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2015年おすすめ作

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2014年7月31日 (木)

Thomas Enhco@Cotton Club参戦記

Thomas_enhco ブログ界では取り上げていらっしゃる方も多々あるThomas Enhcoであるが,私はこれまで彼の音楽とは全く縁のない生活を送ってきた。だって知らないんだもん,と言っていればよかったのだが,今回,会社の同僚からの誘いに乗って,コットンクラブで彼のソロ・ライブを見てきた。

結論から言えば,実力のある人である。特に速いリズムの中で繰り出すパッセージはかなり魅力的と言ってよく,その一方で,バラッド表現は欧州的な美的フレーズを炸裂させると言えばいいように思える。こういう演奏をする人であり,かつ彼のルックスを踏まえれば,コットンクラブに集まった聴衆が♀3に対し,♂1というのもまぁむべなるかなって感じである。かつ,演奏が終わった後のサイン会における彼の対応はすこぶるナイスなものであったので,これは女性ファンがつくのも当たり前って気がする。

だが,今回の演奏を聞いていて,手放しでは褒められないと感じたのも事実である。2曲目に演奏した"It Ain't Necessarily So"がダメな方の代表的な演奏である。かなりテンポを落としての演奏がチャレンジングであることは事実だが,私はこの演奏を聞いている時は,何とも頭でっかちで全然面白くないと感じていたのである。また,ピアノの弦をはじいて,フリー的なアプローチで始めながら,アイディアが枯渇したのか,いきなり"Someday My Prince Will Come"に変化し,そこに「愛の賛歌」を交えるという,ハードなジャズ・ファンからすれば苦笑せざるをえない展開にも,まだまだこの人の限界を感じた私である。

演奏終了後のサイン会において,私は彼とちょっと話して,「君は速いテンポの曲の方が魅力的に聞こえるぜ」と本音トークを炸裂させた私だが,そこでの彼の切り返しが,「じゃあ,アンコールの曲はどうよ?」ってものだった。アンコールで演奏した曲は,Enhcoの「遠距離恋愛」体験に基づく曲らしいのだが,それはそれで美しい演奏だったので,「おぉっ,あれはよかったぜい」と言っておいた。

だが,まだまだ若いねぇと思わせたのも事実は事実であり,伸びしろは感じさせながら,まだ未完の大器って感じを残していたのは何とも初々しい。そして,このルックス(岡田将生かっ~?)では,ライブ会場に老若女々(笑)が揃うのも当然かと思わせる。だが,ルックスだけではなく,ちゃんと実力も備えたミュージシャンであったことは間違いない。私は会場でJohn Patitucci,Jack DeJohnetteとの共演盤を買おうと思ったのだが,既に売り切れていたので,その前のリリースの"Fireflies"を仕入れてきたが,一体どんな演奏をしているのか非常に興味深い。そのうち記事をアップすることにしよう。

繰り返しになるが,彼は25歳そこそこという年齢なので,これからの成長に期待するというのが正しい接し方とは思うが,ピアノを弾く姿勢のよさからしても,育ちのよさは間違いないところである。その彼ば今後どう化けるのか。きっと今後,急速な成長を示してくれるものと思わされたライブであった。いずれにしても,今回が日本ツアーの最終公演だということで,セカンド・セットはアンコール込みで90分を越え,大いに得した気分の私であるが,でもやっぱり彼は速い曲の方が魅力的に響いたと思う。

2014年7月30日 (水)

CSNY 1974のブックレットが無茶苦茶充実している...

Csny_booklet 先日デリバリーされた"CSNY 1974"であるが,まだ全部聞けていない私である。しかし,ロック色の強い1枚目のディスクを聞いただけでも,この時のライブが非常に充実したものだったことはわかるってものである。今,私はアコースティック・セットの2枚目の途中まで聞いただけだが,それだけでも相当満足度が高いと予め書いてしまおう。

そして,このアルバム,付属のブックレットが非常に分厚い。何と180ページ以上の大作である。これを全部読むのはなかなか大変だが,Pete Longの80ページ以上に及ぶライナーも凄ければ,収められた写真もデータも相当強烈な出来である。私がその中でも喜んでしまったのが,曲目紹介に,曲目毎に彼らが使用しているギターまで書いてあることである。いやいやこれは素晴らしいデータ・アーカイブであり,これだけでも相当価値がある。彼らが弾くアコースティック・ギターはほとんどD-45が占めているが,Neil YoungがD-28やD-18を弾いている曲もある。こういうところに注目して,このアルバムを聞けば楽しみも増えるってものである。いや~,これだけで当分楽しめてしまいそうな気がする私である。今年最高の発掘盤となることはもはや決まったも同然であろう。く~っ,たまりまへん。

2014年7月29日 (火)

やっている音楽とジャケが完全にミスマッチな感じのSky Ferreira

Sky_ferreira "Night Time, My Time" Sky Ferreira(Capitol)

本国では昨年リリースされていたようだが,国内盤はまだリリースされたばかりなので新譜扱いとさせて頂く。

このアルバムのジャケットを某誌で見た時,米国ではありえないと思っていたのだが,更にリリース元がメジャーのCapitolレーベルと知り,更にびっくりした私である。先般リリースされた国内盤ではジャケにトリミングが施されて問題がなくなっているが,元のジャケは本国でも波紋を読んだはずだ。一体私が何を言っているのかといぶかしむ読者の方もいらっしゃろうが,まぁそれはネット上で探して頂ければいい話である。大したことないじゃんと言われればその通りだが,米国のように一般的には画像/映像や表現に対する規制が厳しい国においてはこれはびっくりするジャケなのだ。本日は問題部分をステッカーで隠したバージョンの画像をアップするが,普通,この手の写真がジャケを飾ることはありえないことだと思う。まぁ,昔はジミヘンの"Electric Ladyland"のようなものもあったが,今やそのジャケットは使われてないしねぇ...。

だが,こうした挑発的なジャケからすると,もっとパンクのようなノリを予想していたのだが,出てきた音は全く違っていた。極めて真っ当なポップ・チューンが並んでいて,なかなかいい曲が揃っている。だが,その6曲目のタイトルが「カタカナにすると放送禁止用語なので書けない(笑)」...って何のこっちゃって言わざるをえない。だが,それは破廉恥と言うよりも,日本の特異なクリスマスの過ごし方を皮肉っているだけである。私もそうだよねぇなんて思ってしまうような歌詞なのであって,その曲が国内盤ではカットされているというのは,いかがなものかと思う。単にタイトルを伏せ字にするというやり方だってあったように思う。

Sky_ferreira_1_2 いずれにしても,このアルバムはちゃんとしたポップ・ロックって感じであって,ジャケや件の曲のタイトルから想像されるような色ものではない。私が購入したバージョンには"Ghost EP"がオマケでついていてもうけた気分だが,いずれにしても,ちゃんとした音楽をやっているので,色眼鏡で見ることなく,ちゃんと聞いてみる価値がある人だと思った。EPの方は,本作と随分テイストの違う曲もあって,どっちが本音?と思えないこともないが,この人,結構な才能を持っていると思える。星★★★★。ここに貼り付けた写真を見ていると,Blondie,あるいはMadonnaのような感じもあるが,やっぱりイメージ的にはちょっと尖った感じを打ち出したいんだろうなぁ。今後,どのような活動を展開するのか興味深いところであるが,ドラッグの保持で捕まったりしているので,どうなんだろうねぇ。それでも今年の「サマソニ」には来るらしいから,件の「放送禁止用語をタイトルにした曲」もやっちゃうのかねぇ。どういう感じでやるのか興味深いが,連呼されたら笑ってしまうかもしれない。だが,私のようなオッサンが「サマソニ」に行くことはない(きっぱり)。

尚,クレジットはぎりぎり老眼にでも解読可能だが,今回は省略。

2014年7月28日 (月)

「エイゾーはえぇぞ~(笑)」:Azar Lawrenceのライブ作

Azar_lawrence "The Seeker" Azar Larrence(Sunnyside)

Azar Lawrenceと言えば,多くの人にとってはMilesの"Dark Magus"あるいはMcCoy Tynerとの共演作によって記憶に残る人だと思える。その他にはEW&Fとも共演したりしていて,間口が広いが,基本はブラック・スピリチュアル系だと言ってよい。そのAzar Lawrenceについては,先日,新橋のテナーの聖地「Bar D2」にお邪魔した際,"Prayer for My Ancestors"を聞かせて頂き,なかなかいいねぇと思っていた。その際,マスターが繰り返していたのが「エイゾーはえぇぞ~」というフレージングであった(笑)。確かに私もえぇぞ~と思っていたが,"Prayer..."の入手はなかなか難しいなぁと思っていたら,そのAzar Lawrenceの新譜がショップに並んでいたので,ゲットしてきた。

これは2011年の12月にNYCのJazz StandardにAzar Lawrenceが出演した時のライブ盤であるが,結構豪華なメンツが揃っている。まぁ,ライブ盤にもかかわらず,フェード・アウトするってどういうことよ?と文句も言いたくなるが,このメンツであるから,1曲20~30分とかやってたんだろうねぇというのは想像に難くないとしても,やっぱりちょっと惜しいねぇ。だが,Azar Lawrenceらしい暑苦しさはこれだけでも十分感じられるのが人徳ってやつか(爆)。メンツの中ではピアニストのBenito Gonzalezという人は,私にとっては馴染みの薄い人だが,現在はKenny Garrettと共演しているようである。日頃,どういうピアノを弾いているのかはわからないが,ここではリーダーに合わせて(?),McCoy Tynerのようなピアノ・プレイぶりである。1曲だけ,Gonzalezの"One More Time"というオリジナルが入るが,それ以外はAzar Lawrenceのペンになるもの。このライブのために書いた新曲もあるようである。Lawrenceの書いた曲とGonzalezの書いた曲は,明らかにテイストが違って面白いねぇと思わせるが,ソロになると,もとのメロディなんて関係ないじゃんとも思える暑苦しさが炸裂する(笑)。

