary Burton Quartet (RCA)

お題の通りである。このアルバムは,私がジャズを聞き始めた頃には,既に廉価盤で出ていたような気がする。初出は1967年ぐらいだから,70年代後半にはリリースから10年以上経過していたことになる。だが,不思議なもので,今の今まで,このアルバムを聞いたことがなかったのだが,昨今の廉価盤ラッシュの中で,ようやくゲットした1枚である。

ではなぜ,このアルバムを聞くのを躊躇してきたのか?この作品に限らず,BurtonとLarry Coryellの共演作は何かと言えば,Larry Coryellのロック・タッチのギターが大きく取り上げられていたように思えるのだが,その辺りに若干の抵抗があったのかもしれないが,今の耳で聞けば,これのどこがロック的なのか,私には全く理解できないと思えるほど,ごくごく普通のジャズに聞こえてしまう。それが長い年月の中で,様々な音楽が出てきたことのメリットであるようにも思えるが,いずれにしても,私にはロック的な要素はほとんど感じられないというのが正直な感想ではあるが,音楽そのものは誰がどう聞いてもGary Burtonだよなっていうことは間違いのない事実である。Burtonのスタイルは60年代から確立していたことを強く感じさせる。

それにしても,帯にも書いてあるが,「チョーキングやフィードバック奏法を駆使した」なんてことが,ロック的だと思われること自体に時代を感じざるをえない。もちろん,それまでのジャズの奏法としてはそうしたギター・サウンドってのはなかったかもしれないが,それを導入するだけで大騒ぎされること自体が,もはやありえないことなのだ。今の耳からすれば,現在はエレクトリック専門のSteve Swallowがアコースティック・ベースを弾いていることの方が新鮮に響くと言っては言い過ぎか。

だからと言って,この作品が悪いものとは全然思っていなくて,これが実によく出来たアルバムであり,リリカルな部分と,スリリングな部分をいい塩梅に融合させたものだと思えた。いずれにしても,リリースされてから50年近く経つ本作をこれまで聞いたことがなかったっていうのはやっぱりまずかったかなぁなんて思った私である。反省も込めて星★★★★☆。

Recorded in April, 1967

Personnel: Gary Burton(vib), Larry Coryell(g), Steve Swallow(b), Roy Haynes(ds)

2014年10月19日 (日)

Tim Hauserを偲んで,マントラを。

Bodies_and_souls "Bodies And Souls" The Manhattan Transfer(Atlantic)

昨日,Tim Hauserの訃報をお知らせしたが,彼らの絶頂期は70年代後半から80年代半ばぐらいではないかと思っている。正直なところ,彼らの音楽に夢中になったのは"Vocalese"が最後と言ってもよいだろう。その後もアルバムは何枚か買っている(ちなみに最後に私が購入した彼らのアルバムは"The Chick Corea Songbook")が,彼らの音楽への興味が以前のように私の中で盛り上がることはなかった。なので,私は彼らのアルバムをこのブログでも数枚取り上げているが,総じて点が辛めなのである。だが,彼らがジャズ界で果たした役割は評価しなければならないし,少なくとも,オーディエンスのすそ野を広げたことは間違いない。

一方,彼らは何でも出来てしまうというところが仇となって,アルバムとしては一貫性に乏しい作品が多くなってしまっているのがやや残念というところではある。今日,Tim Hauserを追悼する意味で聞いているのは"Bodies And Souls"だが,このアルバムもそうした部分があることは否めない。だが,このマントラのアルバムの中でも,かなりポップな感覚の強いアルバムを聞いて,やはり優れたグループであったことは間違いないなぁと思ってしまった。おそらく,この作品は彼らのポピュラリティが日本で最大化している頃の出たもので,今となっては信じられないことだが,彼らのサントリーのCMに出てきて"American Pop"を歌っていたのだから,凄い時代である。特定の年代以上の人ならわかるが,「ブランデー,水で割ったらアメリカン」という訳のわからんキャッチ・コピーであった。

それはさておき,マントラのリーダーとしてのTim Hauserの役割は大きなものであったと考えれば,やはりここはちゃんと追悼するのが筋である。私は,それでも"Down South Camp Meetin'"がどうしてもこのアルバムの流れを分断しているように思えてしまうのが事実ではあるが,それでもこのアルバムの持つポップさは結構好きである。もちろん,ジャズ・コーラスとしてはポップ化し過ぎているということも言えるわけだが,非常に楽しいアルバムだと思う。

マントラの音楽は,技量は十分でありながら,決して深刻になるようなことのない音楽として,いろいろな場を盛り上げてきたと思うが,そうしたことを再評価しつつ,改めてTim Hauserのご冥福をお祈りしたい。

2014年10月18日 (土)

追悼,Tim Hauser

Manhattantransfer_3_2 Tim Hauserが亡くなったそうである。Tim Hauserと言えばManhattan Transferとなるが,彼らが作り上げたハーモニーは不滅だと言っておきたい。気がつけば彼も72歳だったとのことだが,ビルボードでのライブも予定されていたことから,急死ということになろう。公演は代役を立てて実施されるようだが,結果的にそれはHauserの追悼公演となろうが,本日のところは,彼,そして彼らの功績,業績を改めて噛みしめることとしたい。

R.I.P.

