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2015年おすすめ作

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2014年9月30日 (火)

なんだかんだでアジア大会を見てしまう私。

TVでアジア大会の中継真っ盛りである。レベルが必ずしも高くないものもあれば,アジアに強豪が揃う競技もあり,結構いろいろ見てしまっている私である。

今回,今までと印象が違うなぁと思ったのが女子の卓球である。特に福原愛のバックハンドの鋭さが増しているように思えたのだが,気のせいだろうか?まぁ,滅多に中継を見るわけでもないので,感覚的なものでしかないかもしれないが,いずれにしても,シンガポールを破って見事決勝進出である。そして,第2試合は第5ゲームまで持ち込まれながらも辛勝,最終第5試合も勝った石川佳純は立派である。勝負強いねぇ。そうは言いながらも,決勝で中国を破ることは難しいかもしれないが,悔いを残さぬよう,是非頑張って欲しい。中国一強時代もそろそろ終わりにしてもいいしねぇ。

今回のアジア大会は運営に批判も多いところであるが,出場している日本代表はそうした問題も関係なく活躍しているのだから,まさに大したものである。サッカーは男子は韓国に惜敗したが,まぁU-21で固めての出場なので,今回はリオ五輪までのステップアップに向けての調整機会と思えばいいだろう。なでしこについては,初戦の中国戦で私は彼女たちを批判したのだが,その後は大勝が続き,準決勝でもベトナムを破って,見事決勝進出である。私としては前言を取り消すつもりはないが,まぁ初戦はエンジンが掛かり切っていなかったということにしておこう。決勝の相手は北朝鮮なので,これまた手強いが,是非こちらも頑張って欲しい。

時差のない仁川での開催なので,寝不足にならないでいいが,何だかんだでテレビばかり見ていて,音楽を聞けていないのはまずいねぇ。それにつけても,今回,「361°」ってブランド・ロゴがやけに目立つが,中国のスポーツ用品メーカーらしい。へぇ~って感じだが,NikeやAdidasの世界を目指そうとでもしているのかねぇ。スポークスパーソンに「日本嫌い」発言を平気でする水泳の孫楊を据えているようでは,メーカーとしてスポーツマンシップを発揚すべき企業責任という意味では問題ありだろう。ブランドの顔はもう少し考えた方がいいだろうな。スポーツの大会は国威発揚の機会であっても,お互いが憎しみ合う場ではないはずだからねぇ。孫楊本人はその後,発言について謝罪しているようだが,結局本音はそっちにあるってのが明らかになっただけで,アスリートとしてはいかがなものかとだけ言っておこう。

2014年9月29日 (月)

祝来日,John Abercrombie 4,嬉しいことにMarc Copland入り。

39_steps "39 Steps" John Abercrombie Quartet(ECM)

来る10月に来日が決定したJohn Abercrombieであるが,今回の目玉はMarc Coplandを帯同することだと思っている私である。

私はECMレーベルのファンなので,John Abercrombieのアルバムは相当な数を保有していると言ってよいが,実はMarc Coplandへの思い入れも相当強い方だと思っている。そんな二人だが,AbercrombieはMarc Coplandとの付き合いも長いようで,共演アルバムも何枚かあるものの,正直なところ,私はMarc Coplandはトリオまたはソロが好きなので,これまでのところ彼らの共演アルバムにはあまり食指が動いてきたとは言い難い。しかし,本作はECMからのリリースということだったので購入してあったのだが,まともに聞けずに結構な時間が経ってしまった。そこで,今回の来日決定を受けて,ちゃんと聞いてみるかということで聞いてみたのだが,これは私の聞いた彼らの共演アルバムの中では最もよい出来と思えた。

音楽としては比較的オーソドックスな作りという気もするが,そうした作りにおいても,彼らのリリシズムがきっちり表出するところがいいと思えるのだ。こうしたリリシズムの強さはJohn Abercrombieよりも,Marc Coplandの持ち込んだ要素が強いように思えるので,このクァルテットはAbercrombieとCoplandの双頭バンドだという評価が適切ではないかと思える。今回来日するのは,このアルバムのメンバーとは異なる(さすがにDrew GressとJoey Baronを連れてくるのは難しかろう...)が,それでもフロントの2人が同じであれば,本作と同様のトーンが生み出されると期待してしまうのが人情であろう。

ということで,本作をちゃんと聞かずに放置してきた私だが,今回の来日決定を受けて聞いてみたら,きっちり期待値に応える作品であったという情けない話。だが,今回の来日なかりせば,プライオリティが上がったかと言えば,決してそんなことはないはずである。いずれにしても,来日への期待を高めさせるに十分な作品である。来日へのご祝儀込みで(笑),星★★★★☆。

ちなみに"39 Steps"と聞いて,Alfred Hitchcockの「三十九夜」を想起する人がどれぐらいいるだろうか?そっちも興味深いなぁ。映画も好きだが,本作も好きってことで,お後がよろしいようで(笑)。

Recorded in April, 2013

Personnel: John Abercrombie(g), Marc Copland(p), Drew Gress(b), Joey Baron(ds)

2014年9月28日 (日)

名人同士の対話を聞くかのごときKenny Barron & Dave Hoallandデュオ

Art_of_conversation "The Art of Conversation" Kenny Barron & Dave Holland(Impulse!)