まぁ,暑苦しいとは言っても,難解フリー・ジャズではないし,ビートもはっきりしているので,聞きにくいとかそういうことではない。まぁ,Azar Lawrence以外はそんなにブラック・スピリチュアルって感じでもないしねぇ。ECMあたりの音楽とは対極にあるテンションの高いジャズではあるが,昨今,こういう音もなかなか聞けなくなったことを考えれば,今の時代にこういうアルバムが出ること自体がある意味健康的なことだと思える。一番好きなのはAzarがワンホーンでColtraneのように吹き上げる"Rain Ballad"だってのが,私も好き者だと思ってしまう。

ただ,先述の通り,ほとんどの曲がフェード・アウトしてしまうのは何とも惜しい。まぁ,こういう音楽を2枚組で出せよと言うのも酷だとは思うが,それにしてもこれは残念。むしろ,Jazz Standardにおいて,このライブを目撃していた人はフルフルで聞いて疲れ果てていたのではないかとも思えるが(笑)。ということで,その辺の編集が減点対象となり,星★★★★。やっぱり惜しいよなぁ。こうなったら,Azar Lawrence入りの"Black Renaissnce"でも聞くか~(爆)。

Recorded Live in December, 2011 at Jazz Standard, NYC

Personnel: Azar Lawrence(ts, ss), Nicholas Payton(tp), Benito Gonzalez(p), Essiet Okon Essiet(b), Jeff "Tain" Watts(ds)

2014年7月27日 (日)

Brad Mehldau入りの豪華メンツによるDayna Stephensのアルバムのダウンロード・ファイルが到着。

Dayna_stephens "Peace" Dayna Stephens (Sunnyside)

本作はPledge Musicで告知されていたもので,CDの現物はまだリリースされていないが,Pledge済みのユーザには先日ダウンロード・ファイルが届けられたものである。Dayna Stephensと言えばCriss CrossやSunnysideでも作品をリリースしているが,私がこのアルバムを買おうと思ったのは偏にBrad Mehldauの参加ゆえである。実を言えば,その他のメンツも強烈である。Mehldauに加え,Julian Lage,Larry Grenadier,そしてEric Harlandでは食指も動こうというものである。加えてプロデューサーはMatt Piersonである。

Dayna Stephens本人がこの作品に関しては"The music is going to focus more on intimacy..."と書いている通り,タイトル・トラックのHorace Silver作"Peace"をはじめとするスタンダード中心のバラッド集になっている。Brad Mehldauがここに収められたような曲を演奏することは比較的珍しいことであり,リーダーには申し訳ないが,そこが私にとっての最大の注目ポイントであった。詳しいデータがまだ届いていないので,詳しくは現物が届いてからということにしたいが,なんでここにBrad Mehldauが?という気もする。だが,Dayna StephensはCriss Crossの"I'll Take My Chances"において,Mehldauの"Unrequited"を取り上げているし,プロデューサーもMehldauと旧知のPiersonということもあったのだろう。

いずれにしても,Brad Mehldauが"I Left My Heart in San Francisco"のような曲を演奏する意外性もあり,なかなか面白い。ただ,バラッドだけでなく,リスナーとしてはこのメンツによるもう少し激しい演奏も聴いてみたいような気がしてしまう。まぁ,それでもBrad Mehldauファンにとっては見逃すことのできない新作であることには間違いない。残念ながら,本作のPledge Musicでの販売は終了しているので,本作が多くのリスナーの耳に届くのはアルバムの正式リリース時ってことになるのでそれまでお待ち願いたいが,私はPledger特権を大いに楽しみたいと思っている。

2014年7月26日 (土)

CSNYライブ4枚組は来たものの...

昨日までの3泊の群馬出張でヘロヘロになってしまった私である。仕事が終わって,高崎駅の前でタクシーを降りると,温度計は38℃を示していたのだから,仕事疲れに加えて,暑さに当たったってところである。その後,東京の自宅に戻ると,1974年のCSNYライブの模様を収めたアルバムがデリバリーされていたのだが,正直言って,今日は体力の回復が先決であり,音楽を聞く余裕なんてなさそうである。

まぁ,CD3枚,DVD1枚というボリュームであるから,聞き通すにも相応に時間が掛かりそうなので,いつ記事にできるかは心配だなぁ...。

ということで,さぼり癖がついてはいかんということで,取り敢えずの記事のアップである。それにしても「取り敢えず」感に溢れていて,読者の皆さんごめんなさい。

2014年7月24日 (木)

出張中につき。

7/22から三連泊で群馬に出張中である。群馬と言えば気温が高くて何かと話題になるが,実際暑い‼︎外を歩いているともわ〜っとするので大変だ。だからこそ仕事が終わるとビール、ビールとなってしまうのも仕方がないことだが,痛風発作が怖くて日頃はあまりビールを飲まない私も,ついついビールに手が伸びるのだ(言い訳)。

こんなことをやっている一方で,世の中では信じ難いことが起こっている。マレーシア航空の撃墜事件である。誰がどう見ても誰に責任があるのが明らかでも,くだらない論理を振り回してそれを否定しようとする日本人が,FBやTwitterで勝手に述べていることを見るといたたまれない気分にならざるを得ない。何かと言えば,メディアの偏向という理屈しか彼らには信じるものがないのかとさえ思いたくなる。ワン・パターンもいい加減にして欲しいもんだ。

自分の論理の正当性を訴えることと,真っ当な判断力を持つことは別問題だと思えないならば,誰も彼らの言うことに耳を貸さないのにねぇと思わざるを得ない。ネット上にはそうした無責任野郎がいるのは事実だし,それを生んでいるのが匿名性だってのは明らかだ。私のブログにもそういう奴らが悪辣なコメントを書き込むが,彼ら,彼女らに共通しているのは匿名だってことである。自信があるならハンドル・ネームぐらい書けよと言っておこう。匿名だったら公開しないってオプションもあるが,いずれにしても卑怯なやり方でしか持論を展開できない読者ならばアクセスしてもらわなくても全然問題なしである。

2014年7月23日 (水)

Steve Miller Bandの大ヒット・パレード

Steve_miller_band_live "Steve Miller Band Live!" Steve Miller Band (Capitol)

昨日に続いて懐メロである。私が"Fly Like an Eagle"にしびれたのが1976年のことであるから,もう40年近くも前のことである。今でも件のアルバムは私は相当好きだと言ってもいいが,そうは言ってもSteve Miller Bandが超メジャーだったのはその後6~7年のことだったと思う。このライブ盤も彼らの大ヒット・パレードのような選曲にも関わらず,ビルボードのポジションは125位どまりだったことを考えると,既にこの段階で人気のピークは過ぎていたということである。

だが,こうして久しぶりに聞いてみると,やっぱりまだまだ勢いがあったよねぇという感じで,私としては懐かしいやらなんやらで結構楽しんで聞いてしまった。今の時代だったらありえないような収録時間(39分弱)だが,どうせならベスト盤的に2枚組にしてもよかったものを,1枚で完結させるところがまた潔く感じてしまう。いずれにしても,ポップさとブルージーな感覚をうまくバランスさせたバンドだったなぁと思ってしまった。

本作にはBoz Scaggsがこのバンドにいた頃(アルバムで言えば"Sailor"収録)の曲である"Gangster of Love"や"Living in the USA"も収録されているが,この2曲が結構魅力的なところを感じさせて,非常にいい感じである。いずれにしても,往時のヒット曲を次から次へと繰り出し,ライブの場に入れば,オーディエンスは絶対楽しんだだろうねぇと思ってしまう。だが,この人,日本には来たことがないようなので,絶頂期のライブに触れる機会はなかったのだが,これを聞いていればライブ・バンドとしてもまぁまぁいけていたと思える。まぁ,ブルーズ指向も結構強い人たちだったから,日本での受けは限定的だったかもしれないが,今年の夏はJourney,Tower of Powerとアリーナ・ツアーをやっているんだから,米国では今でもある程度いけているということであろう。

正直言ってしまえば,このライブの演奏って軽いなぁとも思うのだが,沢山ヒット曲を聞けてOK,OKっていうこちらも軽いノリで聞いていれば何の問題もない。歴史に残るアルバムでもなんでもないが,エンタテインメント・アルバムとして楽しめばいいという作品だろう。私は好きなのは言うまでもない(笑)。星★★★★。

Recorded Live at the Pine Knob Amphitheater, Detroit on September 25, 1982.