2014年10月17日 (金)

90年代,Andy Summersはフュージョンであった。

Charming_snakes "Charming Snakes" Andy Summers(Private Music)

このアルバムがリリースされたのは1990年か91年のはずだが,私はその頃在米中の身であった。このアルバムも何の気なしに買ったのだが,PoliceのAndy Summersが全編インストで演奏し,完全にフュージョン化しているのには驚いたものである。かつ,このアルバム,メンツが結構豪華なのだ。以前,このブログで取り上げたことのある"World Gone Strange"と同様(記事はこちら)である。

だが,これが一般に受けたかというと必ずしもそうではなかったように思う。このアルバムのリリース後,Andy Summersは自身のバンドとMichael Brecker Bandのダブル・ビルでNYCのタウン・ホールに出たのだが,第一部がBreckerのバンド,第二部がAndy Summersのバンドという順番で出ていた。演奏していたのはこのアルバムからの曲が多かったはずである。しかし,Summersのバンドが演奏をしている途中で,実はかなりの数の聴衆が席を立ってしまったのである。それは彼らがひどい演奏をしたというわけではなく,BreckerのファンにとってはSummersの演奏なんて関心の対象外だったということなのかもしれないが,私は席でそうした聴衆の反応を見ていて,Summersが可哀想になってしまった記憶がある。多くのジャズ寄りの聴衆はおそらくAndy Summersはロックの人だという意識が強かったのではないか。だが,ここで聞かれるような,ややハード目のフュージョンが悪かったとは決して思っていなかった私である。

そんな記憶もある私だが,このアルバムを聞くのは実は久しぶりで,メンツも記憶から飛んでいた(笑)。でも真面目にフュージョンに取り組むAndy Summersの演奏は結構レベルが高いと思うのだが。でもやっぱりパブリック・イメージとしてはPoliceのAndy Summersだから仕方なかったのかなぁとも思える。だが,彼の名誉のために言っておけば,Michael Breckerは私があまり評価していない"Now You See It, Now You Don't"期のライブだったので,どちらかと言えば私はSummersバンドの方が好きだったかなぁ。でももう20年以上前なので,記憶が曖昧である。とにかく,第2部で客がどんどん帰ったことだけは鮮明に覚えているが...。

Mark Ishamの参加は意外な気もするが,サウンド的にはここでの音楽にフィットしていて,相性はいいと思える。今となってはこのアルバムもマイナーなものになってしまったかもしれないが,無視されるには惜しいアルバムだと思う。星★★★★。メンツではChad Wackermanがここでもいい仕事ぶりを示している。

Personnel:  Andy Summers(g, banjo), Doug Lunn(b), Darryl Jones(b), Sting(b), Chad Wackerman(ds), Brian Auger(key), David Hentschel(key), Herbie Hancock(p, key), Ed Mann(perc), Bill Evans(ts, ss), Mark Isham(tp)

2014年10月16日 (木)

久々のブラック・ホーク99選からTony Kosinec。

Tony_kosinec "Bad Girl Songs" Tony Kosinec(Columbia)

私の音楽的な嗜好には私の従兄の影響があることは以前にも書いたことがあるが,彼からもらったブラック・ホークのディスク紹介のペーパーは,私にとって結構重要な役割を果たしていたと思う。だからこそ,ブラック・ホークの99選は,私にとっては重要なディスク・ガイドであったが,長年音楽に接していると,その中でも自分の趣味に合うものと合わないものがはっきりしてくる。私はトラッド系の音楽よりも,所謂シンガー・ソングライター系の音楽を好む傾向が強いことははっきりしている。それもどっちかって言うと渋い声質の歌手の方が好みである。

だが,このTony Kosinecの傑作(そして99選にも選ばれている)については,渋いというよりも,私は瑞々しいと言いたくなる歌唱であり,演奏である。これはKosinecの声質による部分が大きいが,1970年にリリースされた作品が,40年以上経た今でもなおそうした瑞々しさを保っていることが素晴らしい。音楽における「エヴァー・グリーン」ってこういうのを言うんだよねぇと感じてしまう。

名匠Peter Asherによるプロデュースによる本作は,演じるメンツも最小限の編成ながら,Tony Kosinecの声や曲を活かす演奏ぶりで,それだけでも嬉しくなってしまう。今の時代に考えれば,この人が歳を取ったらどういう声になってしまうのかというようにも考えてしまうが,そういう邪念を抱かせないほど魅力的な歌,魅力的な声,魅力的な曲である。

それこそ,私の性格をご存知の皆さんからすれば,なんであんたがこんなアルバムを愛でているのだ?と疑問視されること必定であるが(笑),好きなものは好きなのである。私はいろいろなタイプの音楽を聞くが,それこそ古楽を聞いているのも「なんでやねん?」と言われるだろうし,こうした音楽を聞いているのも「なんでやねん?」となっても仕方がないとは思っても,私の人生を振り返れば,こうした音楽は私の中で非常に大きな要素を占めてきたのだから仕方ないのだ。

私にとっては,SSW系のアルバムで,これが最高だという評価にはならない部分もあるし,一部にポップささえ感じさせる(特に"'48 DeSoto"に顕著)ところは「99選」においては珍しいような気がしないでもない。だが,全編を通してみれば,この佳曲揃いのアルバムの魅力に抗うことは私には無理なのだ(LPであれば,両面の最後の曲は若干私にとっては鬼門だが...)。今回,気まぐれで久しぶりに聞いてみたが,初めて聞いた時のようなフレッシュさを今でも保持していると思えたことがまさに驚きであった。それこそ,Kosinecの声とアコースティック・ギターの音に甘酸っぱい思いさえ感じてしまった(爆)。繰り返すが,何年経ってもいいものはいいということを再認識させられる傑作。星★★★★☆。ちなみにライナーにはいいことが書いてある。"Tony Kosinec's songs give new voices to an old, but timeless vision." おっしゃる通り!としか言いようがない。

Personnel: Tony Kosinec(vo, g), Maribeth Solomon(p, fl), Russ Kunkel(ds), Mark Lams(b), Zal Yonovsky(g)

2014年10月15日 (水)

メンツも凄いが,ほとんどフリー・ジャズ化したナベサダにびっくりする。だが,アルバムとしての評価は...。

Round_trip "Round Trip" 渡辺貞夫(CBSソニー)

後のフュージョン化したナベサダから彼の音楽に触れてきた私である。最初に買った彼のアルバムはFlying Diskレーベルの"My Dear Life"だったと記憶しているが,その後,Dave Grusinとのコラボやワーナー時代の音源に親しんだ身からすれば,これはびっくりするような音楽だと言えよう。