記事の更新がおろそかになってしまった。どうも最近はサボり癖がついていかんなぁと思いつつ,飲み会やゴルフにまぎれて,以前よりはブログの取り組み姿勢が随分甘くなってきたものだ。まぁ,いつも書いていることだが,素人のブログなんだから,適当にやっていりゃいいのだが,まずは読者の皆さんにお詫びである。

閑話休題。このアルバムのリリースが発表された時からこれは期待できると思わせたものであるが,予想通りである。新生Impulse!レーベルはフランスUniversal傘下で再生を果たしたものだが,なぜこの時代にImpulse!なのかはさておき,こうした作品をリリースしてくれることは大変ありがたい。

Kenny Barronによるベースとのデュオと言えば,Charlie Hadenとの"Night & the City"という傑作がある(記事はこちら)が,片やDave Hollandもいろいろな人とデュオをやっていて,ピアノではMilcho Levievとの"The Oracle"あたりが代表的だろうか(と言っても,あまりに中古市場の価格が高値なので未聴だが...)。そんなベテラン二人のデュオなのだから悪いはずはないが,冒頭のHollandのオリジナル"The Oracle"からして予想は間違っていなかったと確信させる出来である。

何がよいか?ピアノとベースのデュオのような編成において,ピアノとベースはこういう音で聞きたいというような録音ぶりである。特にピアノの音が極めて魅力的に録られている。そして,偶然ではあろうが,今年3月録音の本作に先日亡くなったKenny Wheelerに捧げられたHolland作の"Waltz for Wheeler"が収められたことには運命的なものを感じざるをえない。本作のリリース日は9/14,Kenny Wheelerはその4日後にこの世を去っているのだが,この曲が何ともメランコリックでありながら,美しい曲なのである。まさにこれこそ優れた「音楽の捧げ物」だって気がするが,この演奏を聞いてKenny Wheelerを偲ぶことこそ適切だと思わせる,そんな曲,そんな演奏である。

そうは言っても,ピアノとベースの渋いデュオである。聞くに適した時間や場所ってものもあるが,"The Art of Conversation"というタイトルに偽りなしである。実を言えば,実際に音を聞くまでは「何を大仰な!」と皮肉っぽい見方をしていた私だったのだが,私が間違ってました(笑)。この二人にかかれば,こうした演奏は難しいことではないのかもしれないが,十分に"Art"として通用する作品。ちょっと甘いかもしれないが,こういう作品がバカ売れするとは思えないので,注目度を上げるためにも星★★★★★としてしまおう。

尚,本作にはKenny Barron,Dave HollandのオリジナルとCharlie Parkerの"Segment",Thelonious Monkの"In Walked Bud",そしてBilly Strayhornの"Daydream"が収められているが,"Waltz for Wheeler"のようなDave Hollandのオリジナルが私には特に魅力的に響き,Hollandの作曲能力の高さも実証されていると思う。

Recorded on March 5, 2014

Personnel: Kenny Barron(p), Dave Holland(b)

2014年9月25日 (木)

Baptiste Trotignon,13年ぶりのトリオ作。

Baptiste_trotignon "Hit" Baptiste Trotignon(Naive)

Baptiste Trotignonのトリオ作と言えば,多くの人が緑が印象的な"Fluide"を思い出すはずである。私がまだ欧州ジャズをちゃんと聞いているとは決して言えない頃,"Fluide"を買ったのは,あのあざやかな「緑」に目が惹かれたからであったが,出てきた音楽はジャケのイメージ通りと言ってもよい感覚だったと言ってよいだろう。

その後,彼のアルバムは何枚か買っているし,このブログにも記事をアップしていて,非常にレベルの高い作品が多い。一方,いろいろな人のアルバムにも顔を出し,Stefano Di BattistaのアルバムではハモンドB3を弾いていたこともあり,フットワークの軽さも感じさせる人である。そんなBaptiste Trotignonのトリオ作は13年振りだそうだが,先日の東京Jazzでもトリオで来日していて,見たいと思っていたが,日程的に無理があり,泣く泣く諦めた私であった。そういう意味では結構好きなのだ。

そして,今回のアルバムであるが,ピアノをMIDIにつないだような演奏もあって,ピアノ・トリオとしては響きはよりコンテンポラリーな感じがする。Baptiste Trotignonは,ライナーにここのでの音楽のインスピレーションとなっているのはポップ,ラテン的なメロディ,ワールド・ミュージック,更には70年代の音楽であり,それがアフロ・アメリカン音楽(つまり純粋ジャズってことだろう)と結びついたものと書いている。様々な音楽的な要素を吸収し,ジャズ的なものへと転換させていると言ってもよいだろう。そう言えば,Baptiste TrotignonはAldo Romanoらと60~70年代のポップ曲に挑んだ"Flower Power"ってアルバムも出しているから,そういうバックグラウンドを持っているのだと考えてよい。だからこそ,私のようなそうした時代を同時代としてきた人間が,彼のやる音楽にシンパシーを感じてしまうのかもしれない。

それでも,強烈なアピール力があるかと言えばそうでもないような気がするし,彼の作品ならば"Suite..."の方が優れているようにも思えるが,トリオ・アルバムとしては十分楽しめる出来の佳作。星★★★★。しかし,それでも先日のライブは見ておきたかったと思わせるものではあるので,念のため。いずれにしても,ファンには嬉しい作品である。

Recorded on March 28 & 29, 2014

Personnel: Baptiste Trotignon(p), Thomas Bremerie(b), Jeff Ballard(ds)

2014年9月24日 (水)

ジャケの雰囲気が前作と全然違ってびっくりのRuthie Foster

Promise_of_a_brand_new_day "Promise of a Brand New Day" Ruthie Foster(Blue Corn Music)

一昨年リリースされたRuthie Fosterの"Let It Burn"はジャケの雰囲気からしてもいいだろうと思わせ,内容も優れた一作であった(記事はこちら)。そのRuthie Fosterの新作がリリースされたのだが,前作と全くジャケの雰囲気が違っていて,それで面食らってしまった。何てたって,前作はモノクロの渋いジャケだったが,今回は「お花畑のRuthie Foster」なのだ。びっくりして当たり前である(笑)。だが,前作であれだけ素晴らしい作品を作った人である。やや不安はあったものの,勇気を出して購入である。

そして,現物が届いて驚いたのが,本作をプロデュースしているのがMe'Shell Ndegéocelloなのである。彼女は全編でベースも弾いており,どういう付き合いなのかは知らないが,才能には才能が吸い寄せられるってことだろうか。Me'Shell NdegéocelloはJason Moranの新作のプロデュースにも関わっていて,最近,プロデューサー業に精を出しているのかと思えてしまうが,Ruthie Fosterとの邂逅がどういう効果を生み出すのかについては,クレジットを見て俄然期待が高まった私である。