Personnel: Steve Miller(vo, g), John Massaro(g), Kenny Lee Lewis(b), Norton Buffalo(hca), Byron Allred(key, synth), Gary Mallaber(ds, perc, key)

2014年7月22日 (火)

ちょっと感じが変わったような気がするSomiの新譜

Lagos_music_salon "The Lagos Music Salon" Somi (Okeh/Sony)

以前,このブログでも取り上げて(記事はこちら)かなりの絶賛をしたSomiの新譜が,メジャーのソニー系列のOkehレーベルからリリースされた。実は買ってから多少時間が経ってしまっているのだが,まだまだ新譜として捉えていいだろうということでのご紹介である。

Somiはそのバックグラウンドからしても,あるいはサウンドからしても,アフリカ音楽の影響の強いジャズ,あるいはジャズよりもワールド・ミュージック寄りのヴォーカルとして捉えることも可能である。但し,本人も言っているように,彼女の音楽にはジャンル分けはあまり必要ないのではないかと思える。だが,今回はサウンド的にアフリカ的な要素は前作よりも強まったようにも感じられる。そして,ビートが前作より強化されたというところであろうか。

正直言ってしまえば,私は前作の方が好みではあるが,この作品とて,決して悪い出来ではなく,むしろいい出来だと言ってもよい。だが,このちょっとしたイメージの変化が気に入るか気に入らないかはリスナーの判断次第ということで,リスナーなんてわがままなものなのである。

だが,前作同様,歌唱と伴奏のバランスがうまく保たれながら制作されていて,これはプロデュースがしっかりできていることの証である。もちろん,その前にSomiというミュージシャンの実力があってこそだが。本作でも前作に続いて,百々徹がピアノでナイスなバッキングをしているが,彼のピアノが本作をより魅力的に響かせていることは特筆しておきたい。私は前作の方を推すが,本作も十分星★★★★には値する佳作。

それにしても,先行リリースされた"Last Song"は美しいメロディ・ラインで始まり,ここでも百々徹のピアノが効いているが,テンポ・アップすると曲の魅力が多少落ちるように思ってしまうのは,多分私がLiberty Ellmanが弾くアフリカ的ギターがあまり好みではないからなんだろうなぁと思う。多分Lionel Louikeが好きになれないのと同じような感覚をおぼえている。アフリカ音楽に抵抗はないのだが,多分,この手のギターがダメなのだと思う。

Personnel: Somi(vo), 百々徹(p), Liberty Ellman(g), Michael Olatuja(b), Keith Witty(b, ds-prog), Otis Brown III(ds), Sheldon Thwaites(ds, perc), Abraham Laniate(talking ds), Ambrose Akinmusire(tp), Jerrick Matthews(tb), Michael Dease(ts), Cochemea Gastelum(sax), Christophe Penzani(fl), Etienne Charles(horn arr), Cobhams Asuquo(perc, ds-prog, vo), Ayanda Clarke(perc), Wura Samba(perc), Michael Boyd(ds-prog), Angelique Kidjo(vo), Common(vo), Olaltan Dada(vo), Chima Eluwa-Henshaw(vo), Uzo Enemanna(o), Priscilla Nzimiro(vo), Alicia Olatuja(vo), Re Olunuga(vo), Karibi Fubara(vo), Kamal Ajiboye(vo), Pheel(vo), Ikon(vo), Jinmi Sonuga(vo), Conrad Harris(vln), Pauline Kim Harris(vln), Caleb Burhans(vla), Peter Sachon(cello)

2014年7月21日 (月)

ある方のリクエスト(?)により,今日はUriah Heepである(笑)。

Uriah_heep "Look at Yourself" Uriah Heep(Bronze)

「対自核」である(なんでやねん?)。私が突然Uriah Heepを取り上げるとは,読者の皆さんにとっては,そっちの方がなんでやねん?であろう(笑)。これには理由があって,いつもお邪魔している新橋のテナーの聖地「Bar D2」でよくご一緒させて頂くMさんにはこのブログもご覧頂いているようなのだが,「ロックについても書いて!」というご指示を頂戴してのセレクションである。その時の会話でUriah Heepという名前も出てきていたので,おぉっ,そう言えば「対自核」は持っていたなぁ,あるいはボックスもあったはずだなんてことでの登場である。とは言いながら,ボックス・セットはどこかにしまい込んでいて,出てきていない(爆)。実家かなぁ?

このアルバムがリリースされたのは1971年のことであり,私としては同時代ってわけにはいかない。71年と言えば,私はまだ小学校の4年生であるから,まだまだ洋楽には目覚めていない歌謡曲真っ只中の子供であった。よって,この音楽は当然のことながら後追いで聞いたわけだが,やっぱりこれは仰々しいオルガンがサウンドの鍵だよねぇなんて思ってしまう。それは裏を返せば,Ken Hensleyのオルガンの音がこのバンドの個性のかなりの部分を担っていたように感じる。また,オルガンを弾いていなくても,Hensleyのスライド・ギターはかなり重要な位置づけを占めていて,本作における彼の役割は極めて大きかったことがはっきりする。全ての曲の作曲にも関わっているのだから,それはそれで当然だが,ハード・ロック的なものと,オルガンに起因するであろうプログレ的なフレイバーがうまくミックスされていたと言ってよいように思う。

そして,このアルバムが評価された要因としては,彼らのライブの重要なレパートリーを占めるに至ったタイトル・トラックや"July Morning"のような曲が収められているということであろう。まぁ,これだけしっかりしたメロディ・ラインを展開されたら,当時の特に日本人のリスナーの大体がまいってしまうのではないかと思えるほどである。

ということで,この音源は既に40年以上の前の作品であって,往時を懐かしみながら聞くってのが私にとってのやり方であるが,まぁ暑苦しいって言えばその通りである(笑)。星★★★★。

それにしても,本作のタイトル・トラックをザ・ピーナッツがライブでカバーしていたというのが凄い。彼女たち,同じステージでクリムゾンの"Epitaph"もやっちゃっているので,進取の精神が感じられるねぇ。面白いので「対自核」と「エピタフ」の音源も貼り付けておこう。いやはや凄い時代というか,何でもありだったのねぇ(笑)。でもこの記事,Uriah Heepとザ・ピーナッツのどっちがメインかわからなくなってきたなぁ(爆)。

Personnel: David Byron(vo), Mick Box(g), Iain Clark(ds), Ken Hensley(org, p, g, vo), Paul Newton (b) with Manfred Mann(synth), Ted, Mac and Loughty of Osibisa(perc)

2014年7月20日 (日)

"Fuse One":これももはや懐メロである

Fuse_one "Fuse One" Fuse One(CTI)

このアルバムが出たのが1980年,今にしてみれば,強烈なキャストが揃っているセッション・アルバムだが,McLaughlinやCoryellが参加している割に,耳馴染みがいいのが意外(笑)である。

そもそもこのアルバム,グループ名はFuseでその1枚目だから"Fuse One"だったという話もあるはずだが,その後出た"Silk"や"Ice"というアルバムでも,グループ名はFuse Oneとなっているから,最終的にはこれが正式グループ名(というかプロジェクト名?)と言ってよいのだろう。まぁ,今にして思えば,時代の徒花だったと言ってもよいのだが,それでも意外な組合せによる意外な演奏集ということでは懐かしいものだ。

何と81年には「Fuse Oneの精鋭たち」を名乗って来日して,新宿厚生年金会館ほかでライブを行ったわけだが,私は大学に入ってギターを買った時に,楽器屋でもらったタダ券でそれを見に行った記憶がある。その時はJoe Farrell,Steve Khan,Jeremy Wall,Ronnie Foster,Will Lee,Nduguというある意味いいメンツではありながら,華がないという構成であったが,客入りは今イチだったような...(はっきり覚えていない)。それに比べると,本作のメンツはやっぱり派手。曲によって雰囲気が随分違う曲もあるが,まぁ,それはそれとして,往時の演奏の楽しめばいいのではないかと思う。

まぁ,曲の中ではCMにも使われていた"Double Steal"が懐かし過ぎって感じである。スメタナの「モルダウ」をアレンジした"Waterside"の哀愁度も捨て難く,全体としては大甘承知で星★★★☆。

Personnel: Joe Farrell(ts, ss, fl), Larry Coryell(g), John Mclaughlin(g), Victor Feldman(key), Jeremy Wall(key), Ronnie Foster(key), Don Grusin(key), Jorge Dalto(key), Stanley Clarke(b), Will Lee(b), Ndugu Leon Chancler(ds), Tony Williams(ds), Lenny White(ds), Paulinho Da Costa(perc), Roger Squitero(perc), Hugh McCracken(hca) with Strings

2014年7月19日 (土)

先日見た映画:「オール・ユー・ニード・イズ・キル」

Edge_of_tomorrow_poster 「オール・ユー・ニード・イズ・キル("Edge of Tomorrow")」('14,,米/豪,Warner Brothers)

監督:Doug Liman

出演:Tom Cruise,Emily Blunt,Brendan Gleeson,Bill Paxton

先日,「ノア 約束の舟」とはしごした映画である。

この映画,私は日本のプロモーションのやり方で随分損をしているように感じるのだが,気のせいだろうか。これは単なるSF/アクション映画と言ってもよいのだが,着想が非常に面白いと思える。そもそも私は本作の原作である桜坂洋の小説には全く接点がなかったわけだが,考え方としては「"ドラクエ"や”FF"のようなRPGのステージにおいて,ボスキャラ,その他のザコキャラ(笑)に戦いを挑み続け,倒されてはその都度出直しをさせられながらも,ちゃんと学習して,次のステージに進んでいくプレイヤー」を主人公に当てはめるとこうなるって感じである。