メンツが強烈で,Corea~Vitous~DeJohnetteというリズム・セクションというだけで,ナベサダなしでも聞きたくなるが(爆),録音されたのが1970年ということで,Chick CoreaとJack DeJohnetteにとってはMilesとのLost Quintetから"At Filmore"のような時期である。データからすれば,"At Filmore"からほぼ4週間後ぐらいだから,どんな音楽になるかは推して知るべしであるわけだが,それにしても激しい。ほとんどフリー・ジャズである。

そして,なんとも不思議なのが,ナベサダの主楽器であるアルトでなく,ソプラニーノとフルートしか吹いていないことである。私はソプラニーノについては,いつも「チャルメラかっ!?」と毒づいている(と言っても,このブログに書いたことはないかなぁ)ので,ここでもソプラニーノにこだわる必要はないのにと思ってしまったが,まぁ,フリー的な対応にはアルトよりも,ソプラニーノの方がサウンドとしてフィットしているという判断もあったかもしれない。とにかく冒頭のタイトル・トラックには驚かされる。2曲目の"Nostargia"はインタルードのような扱いと思えばいいが,3曲目はお馴染み"Pastorale"であるが,この曲でも,メロディ・ラインは保っているものの,フリー的なアプローチが続くが,やや演奏には破綻が生じてくる。私がVitousのアルコの音があまり好きでないということもあるかもしれないが,私はこの演奏なら,ナベサダとDeJohnetteの1対1の対決のシーンもあってよいように思ってしまう。そのぐらい,ChickのピアノとVitousのベースの「適当」感が強い。まぁ,よく言えばコレクティブ・インプロヴィゼーションであるが,奏者の間の連関が希薄なところに中途半端さを感じてしまう。その中ではDeJohnetteはちゃんと仕事をしているように感じられるが,これはタイトル・トラックに比べるとちょっとなぁっと言うべき演奏である。

そして,最後の"Sao Paulo"にはUlpio Minucciなるピアニストが参加しているのだが,大した効果は生んでいないのだから,ChickのRhodesだけでいいじゃないかと言いたくなるのは私だけではないだろう。

だからと言って,このアルバムが捉えた1970年という時代感は否定しないが,アルバムとして捉えれば,プロダクションには問題があると言いたくなる作品である。LP時代であれば,おそらく私はA面しか聞かなかったであろう,そんなアルバム。星★★★。私は本作よりは,以前取り上げた"Swiss Air"の方を評価したい(記事はこちら)。まぁ,1,000円そこそこで買えるんだから,文句はないが(笑)。

Recorded on July 15, 1970

Personnel: 渡辺貞夫(sn, fl), Chick Corea(p, el-p), Miroslav Vitous(b), Jack DeJohnette(ds), Ulpio Minucci(p)

2014年10月14日 (火)

「く~っ」としか言えなかったMarcin Wasilewskiの新作。たまらん。

Spark_of_life "Spark of Life" Marcin Wasilewsuki Trio with Joakim Milder(ECM)

常々からECMにおけるMarcin Wasilewskiの作品の素晴らしさを喧伝してきたつもりの私である。そんなWasilewskiの新譜であるから,期待するなって方が無理である。そもそも,今年は既にJacob Youngのバックでいい仕事を聞かせていたこともあり,このアルバムのリリースが告知された段階で,私としては最大級の期待を寄せてしまった。ただ,今回はテナーが入るというのが唯一の不安要因であったが,冒頭の"Austin"を聞いた瞬間から,そんなことはどうでもよくなった(笑)。

この"Austin"を聞いて,「おぉっ!」とならないMarcin Wasilewskiのファンはいないはずだと断言したくなるほど,まずこれで心を鷲掴みにされてしまった私である。これだけで,「もうどうにでもしてっ」と言いたくなる(爆)。2曲目の"Sudovian Dance"になってテナーのJoakim Milderがジョインしてくるが,これが昔のECMならJan Garbarekが吹いていたのではないかと思わせるような感じの曲だが,Milderのテナーは名前の通り(?),Garbarekよりずっとマイルドである。だが,そんなことは関係なしに,また,サックス奏者がGarbarekであろうがなかろうが,こうしたトーンがECMレーベル好きにはたまらないのだ。

全編を通じて,そんな感覚が溢れているし,テナーも全面参加ではないのだが,意表を突いた選曲もある。まずはSting,あるいはPoliceと言うべきかもしれないが,"Message in a Bottle(孤独のメッセージ)"を演じていること,更にびっくりするのがHerbie Hancockの「ど」ファンク・ナンバー"Actual Proof"をやっていることである。どちらにもテナーが入っていないことが象徴的ではあるが,前者は比較的静謐な感じでやっている一方,後者はほんまにこれがWasilewskiか?と思わせるようなタッチとも感じさせる。逆に言えば,このアルバムのコンセプトとの対極にあるようなのが"Actual Proof"って感じがするが,アルバムの中のアクセントと考えれば,これはこれでありだと思える。ただ,どうやってもHancockとは別の世界になってしまうのが彼ららしいところだが,それでもこの曲だけは「なんでやねん?」という突っ込みが入っても仕方があるまい。おそらくは,過去において,Wasilewskiトリオの面々に多大な影響を及ぼしたがゆえの選曲っていうのが実態だろう。こういう選曲をしてしまうところには,Brad Mehldauにも通じる部分があるように思える(贔屓の引き倒し?)。

だが,いずれにしても,このアルバムがECMレーベルを愛好するオーディエンスのみならず,より多くの人々に訴求しうる音楽であるということは間違いのない事実である。これは私がMarcin Wasilewskiというピアニストを高く評価しているだけではなく,このトリオ(+1)の演奏が本当に優れた美学を表出しているからである。正直なところ,前回の来日公演ではちょっと裏切られたっていう感覚もあったが,この世界であれば,全然問題なしである。再来日とその時のより優れたライブ演奏への期待も込めて星★★★★★としてしまおう。やっぱりこの人たち,最高である。私はMarcin Wasilewskiトリオの演奏が嫌いだという人と,多分一生話は合わないだろうなぁ(笑)。

Recorded in March, 2014

Personnel: Marcin Wasilewski(p), Slawomir Kurkiewicz(b), Michal Miskiewicz(ds), Joakim Milder(ts)