音楽に関しては,魅力的なブルーズ・アルバムであり,フォーク・タッチも含むソウル・アルバムであることは間違いない。2曲目にゲストで参加するDoyle Bramhall IIのギターもカッコいい。しかし,私には前作の方がインパクトが強かったし,よりディープな魅力を感じたのも事実である。ジャケットの印象通り,やや前作よりはライトな感覚が強いように思えるが,あまりヘヴィーになり過ぎてもねぇというリスナーにはこれぐらいの方が丁度いいのかもしれない。多分,これは伴奏陣にもよる部分もあるように思えるが,結局こうなるとリスナーの個人的な好き嫌いに依存するかもしれない。私の場合は前作の方が好みだったように思えるが,これはこれで評価したいと思わせる佳作。星★★★★。前作も久しく聞いていないから,また聞いてみるとするか(爆)。

Personnel: Ruthie Foster(vo), Me'Shell Ndegéocello(b), Chris Bruce(g), Ivan Edwards(ds), Jebin Bruni(key), Nayanna Holley(vo), with Doyle Bramhall II(g), Toshi Reagon(vo)

2014年9月23日 (火)

Coltrane Quartetへのなり切りぶりが楽しいChristian Vander盤

Au_sunset "Au Sunset" Christian Vander Quartet (Seventh Records)

毎度おなじみ新橋のテナーの聖地,Bar D2で聞かせて頂いて,購入に走ったアルバムである。このアルバムをリリースしているSeventh Recordsは何と言ってもSteve Grossman入りのSimon Goubertの"Haiti"(そちらに関する記事はこちら)が印象深いレーベルだが,ほかにも面白いアルバムがあるってことを認識させれらるのが,テナーの聖地のテナーの聖地たる所以である。

このアルバムは,Christian Vander Quartetによる完全なJohn Coltraneへのオマージュなわけだが,全5曲中4曲はColtraneのオリジナル。そして,黄金のクァルテットになり切った彼らの演奏ぶりが,ここまで行くと爽快である。全員がColtrane,McCoy,Garrison,そしてElvinになり切って,よくぞここまでという感じの演奏を展開している。最初はギャグかと思っていたのだが,真剣も真剣,真面目になり切っているところが楽しいのである。こういうアルバムに自力で到達することはまず無理だと言ってよいが,Bar D2を訪れていればこそってところである。

ここでの演奏を「真似じゃん」というのはたやすいが,ここまでやるのはなかなかできることではないと思えるのである。ここまで来ればリスペクトだよねぇ。ってことで,John Coltraneファンの皆さんは騙されたと思って聞いてみて下さい。楽しむか,怒るかは皆さんのご判断ってことで。私は星★★★★☆にしちゃうが(笑)。

尚,本作はSeventh Recordsのサイトで€8で,日本でもAmazonやiTunesでダウンロードできるが,CDも中古であればそんなに難しくなく入手可能であろう。いずれにしても,熱いねぇ。

Recorded Live  at Sunset in Paris on January 7, 8 & 9, 1999

Personnel: Christian Vander(ds), Yannick Rieu(ts), Emmanuel Borghi(p), Emmanuel Grimonprez(b)

2014年9月22日 (月)

やって来ました,SEON Box

Seon_collection "Seon - Excellence in Early Music"(Seon)

Seonレーベルと言えば,古楽ファンにとっては非常に重要なレーベルであり,先ごろ亡くなったBrüggen,更にはLeonhardt,Bylsma,Kuijken兄弟と,古楽界のキラ星のような人たち(笑)が揃い,この手の音楽好きを魅了してきたレーベルであった。そのSeonの作品65タイトルが85枚組のボックスとしてリリースされたとあっては,買わぬわけにはいかん!ということで,デリバリーされたのだが,さすがに重い!

一体いつ聞くのだという家人の声がまた飛んできそうだが,この85枚はiPodに全て突っ込むぞ~と思っている私である。まずはヘンデルの木管ソナタやバッハからってことになるだろうが,テレマンも早くせねばということで,リッピングが大変だ~(笑)。これが1枚200円もしない価格で買えてしまうのだから,いい時代になったものである。早いところリッピングに取りかかろう。

2014年9月21日 (日)

やって来ました,iPhone 6

Iphone6_2 予約しておいたiPhone 6が到着である。やっぱりでかいなぁ。Plusはでか過ぎ(と思った)なので,私には6で正解だろうな。そうは言ってもPlusは品薄らしいので,う~むって気もするが(笑)。いずれにしても,新機能が多いので学習が大変そうだ(笑)。

2014年9月20日 (土)

追悼,Kenny Wheeler

Image

松江出張中の私に飛び込んできたのがKenny Wheelerの訃報であった。今日の東京への移動中は彼のアルバムを聴いて追悼したい。

R.I.P.

2014年9月19日 (金)

私にとっては久々のThierry Langとなったが,これが絶品であった。

Serenity "Serenity" Thierry Lang(Universal)

今年の2月に初来日を果たし,9月には早くも再来日公演を行ったThierry Langの新作である。私を含めた多くの人にとって,Thierry Langとの出会いは93年の"Private Garden"に遡るのではないかと思う。あれは本当に素晴らしいアルバムだったといういつまでも記憶に残る作品だった。その後,私は何枚かThierry Langのアルバムを購入しながら,結局"Private Garden"を上回る感動を得られたことはなく,その後はThierry Langとは疎遠になっていたと言ってもよい。

しかし,2月のライブの模様をお知り合いの皆さんがネットにアップされていたり,本作を取り上げられていたりということで,私にとっては久々のThierry Lang盤となったのであった。そして,この作品が私の想像をはるかに上回るリリシズムに溢れた絶品と言ってよい作品であった。ようやく,私を"Private Garden"の呪縛から解放してくれる作品となったと言っても過言ではない。そう思いたくなるのも当然の響きを持ったアルバムである。

冒頭のCharlie Haden作"Ellen David"からして,欧州ジャズ・ピアノ・ファンを唸らせること必定の響きなのだが,まさにこれでつかみはOKである。トリオがまさしく三位一体と言うべきコンビネーションを発揮し,清冽なリリシズムを放出しているではないか。これを聞いただけで,このアルバムの成功は保証されたようなものであった。そして全編,どこを切ってもこれはいいと思わせる演奏ばかりである。これぞまさしく久々の「膝を抱えて聞きたくなる盤」なのだ。"Mother"の旋律なんて落涙しそうになってしまうではないか。これは久々のThierry Lang盤だったが,リリシズムを感じさせるピアノ・トリオとしても,ここ数年で最も印象に残る作品の一つと思えた。まさにタイトルに偽りなしの"Serenity"である。