というわけで,そういう観点(RPGで苦労した経験があればあるほどわかるはずだ)でこの映画を見ればなるほど,と思えるし,RPGをやったことがない人間にとってはなんでそうなるねん?の世界だろう。正直言って原作に従って「ギタイ」と呼ばれる異星人(?)は気色悪いが,まぁそれはそれとしても,この映画,非常に評価が高いのはその「着想」ゆえではないかと思える。「そんなんありえへん」と言った瞬間,この映画は終わりなので,それをどこまで許容できるかによって,評価は随分違うはずである。だからこそ,この映画の着想をうまく伝えると,この映画の面白さはもっと伝わるはずだと思うが,宣伝においてはなんだかTom Cruiseのアクションばかりに軸足が置かれているように思えて,やはりもったいないと思える。

もちろん,今後も築かれていく映画の歴史の中で,極めて重要な作品と言うつもりはないが,それでもこれは結構面白く出来ている映画として私は評価したいと思う。はっきり言って「ノア」よりははるかに面白かった。エンタテインメント職人,Doug Limanの面目躍如ってところだろう。星★★★★。

2014年7月18日 (金)

聞き方を変えて聞いてもやっぱりよいものはよい"Ballads"

Ballads "Ballads" John Coltrane (Impulse)

私の誕生日はColtraneの命日と同じでも,彼が亡くなった年と,私が生まれた年は違うので,生まれ変わりなんて言うつもりはないが,それでも「因果だよねぇ~」なんて言いたくなるのはジャズ好きの性である(爆)。

それはさておきであるが,新橋のテナーの聖地「Bar D2」にお邪魔させて頂くと,私よりもはるかに音楽に対して洞察の深いマスターに教わることが多々あるのだが,最近のテナー・サックスの聞き方で「へぇ~」と思ったのがビブラートの能力だと思った。今まであまり気にしたことがなかったのだが,ちゃんとビブラートを利かせられるかどうかっていうのは,プレイヤーの立場からは重要であっても,聞き手の立場からは意識できていなかったというのが正直なところである。

だが,お店でいろいろなテナーを聞かせて頂くと,それが一目瞭然(一聴瞭然?)なのである。全然できない人と,ちゃんと出来る人の違いは天と地ほどの差がある。John Coltraneに関して言えば,「出来る人」の典型みたいな感じであり,改めて今更ながらこのアルバムを聞いてみると,おぉっ,確かに違うぞと思わせてくれる。

John Coltraneというのはどちらかというと激しい方に目が向きがちであるが,今,ビブラートという点に注目して本作を聞いてみると,John Coltraneというサックス・プレイヤーのレベルの違いを感じさせるに十分だと思ってしまうのだ。言っておくが,Sam Taylorのように演歌的なノリのビブラートでは決してない(当たり前だ!) 。50年代にMilesのバンドに招かれた時に,イモだと言われたというのが嘘みたいというか,当時からMilesはColtraneの実力をちゃんとわかっていたのだということを,よくわからせてくれる演奏である。こうして違う観点で音楽を聞くと,別の楽しみが生まれるという典型である。

いずれにしてもあぁだこうだと言っていても,このアルバムにケチをつけること自体無理だと思うので,星★★★★★しかないとは思うが(笑)。

Recorded on December 21, 1961, September 18 and November 13, 1962

Personnel: John Coltrane(ts), McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Elvin Jones(ds)

2014年7月17日 (木)

今日は休暇でThird Worldを聞いている私

Third_world "96º In The Shade" Third World (Mango / Island)

今日は私が年齢を重ねる日であるが,恒例として会社は休むことにしている。なので,午前中のこの時間にもまったりしながら,音楽を聞いている私である。働いている皆さん,ごめんなさい(笑)。

ということで,今日取り上げるのは夏になると顔を出すレゲエであるが,本日はThird Worldである。後にStevie Wonder作の"Try Jah Love"みたいなポップ・チューンをヒットさせて,これがレゲエなのかと思わせた彼らであるが,まだまだ真っ当なレゲエをやっている時期の作品で,どっちが好きかと言われれば,私は間違いなく本作の方を取る。

レゲエのリズムは心拍と連動するものであるがゆえに気持ちがよいのだとする説もあるが,確かにそうかなと思わせる部分もあるように思える。だが,レゲエの音楽は,歌詞をよくよく眺めていると,メッセージ性の強いものが多く,本作もそうである。私がレゲエを聞く場合,このリズムに身を委ねることを優先してしまうことがほとんどで,本当は音楽の聞き方としてはいかんのかもしれんなぁと思いつつも,私のレゲエに対する接し方は通常はそうなってしまうのである。

しかしである。このタイトル,「日陰でも(華氏)96º」という摂氏に変換すれば35.6℃の灼熱(くそ暑い状態)を指すが,この歌が本作に収められた"1865"に歌われた同年のモントラ・ベイの反乱に基づくものであり,歌われているのが次のような歌詞だと認識すれば,これはお気楽に聞いてはならないと思えるのである。

Some may suffer and some may burn
But I know that one day my people will learn
As sure as the sun shines, way up in the sky
Today I stand here a victim the truth is I'll never die

As sure as the sun shine
Way up in the sky,
Today I stand here a victim -
The truth is I'll never die...

このメッセージ性がレゲエのいいところでもあり,日頃のチャラチャラした気分を正す効果もあるということと認識しておこう。音楽に込められたメッセージを理解すれば,更にその魅力は増すはずなのだ。という意味では日頃のいい加減な音楽の聞き方を反省してしまった(苦笑)。

しかし,それはさておき,これがよく出来たアルバムであることは何年経っても変わらない。喜んで星★★★★★を謹呈しよう。だが,エアコンの聞いた部屋で"96 Degrees in the Shede"なんて聞いていてはそれはそれでけしからんなぁ(爆)。

Personnel: Bunny Rugs(vo), Michael "Ibo" Cooper(key), Stephen "Cat" Coore(g), Irvin "Carrot" Jarrett(perc), Willie Stewart(ds), Richard Daley(b)

2014年7月16日 (水)

Cécile McLorin Salvantって誰なんだっけ?の巻

Womanchild "WomanChild" Cécile McLorin Salvant (Mack Avenue)

私はジャズ・ヴォーカルへの興味が薄いので,DownBeat最新号の国際批評家投票で,Cécile McLorin Salvantが"Jazz Album of the Year"はじめ4冠に輝いたのを見て,それって誰よ?って思ってしまったのだが,ここまで評価されるには何らかの理由があるに違いないということで,その「今年の1枚」に選ばれたアルバムを購入してみた。

調べてみれば,Cécile McLorin Salvantは2010年のMonk Competitionで1位になっている人だったのだが,上述の通り,私はヴォーカルへの関心があまりない人間であるから,全然レーダー・スクリーンに引っ掛かってこなかった。だが,このアルバムを聞いて,なるほど,これは実力はあるなぁと思わせる歌唱ぶりである。とにかく,歌い方が丁寧で,ジャズ・ヴォーカルにありがちなギミックに走らないところに好感が持てる。冒頭の"St. Louis Gal"はギター1本をバックにブルージーに歌われるのだが,多くのリスナーがこの1曲で相当注目度が上がったはずである。

この人,もともとフロリダ出身らしいが,お父さんがハイチ人,お母さんがフランス人という血筋で,その後フランスに移住している。今はどうかわからないが,アメリカに居を移したという情報は得ていない。こうした出自の彼女が,こうしたブルージーな感覚を聞かせるところは評価を上げる要因だとは思うが,これが本当に"Jazz Album of the Year"なのかというと,それは若干微妙である。もちろん,よく出来たアルバムではあるが,No.1とするならば,ほかにも選択肢がありそうである。もちろん,DownBeatの評者の特性もあってのことだと思うが,面白いと思えるチョイスであった。

その一方で,このアルバムが高く評価されたのは,彼女本人の非凡な実力もあるが,適切な伴奏陣の演奏ぶりにもあったと思える。これが単なる伴奏というよりも,インストとして聞いてもいけているのである。即ち,歌唱,演奏含めて非常にジャズ的に感じさせるところがこのアルバムのいいところである。こういう情報に疎いところに,自分の了見の狭さを感じるが,それでもこれは今後も注目していい歌手だと思える。星★★★★☆。

尚,余談だが,彼女は昨年Cotton Clubでライブをやっていたのねぇ。そう言えば告知を見たような気がしたが,当時,私が興味を持つわけもなく,ちょっと惜しいことをしたような気もするが,まぁ日頃ヴォーカルを聞いていないんだから仕方ないや(苦笑)。

Personnel: Cécile McLorin Salvant(vo, p), Aaron Diel(p), Rodney Whitaker(b), Herlin Riley(ds), James Chvullo(g, banjo)

2014年7月14日 (月)

宴の終わり:おめでとう,ドイツ代表!

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W杯はサッカー好きの人間にとっては,4年に1度の祝祭だと以前書いたが,その祝祭のフィナーレを飾る決勝戦は非常に見応えのある試合であった。ディフェンスを固めるアルゼンチンはドイツの組織的攻撃を防ぎながら,カウンターから何度か決定的なチャンスを迎えていた。得点と思われたHiguainのシュートは惜しくもオフサイドとなったが,ドイツを応援する私が冷や汗をかいたのは言うまでもない。

一方,ドイツもチャンスは作りながらも,決定的なシーンはアルゼンチンより少なかったように思える。ドイツ優位と言われながら,決勝戦はアルゼンチンがいい戦い方をしていた。そして,延長後半にGötzeがSchürrleのクロスに胸トラップで合わせ、決めた素晴らしいボレーが決勝点となり,ドイツの4度目の優勝で幕を閉じた。

このゴール,決めたGötzが褒められるのは当然だが,ディフェンダー2人を引きつけながら,ドリブルで左サイドを駆け上がり,素晴らしいクロスを放り込んだSchürrleの殊勲も見逃してはならない。この決定力,突破力が日本代表にあればと思っていた私である。いずれにしても,オランダが準決勝で敗れ,私はこの決勝戦はドイツを応援していたので,この勝利は嬉しかった。おめでとう、ドイツ代表!!