2014年10月13日 (月)

恥ずかしながら,板橋文夫の「渡良瀬」を初めて聞いた。

Photo 「渡良瀬」 板橋文夫(日本コロムビア)

このアルバムの世評が高いことは重々承知していたのだが,これまで接する機会に恵まれてこなかった(換言すれば,自発的に聞こうとしなかった)。暫く,廃盤状態にあったということもあるが,再発盤の値段も下がっていたので,買ってみるかってことでの購入と相成ったわけだが,これがすこぶる付きの素晴らしいアルバムであった。

最初の3曲は大スタンダードにDollar Brandのオリジナルをはさむというかたちで,その後に板橋のオリジナル4曲が配置されているが,このバランスがまずよい。冒頭の"Someday My Prince Will Come"のイントロを聞いただけでは,この曲だと認識することは難しいが,メロディ・ラインが現れて,それでつかみはOKという感じなのだ。更にDollar Brandの"Msunduza"がスピリチュアルな感覚と,山下洋輔的なフリーなアプローチを合体させてこれまたよい。続く"I Can't Get Started"はブルージーな感覚が素晴らしい。ここまででもいいのだが,板橋のオリジナル4曲に入って,これがまた更に痺れる出来である。

「利根」はいかにも日本的な音階を感じさせるものであり,一聴すると穐吉敏子的なものも感じさせるが,まさに利根川の流れを示すが如き,ゆったりしたメロディ・ラインから徐々に熱してくる感覚が魅力的に響く。ソロはMcCoy Tynerのようにも響くが,かなり日本的なMcCoyである(笑)。

ここまでが,LPで言えばA面に相当するはずだが,これだけでもいい作品であることはわかるとしても,私がLPを保有していたとすれば,B面ばかり聞いていたのではないかと想像させる部分がある。タイトル・トラック「渡良瀬」も最後に収められた"Goodbye"も,板橋文夫が森山威男ともやっているので,ある意味有名曲なのだが,この2曲の魅力は認めつつも,結構私がしびれてしまったのが,間に挟まれた"Miss Cann"だったのである。これが実に魅力的な曲で,どこかで聞いたような気になってしまうような気もするが,ついついのめり込んでしまう,そんな曲である。しかし,だからと言って前半4曲の魅力が下がるわけではなく,アルバムを一気に聞かせる魅力を持った作品だと言える。板橋オリジナルでB面を聞くのもよいが,A面の魅力も決してないがしろにしてはならないと思わせるのだ。これには正直まいった。ということで,今まで聞いてこなかったことを反省して星★★★★★。

まさに,何を今更言ってんねんと言われれば,返す言葉はないが,この歳になってこの音楽を聞いたとしても,全く聞かずに済ませることがなくてよかった~と思っている私である。いずれにしても,これって傑作だと思った私である。たまたまであるが,このアルバムが録音されたのが,今から33年前の昨日と今日だということにも因果を感じてしまう。

Recorded on October 12 & 13, 1981

Personnel: 板橋文夫(p)

2014年10月12日 (日)

Steve Grossmanのライブのセットリストはこんな感じ。

Steve_grossman_at_someday001 10/10のSteve Grossmanのライブは昨日もご報告の通り,熱心なファンでほとんど満杯という状態であった。私が会場前で,開場を待っていると,Steveが出てきて,「リハが終わったんで,シャワーを浴びてくるぜい」と言いながら出てきたのだが,一瞬,酔っ払ってんのかいと思ったというのが正直なところであったが,予定時間からほんの少し遅れて始まった演奏は,そんなことを全く思わせないものだった。

演奏したのはお馴染みのスタンダードとSteve Grossmanのオリジナルってところで,まぁ,セッション的に対応しても全然問題なかろうっていう感じの曲であったが,バックを務めた日本人トリオも好演で応え,会場も非常に盛り上がっていたと思う。

10/10のセットはおそらく下記の通りで間違いないはずである。

1stセット
1. Blues Walk
2. Like Someone in Love
3. Soultrane
4. You Stepped Out of My Dream
5. Take the D Train
6. 415 Central Park West
7. Oleo

2ndセット
1. I Want to Be Happy
2. Out of Nowhere
3. In a Sentimental Mood
4. Love for Sal
5. Bag's Groove
6. Impressions
7. I Remember You
8. Star Eyes

これらの曲の中で,Steveのオリジナルである"415 Central Park West"は,Steveが「音楽の師」と当日も呼んでいたElvin Jonesの旧住所から取られたタイトルだそうである。へぇ~って感じである。"Love for Sal"は「"Love for Sale"じゃねぇよ,"Love for Sal"だよ」なんて言っていたSteveであるが,Sal Nestico(よき友人だったと語っていた)に捧げられたナンバーというのが意外と言えば意外な気がした。どの演奏もなかなかよかったと思うが,そのうちでも印象深かったのは,当たり前によかった"Soultrane",更には「至上の愛」を引用した"Take the D Train",フレージングと音がマッチした"Out of Nowhere",そして,途中でややテンポを上げて演奏した"In a Sentimental Mood",そしてはまり過ぎの"Impressions"あたりだろうか。ほとんどの曲では座ったまま演奏していたSteveだが,熱くなると立ち上がるって感じだったかもしれない。"Impressions"はまさにそんな感じであった。

昨日も書いたが2ndの終盤2曲ではジャム・セッションということで,ホーン・プレイヤーはいないのかってことで,会場からの参加を促したSteveであったが,ベース・プレイヤーだけが交代というかたちで演奏は行われた。ここに私の同僚にして日本最強のサラリーマン・サックス・プレイヤー,「こやぎ@でかい方」がいればと私は思っていたが,現在,こやぎさんは海外出張中ということで,それはかなわず。しかし,Steveは来週もSomedayでやるはずなので,「そのためだけにも帰国したら?」なんて煽りたくなってしまった。