いずれにしても,Thierry Langの魅力を再認識させてくれたことに感謝し,ちょっと甘いと思いつつ星★★★★★にしてしまおう。でもこれは好きだなぁ。

それにしても,日程が合わず,彼らのライブに行けなかったのは返す返すも残念である。Terri Lyne Carringtonと来たLizz Wrightも行けなかったしなぁ。まぁ,それはそれで仕方がないということで諦めよう。

Recorded on September 9 & 10, 2013

Personnel: Thierry Lang(p), Heiri Känzig(b), Andi Pupato(ds)         

2014年9月18日 (木)

Deacon Blueの新作が到着。またも素晴らしい出来に痺れる私であった。

Deacon_blue001 "A New House" Deacon Blue(自主制作盤)

前作"The Hipsters"を絶賛した私(記事はこちら)だが,前作が11年ぶりだったのに対し,本作は約2年という比較的短いインターバルでの登場である。今回はPledge Musicでのクラウド・ファンディングによる形態を取っていたが,ちゃんとPledge Music以外のネット・ショップでも買える。だが,前作の甘酸っぱくなるような素晴らしいポップ・ソングの数々に痺れてしまった私は,ちょっと大目に金額を払って現在のメンバー4人のサイン入りCDをゲットである。我ながらミーハーであるが,好きなバンドなのだからいいのである(と開き直る)。

そして,本作も前作に勝るとも劣らぬ素晴らしい曲集である。写真を見ると,メンバーは随分歳を取ったが,このようなポップ・センスを残していること自体が素晴らしいではないか。私もかくありたいと思わせるような歳の取り方である。曲作りを担当するRicky Rossは今年の12月で57歳になるが,どうしてこのように瑞々しい音楽が出来るのかと感じざるをえない出来なのである。しかも,スコットランドという土地とは結びつかない(なんでやねん?)ような,このポップさはまさに突然変異的と言ってもよいのではないか。

それはさておきである。このLP的な収録時間の中に収められた11曲を聞いていると,時間はあっという間に過ぎていく。日頃,強面で通っている私がこうした音楽に痺れてしまうことに違和感を覚える人もいるだろうが(笑),人は見掛けによらないのである(爆)。メンツも前作とほとんど同じ(違うのはストリングスのみ)で,バンドとしてのまとまりも更に強まったってところかもしれないが,私としてはこのメロディ・センスに身を委ねていれば幸せって感じである。本当に私の心と共鳴するって感じの音楽である。いいねぇ,Deacon Blue。ということで,またも星★★★★★としてしまおう。たまらん。

Personnel: Deacon Blue: Lorraine McIntosh(vo), James Prime(key), Ricky Ross(vo, p, g), Dougie Vipond(ds, perc) with Gregor Philp(g, vo), Lewis Gordon(b), The Cairn String Quartet

2014年9月17日 (水)

超先行発売されたWayne Krantzの新作。Krantzらしさ炸裂である。

Good_piranha "Good Piranha Bad Piranha" Wayne Krantz(Abstract Logix)

Abstract LogixレーベルのWebサイトでは11/18リリースという告知が成されているWayne Krantzの新譜が,なぜか2か月以上も前なのにDUから入荷のメールが...。Krantzの結構なファンである私としては,これは早速ゲットせねばということで,出張先の帰り道にDUに立ち寄っての購入である。

これが実に不思議な構成のアルバムである。全8曲であるが,前半4曲と後半4曲はメンバーが交代しているものの,全く同じ曲を2度演奏しているのである。メンツの違いによる演奏の差異を楽しませる構成と言ってもよいかもしれないが,やっているのはカバー曲である。Thom Yorke,Ice Cube,Pendulum,そして懐かしやMC Hammerの曲をやっているのだが,これがいかにもKrantzらしいヘヴィー・ファンクで,Krantzファンの私としては無茶苦茶嬉しくなってしまった。

演奏は2種類のトリオにより演じられるが,前半は前回の来日公演と同じNate Wood~Keith Carlockとのトリオ,後半はNate Woodがベースからドラムスへ代わり,ベースをTim Lefebvreが担当するという布陣である。私は前回の来日をBillboard東京で見たが,それももう2年前のことになってしまった。月日の経つのは早いものだが,それにしてもこれはいかにもKrantzと言うべき演奏集であり,前作"Howie 61"に対して否定的であった私としても,この作品のような演奏であれば何の文句もない。Wayne Krantzかくあるべしという演奏なのだ。もともと,お馴染み55 Barでカバー・ナイトをやったのが契機となってのレコーディングであったようだが,Krantzが"Realized it didn't matter what songs we play, we still do our thing."と書いているように,曲は素材に過ぎず,それを彼ら流に料理したものということになるわけだ。

いやいや,それにしても,どこから聞いてもこのWayne Krantz節には痺れてしまう私である。ファンの弱みとして星★★★★★としてしまおう。やっぱりKrantz,最高だぜい!(マイキーはどうすんねん?)。

それにしても,このジャケの装丁というか色使いはまるで「ノルウェイの森」だと思ったのは私だけだろうか?内容は全然関係ないが...(笑。当たり前だ!)。

Personnel: Wayne Krantz(g), Nate Wood(b, ds), Tim Lefevbre(b), Keith Carlock(ds), Gabriella Anders(vo)

2014年9月16日 (火)

なでしこの現状を憂える。

アジア大会はサッカーの予選から開始されているが,クウェートに4-1で勝った男子はさておき,中国とスコアレス・ドローに終わったなでしこにはマジでがっかりさせられた。テスト・マッチのガーナ戦から中一日という事情はあるとしても,そもそもそんな日程を組むことがおかしいし,試合も全くいいところなしなのには本当に失望させられた。