だが今回の大会のMVPがMessiってのはどういうことだろうか?もちろん,彼の個人技を否定するつもりはないが,ほとんどディフェンスに貢献しない姿を見ていると,それは違うんじゃないの?と言いたくなる。決勝戦でも,国家の威信を掛けて戦っているようには見えなかったし,怪我をしないようにプレイしているようにさえ思えたからである。だから,彼は上手いと思ってもどうしても好きになれないのだ。アルゼンチン代表ならば,Messiより積極性がビンビン伝わるLavezziの方が私にはフィットすると言っておこう。そもそも決勝でもFKを浮かせたりしてサポーターをガックリさせたに違いないMessiがMVPでは,アルゼンチン国民だって満足できまい。私なら準々決勝で敗れたとは言え,得点王に輝いたJames RodriguezをMVPに推すが...。

いずれにしてもこの1ヶ月間,私をここまで夢中にさせてくれた各国のプレイヤーたちに最後に感謝しておきたい。4年後のサッカー界がどうなっているかに思いを馳せながら,次回ロシア大会を待つことにしよう。

ひと月以上ぶりに映画を見た:「ノア 約束の舟」

Photo 「ノア 約束の舟("Noah")」('14,米,Paramount)

監督:Darren Aronofsky

出演:Russell Crowe,Jennifer Connelly,Anthony Hopkins,Ray Winstone,Emma Watson

久しぶりに家族ともども映画を見に行った。選んだ映画がこれであるが,もちろん旧約聖書における「ノアの方舟」に題材を取ったものである。この映画の難しいところは,宗教的なバックグラウンドを異にし,聖書の内容そのものを理解していなければ,ところどころに出てくる表現になるほどと首肯できないところであろう。だから,聖書に何の関心もない人間にとっては,単なる映像スペクタクルにしかならないところが辛いところであろう。

だが,聖書に書かれていることをある程度認識していれば,なるほどというシーンも含まれている。その一方で,そうした内容を認識していない聴衆にとっては相当冗長に感じられる映画と言ってもよい。宗教そのものが自分に関係ないと思ってしまえば,まさにこの映画の意味はよくわからないということになるわけで,その辺が評価の難しいところである。私はキリスト教に関しては昔からシンパシーの強い方なので,別にここで描かれていることには,特に抵抗感はないのだが,映画の出来とは別である。この映画は,聖書にできるだけ忠実に描こうとしたことにそもそも無理があったわけで,そこにやはり映画としての限界がある。

そうは言いながら,方舟に乗るべき人間が,本来の聖書の記述と異なり,この映画では6人しかいないことに,宗教至上主義者から批判を浴びるのだが,それはまぁそれである。それよりも何よりも堕天使"Watcher"の描き方がなぁってところである(これ以上書くとネタバレになるので,実際には見て頂ければ,私の言いたいことはわかると思う)。これが映画としての出来を軽くしてしまったように思えるのだ。

ということで,これは一般の人にとっては,ちょっと辛い部分もある映画だと思える。出来としてもちょっとなぁってところで,星★★☆。いずれにしても,Russell Croweは相当暑苦しい(笑)。

2014年7月13日 (日)

ブラジルは強国であっても王国ではないことを実証してしまった3位決定戦

3 準決勝でドイツに大敗を喫したブラジル代表に,ブラジル国民は相当怒っていたはずだが,その怒りを増幅させるような3位決定戦であった。

正直なところ,Van Gaal監督やRobbenが3位決定戦不要論とも思えるような発言をしていて,オランダとしてのモチベーションはどうなのよとは思いつつ,優勝しなければ意味がないと思っていたはずのブラジルのモチベーションと比較したらどういうことになるかと思いながら観戦していた私である。しかし,3位決定戦の試合を見る限り,モチベーションの問題ではなかったということは明らかである。ブラジルは明らかにオランダにボールを「持たされていた」が,パスの出しどころを見つけられず,オフェンスが機能しない状態が90分間続いたと言ってもよいような試合であった。そこにカウンターを仕掛けられただけで,守備は崩壊し,開始2分のPK,そして最終的には0-3というスコアはブラジル国民にとっては納得し難いものであっただろう。私がブラジル国民だったら,間違いなくフラストレーションたまりまくりの90分であり,試合中,試合後の代表に対するブーイングは当然だろう。代表チームに勝ちたいという意識が全く感じられないようにさえ思ったのは,きっと私だけではないはずである。

今回の下馬評では,あたかもブラジルが優勝候補筆頭のように言われていたように思う(特に日本のTVメディアはそうだろう)が,彼らは2002年に優勝してからはベスト8どまりのチームであることを踏まえて,優勝候補と言っていたのだろうか。もちろん,地の利は大きな要素だったが,準決勝,そして3位決定戦の守備の崩壊を見ていれば,彼らが優勝候補と呼ぶに値しないことは明らかなはずである。準決勝はThiago Silvaを累積警告の出場停止で欠いていたという要素はあっても,3位決定戦にThiago Silvaが戻っても,守備の機能不全は全く解消していなかったのである。つまり,ブラジルは攻撃こそ最大のディフェンスというチームであって,その攻撃が機能しなくなった瞬間,大したことのないチームに成り下がるということのように思える。

いずれにしても,今回のブラジルはNeymarの離脱というアクシデントがあったため,ハード・ラックと言うこともできるが,むしろ,彼に代わる人材がいなかったことの裏返しであり,Neymar一人に依存するようでは,ブラジルをサッカー王国と呼ぶには相応しくないだろう。彼らがサッカー「強国」であることに異論はないが,もはや決して「王国」ではないということが見事に実証された準決勝と3位決定戦であった。

オランダは今回3位という結果に終わったが,無敗でブラジルを去ると言うのは見事なことである。非常にバランスのとれた強いチームであった。中2日というきついコンディションにもかかわらず,運動量は全く衰えていなかった。特にRobbenの恐るべき体力には驚かされた。しかし,次回はRobbenもSneijderも代表にはいないのではないかと思うと,オランダ代表の今後は非常に興味深い。それでも,今回のW杯について言えば,私としては本当に応援のし甲斐のあるチームであった。おめでとう,オランダ代表!

2014年7月12日 (土)

追悼,Charlie Haden

Charlie_haden Charlie Hadenの訃報がネット上を駆け巡ったのは日本時間7/12早朝だと思うが,彼の逝去を逸早く伝えたのがECMレーベルであった。そのステートメントには次のように書かれている。

It is with deep sorrow that we announce that Charlie Haden, born August 6, 1937 in Shenandoah, Iowa, passed away today at 10:11 Pacific time in Los Angeles after a prolonged illness. Ruth Cameron, his wife of 30 years, and his children Josh Haden, Tanya Haden, Rachel Haden and Petra Haden were all by his side.

先日,私はこのブログでHadenとKeith Jarrettのデュオ作"Last Dance"を取り上げたばかりだが,はからずも生前最後のリリース作が"Last Dance"と題され,その終盤3曲のタイトルが"Where Can I Go Without You","Everytime We Say Goodbye",そして"Goodbye"というのはあまりに象徴的に過ぎるように感じるのは私だけだろうか。私の思い込みかもしれないが,Keith Jarrett,そしてこのアルバムをリリースしたECMのオーナーであるManfred EicherはCharlie Hadenの病状を認識し,Hadenの「白鳥の歌」としてこのアルバムをリリースしたように思えてならない。だからこそ,今までのECMでは考えられない"Where..."と"Goodbye"の別テイクが収録されているという構成になっていたのではないだろうか。偶然の一致なのかもしれない。だが,この偶然あるいは必然と思えるような作品のリリースには私は特別な感慨を抱かざるをえない。

Charlie Hadenという人はフリー・ジャズから,Quartet Westによるストリングス入りのスイートな作品まで,非常に幅広い音楽に対応できるとともに,デュオ名人として,多くのデュオ作をリリースしてきた。そうした滋味溢れるデュオ作とLiberation Music Orchestraのような作品との落差にはびっくりしてしまうが,それを全て飲み込んでしまう懐の深いミュージシャンだったように思える。

First_song 今回の訃報に当たり,私が追悼のためにプレイバックしたのは,Hadenのオリジナルであるタイトル・トラックで幕を開ける"First Song"(Sooul Note)であった。訃報に接して,まず私の頭をよぎったのがこのメランコリックで美しい曲で始まるこのアルバムであった。全編を通じて,彼を追悼するに相応しい美しい曲と演奏が並んでいる。いつまでも若いと思わせたCharlie Hadenも,実は既に76歳であったということには驚きをおぼえるが,それにしてもジャズ界はまたも惜しい人を亡くしたものである。

いずれにしても,Charlie Hadenは惜しくもこの世を去ったが,彼が残した数々の傑作群はこれからも多くの人を魅了し続けることには何の疑念もない。R.I.P.