いずれにしても,日頃レギュラーでやっていなくても,こうした演奏が展開できるところが,ジャズ・ミュージシャンの素晴らしいところで,Steveとバックの面々のアイ・コンタクトを見ているだけでも楽しかった。今回,Steve Grossmanの来日は27年振りということだが,次はあるのか?と思いつつ,やっぱり見ておいてよかったわというライブであった。先日のPat Metheny Unity Groupのライブとは対極にあるようなライブではあるが,同じジャズというフィールドの中で,こうした演奏を3日のうちに2回聞けたことは本当に幸せである。ということで,昨日のもう1枚の戦利品の写真もアップして,今回のライブのご報告としたい。Steveには次はもっと短いインターバルで日本に来て欲しいものだ。

Live at Someday on October 10, 2014

Personnel: Steve Grossman(ts),関根敏行(p),河上修(b),久米雅之(ds)

2014年10月11日 (土)

Steve Grossman観戦記と戦利品:取り敢えずご報告

Steve_grossman_live 新宿のSomedayでSteve Grossmanのライブを見てきた。チケットを入手した頃は,入りが心配だと言われていたのだが,ふたを開けてみればほとんどフルハウスである。「元ジャズ研」,「現ジャズ研」と思しき面々も多数で,ミュージシャンズ・ミュージシャンなのかなぁとも思わせたが,27年振りの来日に心躍らせて現地に向かったオーディエンスは少なくないはずである。いずれにしても,平均年齢が相当に高かったのはご愛嬌である。

Steve_grossman001

そして,痺れるような音色,フレーズを聞かせたSteve Grossmanであった。今日は夜も更けたので,Somedayでのライブの様子と,戦利品の一部の写真のみアップである。戦利品はなぜこれかと言えば,このレコーディングが行なわれた時に,私はSweet Basilに行っていて,このレコーディングに立ち会ったからである。Steveにこれを見せたら「おぉっ,これはフランスのレーベルに吹き込んだ奴だな。ドラムスはArt Taylorだったな。」と懐かしそうにしていたのが面白かった。ということで,どうなっているのか不安もあったが,Steve GrossmanはどうやってもSteve Grossmanであったということである。詳しくは改めてとするが,2ndセットの終盤にジャム・セッションの機会があって,ここに「こやぎ@でかい方」がいれば,絶対面白かったのにと思っていた私である。どうしてこんな時に日本にいないのか(爆)。

2014年10月10日 (金)

懐かしのSantanaのファースト・アルバム(レガシー・エディション)におけるWoodstockライブ音源

Santana_legacy_edition "Santana(Legacy Edition)" Santana (Columbia)

新橋のテナーの聖地「Bar D2」でよくご一緒させて頂くMさんはロック好きな方である。一度,宇田川町のブート屋にご一緒させて頂いた際にはSantanaのブートDVDをお買い上げになられていたような気がする。あるいは既にお持ちだったか?ということで,今日はSantanaである。

思えば,私がSantanaの音楽に触れてから随分な時間が経過したものである。最初に聞いた記憶があるのはラジオで流れていた"Black Magic Woman"だったと思うが,チャート・アクションを気にし出して,自分で聞くようになったのは「哀愁のヨーロッパ」の頃,あるいはアルバム"Festival"の頃ではないかと思う。ラジオは私が小学校の高学年,レコードは中学生の頃だから,それからほぼ40年が経過している。それ以降,つかず離れずの関係は維持しつつ,今となっては"Caravanserai"こそ彼らの最高傑作だったと信じて疑っていない。もちろん,ほかにも好きなアルバムはあるが,どれか一枚と言われれば,躊躇なく"Caravanserai"を挙げるだろう。

いずれにしても,私は過去に遡及していくかたちでSantanaの音楽を聞いていったのが実態だが,何だかんだでSantanaは好きなんだろうと思う。今や,結構な枚数のCDを保有するに至ったわけだが,今日取り上げるのはこのファースト・アルバムだが,アルバム本体よりも,その「レガシー・エディション」に収められたWoodstockのライブの模様について書いてみよう。

今や伝説となったと言ってもよいWoodstockのフェスティバルにおいては,まぁジミヘンの演奏が最も象徴的なものとして記憶されているかもしれないが,この時のSantanaの演奏は,まだまだこれからシーンに出ていこうという勢いを感じさせるものであった。今回取り上げるレガシー・エディションにはその時の演奏が7曲収められている。当日はCD収録の7曲に加えて"Evil Ways"を加えた8曲を演奏したようだが,どうせだったら全曲収めればいいのにと思うのはきっと私だけではないだろう。まぁ,それでも当日の演奏はほとんどここで聞けるから,特に文句はない。

そしてこの音源を聞くと,まさに当時の"Rising Star"としての彼らの位置づけがはっきりしてくるように思える,そんな演奏である。もちろん,ライブゆえの荒々しさもあるが,その荒々しさが原初的なロックの魅力をオーディエンスに感じさせていたのではないかと思える。それにしても,Chepitoだけでなく,Mike Shrieveや後にJourneyの創設メンバーとなるGregg Rolieを擁していたという強力なバンドであったことを再認識。弱点を感じさせるとすれば強力なヴォーカリストに不在のみってところだろう。

ということで,Woodstockの時のライブの模様のビデオを貼り付けておこう。曲は"Soul Sacrifice"と,音源から洩れた"Evil Ways"の2曲。尚,データはWoodstockの時のもの。

Recorded Live at Woodstock Music & Arts Festival on August 16, 1969

Personnel: Carlos Santana(g, vo, perc), Gregg Rolie(vo, key, perc), David Brown(b), Michael Shrieve(ds), Jose "Chepito" Areas (perc, tp), Mike Carabello(perc)



2014年10月 9日 (木)