プレスは掛けられない,DFの押し上げはない,パスの精度は低い,更には入る可能性のないシュートを無駄に打つなど,本当にイライラさせられた試合であった。今回のメンバーは海外組を含まないなど,正直言って一軍半,若しくは二軍と言ってもいい布陣だが,それにしても問題のある試合だった。

何が問題か。今回招集されたメンバーの実力不足である。それは換言すればなでしこの世代交代がうまく行っていないってことである。結局のところ,来年のW杯は,前回及びロンドン五輪の布陣から大きな変化は望めないであろうとすると,今はよくとも将来には大いに不安を感じざるをえない。逆に言えば,今の若手には下剋上を狙うような野心が感じられない。だからあの様な消極的な攻めしかできないとも言えるが,それがボールの出しどころを見つけられず,孤立する宮間というかたちになっていた。その結果,宮間のプレーも全く精彩を欠いたものになったことは明らかである。

このような状態では,アジア大会はさておき,今後のなでしこには不安を感じざるをえない試合である。佐々木監督は「これも勉強」のようなことを言っていたが,国の威信をかける他国との違いを感じてしまう。チームの底上げのための機会と捉えることも可能だが,それにしてはレベルが低過ぎである。川澄が持ち込んでもそれに呼応できないFW,あるいは全く精度の低いラスト・パスしか出せないようなメンツでは,アジア大会の連覇すら危ないだろう。

とにかく私にとっては失望感しかない試合だった。「もうちょっと頑張れ,なでしこ‼︎」と言っておこう。

尚,どれだけの人がこの試合の中継を見たかはわからないが,ハーフタイムに流れたトヨタのAQUAのCMは噴飯もののしょうもないCMであった。あんなものに120秒使うセンスは全く理解できない。

2014年9月15日 (月)

Antonio Sanchez:3組のトリオで演じた強烈な演奏集。これは凄い。

Three_times_three "Three Times Three" Antonio Sanchez(Cam Jazz)

タイトルが表わす通り,編成の異なる3組のトリオの演奏を組み合わせて作り上げたAntonio Sanchezの新作である。Sanchezが優秀なドラマーであり,優れたリーダーシップを発揮できることはこれまでのアルバムでも実証されていたが,もう一段上のレベルに上がったことを明らかに示す傑作である。

フロントにはBrad Mehldau,John Scofield,そしてJoe Lovanoというそれだけでも期待値が高まるメンツを集め,パートナーとなるベーシストもフロントによって,Matt Brewer,Christian McBride,そしてJohn Patitucciを使い分けるという極めて贅沢な作りの作品となっている。逆に言えば,メンツを集めただけのまとまりのつかない凡作となる可能性もあったわけだが,この作品は違う。Sanchezはフロントの3人の実力を引き出す見事なバッキングを聞かせるだけでなく,2枚組のどの一瞬を取っても素晴らしい緊張感を保っているのだ。それがまさに見事と言うしかない。そして,フロントの3人がこれまた全部凄い。Mehldauの追っかけをしている私としては,それだけでも本作を買う価値ありと思っていたが,日頃彼のトリオで叩くJeff Ballardとは明らかに異質のSanchezのドラムスが,明らかにMehldauのピアノに化学反応を起こしている。フレージングやタッチはいつものMehldauとも言えるが,これほど激しくピアノを弾くMehldauは滅多に聞けない。それがSanchezのバッキングによってもたらされたことは明らかだ。

そして,Mehldau同様,あるいはそれ以上に私を興奮させたのがJohn Scofieldである。私は近年のJohn Scofieldの演奏は,相応の評価はしつつも,昔みたいなイケイケ感がなく,枯れたなぁって感じを覚えていて,決して彼の熱心なリスナーとはなっていなかったのだが,ここでのScofieldはデニチェンとやっている頃のファンクではないが,相当の「熱」を感じさせる演奏となっている。近年聞いたジョンスコの演奏の中では,私にとっては最高のものと思えた。そして,Joe Lovanoである。Lovano~PatitucciにBrian Bladeを加えれば,Patitucciの"Remembrance"となるわけだが,ドラマーが代わるだけで,更にハイブラウ度が増しているように感じるのが,やはりSanchezその人の特性という気がする。

ということで,繰り返しになるが,この作品はフロントのソロイストの個性を活かしながら,その実力をいかんなく引き出したというところの意義を認めなければならない作品である。Antonio Sanchezというリーダー,ドラマーのプッシュによって,ただでさえ優秀なミュージシャン達に更に高いレベルの演奏を可能にさせたと感じさせる超強力作。Mehldau参加の3曲中,2曲がフェード・アウトするのは惜しいが,そんな瑕疵には目をつぶって,私は本作を躊躇なく星★★★★★と評価する。素晴らしい。

Recorded on October 27, December 4 & 16, 2013

Personnel: Antonio Sanchez(ds), Brad Mehldau(p), Matt Brewer(b), John Scofield(g), Christian McBride(b), Joe Lovano(ts), John Patitucci(b)

2014年9月14日 (日)

追悼,Joe Sample

Joe_sample 今日は全く違う記事をアップする予定だったのだが,Joe Sampleの訃報に接し,急遽予定変更である。

Joe SampleはCrusadersのJoe Sampleとしても,あるいはソロ・アーティスト,セッション・ミュージシャンとしてもいい仕事を残した人だったが,まだ75歳ということで,ちょっと早い死だと思う。Facebookには7月の段階では写真がアップされていたが,その後,8月に予定されていたRonnie Scott'sでのライブがキャンセルされて,何らかの健康上の状態の急変があったのではないかと想像される。

いずれにしても,この人の音楽に関しては,Joe Sampleその人を知らない人々も,その音楽には接したことがあるはずだと言えるぐらい,FM放送のジングルや小売業のBGMでもよく使われていた。それだけ,ポップで聞き易い感覚がありながら,クォリティもちゃんと確保した音楽を演奏する人であったと思う。そして,Joe Sampleの特徴はそのピアノ・タッチの美しさであった。Clear & Crispとでも言いたくなるようなJoe Sampleのピアノの音がもう聞けないのは非常に寂しいが,これまでの音源で彼を偲ぶこととしたい。ということで,私が今回,追悼を込めて聞いているのは"Sample This"であるが,やはりいい曲が多いなぁとつくづく思わされた私であった。

R.I.P.