Joe Henryの新譜はたまらない出来。

Joe_henry_invisble_hour "Invisible Hour" Joe Henry (Ear Music)

W杯の観戦や出張疲れで,珍しく体調を崩してしまった私である。試合のない時に体調を崩すというのは都合がよ過ぎであるが,疲れがたまっていたのねぇってことで,まぁいいや(笑)。ということで,間隙をぬっての音楽ネタのようになってしまっており,このブログも「中年W杯狂日記」に改名要と言われても仕方ない(爆)。それはさておき本日はJoe Henryである。

私がJoe Henryの音楽と出会ったのはBrad Mehldau,そしてOrnette Colemanも参加した"Scar"が最初であった。私としては,Mehldauのコンプリートを目指す身であるがゆえに,その作品はJoe Henryの音楽は二の次で入手したのだが,いかにもオルタナ的なサウンドが非常に面白いと思っていたし,Craig Streetのプロデュースも適切だと感じていた。しかし,その後のアルバムはよりルーツ色を強め,現代において,最もSSW的な魅力を感じさせてくれる人の一人というのが私の認識である。また,本人のアルバム以外でも,この人のプロデュースするアルバムは非常に魅力的な作品が多いのも特徴であり,私は彼のプロデュース作品は無条件で購入することにしている。まれにはずれもあるが,基本的に非常にレベルの高い作品を作り出していて,まさに信頼に足るプロデューサーである。

そのJoe Henryのミュージシャンとして新作であるが,これが非常にSSW的なアプローチで,この手の音楽が好きな私のようなリスナーにとってはたまらない出来となっている。まず,サウンドが渋い。Joe Henryの歌いっぷりは若干アクが強いが,この伴奏は往時のSSWのアルバムを想起させるものであり,現在もブラックホークが健在であれば,間違いなく高く評価されたのではないかと思わせる。これはHenryの書く曲によるところもあれば,伴奏そのもの,特にアコースティック・ギターの響き,並びにそのミキシングによるところもあるように思える。とにかく,ギターの音色が何とも魅力的なのである。そして,トラッドな感覚を想起させるホーンの使い方もあって,その筋のリスナーは間違いなくはまってしまう音なのである。特に私にとってよかったのはGreg Leiszのギターの音である。この人,いろいろなアルバムに顔を出しているが,クォリティを高めつつ,渋さを醸し出すという意味では往年のAmos Garrettを思い出してしまう。

メンツはいつものJoe Henry一座という感じだが,この安定感は「いつものメンツ」によるものも大きいだろう。この人たちは録音の期間が短いのが常だが,今回も4日で録られているにしてはクォリティが高い。ある意味,ジャズマン的なノリとも言えるし,妙なテクノロジーを駆使するわけでもないからこそ可能になると思える。

それにしても,毎度毎度この人のジャケは地味で,売る気があるのか?と思ってしまうが,音楽の内容とマッチングしていると言えばその通りである。いや,これはやっぱりいいと思う。星★★★★☆。

Recorded on July 24, 25, 26 & 31, 2013

Personnel: Joe Henry(vo, g), Jay Bellrose(ds, perc), Jennifer Condos(b), Levon Henry(cl, b-cl, ss, ts), Greg Leisz(g, mandolin, mandocello, weissenborn), David Piltch(b), John Smith(g, mandora, vo), Kenneth Pattengale(vo), Joey Ryan(vo), Lisa Hannigan(vo)

2014年7月10日 (木)

オランダ敗れる。本当に残念だが,決勝は面白くなった。

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オランダ〜アルゼンチンの戦いは,ディフェンシブな流れの中で,120分のスコアレス・ドローの末のPK戦で,アルゼンチンが勝利し,またもオランダのW杯制覇はならなかった。オランダを応援していた私としては残念だが,決勝はドイツ〜アルゼンチンという欧州〜南米対決となったのだから,まぁよしとしよう。

今回,アルゼンチンのディフェンスの固さが際立っていたが,オランダにはコスタリカ戦の疲れもあったのではないかと思わされた。見たところ,いつものオフェンスのキレが感じられなかった。そして,疑問だったのはPK戦が見えてきているところに,コスタリカ戦のPK戦での活躍が光ったKrulを今回は使わなかったことである。短期での戦いにはラッキー・ボーイ的なプレイヤーが重要な役割を果たすことがあるが,Krulはそうした意味合いを持ちそうだっただけに,準決勝でも使ってもよかったのではないか。もちろん,それは結果論に過ぎないのだが,前回のKrul起用に批判もあったVan Gaal監督は,正GKであるCillessenの顔を立てたのではないかとも思えるが,私は勝利のため,そして悲願のW杯制覇のためには,Van Gaalはもっと非情でもよかったように思う。データ的に見てもCillessenのPK対応能力はイマイチであることはわかっていたはずなだけに,今回もKrulを使うというオプションはあっただろう。

だが,Cillessenも2本は手に当てていただけに,それはやはり結果論か。むしろ4人蹴って4人決めたアルゼンチンを褒めるべきだろうし,2本止めたGKのRomeroを褒めるべきだろう。

オランダは中2日で3位決定戦なので,体力的なハンデは否めないが,なんとか頑張って,モチベーションの落ちたブラジルを破ってもらいたい。いよいよあと2戦である。もう少し頑張ろう。

2014年7月 9日 (水)

ドイツはあまりにも強く,ブラジルは浮き足立って自滅した。

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予想外の展開と言うにしてもあまりに一方的な試合であった。

立ち上がりこそブラジルらしいボール回しが見られたものの,1点先制された後のブラジルのディフェンス崩壊は,ドイツ大会における日本がオーストラリアに立て続けに失点した試合を思い出させるものであった。いずれにしても,オフェンスもディフェンスもはるかにブラジルより分厚かったドイツの完勝である。

正直言って,私は今回のブラジルへの異様なメディア(特にTVがひどい)の肩入れには辟易とさせられていたし,欧州サッカーをバカにしてるのかというような思いもあり,この試合もドイツを応援していたのだが,ここまでとは思わなかった。Neymar,Thiago Silvaの穴は控え選手が埋めるだろうと思っていたので,接戦は必至と予想したが,ブラジルといえども,浮き足立った時の弱さを露呈したようなものである。

前半で5-0となり,スタジアムは静まりかえり,挙句はFWのFredに対するブーイングというのがブラジル国民の思いを示しているが,勝って当然との思い込みを打ち砕かれただけである。ブラジル代表が3位決定戦へのモチベーションを維持できるか微妙だが,このままズルズルと敗退しては強国ブラジルが泣くってもんである。

明日の準決勝もう1試合は,私は全面的にオランダをサポートするが,一方で決勝は欧州対南米の構図の方が面白い気もする。でもやっぱり私はオランダに優勝させたいのだ。だが,今日のような完璧な試合を見せられると,ドイツ撃破が容易でないことははっきりしている。

だが,泣いても笑ってもW杯も残すところあと3試合である。全力で観戦することにしよう(笑)。

2014年7月 8日 (火)

究極の温故知新?今,"Somethin' Else"を改めて聴く

Somethin_else "Somethin' Else" Cannonball Adderley(Blue Note)

何を今更ではあるが,たまにはこういうアルバムも聞かなければならない。ということで,多くの言を必要としない超名盤である。昨年,「枯葉」の別テイク入りのCDもリリースされたが,私はそんなもんはなくても,このアルバムは従来版で十分だと思っているので,私が保有しているのは"Alison's Uncle"入りのCDである。"Alison's Uncle"はどういうわけか,今は"Bangoon"という曲名になっているが,その経緯はよくわからない。所詮それとてボーナス・トラックなので,あるに越したことはないが,なくても全然問題ないものだ(きっぱり)。

私が本作のLPを買ったのは35年以上前で,後にCDで買い直したものだが,正直言って,いつも聴いていたのはLPならA面の2曲である。「枯葉」はもちろんいいのだが,私は実は"Love for Sale"が異様に好きなのが,その理由である。よって,LPのB面に収められていた3曲は,大して聴いたことがないのである。

そして,今,このアルバムに改めて触れてみると,Cannonballのアルトの朗々たる響きが非常に印象的に聞こえる。もちろん,影のリーダーたるMiles Davisがいいのは当然だが,58年というタイミングでこうしたアルバムを吹き込んだのが今にしてみれば面白い。このアルバムの5日前にはアルバム"Milestones"の一部が吹き込まれているが,随分雰囲気が違うように感じるようにも思える。だが,ここ数年"Milestones"も聴いたことがない私なので,これを機に久しぶりに聴いてみることにしよう。

いずれにしても,モダン・ジャズのよさを1枚に集約したようなアルバムと言ってもよいが,それでもやっぱりLPのA面の2曲だよなぁと思っている。世の中には誰もケチがつけられないアルバムってあるが,これもそんな1枚。星★★★★★。でも正直言ってしまえば,"Kind of Blue"の方がずっと好きなのだが(笑)。

Recorded on March 9, 1958

Personnel: Julian "Cannonball" Adderley(as), Miles Davis(tp), Hank Jones(p), Sam Jones(b), Art Blakey(ds)

2014年7月 7日 (月)

"Jasmine"と同一路線の未発表テイク集

Last_dance "Last Dance" Keith Jarrett & Charlie Haden(ECM)