PMUGライブ参戦記。取り急ぎ速報。

Patmethanyunitygroup すみだトリフォニー・ホールにおけるPat Metheny Unity Groupのライブに行ってきた。今回,チケットの発売後,すぐに申し込んだわけではなかったのだが,届いたチケットは最前列,私から2~3m先にクリポタ,7m以内にMethenyもBen WilliamsもAntonio Sanchezもいるというウハウハな状態でのライブとなったが,まさにかぶりつきだったので,正直言ってクリポタのサックスは生音が聞こえていたと思っている。もうそれだけで昇天寸前なのだが,クリポタのえげつないフレージングの数々に,私と,横にいらしたイタリア・ジャズの女王さまは「クリポタ,クリポタ...」と念仏のように唱えていたのであった(笑)。"Two Folk Songs",はまり過ぎである。

クリポタに限らず,このバンド,全員の技術が半端ではないので,それこそ目が点状態がずっと続いていたのだが,やはり凄いバンドである。Methenyはいつもの通りと言ってもよいが,Antonio Sanchezの煽りの素晴らしさ,Ben Williamsのベースの音,フレージングのよさも感じられる好ライブであった。

演奏にはケチのつけようはなかったのだが,ファンであることは認めるとしても,やたらに奇声を上げる輩がいたのを冷めた気分で眺めていた私である。何でもかんでも奇声を上げればいいってものではないと思うし,"Rise Up"における手拍子が全然合ってないのを見て,ますます冷めた私であった。"First Circle"のようにお馴染みの曲であれば,手拍子も合わせられようが,今回が日本では初のライブでの披露となった"Kin"からの曲で,無理矢理手拍子を合わせようとすることに無理があった。全然合ってないんだからやめればと思っていたのは私だけではあるまい(苦笑)。

そうは言いながら,それはミュージシャン側の責任ではない。演奏自体はまさに立派。あれだけ緻密な音の"Kin"の再現をしてしまうことには驚きの念を禁じ得ない。本当に大した人たちである。ということで,今日は時間がなくなったのでこれぐらいにしておくが,満足度の高いライブであったことは間違いのない事実である。本当に凄いバンドだ。新加入のGiulio Carmassiは出番としては控え目な感じもあったが,サウンド・カラーという観点では,もう少し前面に出てきてもよいように感じた。そこはやっぱりLyle Maysを立ててるのかなぁって気もするが。いずれにしても,今回のライブについては改めて記事にしたいと思う。あるいはそう思わせるナイスな演奏であった。

Live at すみだトリフォニー・ホール on October 8, 2014

Personnel: Pat Metheny(g, g-synth, orchestrionics), Chris Potter(ts, b-cl, ss, a-fl, g), Antonio Sanchez(ds, cajon), Ben Williams(b), Giulio Carmassi(key, tp, whistling, vo)

2014年10月 8日 (水)

Charlie Haden盤とは全く異なるHampton Hawes。違い過ぎやろ(笑)。

Hampton "Playin' in the Yard" Hampton Hawes(Prestige)

先日,Charlie HadenとHampton Hawesの共演盤について記事にしたところであるが,70年代のHampton Hawesって聞いたことがないなぁって思いつつ,ネットでHawesがRhodesを弾いているライブ盤があるという情報をゲットして,値段も手頃だったのでゲットしたアルバムである。現在,本作は,"Northern Window"と2 in 1のCDが外盤で入手可能であるが,単体では出ていないようである。ということで,私はその2 in 1からこちらの演奏だけを抽出してまずは聞いてみた。

本作は1973年のモントルーにおけるライブであるが,編成はコンベンショナルなピアノ・トリオであるが,HawesはピアノとRhodesの二刀流だが,Rhodesをメインに弾いているし,ベースのBob Cranshawはエレクトリック・ベースに徹している。なので,出てくる音は推して知るべしであるが,Charlie Hadenとの"As Long as There's Music"と同じピアニスト?と思わせるほど,違う個性のHawesのピアノが聞ける。まぁ,昔ながらの演奏をRhodesでやるとこんな感じにはなるかもしれないので,むしろこちらがHawesの本質と思わせる。

Rhodesは弾いているが,演奏そのものはグルーヴィーなピアノである。私のようなRhodes好きには全然問題ないのだが,このサウンドが嫌いなリスナーには何がいいのかわからんと言われそうな音である。だが,昨今で言えば,これはレア・グルーブに近いかたちで捉えられるのではないかと思えるような演奏で,音楽の質はさておき,プレイバックするとのせられちゃうなぁって感じである。だから,こういう音楽については小難しいことを言ってはならないのであって,演奏の持つグルーブ感に身を委ねればよいのだ。そうは言ってもドラムスはベテランKenny Clarkeなので,そんな突飛なことにはならず,ある程度コンベンショナルな範囲に収まりつつも,Rhodesにより,グルーブ感が増していると聞こえるアルバムである。

まぁ,ジャズの歴史上では大した意味を持たないアルバムでも,これに価値を見出す人もいるところが,やっぱりレア・グルーブだな(笑)。Rhodes好きの私には星★★★☆だが,普通なら星★★★ってところだろう。

Recorded Live at Montreux Jazz Festival on July 7, 1973

Personnel: Hampton Hawes(p, el-p), Bob Cranshaw(b), Kenny Clarke(ds)

2014年10月 7日 (火)

Patti Smithの"Twelve":なぜ私はこのアルバムを聞かずに放置していたのか...?

Patti_smith_twelve "Twelve" Patti Smith(Columbia)

実を言うと,このアルバムを保有していたことをすっかり失念していた私である。買ってから一度でもプレイバックしたことがあるのか?と聞かれると"Yes"と答える自信がない(爆)。それがなぜなのかは全くわからないのが情けないが,いずれにしても,この優れたカバー・アルバムを放置してきたことを悔やんでいる私である。ライブにも足を運び,彼女のアルバムをプッシュしてきたにもかかわらず,この体たらくと言われても言い訳不能である。

ということで,自戒の念を込めてちゃんと聞いてみた。収められている曲は多岐に渡るのだが,結構有名な曲ばかりであり,それが意外と言えば意外に思えるが,それでも何を歌っても,Patti Smithの世界に変えてしまうのが,この人の凄いところである。よく知られている曲と言っても,The Beatlesについては"Within You, Without You"を選んでしまうところが渋い。そして,Neil Youngは"Helpless",更にNirvanaの"Smells Like Teen Spirit"という盤石のチョイスと言ってよい曲に並んで,Tears for Fearsの"Everybody Wants to Rule the World"のようなちょっと意外な曲も入っているが,Patti Smithのライナーによれば,その歌詞の「政治的な響き」にシンパシーを感じたとのことである。ライナーをよくよく読んでいると,実に面白いので,このCDをお持ちの方は,是非お目通しを願いたいところである。