2014年9月13日 (土)

出張中に見た映画:14/8~9月編 最後は「マレフィセント」

Maleficent 「マレフィセント("Maleficent")」('14,米,Disney)

監督:Robert Stromberg

出演:Angelina Jolie,Elle Fanning,Sharlto Copley

中国からの帰路,大雨によるディレイのため,棚ボタで見られたような帰路2本目の映画である。帰路の1本目にチョイスした「相棒」が最低の出来だったため,大概の映画はあれよりはましだろうとも思えるが,これは私が思っていたよりもファンタジー度の高い,ディズニーらしい映画であった。

この映画については,あまり書いてしまうとネタバレになってしまうので,書きっぷりが難しいのだが,今までは悪として描かれた魔女,マレフィセントそのもののキャラクターが大きく変更され,むしろ,人間(より具体的にはステファン王やその義父,ヘンリー王)の方が欲に目のくらんだ悪として描かれるのが面白い。そして,オーロラ姫の目覚め自体も,それこそ「アナと雪の女王」の路線と同じではないかと思わせる部分もあり,「真実の愛」という観点における,ディズニーのストーリー・テリングの変化が見て取れる。

まぁ,この映画はファンタジーなので,あれこれ難しいことを考えずに,その視覚効果やストーリーを楽しめばいいというタイプのものだと思うし,シナリオも先が見通せてしまうという弱点はある。私としても見る前はどんな感じなのかなぁと思っていたものの,結構楽しめてしまったというのが本音である。そして何よりもAngieがメイクでマレフィセントになり切っているのが大いに笑える。ということで,ちょいと甘いが,星★★★★ぐらいはつけてもいいと思わせる作品である(「相棒」との相対比較ってのも影響しているな)。

監督のRobert Strombergはもともと視覚効果でオスカーも取っている人だが,今回の演出も大きな破綻もなく,無難にこなしている感じである。視覚効果から演出に転じたという意味では,山崎貴みたいな感じかもなぁ。

2014年9月12日 (金)

Eric Harlandの新作よりもこちらの期待値に近いWalter Smith IIIの新作

Still_casual "Still Casual" Walter Smith III(自主制作盤)

先日紹介したEric Harlandの新譜にも参加していたWalter Smith IIIの新作がリリースされた。Harland作品ともメンツが結構オーバーラップしているのだが,演奏としては本作の方がこちらの期待値に近いと思える作品である。冒頭の"Foretold You"からして,こちらが思っているこのメンツらしい演奏が聞こえてくる。こちらでドラムスを叩いているのはKendrick Scottだが,そのScottとて優れたリーダー作をリリースして,実力はHarlandに勝るとも劣らずって感じだが,Harland盤であまり活躍の場がなかったとも言えるWalter Smith IIIがリーダーとしてじゃんじゃん吹きまくっているのが決定的な違いである。また,コンテンポラリーなジャズ・テイストも間違いなくこちらの方が強い。であるから,似たようなメンツであったとしても,多くのリスナーはこちらの作品をより強く支持するものと思える。

1曲を除いてWalter Smith IIIの自作による曲も,バラエティに富んでいるし,参加しているミュージシャンに与えられたソロの場も十分にあり,私はこれはHarland盤よりもずっと高く評価したくなってしまうのである。特にピアノのTaylor Eigstiは助演ぶりが絶妙。また,ギターで参加のMatthew Stevensは初めての人だが,なかなかに魅力的なフレージングを聞かせて,リーダーをバックアップしていると思う。3曲でゲスト参加するAmbrose Akinmusireもいいしねぇ。これで,Kendrick Scottがもう少し全面的に出て,より煽っていれば,更にイケイケの燃える作品になったような気もするが,そこはScottもリーダーを立てたということになろう。いずれにしても,このメンツらしい音楽が聞ける佳作。星★★★★。

近々,Walter Smith IIIは本作に近いメンツで来日することが決まっているが,ライブも気になってきた私である。武蔵野スイングホールの公演は売り切れてしまったが,ほかにも公演があれば,行ってみたいと思わせる人たちである。

Personnel: Walter Smith III(ts), Taylor Eigsti(p), Matt Stevens(g), Harish Raghaven(b), Kendrick Scott(ds), Ambrose Akinmusire(tp)

2014年9月11日 (木)

出張中に見た映画:14/8~9月編その2は「相棒 劇場版III」

Photo_2 「相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ」('14,東映)

監督:和泉聖治

出演:水谷豊,成宮寛貴,伊原剛志,釈由美子,宅麻伸,及川光博,石坂浩二

これは中国出張の帰路に見た映画の一本目である。通常なら片道一本しか見られないものが,二本見られたのは北京の大雨によるディレイのおかげであるが,正直なところ,こんなものを見ようと思ってしまった自分の選択を大いに恨みたくなるような愚作である。

そもそもストーリーがくだらないし,無茶苦茶である。テレビでは実現できないスケールを,映画によって実現しようとするのはわからないではないが,ここで設定された舞台そのものが陳腐かつ表現も陳腐に過ぎて,失笑をもらさざるをえないような作品なのだ。私は水谷豊演じる杉下右京が,「孤島」に出張中にもかかわらず,「マイカップ&ソーサー(?)」でお茶を飲んでいるシーンからしておかしいだろうと思ってしまったわけだが,いずれにしても,この作品,辻褄の合わないことだらけである。

私はこんなくだらない作品を作るぐらいなら,TVシリーズでちゃんとファンの心をつかみ続ける制作体制を取ることを勧めたくなる。そもそも,TVシリーズのファンがこの映画を見に行けば,絶対がっかりして家路につくはずなのだ。私のように機内エンタテインメントでタダで見ている人間はまだしも,これははっきり言って「金返せ!」と言いたくなるような低レベルの作品である。

民兵組織だ,テロリストだ,あるいは自衛隊と警察の確執だと,訳のわからないストーリーを考える暇があるなら,もう少し人間ドラマとして見応えのある脚本ってものがあるだろう。演出,脚本,そして演技のどれを取っても,全然評価できない駄作。特にこの脚本は許せないほどの低レベルであり,こんなものは無星で十分。見るだけ時間の無駄と言っておこう。