この二人による"Jasmine"がリリースされて,既に4年以上が経過している(同作に関する記事はこちら)が,その残りテイクと思われる音源がECMからリリースされた。なぜこのタイミングでというのもあるし,ECMは今までこうした商法は取ってこなかっただけに,そちらにもなぜという疑問符がつくが,Manfred Eicherとしてはオクラ入りさせるのは勿体ないと考えた上でのことであろう。だが,前作と2曲かぶっていることもECMらしくないと言えばらしくない。

まぁ,そうは言いながらも,クォリティの高い演奏を聞かされてしまっては,別に文句を言う筋合いではない。だが,"Jasmine"なかりせば,もう少し高く評価してもよかったと思われるこのアルバムも,この二人ならこれは当然のレベルではないかという感じで,印象が薄くなったことは否めない。"Dance of the Infidels"のような「へぇ~」な選曲もあるし,"'Round Midnight"のように,なかなかお馴染みのテーマが出てこない面白い演奏もあって,残りテイクにありがちないい加減さは感じないとしても,評価としては星★★★★が適当だろうというのが正直なところである。

だからと言って,この作品を否定するつもりはなく,名人同士の静かな対話って感じで楽しめばいいだろう。正直なところ,Keithのライブにおける神経質さは何とかして欲しいが,こうしたリラックスした雰囲気のライブも聞いてみたいと思ったって罰は当たらないだろうが,それは夢のまた夢ってところだろう。

Recorded in March, 2007

Personnel: Keith Jarrett(p), Charlie Haden(b)

2014年7月 6日 (日)

7/6に行われた準々決勝2試合について

いよいよW杯も佳境である。準々決勝は本当の実力チームがぶつかるということで,接戦が期待されるものだが,今朝行われた2試合もそういう感じだった。

Higuain アルゼンチン~ベルギー戦は,ベルギーのオフェンスが機能せず,途中までは全然面白くない展開だったのだが,同点を狙ったパワー・プレイ開始後のベルギーの怒涛の攻めは迫力があった。ただ,一瞬の判断の迷いで,得点機を逃したのは惜しかった。特にLukakuがゴール前に持ち込んだ時は自分でシュートまで持って行くべきだったように思えた。正直なところ,パワー・プレイに入るまでのベルギーの攻撃はボール回しばかりさせられている印象が強く,日本代表の試合を見ているようなフラストレーションがたまっていただけに,終盤の怒涛の攻撃がもう少し早く出ていればと思えた試合である。しかし,この試合,そうは言っても,相手ディフェンスに当たったボールに鋭く反応し,ハーフ・ボレーのようなかたちで見事なシュートを決めたHiguainの力は素直に認めなければならないだろう。ベルギーにとってはハードラックだったとも言えるが,Higuainの反応が鋭過ぎである。超一流のプレイとはこういうものだと思わせる見事な決勝ゴールであった。

Krul 一方,私が今回最も強力にサポートしたいと思っているオランダがコスタリカと対戦した試合は,オランダがボール支配率64:36で圧倒,シュート数も20:6で圧倒ということで,データだけ見れば,90分で勝てる試合を延長,そしてPK戦まで持ち込まれたのは,体力の消耗を考えると次戦のアルゼンチンとの準決勝が心配されるが,それでもPK戦の4人のキッカー(Van Persie,Robben,Sneijder,Kuyt)のキックの精度はまさに見事の一言であった。中継を見ながら,「そこに決めるか~」とひとりごつ私を,寝室から起きてきた娘が怪訝そうな目で見ていたが,それにも増して見事だったのが,延長後半終了ギリギリに投入されたKrulのPK戦での働きである。コスタリカの5人のPKに対して,全て飛んだ方向に狂いがなかったのは蹴ってから反応しているからなのかもしれないが,それにしても見事な2本のセーブであった。コスタリカとしてはあれだけ攻められていた中で,PK戦に一縷の望みを掛けていたはずだが,それを打ち砕く見事な働きっぷりであった。こうした交代のカードを最後の最後に切ったVan Gaal監督はまさに名将と言ってよい。Krulは実際にPKの対応能力は優れているのかもしれないが,この交代がコスタリカの心理に微妙な影響を及ぼしていた可能性も否定できないからである。簡単に言えば,「どんな奴なんだ」という疑念を生みだした心理戦の勝利という側面もあるように思える。だが,止めたKrulはまじで立派。「いい仕事してるねぇ」と言いたくなるような勝利であった。

これで準決勝はドイツ~ブラジル,アルゼンチン~オランダという南米対欧州という構図となり,ドイツ,オランダは完全アウェイ・モードでの戦いを強いられるが,だからこそ私は欧州を応援したいのだ。特にオランダには頑張って欲しいし,今回の戦いぶりを見ている限りは,アルゼンチンの撃破も十分に可能だろうと思わせる。とにかく,準決勝でもキレキレのRobbenと,Sneijderの強烈なシュートが見たい。こうなれば私はオランダ全面サポートである。頑張れ,オランダ!

2014年7月 5日 (土)

ブラジル,勝つには勝ったが,痛過ぎるNeymarの負傷。

David_luiz 今回のW杯を占う上で,非常に重要な一戦と考えられたブラジル~コロンビア戦はブラジルが2-1で勝利したものの,Neymarの負傷という痛みを伴うものとなってしまったのは残念である。

この試合,ブラジルはJames Rodriguezをほぼ完封というディフェンス面での効果が大きく,そして,カウンターも流れるようなパスの連続で,やはり強いなぁと思わせた。後半はコロンビアが攻勢に出ていたが,同点ゴールと思われたYepesのゴールがその前にオフサイドにより無効となったのは痛かった。FKを蹴った瞬間のオフサイドだけに,コロンビアとしてはとんだボーンヘッドであったが,その後のブラジルの2点目David LuizのFKはまさに見事であった。コロンビアは後半押していただけに,オフサイドともども,この2点目は痛かった。

ブラジルはコロンビアの反撃をPKによる1点でしのいだのはよかったが,Neymarの脊椎負傷による退場,そして今後2試合への出場不能はそれにしても痛い。個の力でも局面を打開できるNeymarの力はまさに相手にとっては脅威であるが,そのNeymarが欠けることによる攻撃力の低下は否めない。しかし,逆に考えれば,これによりブラジルはチームとして「Neymarのために」一丸となった戦いを仕掛けてくるに違いない。準決勝はドイツとの対戦だが,私としてはドイツをサポートするとは言え,Neymarの怪我によるブラジルとしての「チームとしての力」のアップにより,どういう結果が出るのか見ものである。この試合の1点目のゴールを決めた主将Thiago Silvaが,次戦は累積警告で出場停止というハンディキャップもあるが,ブラジルのモチベーションの高さはドイツを上回ってくるような気がする。いずれにしても,見逃せない一戦となることは言うまでもないが,いい試合になることは間違いないところだろう。これならば寝不足になっても本望である。

2014年7月 4日 (金)

ここのところ出張続きなので...

道すがら,音楽は聞いているのだが,ブログの記事を書く余裕があまりないというのが,実態である。7/2には秋田に日帰り出張をしたのだが,私はこれまで秋田に仕事で訪れる機会に恵まれず,今回が初めて訪問であった。短い滞在時間の中で,食を楽しもうなんてことを考えていると,ついつい酒量が増え,家に帰り着く頃にはヘロヘロになっているのだ。

昨日アップした記事は,実はストック記事だったのだが,今日はもうそのストックもない。ということで,言い訳がましく,この記事をアップである。秋田訪問により,日本の都道府県で降り立ったことがないところは残すところ2県となった。それがどことどこかはここには書かないが,ビジネス的に考えると,仕事で訪れるのは結構むずかしいかもなぁ。ということで,今日も開店休業のような記事でごめんなさい。

まぁ,でも一応書いておくと,今度のJoe Henryの新譜は,SSWの鑑のように感じられるいいアルバムである。さっさと記事にせねば,と言いつついつになることやら...(苦笑)。

2014年7月 3日 (木)

映画も渋かったが,サントラも渋いし,音だけでも楽しめる"Inside Llewyn Davis"

Inside_llewyn_davis_cd "Inside Llewyn Davis O.S.T." Various Artists (Nonesuch)

映画も非常によく出来ていて(記事はこちら),そっちだけでも楽しめるが,サントラ盤も欲しいとさえ思わせただけに,大いに期待できると思っていたアルバムが,ようやくデリバリーされた。T Bone Burnettがプロデュースしたこのアルバムは,フォーク,シンガー・ソングライター系の音楽が好きなリスナーなら,確実に気に入るだろうと思える作品となっている。

映画でも思っていたが,主演のOscar Isaacは非常に歌もギターもうまく,Justin Timberlakeも自分のアルバムとは全然違う感じで,当時の音楽へのリスペクトを感じさせるかたちでの歌唱に徹しているのが立派。彼らの歌もいいが,最後の2曲をDylanと,この映画のもとになる本を書いたDave Van Ronkで締めるというのがうまいし,非常に感銘を高める出来である。まぁ,映画もそうだったって言われればその通りなのだが,これはやっぱりよく出来ている。映画は見ていなくても,これだけでもOKと言いたくなるような逸品。星★★★★☆。

アルバムのリリースは昨年だが,国内盤は今年出たし,映画の公開も5月末だったので,新譜扱いとしてしまおう。それにしても"500 Hundred Miles"は懐かしかったなぁ。