そんな中で,はまり過ぎだろうと思ったのが"Gimme Shelter"だが,これがPatti Smithの声にぴったりというか,彼女のための曲と言ったら,Stonesファンの顰蹙を買うかもしれないが,それでも,これは非常に優れた演奏だと思った。本当にぴったりなのだ。これ1曲聞くだけでも価値があると言ってもよいような演奏である。そして,はまっているのが,Stevie Wonderの"Pastime Paradise"。何を歌っても,モノにする人である。

いずれにしても,各々の曲に対するPatti Smithのシンパシーがよく表れていて,これは非常に優れたカバー・アルバムである。反省も込めて星★★★★★である。ごめんね,Patti...(苦笑)。メンツは彼女のバックバンドをコアにしているが,ゲスト多数(Sam Shepardがバンジョーを弾いていたりすることが彼女の曲紹介の中に書いてあるが,いちいち書いていられない)なので省略。

尚,ジャケットに写っているのはRobert MaplethorpeがPattiの21歳の誕生日に贈った自作のタンバリンだそうである。なるほど。

2014年10月 6日 (月)

よくある企画であるが,やはり避けて通れないSmokey Robinsonの新譜

Smokey_and_friends "Smokey & Friends" Smokey Robinson(Verve)

既に大御所となった歌手が,人気ミュージシャンを集めてデュエット・アルバムを作るっていう企画はFrank Sinatraが最初かなって気もするが,その後もLuciano Pavarottiやら,Tony BennettやらDionne Warwickやらと枚挙に暇がない。よって,同趣旨で作られた今回のSmokey Robinsonのアルバムも,企画としては安易と言われればその通りである。だが,約5年前に彼の最新作であろう"Time Flies When You're Having Fun"を激賞した私(記事はこちら)としては,彼の「現役感」を信じているので,今回も避けて通るわけには行かなかった。

それでもって,収められた曲はSmokey Robinsonの代表曲みたいなナンバーが並んでいる。そこにほぼ適材適所で配置されたゲストとの歌を嬉々として歌うSmokeyの姿が目に浮かぶようである。私としては冒頭の"The Tracks of My Tears"のElton Johnにはピンと来なくて,これは失敗だったかと思う(というか,Elton Johnはほかのゲストに比べると明らかにミスキャストと感じる)のだが,Steven Tylerが出てきて"Your Really Got a Hold on Me"をロック感たっぷりに歌うのを聞いて,軌道修正はOKである。

このアルバム,Smokeyははっきり言って,きっちりゲストを立てていて,Smokey & Friendsって言うより,Guest with Smokeyみたいな感じもするが,それがSmokey Robinsonの人柄ってことになるかもしれない。だが,いずれにしても,彼の名曲の数々を人気シンガーたちと歌っていれば,そもそもが曲の魅力が半端でない曲ばかりなのだから悪くなるはずはない。まぁ,全部が全部いいというわけでもないし,企画も安易ではあるが,結構楽しめてしまうアルバムではある。ちょっと甘いと思いつつ,星★★★★ぐらいにしてもよいだろう。

尚,Friendsとしてはジャケには名前は出ていないが,John Mayerが"My Girl"で渋いギター・ソロを聞かせていることは書いておかなければならないだろう。こういうJohn Mayerの控え目なところがいいねぇ(笑)。クレジットは多岐に渡るので,主要なところだけ書かせてもらう。

Personnel: Smokey Robinson(vo), Elton John(vo), Steven Tyler(vo), Miguel(vo), Aloe Blacc(vo), JC Chasez(vo), Jessie J(vo), John Legend(vo), Ceelo Green(vo), Mary J. Blige(vo), James Taylor(vo), Sheryl Crow(vo), Ledisi(vo), Gary Barlow(vo), John Mayer(g)

2014年10月 5日 (日)

見終わった後の清涼感溢れる「ジャージー・ボーイズ」

Jersey_boys 「ジャージー・ボーイズ("Jersey Boys")」('14,米,Warner Brothers)

監督:Clint Eastwood

出演:John Lloyd Young, Vincent Piazza, Erich Bergen, Christopher Walken

この映画はブロードウェイ・ミュージカルの映画化だそうだが,所謂ミュージカルっていうよりも,私にとっては楽しめる音楽映画であった。そして,見終わった後に何とも言えぬ爽やかな気分になれる映画である。こういうのを「いい映画」という。そもそも,Clint Eastwoodがこうした映画を撮ること自体が意外な気もするが,ちゃんとハイ・レベルの映画に仕立てるところは本当に立派である。

主人公はFrankie Valli & the Four Seasonsである。彼らのヒット曲はもちろん私も知っているが,彼らが成功を収めるまでにはこういうことがあったのかなんてのはこの映画で知った。Joe Pesciについても,へぇ~な世界である。もちろん,幾分かは映画的な演出も加えられているとは言え,彼らがグループとして世に出ていく姿を眺めているだけでも楽しい。主演のJohn Lloyd Youngはブロードウェイのオリジナル・キャストだったそうだが,まさにFrankie Valliのごとく歌っているのも素晴らしい。

そして,映画は様々なエピソードを交えて展開していくが,映画の後半での"Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)"を聞いて,音楽的な楽しみと感動はピークに達する。我々の世代はBoys Town Gang版のこの曲の方が馴染みがあるという気もするが,やはりオリジナルの素晴らしさとは違うものだったように思えてしまう。いい曲であり,ここでの歌を聞きながら,うるうる来てしまった私であった(我ながら単純だが...)。更に,Rock'n Roll Hall of Fameにおいて,Four Seasonsが再度集うシーンは,いかにもの演出ながら,ついつい微笑ましい気分でスクリーンを眺めていた私である。

エピローグはミュージカル的な群舞となるが,これは映画として楽しめるだけでなく,音楽的にも非常に密度が濃いと思わせる作品であった。脚本には無理があるところも承知しているが,それでも,この映画を見て嫌いだと言う人は滅多にいるまいと言いたくなるような佳品。さすが,Clint Eastwood。もはや巨匠である。星★★★★☆。本当にこの映画,好きである。

いずれにしても,この映画のサウンドトラック盤は買いだな(笑)。

2014年10月 4日 (土)

中年音楽狂,ぎっくり腰に苦しむ...

