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2014年9月15日 (月)

Antonio Sanchez:3組のトリオで演じた強烈な演奏集。これは凄い。

Three_times_three "Three Times Three" Antonio Sanchez(Cam Jazz)

タイトルが表わす通り,編成の異なる3組のトリオの演奏を組み合わせて作り上げたAntonio Sanchezの新作である。Sanchezが優秀なドラマーであり,優れたリーダーシップを発揮できることはこれまでのアルバムでも実証されていたが,もう一段上のレベルに上がったことを明らかに示す傑作である。

フロントにはBrad Mehldau,John Scofield,そしてJoe Lovanoというそれだけでも期待値が高まるメンツを集め,パートナーとなるベーシストもフロントによって,Matt Brewer,Christian McBride,そしてJohn Patitucciを使い分けるという極めて贅沢な作りの作品となっている。逆に言えば,メンツを集めただけのまとまりのつかない凡作となる可能性もあったわけだが,この作品は違う。Sanchezはフロントの3人の実力を引き出す見事なバッキングを聞かせるだけでなく,2枚組のどの一瞬を取っても素晴らしい緊張感を保っているのだ。それがまさに見事と言うしかない。そして,フロントの3人がこれまた全部凄い。Mehldauの追っかけをしている私としては,それだけでも本作を買う価値ありと思っていたが,日頃彼のトリオで叩くJeff Ballardとは明らかに異質のSanchezのドラムスが,明らかにMehldauのピアノに化学反応を起こしている。フレージングやタッチはいつものMehldauとも言えるが,これほど激しくピアノを弾くMehldauは滅多に聞けない。それがSanchezのバッキングによってもたらされたことは明らかだ。

そして,Mehldau同様,あるいはそれ以上に私を興奮させたのがJohn Scofieldである。私は近年のJohn Scofieldの演奏は,相応の評価はしつつも,昔みたいなイケイケ感がなく,枯れたなぁって感じを覚えていて,決して彼の熱心なリスナーとはなっていなかったのだが,ここでのScofieldはデニチェンとやっている頃のファンクではないが,相当の「熱」を感じさせる演奏となっている。近年聞いたジョンスコの演奏の中では,私にとっては最高のものと思えた。そして,Joe Lovanoである。Lovano~PatitucciにBrian Bladeを加えれば,Patitucciの"Remembrance"となるわけだが,ドラマーが代わるだけで,更にハイブラウ度が増しているように感じるのが,やはりSanchezその人の特性という気がする。

ということで,繰り返しになるが,この作品はフロントのソロイストの個性を活かしながら,その実力をいかんなく引き出したというところの意義を認めなければならない作品である。Antonio Sanchezというリーダー,ドラマーのプッシュによって,ただでさえ優秀なミュージシャン達に更に高いレベルの演奏を可能にさせたと感じさせる超強力作。Mehldau参加の3曲中,2曲がフェード・アウトするのは惜しいが,そんな瑕疵には目をつぶって,私は本作を躊躇なく星★★★★★と評価する。素晴らしい。

Recorded on October 27, December 4 & 16, 2013

Personnel: Antonio Sanchez(ds), Brad Mehldau(p), Matt Brewer(b), John Scofield(g), Christian McBride(b), Joe Lovano(ts), John Patitucci(b)

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コメント

EVAです、おはようございます。

一日遅れですが先程このアルバム(EU盤)ゲットしました。

それとMarisa Monte、予想より早く届きました。

とっても良いライヴアルバムですね。

今回入手した3枚の中でも一番のお気に入りとなりました。

↑のアルバムの到着が楽しみです。

有難うございました。

EVAさん,こんばんは。

Marisa Monteは非常にいいと思いますが,音楽の興奮度という点では本作の方が上ですね。これは確実に今年の回顧時に,最高作候補の中に入ってくると思います。本当の興奮ってなかなか味わえませんが,これはそれを感じさせてくれる素晴らしい作品でした。

密林のMp3を待ってたので聞くのが遅れましたが、これはとんでもないものを作ってしまいましたね。straightでsolidでstylishでprovocative。精神の発揚が止まらない。だから演奏も止まらなくなったのかfade outが本当に惜しい。2枚組なのだから20分でも30分でもやって欲しかった。まだ今年は終わっていませんが、傑作が多い今年の中でもこれは群を抜いています。今年のNo.1決定です。

カビゴンさん,続けておはようございます。

本作が群を抜いた傑作(複数あったとしても少なくともその一枚)という評価は同感です。私にとってはジャズはかくあるべしみたいな演奏でしたし,おそらく,私にとってもNo. 1と言ってもよいだろうと思います。だからこそフェード・アウトは惜しいですが,あまり長くてもダレるという判断もありだと思いますので,これはこれでよしとしましょう。

コメント&トラックバックありがとうございました。最近、聴く枚数が減っている私ではありますが、本作が突出した作品であることは全く同感です。聴いている内に、「これはなかなか聴けない1枚だな」と実感させるに十分な出来ですね。当方からもTBさせて下さい。

1irvingplaceさん,こんばんは。TBありがとうございます。

今年もいろいろいいアルバムはあったと思いますが,本作のインパクトは強烈でした。これを凌駕するアルバムが出てくるのかどうか...。いずれにしても,Antonio Sanchez,凄いことになってきました。来週はPat Metheny Unity Groupのライブですが,当然のことながら期待が高まりますね。

あえて3つのリーダー作ではなくて、このメンバーを呼べるのもスゴいと思いますが、3X3で作ってしまうあたり、やっぱりスゴいと感じてしまいます。今年出会った中ではかなりのアルバムでした。興奮さめやらない感じです。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

このアルバム,非常にテンションが高く,素晴らしい演奏でしたよねぇ。これだけの興奮度をもたらしてくれるアルバムはそうないと思います。

間違いなく,今年のベスト作の最有力候補でしょうね。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

閣下、、トラバありがとうございました。
丁度、入院やら、なんやらで、ブログアップがおそくなりましたが、、
これは、1枚で9回 うなれる アルバムだとおもいました。

メルドーもジョンスコもロバーノも 良いとこが沢山でてました!
こちらからもとらばします。

Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。

全面的にSuzuckさんのコメントに賛同です。「1枚で9回うなれる」ってうまいことをおっしゃいますわ。

贅沢なメンツで埋め尽くされた豪華絢爛なアルバムでした。
もちろん、そのクレジットに負けず劣らず、いや凌駕するほどの内容に仕上がっており、非常に満足度の高いアルバムでした。
(PMUGでの)来日のタイミングとも合って、Antonio Sanchezの株高騰ですね。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんにちは。TBありがとうございます。

一般的なジャズ好きで,この音楽がダメって人はそうはいないでしょうねぇ。ジャズという音楽の魅力がある意味で凝縮したアルバムだったと思います。

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