Personnel: Oscar Isaac(vo, g), Marcus Mumford(vo, g), Justin Timberlake(vo), Carey Mulligun(vo), Stark Sands(vo), Adam Driver(vo), Nancy Blake(vo, cello), Gillian Welch(vo), Bob Dylan(vo, g), Dave Van Ronk(vo, g), Norman Blake(g), T Bone Burnett(g), David Mansfield(g, fiddle), Colin Linden(g), Baddy Miller(g), David Rawlings(g), The Puch Brothers[Chris Eldridge(g, vo), Chris Thile(mandolin, vo), Gabe Witcher(fiddle, vo), Noam Pikelny(banjo) & Paul Kowert(b)], The Down Hill Strugglers[Eli Smith(vo, banjo), Walker Shepard(g), Craig Judelman(fiddle)], John Cohen(mandolin), Dennis Crouch(b),

2014年7月 2日 (水)

やはりW杯は決勝トーナメントからが面白い

日本,欧州の列強がグループ・リーグで敗れて,W杯に興味を失ってしまった人もいるかもしれないが,せっかくの4年に1度の祝祭を,グループ・リーグの結果を以って終了とするのはあまりに馬鹿げている。一発勝負となる決勝トーナメントにはいってからこそが,W杯の醍醐味である。もちろん,ここに日本代表がいてくれたらと思うが,それでもこれまで見た試合の面白さはそんなことはどうでもいいと思わせてくれるものだった。

私はこれまでのところ,ライブではブラジル~チリ戦,オランダ~メキシコ戦しか見ていないが,どちらの試合も見どころに溢れた素晴らしい試合であった。特にブラジルを追いつめたチリの戦いぶりは天晴れであったし,敗れたとは言え,メキシコは途中まで完全にゲームを支配していた。

Photo それでも勝ち進むブラジル,オランダはやはり強いということになるが,それでも試合を見ていて,パスのスピードも精度も違うということがはっきりしたように思う。正直なところ,オランダは完全にメキシコに主導権を握られたばかりか,メキシコのディフェンスに手を焼き,パスの出しどころも見つからない状態から,後半の最終盤の怒涛のコーナー・キックの連続から,残り2分というタイミングでのSneijderの同点弾はまさに見事。そして,アディショナル・タイム6分という表示に何かが起こるとTwitter/FBでつぶやいた私だったが,案の定Robbenが倒されてのPKである。こういうのを劇的と言うのだ。

Photo_2 一方のブラジルも攻めることは攻めていても,本当の決定的なシーンはそれほど多くなかったように思えるし,延長線になるとブラジル,チリの両チームとも完全に運動量が落ちていた。しかし,延長線後半終了間際のチリのPinillaのバーを直撃したミドルには,世界中のブラジル人が息をのんだはずである。あれはまじで惜しかった。PK戦もお互い2本ずつ止められ,無茶苦茶プレッシャーのかかるところで決めるNeymarは大したものだが,最後に外したチリのJaraもギリギリのところをポストに阻まれたというだけであり,最後まで本当に見応えのある試合であった。試合中,Twitterがオーバーロードになっても仕方がないと思えるようなゲームである。

Jamesrodriguezre_2958203b これらの2試合は日本時間午前1時キックオフということで,見るのは非常に辛かったが,それでも見るに値する好ゲームであったと思う。こういうのを見ていると,グループ・リーグよりはるかに面白いことは誰だってわかるはずである。選手たちの当たりも激しくなるから,当然パス回しも早くなり,ちょっとしたミスが命取りになるようなシーンが出てくるわけである。これから対戦は続き,次の絶対見逃せない試合はブラジル~コロンビア戦ということになるだろう。ブラジルの攻撃力は大したものだが,ディフェンス陣がコロンビアの絶好調男,James Rodriguezを止められるのかが見ものである。彼がウルグアイ戦で決めたボレーはまさに完璧な美しいゴールであった。いずれにしても,James Rodriguezは今回の活躍ゆえに,ビッグ・クラブへの引き抜き確実と思われるが,彼がいる限り,ブラジルは決して楽には勝たせてもらえまい。イングランドと日本が去った今や,私がオランダ,ドイツのサポーターと化していることは事実だが,準々決勝のブラジル~コロンビア戦は,コロンビア・サポーターとして観戦したいと思う。日本が敗れたコロンビアだからこそ,頑張って欲しいと思っているのは私だけではないだろう。また,ブラジルに偏った日本のメディアの中継にも私は反感をおぼえるので,やはりここはコロンビアを応援したいと思う。

こんなことだから寝不足が続き,体調も悪くなるのだが,4年に1度の苦行と思えば,耐えざるをえないし,耐えるに値するプレイの連続である。だからやめられないのだ...。

2014年7月 1日 (火)

これだけは書かずにはおれないので書いておく

私は元来アンチ自民党の人間である。その自民党の中でも安倍晋三という男は最も嫌いな政治家の一人である。

その安倍晋三が本日の臨時閣議において,他国への攻撃に自衛隊が反撃する集団的自衛権行使を認めるために、憲法解釈を変える閣議決定をして,この恥知らずは,記者会見において,集団的自衛権が抑止力となって,「日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく」などとほざいていたが,いつもながらの詭弁も甚だしい。

そもそも閣議決定ごときで憲法解釈が変えられるのであれば,最高法規としての日本国憲法が恣意的な判断で,改正なしで運用できることを意味する。はっきり言って,今回のこのファシストの行為は,日本国憲法前文の最終パラグラフ「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」に反した行為であり,安倍晋三,内閣,そして,与党を構成する自民党,公明党はこの誓いを破ったに等しい。全て同罪である。

自分の信念だかなんだか知らんが,拙速にことを進め,自己満足に浸るこの男,まさに「アホ晋三」の名にこそ相応しい。失言を連発する「アホウ太郎」,更には唾棄すべき都議会議員含め,自民党,公明党に投票した選挙民は,この暴挙をもってしても彼らを支持すると言うのだろうか。支持政党を変えろと言うつもりはないが,真っ当な判断能力を失った輩を国会に送り込むべきではない。国会議員は民意を反映してこそ政治家の責務を果たすのであって,これが民意だと思っているのであれば,現在の与党は思いあがっていること甚だしい。

今一度,憲法第九十六条と九十八条を読みなおしてみれば,今回の閣議決定が何の意味もなさないことは明らかである。「アホウ太郎」は現状の国会の議員構成では,憲法改正できないから,解釈を変えて対応するなんて言っているが,それならば,もはや日本国憲法の存在意義は否定されたに等しい。

第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

ハト派の自民党員,平和主義の公明党員はもっと声を上げて怒るべきだ。

出た!Brad Mehldau参加のJimmy Cobbリーダー作

Jimmy_cobb "The Original Mob" Jimmy Cobb(Smoke Sessions)

Brad Mehldauのバイオグラフィを見ていると,彼がJimmy Cobbのバンド,"Jimmy Cobb's Mob"に参加していたことがあることはわかっていたのだが,レコーディングは残されていない。それは彼がまだティーンエイジャーの頃とも言われているし,そもそもNew School時代にはJimmy Cobbに指導されていたそうである。

今回,地味ながら実力のあるミュージシャンのアルバムをリリースしているSmoke Sessionsレーベルから本作がリリースされることはたまたまネットで知ったのだが,タイトルを見て反応した私が,その直感どおりBrad Mehldauの参加を知って,このアルバムを速攻で注文したことは言うまでもない。そして,このアルバムはいつものMehldauとは異なった,よりコンベンショナルなピアノ・プレイが聞ける。Jimmy Cobb曰く,彼は若かりし頃のMehldauのピアノ・プレイにWynton Kellyのような感覚をおぼえていたらしいが,なるほどそういう風にも聞こえる。いずれにしても,これは正調ハード・バップって感じの音楽である。

冒頭の"Old Devil Moon"のイントロこそ,現在のBrad Mehldauを感じさせる音であるが,その後は快調に飛ばすモダン・ジャズ・ピアニストという感じである。だが,唯一含まれるMehldauの"Unrequited"は彼のトリオの演奏とはだいぶ趣が違っている。これはJimmy Cobbの叩き方がJorge RossyやJeff Ballardとは違うからだが,Cobbのドラミングは必ずしも,Mehldauの曲と合っているわけではないところはご愛嬌である。ちょいとドタドタ感が強いのだが,よくよく考えてみれば,Jimmy Cobb,85歳でなので,その年齢を考えれば仕方がないかなって気もするが,十分にかくしゃくとしたドラミングを披露していると言ってもよい。そうしたドラミングを考えると,むしろ,"Unrequited"のような曲は入れない方がよかったかもなぁとも思いつつ,楽しめるアルバムとなっている。

このメンバーが集うのは20数年ぶりということだと思うが,ギターのPeter BernsteinとBrad Mehldauはことあるごとに共演しているのに対し,少なくともBrad MehldauにとってはJimmy Cobbとは久しぶりの共演のはずである。そうした彼の姿勢は,Jimmy Cobbへのリスペクトだと考えるべきだろうが,ここでは全くの自然体でピアノに向かう彼の演奏ぶりを楽しめただけでも私はOKである。星★★★★。

尚,余談だが,このアルバムはNYCのクラブ,Smokeにおいて,聴衆を入れない状態で録音したものだそうである。Smokeってアップタウンなんで行ったことないなぁ。そもそも,NYCだって暫く行ってないし。次はいつ行けるのやら(笑)。

Recorded on February 3, 2014

Personnel: Jimmy Cobb(ds), Peter Bernstein(g), Brad Mehldau(p), John Webber(b)

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