約1週間ほど前に腰にチクリと来た嫌な感触があって,まずいなぁと思っていたのだが,案の定,今週になって,腰の状態が悪化してしまった。症状としてはそんなに重くはないのだが,座り続けていると,腰回りが固まってしまって歩くのも億劫になってしまう。そういう瞬間の自分の姿はまさに惨めである。以前,初めてぎっくり腰をやった時は,会議が終わって椅子から立ち上がった瞬間に突然一歩も前に出られなくなるというとんでもない症状だったのに比べれば,今回のはまだまだ軽いが,痛いものは痛いのだ。

現在は,何とかコルセットや痛み止めでしのいでいるが,これも最近増え続ける体重ゆえのことかもしれない。反省して,またジョギングを復活させるしかないという感じか。と言ってもこの状態ではランはきついだろうから,まずはファスト・ウォークだな(笑)。

2014年10月 3日 (金)

中古で拾ったCharlie Haden~Hampton Hawesデュオ

As_long_as_theres_music "As Long As There's Music" Charlie Haden & Hampton Hawes (Artist House→Verve)

先日のAllan Holdsworthのライブ参戦前に立ち寄った中古盤屋でゲットしたアルバムである。そもそも本作は私はLPで保有しているのだが,LPを聞く機会が減っている中,CDでも欲しいなぁと思っていたのだが,中古市場ではとんでもない値段がついていて,とても手が出なかったものだ。しかし,今回は2,160円というリーズナブルな価格だったので,即ゲットしたことは言うまでもない。まぁ,CDにこだわらなくても,ダウンロードなら簡単に手に入るのだが,ついついフィジカルなものにこだわってしまうのが,私の悪い癖である(苦笑)。

本作はJohn SnyderのArtist Houseレーベルからリリースされたものであるが,元はと言えば,Horizonレーベルに吹き込まれた"The Golden Number"に収められた"Turnaround"との同一セッションとそれとは別のセッションの模様を収めたものである。よって,このCDにはその"Turnaround"のほか,別テイク3曲の計4曲がボーナス・トラックとして収録されている。ダウンロード音源にもこれらの別テイクは含まれているので,フィジカルなコピーにこだわらないのであれば,ダウンロードで全然問題ない。

このアルバムの世間の評価は昔から高いものだったと思えるが,やはりデュオ名人,Charlie Hadenと思わせるに十分な作品となっているのはさすがである。Hampton Hawesがこうしたどちらかと言えばリリカルな演奏をすることには,彼の昔の演奏を知る者としては意外な感覚もないわけではないが,死の前年の,ある意味では枯淡の境地に達したHawesのピアノと言うべきかもしれない。

いずれにしても,これはCharlie Hadenを改めて偲ぶに適したアルバムであることは間違いない。いいアルバムである。星★★★★☆。尚,上記のカバーはLPのものであり,CDはデザインが異なっているので念のため。

Recorded on January 25 & August 21, 1976

Personnel: Hampton Hawes(p), Charlie Haden(b)

2014年10月 1日 (水)

Allan Holdsworthライブ参戦記

Allan_holdsworth 久しぶりと言っても1か月半ほどのインターバルだが,ライブに行ってきた。今日はAllan Holdsworthのバンド@ビルボード東京である。今回はFarewell Tourとなっているから,少なくともライブからは引退するってことなのかもしれない。

私はAllan Holdsworthのファンってこともないし,実はライブも今回が初めて(そして最後になるのだろう)のことであったが,そうは言っても,いくつかの音源では超個性的な彼のギターを楽しんできた。そして今回,Holdsworth:68歳,Haslip:62歳,Husband:54歳という年齢からは想像もできないようなタイトで,ほとんどロックな演奏を聞かされると,爺さんよくやるわと思いつつ,まだまだ現役で行けるじゃんと思っていた。そうは言いつつも,Holdsworthの曲は,ファン以外にとっては,どれを聞いても同じに聞こえてしまうという決定的な難点があるので,ライブの場でもやや冗長に思える局面があったことは否定できない。それでも,やはりHoldsworthのギターはOne & Onlyと思わせる音色があると思えた。

そして,私はカジュアル・シートだったので,上の方から見ていたのだが,Gary Husbandの叩きっぷりが強烈であった。よくもまぁあそこまで煽るわと言いたくなるような感じであった。あれだったら,John McLaughlinのバンドでも,私の嫌いなRanjit Barotではなく,Husbandが叩けばいいではないかとさえ思いたくなるような感じだったと言えよう。PAの加減でHaslipのベースが増幅過剰だったのは頂けないが,それでも十分に楽しめるライブだったと思う。上の写真は今回の3人によるリハーサルの模様らしいのだが,Holdsworthの太りっぷりが顕著なのがご覧頂けよう。それでも引退するほど腕は衰えていなかったが。とにかく指はよく広がっていたなぁ。

面白かったのはHoldsworthがペダルは2種類使い分けつつ,エフェクター類は手で操作していたことだろうか。写真で手前にケーブル群と写っているのがエフェクター・ボードである。そんな点でもやはりスタイリッシュというか,個性的な人であった。

ということで,次のライブは10/8のPat Metheny Unity Groupである。最前列かぶりつきのはずなので,そっちも楽しみである。

Live at ビルボード東京 on September 30, 2014,2ndセット

Personnel: Allan Holdsworth(g), Jimmy Haslip(b), Gary Husband(ds)

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