2014年9月10日 (水)

今更ではあるが,Jimmy Scottを追悼する

Heaven "Heaven" Jimmy Scott(Sire/Warner Brothers)

Jimmy Scottが亡くなったのは今年の6月のことなので,何を今更って感じもするのだが,久しぶりに彼の歌声を聞いて,彼を追悼したくなった。そんな中,選ぶとすれば,このゴスペル・アルバムと呼んで然るべき本作しかあるまい。いきなりTalking Headsの"Heaven"で幕を開ける本作は,極めて宗教的な色彩の濃いアルバムであるが,彼を追悼するにはぴったりだと思えるのだ。

Jimmy Scottが再ブレイクしたのは90年代初頭であるが,それから亡くなるまでの20年間は不遇の時代を取り戻すような活躍ぶりを示し,日本にも何回も来ていたはずである。残念ながら,私は彼のライブには接する機会には恵まれなかったが,この中性的な声には惹かれるところも大きく,そこそこのアルバムを保有するに至った。ジャズ・ヴォーカルをほとんど聞かない私ではあるが,Jimmy Scottはジャズ・ヴォーカルのカテゴリーに閉じる人ではないと思えたし,その歌いっぷりには固有の深みがあったと思える。

そんなJimmy Scottがここに並んでいるような曲を歌うのであるから,更に「深い」と言いたくなるような感じである。そして,Jacky Terrasson以下のトリオによる伴奏も控え目ながら極めて適切。こんなアルバムをプロデュースしたCraig Street(さすがである)に感謝したくなってしまったが,ここに含まれた"People Get Ready"の歌詞の意味を改めて噛みしめるとともに,この素晴らしい歌手を改めて追悼したい。万人向けのアルバムだとは思わないが,今は"Heaven"に召されたJimmy Scottの深みを感じるには適していると思ってしまった。

R.I.P.

Recorded in March and April, 1996

Personnel: Jimmy Scott(vo), Jacky Terrasson(p), Hilliard Greene(b), Joseph Bonadio(perc)

2014年9月 9日 (火)

出張中に見た映画:14/8~9月編その1は「キャプテン・アメリカ」シリーズ第2作

Captain_america 「キャプテン・アメリカ ウインター・ソルジャー("Captain America: The Winter Soldier")」('14,米,Marvel)

監督:Anthony & Joe Rosso

出演:Chris Evans, Scarlett Johansson, Sebastian Stan, Anthony Mackie, Samuel L. Jackson, Robert Redford

先日の中国出張では往復で3本映画を見たことは既に記事にした通りである。往路で見たのが本作であるが,Marvelコミックの映画化は飛行機やら,劇場やらで見ているが,エンタテインメントとしてはよくできているので,気楽に見たいと思って選んだのが本作だったのだが,これが結構と言うより相当面白かった。

「アベンジャーズ」物の中では「キャプテン・アメリカ」ってその見た目からしても地味な感じがするわけだが,むしろヒューマンな感じが備わっているのがこのキャラだとも言える。そして,いろいろなシリーズ物との関連性も維持しつつ,ちゃんとストーリー展開をするのが「アベンジャーズ」もののよく考えられているところだと思う。そして,「キャプテン・アメリカ」シリーズとしては2本目の本作であるが,私は第1作は見ていないが,おそらくそちらにあったであろう説明的な部分が求められないことが,本作のシナリオを作りやすくしたのではないかと想像できる。だが,そうした要素を抜きにしても,これは結構よく出来た映画であったと思えるのである。Robert Redfordを悪役に据えたのも面白かったし,新キャラのAnthony Mackie演じるFalconもよかった。このMackie,最近いろいろなところで見るが,主役を食ってしまう部分さえ感じさせる期待の俳優と言ってもよいだろう。

この映画のよさは善と悪の関係性が単純であることによるわかりやすさだが,ウェットな感覚は全くなしで,エンタテインメントそのものに身を委ねることができるというそういう映画であった。前述の通り,キャプテン・アメリカというキャラはアベンジャーズの中では地味さを感じさせるが,ドラマという観点では逆にそれが功を奏したってところだろう。しかし,X-menシリーズのスピン・オフ(ウルヴァリン物)がいけていないのに比べると,この出来のよさはほめてよいと思う。来年に公開予定の「アベンジャーズ」の2本目もこの調子でやって欲しいものである。ただ,アベンジャーズの難しいところは,キャラが多過ぎて,まとまりがつかなくなることで,むしろこの映画のように,限定的なキャラの活躍を描く方が,映画そのものとしては出来がよくなる可能性が強い。そういう意味では,既に製作がアナウンスされているScarlett Johannson演じるブラック・ウイドウのスピン・オフは結構期待できるかもねぇなんて思ってしまった。いずれにしても,この映画,予想以上の面白さである。ということで,点も甘くなり星★★★★☆。

2014年9月 8日 (月)

"Future Shock":リリースから30年以上とはなぁ...。

Future_shock "Future Shock" Herbie Hancock (Columbia)

本作がリリースされたのは1983年。時代を見るに敏感なHerbie HancockがHip Hopを題材とし,スクラッチも導入したことが話題となってもう30年かぁというと,自分もそれだけ歳を取ったのだと思ってしまうわけだが,今,改めてこの作品を聞いて思うことを書いておこう。というよりも,ECMの新譜とか体力的に聞く気にならないから,気楽に聞きたいものを選んでいたら,これだったってことである。

この「気楽」というのがこのアルバムの特徴を示したものだと,今回聞いていてつくづく思ってしまった。これを「問題作」と呼んでいたのは,あくまでも時代によるものであり,それまでジャズ界にはこうした取り組みがなかったから「問題作」扱いされたに過ぎない。今にしてみれば,単なるダンサブルな音楽である。しかもつくりは今から見れば極めてシンプル。だが,それは決して悪いことではない。シンプルでダンサブルな音楽であれば,多くのリスナーに訴求する可能性は高くなるのだ。ジャズという概念でくくろうとするから無理が出るだけの話である。

だから,単純にノリのいい音楽としてこれを聞いている限り,全然問題ないし,私のようなおっさんの耳には今でも結構いけているのでは思わせるものである。だから小難しいことを言わず,のってりゃいいのよってのが正直な感想である。一方で,歴史的に見て,スクラッチをレコーディングしたのはこれが初めてだという,「へぇ~」な話もあって,そういう意義は認めてもよかろう。もちろん,Herbie Hancockとしては,これより優れた音源はいくらでもあると思うが,懐メロ,懐メロってことで(笑)。まぁ,そうは言っても星★★★☆ぐらいが妥当だろう。

Personnel: Herbie Hancock(p, key, synth), Bill Laswell(b), D.S.T.(turntables, vo), Pete Cosey(g), Michael Beinhorn(key), Daniel Poncé(perc), Sly Dunbar(ds, perc), Dwight Jackson Jr.(vo), Lamar Wright(vo), Bernard Fowler(vo), Roger Trilling(vo), Nicky Skopelitis(vo)

ついでにグラミー賞の時のパフォーマンス映像を貼り付けておこう。Herbieの演奏ぶりが笑わせてくれる。しかも司会はJohn Denverだもんなぁ(笑)。

2014年9月 7日 (日)

ようやく音楽の記事を...:Eric Harlandの第2作はちょっと微妙な感じ

Vipassana "Vipassana" Eric Harland Voyager (GSI Records)

Eric HarlandはDave HollandのPrismやJoshua RedmanとのJames Farm等のバンドで,非常に貢献度の高い演奏をするだけでなく,自身のバンド,Voyagerのライブ盤ではリーダーとしても傑出した才能を示し,私も高く評価した(記事はこちら)が,その第2作がリリースされた。私はHarlandのサイトからの購入だったが,もう輸入盤屋にも入ってきているようなので,わざわざ取り寄せることもなかったかなぁなんて思っている。

それはさておきであるが,この作品,前作と近いメンツでやっているにもかかわらず,かなり雰囲気が違う。感覚的に言えば,一般的なジャズというセンスには留まらないものを感じさせるものとなっており,そこが本作への評価の分かれ目となることは明白である。前作との決定的な違いはヴォーカルの採用だと思うが,それに伴ってかもしれないが,Walter Smith IIIの出番が減ってしまっているように思えるのが惜しいと感じるリスナーも多いのではないか。前作はライブ盤ということもあり,長尺の演奏も多かったが,本作は一番長い曲でも6分弱ということで,このメンツでやっているなら,もっとソロの応酬とかがあってもよかったのではないかと思えるのである。そして,7曲目"Normal"のイントロが聞こえてきた時には,まじで驚いた。このバンドからこのフォーク・ロック的な音が出てくるとは想定外だったからである。

もちろん,これだけの優秀な若手~中堅と言ってよいメンツを揃えたバンドであるから,演奏自体のクォリティは高い。だが,私は前作に感じたような高揚感をおぼえないというのが正直なところである。Eric Harlandとしてはより幅広い音楽性を示そうと意気込んだであろうことは想像に難くないが,それが私のようなリスナーの期待とはちょっと違ったものになってしまったと思えるのだ。単なるジャズ・ドラマーじゃないぜっていう気概は感じさせることは認めるが,なんだかちょっともったいない気がする一作。全面否定したくないが,期待値が大き過ぎたこともあって,星★★★ってところになってしまうのが残念。いずれにしても,7曲目"Normal"から8曲目"Greene"への展開がこのバンドに本当にフィットしているのかというと,やっぱり疑問である。11曲目に唐突に「処女航海」が出てくるのもどういう意図だったのかなぁ...。どうせやるなら,私は最後の"Dhyāna"の路線をもっと推し進めるべきだったと思う。

Personnel: Eric Harland(ds, vo, pads, synth), Walter Smith III(ts), Julian Lage(g), Nir Felder(g), Taylor Eigsti(p), Harish Raghaven(b), Chris Turner(vo)

2014年9月 5日 (金)

中国出張中に見た映画

中国へのフライト時間は短いので,通常は往復1本ずつということになるが,今回の帰路では,北京の大雨のため,フライトが2時間ほどディレイし,私たちは機内で飛行機が動くのを待っていたので,結局,往路1本,復路2本の映画を見ることができた。

今回見たのは「キャプテン・アメリカ ウインター・ソルジャー」,「相棒 劇場版III」,そして「マレフィセント」の3本であったが,洋画2本はそこそこ楽しめるものだったのに対し,「相棒」はひどかったねぇ。あんなつまらない映画を作っているようでは,TVの視聴率にも影響してしまうのではないかと,余計な心配をしたくなるような一作であった。「マレフィセント」はおそらくそういうことになるだろうなぁってストーリー展開だったが,私が想像していたよりも超ファンタジックな映像であった。詳しくは改めて。

2014年9月 4日 (木)

中国の次は札幌へ

9/1に中国から帰国し,2日は東京で仕事をし,3日の朝から札幌へ行ってきた。仕事で札幌を訪れたのはかなり久しぶりのことであったが,戻ってきて,移動がボディ・ブローのように披露を増幅させていることはもはや明らかである。仕事柄,出張が多いことは仕方がないが,さすがに身体が悲鳴を上げているようだったので,4日の会議がキャンセルされたのをいいことに,4日の午後は休養に充てることとした。それでも,体力の復活に至っていないのは明らかで,この辺に年齢を感じる。

なぜ,そんなに疲れているのかと言えば,仕事はさておき,札幌でも夜,現地の食を楽しむべく,遅くまで遊び歩いているからにほかならないのだが,それでもうまいものはうまいよねってことで,今回現地でいただいたもののいくつかの写真をアップしておこう。こんなものばかり食していると,痛風の発作が出ても仕方ないよなぁ(爆)。

Photo_2 写真は左から海水ウニ,椎茸の七輪焼き,焼き牡蠣,そしてサンマの燻製。たまりませんな(笑)。

2014年9月 3日 (水)

復活には時間が掛かるかも...。

中国から一昨日帰国し,今日はこれから札幌へ出張。ということで,記事を書いている余裕が全くなく,復活は週末になってしまうかもしれない。こんな状態なので久々にユンケルに頼ってしまった私である(苦笑)。

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